2014年12月19日

[書評] Webエンジニアが知っておきたいインフラの基本

ハート・ビーツの馬場さんに著書を献本いただきました。あざーす!infra
最近ブログの更新が滞っており、献本頂いても書評書いてなかったりしましたが、久しぶりに書いてみようかと。というのも先日技評から過去にSoftware Designに掲載されたインフラ系記事をまとめたムック本「インフラエンジニア教本」というのも出版され(私の記事も掲載されてます!)、もしかすると

今、インフラの話しをするとモテるんじゃなかろうか?

と、思いましてね。

馬場さんとはhbstudy #18 インフラエンジニアに一言で参加させて頂いた時に初めてお会いし、その後、インフラ系やクラウド系の集まりでよくお会いするようになりました。そして、livedoorが2011年から開催している国内のトップインフラエンジニアがその運用技術(チューニング)を競い合うISUCONに第1回から参加していただき、先日行われた第4回まで皆勤賞で参加してもらってたりします。

他にも先月2014年11月に設立された日本MSP協会の運営委員をお願いし、学生や若手エンジニア向けのインフラ技術コンペティションWGを担当していただいたりしています。

目次と大まかな内容はamazonのサイトにあるので割愛します。

この本は大きく分けて2部構成になっていて(目次的には特に分けられていませんが)第1章から第4章まではインフラエンジニアのお仕事内容、システムの構成要素、設計する上での留意点、システムのベストプラクティス例など、概念や心構え、指針などについてカカれています。CPUスペックの見方とか、何を考慮して機材を調達すべきか、サービスを選定すべきかなどについてわかりやすく教えてくれます。

割りと基礎的な事項が多いので現役エンジニアというよりこれからWebエンジニアもしくはインフラエンジニアを目指すという若手向けでしょうか。それ以上に現役エンジニアを相手にする営業職に役立つのではないかな?
この章は「インフラエンジニアはこうこうこのように機器スペックとサービススペックを選定し調達し、このような構成で利用する」という事を細かく書いてあるので、逆にこの部分を営業職が十分理解していれば、その都度顧客が望むベストな提案ができるのではないでしょうか?

値引見積提出請求書発行しかできない営業はそろそろこのIT業界で生き残っていくのはツライんじゃないのか?間もなくこれらの事はWebインタフェースで顧客が直接行うようにもなるでしょうし、そうすると仕事無くなっちゃうんじゃないですかね? まあ、そうでなくとも今後IT業界で営業職を続けていこうという人は全部理解できなくても第1章から第4章まで読むというか目を通すことをお薦めします。

(と言っても、このエントリとは関係無く本書を購入する営業職など100%居ない方に10万賭けますけどもw)

第5章から第8章に渡って、障害時の対応、障害に備えた監視方法、チューニングのためのボトルネック検出、チューニング方法など、実際のツールやツールのグラフ表示の見方、ステータスを確認するコマンドライン入力、そして出力をどう解釈するべきなのかを具体例を用いて解説しています。

おそらく、現役のWebエンジニアであれば、第5章からが非常に役立つでしょう。運用技術というのは経験則の塊みたいなもんですから、先人の経験と知見をあらかじめ学んでおけば同じ失敗や間違いを繰り返す事だけは避けられます。

不思議なもので、人間というものは(インフラエンジニアにかぎらず)なぜか同じ間違いを起こしてしまうもので、ここ十数年を見渡しても、サービスラウンチ時のアクセス過多でサーバが潰れるとか、ユーザ情報が漏洩するとか、ストレージが吹っ飛ぶとか、データを消してしまうとかいう事例の枚挙に暇がありません。そのたびに

「あー、それ数年前に俺もやったわ」

と思うことがよくあります。なぜ人は同じ失敗や間違いを繰り返すのでしょう?一つ考えられる事は

人というものは他人の成功談は容易く受け入れるが、失敗談は受け入れられないものである

ではないか?と思います。つまり、他人の成功話を聞くと同じ事を自分も真似れば成功できると思い、他人の失敗談を聞いても、「自分はそんなヘマはしない」と考えやすいのです。つまり

基本的に自意識過剰

なのではないでしょうか?ちがいますか?そうですか。

一番胸熱だったのは、障害を引き起こした時の心構え。恐縮ですが、コピペさせていただきます。

・落ち着いて
・冷静に
・大抵事前に決めた通りにすれば大丈夫なので、まずは勘に頼らず事実とデータを見る
・自説にこだわらない。見切り、諦めを素早く。思い、期待通りじゃなくてもがっかりするのは後で。
・うまくいかなくても担当者を責めない。判断誤りをせめない。結果を責めない。でも手抜きは絶対に許さない。

この部分だけでも手に取る価値があるすばらしい本です!

  

koichiise at 19:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)書評