コジゼラ

よもやま話を雑文で

2006年12月

めぐり合い

ebis12月31日(日)
(恵比寿・越中島飲み屋の日除け)

小学校の卒業式のあと、正門の前で、突然大勢の同級生に取り囲まれ、ボコンボコンに殴られたことは以前に話したよね。当時のボクチャン、その権勢たるや相当なもので、一種の王国を形成していた。自分で言うのもなんだが、頭が良くて勉強ができ、ハンサムで運動神経抜群、野球じゃ北区の少年野球優勝の立役者だったし、学校始まって以来、開成中学入学という快挙もやってのけた。少年野球のコーチは早稲田大学野球部の現役学生、そのコーチはボクチャンの家庭教師だった。

欠けているのは謙虚さと思いやりの心だけだった。戦後5年は経っていたが、まだ焼け跡は残り、バラックも多かった。同級生には栄養失調がもとで、ちんば、びっこ、あばた、みつくち、めっかち、つんぼ、低脳、着たきり雀、洟垂れ小僧(これって、すべて差別用語)。下町だったから、学校へ通うのも難儀な子供たちも多かった。そうした負を抱えたガキどもを、アゴ一つで支配していたんだから、アコギもいいとこだった。

それから30年経って、久し振りに同窓会が開かれた。当然ながら男女とも40台の壮年、男は直ぐに分かったけど、女どもから声をかけられても、改めて自己紹介されても、全然思い出せなかった。だって、みんな薄汚れた洟垂れどもだったから、印象が薄かったのである。モチロン、何人かのマドンナも出席したし、そのマドンナに会いたいから出掛けたようなもんだったけど、マドンナよりも見慣れない洟垂れ女たちのほうが、ぐっと色気も存在感もあったのは意外な発見だったね。

ところで、恐る恐る近づいてきた強面の大男がいる。学校を卒業後ぐれて、池袋にある暴力団、極東組の大幹部にまで出世したとは、風の頼りに聞いていた。思わず身構えると、「オレはずっと、あんたにあやまりたいと思っていた。あの時は悪かったよ」って頭を下げてきたではないか。カレが首謀者だったなんて、気がつく閑もなかったんだ、本当をいうとね。でも嬉しかったね。涙がとめどなく流れ落ち、男同士しっかりと抱き合った。

いまはヤクザから足を洗い、全うな家庭生活を営んでいるという。すっかり嬉しくなっちゃって、たちまち意気投合、三次会まで飲み合った。勘定は一切払わせてくれなかった。あれからさらに20年経ったが、その後のお付き合いはまったくない。白紙の状態だったから、喜びも一入だった。感動の出会いは1回こっきりでいい。

納豆

edagawa12月30日(土)
(夕焼け小焼け・枝川朝凪橋)

納豆は体にいいからって、比較的食卓に乗ることも多いが、はっきりいってまずい。だからといって、嫌いというわけでもない。納豆単体では絶対食べられないだけだ。必ず生タマゴか大根オロシなど、液体を伴うものとシンクロさせて、のどの奥に流し込んでいる。時間があれば、じっくり125回かき混ぜて、独特の粘りを出させる。なぜ125回なのか、それは経験則からだとしかいいようがないね。

一度やったきりで、二の矢は放っていないが、味噌汁の具とテンプラのネタとしての相性もよさそうである。あのねばっこさが熱で消えて、実に淡白な味になる。そのあまりの変わり様が、納豆に対する冒涜のように思われて、その後やってはいない。健康ブームが長く続いている。

甘納豆も大好物だから、バーゲンなどで売っていると、ついつい手が出てしまう。だけど安物を買ってくると、一様にアズキの粒が硬くて歯に詰まる。でも白天豆、黒天豆、金時、青豌豆、小豆の5種類の中から、選び分けながら食べる楽しさがある。青豌豆が一番好きで、その次が金時、数多く混じっている中から、青豌豆をかみつぶす時の幸せな瞬間はたまらないね。

ほんとうは濡れ甘納豆のアズキが一番おいしいんだが、けっこう高値設定なので、中々口に入りにくい。こちらは、なんといっても大粒のアズキに限るね。かみしめると、甘さとともに果肉が口中に広がる感覚が応えられない。できれば、4-5粒をまとめて口に放り込み、ハーモニーを楽しむのがいい。この楽しみがまるで味わえなくなったのは、お茶菓子購入価格500円以内という自己規制を大幅に上回るからである。

以前通い続けた飲み屋の名物「五色納豆」は優れものだった。丼に盛られたご飯の上に、「細切りされたマグロ、イカ、小柱、納豆、タクワン」がてんこ盛りされ、卵の黄身」が乗っている。小皿にたっぷりのワサビを醤油でとき、どんぶりの上にぶっかける。それを豪快にかき回しながら食べるのである。これはたまんない旨さだったね。余計物と思われたタクワンの細切りが、音響効果など、実に効果的役割を果たすのには驚いたね。


こぶくろ

biora12月29日(金)
(ビオラ・ベランダ)

やけに背の高いのとハンサムな若者による、デュオ「コブクロ」の歌が若者たちの支持を受けているらしい。「小袋」だなんて、なんともショッキングな命名だが、聞いてみれば、二人の名前、小渕と黒田の頭文字をとっただけらしい。もっとも本人たちは小袋って食べるものだとばかり思っていたらしい。

「数の子」はニシンの卵巣、「明太子」がスケトウダラの卵巣、「筋子」がサケの卵巣、「からすみ」がボラの卵巣、「キャビア」がチョウザメの卵巣、「このわた」はナマコの腸、「いりこ」はナマコの内臓、。10数年前には数の子はお正月には欠かせない食材だったのに、海のダイヤモンドとして持て囃され、高値がつけられ庶民の口に入らない高級食材に変身した。それがいま、口にする人も少ない。生産国カナダでは、輸出額の大幅減少に頭を痛めているという。

食通が泣いて喜ぶ酒の肴に、「からすみ」、「このわた」がある。「からすみ」は、「ぼら」の卵巣を塩漬けしたもの、「このわた」は、なまこの腸を塩辛にしたものだ。いりこは、なまこの内臓を抜いて茹で干したもの、干し鮑、鱶鰭とともに俵物三品として、江戸時代中国貿易の中核をなした。「からすみ」は唐墨、「このわた」は海鼠腸、「いりこ」は煎海鼠、「なまこ」は海鼠、「うに」は海胆と書く。

最近テレビの漢字出題問題も難しくなった。バカな女子アナが偉そうな顔して、正解を教えているが、あらかじめ答えを教えていられりゃ、バカだってできる。一度でも二度でも回答者席に座らせて、本当の実力の程を視聴者に知らせるべきだろう。そうした番組で出題された、「紅娘」と「寄居虫」、真正の漢字というより当て字に近かったけど、これは読めなかったね。正解は「てんとうむし」と「やどかり」だってさ。


通説

pnji12月28日(木)
(逆光のパンジー・ベランダ)

12月も終わりに近くなったのに、きょうのバカ陽気はなんだ。昼前に気温は20度を超えたというから、バカげている。バカついでに上半身はだかになって、陽だまりの中、冬眠前の毛繕いを断行した。オレの頭髪、いや頭髪とはいえない柔毛なんだけど、これが頭頂部に密集して生える。横から見ると、鶏のとさかが立っているみたいで、気になりだすと矢も盾もたまらない気持ちになってくる。柔毛なんで電気バリカンにかすらないことも多いから、あとで剃りを入れざるを得ないのが面倒だ。

きのうまでは、冬嵐がやってきて、氷雨が延々と降り続き、仕上げに冬としては珍しい遠雷が響き渡った。小濃の雨は、観測開始以来12月としては最高の日降水量を記録したという。北海道、東北地方では大荒れの天気になるというが、こうもおかしな天気が続くと、正月を迎える晴れがましい気持ちも薄れてしまうね。外れてばかりいた天気予報が最近やけに当たるのも不思議だが、やはり、大つもごりといえば、しばれる寒さと、こがらし吹き荒ぶ、殺伐たる状態で迎えたいもんだね。

便秘に悩む人は多いそうだが、便秘だと大腸ガンになりやすいという通説も広まっていた。先だって、ある病理研究所が便秘患者2万名を対象に、数年がかりで調査した結果、その通説は間違っていると発表した。同時に下痢勝ちの患者は直腸ガンになるという通説も否定された。便秘が続くとついつい暗い気持ちになりがちだから、これはすばらしい朗報だ。余計な心配をしないですむだけでも有難い。

年をとってくると、運気が起こるチャンスも減る。その少ないチャンスを逃がしてなるものかと、思案処に駆け込むと、とたんに運気が失せていく。入った以上は出してみせるという決意が勃然とわき上がってきて、押したり引いたり、力んだり、さすったりとあの手この手の作戦行動をとる。だけど「親の心子知らず」の喩え通り、玉門は頑固一徹、金城鉄壁を守り通そうとする。

力みに力んで、どうにか勝ち上がってみても、出てくるのはウサギの雲古、この熾烈な親子の争いにはつくづく疲れきってしまうね。とはいえサラファン、最近はたとえウサギの雲古であっても、毎日のように思案処通いが続いているのは朗報かもね。アイデア生産基地だった思案処という名前も、厠、雪隠、手水、便所など、当たり前の名前に戻していいかもしれない。


となりの国

mise12月27日(水)
(浅草仲見世)

韓国の盧武鉉大統領が最近の演説で「軍隊は若者を腐らせる」とか、「これまで韓国軍は米国にとりすがって“兄貴だけが頼り”などとやってきた」と発言したことに対し、元国防相や参謀総長ら軍首脳OBたちが「軍に対する冒涜だ」と猛反発する声明を発表するなど対立が深まっている。問題の発端になった大統領演説は21日、民主平和統一諮問会議で1時間10分にわたって行ったもの。政権批判に対する日ごろの不満を爆発させ、こぶしを振り上げ声を荒らげての「激情ぶり」に世論は驚いている。

盧武鉉大統領の登場以来、韓国政権の左翼寄りの傾向は一段と加速している。1990年代まで、韓国は度重なるクーデターによる軍事政権が牛耳ってきた。その後、民主化運動に連動して、文官政権が続いているが、いずれも政権につくや、強大な権力をバックに、政権の周囲を身内で固め、個人の蓄財が発覚しては罪を問われる結果となっている。軍事政権にしろ、文官政権にしろ、いずれも主役は旧新羅出身者だった。その間隙をついて、常に主流とは成り得なかった旧百済出身の金大中が太陽化政策を掲げ大統領に就任し、盧武鉉がそれを引き継いで現在に至っている。

まったくの私見だが、朝鮮半島は古くは高句麗、新羅、百済の三国が派遣を争い、今の全羅南道である百済は征服民族として歴史から抹殺され、差別を受けてきた。朝鮮戦争後、朝鮮半島は二分され、高句麗だった北朝鮮と、新羅だった慶尚南道、北道、忠清南道、北道、全羅北道と、百済だった全羅南道が韓国となった。この歴史的背景が韓国の現状を良く表している。

差別民族だった百済が2代続けて政権を執っていて、しかも左翼的政策を行っていることに、旧新羅及び軍部が快く思っているはずがない。1年後の大統領選挙では間違いなく、百済政権は放逐されるだろうし、もし、それが不可能なら、当然のごとく軍事クーデターが起きる。米国はそれを心待ちにしているし、中国はそれを心良しとはしない。東アジアの弾薬庫は、決して北朝鮮ではなく韓国になるはずである。

戯れ言

asa12月26日(火)
(暮れの浅草仲見世)

食後すぐ横になると、牛になるという。いま、その牛になってテレビを見ている。夜爪を切ると、親の死に目に会えないという。いま、その爪を切っている。ミミズにオシッコを引っ掛けると、オチンチンが腫れるという。でも、いま、立ちションする場所さえないし、だいいち肝心のミミズがいない。オネショをする子は頭がいいといわれた。だから、よくフトンに世界地図を書いた。もう何年かすると、また、ガキの頃に戻っちゃうのかなあ、いやんなっちゃうね。

韓国で歴代2位の観客動員数を記録した映画「王の男」のミュージカル版「爾」の上演が論議を呼んでいる。映画は00年に上演された演劇を原作としているが、その演劇版の原作者で監督を務めたキム・テウンが映画のヒットを頼るような形でミュージカルは津監督に挑戦したという点に否定的な論評が出ている。記事の内容はともかくとして、「爾」という題名に非常に興味を引かれる。そもそも、韓国語ではどういう意味があるのか。映画の題名が「王の男」だったから「王」をさすのか、そうだとすると、御名御璽とも何らかの関連があるのか、といった点である。

05年から日韓で公開され、国内の映画賞を総なめにした井筒和幸監督(54)の映画「パッチギ!」の続編「パッチギ! LOVE&PEACE」が来年5月に公開される。朝鮮学校が主題の一つである同作品は、京都の朝鮮高校の若者たちを描いた前作から一転、今回は東京枝川の朝鮮初級学校が舞台の一つとなる。パッチギは「頭突き」「突破」という意味の朝鮮語。前作は68年の京都を舞台に、差別に負けず踏ん張る朝鮮高校生と、在日の少女に恋する日本人少年が登場した。続編はその6年後、主人公一家が東京に移り住み、前作で生まれた赤ちゃんが6歳になって朝鮮学校に入学する設定。

枝川の朝鮮学校は、都有地である校庭の明け渡しを求め、都から提訴されている。枝川での撮影は10月末から12月初旬まで7回にわたり、朝鮮学校校舎や校庭、近くの民家であった。建物の一部を70年代風に造り替え、登場人物が働くサンダル工場のセットも特設された。 近所にいるのにちっとも気がつかなかったね。散歩コースの一つとして、気楽に集落に入っていけるけど、やはり特殊な雰囲気があって、どこかでそっと監視されているような気がして、どうしても足が速くなる。
    

シャボン

tukuda12月25日(月)
(石川島公園・佃)

ひと頃、電車に乗ると、男も女も、老いも若きも、どいつもこいつも、同じ柑橘系の香りを漂わせていた。やたらにつければいいってもんじゃないのに、これでもかというばかり塗りまくっているヤカラもいて、ホント往生こいたもんだ。香水などのきつい香りとは違い、爽やかな感じは間違いないんだけど、猫も杓子もじゃあ個性もなにもあったもんじゃない。

テレビの宣伝に乗せられて、ツイツイ「ファブリーズ」なるものを買い込み、部屋中に吹きかけたが、ちっとも効果がない。よくよく考えたら、いま匂いを感じないんだった、ばっかだねえ。そこそこの値段なのに、スプレーすると、あっという間になくなった。ちゃっかり上げ底になってるんだ。ブームに乗ったメーカーにしてやられたって感じが強い。

部屋のいやなにおいを消し、いい香りを楽しむ消臭芳香剤が流行っている。これまで1番人気はラベンダーで、「香りの女王」とも呼ばれてきた。ところが最近、「せっけんの香り」がトップに躍り出た。小林製薬は、消臭芳香剤「洗いたて消臭シャボン」を9月下旬に発売したところ、1カ月間で約60万個を出荷、約4億円の売上高を記録した。年間10億円でヒット商品といわれる消臭芳香剤市場で、破格のヒット商品となった。

開発のきっかけは、「においが強すぎる」「人工的すぎる」という消費者の声だった。キンモクセイやラベンダーの香りを嗅ぐとトイレをイメージしてしまう、という人たちが予想外に多かったのだという。生活の中のなじみのある良いにおいを探し求めたら、せっけんにたどり着いたという。せっけんの香りの登場は02年頃。徐々に人気が出て、ラベンダーをかわしてトップに立ったのは05年だ。ラベンダーが出回り始めたのは90年代初め、アロマオイルの流行も手伝って、当時は「リラックスできる」と好評だった。

我が意を得たりって感じだね。根っからの石鹸愛好家で、シャンプー、ボデイシャンプーに押される風潮が我慢ならなかった。シャボンさえあれば、髪の毛を泡立て、その泡のおこぼれを身体中に塗りたくってオシマイ、いとも簡単に入浴できた。最近の石鹸は泡立ち重視だから、よーくアワが出る。だけど、悲しいかな、毛がないから、せっかくの快感も味わえない。だから、怪我なくて良かったねって、グチるしかないね。

バレエ

hagoita12月24日(日)
(羽子板市・浅草寺)

活字の世界では、踊りはバレエ、スポーツはバレー、馬の年齢は馬齢、あぶな絵はバレ絵と区別しているようだ。一日グータラと過ごし、深夜放映の「白鳥の湖」を見た。ロシアノ伝統を受け継ぐ、ゲルギエフ率いるマリインスキー劇場総出の出演である。ボリショイ、キエフとともに旧ソ連を代表するするキーロフ・バレエ団の生まれ変わった姿である。

だけど、正直言ってがっかりしたね。音楽はまるでサーカスのジンタのように安っぽく聞こえたし、肝心のバレエ、プリマ・ロバートキナが絶妙の演技を見せたものの、如何せん、ガリガリの骨皮筋右衛門、技術は高くても、著しく情緒にかけた。つい先ごろまでプリマだったスヴェトラーナ・ザハロフは可愛らしくて、女っぽかったのに。彼女は先日のレニングラード・バレエの日本公演に参加していたような気がするが、夫のルジマドフともども、移籍しちゃったのかな。

どういうわけか、「くるみ割り人形」、「眠りの森の美女」は既に録画済なのに、白鳥さんだけは手元になかった。あまり有名になりすぎて、バレエ団が取り上げにくいとも聞いているが、改めて見てみると、バレエも音楽も単調で古めかしい気がするね。振付、演出も含めて、「海賊」、「ドン・キホーテ」、「ボレロ」などの斬新さとは比べようもない。

ソ連が崩壊して、国家支援の道が絶たれてからの、ロシアのスポーツと、音楽界の衰退は目に余るね。プーチン政権は基幹産業の充実に全力投球し、芸術への投資をなおざりにしてきた。前途有望な歌手や踊り手、選手やコーチは軒並み海外に脱出してしまった。今頃になって立て直しに必死で、ようやくボリショイなど名門復活の兆しが見え始めてはいる。交響楽団、バレエ団、歌劇場、サーカス、バレーボール、アイスホッケー、体操などが世界を席巻しなけりゃ、ロシアの活性化は望めないよね。

異空間

kanban12月23日(土)
(当て字の看板)

「森の歌の会」でいつも使っている店の名前は新宿の「魚三」、以前使っていた店は池袋の「大馬鹿地蔵」、新宿の「いろはにほへと」だった。別に奇をてらったわけでもなく、自然の成り行きだった。ずいぶん通っているのに「魚三」と書いて「トトサン」と読ませるとは最近まで知らなかった。予約の電話で「はい、ととさんです」「間違えました」、かけ直してみて初めて分かったんだっけ。

例によってネットサーチをしていたら、「当て字なお店」探訪というブログ記事を見つけた。<「来夢来人」と書いて「ライムライト」と読ませるお店はたまにある。他にも、ボクラの暮らす街には「当て字なお店」が溢れている。「磨呑汝(まどんな)」。渋谷で見つけたこの店、「汝、酒を呑んで己を磨け」というメッセージかな。「歌楽人(からっと)」。歌って楽しむ人々っていう心かも。お次は中野から、「三夢羅居(さむらい)」。濃い!なんか濃い。意味がまったく想像できないね。浅草からは「亜都梨絵(あとりえ)」、居酒屋だから「梨絵」というママがいたりして。同じく浅草から、「喜夜楽番(きゃらばん)」。

東武東上線の「東武練馬」、「下赤塚」、この二つの駅には不愉快な思いが残っている。っていっても、別に駅が悪いわけではない。戦後直ぐに経験した不愉快な思いがどうしても胸をよぎるからである。当時の食糧不足といったらどうしようもなかった。日曜日になると、大事にしていた着物や宝石類をリュックサックに積込んだ母親と、食料の買出しに出掛けた。その行く先が下赤塚界隈の農家だった。買出しとは格好いい言い方、実は物々交換だった。因業で老獪な農家のオヤジに翻弄され、さんざ値切られて、欲しかった米一粒も手に入らず、サツマイモを泣く泣く背負って帰ってきた。

そんな「下赤塚」駅に、40年ぶりに降り立った。目的とする場所までは徒歩30分、田園風景の中を歩いていると、嫌でも目に付くのが点在する、豪農らしき家。多分、この辺りをリュック背負って、さ迷い歩いたんだ。そんな感懐に浸っていると、突然目に飛び込んできたのが、パブ「来夢来人」という看板、田舎の一軒家だから、黙っていても目についてしまう。鄙にはまるで似合わない、こ洒落た名前だが、寂れた看板がやけにわびしい。薄幸の女性を演じたクレア・ブルームの姿が、もの悲しいメロデイとともに浮かんできた。ああ、やっぱり下赤塚は肌に合わないね。


四文字熟語

karutie12月22日(金)
(銀座の夜景・カルティエ)

住友生命が毎年12月に行っている第17回「創作四文字熟語」が発表され、優秀作10編と入選作40編が決まった。上位10編の中から読者の当初によって受賞作が決定する。掲載された作品を見ると、年々小粒になり、あっと驚くタメゴロウ的な作品にお目にかかれなくなった。辛辣でありながら、笑いの取れるブラックユーモア的作品がん激減したのは残念だ。。膨満感と飽満感の谷間で、生気を失った人たちに、鋭い批評精神を期待するほうが無理なのかもしれない。

盛り込みたい要素が既存の4文字熟語で制約されちゃうのも、そろそろネックになってきているようだ。優秀作10編と入選作40編から10編をご披露しよう。
「虚業無常」(諸行無常)、「結果王来」(結果オーライ)、「全国青覇」(全国制覇)、「住人怒色」(十人十色)、感無景気(神武景気)、再就団塊(最終段階)、「駐意一秒」(注意一秒)、「除冥処分」(除名処分)、銀盤反舞(大盤振舞)、「老若鍛脳」(老弱男女)。

産無人科(産婦人科)、少子恒例(少子高齢)、「逸修科目」(必修科目)、「獅子退陣」(獅子奮迅)、美治麗国(美辞麗句)、新庄望大(針小棒大)、「一期当選」(一騎当千)、「出世海渡」(出世街道)、核禍騒擾(隔靴掻痒)。

春先結果往来で、王ジャパンがWBCで逆転優勝勝利を挙げたものの、王監督は病に倒れ、看板を背負った松阪は大リーグに買われていった。ライブドアーや村上ファンドなどの虚業家たちは、一応表面から消えていったけど、その不正蓄財には法の目も及ばず、徹底究明もなしで、いまものうのうと私生活を満喫している。単なるやっかみから、経済活動の表舞台から、姿を消させただけじゃないか。怒れる獅子が退陣して、「美しい日本」を標榜する首相が誕生したが、その口も乾かぬうちに、「醜い日本」の姿が次々と露見していく。美しいバラにはトゲがたくさんあるんだよねえ。
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