銀座交番5月31日(木)
(銀座4丁目交番・安全ガエル)

コチトラにとっては鬼門だった「卯月5月」がようやく終わる。卯月は卯の花が咲くころという意味合いでつけられたものだが、卯の花って月の名前を代表するような目立つ花でもない。この時期、牡丹や菖蒲、藤が代表的な花であって、華麗そのものである。それに引き替え、卯の花といわれた「ウツギ」は種類こそ多いけれど、きわめて地味な小花である。「もののあわれ」という平安時代の思潮が生んだあだ花なのかもしれない。「如月」、「弥生」、「皐月」と印象的な月名のあとだけに、尚更インパクトに欠けるのも致しないか。

5月の長雨を「卯の花腐し」(うのはなくだし)という、ちょっとしゃれた言い回しがある。文字通り「ウツギ」が枯れ始めるころ、梅雨の時期のような雨が始まるという意味だ。同じように、3月に降る梅雨のような雨を、「菜種梅雨」、4月は「筍梅雨」という。菜種梅雨、筍梅雨なんて、それまでは「梅雨」と言う言葉を使っていたのに、ここでは「くだし」を使っているところが、風流で、季節感もある。なんとなく綺麗さもあり、日本語が持つ独特の柔らかい和むな雰囲気がある。

今年の梅雨は気まぐれで、とち狂ったアプレガールの厚化粧って趣がする。梅雨前線が上空の高気圧や低気圧の変化によって、猫の目のように変化する。「雨がシトシト日曜日」ってな具合にはいかず、断続的に降ったり止んだりとダラダラ続く。むろん地球温暖化の影響だろうが、いやな時期とはいえ、日本人にとって、四季の折り目として大切な季節感が、膨満感に変わりそうだ。ついでながら、沖縄では梅雨をスーマンボウスウ(小満芒種)という。二十四節気の小満から芒種頃にあたるところからこう呼ばれる。

銀座4丁目交差点を挟んで和光、三越を見据えているのが銀座4丁目交番(旧銀座尾張町交番)だ。ちょびっと違和感があるけれど、その屋根には2匹の「安全カエル」がちょこんと座っている。14年前、交通安全週間の一環として作られたもので、「無事故で家に帰れるように」との願いが込められている。最近では銀座の目抜き通りに、次々と進出してくる外国金満企業に「あきれ蛙」っているという。