2007年09月16日

小金高等学校卒業式

ネットからの問題提起
「日の丸・君が代」の強制に反対です
 文部省や自民党による学校現場への「日の丸・君が代」の押しつけ、強制が各地で問題を引き起こしています。ご承知のように、卒業式での「日の丸・君が代」の扱いをめぐり、完全実施の職務命令を出した広島県教育委員会と、教職員との板挟みにあって悩んでいた広島県立高校の校長が卒業式の前日に自殺しました。
 一九八九年の学習指導要領で、「入学式や卒業式などには、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」と改められました。この指導要領をもとに文部省は、入学式や卒業式で、「日の丸・君が代」を強制してきました。以来、掲揚率・斉唱率は上昇し、実施率は都道府県によって差がありますが、文部省の調査では、公立学校の九八%以上が「日の丸」を、八〇%以上が「君が代」を実施しました。特に問題なのは、広島県の「君が代」斉唱率が低いと言うことで、文部省は「是正」指導をしていたと言います。こうした文部省・県教委の異常なやり方が、校長の自殺という深刻な事態を生んだのです。

● 大人もまとまっていないのにどうして?
 先日、「朝まで生テレビ」「激論 日の丸・君が代問題」を見ました。そこでは、「一九四三年のアメリカのバーネット事件では、国旗の教育現場への強制は違憲だという判決が出ている。ドイツ、イタリアでは、国旗、国歌をかえるため長期間議論しているが、日本にはそういう議論がない」(ルポライターの藤井誠二さん)、「政府資料によると、サミット諸国の教育現場では、国旗掲揚、国歌斉唱の強制はしていない」(穀田恵二衆院議員)、「大人がまとまっていないのにどうして子どもの現場に持ち込むんだ」(ジャーナリストの大谷昭宏さん)、「卒業式、入学式は校長が主権者だ。反対する方がおかしい」(高市早苗衆院議員)など、賛否両論が相次ぎました。
 「日の丸・君が代」問題はこのように大人の世界でも意見が分かれています。未だに政治的にも教育的にも争いがある問題について、一つの「価値」観を子どもに強制することは子どもの精神的自由を脅かす可能性があります。
また、教師が「国旗・国歌」の指導をする場合いには、「日の丸・君が代」の歴史をきちんと教えるとともに、子どもには「敬礼しない自由」「歌わない自由」があることを伝える責務があるといえます。子どもや生徒会が「日の丸・君が代」の強制を拒否する意見表明をした場合は、子どもの権利条約一二条の意見表明権にしたがい、その意見を考慮して、入学式や卒業式等のやり方を検討することが求められるでしょう。
 卒業式や入学式をどういう形でもつかは、各学校で話し合い、それぞれの学校にあった形をつくっていく、その中から生徒参加・学校改革へとつながっていくのだと思います。

● 「日の丸・君が代」から「三者会議」へ
 千葉県立小金高校は、創立以来三〇年、一度も入学式や卒業式に日の丸を掲揚したり、君が代を斉唱しことがありません。「日の丸・君が代」を国旗や国歌と指導しなければならないことへの疑問、強制することへの疑問があったからです。また、小金高校には、「自主自律」をモットーとする校風と、民主主義を尊重する学校運営とPTA活動がありました。
 ところが、一九九四年度の入学式で、当時の校長が、日の丸掲揚反対という職員会議の採択結果を無視して、日の丸掲揚を強行しようとしました。それに対して抗議した教職員を何人か処分しようとしたのです。それを知った保護者が「小金高校の自主自律を守る会」を結成し、教員を処分させない運動を展開しました。さらに、九四・九五年度の卒業式に校長は、生徒総会・職員会議の決定やPTAの要望書を無視して、日の丸掲揚に固執し三者からの信頼を全く失い、生徒会は校長の処分を要望する署名を全校生徒の七割も集めて県教委に提出し、PTAも辞職を迫りました。これらのとりくみの中で、保護者代表から、生徒・教職員・保護者の三者が卒業式だけでなく意見交換をする場を設けたいという意見が出され、「三者会議」を、九六年度から制度化しました。

● 学校の自治を守るとりくみ 
 小金高校は、日の丸掲揚問題を発端にして、「三者会議」の制度化やオープンスクールの開設など、親の教育権に基づく学校参加の運動が、学校改革へと結びついていきました。
 小金高校教師の鈴木顕定さんは、「『日の丸・君が代』については、生徒にも保護者にもいろんな考えをもっている人がいます。ただ、みんなで何度も話し合って日の丸を掲揚しないと決めたことを校長が最終的にひっくり返した。こんなことでは、学校の自治は守られないということでみんなで取り組んだ。以前から、生徒の自主性が尊重され、民主的な学校運営やPTA活動が行われていたので、日の丸掲揚問題から『三者会議』などの学校改革に自然につながりました。生徒・教職員・保護者が意見交換できる関係がないと、学校には小さい壁がいくつもあって、問題を顕在化させることが難しい」と語ってくださいました。

● 会員のみなさん。「日の丸・君が代」問題についてご意見をぜひお寄せてください。また、学校で起こっていること、とりくんでいることなどもお寄せください。ご一緒に考えていきましょう。

(大山早苗 記)


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