コジゼラ

よもやま話を雑文で

2008年12月

小道具

恵比寿様平成20年12月30日(火)
(恵比寿様・恵比寿駅前)

欧米の映画がめっきりつまらなくなったのにはいくつか理由がある。まず第一に、CGなどの特撮が多くなって、リアリテイに欠けていること。二番目としては、これは主として米画に顕著なことだが、ヒーロー、ヒロインが白黒2本立てであること。この公平さが映画を著しくつまらないものにしている。そして、三番目、これが一番重要なのだが、小道具としてタバコが使えないこと。情景描写や、主役のキャラクターを際だたせるタバコが使えないのは致命的だ。タバコをくわえないデカや悪党が画面に現れると、ウソっぽくて、臨場感が大いに失われてしまう。

フランス映画はタバコを小道具としてよく使っていただけに、印象的なシーンも数多い。「恐怖の報酬」で、いつ爆発するか分からないトラックを運転している恐怖のシーンを、イブ・モンタンがくわえタバコで鮮やかに表現していた。「現ナマに手を出すな」で、ジタンをくわえ、早口にまくしたてるジャン・ギャバンの鮮烈なイメージには参りましたの一言のみ。「死刑台のエレベーター」で、ジャンヌ・モローが不安を隠せないイライラ感を、タバコをやたらと吸うことで巧みに表現していた。びっくりしたのが、「嘆きのテレーズ」での娼婦役シモーヌ・シニョレ、両方の鼻の穴からドバッと煙を吐き出す鮮烈なシーンは未だに頭から離れない。

扁平に巻かれたトルコ・タバコ「ジタン」はあこがれの象徴みたいなタバコだった。洋モクが解禁になって、さっそく吸ってみたが、苦くて、からくて、まずくて、さんざんの目にあった。タバコをくわえながら、しゃべってみたが、これもまた至難の業、ましてや鼻の穴からドバっと煙を吐き出すなんて芸当は、ただただむせかえるだけで、全くの徒労に終わった。あと「刑事コジャック」で、テリー・サバラスがいつもくわえていた細身のシュガー、あれも粋でかっこよかった。

コジャックの後期シリーズでは、細身のシュガーが禁煙防止用の棒付きキャンデーに変わってしまったが、これはちょっと興ざめだった。多分あの頃からだろうなあ、タバコがやたらと目の敵にされだしたのは。案の定コジャックも軟弱化し、いぶし銀のすごさが消えてしまった。飴をしゃぶるデカなんて、あってほしくないもんね。最近ではよくガムをかんでるシーンにお目にかかるが、これも興ざめ、ただ安っぽいだけで、ちっとも趣きを感じないもんなあ。

今年はこれで終わりです。来年は1月4日から事始めするつもりです。それでは、皆様、良いお年を。

鬼が笑う

辰巳平成20年12月28日(日)
(辰巳・国際水泳場)

「来年のことをいうと鬼が笑う」というが、来年9月に5連休があるっての知ってた?
未曾有の金融危機で、その頃の日本はとんでもないことになっているかもしれないし、毎日が日曜日のコチトラにとっては、有り難いというより、むしろ迷惑この上ないわけだが。それにしても9月の5連休なんて、珍しい出来事ではあるね。来年9月は19,20日が土日で、21日は第3月曜日で敬老の日、23日は秋分の日のため、間に挟まれた22日が国民の休日となり、9月で初めての5連休が出現する。そういえば、このことについて、数ケ月前にコジゼラに書いたことを思い出したね。

鬼が笑うといえば、来年は丑年なんだねえ、っていうことは今年は子年だったんだ。なんだ、12年に1回しか回ってこないコチトラの年だった。今頃気付いても「遅かりし由良の助」だが、いいこともなかった割には大過ない1年であった。糖尿病での入院もあったけど、北海道旅行もできたし、孫リコと孫ジュリの順調な成長も目の当たりに出来た。糖尿病についても、前向きのパワーで向き合えば、互角に渡り合える自信がついた。ある先生の言だが、糖尿病克服の相言葉は「素直、前向き、行動」の3原則だという。これはなにも糖尿病対策だけでなく、人生そのものに対する箴言でもあるなあ。

「ありがとう」って言葉、席を譲られたり、いう機会が多くなっているが、もっと自分に素直でありたいと常々思っていることだが、咄嗟に出にくい言葉なんだなあ。「ヤフー知恵袋」で、無駄なありがとうが多すぎるという設問について、議論が沸騰した。そのほとんどが、その質問の持つ非常識さを非難するものだったが、結論として次の答えが一番的を得ていた。そして、回答者(大半が若者たち)が「ありがとう」という言葉の大事さをちゃんと認識しているという事実、これが分かってうれしかったなあ。

<私はありがとうという言霊を信じてる人間です。だから何に対してもありがとうと言うのは素晴らしい事だと思います。そんな私も昔はバスの運転手やレストラン等でありがとうを言ってる人に、なんで?こっちは客じゃん?金払ってるし!くらいに思ってました。今思えば心が貧しかった…ありがとうというと一番幸せになれるのは実は自分なんですよ。私はそれに気づけて本当によかったです。そういう人が一人でも増えたらいいなと思います>

陰謀

日比谷公会堂平成20年12月25日(木)(日比谷公会堂)

2007年3月のダイア改正から、JR東日本では、新幹線や特急の喫煙車両を全廃したが、同様に、JR北海道やJR九州でも、特急の喫煙車両がほぼなくなった。タクシー禁煙が、急速に進み始めている。

2007年5月に、名古屋とその周辺のタクシー8,200台が全面禁煙となった。2007年9月では、タクシー全面禁煙は、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、長野県、山梨県、静岡県、愛知県、岐阜県、岡山県、高知県、大分県などでも実施(予定)している。

いまじゃあ、タバコを吸うとなると、まるで蛇蝎のごとき扱いをされ、喫煙者は人目忍んで吸うなんて状況に追いやられている。晴海トリトンや日比谷公園のように、喫煙者の天国みたいな場所もあるが、そうした場所も数少なくなった。

これって、ある意味で欧米の陰謀って気がしないでもない。あちらでは肉食の影響からか、中年以降の体型が見るも無惨に崩れてしまう。その結果、脳梗塞とか心筋梗塞とか、生命の危険を呼ぶ症例が激増する。それでも肉を食べたいから、体調を崩す一因である喫煙がやり玉に挙がり、集中砲火を浴びちゃったという経緯である。

アメリカ人なんか、タバコはやめたけど、相変わらず硬いジャンボ・ステーキをぱくつき、ビックマックやポテトチップに舌つづみを打っている。続いて、タバコに変わる生け贄に選ばれるのは果たしてなんだろうか、興味はつきない。

更にいわせてもらえば、欧米の人間は肉食派、これは2000年に及ぶ狩猟民族としての遺産、文化遺産とともに長年培われてきたのは肉食の弊害というDNAだった。しかるに、日本は農耕文化の国、ながらく米を主食としてきたから、欧米とは違い肉食の弊害からは隔たったものだった。

それが、戦後欧米文化の流入とともに、肉食文化までも輸入しちまった。折からの世界同時不況、食料自立率がわずか40%という情けない日本、ドンドン増える失業者、かっての満蒙開拓団のように、都会で挫折した若者達を送り込めるシステム作りをし、積極的に農業育成など第1次産業への回帰を目指してもいい頃だ。そして、疲れた合間に青空に向かってプカーリ、プカーリとタバコを楽しもうじゃないか。

物忘れ

辰巳緑道平成20年12月23日(火)
(辰巳緑道公園・冬のさくら並木)

人の名前、商品の名前、映画のタイトル、商品名、会社名、キャラクター名、「固有名詞」は日々、着実に増える。そのくせ、滅多になくなったりはしない。だから必然的に物忘れする度合いも多くなる。どうやら年を取ったことだけが、物忘れの原因ではないのかもね。

<亭主と車中で1993年のヒット曲を聴いていた時のこと、財津和夫の曲が流れた。「♪ほんの小さな出来事に〜」 私「これ、何の主題歌だっけ?」亭主「ひとつ屋根の下だよ」ドラマ名は思い出したけど、肝心の曲のタイトルが出てこない。私「曲名、なんだっけ?」亭主「‥‥ええっと〜‥‥う〜ん、わかった!『ひまわりのタネ』!> 私「‥‥‥‥『サボテンの花』ね」わかった私もすごい>

物忘れ、ど忘れっていうのは若い人にも多いようだが、このようにわずかのヒントで分かっちゃうんだから、まだいいよねえ。コジー世代ともなると、マンネリの極地となる。大抵がテレビを見ながらの会話となるが、ほとんど「誰だっけ、なんだっけ、???」「うーん、!!!」と会話にならない会話となる。まず、出演している俳優、特に助演している俳優の名前が出てこない。知ってはいるんだが、CMに流れる曲名が出てこない。CMに出ているタレントの名前が出てこない。

とりわけ、ジャニーズ事務所に所属する横文字名のグループ名は、分かるのは、SMAP、TOKIO、V6まで、そのグループ名だって即座には出てこない。嵐だとか、NEWS、KAT−TUN、関ジャニ∞、ジャニーズjr、タッキー&翼。こうした連中はほとんどの民放を分捕って、闊歩しているから、年中見せられているから顔は知っているけど、名前はむろんのこと、まして、グループ名なんてとんでもない。そして、一様に同じようなハンサム面しているから、もうお手上げだね。

あと、雨後の竹の子のように出てくるお笑い芸人たち。こいつらも年中テレビに出ているから、そして、ほとんどがひな壇芸人としての扱いだから、顔はなんとか知っている。けど、名前はむろんのこと、グループ名ともなれば、まず出てこないね。だけど、こりゃあしょうがないね。お笑い芸人としての芸をほとんど見ていないから、印象も弱いし、バラ売りもされているから、なおさらインパクトがない。だから、こちらの方はど忘れとか、物忘れ以前の問題だろうね。どうせ、使い捨てされる運命にあるかれら、覚える必要もないんだね。

高みの見物

冬まどか平成20年12月21日(日)
(冬まどか・晴海トリトン)

冬うららの一日、いくら大好きとはいえ、転た寝ばかりしているのにも飽きが来る。快い暖かさに誘われベランダに出て、日光浴を兼ねながら周囲を見回す。そして、道路を隔てた向こう側で、建築中のワンルームマンション工事の仕上がり振りを眺めるのが習慣となった。間口4間、およそ50坪ほどの土地に8階建てを建てる計画のようだ。いまは道路上に据えた長さ30mほどのホイール・クレーンを操って、同じく路上に止めた車輌積載用クレーン付きのトラックに満載した鉄筋を少しずつ現場に移動しているところだ。2日前には、生コン車が待機して、別の特殊大型クレーンが生コンをパイプで吸い上げて、現場の各所に注入していた。

現場は足場が組み立てられ、柱周りには型枠がはめ込まれている。20人近くいる鳶の兄さん達が忙しそうに足場を走り回っている。多分生コンが注入された柱らまわりに、鉄筋を埋め込み、次第に階層を上げていくのだろう。工事が始まって3ケ月は経っただろうか、建物を建てるのがいかに大変か、いかに資材を使うか、いかに多くの工事に携わる要員が必要なのか、いかに天気に左右されるか、こんな小さな工事現場でさえ、そう思い知ったのである。

早朝からとどろき出る騒音が気になって、ベランダから眺めたのが最初だった。既存住宅の撤去、コンクリートパイルの打ち込み、シャベルカーによる土砂の搬出入、トラクターによる地ならし、基礎の鉄筋組み立てと生コンの注入、足場の組み立て、型枠のはめ込み---。基礎工事の段階が一段落し、第2期工事に突入したのが数日前からだった。、

折から未曾有(ミゾウユウじゃないよ)の金融恐慌の嵐、資材はどんどん値上がりするし、ここら辺に建物を建てるのは、中小建設会社に決まっているから調達資金も思うにまかせない、出来上がる頃にはマンション価格も下落しているだろうから、これだけ熱心に建設に従事しても、希望通りの収入を得られないだろう。ただ賃貸住宅らしいのが救いかもしれない。いずれにせよ、早く建てなければ、あっという間に不況の波に飲み込まれそうで、毎日そのでき具合を応援団はハラハラ、ドキドキしながら見守っている。

冬うらら

ビオラ3平成20年12月19日(金)
(ビオラ・ベランダ)

「冬うらら 小春日和に 篝花」、いずれも冬の季語で、篝花はシクラメンの和名だ。冬の晴れた日を冬日和というが、それが寒中ならば寒日和で、「冬麗」「冬麗か」「冬うらら」は、いずれもその冬晴れの日が、春かとまごうように明るく、暖かく、穏やかなさまをいう。そんな冬うららが続いているきょうこの頃だが、ベランダの花たちが一斉に元気づいて、花合戦を繰り広げている。我が家の中心勢力は依然としてゼラチャンだが、半ば古木化したゼラチャンと挿し芽で増やした若いゼラチャンが競い合うように花を咲かせているのが、とても嬉しい。

ゼラチャンの花の色は、シロ、ピンク、オレンジ、レッド3色の計6色だが、親、子、孫が競い合って花を咲かせている。親と来たひにゃ、およそ10年以上の古株達、まるで古木のように木化し、いまにも枯れそうになるが、時期になるとしっかりと花をつけるんだから見上げたもんだ。茎挿しで増やした子孫達も順調に育っているのは楽しいね。なにせ、このベランダは日当たり抜群だから、大して手をかけなくても植物は順調に育つのだ。

今年はこれに加えて、昨年苗を購入して、開花後剪定しただけで、ほったらかしておいた、ミニシクラメンとマーガレットが、秋頃から勢いを吹き返し、溢れんばかりの葉を広げてきた。もしかしてと見守っていたところ、晩秋の頃から蕾が次々と顔を出し、いまや満開の勢い。おどろき桃の木山椒の木といったところだが、そうなると、水遣りに精を出すやら、枯れ葉や咲き終わった花殻をまめに取り除いたりしているんだから、さまあないねえ。

あとは5種類のビオラ15株、これは1年草だから、毎年様変わりするが、今年一番元気なのがシロとキイロのビオラである。枯れた花を摘んでいるとよく分かるのだが、茎が太く手応えがある。咲く花も大柄の見事なもので、ビバの園芸店で買ってきた苗とは雲泥の差がある。なぜか?

実は日比谷公園で毎年開かれているグリーンテックでは、開催終了日に周囲を飾っていたビオラを4株200円で売り出す。たまたまその場に居合わせ、運良くそれを買うことが出来た。公園を飾る花だから、苗そのものがよく選定されていて、量感もあり、いわゆる高級品なのだ。植え替え当初は元気がなかったが、十分手入れしたら、俄然やる気を出してきて、見事再生に成功しちまった。自分で買ってきた苗がくすんでしまって、貧弱に見える。安物買いのゼニうしないとはこのことか。

オバカさん

築地塀平成20年12月17日(水)
(なまこ塀・木場公園)

「馬鹿」、さすがの文盲首相でも、このくらいは読めるだろうが、その語源はどうか。諸説ある中で、「鹿を指して馬と為す」の故事が有名だ。鹿を見て「馬」という権力者を恐れ、家来は「馬です」と同調、「鹿」と答えた者は権力者に殺されたという。古来、馬鹿とは、権勢をカサに着て矛盾を押し通す権力者を意味した。今のこの国のトップにこそ、最もふさわしい言葉ではないか。

9日の記者団のやりとりもひどかった。「自民党内で公然と総理の政権運営を批判する声が出ているが、どう受け止めますか」「そら、総理に対する質問?総裁に対する質問?」「--------」「そういうの、ちゃんとサッと答えきるようにしとかなきゃダメよ。総理に対する質問なんでしょう、いまの場合は」。自分の発言が朝令暮改の連続なのを棚に上げてこの態度。言わんとすることはサッパリ分からないが、偉そうに振る舞いたいことだけは、ヒシヒシと伝わってくる。阿呆太郎、ホント、バカだなあ。

テレビに麻生首相の顔が映ると、小学生のムスコまでもが「あの人バカでしょう」という。「ASO=(KY)3」は巷で流行っている言葉で、その心は空気が読めない、漢字が読めない、解散がやれないだそうだ。中高生を対象にした「オモシロ若者語大賞」、6万件以上の投書から選ばれたのが最優秀作品10語だ。どれもが中高生が日常生活で使っている言葉だとか。その中の一つ「チェンそー」は総理大臣が代わること、「CHANGE総理」の略称だそうだ。若い人も微妙に政局に反応しているんだなあ。「アベる」「フクダる」というのもあったそうだ。答えは「イヤになったら辞める」だそうだ。

出す曲、出す曲がヒット曲、という人気絶頂のオバカ3人組ユニット「羞恥心」、念願の紅白出場も果たし、来年早々にも解散するという。これには軍師、島田紳助の深謀遠慮な考え方がある。ほんとのオバカサンでない無名だった3人をバカを装わせ育て上げたのは伸助、曲の詩を自ら書き、プロデュースし、自らの番組で大いに売り込んだ。人気度が上がるにつれ幾つかか問題が出てきた。

この即製ユニットは所属する事務所も異なっていて、無名だったから事務所の方も許してきたわけだ、有名になると、本人も事務所も色気が出てくるよね。頭脳明晰な伸助、そんなのはなから勘定に入っていた。だから矢継ぎ早に曲をヒットさせ、印税収入をたっぷり見込んでから、撤退作戦に出たのである。見事なもんである。

二日酔い

イチョウ平成20年12月14日(日)
(満開のイチョウ・木場公園)

11日、恒例の「森の歌の会」があった。例年に比べて欠席者が多かったせいで、出席者13名、いつも別室を用意してもらっていたのが、一般室へと変更されてしまった。
年々、出席者が少なくなっていくのは寂しい限りだが、集まってしまえば、そんなのお構いなしに大いに盛り上がった。次回からは開始時間を大幅に繰り上げ、午後1時とする、二次会でカラオケをやろうということになった。また、先輩達の集まり「屋根裏会」からも各自に出席の要請があった。

終わってみれば、グデングデンに酔っぱらっていたのが二人ほどいた。そのうちの一人は歩くのも大儀そう。にょうぼが常磐線に乗るまで見送ろうということになって、早稲田駅から日本橋経由で上野まで、JR上野駅から取手行きに乗るところまで見届けた。家に着いたのが11時過ぎ、無事についたかどうか心配したにょうぼが、ケイタイと自宅に電話を入れたが梨のつぶて。朝8時頃けろっとした声で無事を知らせてきた。おそらく、この酔っぱらい、酔うのも早いが醒めるのも早いんだなって、宇宙人のように思えたもんだった。

っていうのも、コチトラ、久し振りの酒宴であったが、昨晩は生ビール5杯も飲んだのに、その場ではケロッとしていた。要するにいくら飲んでも酒に飲まれないたちなんである。ところが、それはちっとも威張れないときたもんだ。翌日になると、まさに二日酔いに悩まされ、一日中ぼーっとしたまんまだからだ。酒に飲まれるけど、すぐ発散できる体質と、酒に飲まれないが翌日二日酔いになる体質。どっちがいいかはともかくとして、自分の能力を過信して、過剰に飲むことがいいことではないのは確かなことだ。

しかし、にょうぼが決然とした顔で、上野駅まで送りますと言い放った姿には感動したね。コチトラも早く帰って寝たい気持ちになっていたが、シャキっとさせられた。真剣に友人を心配する気持ちが溢れていて、それは見事なものだった。わが妻ながらアッパレというべきで、その一方ではこんなに親身に介抱されるやつがれに、ちょっと焼き餅を焼いてしまったよ。それは冗談として、幾つになっても友情っていいもんだなあって痛感したね。

帰路、有楽町線は満席の状態、すると若いサラリーマンがこちらへどうぞって席を譲ってくれた。感激のあまり、降りるときには大声で「どうもありがとう」って声を掛ける決意を固めていたが、残念ながら、途中で降りてしまった。そのことをにょうぼに話したら、「わたしもそのつもりだった」。なんかほのぼのした気分で家にたどり着いたよ。

創作四文字熟語

落ち葉平成20年12月12日(金)
(落ち葉)

ほぼ健診だけで雇ってくれた良き時代が「無病即採(そくさい)」なら、今の雇用不安は「家内暗然」だろうか。漢字四つで表す世相。以下、住友生命が募った「創作四字熟語」でこの年を振り返る。借金で消費を重ねたツケだろう。背伸びした米国の住宅ローンは「脆宅惨米(ぜいたくざんまい)」に終わり、リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)の「兄弟減価」で危機に火がついた。それより前で幸いだったのが、縦横無尽に働くべき日銀総裁がいない「中央無人」の20日間。危機こそ出番の政界なのに、失言を残して閣僚らが退く「舌退(ぜったい)多数」がなお続く。

医療や年金の不安から、不老長寿の夢は「苦労長寿」に転じ、医師不足の「窮々(きゅうきゅう)病院」に妊婦の顔も曇る。学校では無理難題を吹っかけるモンスターペアレントが「猪突猛親(ちょとつもうしん)」した。食は今年も傷だらけ。小麦の高騰でパンもうどんも値上げの「粉群憤騰(こぐんふんとう)」、消費者担当相が孤軍奮闘しようにも、中国のウナギを愛知県産と偽る「鰻身(まんしん)相違」が足を引っ張る。

本番前に「聖火乱難(らんなん)」が五大陸を駆け抜けた北京五輪。ソフトボールは上野投手が金の夢をつないだ413球の「好投夢繋(むけい)」、競泳は北島選手がひと掻(か)きごとに連覇に近づく「一掻占金(いっかくせんきん)」にわいた。片やマラソンの高橋尚子さんは現役を引退、惜しまれつつの「活動Q止」に。

学生が大麻に手を出し、大学当局が頭を下げた「汚薬御免(おやくごめん)」もつらい。政治も経済も社会も、国ごと崖(がけ)の上にあるような日本だが、ひとり元気なのがアニメ文化。耳を澄ませば〈ポーニョポーニョポニョ〉と「四面魚歌(ぎょか)」の08年でした。

以上毎年恒例の、朝日新聞天声人語が「創作四文字熟語」を使った世相診断である。例年思うのだが、短い字数に四文字熟語をはめ込み、巧みに言いたいことを表現するテクノクラートぶりには、都度感心させられる。

今年19回目を数え、住友生命が主催する「創作四字熟語」には、政治、経済、社会など様々なジャンルをテーマに全国から9041作品が寄せられ、優秀作品10編と入選作品40編が発表されている。なお、審査員は歌人の俵万智さんが務めた。

命名権

ビオラ平成20年12月10日(水)
(ビオラ)

今年の赤ちゃん命名で最も多かったのは、女の子が「葵」、男の子は3年連続で「大翔(ひろと)」だったことが調査で分かった。昨年、女の子で147位だった「あおい」も78位に上昇しており、NHK大河ドラマに主演中の宮崎あおい人気が大きく影響したようだ。今年1月1日から11月13日の間に生まれた赤ちゃん約3万8000人を対象に、名前や読み方、漢字などを調べた。

女の子の2位は「結衣」で、昨年まで3年連続1位だった「陽菜(ひな)」が3位だった。15位内では、使われた漢字は「美」がトップで、美の付く名前も4つがランクイン。読みは2年連続トップの「ゆい」など2音の名前が8つを占めた。男の子は「蓮」が2位で、「悠斗」が3位。プロ総合格闘家へ転向を表明した北京五輪金メダリスト石井慧選手の「慧」や、テニス界の新星錦織圭選手の「圭」の人気が上昇した。

赤ちゃんの名前が近年、難しい漢字を使ったものや、難しい読み方をする漢字を使ったものが流行っているようだ。太郎、次郎、花子などの優しくて分かりやすい名前なんか見向きもされない時代である。こうした難しい名前をつけられた子が長ずるに従い、当用漢字でさえも読めなくなるなんて皮肉なことも起きそうだ。バカが持てはやされ、なにせ麻生首相自らが、それを実践しているんだから、なにをかいわんやである。

このような傾向は、一つには漢字に対して比較的関心がなかった世代だから、起きた反作用だろうか。それとも、女性誌などが特集などで若い両親を刺激して、そういう風潮を作ってしまったのかもね。なにせ、この世代、「赤信号みんなで渡れば恐くない」方式の、人のやっていることと同じことをしないと不安になるという連中だからね。立派な名前をもらいすぎて、あとで当の子供が大迷惑するだろうって発想なんてまったくないんだろうね。ファッションなんだからと、難しい名前を気楽につけてしまう風潮はどういうもんだろうか。

最近子供に対する犯罪が激増しているが、被害者となった子供の名前が今風だったりすると、たとえば、千葉県東金市で起きた事件の被害者が雪満(ゆきまろ)という名前で、しかも女の子の名前だったというのも記憶に新しいが、なまじ変わった名前だったが故に、より一層悲惨さが増幅して感じられる。迷宮入りしている大阪・小4、吉川友梨(ゆり)ちゃん、今市の小1、吉田有希(ゆき)ちゃんも、ともに優雅な名前だけに、痛ましさがより一層つのるのである。
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