ダイヤモンド富士1月16日(水)
(ダイヤモンド富士・共同通信より)

就職試験では必須問題だった時事用語に、「3公社5現業」という言葉があった。いまでは公社はすべて民営化されてしまって、この言葉は死語となってしまったようだ。3公社とは電信電話公社、専売公社、日本国有鉄道、5現業は造幣局・印刷局・郵便局・林野庁・アルコール専売だった。電信電話公社はNTT、専売公社はJT、日本国有鉄道はJR、5現業はそれぞれ独立行政法人に移管している。公社、現業とは公共企業体及び国の経営する企業の総称だった。
三公社は事業が全て特殊会社に移り、国の経営する企業(五現業)は国有林野事業を除き独立行政法人及び日本郵政公社に移管された。特定独立行政法人である国立印刷局及び造幣局、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)並びに国有林野事業を行う国の経営する企業(林野庁)である。ただし、アルコールに関しては専売が廃止され許可制になったため、アルコール事業はすべて新設の特殊企業、日本アルコール産業株式会社に移管された。

国鉄民営化が大騒動になったとき、大勢は国の赤字事業の切り捨てと話題になっていたが、いまになって分かるのは、それはペテンみたいなものだった。国鉄が全国に所有する一等地まで、JRがタダで持っていけるなんて、ダレも考えつかなかった。いまや、JRはその一等地の付加価値を最大限に生かして、不動さんがらみで巨大化する一方で、赤字路線の切り捨てを強行している。まさに「羊の皮をかむった狼」みたいな存在となりつつある。エキナカ、スイカなどの新語を生み出したように、他の公共事業継承会社と違うのは、経営改善に全力で取り組んだ結果と思えるね。

JRに匹敵する資産を保有するのが、昨年民営化された日本郵政公社だろう。巨大な預貯金を保有しているのもすごいが、その所有する資産たるや、とんでもない数字になる。JRと同じように、日本全国津々裏に資産を保有し、その形態はさながら疑似独立国のようだ。この妖怪みたいな巨大組織を野に放つことを国民に問うた小泉首相の郵政民営化って、一体何だったんだろうか。

派閥の谷間で呻吟していた三流代議士の怨念みたいだった誇大妄想が、政局のもつれから自民党の党是に格上げされ、挙句の果てには、郵政改革の是非を問う衆院選で、なにも知らない国民の圧倒的支持を得てしまったんだから、なにをかいわんやだ。国民を小馬鹿にした改革の矛盾さにアタフタさせられている福田政権はいつまで保つんだろう。