府中の税理士田村徹の何でもレビュー

本・映画・DVD・CD・文具・家電・観光地・その他、 私が過去に読んだり視たり聴いたり使ったり訪れたりした諸々の感想です。

2015年06月

本書を読んで真っ先に思い出したのが、「ホリものまね単独ライブ・本人不在、ちょ、まてよ!!」(ポニーキャオン)というDVDの「タクヤ朗読会」だ。これは、「もしもSMAPの木村拓哉が主観たっぷりに『赤ずきんちゃん』を朗読したら」というネタだ。あと、パスティーシュ(文体模写)小説の第一人者・清水義範の「蕎麦ときしめん」「永遠のジャック&ベティ」(講談社文庫)も連想した。実は、本書に掲載されている文章は(一部の書き下ろし作品を除けば)「ナナオクプリーズ」という作者の個人ブログで今でも読むことができる。新作も続々発表されている。本書は、その個人ブログの傑作選である。ネット上で無料で読める文章を、わざわざ1080円出して有料の書籍で購入するのは「物好き」と思われるかもしれないが、それは内容が抜群に面白いからだ。表題作は矢沢永吉ご本人も「面白い」と言ったそうだ。私が他に面白いと思ったのが「リアクション芸だらけの『桃太郎』」「悪徳商法だらけの『桃太郎』」「J-POPによくある歌詞だらけの『桃太郎』」「ブラック企業だらけの『桃太郎』」「もしも『桃太郎』がジャンプで連載されていたら」「クソレビューだらけの『桃太郎』」「スポンサーだらけの『桃太郎』」「死後だらけの『走れメロス』」「一発ギャグだらけの『走れメロス』」「いろんな芸能人が『走れメロス』を読んだら」「ラノベのような『走れメロス』」「ヤクザ映画みたいな『走れメロス』」「『走れメロス』がハリウッドで映画化したら」「おとぎ話の主人公が高田純二だったら」「注釈だらけのおとぎ話」「風俗の体験談みたいなおとぎ話」だ。なかでも、「J-POP」「いろんな芸能人が」「注釈だらけの」が傑作だ。近松門左衛門の芸術論に「虚実皮膜」というものがある。これは、「事実と虚構との中間に芸術の真実があるとする論(「広辞苑」より)」「事実と虚構の微妙な接点に芸実の真実があるとする論「大辞林」より)」である。本書は以前に紹介した「浅草キッドの週刊アサヒ芸能人」と同様に、「虚実皮膜」の魅力を(苦笑しながら)実感できる。

最初は2005年に、「政治編」「経済編」の2分冊で刊行され、2008年に合本して「パワーUP版」が、2011年に「決定版」が、それぞれ刊行された。そして、2014年11月に満を持して刊行された「改訂版」が本書だ。正直「決定版」とは全く別の本といってよい。全部で400頁しかないが、小さめの活字で「Point整理」「Point講義」がギッシリ書いてあり、その情報量と網羅性は半端なく、他の政治・経済受験対策本が中学生向けの公民の副読本に見えてしまうくらいだ。本書を「政治・経済」というマイナー科目を敢えて選択した奇特な受験生にだけ読ませるのは余りにも、もったいないと思う。「現代社会のしくみを詳しく知りたい」と向学心に燃える社会人にこそ読まれるべきだ。政治・経済の受験参考書で他に推薦できるのは「詳説政治・経済研究」「政治・経済用語集」「政治・経済問題集」(すべて山川出版社)くらいだろうか。あと、毎年2月ごろに出版される「資料政・経」(東学)は外せない。大きなお世話だが、文系の人の社会の受験科目は「日本史」か「世界史」、理系の人の理科の受験科目は「物理」か「化学」にすべきだ。「地理」は文系の2科目目、「生物」は理系の2科目目、という感じである。「政治・経済」は理系のセンター試験選択科目、「地学」は文系のセンター試験選択科目、という感じである。文系で「地理」や「政治・経済」を選択してしまうと、センター試験はともかくとして、受験できる私立大学が限られてしまうのが難点だ。また、「日本史」「世界史」は参考書・問題集が質量ともに充実しているので、これらを上手く組み合わせて学習すれば独学でも全国トップレベルに到達可能だ。一方、「地理」「政治・経済」は参考書・問題集が少ない上に、その情報も直ぐに陳腐化してしまうので、独学で全国トップレベルに到達することは困難で、予備校で定評の在る講師の授業を受ける必要性が大いにある。そして、本書は、大学受験専門予備校の「政治・経済」の講義レベルの高さを知らしめてくれる存在である。

この大コンメンタールは全28巻だが、未だ、5「期間・時効」8「留置権・先取特権・質権」11「多数当事者の債権及び債務・債権の譲渡」12「債権の消滅」19「不法行為Ⅰ」20「不法行為Ⅱ」が刊行されていない。私は、1988年に1「通則・人」28「遺言・遺留分」、1989年に27「相続の効果」、1992年に26「相続総則・相続人」、1993年に14「贈与・売買・交換」、1994年に24「親子(2)養子」、1996年に13「契約総則」、1997年に6「物権総則」、2003年に3「法律行為Ⅰ(総則・意思表示)」10-Ⅰ「債権の目的・効力」、2006年に13「契約総則(補訂版)」、2007年に7「占有権・所有権・用益物権」、2008年に22「離婚」、2009年に6「物権総則(補訂版)」、2011年に10-Ⅱ「債権の効力(損害賠償以下)」 、そして、2015年に4「法律行為Ⅱ(代理・無効及び取消・条件及び期限)」 を購入した。ただ、今年、債権法の大改正があったので、10-Ⅰ、10-Ⅱ、13~18は近い将来、大改訂されるだろう。弁護士でもない私が、このシリーズを購入し続けているのは専ら知的好奇心からである。私も一応法学部卒で司法試験も5回受験しているので、民法学の基本的な内容は一通り知っているつもりである。ゆえに、本書の内容は(詳細だが)読めば大体わかる。興味の在る箇所を中心に全体の100分の1くらいしか読んでいないが「民法学とは、これほど奥深いものなのか」と感動したりするのである。もちろん、私は「司法試験に絶対に合格しなければならない」とか「依頼人の困難な要求に何とか答えなければならない」というプレッシャーは皆無なので気楽に読めるのだ。それでも、26~28の「相続編」は、複雑な相続税申告事案の際に大いに参考になり、税理士業務にも役立った。この大コンメンタールは日本の民法学会が総力を結集して刊行し続けているものである。超一流の渉外弁護士や最高裁判所の判事ですら、日々の仕事で「座右の書」として活用しているのだ。ただ、全巻完結は10年後くらいか? 

2014年3月に、「タテで覚える世界史B」(中経出版)が出版された時、私は「遂に世界史各国史の決定版が出たな」と思ったが、その僅か半年後の9月に本当の決定版が出た。それが、本書である。㊤では1西ヨーロッパ史2南ヨーロッパ史㊥では1東ヨーロッパ史2北ヨーロッパ史3キリスト教史4北アメリカ史5中・南アメリカ史6オセアニア史7アフリカ史㊦では1東アジア史2中央アジア史3南アジア史4東南アジア史5西アジア史、が更に国ごとに分けて紹介されている。本文は3冊合わせても588頁と適当な量に納めてある。また、目次や索引も非常に詳しく、本当に文句の付けようが無い出来栄えだ。なお、通史の決定版は(新課程版ではなくとも依然)「ナビゲーター世界史B①~④」(山川出版社)である。また、今年、15年ぶりに大改訂された「青木・世界史B講義の実況中継①~④」(語学春秋社)も推薦できる(ただし、6月現在、全4巻中、2巻しか出ていないが)。用語集では昨年、改訂版が出た「世界史用語集」(山川出版社)は受験生の常識だろう。さらに意欲的な受験生は、今年、改訂版が出た「五訂 必携世界史用語」(実教出版)も目を通しておいたほうがよいと思う。図表集では「アカデミア世界史」(浜島書店)「詳説世界史図録」(山川出版社)「最新世界史図説タペストリー」(帝国書院)が、いずれも甲乙丙つけがたいので、3冊とも持っていたほうがいいだろう。あと、あくまで参考程度に「詳説世界史研究」(山川出版社)「世界史年表・地図」(吉川弘文館)かな。問題集では「世界史B標準問題精講」(旺文社)「実力をつける世界史100題」(Z会)あたりが問題も高度で解説も詳しく難関私大向けだ。それから、超有名教科書である「詳説世界史」(山川出版社)は最後の仕上げに読めば良いのではないか。初学者が独学で、この教科書を読み進めると「丸暗記主義&世界史嫌い」になるので、避けたほうが無難だ。あと、受験世界史サブノートの最高峰「世界史総整理Ⅰ~Ⅲ」(駿台文庫)の改訂版も今年出るらしいので楽しみだ。

この映画が公開されたのが1978年8月5日である。その1月前の7月1日公開の「スターウォーズ」は初日に劇場で鑑賞した私だが、この映画には大して興味がなかった。この8月は、20日にPL学園が高知商業を逆転サヨナラ勝ちで下し甲子園初優勝したり、26日に日本テレビの「愛は地球を救う」がスタートしたり、プロ野球では阪急の今井雄太郎投手が完全試合を達成したりしている。この映画を先に見た従姉妹(6歳年下の小6女児)が「すごく面白かったよ。感動したよ。みんな死んじゃうけどね」と強く勧めるので、私も9月になってから劇場で鑑賞した。たしかに面白かった。ただ、あまり感動はしなかった。ラストなどは「え~特攻隊かよ!?」と違和感を持った。実は、この作品はヤマトシリーズの番外編で事実上「この話は無かったこと」にされている。だから、その後のシリーズでは、この作品で死んだはずの主要キャラクターが普通に復活している。たしかに、古代進と森雪は敵の超巨大戦艦へ特攻寸前に「反物質人間のテレサが身代わりになってくれて助かった」とも解釈できる。しかし、他のキャラは明らかに戦死している。この映画の魅力は、当時の超人気歌手・沢田研二が歌う主題歌「ヤマトより愛をこめて(作詞・阿久悠)」と、登場する宇宙戦艦のデザインの素晴らしさだ。特に、ヤマトに替わる地球防衛軍の旗艦・新造戦艦アンドロメダはアニメ史上もっともカッコいい宇宙戦艦だと私は思う。また、ハンマーヘッドシャークを彷彿とさせる敵・白色彗星帝国の最後の切札・超巨大戦艦(全長8キロとも12キロともいう。ちなみに、「スターウォーズ/エピソード5/帝国の逆襲」で初登場するスーパースターデストロイヤーは全長19キロらしい。私は、これをパソコンのデスクトップの壁紙にしている)の不気味さも忘れることはできない。ただ、他のヤマトシリーズは御都合主義満載なので、この作品こそが「異星人による地球侵略の恐ろしさ」「地球防衛の難しさ」「自己犠牲の尊さ」をリアルに語っているのかもしれない。

このシリーズの第1作は、1981年公開の「レイダース/失われたアーク(聖櫃)」であり、「インディー・ジョーンズ」というタイトルは2作目以降である。第1作の時代は1936年、舞台はペルー・ネパール・エジプトである。ナチスドイツが世界征服(?)の為にキリストの聖遺物を探し、それを考古学者が阻止する話である。落語家の桂文珍そっくりの悪役が登場した時に、私は映画館(今はなき「新宿プラザ」)で「これは、絶対に「ひょうきん族」で文珍本人を起用してパロディを作るな」と思ったが、案の定、それは現実になった。1984年公開の第2作「魔宮の伝説」の時代は1935年、舞台は中国・インドである。残酷なシーンが多く、面白さも第1作より、かなり劣る。スピルバーグ監督自身も暗に「失敗作」と認めている。1989年公開の第3作「最後の聖戦」の時代は1938年、舞台はイタリア・オーストリア・ドイツ・ヨルダンである。またしても、ナチスドイツとキリストの聖遺物が登場する。そして、第1作以上に面白かった。これが、シリーズ最高傑作だと思う。主人公の父親役のショーン・コネリーが実に、いい味を出している。1987年公開の「アンタッチャブル」で念願のオスカー助演男優賞を受賞した直後で役者として一番円熟していた時期なのだろう。2008年公開の第4作「クリスタル・スカルの王国」の時代は1957年、舞台はアメリカ・ペルーだ。この作品は、やや期待はずれであった。初老の考古学者が旧ソ連の特殊部隊の若い隊員を簡単に撃退してしまうのは、いくら映画でも不自然だ。冷蔵庫に隠れただけで核実験の放射能から逃れられるのも変だ。最後のUFOも「え~!そういうオチ?」という感じである。主役のハリソン・フォードは現在72歳らしいので、彼を起用した第5作が作られる可能性は低いだろうし、ファンも期待していないはずだ。しかし、他にインディーを演じられる役者を探すのも難しいだろう。それとは別に、ハリソンが「スターウォーズ/エピソード7/フォースの覚醒」で32年ぶりにハン・ソロを演じるのは大歓迎である。

これは、元々モノクロであった作品に着色しブルーレイ化したものである。熱烈なウルトラファンの中にも賛否両論あるようだが、私は大賛成派である。見事な職人技で懐かしい昭和40年頃(東京オリンピック直後)の風景が鮮やかに蘇っている。私としては「東京物語」や「七人の侍」もカラー化してもよいと思っているが、これには猛反対する人が多いだろう。なお、「第三の男」のカラー化は私でも大反対だ。あの映画は「光と影の芸術」と呼ばれ、モノクロ映画の特徴を上手く生かしたものだ。「ウルトラQ」が放送されていたのは、私が国分寺聖徳幼稚園の年少組の頃だ。私や仲間の園児達は、この作品を毎週、ワクワクしながら見ていた記憶がある。映画館ではなく自宅のテレビで怪獣を見れるのは全ての日本人が初めて体験したことだ。また、当時は殆どの家庭のテレビは白黒だったので、この作品がカラーでないことは何らのマイナス要因にはなっていなかったはずだ。もちろん、これが特撮技術を駆使した完全なフィクションであることは幼稚園児ですら皆知っていた。それでも、毎週、ドキドキしながら見ていたのである。私が最初に憧れた職業がパイロット(それも大手エアラインの定期便ではなく、小さな航空会社のセスナ・ヘリコプターの操縦をする人)だったのは、モロに、この番組(主人公と相棒は調布飛行場あたりのパイロット)の影響である。あの、小回りのきく自由度が魅力だった。それから、これは、その後のウルトラシリーズにも共通するが、「子供の目線から見た大人の世界」よりも「大人の目線から見た子供の世界」あるいは「大人だけの世界」が数多く描かれている。このことは、私が小学生くらいから、(自分は未だ子供なのに)子供の世界を客観的に覚めた目で観察する習慣を身につける最大の要因になったと思っている。私は(自覚は無いが、両親の話によると)、国分寺市立3小・日の出町立平井小・平井中と一貫して担任教師から「変わった子・不思議な子」などと思われていたらしい。

具体的には、「相手の気持ちを考えろよ!」「ひとりで生きているんじゃないからな!」「おまえのためを思って言ってるんだぞ!」「もっと素直になれよ!」「一度頭を下げれば済むことじゃないか!」「謝れよ!」「弁解するな!」「胸に手をあててよく考えてみろ!」「みんなが厭な気分になるじゃないか!」「自分の好きなことがかならず何かあるはずだ!」である。私は50年以上の人生行路で、幸か不幸か、このような言葉を言われたことはないし(強いて思い出せば「謝って下さい」くらいか?)、もちろん言ったこともない(強いて思い出せば「それは自分の胸に聞いてみな」くらいか?)。誰かが誰かに言っているのを聞いたこともない。名作映画のセリフでも(多分)聞いたことがない。ただ、安っぽいテレビドラマ等では何度か聞いたことがある。たしかに、厭な言葉である。超上から目線で偽善臭たっぷりの言葉だ。言われた方は内心「たく、うるせーなー」「余計なお世話だっつーの」「大体お前はそんなに偉いのかよ?」と感じるだろう。おそらく、説教してる人間は優越感に浸って得意満面なのだろう。しかし、言われている人間よりも、むしろ言っている人間の方が哀れで滑稽に見えるから不思議だ。ちなみに、私自身の嫌いな言葉は「感動を貰いました」「頑張った自分への御褒美です」かな。前者は普通に「感動しました!」でよいはずだ。なぜ「貰う」などとワンクッション置くのだろうか?「本当は大して感動してないけど、ここは一応、感動したことにしておかないと変な人だと思われるので」という意味でもあるのか?この言葉は昭和の時代には無かった。聞くところによると、最初に言いだしたのは長野五輪のレポートをしていた民放の女子アナらしい。後者は「最近、仕事上のストレスが溜まっているので、その解消の為にも、前から、どうしても欲しかったした物を奮発して買っちゃいました」を少女趣味的に表現したものだろう。それにしても、「頑張った」と勝手に自己査定し、自分自身に「御褒美」という敬語を使うのは笑止千万である。

私が高血圧治療のために近所の内科医院に行ったのが2015年5月25日である。その時に貰った「はじめての血圧手帳」という冊子に、高血圧を改善するための生活習慣として「食塩制限」「野菜・果物の積極的摂取」「適正体重の維持」「運動療法」「アルコール摂取量の制限」「禁煙」と書いてあった。そこで「食塩制限」「野菜・果物の積極的摂取」のために購入したのが本書である。まだ出版されたばかりだが、大変に参考になる内容だ。「塩抜き」でも、これだけ多彩な料理が作れるとは驚きである。実は、私は6月10日の散歩の途中にラーメン屋でネギラーメンを食べた。なかなかの美味で(今までのように)スープまで完全に飲み干してしまった(私は飲食店やホテル・旅館で出された料理を残すことのできない性分である)。しかし翌朝、血圧が30以上も上昇していて大いに狼狽した。まあ「週末だけ」塩抜き、とは良いアイデアである。「毎日」塩抜き、は困難だし、逆に体にも有害だ。これからも「週末だけ塩抜き」は続けようと思っている。それから、「適正体重の維持」のために(原則として)夕食を抜くことにした。そのおかげで、5月25日には77キロ(身長は165センチ)だった体重が本日6月22日には71キロに減った。「運動療法」については、1日1万歩の散歩は止めて、1日30分のエアロバイク漕ぎにした。「アルコール摂取量の制限」についても、男性の1日の適量(ビール・大瓶1、日本酒・1合、ワイン・グラス2杯、ウイスキー・ダブル1杯、焼酎・0.6合)を守ることにした。恥ずかしい話だが、かつての私は、この「適量」を、ビール・日本酒・ワイン・ウイスキー・焼酎、全て合わせて「適量」と勝手に解釈していた。言うまでも無く、「ビールで換算すると」「日本酒で換算すると」という意味である。最近は自宅で晩酌をしない日も多くなったので、月に何回かある飲み会の日には「適量」を越えて飲酒しているが、月間30分の1で計算すると「適量」は守っているはずである。なお、私は「タバコ」と「ギャンブル」は大嫌いなので、「禁煙」は当然している。

この映画は、東映が米映画「ゴッドファーザー」の影響を大きく受けて、ヤクザ映画の路線を「任侠⇒実録」に切り替えた結果生まれたものだ。1974年のシリーズ完結以来、既に40年以上経つが、今だに不滅の輝きを放っている。僅か1年半の間に、「仁義なき戦い」「広島死闘篇」「代理戦争」「頂上作戦」「完結篇」の5作が製作公開されている。全5作を通じて登場する、「かっこいいヤクザ」が菅原文太演じる主人公・広能昌三であり、「情けない親分」が金子信雄演じる山守義雄である。「代理戦争」からは、「かっこいいヤクザ」として小林旭演じる武田明と「情けない親分」として加藤武演じる打本昇が加わる。なお、「広島死闘篇」「完結篇」の事実上の主人公は、両方とも北大路欣也が演じる山中正治と松村保である。「完結篇」以外の脚本は笠原和夫であり、彼は、このシリーズを大傑作にした最大の功労者である。「シナリオ仁義なき戦い」(幻冬舎アウトロー文庫)はプレミア価格の古本として流通しているが、仮初にも「仁義ファン」を自認するならば絶対に入手しておきたいものだ。このシリーズの特徴として、同じ役者が後の作品で別の人物を演じている事だ。例として、北大路以外にも、梅宮辰夫が若杉寛・岩井信一、松方弘樹が坂井鉄也・藤田正一・市岡輝吉、渡瀬恒彦が有田俊雄・倉元猛、小池朝雄が高梨国松・岡島友次、三上真一郎が新開宇一・川田英光、伊吹吾郎が上田透・氏家厚司、遠藤辰雄が時森勘一・相原重雄、という具合だ。このシリーズは人間関係が非常に複雑で、1度見ただけでストーリを把握するのは困難だ(これは「ゴッドファーザー」も同じ)。しかし、全編を通じて、名セリフのオンパレードで、「広島弁のシェイクスピア」とも呼ばれている。終戦直後から高度成長期の(実際にあった)広島ヤクザの抗争を描いているが、この世界は、我々が実際に生きる(単なる建前や綺麗事では済まない)現実社会の象徴でもある。ゆえに、カタギの人々も、この映画から多くの教訓を学ぶことが出来るのだ。

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