2008年12月
2008年12月31日
５回表 SMOKE WARS episode��
昨今の正義のヒーローは、
暗い過去の１つや２つを持っていなければなりません。
その暗い「影」の部分を演出する小道具が・・・「くわえタバコ」です。
先日、友人のテリー（仮名）が禁煙をやめました。
仕事でのストレスが再喫煙？のきっかけになったそうです。
彼は同じ少年野球のコーチであり、職業は警官です。
もう、これだけで教育テレビの体操のお兄さんのような、健全なイメージです。
ところがどうでしょう？
警官が、くわえタバコをしているだけで、一気にワルになります。
鈍い光を放つスミス＆ウエッソン３８口径と、タバコ。最強の組み合わせです。
すでに彼はダーク・サイドの人間です。
幼いときの、可愛らしいアナキンの面影は微塵もありません。
内部情報を悪の組織に売り渡しているに違いありません。
と・・・タバコ１本で人のイメージはこんなにも変わります。
男なら誰しも、映画の主人公のように「太く短い人生」に憧れます。
でも現実は違います。
「細く長く」健康的な人生を手に入れたいはずです。
だから、皆ゲンを担いで、年越しソバも食べます。
愛煙家はタバコによる体調不良を毎日体験しています。
私もそうでした。おいしいタバコと引き換えに、たくさんの物を失います。
目覚めが悪い。
朝起き抜けにタバコを吸い、吐きそうになる。
嗅覚・味覚が異常に鈍る。間接が痛い。
１時間吸わないと、イライラしてくる。意味なく怒られるので子供は近寄らない。
etc・・・
これら全てがタバコに含まれる薬物の副作用、及び中毒症状です。
特に、最後の「イライラ」。これが厄介です。
イライラがイライラを助長し、完全に薬物の禁断症状がやって来ます。
ニコチン・パッチ？効きません。
口から思いっきり吸い込む煙でないと、駄目なんです。
ニコレット。もう噛みすぎてアゴが痛い・・・食事が摂れないくらい、痛い。
まるで、ジョーと対戦するため、過激な減量をしている力石徹のようです。
物事を大げさに言うのが、私の特徴のひとつですが、
最初の３日間は、悶絶？イライラの極致でした。
人間がストレスを感じたり、イライラしたりすると、
それを緩和する物質、精神安定剤のような物、が脳から分泌されるそうです。
ところが、長年タバコを吸っている人は、この脳内物質より先回りして、
ニコチンがストレスを抑えてしまうそうです。
やがて、この脳内物質はほとんど出なくなってしまい、
ニコチン摂取以外には、イライラを鎮めることは出来なくなってしまいます。
これが、ニコチン中毒症の仕組みです。
怖いですよね〜。
もう薬物というより毒です。ゆっくり死ぬ毒。
その昔、日本専売公社という国営企業がこれを売ってたんですから・・・
ですから、タバコの持つダークな、カッコいいイメージは払拭せねばなるまい、
と最近強く思うんです・・・
過去の禁煙の経験から、３日経てば楽になると思っていました。
ところが今回、４日経ち、１週間が経ち、２週間経っても楽になりません。
むしろタバコを吸いたい気持ちが日増しに大きくなっていきます。
ほぼ毎日隠れてタバコを吸って、必ずカミさんに見つかる夢を見ます。
全く効かない、と思っていたニコチン・パッチも残り１週間分を残すのみ。
人生最後のニコチンと思うと、逆に、何だかとても貴重で愛しく思えてきます。
まるで、遭難した時の、最後のひとかけらのチョコレートのようです。
１ヶ月経過。
何とかだいぶ楽になってきました。
しかし、
気がつくと、喫茶店で、隣の人のわずかなタバコの煙を吸い込んでました・・・
タバコの煙がまだ「おいしく」感じられるわけです。
まだ体がニコチンに依存している証拠です。
早く、これが「けむい」とか「臭い」と感じられるようにならなければいけません。
３週間後の検診で、医師が私に放った言葉は特に印象的でした。
「加納君、禁煙なんてね、強い薬物依存から脱するわけだから・・・
結局ね・・・根性だよ、根性。」
「あ、言っとくけどね・・・１本、たった１本でも吸ったらおしまいだからね。」
あれから１０ヶ月（きみまろ風）・・・
なんとか「根性」で、禁煙が続いています。
もう大丈夫だ〜、と無理矢理、毎日自分に言い聞かせながら、
一方で、シャノアールという喫茶店で・・・
相変わらず隣の人の煙を吸い込んでいる私がいます。
右の耳元で、白い全身タイツを着た小さい私がささやきます。
「なにやってるんだ。それじゃータバコ吸ってるのと同じじゃないか！
吸いたくなる前にそこを離れなさい！」
左の耳元で、今度は黒い全身タイツを着て、槍を持ったのがささやきます。
「お前はよ〜くやった。たった１本ぐらい吸ったって誰にもわかりゃしね〜。
吸いたいんだろ？吸っちゃえよ。さあ、吸っちゃえよ・・・」
苦悩の日は続きます。
あなたは薬物やめますか？それとも人間やめますか？
2008年12月30日
４回裏 SMOKE WARS episode��
この写真ですが・・・
逆光で顔が見えないはずが、知人が明るく修正し、
丸出し状態になってしまいました。
服を剥がれて、路上に放り出された感じです。
あ〜、恥ずかしい。それに、寒い・・・
で、禁煙の話です。
私の場合は、まあ根性がないので、他力本願。
まず総合病院の「禁煙外来」というところに行きます。
タバコはこれだけ体に悪い。とか、禁煙のコツ、などのビデオを見せられ、
１日タバコを何本吸う、とか、何年吸い続けてきたか、といった質問の回答を、
アンケートのようなカルテに書き込みます。
んなことは、わかってるよ。
何回禁煙してると思ってんだい。と、
心の中で開き直ります。ささやかな抵抗です。
受診です。
担当の先生に「じゃあ、いつからやめようか？タバコ。」
いきなり、カウンターパンチです。
まだ心の準備が出来ていません。
まだやめるとも決めてないのに・・・
「今からやめちゃおうか？どうよ？」
「せめて、あと3日（頼むからあと3日間は目一杯吸わせてくれ！）・・・」
「じゃあ、あさっての22日から禁煙ね。
ここに禁煙宣言書があるから、日付とサイン書いてね。」
こちらの希望する3日は却下されました。
あら、あら、あらと言う間に、ほとんど私の意志と関係なく、
先生が禁煙の日取りを決めていました。
ニコチン・パッチ〜皮膚からニコチンを摂取する絆創膏〜
３週間分を持たされて・・・
翌日、
最後なので気持ち悪くなるくらいの大量のタバコを吸ってやろうと思いましたが、いつも通り、１日で１箱ちょっとのセブン・スターを吸いました。
たくさん吸うと、反動が怖いと思い、普段のペースかそれ以下がいい、
と、考えました。
寝る前、医師が処方したニコチン・パッチ30mgを肩に貼り、
残りのタバコをオゥリャ〜！と折って、勢いよくごみ箱に捨てました。
そうそう、この日医師に内緒で、薬局で
「ニコレット・クールミント72粒入り」を買いました。
備えあれば憂いなし。です。
この時、この 6,000円もするおそらく日本一高価なガムを、
この後7箱も8箱も買うなんて知る由もありません。
冷蔵庫には私の署名入りの禁煙宣言書が張ってあります。
この紙は、医師との契約書ではなく、
家族に対して「もう金輪際タバコは吸いません」と宣言するものだったのです。
大好きな「探偵物語」の松田優作だって、
「ダイ・ハード」のブルース・ウィルスだって、
「リーサル・ウェポン」のメル・ギブソンだって、
ルパン3世だって、落合だって、ピッチャーのくせに石井だって・・・・
みんなタバコ吸ってんじゃんかよ〜っ！
さぁ、壮絶な禁煙生活・家庭内不和のはじまり、はじまり〜
2008年12月26日
４回表 禁煙 その１
先日テレビで「禁煙に成功した人は、喫煙者に対して偉そうだ。」と、
言っている人がいたので、
この数ヶ月禁煙苦悩の日々を、威張らず、謙虚に書きたいと思います。
タバコ歴３０年。禁煙は３度目で、過去２回見事に失敗しています。
で、これは私がつい最近見た夢の話です・・・
カミさんの買い物、裁縫道具を買う為、一緒に吉祥寺のユザワヤに行きます。
いま４階にいます。
禁煙中ですが、タバコ、セブンスターを吸いたくて仕方ありません。
もう、我慢の限界です。
タバコと１００円ライターを買いに行くチャンスをうかがいます・・・
言っておきますけど、これ夢の中です。
ポケットには、なぜか親戚にあげたはずの写真入りのタスポカードがあります。
何せ夢ですから、都合よく思い通りになるわけです。
「ちょっと地下１階の模型売り場見てくるわ。」
そう言って、１階の井の頭線の改札口のそばの売店へダッシュします。
下りのエスカレータの上を、ドタドタ走っています。
なぜか、ワクワク・ドキドキします。
何年か振りに、昔付き合っていた彼女と会うような感覚です。
このとき罪悪感は「全く」ありません。
セブンスター・ボックスとオレンジ色がかった半透明の安っぽいライターを買い、
今度は、上りエスカレーターでユザワヤの６階あたりを目指します。
タスポは必要ありませんでした。
これは見つかるとマズいから、後で捨てておこう。証拠隠滅だ。
とか、思ったりします。
ちょうど５階と６階の間、階段の踊り場にスタンド式の灰皿を見つけます。
気がついたら、もうタバコに火を点け、煙を肺の奥深くまで吸い込んでいました。フ〜〜〜〜っ。
「なんてウマいんだ！」隠れて吸うタバコの味は格別です。
すぐにもう一口。フ〜〜〜〜ッ。
言っておきますが、これは全部夢です。
そのときです。
６階の階段の手すりから身を乗り出して、カミさんがもの凄い形相で、
こちらを見ています。
ば、ばれた・・・
さらにゆっくり階段を降りてきます。しかも無言で。
完全にロック・オンされています。
まったく目を切りません。
ボール球でも、見送ってミットに入っても、まだ見ている感じです。
いいバッターです。
もう開き直って、逆ギレするしかありませんでした・・・
「なんだよ！もう禁煙なんかやってられるかよ！
吸いたくて吸うのが悪いのかよっ！」
の、最後の「かよっ！」のところで、急に目が覚めました。
「あ〜あ、とうとう吸ってしまった・・・・」
罪悪感と情けなさが一気に押し寄せてきます。
夢だと気づいたのは、しばらく経ってからでした。
気のせいか、左手の人差指と中指の先には、
セブンスターの温かい感覚がまだ残っていました。
続く・・・・・
2008年12月23日
３回裏 巣立ち・・・
小学校の４月に先がけて、年明けとともに進級するわけです。
１２月は卒団式の季節。
わが三鷹ゼファーの卒団式は、今日でした。
「卒団おめでとう」とお祝いの声を掛けながらも、やはり内心は寂しいものです。
毎年「今年こそは泣かない」と心に誓いながらも、
今日も気がついたら、涙がちょちょ切れていました・・・・
卒団といっても、これがゴールではありません。
子供たちにとっては、まだこれから先の長いスポーツ人生の
ほんの入り口をくぐったところです。
だから今日は、別れは辛くとも、勢いよく送りだしてやろう、と思いました。
卒団した６年生、特に男子チームは、タイトルに縁遠いチームでした。
今日も、「試合で勝てなくて悔しい思いをした。」と言っている子が多かった。
しかし、子供たちの最終目標は、勝利という結果ではありません。
優勝することは、あくまでも通過点、目標は「強くなること」です。
彼らが社会に出て、困難に当たった時、その壁をぶち抜いていく
「強さ」が身についていれば、それでいいんです。
教え子たちは厳しい練習に何年も耐えてきました。
そこらの小学生より何倍もタフなはずです。
卒団生の中には、一生の友をチームで見つける子も多くいます。
「優しさ」と「強さ」を身に着ければ、もう大丈夫なんです。
勝てなくても何も心配いらない。
胸をはって、巣立っていきなさい。
いつでもお前たちは我々コーチたちの誇りです。
2008年12月16日
３回表 闘争本能？
かなり筋肉痛です・・・
カミさんも、フルマラソンに出るとかで、かなりの距離を走っています。
彼女は、負けず嫌いな性格なので、多分42．195km完走するでしょう。
そう思うとこちらも力が入ります。
ウエイト・トレーニングもつい、いつもより多く、しかも重く・・・さらなる筋肉痛。
ふたりとも結構ハードな運動をしているせいか、気が短く攻撃的な性格になっているように思います。(*`Д')
肉ばっかり食べていると、肉食獣のように攻撃的な性格になり、
反対に、菜食は穏やかな性格になるという説があります。
運動も性格形成に関係するのでしょうか？
確かに毎日スパーリングやってれば、性格も荒っぽくなるかも知れませんが・・・
いまどきの小学校は運動会で、
「リレーの選手を選んではいけない」 リレーはクラス全員でやる
「徒競走で順位をつけてはいけない」昔のように１・２・３位の旗はもうありません
知ってました？
少なくとも私の知る公立の小学校はみんなこうです。
いつの間にか、こうなってました。
だから、運動会見てても燃えません・・・
運動会というより、発表会？お遊戯？みたいです。
「競争はよくない」という小学校の教育方針のためらしいです。
ん？、日本は確か資本主義。競争原理があってしかり、ですよね？
昔はなぁ、なんて言ったらジジイと言われるかもしれませんが、
敢えて言います。
昔はなぁ〜、運動で勝てない奴は、勉強で負けないように頑張ったんだ！
ここ数年、負けず嫌いの子供が少なくなってきたなー、と感じていました。
最近では、さらにその上、勝負事に負けても何とも思わない子まで見られます。
闘争心というと、野蛮な感じがして、聞こえが悪いですが、
スポーツの世界では、この「負けてたまるか！」という闘争心こそが、
上へ目指す、という向上心へとつながる、と私は思います。
先日紹介したドラマ「フルスイング」のなかで、
高畠先生が生前、最後に生徒たちに送った言葉は、
「氣力」 でした。
９回裏２アウト、何点離されていようと、あきらめてはいけない。
この先どんな困難が待ち受けていようと、
「氣力」をもって立ち向かえ、と。
私はこの最終回を見るたび、感動の涙とともに、
胸のあたりから「ウォ〜！」と叫びたくなるような氣力・闘争心・勇気・・・
のようなものが湧き上がってきます。
チームの子供たちの親御さんたちは、私たちコーチにこう言います。
「うちの子供をもっと怒ってくれ。」
攻撃的性格、大いに結構。大歓迎です。
いまの、すぐにあきらめてしまう子供たちと、この学校教育、関係ないことを切に願います。
・・・（Ｔ＿Ｔ）
