公園の池の回りには

クワックワッっと
何だかかわいげな鳴き声

冬眠から目覚めた
まだ少し寝ぼけたカエル達は
もう恋の気分で
半分寝ぼけたまま

小さめの声で

クワックワッっと
夜の池端で鳴いています

絶対に恋をしたいはずの
今このときなのに

あまりに控えめな声で
一途に鳴いている姿が

何だか切なくて

ただショートカットに
横切るために足を踏みおれた
夜の公園で

思わず足を止め
池の向かいのベンチに
そっと腰掛け

小さな生き物達の
優しいラブソングに
ひととき
耳を傾け

膨らみかけた桜の花芽と
眉のように細くなった
月明かり

夜の空気は冷たくて
まだ冬のようだけれど

初々しい
春の気配に満たされて

心ゆくまでのんびりと
幸せな夜を
そっと一人で
過ごしておりました