今日までの63年間の人生のうち、40年間は縁があって直接、間接にインドネシアに関わる仕事をして来ました。前半は大手製造業のジャカルタ駐在員、後半は中小企業の進出を支援するコンサルタントとしての立場が主な経験です。

 この間、多くの企業と一緒に仕事をさせて頂いた訳ですが、現地法人を設立して操業に至るまでは多くのプロセスがあり、それぞれのプロセスはどんな企業であってもほとんど変わらないのですが、そのプロセスにどのように取り掛かるかはその企業の方針であり、千差万別であると言えます。

 しかし、この取り掛かりが実は成功と失敗の分岐点であり、ここで失敗するとその修復に多大な時間とお金を浪費することは避けられず、最悪のケースとしてその時点でインドネシア進出を断念することもあります。

 このシリーズでは、進出検討の段階から操業開始までのプロセスにおける色々な分岐点での、上手く行ったと思われる事例、そして拙かった思われる事例を基に、筆者の主観も交えてここではこうすべきではないか、と言うような感じで書いてみたいと思います。