記者「◯◯社の××です。桜さん本日は宜しくお願いします」
 桜「あ、どうも。こちらこそ、宜しくです」
記者「どうぞ、おかけになってください」
 桜「はい」

記者「では早速ですが、幼少時代にアメリカに住んでたとのことですが、 
   滞在されてた頃の思い出などありましたら、お聞かせください」

 桜「ん〜...っと、場面でいうと、まず、
   大人になってから母や父に、その頃のエピソードを聞かされた事があります。
   僕が3歳の頃ですかね、マンションのエレベーターで母親に抱っこされ、
   その時、同じマンションに住むアメリカ人が犬を連れてたんです。
   僕はその犬を見て号泣しました。
   おそらく犬を見たのが初めてだったのでしょうね。怖くて、得体の知れない
   恐怖感に襲われ、ただ大声で泣くしかなかった。
   僕の泣いてる姿を見て、逆に犬が尻込みしたんですよね。
   その光景が、面白かった、とか。
   母にその話を聞かされたことがあります、度々。
   ですが、
   その話自体、はっきり僕は覚えてるんですよ。2歳か、3歳だったと思います」 

記者「その頃の記憶を覚えてるなんて、桜さんは記憶力が良いのですね。
   私なんて幼少期の頃は忘れてしまいましたよ。他に覚えてることがあったら
   お聞かせください」

 桜「そうですね、なんとなくですが、覚えてることとしては、
   車の玩具を持ってたのですが、これを説明するのが少し難しいです。
   チョロQの逆のような可動式だったと思います。
   チョロQって、車体を地面に着かせてから、後ろに数回バックさせますよね。
   僕が持ってた車の玩具(の1つ)で、車体を数回前に動かすと、
   中のモーターが動き始め、前方発進する...そんなのがあったんですよ。
   動かす前に、何回も何回も車体を数回前に出し、
   すると長距離での進行が可能になるようなやつなんです。
   調子に乗って、たくさん車に動いてもらいたいからって、最初に何度も何度も
   可動させるように、その手順を行ってたんです。
   中のモーターが熱くなるぐらい、になった所で床に車を置きました。
   すると、子供ながら楽しいぐらい、玩具の車はグングン進み、
   きゃっきゃっ笑いながら遊んでました。
   ですが、途中で、
   姉が(居間の)地べで寝転んでたのですが、車は姉の方向へ進んで行き、
   車輪が見事に、姉の長い髪に絡まってしまったんですよね(笑)」

記者「それは、お姉さん、気の毒な事故ですね(笑)」
 桜「そうなんですよ。...そのあと「イタイタイタイ...」って痛がる姉は、
   大がつくほど僕に激怒してくれました(笑)」

記者「幼少期に住んでたマンションって、日本人の方も住んでたんですか?」
 桜「う〜ん、...どうなんでしょね。その辺の記憶は曖昧なのですが、
   おそらく居たような気もしますね。ですが、マンション自体は普通に
   アメリカ人が沢山暮らすような場所でしたよ。
   僕は日本人学校に通ってて、学校では日本人の友人が1番の親友でした。
   "のりくん"って人ですが、日本に帰ってからも会ったことある人です」

記者「"のりくん"との思い出は?」
 桜「MASTERS OF UNIVERSE(マスターズオブユニバース)、っていうアニメ、
   大好きでしたね。僕も、のりくんも。
   このアニメはよく2人で見てましたよ。
   ざっくり言うと、マッチョマンの主人公が居て
   悪者と戦っていくとかって話だったと思います。 
   ただ、キン肉マンみたいなのとは少し違う感じですね。
   キン肉マンって、「火事場のクソ力」を出す前って、
   全然真面目にやらずに、ふざけた行動が多く、そもそもギャグ漫画ですからね、
   それに比べると、ヒーマンは、もっと硬派なキャラですかね。
   発音で言うと、"ヒーマン"というより"ヒーメン"なんでしょうけど。
   
   当時、僕は"ヒーメン"のフィギュアを持ってましたよ、
   のりくんは、"ドラゴンブラスタースケルター"っていう悪役キャラのフィギュアを
   持ってましたね。2人でよく遊びましたよ。
   当然、日本へ帰国したときも、このアニメは放送されてると思ったのですが、
   放送してなくて、がっかりしたのを覚えてます(笑)」

記者「その頃からフィギュアがお好きだったのですね(笑)」
 桜「そうかもしれないですね(笑)。」

記者「日本で同じものが放送されてないと、そこで文化の違いみたいなものを
   幼少ながら感じたのでしょうか」

 桜「当時はね、そうだったと思いますよ。ただ今の時代はネットとかありますからね。
   先日ググってみたら、"ヒーメン"のフィギュアとか普通に日本で販売されてるので
   驚きましたよ」 

記者「他に懐かしいなって思うような(アニメも含めて)海外作品を日本で見たものは?」
 桜「そうですね、ガーフィールドやピンクパンサー、
   スマーフは懐かしいなって思いますね」
記者「 現在ケーブルテレビで放送されてるものも幾つかありますよね」
 桜「そうなんです。すごく嬉しい気持ちになりますね。
   とくにガーフィールドやピンクパンサーは、僕が甥っ子ぐらいの年齢のとき
   見てたので、今、自分の甥っ子たちが見てるのを見ると、感傷深いものがありますよ」

記者「桜さんがアメリカに住んでた頃、強烈に残ってる思い出はありますか?」
 桜「僕には2つ上の姉と、8つ上の姉が居るんですが、
   2つ上の姉とテレビを見てたとき、映画"エクソシスト"をやってたんですよ。
   姉とキャーキャー騒ぎながら見てて、
   途中で見るのをヤメても良かったのですが、
   ストーリー自体が、悪魔が乗り移った少女の話だったので、
   自分が途中でチャンネルを変えたら、自分に悪魔が乗り移りそうで、
   チャンネルを変える勇気が持てずに、結局最後まで見たんですよね(笑)」

記者「それは、おいくつの頃ですか?」
 桜「僕が3歳か4歳の頃だと思います」
記者「"エクソシスト"なんて、子供からすれば恐怖でしょうね(笑)」
 桜「いや、本当に怖かったですよ。今は笑い話になりますがね」

記者「他に印象に残ってるテレビとかってありますか?」
 桜「今、パッと思い付くのは、"ブービー"っていう、実写の車の話ですね。
   子供だったので正確な発音が正しいとは言えませんが、
   僕は"ブービー"って言ってました」
記者「それはどんな話ですか?」
 桜「んっと、 車体が丸形なんですが、旧式のフォルクスワーゲンってありますよね。
   その車が、水色っぽい、淡い青色なんですが、
   主人公は2人(か1人)の男性だったかな、と思います。その男性と、車が
   話の主役みたいなものです。
   全体的には、コントのような作品で、パロディ色の強いテレビドラマのシリーズ。
   分かりやすくいうと、少しミスタービーンに近いような、
   それで台詞もあったりして、そんな感じの作品だったと思いますね。
   走行中に、なにかにぶつかり、車が綺麗に真っ二つに割れても
   平然と車が走ってたりして、
   (そこにSEの)笑い声が入ってたりして。 つられて視聴者も笑っちゃうんですよ。
   子供から大人まで、幅広い世代に好まれる作品だったと思います。
   詳しくは覚えてないですがね、   
   大好きな番組でしたよ」 
記者「"それは面白そうな番組ですね。他にも、"ブービー"以外で御覧になられてた
   ものは何かありますか?」

 桜「そうですね、...番組のタイトルとかは何も覚えてないんですが、
   オレンジ色の車で、アクション系のシリーズもあったと思います。
   それは男の子向けと言いますか、
   カーアクションが多いような、そんな感じのやつです。
   多分、ナイトライダーよりも古い作品で、車は別に喋らないのですが、
   車と主人公がメインの作品でしたね。うちに昔、ミニカーもあったと思います」 
記者「タイトル、気になりますか?」
 桜「それは気になりますよね。時間があるときに調べたりしてるんですが、
   なかなか見つからなくて、半分あきらめてます。
   どなたか分かる方いたら、教えてもらいたいぐらいですよ」

記者「タイトル分かると良いですね。
   さて、質問がガラっと変わりますが、イベント的なことで印象深かったことは?」

 桜「これと言ったことは過去のことですので、あんまり覚えていませんが、
   学校で行った、キャンプとか、ですかね。それは少し覚えてます。
   当時、1人の黒人の男の子と、全然ウマが合わなくて、
   気が付いたら、しょっちゅう泣かされてましたよ(苦笑)。 
   クラスの子たちが整列した際に、いつもその子が僕の前に居て、
   先生が生徒を座らせて、話してるときも、
   その子は後ろを振り返り、僕に向かって砂をかけたりとか(苦笑)、
   砂が目に入って、泣かされたことが何回もありましたね。
   家に当時の写真がどこかにあると思うのですが、
   多分その黒人の子が写ってると思いますよ」
記者「小さい頃に泊まった思い出って、わりと覚えてるものですよね」
 桜「僕にとっては、それが初めての、家族以外とのお泊まりだったと思うんですよね。
   ですので、行く前は期待と不安もあって、
   でも楽しみの方が強かったような気が しますね。
   ただ、その子さえ居なければ、という感じですよ(苦笑)」

記者「学校のイベント以外で、印象深かった、アメリカの行事とかは、
   何かありますか?」

 桜「もちろん、いっぱいありますよ。
   中でも、クリスマスよりも、僕はハロウィンですかね。
   すごい楽しかったですね。みんなで仮装をして、同じマンションの子たちと
   待ち合わせをして、みんなと供に行動するんですよね。
   マンションの階に住む住人の家の、ベルを1軒ずつ慣らしてゆくんですよね。
   玩具のバスケットに、コインとか、お菓子とか入れてもらって、
   あれは本当に楽しい思い出でしたね」
記者「ちなみに桜さんは、どんな仮装をされたのですか?」
 桜「 えっと、...うろ覚えなんですか、向こうのアニメで、いちご姫?
   っていうんですかね、そうゆうストロベリーなんとかっていう
   そんなアニメが放送されてたのですが、
   そのアニメの中に登場をするキャラで、
   髪が紫色で、うさんくさいヒゲの生えてる男爵みたいな、
   細身で中年ぐらいの男性ですかね、そんなキャラが居たんですよね。
   名前は忘れましたが、僕そのキャラ凄く好きだったんですよ。
   親に頼んで、あれになりたい!とおねだりしたら、
   両親がそのコスプレグッズを僕にプレゼントしてくれて、
   喜んだ記憶がありますよ。もちろん、ヒゲも付けました(笑)」
記者「とても気になるキャラクターですね(笑)」
 桜「ちょっと伝わりにくかったですかね、
   ...例えでいうと、くまのプーさんに出てくるティガーとか、
   一見ひょろっとしてて、頼りがいなさそうな、そんなキャラですよ。
   なんていうんですかね、キャラの性格?っていうんですかね、
   特攻野郎Aチームのモンキーとかもそうですけど、お調子者って言うんですかね、
   グループのムードメイカーでもありながら、普段はどこか頼れない奴。
   僕、あ〜ゆうキャラクターって子供の頃、大好きだったんですよね。
   まったくもって自信は無いですが、
   多分、性格柄はその系列だと思います、
   僕が当時コスプレした、男爵みたいなキャラも」 

記者「ハロウィンが思い出深いというのは、少し意外な気もしましたよ」
 桜「そう、それで1つ思い出したんですけど、僕が帰国した80年代の前半は、
   まだ日本には、ハロウィンのイベントって浸透してなかったんですよね。
   すごく好きなイベントだったので、驚いたと供に、残念でしたよ。
   子供のイベントと言えば、クリスマスか誕生日、あとは子供の日ぐらいですよね。
   5月が過ぎてから、12月になるのって、とても長く感じましたよ」

記者「帰国の話も出たついでに、帰国した際のエピソードがあったらお聞かせください」
 桜「さきほど、"のりくん"の話題もしましたが、
   彼が僕よりも数ヶ月前に、帰国してしまったんですよね。
   あれは今でも覚えてる感覚です。すごく、さみしかったですよ。
   と同時に、早く日本へ行きたいなと思いましたよ。
   心の中では分かってたんです、また会えるということも。
   ですが、やはり1番の親友でしたので、彼が帰国するときは泣きました」 
記者「子供の頃の、別れは辛いものですものね」
 桜「そうなんですよ。子供って、1日1日が大人よりも長く感じるものですから、
   自分が帰国したいと思った日から、その日になるまでが何年ものように
   感じてしまいました」
記者「桜さんが帰国した際に、何かお別れ会みたいなものは行ったのですか?」
 桜「どうだったんですかね、ちょっと覚えてないですね。
   なんとなく覚えてるのは、みんながメッセージを色々書いてくれて、
   小さな手帳みたいなものに、1ページ1ページ、クラスのみんなが。
   それを当時、クラスの学級員みたいな優等生の白人の子が、
   僕にプレゼントしてくれたんですよね、みんなの前で。
   感動と供に、照れくささもあり、でも凄い嬉しかったですね。
   今でもその手帳は大事に保管してますよ」 
記者「素敵な話ですね。
   いつかアメリカへ行く機会があったら、
   そのメッセージを書いてくれたどなたかに会えるかもしれませんよね」

 桜 「会えたら、それは奇跡だと思いますよ(笑)」