2015年06月
「改訂版・蔭山克秀の政治・経済が面白いほどわかる本」(中経出版)
「新版・注釈民法」(有斐閣)
この大コンメンタールは全28巻だが、未だ、5「期間・時効」8「留置権・先取特権・質権」11「多数当事者の債権及び債務・債権の譲渡」12「債権の消滅」19「不法行為Ⅰ」20「不法行為Ⅱ」が刊行されていない。私は、1988年に1「通則・人」28「遺言・遺留分」、1989年に27「相続の効果」、1992年に26「相続総則・相続人」、1993年に14「贈与・売買・交換」、1994年に24「親子(2)養子」、1996年に13「契約総則」、1997年に6「物権総則」、2003年に3「法律行為Ⅰ(総則・意思表示)」10-Ⅰ「債権の目的・効力」、2006年に13「契約総則(補訂版)」、2007年に7「占有権・所有権・用益物権」、2008年に22「離婚」、2009年に6「物権総則(補訂版)」、2011年に10-Ⅱ「債権の効力(損害賠償以下)」 、そして、2015年に4「法律行為Ⅱ(代理・無効及び取消・条件及び期限)」 を購入した。ただ、今年、債権法の大改正があったので、10-Ⅰ、10-Ⅱ、13~18は近い将来、大改訂されるだろう。弁護士でもない私が、このシリーズを購入し続けているのは専ら知的好奇心からである。私も一応法学部卒で司法試験も5回受験しているので、民法学の基本的な内容は一通り知っているつもりである。ゆえに、本書の内容は(詳細だが)読めば大体わかる。興味の在る箇所を中心に全体の100分の1くらいしか読んでいないが「民法学とは、これほど奥深いものなのか」と感動したりするのである。もちろん、私は「司法試験に絶対に合格しなければならない」とか「依頼人の困難な要求に何とか答えなければならない」というプレッシャーは皆無なので気楽に読めるのだ。それでも、26~28の「相続編」は、複雑な相続税申告事案の際に大いに参考になり、税理士業務にも役立った。この大コンメンタールは日本の民法学会が総力を結集して刊行し続けているものである。超一流の渉外弁護士や最高裁判所の判事ですら、日々の仕事で「座右の書」として活用しているのだ。ただ、全巻完結は10年後くらいか?
「国ごと,地域ごとにまとめ直した高校世界史㊤㊥㊦」(清水書院)
「さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち」(東映)
この映画が公開されたのが1978年8月5日である。その1月前の7月1日公開の「スターウォーズ」は初日に劇場で鑑賞した私だが、この映画には大して興味がなかった。この8月は、20日にPL学園が高知商業を逆転サヨナラ勝ちで下し甲子園初優勝したり、26日に日本テレビの「愛は地球を救う」がスタートしたり、プロ野球では阪急の今井雄太郎投手が完全試合を達成したりしている。この映画を先に見た従姉妹(6歳年下の小6女児)が「すごく面白かったよ。感動したよ。みんな死んじゃうけどね」と強く勧めるので、私も9月になってから劇場で鑑賞した。たしかに面白かった。ただ、あまり感動はしなかった。ラストなどは「え~特攻隊かよ!?」と違和感を持った。実は、この作品はヤマトシリーズの番外編で事実上「この話は無かったこと」にされている。だから、その後のシリーズでは、この作品で死んだはずの主要キャラクターが普通に復活している。たしかに、古代進と森雪は敵の超巨大戦艦へ特攻寸前に「反物質人間のテレサが身代わりになってくれて助かった」とも解釈できる。しかし、他のキャラは明らかに戦死している。この映画の魅力は、当時の超人気歌手・沢田研二が歌う主題歌「ヤマトより愛をこめて(作詞・阿久悠)」と、登場する宇宙戦艦のデザインの素晴らしさだ。特に、ヤマトに替わる地球防衛軍の旗艦・新造戦艦アンドロメダはアニメ史上もっともカッコいい宇宙戦艦だと私は思う。また、ハンマーヘッドシャークを彷彿とさせる敵・白色彗星帝国の最後の切札・超巨大戦艦(全長8キロとも12キロともいう。ちなみに、「スターウォーズ/エピソード5/帝国の逆襲」で初登場するスーパースターデストロイヤーは全長19キロらしい。私は、これをパソコンのデスクトップの壁紙にしている)の不気味さも忘れることはできない。ただ、他のヤマトシリーズは御都合主義満載なので、この作品こそが「異星人による地球侵略の恐ろしさ」「地球防衛の難しさ」「自己犠牲の尊さ」をリアルに語っているのかもしれない。
「インディー・ジョーンズ」(パラマウント)
このシリーズの第1作は、1981年公開の「レイダース/失われたアーク(聖櫃)」であり、「インディー・ジョーンズ」というタイトルは2作目以降である。第1作の時代は1936年、舞台はペルー・ネパール・エジプトである。ナチスドイツが世界征服(?)の為にキリストの聖遺物を探し、それを考古学者が阻止する話である。落語家の桂文珍そっくりの悪役が登場した時に、私は映画館(今はなき「新宿プラザ」)で「これは、絶対に「ひょうきん族」で文珍本人を起用してパロディを作るな」と思ったが、案の定、それは現実になった。1984年公開の第2作「魔宮の伝説」の時代は1935年、舞台は中国・インドである。残酷なシーンが多く、面白さも第1作より、かなり劣る。スピルバーグ監督自身も暗に「失敗作」と認めている。1989年公開の第3作「最後の聖戦」の時代は1938年、舞台はイタリア・オーストリア・ドイツ・ヨルダンである。またしても、ナチスドイツとキリストの聖遺物が登場する。そして、第1作以上に面白かった。これが、シリーズ最高傑作だと思う。主人公の父親役のショーン・コネリーが実に、いい味を出している。1987年公開の「アンタッチャブル」で念願のオスカー助演男優賞を受賞した直後で役者として一番円熟していた時期なのだろう。2008年公開の第4作「クリスタル・スカルの王国」の時代は1957年、舞台はアメリカ・ペルーだ。この作品は、やや期待はずれであった。初老の考古学者が旧ソ連の特殊部隊の若い隊員を簡単に撃退してしまうのは、いくら映画でも不自然だ。冷蔵庫に隠れただけで核実験の放射能から逃れられるのも変だ。最後のUFOも「え~!そういうオチ?」という感じである。主役のハリソン・フォードは現在72歳らしいので、彼を起用した第5作が作られる可能性は低いだろうし、ファンも期待していないはずだ。しかし、他にインディーを演じられる役者を探すのも難しいだろう。それとは別に、ハリソンが「スターウォーズ/エピソード7/フォースの覚醒」で32年ぶりにハン・ソロを演じるのは大歓迎である。