≪シンガポール海峡①≫
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 コンテナ船クルーズもそろそろ終盤。今回は最大の目的であるシンガポール海峡です。乗船できる航路はいろいろあったのですが、シンガポール海峡を通りたい一心で「香港~マレーシア」の航路を選びました。

 なぜかというとやはり峡水道通過で陸岸や他船を間近に見れること!そして中継地点であり、多くの船がバンカリング(補油)するシンガポールではたくさんの種類の船を見ることができるからです!

 変わり種ではヒツジ船やオイルリグのようなものを運搬している船とか・・・(GMどうなってるのか不思議でならない・・・)

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 ベトナムを出港後、南シナ海をシンガポール海峡に向け南下してきましたが、昼のうちにアナンバス沖でシンガポール海峡東口に向け変針、ここからは海峡入り口までワンコースです。

 アナンバスでの変針目標はMangkaiのライトハウス(灯台)、日本からシンガポール海峡を目指す船も殆どここを変針点としていると思います。なのでここからは同行船、反行船とだんだん船も混み合ってきます。

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 既出の写真ですが、アナンバス沖で撮った同行船の写真。船尾、船側から海賊対策の放水を行っています、こういうのを見るとやはり海賊発生海域なんだなあと改めて実感します。もう古い事件ですが、タグボート韋駄天、アロンドラ・レインボー号などの事件もありましたし・・・

 船によりますが夜間は放水に加えてブリッジ両舷のウィングに追加の見張員を配置して、サーチライトを持たせ海賊ワッチを行っていました。実際無灯火の漁船、小型船もあり、それらがついてきた際は気持ちのいいものではありません。日本で我々が使っている石油もガスもこういう所を通って、主に海外の船員さんが運んで来てくれているのです・・・

 今では考えにくいことですが、わずか数十年前、イランイラク戦争の時も戦火の中を日本の商船は護衛も付けずに民間の船員さんで原油などを運んでいたんです。その結果死者も出ていますが、殆どの人がこのことを知りません・・・上司からはミサイルがブリッジを貫通した話などを聞きました。
 今はアデン湾へも海賊対策ですが自衛隊さんが派遣されるようになりましたし、今後は戦火の中を商船が護衛もつけず航行するようなことがなければいいのですが・・・

 話が本筋から離れてしまいましたが、Mangkaiを昼通過したという事で、船速とシンガポールまでの距離から計算するとシンガポール海峡通過は夜ということに・・・残念。仕方ないですがこれも運、昼間の通峡なら前述のいろいろな船をはっきり見ることができたのに・・・
 そのために望遠レンズも持ってきていたのですが、まあどちらにしろ一眼は数日前にお亡くなりになってしまっていたわけで、昼間通ったとしてもスマホでしか写真撮れ無かったわけですが。

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 夜間通峡に備えて部屋で仮眠、そして窓際に設置したタブレットでいいころ合いを見計らってブリッジへ行くことにしました。
 一眼が使用不能になっていたので、スマホで左舷後方の同行船を撮ってみましたが・・・やはりきついですね(^^;

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 下図がシンガポール海峡の全容になります。船は右側通行になりますので、西航の場合はこのレーンの上の方を航行します。東航の場合は下のレーンですね。

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 まずは海峡東口にある浅瀬Eastern Bnakの東側を南下、そのまま航路の右レーンに入っていきます。
 シンガポール海峡はVTIS(Vessel traffic information service)があり、三つのセクターVTIS EAST、VTIS CENTRAL、VTIS WESTに分かれており、それぞれVHF(船の近距離通信無線)チャンネル10、14、73を聴取することとなっています。またセクターに入るときは必要な通報を行います。

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 今回は西航になりますから、最初に入るのはVTIS EAST、下図で矢印で示しているのがHorsburghライトハウスで、この灯台を左舷正横に通過する時がVTIS EASTのセクターに入る場所になり、VTIS EASTを呼び出して必要事項を通報することになります。ちなみに呼ばなかったらあっちから呼び出されますw

 呼び出すときは船名もですが各船がそれぞれ持っている符号、コールサインを良く使いますね、CMA CGM ALMAVIVAの場合は「FLSU」。
 外国船の名前ってお互いにアルファベットは分かっても発音が分からないから、その方が間違いはないですよね。AISで船名見ても、本当にどう発音するんだろうって悩むこと多いのではないでしょうか?外国の船員さんも日本の船名を良く変な発音で呼んできますよね。

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 ここで通報を音声だけでも記録したかったのですが、ボーっとしてて、最初の方をとれませんでした(^^;動画ではエアドラフト、危険物、Bunker Convention Certificate(注1)と最後の方だけ・・・他にもこれ以前にドラフト(喫水)とかいろんなことを通報してるんですが、忘れてしまいました(^^;
 エアドラフトというのは船の水面上からの全高になります。過去にシンガポールでは船がロープーウェイのケーブルを切断する事故があったそうで、そのため報告を要求されると聞きました。



 最後にEarstern buoyで呼べって言われて交信を終えてますね。VTISは忙しくすぐ次の船を呼び出しにかかっています。
 言われた通り、Horsburghライトハウスで通報したら、次はEastern buoy(下図赤マーキングのブイ)で再度通報となります。それまでの間、必要のない場合は特に呼ばれませんが、危険がある場合にはどんどんVTISから呼び出されます。

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 このEarstern buoyの手前付近から右手のマレーシア側には無数のアンカー船が現れます。このレーダー画像が今回の通狭時の錨地の様子・・・左上の無数の点は全て錨泊中の船舶です(^^;
 本当に昼だったらどれだけの船を見ることができたかと・・・残念ながら夜見れるのは灯火だけ・・・
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 長くなったので今回はこのへんで切り上げ、また次回まとめさせていただきます。

注1:Bunker Convention Certificate