コジゼラ

よもやま話を雑文で

2005年03月

桜餅

アマギヨシノ3月31日(木)
(アマギヨシノ・皇居東御苑)

<日本人が桜好きだな、と思うのは、花見はもちろんですが、桜の葉や花を食べることが多いこともあります。桜の花の塩漬けは、桜湯や和菓子、桜ごはん、お吸い物などに使われます。食用の花としては、見た目が重視されるため、色の濃い八重桜、特にカンザン(関山)という花が好んで使われます。一方、桜の葉は、さくら餅などの和菓子や料理などに使われます。食用となるのは伊豆地方で栽培されるオオシマザクラの若葉です。>

<ところでさくら餅といえば、「長命寺さくらもち」。1年中、さくら餅だけを扱っている東京・向島の逸品です。よく見かけるさくら餅は、塩漬けの葉を申し訳ていどにまとっているものですが、「長命寺さくらもち」では大振りな葉三枚で菓子が覆われています。葉を剥くと、餡を貝殻型にやさしく包み込んだ薄焼きの皮が姿を現します。皮は食紅を使わないため小麦の自然な色、こし餡が透けて見えます。この白い皮には、ほんのりと葉から移された本物の桜の花の色が宿っているのです。 そして、鮮やかな桜の香りとあっさりした餡の絶妙な旨さ。 さくら餅を食べる、これも日本人に生まれてよかった、と実感するひとときかもしれません。>(以上、Gシェフメールより)

サクラの季節に向島界隈を歩いていると、いつのまにか足は長命寺の方に向いてしまい、やたらと桜餅を食べたくなってくる。よく行っている向島百花園から歩くとけっこうあるんだけど、食い意地のほうが強く出ちゃうんだね。そして食するのだが、実をいうとうまいという実感はあまりない。塩漬けされたサクラの葉がじゃまくさいし、甘さも中途半端だ。キザっぽくいえば季節を味わいに行くってことなんだろうか。その証拠に、サクラの季節以外にはこの辺をそぞろ歩きしていても、店の方なんか一顧だにしないもんなあ。

きのう「サクラの日」は快晴で絶好のお花見日和だったけど、ついにサクラの開花宣言は出なかった。ポカポカ陽気に誘われて、千鳥ヶ淵公園や北の丸公園などを探検したけど、「枯れ木に花を咲かせませう」は週末ぐらいまで伸びそうだ。ところが最後に行った皇居東御苑にはソメイヨシノの亜種、アマギヨシノが咲き出していた。まだ七分咲きといったところだが、ソメイヨシノよりどちらかといえば、オオシマザクラに似た感じで花が白い。カタクリも咲き出したが、そのことについては改めて。

弱い

和船3月30日(水)
(和船・大横川)

いつのまにかワールドカップ、サッカー・アジア予選が行われ、予想通り日本はイランの前になす術もなく敗退した。負けたあとからはあまり聞こえてこないが、戦前の過熱した報道合戦はどこへ行っちまったのかねえ。なにが鉄壁の4枚の壁だ。いとも簡単に破られ、その中心が、サカリが過ぎてイタリー所属チームからも相手にされない中田のヒデだもんなあ、最初から穴の開いているカベだ。だいたいが勝てっこないのははなから分かっているのに、それを隠して、ギャーギャーと騒ぎ立てるマスコミも情けない。

それに解説者と称するやから達、まるで悪質なフーリガンみたいで、一方的に日本の応援に熱を入れる。技術の解説なんてどっかに行っちゃって(元々、その素養もなさそうだが)、高額の契約料を貰い、ただでイランに連れって貰って、最高の席で観戦できるんだから、いいご身分だよなあ。そんな輩にゼニを支払って特別待遇するテレビ局にも問題あるけど、外国人ジャーナリストからみたら笑いものになっているに違いないけどね。

マスコミの過剰な取材は、せっかく育ってきた有望なアスリートたちも駄目にしてしまう。フィギュアスケート世界グランプリでの安藤美姫、プレッシャーに押し潰されて、ミスの連続、期待された4回転ジャンプもトライできず、大差の5位に終わった。いい素質はあるんだけど、スケーテイングは荒いし、優雅な滑りもまだまだ、未完のままだ。だいたいが1年前にはオフザケ番組、トリビアの種で、オチャラケをやらせられていた子だよ、もっとそっとしといてやろうよ。

アメリカ女子ツアーに参戦した宮里藍、まるで優勝でもしかねない過熱報道に曝されていた。やっとの思いで予選をなんとか通過したものの、実力不足はおおいようがなく、惨敗してしまった。昨年好成績を挙げたが、あの不安定なボデイスイングでは、絶対世界を制することはできない。世界では身体を平行に回転する横振りスイングが全盛なのに、クラブを外に投げ出すような立て振り降りスイングだからね。ある水準まで到達したら、いくらプロだからといっても、オヤジさんのコーチだけじゃ大成できない。オヤジをマネージメントに専念させ、優れたプロの門を叩くべきだろう。

開幕

サンケイビルのオブジェ3月29日(火)
(サンケイビル前のオブジェ)

サクラは中々咲いてくれないね。ところで、いつのまにかパリーグが開幕したようだね。けっこう大勢のファンが集まったようだけど、いつまで続くんかな。開幕緒戦を飾った楽天イーグルスの新聞一面を飾った言葉は「歴史的勝利」ときたもんだ。キャッチフレーズがこれまた時代がかっている。

半世紀ぶり新球団 最高の船出(ホリエモンのお陰だよなあ)
寄せ集め軍団、リストラ戦士たちの雄叫び(捨て鉢に見えたけど)
田尾監督男泣き(そりゃ大変、毎日泣いてなきゃいけないね)
執念采配で勝利をもぎ取った(お互い下手な試合運びだったもんなあ)
新天地で魂の122球(制球が悪すぎたんじゃないの)
予測が生んだ美守に隠された美守(ナンジャ、これは)
野球に飢えベンツ捨てて勝利に渇き足震わせて崖っ縁の躍動(男の美学だのう)

サテ、勝負事はそうそう、うまく運ぶはずがないのは、この世の常なんだ。二日目の対ロッテ戦は、な・な・なんと「0対32」、まさかラグビーの試合じゃあないよね。打ちも打たれたり、ロッテ打線は出てくる5人の投手から24安打、対する楽天はたったの1安打、きのうの大騒ぎはどこに行っちゃったの。今日のスポニチの紙面はどう誤魔化して報じているか気になったけど、ワザワザ雨の中を買いに行くほど物好きじゃあないからね。あ、そうそう、楽天イーグルスじゃなかったようだね、楽天ゴールデンイーグルスだった。どっちでもいいんだけど、ちょっと長すぎない。

無人の荒野を駆け抜けるように、勝つのが当たり前のように、朝青龍の優勝が決まった。有象無象のデブ達の、どこの誰よりも日本人の心と魂を持っている男だねえ。勝負に厳しく、普段は大らかに、たかだか20歳ソコソコの若者が、大和魂を見せてくれるんだから、世の中って皮肉にできてるよなあ。試合後の定例インタビューで、大阪の観衆に向かって「応援ありがとう、おおきに」とやって、満員の観客から万雷の拍手、それに対し、満面笑みで手を振って応える、この旺盛なサービス精神には参っちゃったね。

マシュマロ

三越本店3月28日(月)
(三越本店)

ガキの頃、バカに色の白い奴がいて、「マシュマロの君」なんて陰口きいてたけど、色の黒い奴は「南洋の土人」ってバカ扱いしていたね。片一方が君だなんて尊称をつけてるっていうのに、かたや土人だからね、色が白い、黒いの違いで、えらい差別待遇だったね。とはいえ、本音を言えばどちらもアンポンタンってこと、この落差は子供ながらすごい皮肉だったなあ。

3月になると、「ホワイトデー」の文字をあちこちに見かけるようになる。バレンタインよりはずっとおとなしい感じだが、どうでもいい騒ぎだよなあ。バレンタインがチョコレートなのに比べ、ホワイトデーは、キャンディーや花だったりとバラエティ豊かだが、根強い候補にマシュマロというのもある。このマシュマロって、独特な弾力と食感、軽い風味、そして妙な甘さ、頼りなげな味と不思議な、魅力をもったお菓子だよなあ。

マシュマロは、植物「ウスベニタチアオイ」の英語名「marsh mallow(マーシュマロウ、沼地の葵属の植物)」が語源だそうだ。マーシュマロウの成分には喉や胃腸の炎症を抑える効果があるため、樹液に卵白や砂糖を混ぜたものを、薬用食品として使っていた。19世紀頃にフランスやドイツの菓子職人によって、現在のゼラチンを使う作り方に改良され、「マシュマロ」という名前だけが残ったそうだ。 

バーベキューの時など、マシュマロを串に刺して直火であぶって食べるのも格別だよね。あっという間に表面が狐色に焼け、独特の甘いメレンゲの香りが漂って、表面はカリカリ、でも軽く歯を当てただけでシャクっと砕ける細やかな食感だ。中は、スポンジ状にとろけたクリームがツヤツヤと輝いていて、ついつい後をひくうまさだよ。スターバックスやタリーズといったコーヒーチェーンでも、最近、マシュマロを多用しているので、これからはいろいろなマシュマロにお目にかかれるかもしれないね。

サクラ咲く

カンヒザクラ3月27日(日)
(カンヒザクラ・日比谷公園)

3月27日は、「さくらの日」だ。これは財団法人「日本さくらの会」が、1992年に定めている。「桜咲く」の語呂合わせだそうだ。3が「さ」くら、27が「さく」で、3×9=27という語呂合わせだ。ここでは、設立25周年と花と緑の博覧会を記念し、1990年に「さくら名所100選」を発表した。東京では上野恩賜公園、新宿御苑、隅田公園、小金井公園、井の頭恩賜公園が選ばれている。まあ、妥当な選択だけど、どういうわけか、都内最大の名所、千鳥ヶ淵が選に漏れている。15年前はそれほど有名じゃあなかったんかな。

個人的には、ソメイヨシノが千鳥ヶ淵、穴場は北の丸公園、種類の多さで新宿御苑、人の多さで上野公園、年季の入っている小石川植物園、つまんないのが六義園と後楽園のシダレと相場を決めているけどね。それにしてもサクラ咲くとはいかないようだね。きのうも絶好の花見日和だったが、ツボミの数さえチラホラ、この調子じゃ3月中に間に合うのかな。

気象庁は3月16日、この春3回目の桜(ソメイヨシノ)の開花予想を発表した。1週間前の前回の発表に比べて最大6日早まった。「東北、関東甲信、東海の一部では平年より早い」として、当初の「やや遅め」の予想を修正した。最も早いのは、27日には東京・大手町、と一気に関東に飛び、平年のような「桜前線北上」とはやや異なりそうだ。こういう予報って空しいね。

いよいよ、一番忙しい季節が始まるなあ。サクラをおっかけるだけでも忙しいのに、今年はカタクリの追っかけもしなけりゃならないしなあ。サクラもカンザクラから始まって、ベニシダレと続き、ソメイヨシノ、オオシマ、エドヒガン、ヤマザクラがあとを追い、一息入れてから、イチヨウ、カンザン、シダレ、フゲンゾウ、ギョイコウでクライマックスを迎え、5月末のハクウンボクで長いサクラ便りの終わりとなる。いったい何枚写真を撮るんだろうか、整理だけでも大変、期待と不安で胸が震えるね。


交通違反

シモクレン3月26日(土)
(シモクレン・清澄公園)

閑なとき、よくベランダから下の道路を眺めているんだけど、あんまりスピードを出して走っている車は少なくなったねえ。むかしはタクシーのことを神風タクシーって呼んでいたけど、総じてタクシーの運転はおとなしくなったねえ。たまに乗っても、車内はきれいに整頓されているし、運転手も丁寧な応対をするし、まるで様変わりしているよなあ。深夜、盛り場で空車をやっと捕まえ、横柄な運転手に卑屈な態度で恐る恐る行き先を告げるときの、あの屈辱感なんて、いまはもうないんだろうかね。

ここしばらく車を運転していないから知らなかったけど、車の運転に対する法規制もずいぶん厳しくなったんだねえ。制限速度違反などは大幅に引き上げられ、酔っ払い運転などしたら、さあ大変、次男坊の会社では、酔っ払い運転すると即刻クビになるらしい。それにしても罰則強化だけではダメのようで、毎日のように悪質な交通事故が多発しているのは恐ろしいね。千葉県松尾町の県道で5日夜、同窓会の会場を出た男女8人が軽乗用車にはねられ、4人が死亡した事件など、犯人は無免許の上に飲酒運転、スピード違反だっていうんだから、もうどうしようもないね。「車は動く凶器です」なんて標語があったけれど、売る方の責任だってあってもいいんじゃない。

朝日新聞によると<01年12月から刑法に危険運転致死傷罪が加わり、交通事故に適用される業務上過失致死傷罪は最高で懲役5年だが、飲酒や薬物使用のうえで運転したり、制御が難しい速度で運転したりした場合は、人を死なせたら懲役1〜15年、負傷させたら最高で懲役10年とする内容だ。刑法は今年からさらに重罰化され、刑の上限は致死罪で20年、致傷罪で15年になった。改正道路交通法も02年6月から施行され、酒気帯び運転の法定刑の上限が懲役3月から1年に、罰金額が5万円から30万円に大きく引き上げられた。酒気帯びとみなされるアルコール濃度も呼気1リットル中0.25ミリグラムから0.15ミリグラムに下がった>とあるが、かなり厳しくなっているんだね。

ヒール

ハクモクレン3月25日(金)
(ハクモクレン・汐見運河)

日本放送を巡ってのせめぎあいは、遂にソフトバンクも顔を覗かせるなど、毎日のように展開が変わって、下手なドラマを見るよりずっと面白い。連日ホリエモンの文字が新聞に躍らない日はないくらい、ジャーナリストたちは過熱報道合戦を繰り広げているが、ただ面白おかしく報道するだけで抜本的な問題にはノータッチである。明日はわが身ということを知ってか知らずか、興味本位だけではやし立てているのは問題だ。NHKなんかも自分ちの不祥事を隠す絶好のチャンスとばかり、異例の独占インタビューまで敢行しているんだから、あきれてものもいえない。

古館伊知郎の「報道ステーション」で、ゲストの養老孟司がホリエモンの若さと勢いに対抗するには、老骨に鞭打ってっ感じの日枝社長じゃあ太刀打ちできない。社内には弁舌が立つ若い優秀な社員やキャスターがたくさんいるんだから、どうして本業の利を生かそうとしないんだろう。それこそ、視聴者を味方につける絶好のチャンスじゃあないかっていっていたけど、その通りだね。日枝社長の姿には、まさに落日の悲壮感と老いの醜さしか感じないもんなあ。

旧態依然のテレビ業界に大きな風穴を開けた「ホリエモン」といい、ぶっちぎりの強さで相撲界を驀進する、黄金の回しを締めた横綱「朝青龍」といい、大リーグの「イチロー」とか、いずれにも共通するのはふてぶてしさと自己顕示欲の強さだろう。傲慢なのか、自己過信なのか、自然体なのか、作為的なのか、それぞれ理由は違うんだけど、ふてぶてしさだけは人後に落ちないものがある。

彼らには謙譲の美徳とか、他人を思いやるやさしさとか、暖かいほほえみとかが表面からは感じられない。そのくらいじゃなくちゃ、現代のヒーローたる資格はないのかもしれない。こうしたクールさを毎日のように見せ付けられると、ヤンキースの松井秀喜には古武士のような風格を感じてほっとさせられる。ぼくらには、たとえ月給3000万円取っていようとも、こういう優しくて暖かいヒーローの方がずっといい。だから、清原や佐々木のように、ろくに仕事もしないくせに高給を食んでいるヒールたちが、でっかい面をしているのを見るだけで、虫唾が走ってしまうのだ。


春爛漫か

永代橋3月24日(木)
(永代橋とオオカンヒザクラ)

ベランダはもう春真っ盛り、ポリアンサス、マラコイデス、ラナンキュラス、3色のガザニア、3色のパンジー、5色のビオラ、3色のスイートアリッサム、7色の各種ゼラチャン。昨年、道端から採取してきたオオイヌノフグリが待望の花をつけたと思ったら、ボケが咲き出し、続いてティモルフォセカ、冬咲かずに諦めていたミニシクラメンまでツボミを幾つも伸ばし始めた。

隅田川河畔では、永代橋際で緋色のオオカンザクラ、濃赤色のカンヒザクラ、中央大橋際で黄金色のサンシュが満開、中小河川でも、東陽橋際で早くもハクモクレンが七分咲き、古石場橋下ではピンクのアセビ、小津橋下ではユキヤナギが盛りを迎え、木場橋際ではアンズ、大横橋際ではカワツザクラが満開といった具合である。いやあ、急に忙しくなっちゃって、スケヂュール調整に困っちゃうよ。あんまり光が強いと、白飛びしちゃってうまく映らないし、曇りだとまだうすら寒いし、なにかと難しいしなあ。

それでも、越生や青梅の梅林はまだ三分咲きといった程度らしいし、あちこちにあるサクラのツボミにはあまり大きな変化は見られないね。この分だと少し開花が遅れそうなのは非常に好都合、4月始めには、練馬でカタクリが咲き出すだろうし、これ以上スケジュールが立て込んじゃうと身動きが取れなくなっちゃいそうだ。なんといっても今年の本命はカタクリだから、ソメイヨシノやオオシマザクラは多少犠牲にしても全力投球しなけりゃね。

タダ、こういっぺんに咲き出すと、頭の痛いことも多い。とりわけ、気がかりなのは、物忘れがひどくなって、すぐに花の名前が出てこないから、整理するのにえらく時間がかかってしまう。パソコンと花図鑑でとっかえ、ひっかえ照合する無駄な労力にはまったく参ってしまう。花の名前が分かんないから、花の写真を一通り見直さなきゃならないからだ。従って、面倒くさくなると、「なんじゃA」とか「わからんB」とか、仮の名前をつけとかないと、ちっとも前へ進まない。一番情けないのは、去年はしっかり覚えていた花の名前がちっとも出てこないことだ。まあ、嬉しい悲鳴だから頑張るしかないけどね。

ナンマイダー

リコ3月23日(水)
(リコ・2歳7ケ月)

「ナンマイダー?4枚だ」。冗談はさて置き、リコ姫との久し振りの「ごたーいめーん」は3連休の中日に行われた義父の7回忌の席上だった(まあ、厳密にいえば行きの車の中で一緒だったけどね)。親類縁者がどっと黒ずくめの服装で現れたものだから、お経が始まるまで立ち竦んでしまって、まるでイモリのように、ママにピッタリ張り付いたまんまだった。大好きなお食事の時間になって、ようやく緊張も解けたようだったけどね。

リコがミズボウソウにかかったのが、かれこれ3週間ほど前、東風とらが服用している薬が、この手の病原菌に感染しやすいという医師の指示もあり、まったくのご無沙汰となったわけだ。忘れられてしまうんじゃあないかと内心不安だったよ。3連休最後の日、パパとママがお出かけで我が家にお預かりすることになった。折しも上京中の長男と4人で夕食の膳を囲み、仲良くお遊びをした。すっかりご機嫌で、終始笑顔、笑顔でおしゃべりのし通しだった。このおしゃべりといい、仕切り屋さん振りといい、いったい誰に似たんだろうかね。

この3連休、お天気にも恵まれ、上野の西郷さんの銅像したではサクラが満開だった。おかしいな、まだ早いんじゃあないかと近づいたら、「オオカンザクラ」という種類だった。確かによくよく見れば緋色が濃い目で早咲きのサクラ特有のものだったが、一瞬ギョっとさせられた。

永遠の憧れだった中宮寺・「半跏思惟像」弥勒菩薩が国立博物館で展示されていて、40年振りの再会を果たしてきた。組んだ足の指先と頬杖をついた右手のなんという艶かしさ、モナリザより、はるかに勝るアーカイックスマイルの清らかさ。初めて見た背中の逆三角形の見事な曲線美、漆黒の中から浮かび上がる地の金色、丸髷とお下げ髪の愛らしさ。仏像とはとても思えない濃密の世界にしばし没入し、理想の女性にめぐり合った気になっていた。

飛鳥時代を代表する二体の半跏像、京都広隆寺・弥勒菩薩像と奈良中宮寺・菩薩半跏像は光背の有無を除けば、ほぼ同じポーズで、かすかに微笑んだ表情まで、共通した圧倒的美しさを誇る。土門拳は次のように記述している。「頬にあてられている右手の細くたおやかな指先は色っぽく、官能的といえるほどしなやかな表現を与えている。ぼくはこの観音像くらい、女、それもゆたかな母性を感じさせる仏像をほかに知らない」。


城砦都市

ガザニア3月22日(火)
(ガザニア・ベランダ)

豊洲運河を越えると、のどかだった風景が一変した。運河に沿った旧日新製糖跡地に980世帯を収容する巨大マンションが建設されているからだ。新しい住民が増えるのは、それはそれでけっこうなんだが、ダンダン形が出来上がってくると、その醜悪さに腹が立ってくる。色気もなんもない頑丈一点張りの駐車場の建物で外側に蓋をし、まるで中世に逆戻りしたような城砦都市の出現なのだ。

いまの世の中、不審者が横行するヤバイ時代だから、居住者の安全第一というコンセプトには異存はないけれど、外界をまったく遮断するような閉鎖的な建て方は、情報開示が叫ばれる時代に、まったく背を向けているように思われる。こんなジメついた閉鎖社会に入居する人たちはリッチ層に属する連中だろうけど、建物という専制君主に服従させられ、おどろおどろした生活を余儀なくされるんじゃないかって想像したくなる。

せっかく城砦を作ったんだから、ほとんど表へは出ず、商店や学校なども自前で設け、自給自足の生活をするというんなら、それはそれでけっこうだ。しかし、現実はそうは行かない。自転車通行の多い朝凪橋からの長い下りの途中に、車の出入り口を作ろうとして、地域住民ともめたり、江東区に満杯だからって新しい小学校を作らせたり、けっこう自分本位の主張は止めようとしない。これだけ地元に迷惑をかけたんだから、エントランスをオープンにするとか、住民との共有スペースを開放するとかの可愛げな提案があってもいいよなあ。

エリート様たちだから、地元のひんない連中との付き合いなんてマッピラということなんだろうが、こうして幾つもの高層マンションがあちこちに城砦を築き、孤立化を促している現状には慨嘆するしかない。幸いなのか不幸にしてなのか分からないが、このマンション未だに空き室が埋まらずに四苦八苦しており、大幅ダンピングしているという噂もある。ざまー見やがれってなもんだ。
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