年齢に対する考え方の違い


韓国と日本では歳の数え方が違います。日本では生まれたばかりの赤ん坊は0歳ですが、韓国ではこれを1歳と数えます。また、日本では誕生日を迎えるとひとつ歳をとりますが、韓国では1月1日を迎えるとひとつ歳をとります。なので、韓国人が「20歳です」という場合には、日本の18歳である可能性も19歳である可能性もあるんです。

このように「数え年」で年齢を数える韓国では、対人関係の上で“年齢”が重要な意味を持ちます。親しい関係でも年齢がひとつ違うだけで、言葉遣いや、名前の呼び方がガラリと変わってくるからです。もちろん、日本にも先輩後輩の関係で言葉遣いを変えたりしますが、儒教精神が根強い韓国ではそれがより強く、そのため相手の年齢を知るために初対面でも「おいくつですか?」とストレートにたずねたりします。

キムさんは(仮名・韓国人女性)は、日本人とペンパル(文通友達)をしていたそうですが、あることがきっかけで相手から返事が来なくなってしまったと言います。

「親しく文通をしていた日本人がいたんですが、ある時、私が年齢を聞いたらその次から連絡が来なくなってしまいました。韓国ではどうってことのない日常的な質問なんですが…。日本人は怒ると後ろを振り返らないと言いますが、本当にそうですね。ちょっと驚いています」。

キラさん(仮名・韓国人女性)は、韓国人が年齢をたずねる理由について次のように説明します。

「日本では相手に年齢をたずねません。初対面の場合は特にそうでしょう。日本では(ほかの外国もそうかもしれませんが)年齢や結婚しているかどうかといったことは個人情報にあたるため、初対面の人にたずねることはとても失礼なことです。

でも、韓国では初対面の時にまず年齢や職業など、その人に対する細かい情報をたずねます。ただ、それは親近感の意思表示だと考えられています。

韓国人が年齢にこだわるのは、名前の呼び方とも関係があると思っています。韓国では親しくなると、名前の後にお姉さん(ヌナ:男性が年上女性を呼ぶ/オンニ:女性が年上女性を呼ぶ)または、お兄さん(ヒョン:男性が年上男性を呼ぶ/オッパ:女性が年上男性を呼ぶ)という表現を付け、「~お姉さん」「~お兄さん」と呼びます。「~氏」という呼び方もありますが、いつまでも~氏を使うのは距離感を感じてしまうので、「~お姉さん」「~お兄さん」と呼ぼうとします。そうすると、相手の年齢を知る必要があるので、自然と初対面でも年齢をたずねることになります。

でも日本は「お姉さん」や「お兄さん」といった表現は、自分の家族にしか使わないようですね。よく韓国では日本人とは心を開いて親しくなるには時間がかかると言いますが、こういった名前の呼び方も関係しているのだと思います」。


日本と韓国では、年齢に対してこのような考え方の違いがあるようです。もし、韓国人に初対面で「おいくつですか?」とたずねられても、驚いたり気を悪くする必要はありません。それはもっと親しくなりたいという意思表示なのかもしれないのですから。

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