1:2012/08/02(木) 00:36:47.27 ID:
P「ふう、戻ったぞー……って、なんだこの鳥カゴ。響、また新しい家族か?」

響「違うぞ。それは雪歩が連れてきた九官鳥だぞ」

P「雪歩が?」

雪歩「そうですぅ。この子はとっても可愛そうな鳥さんで、できたらここで飼いたいんですけど……ダメですか?」

P「ここで、か? まあ、小鳥なら既に一羽いるし、それが二羽になってもあんまり変わらないけど」

小鳥「ピヨッ!? プロデューサーさん、ひどいですピヨ」

P「ははは、冗談ですよ。まあ、社長がいいと言ってくれたらいいよ、雪歩」

やよい「うわー! じゃあみんなでかわいがりましょうねー! よーしよし」ナデナデ

亜美「かわいいね→!」

雪歩「ありがとうございます。響ちゃん、私動物を飼うのは初めてなんだけど、色々と教えてもらえる?」

響「まかせろ! それに雪歩は優しいからな、ペットを飼ったりするのに向いてるぞ」

あずさ「そうね~私も犬を飼っているけど、やっぱり大事なのは愛情ですものね~」

雪歩「そうかなぁ。でも、私がんばってみるよ」

我那覇響


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2:2012/08/02(木) 00:41:56.69 ID:
響「それにしても九官鳥なんて、最近は珍しいぞ」

雪歩「うん。その子はお父さんとお母さんがチャンピオンで、もし市場に出たら最低でも40~50万円はするそうなんですぅ」

亜美「えっ!」

やよい「よしよー……ええっ!」ビクーン

P「チャンピオン?」

雪歩「なんでも、人の話し声とかを覚えるのがとっても上手だ、って聞きました」

響「自分、オウムのオウ助を飼ってるけど、九官鳥はオウムよりも言葉を覚えて喋るのが上手らしいからな」

P「へえ。じゃあこの九官鳥はサラブレッドってわけだ」

響「違うぞ!」

P「え?」

響「サラブレッドは馬だぞ、プロデューサー」

P「いや、まあ……いいや。それで名前は? 雪歩」

雪歩「Qちゃんですぅ」

P「九官鳥のQちゃん、か。ありきたりだけど、覚えやすくていいな」


3:2012/08/02(木) 00:47:49.93 ID:
響「だけど雪歩、亜美には気をつけた方がいいぞ」

亜美「ぶー! なんでだよ、ひびきん!?」

響「この間、オウ助を事務所に連れてきた時、大変だったじゃないかー」


響の回想『魔界転生編』

響「オウ助、帰ったぞー!」

オウ助「フ」

響「オウ助?」

オウ助「フフフフフ!」

響「お、オウ助?」

オウム「ハハハハハハハ、ヨウヤクコノカラダニモ、ナジンデキタゾ!」

響「…………亜美ー! また自分に内緒でオウ助に変な言葉、教えたなーーー!!!」


4:2012/08/02(木) 00:52:52.03 ID:
亜美「あはは、あったねそんなこと。ねえねえゆきぴょん、Qちゃんはオウ助みたいになにかしゃべれんの?」

雪歩「私はまだ喋っている所、見た事ないんですぅ」

亜美「どれどれ……こんにちは」

Q「……」

亜美「こんにちは!」

Q「……」

亜美「こ→ん→に→ち→は→!!!」

Q「……」

亜美「はあ、ダメだよゆきぴょん。親は二人ともチャンピオンだっていうけど、この子は才能ないみたい」

響「だめだぞ、そんなこと言っちゃあ。可愛そうだぞ」

あずさ「そうよ~。それにこういうのは、ゆっくりしっかり聞かせれば覚えてくれるものよ~」

亜美「じゃああずさお姉ちゃん、やってみてよ→」

あずさ「いいわよ~。それじゃあ……むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました……」

P「ちょ、ちょっとあずささん? なんですかそれ?」

あずさ「前にテレビで、昔話をしゃべる九官鳥というのをみたんですよ~」

P「いやちょっと初心者……いや、初心鳥にはハードル高いんじゃ」

亜美「まあまあ兄ちゃん、ものはためしだよ」


5:2012/08/02(木) 01:13:46.48 ID:
あずさ「むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました……」


5分後


あずさ「……でした。おしまい」

亜美「さあ、どうかなQちゃん?」

Q「……むかしむかし?」

亜美「えっ!?」

響「しゃべったぞ!」

雪歩「すごいですぅ!!」

P「まだ自信なさげとはいえ、大したもんだな」

Q「むかしむかしあるところに……」

亜美「いいよ! いいよ!」

響「がんばれ! Qちゃん!」

やよい「そのちょうしですー!!」

Q「…………おしまい」

ズルッ★ ガタガタガタ★

P「ず、随分と間をとばしたな」


6:2012/08/02(木) 01:20:21.05 ID:
あずさ「で、でも~はじめてにしては上手だと思うわ~」

亜美「そ、そうだよね。初めてのレッスンにしては、じょうたつしたんじゃないかな→」

雪歩「パーフェクトレッスンとまではいかないけど」

やよい「うっうー! グッドレッスンでしたー!」

響「もう一回聞かせたら、自分みたいに完璧にパーフェクトレッスンいけるかもしれないぞ!」

あずさ「そうね~もう一回、聞かせてあげようかしら~」

亜美「がんばれQちゃん! 亜美、お→えんしてるからね→!」

あずさ「むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました……」

伊織「だだいまー。もどったわよー!」

美希「あふぅ。疲れたのー」

真美「収録ハードだったYO→!」

律子「はい、全員戻りました」


7:2012/08/02(木) 01:26:10.55 ID:
P「お疲れ様。今日はテレビの収録だったな」

美希「そうなの。『運命を分けたその判断 命の選択スペシャル』だったの」

真美「けっこ→面白かったよ。事故とかって、とっさの判断で助かったり助からなかったり」

伊織「小麦粉が撒き散らされた室内で、ライターであかりを灯そうとした映像では『そんなことしちゃ駄目よ!』って私、思わず叫んじゃったわ」

真美「爆発しちゃうんだったよね?」

伊織「そう、粉塵爆発っていうのよ」

律子「あの部分は絶対、放映に使われるわよね」

美希「あれ? あずささん、なにしてるの?」

亜美「今ね→九官鳥のQちゃんに、昔話を教えてるんだYO」

真美「わ→おもしろそ→」

美希「ふーん。ミキはそれより、おにぎりが食べたいのー!」


8:2012/08/02(木) 01:35:28.48 ID:
律子「ちょっとミキ、さっきも食べたでしょ! いいかげんにしなさい!! いくら成長期でも食べすぎはダメよ。アイドルなんだし、スタイルに気をつけなさい」

美希「ミキはそんな心配いらないの」

真美「じゃあさ→兄ちゃん、真美アイス食べたいよー! 買って超→大!!」

P「あのな、みんな俺なんかよりずっと稼いでるだろ……じぶんで買えよアイスぐらい」

真美「ぶ→兄ちゃんのケチ!」

P「代わりに飴玉やるから」

真美「わ→い☆」

伊織「真美もちょろいわねえ……でもこう暑いと、アイスとか食べたくなるわよね。あと、避暑にも行きたいわ」

やよい「秘書?」

伊織「じゃなくて、避暑。思い出すわ……ニューカレドニア。初めて行った時はまるで楽園のような島だなあ、と思ったわ」


9:2012/08/02(木) 01:42:47.01 ID:
響「南国の海だな? うらやましいぞ」

伊織「夕方には、夕日で浜辺は真っ赤に染まって……忘れられない光景よ」

響「お、沖縄だって負けてないぞ! 綺麗だぞ!!」

真美「兄ちゃ→ん、飴玉なくなっちゃった」ガリガリ

P「おい! 袋にいっぱいあったろ!?」

真美「だけど、まだまだ物足りないな→……」ペロッ

律子「だから成長期といっても、食べすぎはダメですっ!!」スパコーン

真美「うう……痛いよ→」

美希「真美、ミキもハニーの飴玉が食べたかったのー!」

真美「あ→ごめん、ミキミキ」

亜美「でも、どっかにもっとかくしてあるんじやないのかな→?」ゴソゴソ

P「やめろ、俺のデスクを漁らないでくれ」


10:2012/08/02(木) 01:51:45.59 ID:
亜美「じゃあピヨちゃんのデスクを……お! 大量の薄い本を発見!!」

小鳥「ピヨッ! やめて亜美ちゃん!!」


あずさ「……でした。おしまい」

雪歩「ふう、終わりましたね」

亜美「おっ! ちゃんと覚えたのかな、ど→かな→?」

響「がんばれー。Qちゃん!」

やよい「みんな聞いてますからねー。ふぁいとですよー!」

Q「むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました」

P「おおっ! 今度はよどみないな」

雪歩「すごいですぅ! 自信満々でしゃべってますぅ!」

Q「おばあさんは、かわへせんたくに」

響「すごいぞ! やっぱりQちゃん天才じゃないか!?」

あずさ「私のパーフェクトレッスンね~」


11:2012/08/02(木) 01:59:32.71 ID:
Q「おじいさんはやまへ、いのちのせんたくにいきました」

亜美「すごいよ! ……って、あれ?」

やよい「命の洗濯……ですかー?」

響「命の洗濯……って、気晴らしって意味だぞ」

Q「おじいさんが、やまでいのちのせんたくをしていると……そんなことしちゃだめよってわたし、おもわずさけんじゃったわ!」

伊織「……これ」

響「伊織の話し声が、まじっちゃってるぞ」

P(なんだか、夜のお店みたいな話になったな)

Q「おばあさんがほうちょうでおおきなももをきると、ばくはつしちゃうんだよねー」

小鳥「なんだか危険な昔話に……」

響「ちょっと怖いぞ……」

Q「わーおもしろそう」

雪歩「だめですぅ」

やよい「爆発は、おもしろいことじゃありませんよー!」


13:2012/08/02(木) 02:07:28.89 ID:
Q「おおきくなったももたろうは、おばあさんに“たびにでるからおにぎりがたべたいのー”といいました」

亜美「ミキミキのせ→で、キビダンゴがおにぎりになっちゃってるYO!」

美希「ごめんなの。ミキ、お腹が空いてたの」

Q「おばあさんは、さっきもたべたでしょ! いいかげんにしなさい!! といいました」

あずさ「おばあさんが……完全に、律子さんになってるわね~」

亜美「こりゃ→おじいさんも、命の洗濯したくなるよ→」ケラケラ

律子「亜美……」ジロリ

亜美「ひいいいぃぃぃっっっ!!!」

Q「いぬとさるときじは、ももたろうにあいすたべたいよーと、いいました」

伊織「この部分」

雪歩「真美ちゃんだね」


15:2012/08/02(木) 02:13:33.85 ID:
Q「ももたろうは、みんなおれなんかよりずっとかせいでるだろ……じぶんでかえよ、といいました」

やよい「なんだか桃太郎さんが、可哀想になってきました」ウルッ

律子「犬と猿と雉、普段なにをして稼いでいるのかしら?」

Q「きょうぼうなおにたちのすむ、おにがしまへとたどりついたももたろうは、まるでらくえんのようなしまだなあ、とおもったわ」

響「鬼ヶ島だぞ!? 鬼がたくさんいるんじゃないのか!?」

雪歩「きっと島の中は平和な楽園で、鬼さんも脅したりするだけでそんなに悪い鬼じゃ無いんじゃないかなあ」

やよい「雪歩さんらしい、優しい考えですねー」

Q「ももたろうと、おとものいぬとさるときじは、ゆうかんにたたかっておにたちをこらしめたので……」


16:2012/08/02(木) 02:23:45.73 ID:
真美「うんうん、途中は変だったけどなんとかふつ→に戻ったね」

亜美「ひとあんしんだよ」

Q「おにがしまのはまべは、まっかにそまりました」

伊織「え?」

P「懲らしめたって、まさか……」

小鳥「楽園じゃ無かったの!?」

雪歩「こ、恐いよぉ……」ガクブル

Q「ももたろうは、だけどまだまだものたりないなーと、いぬとさるときじにいいました」

亜美「やめたげてよぉ!」

真美「鬼たちのライフは、もうゼロだYO!」

Q「こうしてももたろうは、おにたちがひとびとからうばったきんぎんざいほうを、ぜんぶとりもどしました」

美希「あはっ。普通に戻ったみたいなの」

雪歩「安心……して、いいのかな?」

Q「でも、どっかにもっとかくしてあるんじやないのかなー?」

響「この桃太郎……欲張りだぞ」


17:2012/08/02(木) 02:42:22.33 ID:
あずさ「お伽話の主人公としては、ちょっとどうかと思うわよね~」

Q「お! たいりょうの、うすいほんをはっけん!!」

律子「捨てなさい!」

小鳥「捨てないで!」

Q「……おしまい」

ズルッ★ ガタガタガタ★

P「痛てて。や、やっぱり途中で、はしょるんだな」

雪歩「で、でも今日しゃべれるようになったにしては、すごい上達ですぅ」

響「そ、そうだな。しゃべるのが上手な九官鳥にしても、ものすごい上達だぞ」

やよい「うっうー! レッスン初日からがんばりましたー!」


19:2012/08/02(木) 10:40:45.78 ID:
そう、共にチャンピオン鳥である両親を持つQちゃんは、やはり天才だった。
そしてその才能は、ここ765プロで一気に開花する。

小鳥「ふう。みんな帰っちゃった後で、独りでする残業って寂しいわよね」

小鳥「……なーんて、そんな独り残業の夜のお供! アニメDVD、ここにあり!」

小鳥「お気に入りのアニメをBGMと小休止にする事務作業……はかどるわー」

小鳥「がんばってる自分への、ささやかなご褒美ってやつかな。てへっ」

Q「………………」ジー


20:2012/08/02(木) 11:52:42.83 ID:
翌朝


雪歩「おはようございますぅ」

小鳥「……あ、雪歩ちゃんおはよう」

雪歩「小鳥さん? もしかして徹夜ですか?」

小鳥「あはは……うん。作業がはかどったのと、護堂VSアテナが予想以上に盛り上がって……」

雪歩「? Qちゃんもおはよう。今から鳥カゴを掃除して、ご飯を……」

Q「おはようございますぅ」(声:雪歩)

雪歩「あげるから……ええっ!?」

小鳥「い、今……? 雪歩ちゃんの挨拶を覚えたにしても、声も雪歩ちゃんの声だったわよね?」

響「はいさーい! みんな、おはようだぞー!!」

Q「おはようございますぅ」(声:雪歩)

響「おっ!? すごいなQちゃん。もう声もマネできるようになったんだな」

雪歩「声もマネ?」


21:2012/08/02(木) 12:06:17.43 ID:
響「そうだぞ。九官鳥は、喋った内容だけじゃなくて、声そのものを上手にマネできるんさー」

小鳥「そういえば、パトカーのサイレンのマネが上手な九官鳥がいて、大騒ぎになったニュースを聞いたことあるわ」

響「そうそう、九官鳥はそうした声や音のマネが得意なんだぞ」

雪歩「知らなかったなあ。すごいね、Qちゃん」

Q「私の戦闘力は530000です」(声:中尾隆聖)

雪歩「え?」

響「え?」

小鳥「あっ……!」

雪歩「今の……なに?」

響「765プロの誰かの声じゃなかったぞ」

小鳥「き、気のせいじゃない。は、あはは……」

Q「ですが、もちろんフルパワーであなたと戦う気はありませんからご心配なく……」(声:中尾隆聖)

雪歩「きゅ、Qちゃんが悪い九官鳥になっちゃいました」


23:2012/08/02(木) 12:12:49.35 ID:
響「誰だ!? 変な言葉をQちゃんに教えたのは」

小鳥「……」

P「おはよう。みんな早いな」

響「ぷ、プロデューサー! Qちゃんが変な言葉を覚えちゃったんだぞ」

P「え?」

Q「おはようございますぅ」(声:雪歩)

P「ええっ!? ゆ、雪歩?」

雪歩「九官鳥は、声もそっくりにマネられるそうなんですぅ」

P「そ、そうか。しかし雪歩そっくりな声だな。どれ、もう一度。おはよう!」

Q「フゥーハハハ!」(声:宮野真守)

P「え?」

Q「我が名は、鳳凰院凶真……」(声:宮野真守)

P「な、なんだ!? これは?」

Q「エル・プサイ・コングルゥ」(声:宮野真守)

小鳥「……」

響「誰だ!? Qちゃんに変な言葉を覚えさせたのは!」


24:2012/08/02(木) 12:24:45.55 ID:
P「だけど変だな。Qちゃんは事務所にずっといたはずだし、昨日みんなが帰った後に事務所にいたのは……」

小鳥「……うううううっ。ご、ごめんなさい」

雪歩「も、もしかして小鳥さんだったんですか?」

小鳥「誰もいないから、アニメをDVDで流しながら仕事を……」

響「それをQちゃんも、見てしまったんだな」

P「まさか小鳥さん、誰もいなくなった事務所でいつもそんな事を?」

Q「えっちだねー」(声:花澤香菜)

P「……すまんQちゃん、ちょっと黙っててくれるか」

Q「トゥットゥルー!」(声:花澤香菜)

P「頭痛くなってきた。それで小鳥さん、Qちゃんに見せたのは?」


26:2012/08/02(木) 12:37:44.58 ID:
小鳥「見せたわけじゃないんですけど……昨夜はドラゴンボールに、シュタインズゲート、それからDVDに撮り溜めてた新番組をいくつか」

雪歩「新番組って?」

小鳥「ええと……」

Q「カンピオーネである!!!」(声:立木文彦)

雪歩「……」

響「……」

P「……」

小鳥「……です」

P「とりあえず小鳥さん。当面、事務所でアニメ見るのは禁止で」

小鳥「そ、そんなあ……」

響「これ以上、Qちゃんが変な言葉を覚えたら大変だぞ」

小鳥「うう……長時間の残業もアニメを聞きながらだと、嘘みたいに時間が短くなったように感じられて、あっという間なのに」

Q「相対性理論って、とてもロマンチックで、とても切ないものだね」(声:今井麻美)

P「今の声……千早に似てなかったか?」

響「そうか?」


27:2012/08/02(木) 14:02:46.17 ID:
雪歩「小鳥さんには申し訳ないですけど、Qちゃんのためにお願いしますぅ」

小鳥「……わかりました」ウルウル

P「まあもともと若い女性に、そんなに残業させていた俺にも責任はありますね。今日からは、なるべく俺も事務作業をしますよ」

小鳥「ピヨッ! ほ、本当ですか!?」

小鳥(わ、若い女性……)カアァ

P「ええ。とりあえず今夜は、俺が残業をしますよ」

雪歩「Qちゃんが覚えちゃった、この言葉はもうどうしようもないのかな?」

響「大丈夫だぞ。きっとそのうち忘れると思うから」

小鳥「そうなの?」

響「オウ助もそうだからな、でも早く忘れさせたいなら、別の新しい言葉を覚えさせたらいいぞ」

雪歩「そうなんだ。でも何がいいのかな……」

P「これ、どうだろう?」

雪歩「CDですか。そうですね、変な言葉よりも綺麗な歌とか覚えてくれたら、嬉しいから」

響「そういうことなら、やっぱり千早の歌がいいぞ」

雪歩「じゃあ千早ちゃんのCDを……」


28:2012/08/02(木) 15:11:07.44 ID:
美希「おはようなのー」

千早「おはようございます」

雪歩「おはようございますぅ。珍しいね、美希ちゃんと千早ちゃんが一緒って」

千早「公園で会ったから。美希ったら、鳥を見ながらずっと頷いているのよ」

響「あ、カモ先生だな」

美希「そうなの。ミキね、カモ先生からいつも色々と教わってるの」

雪歩「へえ、そうなんだ」

千早「鳥から色々、ねえ。別に美希の事を否定するわけじゃないんだけど……あら? 私の歌?」

雪歩「うん、Qちゃんに聞かせてあげてるんだよ」

千早「Qちゃん? ああ、事務所で飼い始めたって、来る途中に美希から聞いたわ。でも、鳥に私の歌、わかるのかしら?」

響「大丈夫だぞ。Qちゃんは天才だからな」

雪歩「そうだよ。ねえ、Qちゃん?」

Q「♪ 蒼い~鳥~♪」(声:千早)

P「お! 早速、覚えたな」

雪歩「えへへ。本当に千早ちゃんが歌ってるみたいでしょ?」

千早「……」


31:2012/08/02(木) 15:30:49.77 ID:
響「千早? どうしたんだ?」

雪歩「Qちゃんの歌、千早ちゃんみたいに上手じゃなかったかな?」

千早「……違うわ」

雪歩「え?」

千早「今の高音の伸び、微妙なポルタメントを効かせた音の運び……」

P「ち、千早?」

千早「私……私よりも、上手いわ!」

響「い、いやいやいやいやいや、Qちゃんは千早の歌を覚えてマネして歌ってるだけだぞ」

雪歩「確かに上手に歌っているけど、それは元の千早ちゃんの歌が上手だから……」

千早「師匠!」バッ

千早「どうか……どうか私に、歌のレッスンを!!」

Q「♪ あなたを~わ~すれない~♪」(声:千早)

千早「! わかりました! こうですね? ♪ あなたを~わ~すれない~♪」


32:2012/08/02(木) 16:18:16.98 ID:
P「鳥である九官鳥が『蒼い鳥』を歌って……」

響「それをそもそも『蒼い鳥』を歌っている千早が……」

雪歩「教わっているのって……」

Q・千早「でも昨日には帰れない~♪」

P・響・雪歩(なんか変……)

千早「ありがとうございます、師匠!! 私、何かをつかめた気がします!!!」

Q「流石はこの俺の助手」(声:宮野真守)

千早「はい!」

P「千早ー。千早のプロデューサーはここにいるぞー」ボソッ

雪歩「げ、元気出してくださいプロデューサー」

千早「私、師匠にどうお返しをすればいいんでしょうか?」

Q「なあに、貴様には体で奉仕してもらおう。フゥーハハハ」(声:宮野真守)

雪歩「きゅ、Qちゃんっ!!!」カアァ

響「ち、千早っ! Qちゃんはアニメのセリフを喋ってるだけただからな!! 本気にしちゃいけないぞ!!!」アタフタ

千早「キス、だけだぞ」(声:今井麻美)

P「千早あああぁぁぁーーーっっっ!!!」

千早「冗談よ、みんな。ありがとうございました、Qちゃん師匠」クスクス

美希「あふう……ハニー」ゴロゴロ


34:2012/08/02(木) 16:46:28.75 ID:
翌日


雪歩「おはようございますぅ」

小鳥「あ、おはよう雪歩ちゃん」

雪歩「あれ? ソファーで寝てるのは、プロデューサーですか?」

小鳥「ええ。昨夜は遅くまで仕事してたみたいだから、寝かしておいてあげましょうね」

雪歩「そうですね。いつも私達のために……ありがとございます、プロデューサー」

小鳥「あ、みんなやってきたわ」

雪歩「みんなープロデューサーが寝てるから、静かにお願いしますぅ」ヒソヒソ

響「ほんとーだ。疲れてるみたいだな」ヒソヒソ

春香「まだ営業までかなり時間あるし、寝かせておいてあげようね」ヒソヒソ

千早「そうね」ヒソヒソ

伊織「まったく、無邪気なもんね」ヒソヒソ

あずさ「あらあら~かわいいもんじゃない~」ヒソヒソ


35:2012/08/02(木) 17:43:13.85 ID:
貴音「まこと、愛くるしい表情です」ヒソヒソ

亜美「う→ん、イタズラしたくなるね→」

真美「やっちゃお→か?」

やよい「こぉら! ダメですよ、ふたりともー」ヒソヒソ

真「ちゃんと休む時は休ませてあげないとね、身体が資本だから」ヒソヒソ

美希「ミキ、となりで添い寝してあげるの!」

律子「いけません!」

Q「あれ? もうこんな時間か」(声:P)

雪歩「あ、起こしちゃいましたかプロデュー……あれ?」

春香「プロデューサーさん、まだ寝てる……?」

響「今のはQちゃんだな。きっと昨夜のプロデューサーの独り言を、覚えちゃったんだぞ」

春香「ああ、この子が噂の九官鳥だね」

千早「春香、師匠とお呼びしなさい」

春香「え? あ、うん。それにしても本当にプロデューサーさんそっくりな声だね。えへへ」


39:2012/08/02(木) 18:51:23.03 ID:
Q「はあ……もう今日は、このまま徹夜しちゃうか」(声:P)

亜美「誰かさんと違って、アニメみたりはしないんだね→」

小鳥「ピヨォ」↓

Q「ああ……嫁さん、欲しいなあ……」(声:P)

一同「「!!!」」ガタッ

Q「帰ったら、優しく出迎えてくれて、食事の用意とかしてあって、楽しく会話したりして……」(声:P)

伊織「ちょ、ちょっとお」オロオロ

春香「プロデューサーさんの、本音ですよ! 本音!」

Q「結婚……したいよなあ……」(声:P)

あずさ「はい、私でよろしければ!」

真「ちょ! あずささん、今のはプロデューサーの独り言ですよ!」

あずさ「あらあら~」

小鳥「でも……今、結婚したいというなら相手は限定されますよね」

律子「そ、そうですね。未成年は流石に……」


40:2012/08/02(木) 19:55:16.63 ID:
千早「り、律子だってまだ19でしょう!?」

美希「ミキ、パパにお願いして法改正に踏み切ってもらうの!」

Q「まあ、今すぐ結婚とかは、さすがに無理だろうけど……」(声:P)

真「ええっ!?」

響「そ、そうだぞ。結婚ってやっぱり、おつき合いを重ねてからだぞ」

Q「彼女、欲しいなあ……」(声:P)

真美「こりゃ→真美達にも」

亜美「可能性が大いに出てきたYO!」

やよい「うっうー!」

Q「……やっぱり彼女にするなら……」(声:P)

貴音「! みんな、静かに!」

伊織「だ、誰なの。誰なのよ……」ドギマギ

Q「あの娘だよな……」(声:P)

春香「私ですよね!? 私!!」

雪歩「大地の神様……お願い!」

真「きっとボクに違いない……よね」

律子「……誰なの?」


42:2012/08/02(木) 20:39:09.45 ID:
Q「その者は……カンピオーネである!!!」(声:立木文彦)

ズルッ★ ガタガタガタ★

響「こっ、小鳥ぃ!!!」

伊織「小鳥が変な言葉を覚えさせるから、肝心な所が聞けなかったじゃない!!!」

小鳥「お、覚えさせたわけじゃないのよ!」

亜美「Qちゃ→ん。もっかい兄ちゃんが昨夜言ってたこと、教えてよ→!」

千早「お願いします! 師匠!!」

Q「……やっぱり彼女にするなら……あの娘だよな……」(声:P)

春香「キタ!」

真「春香、静かに!」


43:2012/08/02(木) 21:21:38.89 ID:
では実際、その日の午前2時頃にPは何をしていたのか?


P「Qちゃん、眠そうだな。小鳥でもコックリとか、するんだな」

P「あ、やべっ! 床にコーヒーをこぼしちまった!」

P「やれやれ、我ながら失敗したなあ……」

P「結構ハデにやっちゃったな。こりゃ大掃除だけど……まあ当たり前だけど、責任取らないとな」

P「デスクの下、けっこう汚れてるな……あ、ミニ卓上カレンダー。こんなとこに落ちていたのか」

P「もう去年のカレンダーだしただの風景画だもんな。せっかく見つけたけど……やっぱり捨てよう」


44:2012/08/02(木) 21:51:07.01 ID:
そして時は戻って、今現在の事務所では


Q「…………やべ……ゆか」(声:P)

春香「やべゆか? お、女の人の名前!?」

律子「小鳥さん、該当する女性は?」

小鳥「ブーブーエスの生っすか担当に、矢部由佳という名のADが!」カタカタ

雪歩「そ、そんなあ……」

美希「ハニー! ミキが一生懸命がんばってる横で、他の女の人を見ていたの!?」

Q「やれやれ、我ながら失敗したなあ……」(声:P)

小鳥「し、失敗したって……」

あずさ「な、なにを失敗したのかしら~?」

Q「当たり前だけど、責任取らないとな」(声:P)

律子「責任? 責任ってなに!?」

千早「プロデューサーまさか、もうそんな関係にまで……?」

やよい「?」

Q「……やっぱり捨てよう」(声:P)

春香「えええぇぇぇーーーっっっ!!!」

雪歩「う、嘘です……嘘ですぅ! プロデューサーがそんなこと言うなんて……」

響「プロデューサー……最低だぞ……」


45:2012/08/02(木) 22:21:01.87 ID:
亜美「? みんな、なんでさわい電脳?」

貴音「みんな、待ちなさい! きっとこれは何かの間違いです。もう一度、冷静にQちゃん殿の言葉に耳を傾けてみましょう」

律子「そ、そうね。普段のプロデューサーから、そんな素振りは見られないんだもの」

真「ぼ、ボクもプロデューサーを、信じます」

あずさ「Qちゃ~ん。他にプロデューサーは、なんて言ってたのかしら~?」

Q「……次はやっぱり、千早にするか……響にするか……」(声:P)

千早「えっ!?」

響「ええっ!?」

Q「意外な所で、真美……」(声:P)

真美「ん? 真美がど→したの?」

雪歩「つ、次って事は、次におつき合いする女性って事なのかな……」


46:2012/08/03(金) 06:21:35.26 ID:
春香「きっとそうだよ! わ。私は!? 私はどうなんですか、プロデューサーさん!!」

Q「春香……は無いな、いくらなんでも」(声:P)

春香「そんな……そんなあ……」

美希「ミキは? ハニー! ミキの事を忘れているんじゃないのー!?」

Q「よし、響と千早と真美の中から選ぼう」(声:P)

美希「ハァニイイイぃぃぃーーーっっっ!!!」


47:2012/08/03(金) 07:00:39.87 ID:
ここで再び、その日の午前3時頃にPは何をしていたのか?


P「よし、片づいたぞ。仕事に戻らないとな……確か、歌番組のゲストだったな。この間は春香だったが……」

P「次はやっぱり、千早にするか……響にするか……」

P「前回の春香は、元気さで評判良かったからな。同じく元気いっぱいでも、歌番組としては意外な所で、真美……」

P「意外といえば評判良かったからもう一度、春香……は無いな、いくらなんでも」

P「よし、響と千早と真美の中から選ぼう」

P「うーん………………千早にしよう。やっぱり歌番組だし、歌の実力でアピールもしないとな」

P「さてちょっと小腹が空いたな……飴玉は真美に全部食べられちゃったし……」ゴソゴソ


48:2012/08/03(金) 07:18:39.14 ID:
P「何かないかな……お! カップ麺か、これでいいや。贅沢言ってもしょうがないもんな、我慢しよう」

P「これ新商品か、とっておいて良かったな。みんなにわからないように隠してとっておくのは大変なんだよな。特に貴音とか、どうやってかすぐに見つけてねだられるんだよな」

P「どれ……誰もいない今こそ、満喫しよう」

P「おお、お湯を注ぐと香りが立ちこめて……正直、期待してなかったけど美味そうだよな」

P「フーフー……おお……これは……美味いな! 今度、貴音にも教えてやろう」ズルズル


49:2012/08/03(金) 07:26:22.27 ID:
そして時は戻って、今現在の事務所


千早「わ、私? 私のことをプロデューサーが!?」

真美「わ→い! なんだかよくわからないけど、真美は兄ちゃんの最終選考に残ったんだね!」

響「きっとここから、自分たち3人をふるいにかける長く厳しい選考が、じっくりとされるんだぞ!!」

Q「千早にしよう」(声:P)

ズルッ★ ガタガタガタ★

真美「は、早いよ→!」

響「自分、納得いかないぞーーー!!!」

真「はいはーい! 二人ともおとなしく敗者の席へどうぞー」

亜美「真美→! こっちこっち→!!」


51:2012/08/03(金) 13:07:30.84 ID:
春香「ではここで、プロデューサーさんに選ばれた如月千早さんに、親友である私が歌で祝福をしてあげたいと思います」

千早「え?」

春香「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」

千早「春香」

春香「うぃるおー♪ え? なに? 千早ちゃん」

千早「音、ズレてるわよ」

春香「え? あ、そ、そう?」

千早「でも……でも、私なんかをプロデューサーが選んでくれるなんて……本当かしら」

真「自信持ちなよ、千早」

あずさ「千早ちゃんは、魅力的よ~」

美希「ミキも、千早さんの事は認めてるの」

律子「そうそう、プロポーションもいいし」

伊織「悔しいけど、千早を選んだアイツの気持ちもわかるわ」

やよい「うっうー! きっとプロデューサーも、本気で千早さんが好きなんですよー!」


54:2012/08/03(金) 17:47:44.00 ID:
千早「え、あ、そ、そうかしら……」カアァ

Q「贅沢言ってもしょうがないもんな、我慢しよう」(声:P)

ズルッ★ ガタガタガタ★

千早「我慢って何ですか!? 我慢って!!」(憤怒)

響「これは千早が怒るのも無理ないぞ! ひどすぎるぞ、プロデューサー!!」

律子「千早、すぐに訴訟の手続きに入りますからね。元気出しなさい」

亜美「千早お姉ちゃんがかわいそ→だYO!」

美希「でも……我慢、って事は本命は別にいるってことなの?」

響「え?」

律子「あ……」

貴音「それは……」

伊織「確かにそうよね!」

真「はいはーい、千早。敗者の席と勝者の席、チェンジね」

千早「え? ええ?」

亜美「いや→千早お姉ちゃん、現実って時にきびし→もんなんだよね→」

千早「そんな……」ガックシ


56:2012/08/03(金) 20:53:19.46 ID:
雪歩「Qちゃん、それでプロデューサーはその後なんて言ってたの? 教えて」

Q「フーフー……おお……これは……」(声:P)

真「なに? 今の」

真美「なんか変な声ってゆ→か、息づかいだったよ?」

あずさ「ちょっとプロデューサーさんらしくない、っていうか~」

千早「師匠! もうちょっと前をお願いします」

Q「とっておいて良かったな。みんなにわからないように隠してとっておくのは大変なんだよな」(声:P)

律子「とっておく……ってまさか、と……盗撮?」

真「えええぇぇぇーーーっっっ!!!」

貴音「まさか!」

小鳥「プロデューサーさんも、男の人ですからね。わかりませんよ」

春香「小鳥さん! プロデューサーさんに限って、そんな事は絶対にありません!! 私は信じます!!!」


57:2012/08/03(金) 21:00:42.42 ID:
Q「どれ……誰もいない今こそ、満喫しよう」(声:P)

春香「え?」

雪歩「そんな……」ポロ

あずさ「でも~事務所を盗撮とかしても、みんなここで着替えたりするわけじゃないじゃない~?」

小鳥「甘いです。プロデューサーさんが不在の時は、高校生組のみんなとか、けっこう事務所でフリーダムですよ」

律子「それ、ほんと?」

真「いや、なんか男の人がいないと……普段も女子校だから……」

響「うう……これからは気をつけるぞ」

千早「昨日の午後、春香もプロデューサーがいないからって、事務所で衣装合わせしてたわね」

春香「反省します……」

小鳥「じゃあプロデューサーさんが見てるのは、春香ちゃんの着替えね」

春香「え!?」

小鳥「設置してあるカメラは、そんなに長時間は録画してないはずだから、一番近い時間のお楽しみシーンのはずよ」

律子「なんでそんなに詳しいんですか……小鳥さん」

小鳥「……」


64:2012/08/04(土) 20:48:44.00 ID:
春香「ぷ、プロデューサーさんが、私の着替えを……」カアァ

真美「むっふっふ→。はるるんの着替えを見た、兄ちゃんの反応はどうなのかな→? Qちゃん師匠、お願いします!」

春香「……ううう、ききき、緊張するうううぅぅぅ……」

Q「正直、期待してなかったけど美味そうだよな」(声:P)

春香「わっほおぉぉぉーーーいいい!!! ……でもこれ、素直に喜んでいいのかな?」

律子「盗撮よ……いいの? それで」

響「正直、期待してなかったとかも言われてるぞ」

貴音「完全勝利とは、言いかねますね」

千早「どちらかと言うと、春香もこっち側ね。さあ、いらっしゃい」コイコイ

春香「のワの;」


66:2012/08/04(土) 21:01:27.76 ID:
雪歩「ま、待ってよみんな。私はプロデューサーがそんな事してたなんて、どうしても信じられないよぉ。きっと何かの間違いだよ」

やよい「そ、そうですよー! 私もヘンだっておもいますー」

伊織「そうよね。頭を冷やしてよく考えたら、アイツみたいな甲斐性なしがそんな事するわけないわよね」

響「そうか?」

伊織「そんな度胸があるなら、私達の誰かにもう手を出してるはずよ」

あずさ「それも……そうね~」

伊織「ねえQちゃん、その後プロデューサーは何て言ってた?」

Q 「フーフー……おお……これは……美味いな! 今度、貴音にも教えてやろう」ズルズル

貴音「今のはらぁめんの麺を、すする音! それも先週発売になったばかりの新商品『特濃こってり麺・あっさり』に間違いありません!!」

響「貴音、麺をすする音だけで、よくわかるな……」

貴音「昨夜、わたくしも賞味いたしましたので」

響「いや、まあ……いいぞ。ともかくこれは、プロデューサーはラーメン食べてただけ、って事なのか?」


67:2012/08/04(土) 21:10:05.33 ID:
あずさ「じゃあ『とっておいて良かった』っていうのは~ラーメンをとっておいて良かったってことね~」

春香「『正直、期待してなかったけど美味そう』っていうのも、ラーメンの……」

真美「な→んだ」

亜美「ま→兄ちゃんがそんなことするわけないもんね→」

やよい「うっうー!」

千早「私を選んだとか言っていたのも、きっと仕事の件よきっと」

真「まあそうだろうね。あーあ、なんか騒いで損したな」

伊織「ほんと、人騒がせよね!」フウッ

貴音「ふふふ。そう言いながら伊織、なにやらホッとした様子ですが?」

伊織「ば、バカ言わないでよ!!」カアァ

美希「ミキは最初からハニーを信じていたのー!」

律子「はいはい、じゃあ仕事よ仕事。今日もがんばってもらうからねー」


68:2012/08/04(土) 21:12:15.75 ID:
雪歩(でも……プロデューサーが結婚したいとか、彼女が欲しいって言ってたのは……事実だよね)

雪歩(プロデューサーが、彼女にしたい娘って……誰なんだろう)

真「雪歩? どうしたんだい、元気ないみたいだけど」

雪歩「真ちゃん……ううん、なんでもないよ。今日もがんばろうね」

真「ああ!」

小鳥「プロデューサーさん、そろそろ営業の時間ですよ。冤罪も晴らされた事ですし、起きてください」

P「ふああ……え? 冤罪?」


69:2012/08/04(土) 21:14:35.77 ID:
P「じゃあ行くぞ。春香、千早」

春香「はい。千早ちゃん、今日はよろしくね」

千早「ええ。……あれ? プロデューサー、今流れているのは……」

P「ああ、CDを入れっぱなしにしてたな。今、歌のCDにかえるから」

春香「これって英会話ですか?」

P「ああ、聞き流すだけで英語が上達するという触れ込みの商品なんだ」

春香「有名なゴルフ選手が宣伝していますよね。集中してなくても、繰り返し聞き流すことで自然に覚えるって」

千早「プロデューサー今でも忙しいのに、このうえ英会話ですか」

P「ウチには、世界を目指しているアイドルがいるからな」

千早「プロデューサー……」

P「まあ俺も準備というか、心構えはしておきたくてな。これなら、時間を割かなくても済みそうだったし」

千早「……ありがとうございます」

P「気にするな。自分の為になることだしな」

春香「わ、私も世界を目指しますよ! ええ!!」

千早「じゃあ春香もこれで、英語を覚えたらいいんじゃないかしら」クスクス

春香「え?」

千早「まだ耳に残ってるわよ。さっきの……」

千早「『♪ えんだーーー☆♪★♪♯』が」ヒソヒソ

P「なんだ? それ?」

春香「な、なんでもありません! ね、千早ちゃん!」

千早「ええ、そうね」クスクス


70:2012/08/04(土) 21:18:59.33 ID:
その頃、事務所では


小鳥「? おかしいわね」

響「どうしたんだ? 小鳥」

小鳥「なんだか、電話の調子が悪いのよ」

雪歩「故障ですか?」

小鳥「そうかも知れないわね。まあ、保留音が鳴らないだけなんだけど、他の機能も使えなくなる前になんとかしないといけないわ」

貴音「英国が生んだ英雄にして、悲劇の登山家じょぉじ・まろりー。彼は近年、再評価されています……」

雪歩「ふう、お家がキレイになって良かったねQちゃん」

貴音「どうして山に登るのか、と問われたまろりーは『そこに山があるからだ』と答えたそうです……」

雪歩「貴音さん。さっきから何回も読んでいるのは、ナレーションの練習ですか?」

貴音「ええ。声だけで様々な事柄を表現する……挑戦してみるとなかなか難しいものです」

伊織「わかるわ。感情を込めたり、緊張感を出したり、状況を適切に表現したり……大変よね」

貴音「ええ。ですが、やりがいもあります」


71:2012/08/04(土) 21:21:41.59 ID:
プルルルル プルルルルルル

小鳥「はい、765プロダクションです。はい……はい、秋月ですね。少々お待ちください……」

小鳥「あ! そうか、保留音鳴らないんだった。ええと……Qちゃん、ちょっと何か歌をうたっててくれない?」

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:春香)

ズルッ★ ガタガタガタ★

響「よ、よりによってその歌はないぞー」

小鳥「痛たた……あ、すみません。大丈夫です、少々お待ち下さいね。律子さーん、876プロからお電話ですよー」

律子「はーい。って、876プロ? なんだろう?」

伊織「歌だけで聞くと、春香のあの歌は強力ね……」

雪歩「春香ちゃんも、ヘタじゃないんだけど……」

響「ホイットニー・ヒューストンの歌はちょっと敷居が高いぞ。確かホイットニーは、7オクターブ半の声が出せるそうだし」

伊織「千早でも、そこまでは無理でしょうしね」


73:2012/08/04(土) 21:24:43.93 ID:
響「あ! 伊織、そろそろ出ないといけないんじゃないか?」

伊織「え? あ、そうね。行きましょうか、響」

響「きょうもがんばろうな!」

Q「そう言って、頷き合う二人……依然として厳しい状況の中、二人は決意を新たにしたのでした」(声:貴音)

伊織「ちょっと! 厳しい状況ってなによ!!」

響「自分たち、ラジオ出演に行くだけだぞ!」

雪歩「ご、ごめんね。Qちゃん、貴音さんのナレーションを覚えちゃったみたいで……」

Q「そうなのです。これが極寒の世界の厳しさなのです」(声:貴音)

伊織「まあ……悪気はないのよね。じゃあ行ってくるわね」

響「そうだな。がんばってくるぞ!」

Q「そう言って二人は、出発しました。それが二人の最後の言葉になろうとは、その時はまだ誰も知る由もありませんでした……」(声:貴音)

響「うがあああぁぁぁーーーっっっ!!!」

伊織「だから! 縁起でもないから、やめてよね!!!」

雪歩「ご、ごめんなさい! ダメだよ、Qちゃん」メッ

律子「なんだか騒がしいわね……はい、もしもし? 秋月です。はい、いつもお世話に……ええっ! なんですって!!」

Q「いったい何がおこったのか!? 衝撃のしぃんはこの後すぐ!! ちゃんねるはそのままで!!!」(声:貴音)

真美「Qちゃん、ディレクターの才能あるんじゃないかな→」

亜美「うまいよね→」


76:2012/08/05(日) 09:48:53.51 ID:
律子「876プロに夜間、不審者が!? 事務所が荒らされて……ええ!! なんてこと……」

真美「え!」

亜美「そんな……」

律子「それで被害は? ……アイドルの衣装が盗まれた……? ひどい……被害にあった女の子の心情を察すると、私もやるせない思いに……」

真美「ゆ、ゆきぴょ→ん……」

亜美「亜美達、なんか怖くなってきたよ→……」

雪歩「わ、わわわ、私も……」


77:2012/08/05(日) 09:50:13.49 ID:
律子「え? 盗まれたのは秋月涼の衣装? あ、なーんだ。それなら全然心配ないですね。ええ、ウチも気をつけます。わざわざありがとうございます」

雪歩「律子さん、今の話……」

律子「聞こえた? 876プロに夜間誰かが侵入して荒らされたそうよ。幸い、被害にあったのは涼の衣装だけみたいだけど……」

真美「ちっとも幸いじゃないよ→」

亜美「涼ちん、かわいそ→」

律子「私はむしろ、犯人に同情するけどね」

真美「へ?」

亜美「なんで?」

律子「まあまあ。でも実はその前に、961プロも被害にあってるらしいのよ」

雪歩「じゃ、じゃあそのうちにウチの事務所も……?」

律子「可能性はあるわね。もっとも961プロは、世間体があるのか絶対に認めてないようだけど、芸能事務所を狙った連続犯の可能性があるわ」

真「765プロって、有名になった割には事務所の規模とか、セキュリティは甘いですもんね」

小鳥「プロデューサーさんが帰ってきたら、社長も交えて対策を考えないといけませんね」


78:2012/08/05(日) 09:50:45.30 ID:
その日の夕刻


P「とりあえず、必ず誰かが泊まり込む事にしましょう。まずは俺が」

律子「でもプロデューサーは、昨夜も泊まっていたじゃないですか。流石に身体が心配です」

小鳥「ええ。今日は私が」

P「女性1人は心配ですけど……」

小鳥「慣れてるし、大丈夫ですよ。警察にも話がしてあって、通報したらすぐに駆けつけてくれるようになってますし」

P「わかりました。明日は俺が泊まりますから」

小鳥「はい」

真美「ピヨちゃ→ん」

小鳥「なに? 真美ちゃん」

真美「アニメはダメだよ→」

小鳥「わ、わかってるわよ。大丈夫、無くても耐えてみせます!!!」

亜美「ほんと→かな→?」

小鳥「わたしだって、そんなにアニメばかり見てるわけじゃなんですからね!」

雪歩「お願いしますね、小鳥さん。Qちゃんの情操教育的にも」

小鳥「うん。わかってるわ」

伊織「これ以上、変な言葉を覚えさせないように頼むわね」

小鳥「任せて、ピヨ!」


79:2012/08/05(日) 09:51:44.05 ID:
その夜……


小鳥「ハア……ハア……あ、アニメ……ううう……アニメ」ブルブル

小鳥「夜間、1人で過ごすアニメの無い事務所が、これほど退屈とは……」ガクガク

小鳥「あ、アニメ……アニメえぇ……」ゴソゴソ

小鳥「うふふ……仕事用DVDに、巧みに隠したこの秘蔵プリキュア特選集……」フラフラ

小鳥「ハッ! だ、ダメよ小鳥!! あなたいったい、今なにをしようと……?」

小鳥「みんなの期待を裏切るようなマネ……それはダメよ。それだけはダメよ!」ガチャ

小鳥「こんなDVDは……こうして……こうしてしまうのよ!」ウイーン

小鳥「ええーい!!!」ピッ

『ラ♪ラ♪ラ♪ラ♪ラ♪
 スイートスイートプリキュア♪
 スイートプリキュア♪
 スイートスイートプリキュア♪
 スイートプリキュア♪』

小鳥「キャーッ! アコちゃーん!!」

Q「………………」ジー


80:2012/08/05(日) 09:52:54.50 ID:
翌朝


雪歩「おはようございますぅ」

小鳥「あ、ゆ、雪歩ちゃんおはよう」

雪歩「昨夜、大丈夫でしたか?」

小鳥「み、みみみ、見てないわよ。アニメなんか!」

雪歩「え? あの……そうじゃなくて、泥棒さんの事ですけど」

小鳥「ええ? あ、ええと……だ、だいじょうぶダッタワヨ……」

雪歩「小鳥さん?」

小鳥「な、なに……」

雪歩「なにかあったんですか?」

小鳥「な、ななな、なんでもないわよ。うん」

雪歩「そうですか?」

Q「おはようございますぅ」(声:雪歩)

雪歩「あ、ゴメンねQちゃん。おはよう」

小鳥「……」ソワソワ

雪歩「今からお掃除してあげるね」

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:春香)

雪歩「もう。Qちゃん、その歌は忘れてあげてね」

小鳥「……きゅ、Qちゃん? それ以外で何か新しい言葉は?」

Q「それが二人の最後の言葉になろうとは、その時はまだ誰も知る由もありませんでした……」(声:貴音)

小鳥「良かった……昨夜はよく寝てたみたいで、プリキュアは覚えてないみたいね」

雪歩「なにか言いましたか?」

小鳥「ううん。なんでもないわ」


81:2012/08/05(日) 09:53:42.29 ID:
その日の午後


プルルルル プルルルルルル

小鳥「はい、765プロダクションです。はい……はい、我那覇ですね。少々お待ちください……響ちゃーん! お電話よー!」

Q(響……? 響!)

Q「爪弾くは荒ぶる調べ! キュア……」(声:小清水亜美)
響「はいさい!」

真美「キュアハイサイ?」

亜美「新しいプリキュア?」

小鳥「……」ドキッ


82:2012/08/05(日) 09:54:09.50 ID:
プルルルル プルルルルルル

小鳥「はい、765プロダクションです。はい……はい、高槻ですね。少々お待ちください……やよいちゃーん! お電話よー! ……ハッ!」

Q(やよい……? やよい!)

Q「ピカピカぴかりん、じゃんけんポン♪ キュア……」(声:金元寿子)
やよい「うっうー!」

真美「キュアウッウー……」

亜美「これは新しい……」

小鳥「……」ドキドキ


87:2012/08/05(日) 13:29:29.17 ID:
P「……小鳥さん?」

小鳥「ご、ごめんなさい! じ、自分でも私はこんなに意志の弱い人間だったのかと、深く深く反省しています!!」

P「? いえ、あの……今夜の事なんですけど」

小鳥「ええ? あ……はっはは、はいっ!」

P「万一の事を考えて、盗られて困るような物は社長室に運んで厳重に鍵をかける事にしました」

小鳥「そうなんですか。でも大事な物というと……」

P「そもそも金品はあまりありませんよね。でもアイドルのみんなの、衣装や小物なんかは盗られたくないし」

小鳥「金額的には大したことなくても、みんなの精神的ダメージは測り知れませんものね」

P「ええ。そういうものは、全部社長室に運びますから」

小鳥「わかりました」

P「みんなも、大切な物は社長室に運んでくれ」

真「わかりました。雪歩、手伝おうか?

雪歩「ありがとう真ちゃん。私はこれだけだから……」

響「本当に少ないぞ」

雪歩「一番大事なのは、Qちゃんだけど……」

響「まさか社長室に入れて鍵をかけるわけには、いかないものな」

美希「家に連れて行った方が、いいんじゃないの?」

雪歩「そうだね。うん、今日帰ったらお父さんに聞いてみるね」

真「それがいいよ」


88:2012/08/05(日) 13:30:29.89 ID:
千早「真、私の荷物を手伝ってもらっていいかしら」

真「オーケー。って、結構重いな、これ」

千早「CDなんだけど、量があるから」

真「よーし! せーのっ!!」

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:春香)

真「ぷっ! あははははは……」ドサッ

雪歩「ま、真ちゃん?」

真「痛あああぁぁぁーーーいいい!!!」

雪歩「真ちゃん! 真ちゃんしっかり!! 大丈夫!?」

真「痛た……。もう、Qちゃん! 力を入れている時に笑わせないでくれよ」

千早「ぷっ、ぷぷぷ……し、師匠! 止めてくださいね」プルプル

真美「おっ!? これは久々にキタかな?」

亜美「千早お姉ちゃんの、ツボにハマると笑いが止まらなくなる病!!」

千早「二人とも! 変な病気を作らないでちょうだい。私はそんな病じゃありません」キリッ

真美「ホント→?」

千早「ええ」キリッ

亜美「Qちゃん先生、お願いします」

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:春香)

千早「ぷぷぷぷぷぷぷっ」プルプル

真美「はい、確定診断です」

亜美「これは治癒の見込みのない難病ですなあ」


89:2012/08/05(日) 13:31:55.62 ID:
千早「ちょ、ちょっと! これはずるいわよ。これは誰だって笑ってしまうわよね?」

真「うん。これは笑っちゃうよ」

響「無理ないと思うぞ……あっ!」

千早「春香の発音と、音程がまた……」プルプル

雪歩「! ち、千早ちゃーん」ヒソヒソ

千早「もうほとんど平仮名の発音でしょう、これ」ブルブル

真「ちはや……」ヒソヒソ

千早「これ不意打ちで聞かされて、笑わない音楽関係者はいないわよ」

響「……」

千早「うふふふふ。ふふふ……あはははは」

真美「……さよなら→」コソコソ

亜美「どろん」パッ

千早「あはははは……ふう。ぷぷぷっ」プルプル

春香「……」


96: :2012/08/05(日) 22:58:06.31 ID:
千早「ああ、ようやく治まっ……げえっ! 春香!!」 

春香「千早ちゃん、私を……私の歌をそんな風に思ってたんだ」 

千早「違う! 違うの、春香! 誤解よ、誤解」アセアセ 

春香「そりゃあ私は、千早ちゃんみたいには歌えないけど……」 

千早「は、春香には春香の良さがあるわ。明るくて元気で……」 

春香「……ほんと?」 

千早「ええ! 私には無い魅力が、春香には確かにあるわ」 

春香「じゃあ千早ちゃんは、私の歌……好きなの?」 

千早「もちろんよ! CDだって全部持ってるわ。いつもそれを聞いて……」 

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:春香) 

千早「ぷっ! くくくくくっ」プルプル 

春香「……そうやって笑ってるの?」 

千早「ちが……違う……違うの」プルプル 

春香「私、千早ちゃんの事を親友だと思ってたのに……」 

千早「親友よ、親友! 春香は私にとって、かけがえのない親友よ」 

春香「……ほんと?」


91:2012/08/05(日) 13:34:09.96 ID:
千早「ええ! 私が歌えなくなった時も、あんなに親身になってくれて……親友ってだけじゃないわ。春香は私の恩人よ!」

春香「Qちゃん、お願い」

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:春香)

千早「! ……っ……っっ」プル

真「おおっ!」ヒソヒソ

響「耐えたぞ!」ヒソヒソ

雪歩「千早ちゃんの、親友を想う気持ちが病を克服したたんですぅ!」ヒソヒソ

春香「ありがとう、千早ちゃん」

千早「春香……信じてくれたのね?」

春香「うん。疑ってゴメンね、やっぱり千早ちゃんは私の大事な親友だよ」

千早「ううん。私こそ、ちょっと正確でない音程だからって、笑ったりしてごめんなさい」

春香「千早ちゃん……」

千早「春香……」

見つめ合う、二人。
共に親友と認め合う二人。
二人は微笑んで、固い握手を交わした。

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:春香)

千早「ぷっ! くくくくく……」

春香「……私、今日はもう帰る!」

千早「くくく、くく……ちが、まって春香! 違うのよ……」プルプルプル

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:春香)

千早「あはははははは! 待ってー!! あはは、待ってってば、あはは春香あー!!! くくくっ」


98:2012/08/06(月) 11:44:05.46 ID:
千早「ごめんなさい。本当にごめんなさい!」

春香「もう……いいよ。確かにQちゃんの歌を聴いたら、音程がズレているのは確かだったし」

千早「私、一旦笑いのツボにはまるとなかなか抜けなくて……」

春香「わかってるよ。だからもういいよ、それよりも午後のダンスレッスンがんばろうね」

響「ふう。二人が仲直りしてくれて、安心したぞ」

真「普段仲が良い二人がギスギスしてると、事務所の空気が沈むからね」

雪歩「良かったよ。Qちゃんのせいで二人がケンカしたりしたら、私も責任感じちゃうもの」

真美「射矢→◎、ひとあんしんですな」

亜美「さあ、レッスン! レッスン!」

P「今日はなんだかみんなの間で流行ってるらしい、ホイットニーのこの歌でレッスンしよう」

響「それって『I Will Always Love You』か?」

春香「お! じゃあここで、春香さんの汚名返上といきますか」

真「がんばれ春香ー!」

雪歩「春香ちゃーん!」

P「まあ最初は、お手本の意味も込めて千早に歌ってもらおうか」

真美「あらら」

響「でも確かに難易度高い曲だからな、千早にまず歌ってみて欲しいぞ」

亜美「頼んだよ、千早お姉ちゃん!」

千早「ええ。やりがいあるし、がんばるわ」


99:2012/08/06(月) 11:45:30.09 ID:
P「じゃあ曲、かけるぞ」

千早「♪ If I should stay~♪」

真「ひゅー! さっすがあ!」

千早「♪ I would only be in your way~♪」

雪歩「す、すごいですぅ」

千早「♪ So I'll go~♪」

響「ううっ。これは自分も、うかうかしていられないぞ」

千早「♪ But I know~♪」

真美「これ、訳すとどういう意味?」

千早「♪ I'll think of you ever step of the way~♪」

亜美「ま→ま→。今は、千早お姉ちゃんの歌に浸ろ→よ→」ウットリ

春香「さあ、いよいよサビだよね。期待しちゃうな! きっと私なんかとは違って、本物のホイットニーも焦っちゃうぐらいの……」


100:2012/08/06(月) 11:47:03.54 ID:
千早「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:千早)

ズルッ★ ガタガタガタ★

真「ちょ、千早ぁ!!!」

響「じょ、冗談きついぞ!!!」

雪歩「こ、腰を打っちゃいました……」

真美「ぷぷぷぷぷぷぷ。あの千早お姉ちゃんが……」

亜美「はるるんになっちゃった!!!」ゲラゲラ

春香「どうしたの? 千早ちゃん!?」

千早「あ、あれ? なんで!?」

P「痛てててててて……ち、千早?」

千早「私、無意識に……」

P「これはもしや……千早、直前からもう一回だ」

千早「あ、はい」

千早「♪ I'll think of you ever step of the way~♪」

春香「ここまでは……」

雪歩「いつもの千早ちゃん」

響「そしてサビの部分だぞ」


101:2012/08/06(月) 11:48:03.68 ID:
千早「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:千早)

ズルッ★ ガタガタガタ★

千早「え? ええ?? えええ???」

真美「も→! 千早お姉ちゃんってば→」

亜美「そ→ゆ→ボケとかイタズラは、亜美達に任せてほし→な→」

千早「わ、私は真剣よ!」

春香「そうだよ。千早ちゃんが、歌でふざけたりするわけないもん」

真「じゃあどうして?」

P「おそらくこれは、スピードラー●ング効果だ」

亜美「スピ→●ラ→ニング?」

春香「そうか! ここ数日、ずっとQちゃんが私のマネして歌ってたのを何回も聞き流していたから……」

響「自然に頭に入ってしまったのか!? 春香のあの歌が!!」

真美「じゃあもう、千早お姉ちゃんは歌をあきらめるしかないんだね……」

春香「ちょっと真美、それどうゆう意味?」


102:2012/08/06(月) 11:48:39.83 ID:
P「こうなったら、同じように回数をこなして矯正していくしかないな」

千早「は、はい」

P「サビの所だけ、集中的にいくぞ」

千早「わかりました……♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:千早)

P「ダメだ。もう一回!」

千早「はい! ♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:千早)

P「もう一回だ!」

千早「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:千早)

真「がんばれ千早!」

雪歩「千早ちゃーん!」

響「自分、信じてるぞ!」

真美・亜美「がんばれ→!!」

春香「千早ちゃん! 私、信じてるよ!」

千早「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:千早)


103:2012/08/06(月) 11:49:47.59 ID:
3時間後


P「よ、よし……も、もう一回だ……」ハアハア

千早「は、はい……」ハアハア

千早(集中……集中するのよ。思い描くのは……ホイットニーのあの歌声よ!!!)

千早「♪ And I~♪」

真「! や、やった!?」

響「ついにやったな! 千早!!」

雪歩「努力が実ったんだね……」ウルウル

真美・亜美「……」グーグー

春香「信じてた……信じてたよ千早ちゃん!」

千早「♪ will always love you~♪」

P「な、長かった……」

千早「♪ Will always love you~♪」

パチパチパチ☆

真美「ん? あれ→終わったの→?」

亜美「お! 千早お姉ちゃん、はるるんの歌病が治ったんだ」

春香「だから亜美! 変な病名、作らないで!」プンスカ


104:2012/08/06(月) 11:50:18.58 ID:
P「ふう。午後のレッスン、これだけで終わっちゃったな。最後にみんなで歌って終わりにするか」

春香「はい! じゃあみんなでサビの部分いくよ!!」

春香・真・雪歩・響・真美・亜美「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」

ズルッ★ ガタガタガタ★

春香「え?」

真「あれ?」

雪歩「あれぇ?」

響「これは……」

真美「真美達が」

亜美「はるるんの歌病に!?」

千早「もしかして……ずっとみんな私のおかしくなっちゃった歌を、繰り返し聞いていた……から?」

P「お、恐るべし! ス●ードラーニング効果……」ガックリ


105:2012/08/06(月) 11:50:52.24 ID:
P「みんなの矯正は、もうまた後日だな」

雪歩「ご、ごめんなさいプロデューサー。Qちゃんのせいで……」

P「まあ気にするな、雪歩。Qちゃんも悪気があってやったわけじゃないから」

Q「なによ! 響のわからずや!!」(声:折笠富美子)

響「なんだとー! 自分、わからずやじゃないぞー!!」

Q「もう、響なんか知らないんだから!!」(声:折笠富美子)

響「うがーーーっっっ!!!」

P「……悪気は……無い、んだよな……?」

雪歩「ごめんなさい。ごめんなさい。Qちゃんには私からよーく言って聞かせますから」


106:2012/08/06(月) 11:51:29.76 ID:
雪歩「ふう……ダメだよQちゃん。なんでもかんでも覚えて喋ったら」

Q「?」

雪歩「Qちゃんは意識してないかも知れないけれど、みんなに迷惑かけてるんだから」

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪♯」(声:春香)

雪歩「Qちゃん! もう、その歌だって、みんな大変な事になっちゃったんだから」

Q「……」

雪歩「いい子にしないと、ここにもいられなくなっちゃうよ?」

Q「!」

雪歩「私も、いい子じゃないQちゃんは嫌ですぅ……」

Q「……」

雪歩「Qちゃんのこと、嫌いになっちゃうかも知れないんだよ」

Q「!」

雪歩「だからもう、あんまり言葉をマネたりしないでね」

Q「……」コク

Q「うん。やっぱりQちゃんはいい子だね。よしよし」ナデナデ


107:2012/08/06(月) 11:52:37.95 ID:
一旦ここで、止まります。

今日中に、もう一回更新できたら……と思っています。


112:2012/08/06(月) 22:23:53.40 ID:
その夜、765プロ事務所


P「ふわーああ。9時か、ちょっと早いけどソファーで横になるか」

バチッ★

P「な、なんだ!? 停電か?」

P「! いや、違う。周りの建物は明かりがついてる! 消えたのは……ウチのビルだけ!?」

P「おいでなすったか!? とにかく社長室を死守しないとな」

社長室へと駆けながら、Pは警察に連絡する。
そして社長室の前で、鍵が確かにかかっていることを確認する。

P「よし、大事な物はまだ無事だな。警察が来るまで、ここは俺が死守する!」

♪ マイファーストステージ♪

P「ケータイ? この着信は雪歩か。もしもし?」

雪歩「プロデューサー! 大変です!!」

P「雪歩、悪いがこっちは立て込み中だ。余程の事じゃなければ、後でいいか?」

雪歩「それが、余程の事なんですぅ!」

その声の悲痛さで、Pは事態の深刻さを察知する。

P「どうした?」

雪歩「Qちゃん! 泥棒さんが狙っているのは、Qちゃんなんですぅ!!」


113:2012/08/06(月) 22:26:53.51 ID:
P「……なんだって?」

雪歩「さっきお父さんに、Qちゃんを家に避難させたいって言って事情を話したら、それはQちゃんを狙っての犯行だろうって」

P「どういう事だ? 確かQちゃんは市場に出たら40~50万の値がつくと言ってたが」

雪歩「すみません、あれは私の聞き違いだったんです! 本当はケタがひとつ違うそうなんですぅ」

P「なんだって……」

雪歩「九官鳥は今は、ワシントン条約で規制されていてすごく貴重なんだそうです」

P「そう言えば……響も最近は九官鳥なんて珍しいって言ってたな」

雪歩「もともと九官鳥は繁殖が難しいから、ほとんど野生の九官鳥を捕まえてペットにしてたそうです。両親がはっきりわかる人工繁殖で、しかも共にチャンピオンのQちゃんは超稀少な九官鳥なんです!!!」


114:2012/08/06(月) 22:31:34.50 ID:
P「あのQちゃんが、そんなレアな小鳥だって!? 確かにあの喋りは、凄いと思ったが」

雪歩「お父さんは、闇取引されていたQちゃんを保護したけど処分に困って……私が飼いたそうにしてたから、当面預けるつもりで、私に世話をさせてたそうなんです」

P(そんなレアな動物を簡単に……雪歩のお父さんは、雪歩を溺愛してるんだな)

雪歩「Qちゃんを飼っているのが、私だって事はわからなくても、どこかの芸能プロダクションでこっそり飼われている事がバレたんじゃないか、ってお父さんが」

P「それがここの所に連続した、連続プロダクション荒らしか! 目的は衣装じゃなくて、Qちゃん……」

Pはハッとした。犯人の目的がQちゃんなら、社長室にいても意味は無い!

P「Qちゃん!!!」


115:2012/08/06(月) 22:35:26.74 ID:
Pは事務所に駆け戻る。

鳥かごが無い!
と、階段を駆け降りる音が聞こえる。
近い!

P「Qちゃん! 歌え! 歌うんだ!!」

Q「……」

P「どうした? いつもの歌を、歌うんだ!!!」

Q「……」

雪歩「どうしたんですか?」

P「Qちゃんが歌わないんだ! 犯人を驚かそうとしてるんだが……」

雪歩「もしかして……私が今日、喋るなって言ったから……?」

P「ああ! 足音が遠くなる。ダメか……」

雪歩「Qちゃん……私の言いつけを守って……さらわれようとしてるのに……」ポロッ

雪歩「Qちゃーん!!! いいんですぅ!!! いいから、おもいっきり歌って!!! 歌ってえええぇぇぇーーーっっっ!!!」

Q「! ……え」

犯人「? なんだ? おとなしくしてろ、この鳥野郎」


116:2012/08/06(月) 22:37:47.39 ID:
Q「♪ えんだあああぁぁぁーーーっっっ☆☆☆♪♪♪★★★♪♪♪###」(声:春香)

犯人「う゛えええええっ!?」

ズルッ★ ガタガタガタ★ ドッシャーーーン★★★

P「ハア……ハア……やったな、Qちゃん! 耳元で春香のあの歌を大音量で聞かされたんだ。まともに階段を下りられないだろうとは思ったが」

犯人「………………」グッタリ

P「予想以上の効果だったな。でかしたぞ、Qちゃん」

Q「私のパーフェクトレッスンね~」(声:あずさ)

P「ははははは。まったくだ」

雪歩「もしもし? どうなったんですかプロデューサー?」

P「ほら、Qちゃん。雪歩を安心させてやってくれよ」

Q「♪ えんだー☆♪★♪#」(声:春香)

雪歩「Qちゃん……良かった……良かったよぉ……」


117:2012/08/06(月) 22:39:49.46 ID:
やよい「ええーー!! Qちゃん、外国へ行っちゃうんですかー!?」

P「ああ。元々の飼い主から、連絡があったそうだ。シンガポールに帰る事になるらしい」

亜美「ざんねんだな→……」

雪歩「うん……だけど、やっぱり本当の飼い主さんも心配してるみたいだし、寂しいけど……」

真「雪歩、無理しなくていいよ」

響「ほんとーは寂しいんだろ? わかるぞ」

雪歩「真ちゃん、響ちゃん……うえ……うえええ……」ボロボロ

伊織「まったく、雪歩ったら泣き虫なんだから……」グスッ

春香「ふふっ、そうだね。ほらほら千早ちゃんも、泣き止んでよ」

千早「ううう……師匠、いつか私が世界に進出したら、その時はまた指導をお願いします……」ボロボロ

P「じゃあ雪歩、お別れの挨拶をしてあげたらどうだ」


118:2012/08/06(月) 22:41:55.39 ID:
雪歩「はいですぅ……Qちゃん、元気でね。私のこと……忘れないでね」

Q「……やっぱり彼女にするなら……あの娘だよな……」(声:P)ヒソヒソ

雪歩「え? ええっ!? これって、いつかの……?」

Q「可愛くて、頑張り屋で、優しくて、守ってあげたくなる……雪歩だよな。絶対に」(声:P)ヒソヒソ

雪歩「え? ええ?? えええ???」

Q「雪歩が彼女になってくれたらなあ……」(声:P)ヒソヒソ

雪歩「そんな……本当? 本当にプロデューサーが?」

Q「……」コクッ

P「どうだ? 名残は尽きないだろうが、もういいか、雪歩」

雪歩「お礼に……教えてくれたんだね、Qちゃん」

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪#」(声:春香)

P「ははは。最後までQちゃんは、それなんだな」


119:2012/08/06(月) 22:44:09.06 ID:
雪歩「ありがとう。私、がんばってみるね」

Q「♪ えんだーーー☆♪★♪#」(声:春香)

P「さあ、じゃあお迎えの来る空港まで行こうか」

雪歩「はいですぅ。……あの、プロデューサー?」

P「ん? なんだ、雪歩」

雪歩「プロデューサーに私、言いたい事があるんです」

P「なんだ? じゃあ車の中で、ゆっくり聞こうか」

雪歩「はいですぅ」

雪歩(ありがとうQちゃん。私……勇気を出して、自分の気持ちを伝えるね……)

バタン
ブロロロロ

P「ふう、それでなんだ? 話って」

雪歩「あ、あのっ……わ、私……ぷっ、ぷろ……プロデューサーの事が……」


おわり




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