僕にとっては全ての楽曲はかけがえのない息子のような物であり、何処を切り取っても妥協の無い作品です。

11月の空
2010年の10月でした。本来、9月14日発売を目指して制作していたアルバム図南の翼の制作は大幅に遅れ、10月10日の発売にも間に合わず、とても苦戦しながらも、同時に僕は次回作の構想を考えていました。そんな時に、名古屋のマイミクの高田さんが、仙台へ来て共に夜を過ごしていた時に「石川さん、今年の2010年10月10日の発売逃しちゃったよね。でも、来年は2011年11月11日ってのがあるよ」と言われた時にピンと来ました。2011年には11月11日発売の11曲入りのアルバムを出す。日本には季節物を題材にした物がある中で、11月をモチーフにしたものはそうそうありません。そこに僕はオリジナリティとチャンスを感じ、2010年の秋からアルバム11の制作をこの曲からスタートさせました。毎年秋が来れば聴けるような作品を彩る1曲目には最も相応しい曲が2010年11月に作り上げることが出来ました。

雪の夜 -Album Version-
元々この曲はアルバムSPIRALの12曲目に入るべき楽曲として創られていました。しかし、ミニアルバムHEARTWARMINGにオリジナル音源を取られてしまったが故に、新しいバージョンを創らざるを得なくなってしまった。しかし、それは逆に捉えるとチャンスとなり、この秋向けに創られたアルバムの秋から冬へと季節感を移行させられるとても良い流れのポジションに持って来る事ができました。このバージョンのレコーディングでの最大の見せ場と言えば、世界を代表するサックス奏者Totsとの仕事でした。何を勘違いしたか、本来テナーサックスを入れる予定でしたが、ソプラノサックスを持って来るようリクエストしてしまい、しかし、かえって無難なテナーサックスではなく、ソプラノの分厚さが寧ろ、この楽曲の最大のコンセプトである「冬の中にある暖かさ」の表現には適していたなと思います。また、このセッションがきっかけに、このアルバムのホーンセクションのレコーディングは翌2011年にはTotsを中心に行われ、このアルバムのカラーを彩る大きな存在となって行きました。

果てしない向こうへ -Album Version-
今日の音楽マーケット事情は完全にダウンロード配信がメインとなり、曲単位で聴かれるようになり、同時に制作者には殆どお金が入らない構図となり、特に新人なんかはアルバムなんて創れる程の実力も能力もなく、創れたとしてもせいぜいミニアルバム止まりという時代にある中で、僕は頑までにアルバム単位で音楽を創ることに拘りました。2曲目と3曲がクロスフェイドで繋がる演出は、アルバムとして聴かないと理解出来ない、ここの世界観の変え方は、このアルバム11の最大の見せ場です。また、このアルバムではSide AバンドのギタリストLeevonを初めて採用し、実に3人のフィリピンを代表するギターヒーロー達のプレイが聴ける、曲によってギタリストを変え、各ギタリストの個性が万遍に表現できた、僕にとってはこのアルバムは別称ギタリストミュージアムと呼んでいます。
 

1111
アーティスト:石川晃次
販売元:studiokarma
(2011-11-11)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る