巷にひとり在り

歴史好きな漫画家・大西巷一の公式ブログ

「梅田ラテラル」という大阪のトークイベントハウスからお誘いを受けまして、オンライン配信のトークイベントをやることになりました。

題して
「大西巷一先生の西洋暗黒教室」

11月30日19時スタート

配信チケットは2,000円

司会は吉本興業のあずき坊主さん

トークの内容は、

・漫画家になった理由
・歴史の魅力
・作画のお話
・ダンス・マカブル裏話
・フス戦争について

となっています。


主に『乙女戦争』や『ダンス・マカブル』を中心に中世ヨーロッパ史の面白さとか、歴史漫画の創作にまつわる話とか、そんな感じの内容になりそうです。


20年以上歴史漫画にこだわって創作活動続けてきて、話したいことは山ほどあります。

有料のイベントですから、それに見合うだけの内容になるようがんばります。

ディープな話やここだけの裏話もどんどんしたいと思います。

興味がありましたらぜひご参加ください!


詳細とチケット購入はこちらから


質問コーナーもあるとのことですが、あらかじめコメントやTwitterなどで訊きたいことなど教えてもらえたら、トーク内容の参考にもさせてもらいます。

よろしくお願いします〜〜
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10月28日はチェコのナショナルデー(独立記念日)です。

第一次世界大戦後の1918年の10月28日、オーストリア=ハンガリー帝国からチェコスロバキアが独立を宣言したことに由来します。


今年の10月27日にチェコ大使館で、ナショナルデーのレセプションが催されたのですが、なんと僕も招待状をいただき、列席してきました。

衆議院議長の細田博之氏が祝辞を述べるなど、大物政治家なども列席しており、「僕がこんな場所にいていいの…?」とドキドキしつつ、担当さんと一緒にすみっこの方で美味しいビールや料理を味わっていました。
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専用サーバで注がれるチェコのビールの定番ピルスナー・ウルケルが最高でした♪
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僕に招待状が来たのは、『乙女戦争』がチェコのテレビで紹介されたお陰なんだろうと思います。
(※テレビの件については以前に書きました→「チェコのテレビで『乙女戦争』が紹介されました」)

テレビ放映の後、チェコの出版社からいくつかオファーがあって『乙女戦争』のチェコ語版が出版される見通しになりました。
現在、翻訳作業が進行中です。
翻訳を担当してくれるペトル・ホリーさんともレセプション会場で会えました。
和服がよく似合っていますね♪

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(※ホリーさんとは以前対談企画もやりました。→「『乙女戦争』作者対談チェコで日本の漫画が愛されるワケ」チェコの歴史と文化にちょっと興味がある方はぜひ読んでください〜)


そろそろ帰ろうかと思った矢先、運良くチェコ大使マルチン・トムチョ氏ご本人に挨拶する機会があったのですが、大使から「『乙女戦争』全巻持ってるからサインしてほしい」と言われて超びっくり&光栄でした!
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さらに驚いたことに、チェコのテレビ局のスタッフとして僕の家まで取材に来てくれた女性(バルボラさん)が、大使の奧さんなのだと聞きました。
なんと…!

テレビ放映のあと、奧さんの元に「あのマンガはどこで読めるんだ?」という問い合わせがたくさん来たと言ってくれました。

漫画というのは気楽に楽しめるものですから、それをきっかけにしてたくさんの人がチェコの歴史や文化に興味を持ってくれたらうれしいです。
…みたいなことをその場で言えたらよかったのに、僕は緊張しすぎて「あ、ありがとうございます…」としか言えませんでした><


人気漫画家の赤松健先生が今や国会議員になり、「漫画外交」を標榜して活躍されていますが、僕もほんのちょっぴりだけ漫画を通じての国際文化交流に貢献できたかも…?


最後にお土産として「チェコクッキー」(チェコの形のクッキー)をもらって、大使館をあとにしました。
緊張したけど有意義な一日でした。
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ちょっとブログの更新が遅れましたが、10月25日発売の月刊アクションに『星天のオルド タルク帝国後宮秘史』第4話が掲載されました!


月刊アクション 2022年12月号[雑誌]
月刊アクション編集部
双葉社
2022-10-25





第4話のタイトルは「黒豹」

後宮での最初の夜を乗り切ったアル。
ユエリーもアルの側仕えになることができた。
しかし次の夜伽の相手はさらに危険な匂いが…

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新キャラムパパ・ムナナの衣装はアフリカ南部のズールー人ヒンバ人の伝統衣装をモデルにしています。
色鮮やかなビーズを編んだドレスが特徴的です。

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また南アフリカのズールー人と言えば、勇猛な戦士を輩出したことでも知られ、19世紀頃にはズールー王国を建ててイギリスの植民地化に抵抗して激しく戦ったこともあります(1879年ズールー戦争)。

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果たしてアルは、この美しくて獰猛な猛獣を手懐けることができるのか…
次号をご期待ください!


ところで、ニコニコ静画の方では、第1話の後編までが公開されました。
これで第1話が全部読めるようになりました。

星天のオルド タルク帝国後宮秘史 

コメントもどしどしつけてくれるとうれしいです。
面白いと思ったら布教もお願いします〜
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9月24日発売の月刊アクションに『星天のオルド タルク帝国後宮秘史』第3話が掲載されました!


月刊アクション 2022年11月号[雑誌]
月刊アクション編集部
双葉社
2022-09-24


第3話のタイトルは「約束」

皇帝になったアルと情熱のセクシーダンサー・カタリアナとの最初の夜の対決が決着します。
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そしてアルとユエリーの間にある重要な約束が交わされます。
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一方、第一夜の結果とアルの態度に不満なシェハルダーラは、さっそく次の刺客を用意して…
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次回もお楽しみに!


それと、ニコニコ静画での無料公開もスタートしました!

まずは第1話の前編(1/3)です。



ウェブ公開はどうしても性的な部分の修正が多くなりますが、あしからずご了承ください。

前回お知らせしたように、毎月第2・第4土曜に順次公開していきます。
ウェブ購読派の方は、お気に入り登録やブックマークをオススメします。

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8月24日発売の月刊アクションに『星天のオルド タルク帝国後宮秘史』第2話が掲載されました


月刊アクション 2022年10月号[雑誌]
月刊アクション編集部
双葉社
2022-08-24


タイトルは「後宮の主」

第1話でタルク帝国の皇帝アル7世として即位した主人公が、いよいよ後宮入りします。

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帝国中から集まる後宮の美女たちは、ミス・ユニバースのようにそれぞれのお国柄を反映した衣装で着飾っていて、作画作業は超楽しくて超しんどかったです…♪

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主人公アルは皇帝といっても何の実権もない傀儡で、後宮を支配するのは皇妹のシェハルダーラ。

きれいで性格のきつい妹は好きですか?

夜伽の相手を決めるのも彼女で、皇帝の希望通りにはいかないようです。

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最初の夜のお相手は、情熱のセクシーダンサー。

シェハルダーラに取り上げられた相棒のユエリーを取り戻すためには、夜の大勝負に勝たなくてはいけないのだけど…

こんな感じで、個性豊かな後宮の美女たちとのえっちなバトルが毎度展開されていく予定です♪
お楽しみに!



ところで、前作『乙女戦争』の時のように、この『星天のオルド』も時間差でニコニコ静画で無料公開していく予定ですが、少しやり方が変わります。

具体的な公開スケジュールは、今のところこのように予定しています。

・第1話その1:9月24日(土)
・第1話その2:10月8日(土)
・第1話その3:10月22日(土)
・第2話その1:11月12日(土)
・第2話その2:11月26日(土)
(以下順次)

本誌から約2ヶ月遅れ。
毎月第2・第4土曜日に公開。
各話を基本2分割(第1話はページが多いので3分割)。

という感じです。よろしくお願いします。
ウェブ購読派の方はもうしばらくお待ちください〜
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友人のBL漫画家の冬乃郁也さんが主宰する同人BLアンソジー『普段BLをかいてない作家が全力でBLをかいてみた!』に参加させてもらいました。



タイトル通り、BLは描いたことない僕ですが、この機会に挑戦してみようと思い、古代ギリシアを舞台にしたBLらしき短編マンガを描いてみました。

タイトルは『2×150』
10ページです。


古代ギリシアでは同性愛、特に成人男性と少年の恋愛関係(パイデラスティア)はありふれたものでした。
日本に昔あった衆道とも少し似ています。
高名な哲学者プラトンの著作『饗宴』では、ソクラテスとその恋人のアルキビアデスが登場して、男同士の愛が男女間の愛よりも崇高なものであると論じる場面があります。

そうした男同士の愛の絆を積極的に利用したのが、都市国家テーバイの「神聖隊(ヒエロス・ロコス)でした。
これは、男同士のカップル150組300名からなる精鋭部隊でした。
愛する者同士肩を並べて戦えばいっそう力を発揮できるだろうというわけです。
(ちなみに映画「300」でも有名なスパルタ軍など、精鋭部隊の兵数は300名とする伝統が当時あったようです)
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 実際テーバイの「神聖隊」は相当強かったようです。
特に名高いのは、前371年のレウクトラの戦いです。
この戦いは、テーバイの名将エパメイノンダスが考案した新戦術「斜線陣」が使われたことでも戦史上有名ですが、この戦術のキモとなるのが「神聖隊」でした。
簡単に言うと、味方の最強部隊である「神聖隊」を敵の最強部隊に真っ先にぶつけて、先制パンチを食らわすことで戦況を有利に持ち込む作戦であり、「神聖隊」の強さに全幅の信頼をおいていないと実行できない戦術でした。
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この神聖隊の隊長であるペロピダス(実在の人物)と、その恋人であるフィリッポス少年(架空のキャラ)が僕の短編作品の主人公です。

このフィリッポス少年、実はのちのマケドニア王フィリッポス2世(アレクサンドロス大王のパパ)である――という設定で当初考えていました。
というのもフィリッポス2世は若い頃人質としてテーバイに送られて、エパメイノンダス将軍に預けられていました。
ペロピダスとも恋人同士だったという説もあります。
ですが、時期的にレウクトラの戦いとは少しずれていたので、名前だけ拝借した架空キャラということにした次第です。
(ちなみに紀元前338年のカイロネイアの戦いではマケドニア軍との交戦で神聖隊300名のうち254人が戦死して壊滅しました。勝利したマケドニア王フィリッポス2世は彼らの亡骸を見て涙を流し、彼らを讃えたと言われています。)
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古代ギリシアの恋愛文化では、同性愛カップルは主に以下のような手順を踏んで成立します。

まず、男性が少年の父親の了承を得ます。
次に2人でデートします。
特に運動場へ行って運動すること、とりわけレスリングが定番のデートメニューだったようです。
ひと汗かいた後、男性が少年に贈り物をし告白します。
少年がプレゼントを受け取ると晴れてカップル誕生です。

ちなみにレスリング場では全裸が基本で、女性は立ち入り禁止でした。
レスリングやその他スポーツを行う際にはおちんちんの皮を紐で結ぶ習慣(キュノデスメ)がありますが、これは勃起して亀頭が露出するのは恥ずかしいことなので、それを防ぐためだと言われています。
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そんな感じのネタをギュッと詰め込みました♪

僕以外の執筆陣も大変豪華ですし、もし興味がありましたら、手に取ってみてください!

コミケ(8月13日東6シ-36b)で頒布される他、通販の予約も受付中です。






【主な参考文献】




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前回記事で予告した通り、7月25日発売の「月刊アクション」に新連載『星天のオルド タルク帝国後宮秘史』第1話が掲載されました!


『乙女戦争』外伝の最終話が載ってから1年余り。
ようやく無職の日々を脱却できましたw

月刊アクションとは創刊以来のお付き合いですが、久々の表紙&初の巻頭カラーをいただきました。

編集部からも熱い期待を寄せられていると思うことにして、大ヒット目指して鋭意がんばります!


内容は前回記事でも書いたように、架空歴史物で、後宮物です。

後宮物というと中華風の作品が多いですが、今作は中東トルコ風です。
主人公が後宮内の女性ではなく皇帝というのも珍しいパターンかと。
新感覚の後宮ロマンに挑戦していきます!


ここで、第1話冒頭部分だけ特別にお見せします♪

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いかがでしょうか?
続きは本誌でご確認ください〜


『乙女戦争』の時と同様に、時間差でネット公開もしていく予定です。
くわしくは後ほどお知らせします。
ネット購読派の方はもうしばらくお待ちください。

単行本第1巻はたぶん来年頭くらいになると思います。


どうぞ応援よろしくお願いします!!
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お待たせしました。
大西巷一の新連載のお知らせです。

7月25日発売予定の「月刊アクション」9月号からスタートします!

タイトルは『星天のオルド タルク帝国後宮秘史』です!


今月発売の8月号にも予告が掲載されました。
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本誌の表紙と巻頭カラーもいただきました。


内容としては「架空歴史物」で「後宮物」です。

僕は今まで史実を元にした作品を主に描いてきましたが、初めて架空の歴史物に挑戦してみます。

タルク帝国という架空の王朝の後宮(ハレム)が舞台です。

後宮物というと、日本の大奥とか中国風の王朝物は多いと思いますが、今作はトルコをモデルにしています。

イラストのメガネのキャラが主人公で、一緒にいるかわいい子は相棒の少年宦官です。
第1話では彼らがタルク帝国の皇帝と宦官になるまでを描きます。

今作では血生臭いシーンはあまりないと思いますが、代わりにエッチなシーンはかなり多くなると思います。

というか、それがメインです♪

帝国全土から集められた様々な人種・民族の美女たちが次々登場する予定です。

サーヴィス精神満々で描いていくつもりですので、どうぞご期待ください!!

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チェコの国営テレビ局CH24の5月31日放送のニュース番組の中で、僕の『乙女戦争(ディーヴチー・ヴァールカ)』が紹介されました!

日本のNHKのようなテレビ局だそうです。
夜7時のニュースの46分頃から約2分間のコーナーです。
あと11時頃のアートニュースでも同じ内容が放送されました。

以下のリンク先でネットアーカイブが見れます。
↓   
https://www.ceskatelevize.cz/porady/1097181328-udalosti/222411000100531/cast/916132/


Facebookでもアーカイブが見れます。

https://fb.watch/dDbzAZiOkJ/


5月の頭頃に金沢の自宅までスタッフの方が取材に来てくれて、簡単なインタビューを受けたものを編集したものです。
金沢城の石川門も映ってますね。

チェコ語では何と紹介されているのかわかりませんが、自分がしゃべってる声や話し方を客観的に見るのは変な気分ですね…


取材中の様子はこんな感じ。
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取材スタッフは、インタビューワーのバルボラさん、カメラマンのホンさん、通訳のダニエラさんの3名。

取材中にその場で描いたヤン・ジシュカ。
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お土産にもらったチェコの人気アニメキャラクター「もぐらのクルテク」♪
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取材後は金沢の和菓子とコーヒーをお出しして小一時間楽しくおしゃべりしました。

バルボラさんとホンさんは香港にあるアジア支局に勤めているそうです。
コロナ禍で日本に入国するのはいろいろ大変だったようです。

通訳のダニエラさんは東京外国語大学でチェコ語の講師をされている方です。
『乙女戦争』の制作でもお世話になったチェコ中世史の薩摩秀登先生とは親友だとおっしゃってました。


番組放送後、さっそくチェコの複数の出版社から『乙女戦争』の翻訳・出版についてのオファーが届きました。
今双葉社の方で交渉が進んでいるはずです(翻訳版を出すにあたって作者がやること・やれることはほとんどありません。出版社にお任せですw)。

『乙女戦争』の外国語版はフランス語版ぐらいしか出ていません。
チェコ語版も出せないか今までいろいろな伝手で打診はしてみたものの、実現できずにいました。
テレビの影響力は大きいですね!
これでついに念願のチェコ語版が実現するかもしれません♪
具体的に決まったらまたお知らせします〜
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『辺境のダイナミズム (ヨーロッパの中世 3)』


だいぶ前に読んだ本ですが、思い出しながら感想をまとめます。
読み応えのある本でした。

序盤で印象に残ったのは、北欧の商業都市ベルゲンで見つかったという大量のルーン文字の木簡の話。
14世紀当時、公文書から商取引から私的なラブレターまで普通にルーン文字が使われていたようです。

ルーン文字というと、よく石碑に刻まれてたり、魔力を持った神秘的な古い文字というイメージでファンタジー作品でもお馴染みだけど、中世北欧ではアルファベットと併せて日常的に使われていたっぽいです。
「二重文字社会」ってすごいな!(…と思ったけど、漢字と仮名文字とアルファベットを使いこなす日本人から見れば大したことないかも?w)

この本ではこのような非スタンダードな中世ヨーロッパとして、北欧・東欧・南欧の中世が概観されていて、それぞれ特徴があって面白いです。
特にキリスト教をどう受容するか、と、隣接する非キリスト教徒とどう接するか、という2点が鍵になってきます。

イスラム教圏と接する南欧では、キリスト教徒とイスラム教徒の共存がある程度上手くいったシチリアと、うまく行かなかったイベリア半島が対比されていて、このあたりもかなり興味深い話でした。

北欧では、ヴァイキングへの布教活動やバルト十字軍など、キリスト教の受容が漸進していった一方、東欧では、ビザンツ帝国の東方正教会との関係や、モンゴルの侵入、オスマン帝国の進出など、常に「非カトリック」や「異教徒」との緊張関係が続きました。

「中世ヨーロッパ」というと、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスあたりが想定されがちですが、「スタンダードな中世ヨーロッパ」とは違うバリエーションを概観することで逆説的に「中世ヨーロッパ的なもの」がネガ像として浮かび上がってくるという一冊です。


なお、東欧パートは中世チェコ史の薩摩秀登先生が担当しており、フス戦争の話もしっかり出てくるので、『乙女戦争』読者にもオススメしておきます♪
(ちなみに、薩摩先生には何度かお目にかかる機会があり、『乙女戦争』終盤の歴史的経緯などについて助言もいただきました。大変感謝しております。)



この「ヨーロッパの中世」シリーズは全8巻構成になっています。

ぼくは一応全巻手元に持っているものの、まだ1,3,4巻の3冊しか読めていません…
どれも面白そうなのでいつか読破したいです。

タイトルからもイメージできると思いますが、このシリーズは中世ヨーロッパ史と言っても各国の王朝の変遷とか歴史的事件を年表に沿って記述するとかいう類いの表層的な歴史概説書ではありません。

この時代の名もなき人々の(我々現代人とは違う)生活スタイルとか価値観とか世界観といった、社会や心理の深層に迫るものです。

「中世ヨーロッパ史」というジャンルは、この手の深層的な研究がかなり進んでいるのが特徴だと思いますし、このシリーズもそうした研究成果を一般向けに紹介してくれるものです。

この手の本が日本語でバンバン出てくるのがこのジャンルの魅力です♪(読む時間が足りないのが悲しいですが…)
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