1:2014/11/03(月) 23:00:40.68 ID:QJV6s4zs0


双葉杏「ねぇ、プロデューサー」


P「どうした?」


杏「ちょっと聞いてほしいんだけどさ」


杏「夢を見たんだよ」


P「……?」


P「あんずのうたか?」


杏「違うよ、本当に夢の話」


杏「なんかね、海にいたの」


杏「浮き輪でぷかーって浮いてる感じ」


P「へぇ」


杏「そしたらね、どんどん流されちゃって」


杏「気付いたらさ、みんながちっちゃく見えるくらいになっちゃってたの」


P「それは怖いな」


杏「でしょ?」



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2:2014/11/03(月) 23:02:28.43 ID:QJV6s4zs0


杏「そしたらさ、誰かが『こっちじゃないよ』って言ったんだ」


杏「近くに誰も居ないのにね」


P「そして、どうなったんだ?」


杏「誰かがさ、杏の浮き輪にロープ付けてたの」


杏「そのまま引っ張ってもらって、助かったんだ」


P「そうか」


杏「でもね、なんか怖くなかった」


P「流されたのに?」


杏「うん。助けてもらえるって、最初から分かってたから」


P「へぇ」


杏「それで、海岸に戻ってきたら目が覚めたの」


P「そうか」


杏「変な夢だよねー」


P「まあ、夢だからなぁ」




3:2014/11/03(月) 23:04:04.84 ID:QJV6s4zs0


――――

杏「ねぇ、プロデューサー」


杏「今日も夢を見たんだよ」


P「今日はどんなだったんだ?」


杏「ずーっと空を見てたの」


杏「青くて綺麗だなーって」


P「へぇ」


杏「そのままぼーっとしてたら、ふわーって身体が浮かんでさ」


杏「空を飛んでるわけじゃないけど、宙に浮いてたの」


P「なんだかいつも浮かんでないか?」


杏「あ、確かに」


杏「それでさ、杏は歩かなくてもいいから楽だなーって思ったんだ」




4:2014/11/03(月) 23:06:15.36 ID:QJV6s4zs0


杏「そしたらさ、浮かんだのはいいんだけど降りられなかったんだよね」


P「ああ」


杏「困ったなーって思ってたら、きらりが来てくれたの」


杏「遠くからだとあんま分かんなかったけど、空飛んでる杏よりもおっきくてさ」


杏「そのままきらりが捕まえてくれて、肩に乗せてくれたんだ」


P「きらり凄いな」


杏「だよね」


杏「きらりもさ、『杏ちゃん、飴食べゆー?』っていつも通りなの」


P「今の似てたな」


杏「えー、そうかなぁ」


杏「……でさ、飴貰ったんだけど」


P「貰ったけど?」


杏「飴もきらりサイズだったんだ」


P「そりゃ残念だったなぁ」


杏「うん。杏より大きいんだもん」




5:2014/11/03(月) 23:10:02.06 ID:QJV6s4zs0


――――


杏「ねぇ、プロデューサー」


P「どうした?」


杏「なんか変な夢を見たんだけどさ……ちょっと聞いてよ」


杏「気付いたらさ、身体が縛られてて動けなかったの」


P「へぇ」


杏「頑張っても全然だったから、もういいやーって諦めたんだ」


P「夢の中でも杏らしいな」


杏「褒めてるの?」


P「さあ?」


杏「……そう」


杏「そしたら、何かがほっぺに落ちてきたの」




6:2014/11/03(月) 23:12:23.31 ID:QJV6s4zs0


杏「上を見たらさ、天井の隙間から水が垂れてて」


杏「そのまま部屋に水が溜まって溺れる!って思ったの」


P「……怖いな」


杏「でしょ?ほっぺに水が落ちてくるし、動けないしでどうしようもなくて」


杏「どうしよーって思ってたら、いきなり身体が軽くなったんだ」


P「軽くなった?」


杏「うん、それで目が覚めたんだけど……」


杏「杏、仮眠室で寝てたんだ」


P「?」


杏「ヒョウくんがさ、杏の上に乗ってたみたいで」


杏「小春に謝られたよ。ヒョウくんがぺろぺろしてごめんなさいって」


P「あー……。そりゃ身体も動かないよな」


杏「うんうん」




7:2014/11/03(月) 23:15:27.60 ID:QJV6s4zs0


――――


杏「プロデューサー」


P「どうした、杏?」


杏「杏、夢を見たんだよ」


P「そうか。どんな夢だったんだ?」


杏「覚えてない」


P「そっか」


杏「うん……それだけ」


P「……杏、コーヒーでも飲むか」


杏「うん。あと飴」


P「今舐めたら、コーヒー苦くなるぞ?」


杏「いいよ別に。それより飴」


P「はいはい」




8:2014/11/03(月) 23:18:38.25 ID:QJV6s4zs0


――――


杏「ねぇ、プロデューサー」


P「どうした」


杏「ちょっといい?」


P「ああ」


杏「じゃ、ちょっと失礼……よいしょっと」


P「……?」


P「どうした?俺の膝なんか座って」


杏「……別に?」


P「そうか」


杏「だめ?」


P「いいけどさ」


杏「……ありがと、プロデューサー」




9:2014/11/03(月) 23:20:07.23 ID:QJV6s4zs0


P「悪い夢でも見たのか」


杏「……」


P「図星だな」


杏「……夢の中で起きたらさ、誰もいなくなってたの」


杏「事務所にいるのに、プロデューサーもきらりも、誰もいなくて」


杏「怖くなって、ずっとソファで寝てたんだ」


P「……そうか」


杏「うん」


P「飴、食べるか」


杏「……ありがと」


P「今日はいい夢見れるといいな」


杏「……そうだね」




11:2014/11/03(月) 23:22:43.05 ID:QJV6s4zs0


―――――


杏「今日はね、楽しい夢だったよ」


P「そうか。良かったじゃないか」


杏「うん」


杏「なんかね、プロデューサーとドライブしてた」


杏「都会だったり、森の中だったり、色んな所を走ってたね」


P「へぇ」


杏「どこ向かってるの、って聞いてもさ」


杏「『どこだろうな』って、プロデューサー教えてくれなかったよ」


P「そうか」


杏「夢の中でまでプロデューサーしなくていいよ、ほんとに」


P「そう言われてもなぁ……杏の夢の中だぞ?」


杏「勝手に入ってこないでよ」


P「勝手に俺を夢に出すなよ」




12:2014/11/03(月) 23:24:13.85 ID:QJV6s4zs0


杏「……まあ、それでさ。途中まで二人きりだったんだけど」


杏「いつの間にか隣にきらりが座ってて、助手席にちひろさんがいて」


杏「ぼやーっとしか分かんなかったけど、みんなで出掛けてるんだなって思ったの」


P「楽しそうだな」


杏「……たまには悪くないかなって思うよ」


P「……珍しいな、杏がそう言うの」


杏「プロデューサーがおぶってくれるならねー。もしくはきらり」


P「はいはい」



P「ああ、そろそろレッスンの時間だな」


杏「えー……もう少しゆっくりしてようよ」


P「はいはい。そうだ、帰りどこか連れてってもいいぞ」


杏「……そう?」


杏「……じゃあ、プロデューサーに任せる」




13:2014/11/03(月) 23:28:06.33 ID:QJV6s4zs0


――――


杏「ねぇ、プロデューサー」


P「どうした?」


杏「杏、夢を見たんだけどさ……」


P「?」


杏「由愛が出てきたんだ」


P「由愛か」


杏「うん。由愛だった」


P「……」


杏「……」


杏「それだけだよ」


P「そうか」





14:2014/11/03(月) 23:29:23.81 ID:QJV6s4zs0


――――


杏「プロデューサーはさ、夢見ないの?」


P「俺か?」


杏「うん。いつも杏ばっかり話してるし」


P「そうだな……でも、あんまり覚えてないぞ」


杏「そっか」


P「気になるのか?」


杏「まあね」


P「……分かった。明日覚えてたらな」


杏「うんうん。いい夢見てね」


P「どうだろうなぁ」


杏「今すぐ寝てもいいんだよ?仕事置いといてさ」


P「それは駄目だ」




15:2014/11/03(月) 23:32:34.64 ID:QJV6s4zs0


杏「……で、どうだったの?」


P「ああ。杏が出てきた」


杏「……どんな夢だったの?」


P「舞台裏でさ、だるそうな顔しながら衣装着てて」


P「やる気なさそうにステージに向かうんだ」


杏「へぇー……」


P「でも、スポットが当たったら、ちゃんとみんなの前でアイドルしててさ」


P「ライブの最後の方なんか、ファンと一緒に楽しそうに笑ってるんだ」


杏「……」


P「そんな風になってほしいって思った」


杏「……あれ、夢の話だよね?」


P「……夢の話だぞ?」


杏「そっちの夢じゃないよ」


P「まあ、まあ。思い出せなかっただけだよ」


杏「まったくもう……」




16:2014/11/03(月) 23:35:21.98 ID:QJV6s4zs0


――――


杏「今日は事務所で寝てたら、プロデューサーがやってきて」


杏「レッスン休みにしたぞーって言ってくれてさ」


杏「ラッキーって思ってたら、仕事が入ったんだ」


杏「お仕事やだなーって思ってたら、それがゲームの先行プレイのお仕事でさ」


杏「カメラで撮られてる以外は自由にゲームしてていいって言われて」


杏「スタッフさんから飴も貰って、ほんとにやったーって思ってたんだよ」



P「ほう?」


杏「……という、夢を見たんだ」


P「他に言うことは?」


杏「……寝坊してごめんなさい」


P「今日がレッスンだけの日で良かったな。ちゃんとトレーナーさんにも謝るんだぞ」


杏「……本当にごめん、プロデューサー」


P「過ぎたことは仕方ないさ。次から気を付けような」




17:2014/11/03(月) 23:36:38.47 ID:QJV6s4zs0


――――


杏「……っ!」ガバッ



杏「あ……」


杏「うわ、汗びっしょり」


杏「……はぁ」




P「またか」


杏「うん」


P「意外と寂しがり屋なんだな」


杏「杏は一人じゃ生きていけないからね」


P「人としてどうなんだそれ」


杏「養ってもらうからいいよ……プロデューサー、飴」


P「はいはい」




18:2014/11/03(月) 23:39:54.17 ID:QJV6s4zs0


――――


ガチャッ


P「お疲れ様です……って、誰も居ないな」


杏「あれ、ちひろさんは休みだっけ」


P「そうだけど……誰かしらアイドルいると思ったんだがなぁ」


杏「そんなこともあるよね……ふわぁ」


P「眠いのか」


杏「……今日はいっぱい働いたからね。しばらくは休ませてもらうよ」


P「明日からレッスンだけどな」


杏「えー……」


P「まあ、まあ。将来のためだ」


杏「明日より今日だよ」


P「はいはい」




19:2014/11/03(月) 23:42:17.17 ID:QJV6s4zs0


P「コーヒー淹れたけど飲むか?」


杏「今日はいらない……それよりほら、座って座って」


P「ん、ああ」


P「どうした、杏?」


杏「よいしょ」ゴロンッ


杏「……プロデューサーの膝、固いね。枕失格だ」


P「じゃあどけてくれ。仕事するから」


杏「えー……せっかく杏が膝枕させてあげてるんだから、もう少し喜ぼうよ」


P「枕失格なのにか」


杏「そこはほら、努力してよ」


P「無茶言うな」


杏「……仕方ないなぁ。杏が折れてあげよう」




20:2014/11/03(月) 23:43:46.55 ID:QJV6s4zs0


杏「それじゃ、おやすみ……」


P「おい、ちょっと待てって……」


P「……杏?」


杏「……んぅ」スゥ


P「おいおい……いくらなんでも、早すぎだろ」



P「はぁ……仕方ないか」


P「……にしても」


杏「ふふ……」


P「いい寝顔だな。一枚失礼して……」パシャッ


P「……いい夢見れるといいな、杏」


杏「んー……」スヤスヤ




21:2014/11/03(月) 23:46:23.31 ID:QJV6s4zs0


――――


P「んー……もう少しで終わるかな……」カタカタカタ……


杏「……あのさ、プロデューサー」


P「……どうした、杏?」


杏「この前、プロデューサーの膝枕で寝てたじゃん」


P「ああ、あれか」


杏「……なんかね、あんまり覚えてないんだけど」


杏「すっごくいい夢だったんだ」


P「へぇ」


杏「なんとなく思ったんだけどさ」


杏「プロデューサーと一緒だったら、いい夢が見れるかもしれないって思ったの」


P「……はい?」


杏「だから、プロデューサーと一緒だったら」


P「いや、聞こえてるから」




22:2014/11/03(月) 23:49:01.07 ID:QJV6s4zs0


P「杏が俺と一緒に寝るといい夢見れる?」


杏「うん。多分」


P「……気のせいじゃないか?」


杏「確かめてみようよ。本当に杏がいい夢見れるかどうか」


杏「という訳でさ。今日泊めてよ、プロデューサー」


P「……はい?」


杏「プロデューサー、今何時か知ってる?」


P「何時って……おい、もう日が変わって……」


杏「杏さー、門限の時間破っちゃってるんだよね」


P「どうしてそれを早く言わない?」


杏「だって、言ったら確かめられないじゃん」


P「全く……早く準備しろ、送ってくから」


杏「いいよ別に。帰っても帰らなくても、どうせ怒られるんだし」




23:2014/11/03(月) 23:50:59.26 ID:QJV6s4zs0


杏「待っててあげるからさ、早く仕事終わらせなよ」


P「杏」


杏「ほら、帰るの遅くなっちゃうよ」


P「……はぁ」


P「もういい、分かったから」


杏「泊めてくれるの?」


P「……今回だけだからな」


杏「やった!」


杏「……ありがと、プロデューサー」


P「親御さんにどう説明すりゃいいんだよ……全く」


杏「その時はその時だよ」


杏「……大丈夫、まだプロデューサーにはプロデューサーでいてほしいからね」


P「頼むぞ、本当に」




24:2014/11/03(月) 23:52:48.15 ID:QJV6s4zs0


――――


杏「……へー、意外と片付いてるんだね」


P「酷い言い様だな……ほら、ベッド使っていいぞ」


杏「あれ、プロデューサーはどこで寝るの?」


P「どこって、少なくともベッドで一緒には寝れないだろ……」


杏「えー……それじゃ何のために来たのか分からないじゃん」


杏「それにプロデューサーのこと信用してるから、こんなこと言ってるんだよ」


P「杏……」


杏「……ほら。プロデューサーは明日も早いんだし、早く寝ようよ」


杏「杏からは何もしないし、プロデューサーも杏に何もしないって、信じてるから」


P「……何が杏をここまで突き動かすんだ」


杏「いい夢のためだよ」


杏「……たぶん」




25:2014/11/03(月) 23:54:21.56 ID:QJV6s4zs0


パチッ


杏「……おやすみ、プロデューサー」


P「ああ。おやすみ」



杏「……」


杏「ん……」



杏「ねぇ、プロデューサー」


P「どうした」


杏「あのさ……手、握っていい?」


P「……好きにしろ。ほら」


杏「えへへ……ありがと」




26:2014/11/03(月) 23:57:07.10 ID:QJV6s4zs0


杏「プロデューサーの手、あったかいね」


P「そうか?」


杏「うん……なんか、落ち着く」


P「そりゃどうも」




P「……いい夢見ろよ、杏」


杏「うん。プロデューサーこそ、いい夢見なよ」




杏「それじゃ……おやすみなさい、プロデューサー」





27:2014/11/04(火) 00:00:21.81 ID:rCM7QfiN0


――――


杏「……んっ」パチッ


杏「あれ……そっか、プロデューサーの家だっけ……」


杏「……ふふ」



杏「ねぇ、プロデュー……」


杏「あれ……?」キョロキョロ


杏「……プロデューサー?」



P「どうした、杏?」


杏「わっ!?」


杏「あ、えっと……おはよう、プロデューサー?」


P「おはよう、杏」


杏「……いなくなったかと思ったんだけど」


P「起きるのが遅いだけだぞ……ほら、飯食うか」


杏「……うん」




28:2014/11/04(火) 00:01:49.04 ID:rCM7QfiN0


杏「……ねぇ、プロデューサー」


P「どうした?」


杏「……杏さ、今日はいい夢見たよ」


P「……良かったな」


杏「うん」


P「どんな夢だったんだ?」


杏「えっとね……」ジーッ


P「……?」


杏「プロデューサーがね、ずっと甘やかしてくれる夢」


杏「ちゃんと杏のわがまま聞いてくれるんだ」


P「へぇ、どんなわがまま言ったんだ?」


杏「……それは、内緒」


P「そうか」




29:2014/11/04(火) 00:04:17.61 ID:rCM7QfiN0


杏「やっぱり、プロデューサーと一緒だといい夢見れるみたい」


P「そんなまさか」


杏「でも、本当だったもん」



杏「……ねぇ、プロデューサー?」


P「なんだ?」


杏「……いつもとは言わないからさ、また怖い夢見たら……いい?」


P「……」



P「次からは、ちゃんと泊まるって言うんだぞ」


P「……電話、掛かってきてたからな。ちゃんと理由を話して謝ること」


杏「……うん」




30:2014/11/04(火) 00:06:22.15 ID:rCM7QfiN0


杏「ありがと、プロデューサー」


P「俺は何もしてないけどな」


杏「……ううん。そんなこと、ないよ」


P「……はぁ」



P「これは、お互いの夢のためだからな」


杏「……うん」


杏「夢のため、だからね」




31:2014/11/04(火) 00:09:39.06 ID:rCM7QfiN0

終わり


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元スレ:
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1415023230/

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