2017年05月23日

アニメ「銀河英雄伝説」名言集 その3(2期)


名言集・自由惑星同盟編

ビュコック
「同盟は独裁国となって存続するより、民主国家として滅びるべきだろう。ワシはかなり過激なことを言っておるようだな。だが実際、建国の理念と市民の生命とが守られないなら、国家が存続すべき理由などありはせんのだよ」(第45話)

ヤン
「私にとって政治権力というやつは下水処理場のようなものさ。無ければ困るが、自分から近付きたいとは思わないね」(第46話)

シェーンコップ
民衆の大多数が、民主主義ではなく独裁を望んだとしたら、そのパラドックスをどう整合させるのか、というやつですがね
ヤン
「その疑問には誰も答えられないだろうね」(第46話)

ヤン
「いいかいユリアン、テロリズムと神秘主義が歴史を建設的な方向に動かしたことはないんだ」(第47話)
私見:専制国家ではテロにも意味はある。それは抵抗権と呼ばれるものだ。日本の例:桜田門外の変

ヤン
私は最悪の民主政治でも最良の専制政治に優ると思っている」(第51話)

ビュコック
専制政治が倒れるのは君主と重臣の罪だが、民主政治が崩壊するのは全ての市民の責任ですからな」(第53話)

ユリアン
「もしそんなことをしたら悪い前例が残ります。軍司令官が自分自身の判断を拠り所にして政府の命令を無視することが許されるなら、民主政治は最も重要なことを、国民の代表が軍事力をコントロールするという機能を果たせなくなります。ヤン提督にそんな前例が作れると思いますか」
シェーンコップ
「それでは聞くがなあ、もし政府が無抵抗の民衆を虐殺するように命令したら、軍人はそれに従わねばならんと思うのかね?」
ユリアン
「そんなことは無論許されません。そんな非人道的な、軍人という以前に人間としての尊厳を問われるような時には、まず人間であらねばならないと思います。その時は政府の命令であっても背かなくてはならないでしょう。でもだからこそ、それ以外の場合には、民主国家の軍人として行動しなくてはならない時には、政府の命令には従うべきだと思います。でなければ、たとえ人道のために立ったとしても恣意によるものだと謗られるでしょう」
(中略)
シェーンコップ
「政府がそれに応じてヤン提督に死を命じたら、その時はどうする。唯々諾々としてそれに従うのかね」(第53話)
私見:楠木正成公の精神。また、非人道的な命令に関しては、立憲主義及び法の支配から考えればよい。ヤン提督に死ねと命ずる場合も、法の支配と人権から、拒否して良い。軍人といえども、正義の大前提・大原則に反する命令に従う義務はない。




名言集・銀河帝国編

ロイエンタール
「こういう諺がある。野に獣がいなくなれば猟犬は無用になる。だから猟犬は獣を狩り尽くすのを避ける」(第46話)
私見:戦争屋に必要なのは勝利ではなく敵である。しかし民衆にとっても、全人類が統一されることは望ましくない。なぜならそれは永遠の内戦か、さもなくば重度の独裁によってしかなされないからだ。それよりも多様なものの共存こそが望ましい平和のはずだ。

ナレーション
「残酷さが彼らの戦う目的ではなかった。だが、正義と信念こそがこの世で最も流血を好むものである。最高指導者が呼号する正義を実現させるため、無数の兵士が生きながら焼かれ、足や腕をなくさねばならないのだ。だが、権力者たちが戦場から遠い安全な場所にいるかぎり、正義と信念は生命より遥かに貴重だと主張し続けるに違いない。もしラインハルト・フォン・ローエングラムが彼ら凡庸で卑劣な権力者たちと一線を画し得るとすれば、彼が常に自ら陣頭に立つことにあったろう」(第51話)
私見:前半は正しい。しかし、権力者が全員戦場に立ったら、政治は誰が行うのか。シビリアン・コントロールはどうなるのか? それに民主国家の政治家は国民に選ばれているに過ぎない。戦争において熱狂するのは、常に政治家よりもむしろ国民ではなかったか。
歴史上、どの国家でも皇族や貴族は常に陣頭に立ってきた。もしそうでなければ、武人が政治権力を握るようになるだけである。政治家が安全なところにいるのは、むしろ民主国家において顕著ではないか。

マリーンドルフ
「一億人が一世紀かけて築き上げたものを、たった一人が一日で壊してしまうことが出来るのですわ」
ミッターマイヤー
「国が滅びるときとは、こういうものですかな」(第53話)

ラインハルト
「どうだ、私に仕えないか。卿は元帥号を授与されたそうだが、私も卿に報いるに帝国元帥の称号を以ってしよう。今日ではこちらのほうがより実質的なものであるはずだが」
ヤン
「身に余る光栄ですが、辞退させていただきます」
ラインハルト
「何故だ?」
ヤン
「私は恐らく、閣下のお役には立てないと思いますので」
ラインハルト
「謙遜か、それとも私は主君としての魅力に欠けると言いたいのか?」
ヤン
「そんなことはありません。私が帝国に生を受けていれば、閣下のお誘いを受けずとも、進んで閣下の麾下に馳せ参じていたことでしょう。ですが私は、帝国人とは違う水を飲んで育ちました。飲み慣れぬ水を飲むと身体を壊す恐れがあると聞きます」
ラインハルト
「その水が、必ずしも卿に合っているとは思えぬ。武勲の巨大さに比べ、報われぬこと、掣肘を受けることが余りに多くはないか」
ヤン
「私自身は、十分に報われていると思っております。それに、この水の味が私は好きなのです」
ラインハルト
「卿の忠誠心は民主主義の上にのみあると、そういうことなのだな」
ヤン
「はあ、まあ」
ラインハルト
「民主主義とは、それほど良いものかな。銀河連邦の民主共和制は、行き着くところルドルフによる銀河帝国を生み出す苗床となったではないか。それに卿の愛してやまぬことと思うが、祖国を私の手に売り渡したのは、同盟の国民多数が自らの意志によって選んだ元首自身だ。民主共和制とは人民が自由意志によって、自分たちの制度と精神を貶める政体のことか
ヤン
「失礼ですが、閣下のおっしゃりようは、火事の原因になるからという理由で、火そのものを否定なさるもののように思われます」
ラインハルト
「ふうん、そうかも知れぬが、では専制政治も同じ事ではないのか。時に暴君が出現するからといって、強力な指導性を持った政治の功を否定することはできまい」
ヤン
「私は、否定できます」
ラインハルト
「どのようにだ?」
ヤン
人民を害する権利は、人民自身にしかないからです。言い換えますと、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムや、またそれより遙かに小物ながら、ヨブ・トリューニヒトなどを政権に就けたのは、確かに人民自身です、他人を責めようがありません。まさに肝心なのはその点であって、専制政治の罪とは、人民が政治の失敗を他人のせいにできる、という点に尽きるのです。その罪の大きさに比べれば、百人の名君の善政の功も小さなものです。まして閣下、あなたのように聡明な君主の出現が極めて稀なものであることを思えば、功罪は明らかなように思えるのですが」
ラインハルト
「卿の主張は大胆でもあり斬新でもあるが、極端な気もするな。私としては、にわかに首肯はしかねるが、それによって卿は私を説得することを試みているわけなのか?」
ヤン
「そうではないのです。私は、あなたの主張に対してアンチテーゼを提出しているにすぎません。一つの正義に対して、逆の方向に同じだけの質と量を持った正義が必ず存在するのではないかと、私は思っていますので、それを申し上げてみただけのことです」
ラインハルト
正義は絶対でなく、一つでさえないと言うのだな。それが卿の信念というわけか?」
ヤン
「いやぁ、私がそう思っているだけで、信念と言うほどのことではありません。あるいは宇宙には、唯一無二の真理が存在し、それを解明する方程式があるかも知れないとも思いますが、ただ、それに届くほど私の手は長くないのです」
ラインハルト
「だとしたら、私の手は卿よりもさらに短い。私は真理など必要としなかった。自分の望むところのものを自由にするだけの力が必要だった。逆に言えば、嫌いな奴の命令を聞かずに済むだけの力がな。卿はそう思ったことはないか? 嫌いな奴はいないのか?」
ヤン
「私が嫌いなのは、自分だけ安全な所に隠れて戦争を賛美し、愛国心を強調し、他人を戦場に駆り立てて後方で安楽な生活を送るような輩です。こういう連中と同じ旗の下にいるのは、耐え難い苦痛です。あなたは違う。常に陣頭に立っておいでです。失礼な申し上げようながら感嘆を禁じ得ません」
ラインハルト
「なるほど、その点だけは私を認めてくれるのだな。素直に喜んでおこう。
 私には友人がいた。その友人と二人で宇宙を手に入れることを誓約し合ったとき、同時にこうも誓ったものだ。卑劣な大貴族どもの真似はすまい、必ず陣頭に立って戦い勝利を得ようと。私はその友人のためにいつでも犠牲になるつもりだった。だが、実際には犠牲になったのはいつも彼のほうだった。私はそれに甘えて、甘え切って、遂には彼の命まで私のために失わせてしまった。その友人が今生きていたら、私は生きた卿ではなく卿の死体と対面していたはずだ。
 卿らの首都を占領している我が軍の指揮官から、先刻報告が届いた。卿の上官にあたる宇宙艦隊司令長官が申し出てきたそうだ、軍部の責任は全て自分がとるゆえ、他の者の罪は問わないで欲しいと」
ヤン
「ビュコック司令長官らしいおっしゃりようです。ですが、そのような申し出は退けてくださるよう、閣下にお願いします。長官一人に責任をとらせるのでは、私たちに甲斐性がなさすぎるというものです」
ラインハルト
「ヤン提督、私は復讐者ではない。帝国の大貴族どもにとってはそうであったが、卿らに対しては、あくまで互角の敵手であったと思っている。軍部の最高責任者たる統合作戦本部長を収監するのはやむを得ないが、戦火が収まって後、なお無用な血を流すのは私の好むところではない」(第54話)
私見:まず、ヤン提督は文天祥を彷彿させる。
次に、民主主義の最も重大な問題は、民主主義自体が専制へ進んだ場合に、それを否定できるのかという点にある(ルドルフやラインハルトのモデルは、ヒトラー、ナポレオン、カエサルだろう。日本では、個人ではないが青年将校)。
そして、絶対権力は絶対に腐敗するから、ラインハルトの帝国も最後には崩壊せざるを得ないだろう。仮に一時の専制が許されるとしても、それはすぐに民主制へ移行しなければならない(立憲君主制にすればよい)。
ラインハルトとヤンの対面は、水師営の会見を彷彿させる。ラインハルトは東京裁判を再現するような愚者ではない。
陛下、あなたが民主憲法を制定なさるなら、喜んで忠誠をお誓い致しましょう。ジーク・カイザー!


  にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ

このエントリーをはてなブックマークに追加