ビオラ12月17日(月)
(ビオラ・ベランダ)

川村女子大の教授が女子大生約800人を対象にした「食」に関する調査結果を発表した。アンケートには身近な食品の原料を選択肢の中から答えてもらう質問が15問ある。味噌、醤油、豆腐は90%以上が正解だったが、酢は46%、味醂は60%が不正解、黄な粉は5、3%、干瓢は19%しか正解がなかった。そのほかの設問には、蒟蒻、麩、片栗粉、バター、チーズなどが含まれていた。むろん設問の食品名はカタカナで書かれていたそうだ。

いつもなら、この結果を見て、近頃の女子大生はどうしようもないなあって慨嘆するところだけど、慨嘆する前に自らを振り返ってみたら、果たして全問正解できるかどうか自信がない。とりわけ、麩はなんだか分かんないし、味醂、酢もイマイチ不得要領のところがある。チーズだって厳密にいえば分かってないし、けっこう難しいんだなあ。

そこで、この際だからチョット調べてみることにした。知ってたこともついでに書き足しておく。コンニャクはサトイモ科のコンニャク芋、カンピョウはユウガオの皮、フは小麦粉の皮のくず、つまりフスマ、バターは牛乳の脂肪を集めて固めたもの、チーズは牛乳などの乳汁の蛋白質を酵素で凝固させ塩などを混ぜ熟成したものだ。カタクリ粉は本来はカタクリの根を乾燥し細かくしたものだったが、いまではほとんどがジャガイモ、ミリンは焼酎、米、麹を混ぜて発酵させたもの、スは清酒を原料とした酒酢、酒、酒粕、米の麹を調合した米酢、合成酢などがある。

母親や祖母から見様見真似で料理のコツを覚えてきた日本の食生活が、すっかり合理化したっていえば聞こえがいい。だけど、家で料理をする機会などほとんどなくなってしまった女の子たちだから、やむを得ないところもある。しかし、日曜昼に放映される「やってとうらい」を見ていると、料理の基本のきも分からない女性が多いのには驚くね。まず魚の種類がまるで分からない上に、味付け、調理法なんかムチャクチャだもんねえ。そしてもっとびっくりするのは、どの子も変に自信満々なのがおっそろしい。親の顔を見てみたいもんだなんて思っていたら、ときどき、ひどい調理をした娘の親を訪ねたりして、ほんとうに親の顔を見ちゃったりするのも皮肉だねえ。