2014年06月23日

五十にして機械を知る

普段はクラウドとか仮想ネットワークとかサーバプラットフォームとかデータセンターファシリティという界隈で毒を吐いていますが、元々の出自は機械工学部です。

卒論は「複合快削鋼の被削性に関する研究」で新卒で入社した会社では精密ロボットとか汎用機用高密度実装モジュールのリペア装置とかクリーナー用カーボンブラシ摩耗試験機とかのメカ部を設計しておりました。今はこんな感じになってますがw

で、機械工学部出身ならば自動車やバイクの修理とか整備とか得意だろ?と思われるかもしれませんが、機械工学部で内燃機関をいじるのは基本的に熱力学講座の連中だけでして、私の様に機械製作講座出身の者はエンジンとかキャブレターとかの原理は学びますが、実物をイジってどうにかするという経験は全くありません。というよりレンチとかモンキースパナといった工具も持ってません。

男の子として(50才過ぎても)これではイカンと思い、多少なりとも機械整備を習得してみようと、今年の4月、お買い物用に中古で購入したホンダの(Ape100)をカスタマイズしてみようと思う。
(しかし、モンキー、ゴリラ、エイプってホンダは霊長類が好きですなw)


2006年式 走行距離7,000km 完全なドノーマル車です。フロントフォークとホイールに多少の錆が浮いているだけで全体的にはキレイな車体です。(後で知ったが燃料タンクの裏は錆だらけだった・・・)

私のバイク歴は 400cc → 800cc → 1150cc → 1200cc(現行)というもので、実はこういうミニバイクを所有するのは初めて(原付スクーターは一時所持していたことがあった)。結構衝撃的な事があり、まずこのApeはバッテリーが無く、当然セルスターターもありません。

以下、購入時におけるバイク屋のお兄ちゃんとの会話。

「え?バッテリー無いの?」
「ええ、始動はキックのみです。」
「始動前にニュートラかどうかはどうやって確認すんの?」
「それは車体を前後に動かして、動けばニュートラル、動かなければギアが入ってるということで」
「マジかよ・・・」
「マジです」

という感じ。あと、こんな会話も。

「車検証とか自賠責とか携帯するスペースある?」
「スペースは無いのでシート裏に貼り付けるしか無いですね」

 (ちょっとシート周りを見て回る)

「このシートってどうやって開けるの?」
「左右にある六角ボルトを外して開けます」
「工具セットはどこに装備されてるの?」
「無いです。」
「え?」
「え?」

というわけで、工具を少しづつ調達しながら色々カスタマイズしていくことに。

まずはお買い物用途なのでリアバッグを装備するため、リアキャリアを取り付けます。
キタコ リアキャリア 5,340円


これは簡単ですね。リアフェンダーを固定している六角ボルトとシートを固定しているボルトを外し、キャリアに付属する六角穴付ボルト(六角アナボと呼びます)でフェンダー、シートと一緒に固定します。

次はフェンダー。APEのフェンダーはオフロード仕様ですが、これが全く仕事しないというお話。で、通常のストリート用としてはフェンダーダウンステーを使ってフロントフェンダーをタイヤのすぐ上まで下ろす事になります。
武川 ダウンフェンダーステーキット 3,726円


フェンダーを外してから、


ステーのネジ穴にCRE556を塗布し、


ステーをフェンダーにつけてから、フロントフォークのブーツの間に無理やり押し込め、ボルトで固定します。結構無理やりフェンダをひん曲げて入れるんですが、これってちゃんと寸法合ってるんでしょうか?それともフェンダーをひん曲げて加圧することで何か剛性を向上させているとか? ちょっと元機械系としてはこの加工精度に若干の疑問が残ります。

またミニバイクだけあって、メータはスピードメータだけ。それもトリップメータ無し。インジケータはハイビームとニュートラだけで、エンジン回転数とか油温計、燃料残量なんかは全くわかりません。タコメータやトリップメータはもう少しコイツに慣れてからにしますが、とりあえず油温だけ確認できるようにオイルフィラーキャップを油温計付きの奴に変更。


ディトナ ディップスティック付油温計 3,903円


オリジナルのキャップからOリングを取り外し、


新しいキャップにOリングを取り付けて、


オイルフィラー部に取り付けるだけ。

そんなこんなで100kmぐらい走ると幾つか不具合(というより仕様?)を発見。

1) パワーが無い。
 これはしょうがないですね。100ccだし。

2) フロントブレーキが効かない。
 最初は結構怖かったです。うわーっ!止まらねぇー!というくらい効かない。で、最近コツが分かってきて、信号で止まる時は予めシフトダウンによってエンブレで十分減速し、完全に停止する時だけ前後のブレーキを使うのだなと。したがって前の車が急ブレーキとかすると余裕で突っ込んでしまうので、十分車間距離を取る必要があります。いずれディスク化しようとは思うが、とりあえずは運用でカバー

3) 1速2速が伸びない。
 1速で発進した直後に2速3速とシフトアップしないと後ろから追突されそうになります。これも慣れるまで大変でした。いずれ給気排気系をイジってエンジン出力が上がったらスプロケをセッティングし直して改善させるしか無いかと。とりあえずは1速→2速→3速のシフトアップを赤い彗星の如く3倍の速さで実施することでカバーしています。

4) ニーグリップができない。
 タンクが細くてニーグリップができません。したがってブレーキングの時に体を支える事ができないため、ハンドルを腕で突っ張って踏ん張るしか無いのだけど、バイクの場合ハンドルに体重掛ける事は通常しないのでこれがかなり怖い。そこで、最近は制動を掛ける時、腰を若干後ろに引き、両足でステップを踏ん張る事で体を支える様にしてます。ハンドルに体重掛けるよりステップに掛け得た方が断然安全でしょう。これはタンクを変えるか、ハンドルをアップハンにするしか無いんだろうか?

5) アイドリングでエンストする。
 信号待してるとたまにエンストしたり、ニュートラの状態で軽く煽って戻すとそのままエンストしたりします。たぶんキャブのセッティングが出ていないのだと思いますが、色々しらべるとこれはプラグケーブルを交換すると解消するという電波をキャッチ。キャブを調整するのはまだまだハードルが高いので、まずは、ハーネス交換で対処することにしました。

NGKパワーケーブル[V1B] ブルー/ブルー 2,551円


プラグケーブルが繋がっているインジェクションコイルはタンクの真下にあるので、まずはシートとタンクを取り外します。


円筒形のがイングッションコイルですね。四角いのはたぶんCDIかな?


パワーケーブルの取説によるとイグニッションコイルから10cmぐらいの所を切断しろと書いてあるので、目見当でその辺りをニッパでブッツリ切断します。ってか、そうすっと交換部分は半分ぐらいしか残って無いのですが、これで効果あるんでしょうか・・・・?


付属のカプラを元のケーブルにねじ込み、反対側にパワーケーブルをねじ込みます。カプラーの両端をタイラップで締め込んで終了。


タンクを元に戻すとこんな感じになります。

で、テスト走行してみたのですが、驚くことにアイドリングが安定し、しかも1速、2速の伸びが若干改善した感じ。そういう気がするだけかもしれませんが、エンストも一度も無く、信号待ちで発進前にアクセルを煽っても問題無し。これは当たりでした。

というわけで、数年掛けて少しづつ整備していき、60才までにはエンジンのオーバーホールができるくらいにはなりたいなと思うわけです。

孔子は五十にして天命を知ったとの事ですが、私は改めて機械を知るということと相成りました。

koichiise at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ツーリング