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2017年05月10日
ひかり号(BMW R100RS)に油温計
私の愛機である87年型BMW R100RS(※通称ひかり号)は基本的にシリンダやヘッドに冷却フィンのある空冷エンジンなのですが、一応オイルクーラーがついていてエンジンオイルをラジエータを通して空気で冷却もしているので油空冷と言われてます。

(※ とある友人が「伊勢さん、あの新幹線みたいなバイクなんて言うの?」と言われてからこのバイクは「ひかり号」と呼ぶ事になりました。)
純粋な空冷エンジンだとオーバーヒートしないようにエンジンの音や調子とか、走行中に足に感じる熱風の具合などで判断するのでしょうが、困ったことに私は油温計の着いていない空冷エンジンに慣れていない訳で(※)、どういう状態だとそろそろヤバいとか判断できない。
(※過去にApe100を持っていた事はありますが、チョイ乗りしかしてないので)
で、昨年いつもパーツを購入しているイギリスのMoto-binsでオイル注入口に差し込むディップスティック型の油温計を取り付けてみた。しかし、このディップ型油温計は停止している時しか見ることができず、またネジ式なので目盛の向きを自由に調整することができない。

そこで走行中でも油温が確認できるようにセンサでオイルドレインから油温を取る油温計を取り付ける事にした。
まずはネットで情報を漁る。幾つか同じモデルに油温計を取り付けているブログにたどり着き、結局オートゲージのSM52という製品を選んだ。詳細は分からないけど着けたという人がいるのでなんとかなるでしょう。

オートゲージ SM52油温計 ブラックフェイスホワイトLED 52AOTSWL270
しかーし、この製品はそもそも車のダッシュボードやピラーにつける事を前提としているようで、バイクのハンドルにマウントするようなオプションがありません。そこで自前でハンドルマウントを探す必要があります。ここで問題が。
一般的なバイクや自転車のハンドル径は22.5mm以上なのですが、R100RSのハンドル径は20mmで他より細い。ハンドルマウントも22.5mm以上対応のものばかりで20mmに対応しているマウントはありません。どーしよーかと色々ネットダイブして探してΦ52用のホルダと20mmに対応したクランプを見つけた。クランプに付属するマウントは使えないけど、このクランプとホルダを併用するとなんとかなるんじゃなかろうかと思ってポチ。

PIVOT ピラーホルダー(52φメーター用) PH-52

TANAX MOTO FIZZ マルチマウントA φ22.2mm(ブラック) MF-4676
あと油温計のセンサのネジはR1/8というテーパーインチネジなのですが、ひかり号のオイルドレインはM18なのでこれを変換してやらなければならない。でもこれは比較的一般的な変換のようで、ピッタリのアダプタがあります。

DAYTONA オイルテンプ用センサーフィッティング M18×P1.5 61284
これでパーツの調達は終了。次はどうやって接続するかですが、ネット上の情報だとイマイチというか、まちまちだったり、不正確だったり、単なる思い込みだったりしてどーも参考にならない。そこでオートゲージとへインズのマニュアルとにらめっこ。オートゲージのマニュアルによると背面にセンサコネクタ1つと電源コネクタ2つある。電源コネクタはどちらでもよく、二つあるのは他計器向けのサービス用とのこと。センサコネクタから黒白の電線が出ていて先端がギボシされていて、センサから出ている同じ白黒のケーブルに繋げりゃいいので問題なし。
電源コネクタからは4色のケーブルが出ていてそれぞれこんな配置になっているそうな。

【赤】… バッテリー(+)
【黒】… アース
【白】… ACC、イグニッション
【オレンジ】… イルミネーション
バッテリー(+)とアースはわかりますね。ACC/イグニッシオンというのはキーをオンにした時に立ち上がる信号。よくわからなかったのはイルミというやつ。これはバイクの場合、スモール(ポジションランプ)かヘッドライトがオンになった場合を指すらしい。で、実際に12Vの電動リール用のバッテリーで各信号を繋げるとどうなるのか確認してみると、
● バッテリーとアースだけ繋げても反応なし。
● バッテリー、アース、イグ(を繋げると電源が入って白色のパネルライトが点燈し、針が一度振り切って戻ってレディ。
● バッテリー、アース、イグ、イルミを繋げると同じ動作だけどパネルライトが若干暗くなる。
つまりイルミとはヘッドライトをつけると夜であると判断してパネルライトの強さを若干落とすためにあるのだろう。バイクの場合昼間でもヘッドライトを点けっぱなしで乗るのでイルミ信号は必要ないかも。でも一応配線はしておいて、ギボシを外せばいいだろう。
さて、メーター側の配線は理解した。

次はバイク側。すでにこのメーターを取り付けた実績はあるらしいので、着く事はわかるのだが、問題はどこから電源信号を取り出すかということです。常時12V(+)とアースは直接バッテリーから取れるけど、イグニッションとイルミはどこから?
ヘッドライトの配線から分岐するか?それとも・・・と、これまたヘインズの配線図を眺めると、なにやら「Connection for special equipment」というコネクタがある。

配線を追っていくと各ピンの信号は以下のようになっていた。
① +12V (赤)
② Head Light (黄)
③ Ignition (緑)
⑤ high beem (白)
⑥ Grand (茶)
ほほう。必要な信号が全てあるではないか。じゃ、このコネクタってバイクのどこにあるの?・・・ともう一度ネットで調べてみるとガソリンタンクの下にあるらしい。
じゃ、タンク外すか。
まず、左右の燃料コックから燃料パイプを取り外す。これを忘れるとタンクと取り去るとき燃料コックやキャブ側の継部にダメージを与える恐れがあるので大事なことです。パイプは特に固定されておらずホースニップルに差し込まれているだけです。しかし差し込む方向に順目のタケノコが切っているので引き抜くのは結構きつい。でも地道に少しずつ引き抜き続けて外します。

シートを開けるのですが、このシートには支持ロッドが無いので手を離すと閉じてしまう。そこで私がいつもやっているのはプラハンマーを支持ロッドの代わりに使う。ちょうどいい。

タンクを見るとフレームから出ている金属ピンにタンク側のグロメット穴が入ってワッシャーで固定されている。このワッシャーの一部の切れ込みが穴まで繋がっているので手前に引っ張れば抜けそう。そこでめくれ上がっている部分をプライヤーでつかんで引っこ抜く。

ワッシャーを抜くとタンクの後ろ側が持ち上がるのでピンからグロメットを引き抜きます。

そしてタンクを後ろ側に引っ張るとするっとタンクが取り外せます。タンク側の半円筒型フォルダがフレーム側の丸棒に乗っかっているだけでした。シンプルだな。

タンクを外すとこんな感じ。(キタネーw)

さて、コネクタはどこにあるのか?コネクタの色は青色らしい。するとシート側のフレームの横にきったねー青色のコネクタを発見!

これだ!、ふたを開けてみると中に5つの接続ピンがある。後ろ側の配線ケーブルの色とヘインズの回路図から判断してこういうレイアウトになっているらしい。

一応念のためテスターで各ポジションの信号を確認しましたが、間違いないようである。へインズのマニュアルすばらしい!
あらかじめ手持ちの配線ケーブルと熱収縮チューブで作ったハーネスを接続し、センターフレームに沿ってハンドルの下まで配線しました。

ただこのままだと水が入るとショートする可能性があるので防水処理をしなければ。パテで埋めようかと思ったけど、パテだと後で取り外すののにリューターで削らなきゃいけないので大変だし、ビニールテープでグルグル巻きにするものカッコ悪いので、今回はマスキングテープと液体ゴムを使う。液体ゴムならカッターで切れるので後でメンテするのも楽だろう。

マスキングテープでコネクタとケーブルを塞いで、そこに液体ゴム(ユタカメイク 液体ゴム レッド チューブタイプ 70g BE2-1)をコーティング。

実は元々メーターの裏側にある穴をふさぐ為にこの処理を思いついたのだが、コネクタ側にも使えるなーと思ってやってみた。

液体ゴム。防水性は完全じゃないそうですが、ライトな防水ならぜんぜん使えるかと。
後はメーターを用意したクランプとホルダにセットしてハンドルに装着。

オイルドレインボルトを外しエンジンオイルを出し切った後にフィッティングを噛ませたセンサを取り付ける。そしてハンドルのメーターから引き回したセンサケーブルのギボシに接続。エンジンオイルを交換する場合にはこのギボシを外してセンサを取り外す事になる。

で、タンクを元に戻して完成!
中央高速の石川PAまで試運転してみるとディップの温度計と若干差異があって20℃ぐらい低く表示されるっぽい。

ディップは油面の上でセンサはオイルパンの下側だから?それにしても走行中はクランクでオイルをかき回しているのでそれほど上下で温度差が出るとは思わないが。一節によるとディップだとオイルの接触面からメータまでのシャフトの長さが250mmぐらいあって、オイルだけではなくクランクケース内の熱もひろってしまうので若干高温に表示されるのだとか。そうかも。
一応SM52の方は118℃でワーニングランプが点灯する事になっていて、いままでディップ側では普通に120℃ぐらいまで上がっていたから、ディップ側が140℃近くなるとワーニングが出るということでしょう。まあとにかくワーニングが出たらエンジンを止めよって事だな。
しかし何も知識が無い状態から色々調べてパーツ調達して作業して、ここまで来るのに2週間ぐらいかかりました。大変だった。でも、ま、いっか。

(※ とある友人が「伊勢さん、あの新幹線みたいなバイクなんて言うの?」と言われてからこのバイクは「ひかり号」と呼ぶ事になりました。)
純粋な空冷エンジンだとオーバーヒートしないようにエンジンの音や調子とか、走行中に足に感じる熱風の具合などで判断するのでしょうが、困ったことに私は油温計の着いていない空冷エンジンに慣れていない訳で(※)、どういう状態だとそろそろヤバいとか判断できない。
(※過去にApe100を持っていた事はありますが、チョイ乗りしかしてないので)
で、昨年いつもパーツを購入しているイギリスのMoto-binsでオイル注入口に差し込むディップスティック型の油温計を取り付けてみた。しかし、このディップ型油温計は停止している時しか見ることができず、またネジ式なので目盛の向きを自由に調整することができない。

そこで走行中でも油温が確認できるようにセンサでオイルドレインから油温を取る油温計を取り付ける事にした。
まずはネットで情報を漁る。幾つか同じモデルに油温計を取り付けているブログにたどり着き、結局オートゲージのSM52という製品を選んだ。詳細は分からないけど着けたという人がいるのでなんとかなるでしょう。

オートゲージ SM52油温計 ブラックフェイスホワイトLED 52AOTSWL270
しかーし、この製品はそもそも車のダッシュボードやピラーにつける事を前提としているようで、バイクのハンドルにマウントするようなオプションがありません。そこで自前でハンドルマウントを探す必要があります。ここで問題が。
一般的なバイクや自転車のハンドル径は22.5mm以上なのですが、R100RSのハンドル径は20mmで他より細い。ハンドルマウントも22.5mm以上対応のものばかりで20mmに対応しているマウントはありません。どーしよーかと色々ネットダイブして探してΦ52用のホルダと20mmに対応したクランプを見つけた。クランプに付属するマウントは使えないけど、このクランプとホルダを併用するとなんとかなるんじゃなかろうかと思ってポチ。

PIVOT ピラーホルダー(52φメーター用) PH-52

TANAX MOTO FIZZ マルチマウントA φ22.2mm(ブラック) MF-4676
あと油温計のセンサのネジはR1/8というテーパーインチネジなのですが、ひかり号のオイルドレインはM18なのでこれを変換してやらなければならない。でもこれは比較的一般的な変換のようで、ピッタリのアダプタがあります。

DAYTONA オイルテンプ用センサーフィッティング M18×P1.5 61284
これでパーツの調達は終了。次はどうやって接続するかですが、ネット上の情報だとイマイチというか、まちまちだったり、不正確だったり、単なる思い込みだったりしてどーも参考にならない。そこでオートゲージとへインズのマニュアルとにらめっこ。オートゲージのマニュアルによると背面にセンサコネクタ1つと電源コネクタ2つある。電源コネクタはどちらでもよく、二つあるのは他計器向けのサービス用とのこと。センサコネクタから黒白の電線が出ていて先端がギボシされていて、センサから出ている同じ白黒のケーブルに繋げりゃいいので問題なし。
電源コネクタからは4色のケーブルが出ていてそれぞれこんな配置になっているそうな。

【赤】… バッテリー(+)
【黒】… アース
【白】… ACC、イグニッション
【オレンジ】… イルミネーション
バッテリー(+)とアースはわかりますね。ACC/イグニッシオンというのはキーをオンにした時に立ち上がる信号。よくわからなかったのはイルミというやつ。これはバイクの場合、スモール(ポジションランプ)かヘッドライトがオンになった場合を指すらしい。で、実際に12Vの電動リール用のバッテリーで各信号を繋げるとどうなるのか確認してみると、
● バッテリーとアースだけ繋げても反応なし。
● バッテリー、アース、イグ(を繋げると電源が入って白色のパネルライトが点燈し、針が一度振り切って戻ってレディ。
● バッテリー、アース、イグ、イルミを繋げると同じ動作だけどパネルライトが若干暗くなる。
つまりイルミとはヘッドライトをつけると夜であると判断してパネルライトの強さを若干落とすためにあるのだろう。バイクの場合昼間でもヘッドライトを点けっぱなしで乗るのでイルミ信号は必要ないかも。でも一応配線はしておいて、ギボシを外せばいいだろう。
さて、メーター側の配線は理解した。

次はバイク側。すでにこのメーターを取り付けた実績はあるらしいので、着く事はわかるのだが、問題はどこから電源信号を取り出すかということです。常時12V(+)とアースは直接バッテリーから取れるけど、イグニッションとイルミはどこから?
ヘッドライトの配線から分岐するか?それとも・・・と、これまたヘインズの配線図を眺めると、なにやら「Connection for special equipment」というコネクタがある。

配線を追っていくと各ピンの信号は以下のようになっていた。
① +12V (赤)
② Head Light (黄)
③ Ignition (緑)
⑤ high beem (白)
⑥ Grand (茶)
ほほう。必要な信号が全てあるではないか。じゃ、このコネクタってバイクのどこにあるの?・・・ともう一度ネットで調べてみるとガソリンタンクの下にあるらしい。
じゃ、タンク外すか。
まず、左右の燃料コックから燃料パイプを取り外す。これを忘れるとタンクと取り去るとき燃料コックやキャブ側の継部にダメージを与える恐れがあるので大事なことです。パイプは特に固定されておらずホースニップルに差し込まれているだけです。しかし差し込む方向に順目のタケノコが切っているので引き抜くのは結構きつい。でも地道に少しずつ引き抜き続けて外します。

シートを開けるのですが、このシートには支持ロッドが無いので手を離すと閉じてしまう。そこで私がいつもやっているのはプラハンマーを支持ロッドの代わりに使う。ちょうどいい。

タンクを見るとフレームから出ている金属ピンにタンク側のグロメット穴が入ってワッシャーで固定されている。このワッシャーの一部の切れ込みが穴まで繋がっているので手前に引っ張れば抜けそう。そこでめくれ上がっている部分をプライヤーでつかんで引っこ抜く。

ワッシャーを抜くとタンクの後ろ側が持ち上がるのでピンからグロメットを引き抜きます。

そしてタンクを後ろ側に引っ張るとするっとタンクが取り外せます。タンク側の半円筒型フォルダがフレーム側の丸棒に乗っかっているだけでした。シンプルだな。

タンクを外すとこんな感じ。(キタネーw)

さて、コネクタはどこにあるのか?コネクタの色は青色らしい。するとシート側のフレームの横にきったねー青色のコネクタを発見!

これだ!、ふたを開けてみると中に5つの接続ピンがある。後ろ側の配線ケーブルの色とヘインズの回路図から判断してこういうレイアウトになっているらしい。

一応念のためテスターで各ポジションの信号を確認しましたが、間違いないようである。へインズのマニュアルすばらしい!
あらかじめ手持ちの配線ケーブルと熱収縮チューブで作ったハーネスを接続し、センターフレームに沿ってハンドルの下まで配線しました。

ただこのままだと水が入るとショートする可能性があるので防水処理をしなければ。パテで埋めようかと思ったけど、パテだと後で取り外すののにリューターで削らなきゃいけないので大変だし、ビニールテープでグルグル巻きにするものカッコ悪いので、今回はマスキングテープと液体ゴムを使う。液体ゴムならカッターで切れるので後でメンテするのも楽だろう。

マスキングテープでコネクタとケーブルを塞いで、そこに液体ゴム(ユタカメイク 液体ゴム レッド チューブタイプ 70g BE2-1)をコーティング。

実は元々メーターの裏側にある穴をふさぐ為にこの処理を思いついたのだが、コネクタ側にも使えるなーと思ってやってみた。

液体ゴム。防水性は完全じゃないそうですが、ライトな防水ならぜんぜん使えるかと。
後はメーターを用意したクランプとホルダにセットしてハンドルに装着。

オイルドレインボルトを外しエンジンオイルを出し切った後にフィッティングを噛ませたセンサを取り付ける。そしてハンドルのメーターから引き回したセンサケーブルのギボシに接続。エンジンオイルを交換する場合にはこのギボシを外してセンサを取り外す事になる。

で、タンクを元に戻して完成!
中央高速の石川PAまで試運転してみるとディップの温度計と若干差異があって20℃ぐらい低く表示されるっぽい。

ディップは油面の上でセンサはオイルパンの下側だから?それにしても走行中はクランクでオイルをかき回しているのでそれほど上下で温度差が出るとは思わないが。一節によるとディップだとオイルの接触面からメータまでのシャフトの長さが250mmぐらいあって、オイルだけではなくクランクケース内の熱もひろってしまうので若干高温に表示されるのだとか。そうかも。
一応SM52の方は118℃でワーニングランプが点灯する事になっていて、いままでディップ側では普通に120℃ぐらいまで上がっていたから、ディップ側が140℃近くなるとワーニングが出るということでしょう。まあとにかくワーニングが出たらエンジンを止めよって事だな。
しかし何も知識が無い状態から色々調べてパーツ調達して作業して、ここまで来るのに2週間ぐらいかかりました。大変だった。でも、ま、いっか。