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 これまでちょこちょこ書いたかもしれないけど、一応事前知識があった方がいいかなともうことをまとめてみました。(今後いろいろ加筆修正があるかもしれません・・・)

<食事>
 通常この旅行で乗船するような外航船には、チーフクック(料理長)、セカンドクック(敢えて言うなら調理師?)、メスマン(給仕さん)が乗り組んでいます。食事はこのコックさんたちが作り、士官と旅客の場合はメスマンが給仕もしてくれます。
 なので三食昼寝付きという旅行ができるわけですが、ただ乗り組んでいるコックさん達の国籍は様々です。もしあまり腕の悪い・・・もしくはあまりなじめない料理ばかりが出てくるとなるとこれはなかなか大変です。船という閉鎖された空間の中では食事は最も大きな娯楽!海外旅行で和食が恋しくなった人はいるかと思いますが、これが長く続くとなかなか辛いです・・・個人的にはもし旅程が長い場合にはカップ麺など、いくらかの日本食を持ち込むことをお勧めします。CMA CGM ALMAVIVAの場合には写真のとおり杞憂に終わりました(^^;

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 また客船などと違い、決められた食事時間は守り、食べない場合は事前に伝えておきましょう。メスマンは休みも取れずに食事に来るのを待っているかもしれませんので・・・

<免税!>
 乗船する船舶が国際航海に就航している場合は、酒タバコなどは免税となります・・・!なので乗船中の分を買い込んでいく必要はありません!(厳密には検査されるかどうかは別として、持ち込める量は決まっているかと思いますが・・・)
 これは船員の特権ですね、酒もたばこも驚くほど安い値段で手に入ります!特に銘柄にこだわりが無ければ船内のボンドストアを利用しましょう。旅客の場合はおそらくUSDなどによる現金精算になると思います。(なおCMA CGM ALMAVIVAでは昼も夜もワインやチーズがサービスで出てきたので、私は一回も利用しませんでした。)

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<チップと持参する現金>
 日本人には馴染みがないチップ、でも日本船でない船に乗船するこの旅行では現金のUSDを準備しておいた方がいいと思います。具体的には少額USD紙幣を乗船日数や必要に応じて準備しておきましょう。基本的には部屋の掃除をしてくれるメスマンに、その他には過度の荷物の積み下ろしやその他お世話になったCREWに渡す機会があるかもしれません。
 現金が必要なもう一つ大事な点が、トラブル対応と港などでの必要経費。例えばイミグレでお金がかかったり、Shore pass(上陸するためのパス)の発行、その他何かトラブルが発生した際に現地代理店や官憲にお金を渡す必要に迫られる可能性も無いとは言えません。(この官憲というのが国によっては非常にめんどくさいことになるかもしれません・・・)このような場合、クレジットカードは役に立たないでしょうし、ここでものをいうのが米ドルの現金です。
 私は今回の乗船ではUSD、香港ドル、マレーシアリンギットの各通貨を用意しましたが、基本的にはどこもUSDで対応可能と思います。また現地通貨が必要な場合は現地Agent(代理店)その他が両替してくれるでしょう。

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<掃除・洗濯と貴重品>
 基本的に部屋の掃除はシーツの交換などもあるのでメスマンが、洗濯は自分でやることになると思います。ただメスマンに頼めば洗濯もおそらくやってくれるとは思います。(この際はチップを忘れずに!)
 私の場合は毎日掃除に来てくれたので、部屋の掃除やシーツの取り換えは数日に一回でいいとメスマンに言っておきました。
 また船によってはメスマンは部屋の鍵を持ってて、それで旅客の部屋を開けて掃除しているかもしれません。(どちらにしろ船にはマスターキーというものがあり、乗組員の誰かが全ての部屋を開けられる鍵を管理しています。)
 私が外航船に乗ってるときは自室のドアは開けっ放しで、特に盗難騒ぎにあったこともありませんが、自室で鍵をしてるからと言って貴重品を目に見えるところに放っておくのは一応お気を付けください。(近年の外国人船員は日本人よりよっぽどいい給料もらってたりするので、このようなトラブルはあまりないようです。)

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 ちなみに私は最初、洗濯の仕方が分かりませんでした・・・機械を見てしばらく考えましたがやっぱりよくわからない・・・???外国の機械ばかりですから、操作方法も習う必要がありました。

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 メスマンに操作を教えてもらって、ようやく洗濯も出来ました(^^;ちなみに洗剤は自動で入れてくれるらしく、投入の必要はないタイプでした。外国の洗剤という事もありますし、もし洗剤にこだわりなどがある人は持参した方がいいかもしれません。
 また洗濯後は自動乾燥だったり、別に乾燥室があったりしてそこで干したりします。(基本的に外には干しません、しぶきで洗濯の意味がなくなってしまいます(^^;)
 また通常船の洗濯機は汚れ物とそうでないもので分けられていることも多いです。なのでもし甲板や機関室でグリスなどのヒドイ油汚れがついたりした場合は洗濯場所を聞いた方がいいかもです。
(下の写真のように汚れ物用洗濯機は別の場所に・・・)

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<時刻改正>
 国際航海に就航している船につきものなのが時刻改正。例えば日本から韓国に行く場合は時差がありませんので、そのようなことは必要ありませんが、日本からアメリカに行く場合は船内時間の変更必要になってきます。
 船は飛行機と違ってゆっくり進みますから、時差に対応するため船内時刻を変更する場合、1日に30分~1時間程度ずつゆっくり変えていくことが多いです。(なので飛行機と違って時差ボケがほぼ発生しません!)
 通常は船内放送や掲示などで何時に改正されるかが知らされますので、自分の時計を手動で改正する必要があります。これをやっておかないと食事の時間、入港時間などいろいろと問題が起きてきます。
(CMA CGM ALMAVIVAでは船内放送とともに食事のメニューに時刻改正のタイミングが記載されていました。)

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<Restricted area>
 当たり前のことですが船内にはRestricted Area(立ち入り制限区域)があります。例えばブリッジやエンジンルーム、舵取機室などがそれにあたります。なので船内好き勝手にどこでも歩けませんし、下手にドアを開けようものなら船内で警報が鳴ったり、また開けるだけでエンジンが停止し船が止まってしまうものもあります。
 それによって船が遅れれば莫大な損害金が発生することもありますし、乗組員の信用も失って旅が最悪のものになってしまうので、許可を取ってから制限区域には入る、また分からないものには下手に触らないようにしましょう(^^;
(この規模の商船を1日止めればすぐに数百万以上の損害が発生してしまいますのでご注意を・・・!)

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<海賊>
 基本的にはあまり心配する必要はないと思うのですが、危険な海域もありますので一応・・・
最近はテレビなどの報道で海賊に対する認知度も高まっていますが、武装を持たない商船には切実な話です。(私自身、身近な船が海賊に襲われ拘束されたりしました・・・)
 CMA CGM ALMAVIVAのブリッジにもこのような防護服が・・・

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 商船も海賊対策を行っており、船内にシタデル(海賊が乗り込んできた場合などに逃げ込める隔離施設)があったり、危険海域を通る際はセキュリティーガードなどと呼ばれる民間武装警備員を乗船させたりします。また有名なアデン湾などでは各国軍艦が護衛してくれるコンボイに参加してその海域を通過したりします。
 海賊で有名な海域と言えば、マラッカ海峡付近、ソマリア沖、西アフリカギニア湾といったところでしょうか。残念なことに一時期は下火になっていたソマリア沖の海賊行為も最近再活発化していますし、ギニア湾に至ってはCMA CGMの船も襲われ、乗組員が連れ去られたりしています・・・

(記事)CMA CGM Turquoise Attacked, Two Crew Kidnapped

 特に西アフリカギニア湾の状況は良くないらしく、個人的にはそちら方面へ行く船はお勧めしません・・・

<退船などの緊急時>
 船舶はいろいろな事故災害が発生することもありますし、海上で隔離された状況でもありすぐに外部支援が望めない状況にあります。
 乗組員も火災、浸水、油濁、退船などなど、それぞれの事故災害について船上でも一定の期間ごとに訓練を行っています。このような事故の際、大事なことは乗組員の指示に従って行動することです。

 また基本的に大型船の場合、たとえ大きな事故が起きてもすぐに沈没という事はあまりありません。タイタニックやセウォル号も沈没までに数時間かかっています。
 もし退船という事になれば基本的には下写真の救命艇で脱出することになると思います。中には食料や清水が常時積み込んであり、乗組員の指示に従い乗艇。全員乗艇後、艇内からの操作で海上に降下脱出できる仕組みになっており、エンジンもついています。(日本の国内航路の船にはあまり搭載されていません。フェリーなどで搭載されているものもほとんどは救助艇と呼ばれるもので、乗艇して逃げるためのものではありません。)

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 非常時に一番大事なことは乗組員の指示に従って行動すること・・・なのですがもし置き去りなどにされた場合はこの救命いかだが船上にいくつかは残っているはずです。
 現場には操作方法が掲示されています。基本的にはこのいかだが海に落下すると展張しテントのような屋根付きのいかだになります。また水圧センサーが設置されており、船が沈んだ後も自動で浮いて来ます。(ちゃんと整備されてれば・・・)
 ただし乗組員の指示に従わずに自分勝手に操作することは絶対ダメです。乗組員はEPIRBやSARTといった他船に発見してもらう器機やTow way VHFなどといった通信機器も持参して退船します。よって自分一人で勝手に退船しても生存の可能性を低めてしまいますし、何より他の乗組員があなたを探し続け退船できない状況を作ってしまうかもしれません・・・

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<娯楽室>
 せっかくなのでできれば自室に閉じこもらずに乗組員と交流すると楽しいと思います。特にフィリピン人はのりもよくて一緒にいて楽しいです。(写真を撮るとサードオフィサーがピースしてくれましたw)
 停泊日や休みの日にはお酒を飲んでどんちゃん騒ぎをすることもありますし、乗組員の娯楽室に遊びに行くのもおすすめです!

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<衛生用品>
 最後に廊下にこんなものも設置されていました・・・一応日本でも船員法で搭載が義務付けられている品物でもあります(^^;

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