『曹操孟徳正伝』の単行本未収録回をまとめた『曹操孟徳正伝 4』を《マンガ図書館Z》にて無料公開しました。

マンガ図書館Z - 大西巷一『曹操孟徳正伝 4 単行本未収録巻』
『曹操孟徳正伝』は単行本3巻まで出ておりますが、その続きに当たる第9話と第10話(最終話)(「三國志マガジン」掲載)と、三国志ファン有志によるWEB作品展に出品した読み切り作品をまとめて、4巻目として編集しました。
表紙イラストもWEB作品展に出したイラストを利用してます。
マンガ図書館Zでは、無料で読める他、PDF版の購入も出来ます。
また、Kindle登録代行サービスによって、アマゾンでKindle版も購入可能になる予定です(おそらく8月から)。
さらには赤松健先生によると、今後オンデマンドプリントによる紙の本もアマゾンで代行販売する機能も加わる予定とのこと。
こうしたマンガ図書館Zさんの一連のサービスのお陰で、絶版になった漫画や単行本化されなかった作品が読めるようになるだけでなく、作者の収入にもなるというのは、本当にありがたいことです!
(ちなみにすでに公開されている『女媧〜JOKER〜』4巻分だけで、無料公開の広告収入・PDF版売上・Kindle版売上によって、今まで毎月数千円の収入になっています。たいした額ではないかもしれませんが、本来だったら世の中から消滅していた作品であり、収入もゼロだったはずだと思えばすごいことだと思います。)
この『曹操孟徳正伝』という作品は、当初単行本描き下ろしの全5巻で曹操の生涯を漫画化するという企画でした(あとがきにも書きましたが、その後「三國志マガジン」での連載に変わり、売り上げ不振により打ち切りとなってしまいました…)。
三国志の英雄・曹操については、すでに散々語られ尽くしているし、『蒼天航路』という大傑作もあるので、はじめは正直乗り気じゃなかったんですが、あらためて正史・三国志や関連本を読んでみると自分なりの曹操像が頭に浮かんできて、書いてみようという気になりました。
曹操の一般的なイメージというと、乱世の奸雄、漢王朝簒奪を狙う野心家、冷酷非情な謀略家、常識に囚われない革新家、新しい時代を創る革命家、様々な才能にあふれる万能の天才、といったところだと思いますが、ぼくなりの解釈ではむしろ、治世の能臣、漢王朝復興を願う忠臣、家族や身内への情に篤い人情家、旧体制を守ろうとする保守家、失われた秩序を取り戻そうとする守旧派、才能にはあふれているがそれ以上に努力家、というイメージになりました。
特に曹操が忠臣で保守的だというのは意外に思われるかもしれませんが、例えば漢の最後の皇帝・献帝との関係を見ると、困窮していた献帝を曹操が保護し奉戴した時、天下取りの大義名分を得て有利になるどころか、敵を増やして何度も絶体絶命の危機に陥っています。
冷徹な計算尽くの賢い判断ではなかったように思えます。
また、曹操の死後すぐに息子の曹丕が献帝から禅譲を受けて結局漢を滅ぼしてしまいますが、特に大きな反発や混乱も起きていません。これを見ると、曹操もその気になれば生前のうちに自ら献帝に代わって帝位に就くことも容易だったはず、にも関わらずそうしなかった、そうするまいと時代の流れに必死に抵抗していていたのではないか、とぼくは解釈しました。
そんなことを考えているうちに、ぼく自身(自分解釈の)曹操という人間が大好きになっていき、これこそが真の曹操だと思い込み(こういう思い込みは大事w)、張り切ってこの作品に取り組んだのですが残念ながら打ち切りという結果に終わってしまいました。
面白くて売れる漫画に仕上げることが出来なかったのはひとえにぼくの実力不足です。
ネームだけなら5巻の途中まで出来ていたんですが、最後まで描ききれなくて無念です…
『曹操孟徳正伝』既刊3巻分は、今もKADOKAWAさんから電子版の販売が続いているので無料公開に移すことはできませんが、すでに3巻まで読んでいただいて続きも気になるという方はどうぞこの4巻も読んでみてください〜
◎主な参考文献
【2016.06.24追記】
てっきり8月以降になると思っていたKindle版がはやくも購入可能になりました。漫画図書館Z担当者様の迅速な対応に感謝します〜

マンガ図書館Z - 大西巷一『曹操孟徳正伝 4 単行本未収録巻』
『曹操孟徳正伝』は単行本3巻まで出ておりますが、その続きに当たる第9話と第10話(最終話)(「三國志マガジン」掲載)と、三国志ファン有志によるWEB作品展に出品した読み切り作品をまとめて、4巻目として編集しました。
表紙イラストもWEB作品展に出したイラストを利用してます。
マンガ図書館Zでは、無料で読める他、PDF版の購入も出来ます。
また、Kindle登録代行サービスによって、アマゾンでKindle版も購入可能になる予定です
さらには赤松健先生によると、今後オンデマンドプリントによる紙の本もアマゾンで代行販売する機能も加わる予定とのこと。
こうしたマンガ図書館Zさんの一連のサービスのお陰で、絶版になった漫画や単行本化されなかった作品が読めるようになるだけでなく、作者の収入にもなるというのは、本当にありがたいことです!
(ちなみにすでに公開されている『女媧〜JOKER〜』4巻分だけで、無料公開の広告収入・PDF版売上・Kindle版売上によって、今まで毎月数千円の収入になっています。たいした額ではないかもしれませんが、本来だったら世の中から消滅していた作品であり、収入もゼロだったはずだと思えばすごいことだと思います。)
この『曹操孟徳正伝』という作品は、当初単行本描き下ろしの全5巻で曹操の生涯を漫画化するという企画でした(あとがきにも書きましたが、その後「三國志マガジン」での連載に変わり、売り上げ不振により打ち切りとなってしまいました…)。
三国志の英雄・曹操については、すでに散々語られ尽くしているし、『蒼天航路』という大傑作もあるので、はじめは正直乗り気じゃなかったんですが、あらためて正史・三国志や関連本を読んでみると自分なりの曹操像が頭に浮かんできて、書いてみようという気になりました。
曹操の一般的なイメージというと、乱世の奸雄、漢王朝簒奪を狙う野心家、冷酷非情な謀略家、常識に囚われない革新家、新しい時代を創る革命家、様々な才能にあふれる万能の天才、といったところだと思いますが、ぼくなりの解釈ではむしろ、治世の能臣、漢王朝復興を願う忠臣、家族や身内への情に篤い人情家、旧体制を守ろうとする保守家、失われた秩序を取り戻そうとする守旧派、才能にはあふれているがそれ以上に努力家、というイメージになりました。
特に曹操が忠臣で保守的だというのは意外に思われるかもしれませんが、例えば漢の最後の皇帝・献帝との関係を見ると、困窮していた献帝を曹操が保護し奉戴した時、天下取りの大義名分を得て有利になるどころか、敵を増やして何度も絶体絶命の危機に陥っています。
冷徹な計算尽くの賢い判断ではなかったように思えます。
また、曹操の死後すぐに息子の曹丕が献帝から禅譲を受けて結局漢を滅ぼしてしまいますが、特に大きな反発や混乱も起きていません。これを見ると、曹操もその気になれば生前のうちに自ら献帝に代わって帝位に就くことも容易だったはず、にも関わらずそうしなかった、そうするまいと時代の流れに必死に抵抗していていたのではないか、とぼくは解釈しました。
そんなことを考えているうちに、ぼく自身(自分解釈の)曹操という人間が大好きになっていき、これこそが真の曹操だと思い込み(こういう思い込みは大事w)、張り切ってこの作品に取り組んだのですが残念ながら打ち切りという結果に終わってしまいました。
面白くて売れる漫画に仕上げることが出来なかったのはひとえにぼくの実力不足です。
ネームだけなら5巻の途中まで出来ていたんですが、最後まで描ききれなくて無念です…
『曹操孟徳正伝』既刊3巻分は、今もKADOKAWAさんから電子版の販売が続いているので無料公開に移すことはできませんが、すでに3巻まで読んでいただいて続きも気になるという方はどうぞこの4巻も読んでみてください〜
◎主な参考文献
【2016.06.24追記】
てっきり8月以降になると思っていたKindle版がはやくも購入可能になりました。漫画図書館Z担当者様の迅速な対応に感謝します〜
![[まとめ買い] 曹操孟徳正伝(コミックフラッパー)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/D1-7Eim1F9S._SL160_.png)





コメント
コメント一覧 (8)
孫子の兵法書は偽書疑惑もあったものの、曹操が注釈をつけたテキスト(いわゆる魏武注孫子)が見つかって実在が確かめられたんでしたね、たしか。兵法家というと戦争好きのように思う人もいるかもしれませんが、孫子の兵法の基本は乱世で生き残るための自衛の方法論であって侵略戦争を肯定しているわけではないと理解しています。
最近は西洋ものの漫画を描いていますが、中国史にも興味深い題材がいくつもあるので、機会があればまた中国ものにも取り組んでみたいと思っています〜
曹操の奥深さ、これを描ききるには時間と商業的打算を廃した創作活動(優雅な余裕)が必要と思われるところ、単なる歴史好きのアマの身には及ばずながら、お察し申し上げます。
既に御存知かも知れませんが、中島悟史殿の『曹操注解 孫子の兵法』のように、孫子の教えを全うし、かつ後世に継承した偉人として、軍事史上は多様に描かれて然るべき人物です。
同書読後では、曹操すなわち忠臣ということも、「孫子は、国の安定度のバロメータとして、第一に『道徳』をあげた。曹操は「道徳」を解説してくれた。孫子は、『道徳により、民衆と指導者が心意気を同じくする。』とだけ言っているが、心意気を同じくするには、教育と命令系統が必要なんだと、曹操は補った。法家だ。」という孫子継承者たる理解の人物と観れば、得心されるところです。
曹操への再挑戦の機会を得られますまで、充電期間であろうかと勝手に理解いたしつつ、残暑御見舞いに替へたく存じます。
今公開したことには特に意味はないです。もっとはやくしたかったのですが、なかなか時間が取れなくて…
ワゴンブルク戦術とファランクスには関連性はないでしょう。ジシュカが古代ギリシャの戦術を知っていたとも思えませんし。
いいですね、台湾の故宮博物院も中国の故宮も行ってみたいです〜
『曹操孟徳正伝』を気に入っていただけてうれしいです!
未収録分もようやく公開することができました。
ぼくの力不足で中途半端な終わり方になってしまって申しわけありません…
今、公開ということはキングダム実写化により三国志が注目されているからですかね。
後、質問ですがワゴンブルク戦法ってヤン・ジシュカらがスパルタのファランクス戦法を元に開発したんですかね?ジシュカはスパルタ兵についてなにか知っていたと思っております。最もギリシャ重装歩兵のファランクスもヤクことジャコウウシの防御戦法を元にしてるんですが。
台湾の故宮博物院に行った時は、もう至福の一時でした。
突然廃刊になったことも知らずに最新号を求めてあちこちの書店を駆けずり回ったりしたのも良い思い出です。
場所を食うんでマガジンのほうは最近まとめて捨てちゃったんですが、曹操孟徳正伝の最後のほうが単行本未収録だと知って、取り返しのつかないことをしてしまったと後悔したもんです
でもこれでようやく読めるんですね…郭嘉の「服を…」にもう一度涙しとうございます!