委託貸付への規制開始をきっかけに、中小企業の連鎖倒産が起こるかもしれない。

2015/1/16 中国銀行業監督管理委員会が「商業銀行委託貸付管理弁法(意見徴収稿)」を公布。
2015/2/16 まで意見募集が行われた後、正式な公布が見込まれる。

■委託貸付とは■
  ①中国では、企業間で金利が発生する貸付業務を行う事は禁止されている。
  ②企業Aから企業Bに資金提供を行う必要がある場合には
    企業A→金融機関C→企業B
   のように、あいだに金融機関が介在し、実質的にはA→Bへの(委託)貸付が行われる。
   金利はAB両者の相談で自由に設定。金融機関はリスクを負う事なく
   0.1~0.3%程度の手数料を得る。
■問題のケース■
  上記、企業A、Bが関連会社などであり、正常な資金融通であれば問題無い。
  しかし、下記[1][2][3]のようなケースが問題となっている。
   [1]本来、企業Bの事業内容では、金融機関が融資を出来ないケースで企業Aを通じた
     迂回融資になっているケース。
      金融機関C→(融資)→企業A→金融機関C→(委託貸付)→企業B
   [2]信用力のある企業Aがグループの運転資金として金融機関Dから借り入れたお金を
     グループ企業Bに委託貸付。企業Bが高利の理財商品を購入し、運用するケース。
   
    金融機関D→(融資)→企業A→金融機関C→(委託貸付)→企業B→理財商品購入
   [3]信用力のある企業Aが運転資金として金融機関Dから借り入れたお金を
     全く第三者である企業Bに高金利で貸付。
        
金融機関D→(融資)→企業A→金融機関C→(委託貸付 金利20%~30%)→企業B
  これらを規制する事が、委託貸付管理弁法の趣旨。
■背景と中央政府の思惑■
  2014年後半、中央政府は景気テコ入れの為に、市場への資金供給を増やし、
  中堅中小企業への貸出を支援しようとした。
  しかし、実際には金融機関から中小企業への貸出は伸びず、国有企業をはじめ
  信用力のある企業への貸出が伸びただけ。
  資金調達した企業は理財商品を購入したり、高利で貸し付けたり、上場株式を購入するなどにより運用。
  実際に事業資金・設備投資を必要とする企業は金融機関から借入れができず、
  高利で借入れせざるを得ない状況。
  中央政府としては、委託貸付を規制し、金融機関から中小企業への直接正常融資を促進したい。
■委託貸付管理弁法 施行で金融機関から中小企業への直接融資が進むのか?■
    ~貸さない銀行も悪いが、信用できない企業も悪い~
  [金融機関の言い分]
    ・中堅・中小企業の財務諸表など信用できない。
    ・簡単に会社を作り、簡単に会社を潰す、場合によっては夜逃げも。
    ・高級外車に乗っていても会社を信用できるかどうかは全く別。
    ・実物担保の範囲内か、企業同士の財務担保(相互連帯保証)でなければ貸出はできない。
  委託貸付管理弁法が出来たところで、金融機関と中小企業の関係が改善されるとは思えない。
  日本の信用保証協会のように実質的に政府が中小企業の信用を補完する事も想定されるが
  中国ではモラルハザードが頻発するだろう。
  これまでは、20%とはいえ、委託貸付などを通じ、中小企業にお金が流れていた。
  委託貸付への規制により、これまでのような高金利融資が止まり、
  金融機関からの正常融資も増加しないと,,,,
  企業同士の財務担保(相互連帯保証)により連鎖倒産が始まるかもしれない。

■日系企業にとっての影響■
  グループ間で正常な委託貸付を行う場合でも、手続きが複雑化、長期化する可能性あり。

■上海株が5日間 連続値下がり■
  関係あると思います。