1:2016/12/05(月) 00:04:47.32 ID:iGKf4CzYo

水野翠誕生日記念SSです。誕生日おめでとう。色々あったけど今年もお疲れ様でした。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1480863886


2:2016/12/05(月) 00:05:12.78 ID:iGKf4CzYo

嚆矢濫觴ーーーこうしらんしょう

事の起こり。物事の始まり。起源。
「嚆矢」は戦争の開始の合図に敵陣を射る、音の鳴る矢、かぶら矢のこと。
「濫觴」はさかずき一杯が溢れる程度のわずかな流れということで、大きな川もその程度のわずかな流れが水源になるということ。
「觴」はさかずきのこと。
どちらも事の起こり、始まりを意味する言葉で、同じ意味の言葉を重ねて強調した言葉

(引用元→http://yoji.jitenon.jp/yojig/3230.html)

3:2016/12/05(月) 00:06:17.93 ID:iGKf4CzYo

カタカタカタカタ……


P「寒い!寒い寒い寒い寒い寒い!」

ちひろ「やめてくださいプロデューサーさん!こっちまで寒くなってくるじゃないですか!」

P「ねえちひろさん。エアコンが壊れるのって大抵夏場ですよね? なんで冬場にエアコンが壊れるんですか? 冬場にエアコンは壊れますか? おかしいと思いませんか?」

ちひろ「そんな事言ったって壊れてるもんはしょうがないじゃないですか!ヒーターも他の部署に使われてて、私達が来た時にはもう無かったし……」

P「あいつらめ、こういう時には目ざといんだよな……あーパソコンあったけえ」

ちひろ「そうだ!寒いと思うから寒いんですよ。寒いと思った時には暑いって言うようにしましょうよ」

P「いいですねそれ。早速やりましょう!」


4:2016/12/05(月) 00:06:46.99 ID:iGKf4CzYo

翠「おはようございます」

P「あ〜翠だ翠。冬でも早いなお前は」

翠「さっきから暑い暑いって聞こえてきたんですけど、普通に寒いじゃないですか。エアコンとかヒーターとかはどうしたんですか?」

P「エアコンは壊れた」

翠「壊れた!? そ、それでヒーターは……?」

P「他の部署にパクられた」

翠「パクられた!?」

P「今この部屋にはエアコンもヒーターも無いのでござるよ翠お嬢様……」

翠「無いのでござるか……」

ちひろ「何やってるんですか二人とも」

5:2016/12/05(月) 00:07:13.34 ID:iGKf4CzYo

P「そういえば翠、もうすぐ誕生日だったよな」

翠「そうですね。昔は実家で祝ってもらっていたのですが、今はこの事務所で祝っていただけるようになりまして」

P「欲しい物とか無いか? ライブとかもあったし、最近翠頑張ってたからな」

翠「欲しい物、ですか……」

P「翠の欲しい物言っていいぞ。俺の手の届く範囲ならな」

翠「……少し、時間をいただいてもよろしいでしょうか?」

P「いいぞ。まだ時間はあるからな。ゆっくり考えてくれ」

6:2016/12/05(月) 00:07:57.65 ID:iGKf4CzYo

数日後------


翠「プロデューサーさん」

P「どうした翠?」

翠「誕生日に欲しい物、決まりましたので。これを見てください」

P「何々……プロデューサー1日借用券? 何だこれは?」

翠「名前の通り、プロデューサーさんを1日借りる券ですよ。」

P「俺なんか借りても何も起きねえぞ」

翠「そんな事は無いですよ。プロデューサーさんは、弓道しか無かった私の世界を広げてくれました。プロデューサーさんといると、必ず何かが起きる予感がするんです。」

P「翠、本当に俺でいいのか?胡乱な魔法使いはシンデレラを連れ回しちまうぞ」

翠「今更そんな事、言いっこ無しですよ。今年はプロデューサーさんに祝ってもらいたいんです。私の誕生日を」

P「わかったよ。なら当日、どこで待ち合わせるか……」


7:2016/12/05(月) 00:08:29.46 ID:iGKf4CzYo


当日------


翠「お待たせしました!」

P「ちょうど俺も着いた所だよ。誕生日おめでとう、翠」

翠「ありがとうございます。今日1日もっともっと祝ってもらいますからね♪」

P「なるべく、俺の手の届く範囲で頼むよ」


8:2016/12/05(月) 00:09:01.06 ID:iGKf4CzYo

P「今年1年、本当に頑張ってくれたよな、翠は」

翠「プロデューサーさんの支えがあったからこそ、できたんですよ。プロデューサーさんがいなければ、必ずどこかで詰まっていたはずです」

P「そこまで褒められると、なんだか照れるな」

翠「こういう時でないと、感謝の気持ちは伝えられませんから」

P「感謝ね……翠に相応しいプロデューサー、ちゃんとやれてるのかね、俺は」

翠「十分やれていますよ。十分すぎるくらいに」

P「だったらいいが。俺も翠のプロデュース、頑張るからな。」

翠「これからも私のプロデュース、よろしくお願いしますね」

9:2016/12/05(月) 00:09:56.13 ID:iGKf4CzYo

翠「もうすっかり冬になってしまいましたね。ちょっと前まで凄まじく暑かったのに」

P「まったくだ。つい先日まで夏かと思ってたのに、急に寒くなっちまって」

翠「季節は巡るものと言いますが、こうも早く巡ってしまっては、準備も何もできたものではありませんね」

P「夏が来る前は夏の準備、冬が来る前は冬の準備くらいさせてくれって話だよな」

翠「準備と心構えと、その他色々、ですよね」

P「そうだそうだ。夏が来る覚悟と、冬が来る覚悟、その他色々だな」

10:2016/12/05(月) 00:10:24.88 ID:iGKf4CzYo

翠「ここのレストラン、周子さんの行きつけらしいですよ。この前教えていただきました」

P「レストランって、割烹じゃねえか!あんにゃろ、俺に隠れてこっそり飯食いに行ってやがったな?」

翠「周子さんが京都時代によく通っていた割烹なんですって。 この前"なんでこの店が東京にあるん!?"って、驚愕してましたよ」

P「なるほど……」

翠「プロデューサーさんになら教えてもいいって、周子さんから許可は貰いました」

P「もう昼だし、ここで食べてから色々回っていこう」

翠「はい!」

P「さて、何にするか……」

翠「どれにしましょうか……」

11:2016/12/05(月) 00:10:50.85 ID:iGKf4CzYo

P「前から思ってたけどさ、翠って結構食べるよな」

翠「そういうの、他の子に言ったらダメですよ」

P「おっと」

翠「食べる方なのは自覚しているつもりです。弓道も弓引いてるだけに見えて、精神的にも肉体的にも、結構体力使うんですよ」

P「そうなのか」

翠「最近はようやく自分でも料理できるようになりまして。東京で一人暮らしなのに自炊できないのも良くなかったんですけど」

P「ほう!なら今度、ご馳走になりに行くとするかな……」

翠「プロデューサーさんがですか!? まだプロデューサーさんに食べさせる料理なんてとても作れませんよ!?」

P「翠が自分の腕を信じて作った物なら、なんでも美味くなるだろうよ」

12:2016/12/05(月) 00:11:25.64 ID:iGKf4CzYo

翠「……なら、弁当はどうでしょうか? プロデューサーさん、いつも海苔弁当・カレーピラフ・カップ麺のローテーションでしょう。」

P「あれ? なんでバレてんの?」

翠「みんな噂してますよ。プロデューサーさん三日前と同じ物食べてるって。弁当ならプロデューサーさんのお口に合うのを作れると思いますから」

P「それじゃあ、翠弁当の完成を楽しみに待ってるよ」

翠「おまかせください!」

13:2016/12/05(月) 00:12:07.87 ID:iGKf4CzYo

翠「これはどうでしょうか?」

P「似合う」

翠「ならこちらは?」

P「似合う似合う」

翠「プロデューサーさん、本っ当に見ていますか?」

P「しょーがねーだろ! 翠がなんでも似合うのが悪いんだぞ!」

翠「私ですか!?」

14:2016/12/05(月) 00:12:33.16 ID:iGKf4CzYo

P「おっと、このカフェは……」

翠「はい。4月に行ったオープンカフェです。4月の頃は桜が舞っていたのですが、もう12月ですから落ちかけの紅葉ですね」

P「んん……」

翠「どうしたんですか?」

P「いや、本当に時が経つのって早いんだなって。4月の頃なんて、まだまだ12月なんて先だろうと思ってたのに、いつの間に12月なんだもんな」

翠「そうですね……本当にあっというまの1年でした」

P「思えば遠くへ来たよなあ。昔の翠なんて、ピンピンの新人だったのに、今ではライブやら公演やら色んな仕事やってるもんな」

翠「昔の話は……あんまりしないでいただけると……」

P「はは、そうだな。大事なのは昔より今。今より未来だよな。」

翠「それでも、プロデューサーさんがいたからこそ、ここまで来る事ができたんです。そしてこれからの歩みも、プロデューサーさんがいなければ、歩み続ける事はできないでしょう。これからも、よろしくお願いします。プロデューサーさん」


15:2016/12/05(月) 00:13:01.44 ID:iGKf4CzYo

P「流石に冬となると、暗くなってくるのも早いな」

翠「そうですね」

P「誕生日のお祝い、お気に召していただけましたでしょうか?翠お嬢様」

翠「大儀であったぞ!流石は私のプロデューサーと言った所だな!」



P「……たまにはいいだろ。事務所の喧騒とは程遠い、ひっそりとした誕生日も」

翠「実家でも私の誕生日となると、飲めや歌えやの大騒ぎで。こういう誕生日は始めてです」

P「ははは、飲めや歌えやと来たか。そいつはまた……」

翠「父も祖父もみんな騒ぐので、私の誕生日をダシにしてるんじゃないかと、当時は思ってしまいました」


16:2016/12/05(月) 00:13:32.90 ID:iGKf4CzYo


P「今年1年お疲れ様、水野翠。来年も、一歩ずつ一歩ずつ、着実に歩いていこうな」

翠「ありがとうございます。プロデューサーさん。来年も応援してくれるファンの心を、しっかりと射止めていきますよ」

P「ファンの心を射止める……翠らしい台詞だよ、全く」

翠「水野翠と言えば、弓道とアイドルですからね」

P「俺も来年は、翠にピッタリの仕事、持ってくるからな」

翠「また公演ですか?」

P「ンンン……公演はもうしばらく無しだ。これ以上やると翠のイメージに関わりかねないからな」

翠「おや、強気な翠はお嫌いですか?」

P「嫌いじゃないんだけど、その、な?なんというか……」

17:2016/12/05(月) 00:14:04.83 ID:iGKf4CzYo


翠「プロデューサーさん、目を瞑っていただけますか?」

P「何するんだ」

翠「いいから、早く瞑ってください」


翠「瞑りましたね? いいですか?」

P「何だ? 何だ?」

18:2016/12/05(月) 00:14:31.90 ID:iGKf4CzYo



翠「いつかプロデューサーさんの心も、射抜いて見せますから」




19:2016/12/05(月) 00:15:00.93 ID:iGKf4CzYo




P「なっ……翠! お前今……!」


翠「また明日! 事務所で会いましょう!」




20:2016/12/05(月) 00:15:28.73 ID:iGKf4CzYo



おしまい

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