星の子・今村夏子

  • author: koiwa_chiro
  • 2017年10月08日

53きれいな星空の装丁で楽しみにしていたのですが・・・。

どうも宗教じみた話は苦手ですね。
子供の頃に私の周りには結構いたものですから、いろいろ思い出します。







では備忘録。
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物心ついた時から新興宗教の中にいるちーちゃん(次女)から語られる話。
病気がちのちーちゃんの為に新興宗教にのめりこんでいった両親。
怪しい水を妄信し、周りが見えずに仕事も生活も破綻していく家庭。
ずっと宗教の中にいるとそれが当たり前の生活で、周囲の違和感や嫌悪感に気づかない。
理解できない周りの人は、薄気味悪い思いで自然に離れていく。
でも淡々と語るちーちゃんの雰囲気が独特で緊迫感がないのが不思議な世界を産んでいました。

両親の態度に嫌気を感じて家出してしまう長女は、両親が入信する前の様子を知っていたから出て行けたのだと思う。
子供の頃から当たり前にある宗教は疑う余地もないから、ちーちゃんは疑わない。
ちーちゃんがある程度大きくなるまでは。

流れ星に気づいているのに気づかないふりして、ずっと眺めている星空。
両親とちーちゃんと3人一緒に流れ星を見るまで続けると決めたから。
流れ星(自分たちの周りの世界)に気づかないふりをすれば、いつまでも3人一緒にいられるから。
・・・なんか、うすら寒い雰囲気であっけなく終わってしまうお話でした。

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