1:2012/12/14(金) 16:24:02.11 ID:aAuWRsBs0


  It,and where not even

  Were rejected from all

  Future of the despair


…Only one God and the one girl

Continue to believe each other

for a never-ending to Keep dreaming…












SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1355469841



2:2012/12/14(金) 16:24:32.11 ID:aAuWRsBs0

私は目を覚ます

鹿目まどかを助けるため




でも、ここは病室では無かった

至って普通の部屋で、普通のベッドに寝ていた


…見知らぬゲーム機がある

ほむら「NASU…?」


3:2012/12/14(金) 16:25:00.45 ID:aAuWRsBs0

ベランダに出てみる

…どうやら夜のようだ

ほむら「ここは…何なの?」

QB「ここは空間の狭間だよ」

背後で見覚えのある生物がいた

QB「君の能力、時間遡行」

QB「その能力を使って何度も平行世界を造り上げた結果」

QB「君はどれでも無い世界に到達した」

QB「いや、世界といっていいのかも分からない」

QB「空間のほこりの様なものだ」


4:2012/12/14(金) 16:27:24.45 ID:aAuWRsBs0

QB「恐らく因果律が歪んで、概念ともつかない世界に辿り着いたのだろう」


そんな難しい話を半分ほど飲み込みつつ

ほむらはキュゥべえに訴える


ほむら「まどかは、鹿目まどかは、どこなの?」

QB「彼女は、存在しない」

QB「彼女はどこかの時間軸で契約し、世界の法則をねじ曲げた」

QB「その結果、宇宙が再構成されて」

QB「暁美ほむらも、鹿目まどかも救われるという結果に行き着いた」


5:2012/12/14(金) 16:28:17.12 ID:aAuWRsBs0

私は心の中で狂喜した

そうだ、鹿目まどかを無事に救える世界

私は、いつか必ずそれを成し遂げる事が保証されたのだ


しかし、次の言葉は冷たかった


QB「彼女が世界を救ったかわりにできあがったのが」

QB「この混沌とした世界」

QB「君は、ここから逃げることは不可能だ」


6:2012/12/14(金) 16:29:14.49 ID:aAuWRsBs0

ほむら「…なんですって」

QB「ここは鹿目まどかの生み出した、どれでも無い世界」

QB「場所も、時間も曖昧で」

QB「現に、ここから外に出ることはできない」

…ここで、気づいた

盾が、消えている

だが、ソウルジェムは残っていた

一応魔法少女としての姿には変身できるようである


QB「君がここから出られる確率は僕にも分からない」

QB「ただ常識的に考えて不可能さ」

QB「そして、もう一つ」


7:2012/12/14(金) 16:29:57.21 ID:aAuWRsBs0

QB「この世界は、まどかが生み出した理想の世界と対になっている」














QB「つまりこの世界は、どう足掻いても絶望だ」


8:2012/12/14(金) 16:31:06.70 ID:aAuWRsBs0

VIPから移動しました
まどマギと、ゆめにっきのコラボです
オリジナル設定が強いと思います


10:2012/12/14(金) 16:32:50.41 ID:Wy4MM31Ao

ゆめにっき!楽しみです!


11:2012/12/14(金) 16:32:58.62 ID:aAuWRsBs0

ほむら「…それだけ聞けば十分よ」

QB「そうかい?…まあ、この世界は何をしても自由だ」

QB「この世界でのバイパスは、夢を見ること」

QB「現実があてにならない以上、君自身の夢の中を探すべきだと思うよ」


そんな話が信じられる筈は無い

だがコイツの言うことは8割9割本当だ

とりあえず、部屋をいろいろ調べてみる


12:2012/12/14(金) 16:34:07.75 ID:aAuWRsBs0

ほむら「……」


普通のベッド

普通の勉強机

そして、普通の部屋

ただ何となく、薄気味悪いのが気になる


カラーバーのテレビ

そして、見覚えの無いゲーム機


ほむら「…飽きそうね」


13:2012/12/14(金) 16:35:11.15 ID:aAuWRsBs0

とりあえず、NASUをプレイしてみる

……これまた、ハまりそうで、すぐ飽きるゲームの典型だった

本棚も当たり障りのないものばかり



そして、問題のドア

いくら引っ張っても、押しても、ビクともしない

盾が無いため、銃や爆弾で壊すこともできない

でも、何だか扉の向こうには


恐ろしい「何か」がいる

…そう思えた

早くも気が滅入ってしまったのだろうか


14:2012/12/14(金) 16:37:45.21 ID:aAuWRsBs0

さて、あらかた見尽くした後で

散らかった紙切れを整理してベッドに横になる


…眠れない


ふと側に目をやると、睡眠薬があった

消耗品だ、大事に使っていこう


ほむら「…」ゴクリ

かつて私も長いこと病院にいただけあって

こういう薬を飲むのにも、そんなに迷いは無かった


…ゆっくりと、急速に瞼が重くなる



15:2012/12/14(金) 16:38:15.09 ID:aAuWRsBs0




待ってて、まどか

この世界から、繋がった糸口を探し出してみせる









16:2012/12/14(金) 16:40:58.41 ID:aAuWRsBs0

…気づくと、私はベランダにいた

特に現実と変わりは無い

ただ、テレビに映った眼が、夢であることを実感させた

とりあえず、部屋からゲームが消えている


ほむら「…でも、ここからどうすれば良いのかしら」

ベッドにまた横になったり

とりあえずウロチョロして5分…


…あったではないか

長い、終わらない旅への入り口が


17:2012/12/14(金) 16:42:36.50 ID:aAuWRsBs0

…そこは、魔女の結界に似た、嫌な世界

数えて12の扉が、円形に並べられている

私も、そこまで怖くは無かった

きっと魔女の結界に慣れてしまったと思うと、今度は自分が嫌な気分になる

…いけない、それこそ、この世界の思う壺よ

と自分を励ますと、重要な事に気づいた


…グリーフシードは、どこだろう

ソウルジェムは、グリーフシードで浄化しなければ、魔女化してしまう

グリーフシードはいつも盾に保管していたのだ


18:2012/12/14(金) 16:46:07.85 ID:aAuWRsBs0

QB「心配する事は無い」

振り返ると、憎らしい生き物がちょこんと座っている

ほむら「…どういうことよ」

QB「夢は所詮夢だから、ソウルジェムが濁ることはないんだ」

QB「だから、グリーフシードという存在は無い」

QB「よって、魔女が現れるわけではない」


その変わり…とキュゥべえは念を押す


QB「この世界はグリーフシードが無いから」

QB「ソウルジェムの濁りも、輝きも、全て君自身の気持ちに委ねられている」



…そう、この世界はグリーフシードはおろか、魔女という存在が無いため

私の心も持ちようによって私の命は左右されると言うことだ

前に聞いた、マイナス思考は寿命が縮むとか言うのは

まさしくコレではないかと思った


19:2012/12/14(金) 16:49:07.72 ID:aAuWRsBs0

ほむら「心配する必要は無いわ」

ほむら「私は鹿目まどかを救える保証がある」

ほむら「何が何でも、この世界を抜け出してみせるわよ」


…正直に打ち明ける、私は鹿目さんとの約束が、重石になっていた

時折、どうでも良くなってしまうことがあった

でも、私は絶対にまどかを救えるのだ

やるしかないではないか



…それが、途方も無い巨大な十字架となって、私を苦しめることは

まだ想像できなかった、したくもなかった


20:2012/12/14(金) 16:50:42.01 ID:aAuWRsBs0

ほむら「…どの扉から入ろうかしら」

12個の扉、少し迷いがあった

どこにいけば一番理想の脱出に近いのか

考えあぐんで、私は7時の方向の扉を選んだ


おそるおそる、扉を開くと同時に

猛烈な寒さが私を襲った…はずだった


…寒くない



21:2012/12/14(金) 16:53:05.35 ID:aAuWRsBs0

そこは、一面が銀色の、雪原の世界

ものすごく寒いはずなのに、まるで寒く無かった

蓋を開ければ、大したことの無い世界だった

…ただ、この広さ、この雪の中では確実に迷子になってしまう

周りの木の配置を覚えて、しばらく歩いた


…広い

始まったばかりの私の不安を、示しているようだった



22:2012/12/14(金) 16:54:40.22 ID:aAuWRsBs0

…なんだろう

近づくと、かまくらがあった

その近くには、妙な生き物

体が人で、頭が鳥

私がいつかの時間軸で見た使い魔Gotzと、似ても似つかぬ…

…鳥か、人間か


これが、私が鳥人間を最初に見た時に思った感想である

…そして、肝心のかまくらには何も無かった


どうやら鳥人間は人畜無害のようである

ほっといて、私はまた歩き始める



23:2012/12/14(金) 16:56:03.33 ID:aAuWRsBs0

…どうやら戻ってきてしまったようだ

人間は迷うとまっすぐ進んでいても実は回っているとか

今度はいっそ本当にブラブラしてみよう

大丈夫、これは夢だ

頬でもつねれば起きるはずだろう

そして、ただ当てもなく彷徨っていると…




…なんと雪女がいた



24:2012/12/14(金) 16:58:03.02 ID:aAuWRsBs0

ほむら「あの…」

ほむら「ちょっと、良いですか?」


…我ながら何をしているのだろう

雪女とは会話が通じなかった


QB「おめでとう、君は雪女のエフェクトを手に入れたよ」


…またも、雪の色に紛れてコイツがいた


ほむら「…エフェクトって何よ?」

QB「簡単に言うと、夢の中だけで使える君の能力さ」

QB「僕等も調査したが、全部で24個あるみたいだ」

QB「当面は、コレらを集めて見るのも手の一つだね」



27:2012/12/14(金) 17:02:57.21 ID:aAuWRsBs0

気がつくと、盾がまた復活している

だが、出てきたのはグリーフシードでも銃火器でも無く…

一つのタマゴの様な物だった

白く、つぶつぶしている

ほむら「…これは?」

QB「今君が手に入れた『ゆきおんな』のエフェクトさ」

QB「これは、ほぼ魔法が使えない君に残された新しい能力と言ってもいい」


確かに、よく見ると時間の砂が無くなっている

…集めていくしかなさそうだ



28:2012/12/14(金) 17:03:42.89 ID:aAuWRsBs0

当ても無いので、また歩き出す

キュゥべえは知ったこっちゃない

どうせ嫌でもヒョッコリ出てくるに決まっている





…集落かと思えば、全てかまくらだった

5つのかまくらがある

その一つには鳥人間がいた

そっちはどうでもいいが、もう一つのかまくらの中には、見覚えのある少女がいた

…美樹さやかである



29:2012/12/14(金) 17:05:59.65 ID:aAuWRsBs0

私は、嬉しかった

私の、知っている人がいたのが、素直に嬉しかった


そして、彼女が膝を抱えて寝ていることにも気づいた


ほむら「さやか!さやか!!」ユサユサ


こんなところで寝たら凍死してしまう!

防寒対策をしているところを見ると、彼女も迷ったのだろうか…



30:2012/12/14(金) 17:09:37.33 ID:aAuWRsBs0

だが、さやかは全く起きない

息があるのが、なおさら私を急かす


ほむら「さやか!!ねえ起きて!起きて!!」ユッサユッサ


さっきよりも強く揺さぶり、声を張り上げる

頬を叩いても起きないとは、全くあきれた神経の持ち主だ


ほむら「起きて!さやかぁ!!」パチン!パチン!


…私がどんなに一生懸命揺すっても、体育座りの姿勢を保ったまま動かない

それは奇跡と言うか、何ともさやからしい

でも、起きて、私に文句の一つを言ってもらわなくてはいけない

そうじゃなければ…そうでなくては…!


31:2012/12/14(金) 17:13:07.20 ID:aAuWRsBs0

……どれだけの時間が経ったのか

息はあれども、決して眼を開けてはくれない美樹さやか

とうとう私が根負けして、ガクリと膝を折った


彼女の頬は腫れ上がり、それは生きている証だった

でもなぜ、そのボーイッシュな瞳を開けてくれないのか…

…嫌だが、コイツに頼るしかない


ほむら「キュゥべえ、どうしてさやかは目を覚まさないの?」

QB「僕にも分からない」

…そんな、そんなバカな



32:2012/12/14(金) 17:16:06.56 ID:aAuWRsBs0

悔しいが

この世界の事情を一番知っているのは

そして、今マトモに会話できるのはコイツしかいない

…それが、分からないなんて


QB「一応、彼女は安定した呼吸を保っている」

QB「おそらく君と同じで、寒さなど感じてはいないのだろう」

QB「防寒具のおかげで、心地よい睡眠をとれているようだしね」

ほむら「…彼女は、目を覚ますの?」

QB「さあ、この世界は僕もそんなに分かっていないんだ」



34:2012/12/14(金) 17:22:53.38 ID:aAuWRsBs0


取り敢えず、命の保障はあるらしい

今はコイツを信じるほかない

ここで取り乱していたら先に進まないでは無いか


少し濁ったソウルジェムを気合で輝かし

私はもう少し探索を続ける


ほむら「…美樹さやか、必ずまた戻ってくるわ」

涙をこらえるのも、そんなに難しい事では無くなった



35:2012/12/14(金) 17:27:35.49 ID:aAuWRsBs0

しかし、そこからの進展は無かった

やはり扉に戻ってきてしまった


私は、また一つ気づいた

どうやら夢の世界は、全く持って疲れない

魔法少女姿でも、多少は息が上がったりするが、どうやらそれすらも無い

これは、探索に都合が良かった

あらかた見尽くしたなと、さやかとの再会を誓って

私は頬をつねる



37:2012/12/14(金) 17:40:44.21 ID:aAuWRsBs0

修正


………

…私は目覚めた

だが、目が覚めても、特にやることはない

やっぱりNASUを少しやって、本棚から本を取り出し

読み進めていたら、また眠くなった


…そういえば、ご飯を食べていないが

部屋から出られないし、外の様子も分からないのでしょうがない

魔力で空腹を満たし、今度はぐっすりと眠った


38:2012/12/14(金) 17:41:13.97 ID:aAuWRsBs0

…12の扉

その1つには、さやかがいた

これは幸運と捉えるべきだ

さて、まだ11戸も残っている訳だが…


私は、また見知らぬ扉を開け


そして今度こそ度肝を抜かれた



39:2012/12/14(金) 17:47:05.93 ID:aAuWRsBs0

そこは、よくわからないカラフルな物体が

下を見れば、巨大で、異形の何かが

あった


恐らく昔の私だったら

ショックで死んだと思われるほど

おぞましい光景だった



40:2012/12/14(金) 17:48:25.18 ID:aAuWRsBs0

扉を中心に正方形に

模様というか物体が揺れており

踏むと何か音をたてる


それにしても、扉を開けてコレは反則だ

…落ち着き払い、注意して進む


…何かの絵だろうか



41:2012/12/14(金) 17:54:50.77 ID:aAuWRsBs0

ごちゃごちゃした所を通りすぎて

物体が一本の線になっている所を見つけた

とりあえず、こいつを辿っていくと


…巨大な顔に遭遇した

それは物体が作り出した床絵だった



42:2012/12/14(金) 17:56:48.43 ID:aAuWRsBs0

何とも悪趣味な夢だ

目的が無ければすぐに頬をつねりたい


…何かある

私は、床絵から1つ線が

はみ出ている事に気づいた


…果たして、それは自転車だった



43:2012/12/14(金) 17:57:21.16 ID:aAuWRsBs0

QB「おめでとう、それは『じてんしゃ』のエフェクトだ」

ほむら「……」

確かに、これは使えそうだ

自転車ならば移動も早いだろう


またもキュゥべえは置き去りにして

さっきの一本線をもう一度進む



大分進むと、女子トイレがあった

…何故だ



49:2012/12/14(金) 20:03:22.05 ID:aAuWRsBs0

女子トイレの遠くにあったもの


…それは地下への入口だった

中に入ると、エスカレーターがある

薄暗くて、なんとも気分が悪い

私は、逆に考えて

地下へと歩みを進めた

…駅、なのだろうか



50:2012/12/14(金) 20:07:53.20 ID:aAuWRsBs0

…私は萎えた、狼狽えた

何かゴトンゴトンと鈍く響いた

遠くに、電車の走る音がする

そして、息も詰まりそうな

張りつめた空気

都会の、あの殺伐とした感じは

大の苦手だった


思わず、ずっと隠していた

臆病で、弱虫な私が顔を覗かせる


51:2012/12/14(金) 20:09:23.94 ID:aAuWRsBs0

青くて、薄暗い通路のような場所

…動揺を隠して

張り裂けそうな思いを掻き消し

おっかなびっくり進んでいく…



扉、と思わしきものを見つける

中に、立ち入った



52:2012/12/14(金) 20:10:53.71 ID:aAuWRsBs0

四角い、奇妙なのがいた

赤い液体を中に入れている

目は赤く、直方体の形をして動いている


ハッキリいって、コイツはなんだ

…と思っていたら、体を傾けて

その液体をトクトクとこぼした


…もう、いい加減にしてほしかった


53:2012/12/14(金) 20:22:31.29 ID:aAuWRsBs0

もう逃げ帰りたかったが

隅々まで調べる

もしかしたら、まどかが…

と思うと頑張れる

単色の人らしきものを

なるべく見ないようにして


…どうやらエントランスに到着した



54:2012/12/14(金) 20:27:33.78 ID:aAuWRsBs0

受付は、鳥人間が担当していた

だが、何だか眼が血走っている

…きっと担当業務がご不満なのだろう


左に進むと、笛が置いてある

これはエフェクトで間違いなさそうだ

いっそ曲でも吹いて、気分を盛り上げようか


と思ったら、吹ける曲が無かった



55:2012/12/14(金) 20:33:33.32 ID:aAuWRsBs0

eのような顔の人を横目に

さっとエントランスを飛び出した

…もう長居する必要は無いだろう

ここにいるだけで寿命が縮みそうだ

私は、少しでも早く目覚めたくて

強く頬をつねった



56:2012/12/14(金) 20:37:23.07 ID:aAuWRsBs0

…目が覚める



何故か、自然と涙が一筋流れ落ちた

あそこにいた人たちは、みんな私に恨みを向けている気がした


現実世界で、やることはNASUぐらいだった


57:2012/12/14(金) 20:46:21.11 ID:aAuWRsBs0

…名付けて「ボーNASUモード」

ゲーム機の裏に貼ってあったコマンドだ


…でも、それは操作キャラがナスの頭になり

毎回赤いナスが出るようになるだけで、やっぱり刺激の無いゲームである


…もう一度寝よう

外の様子はずっと暗いままだ

寝過ぎてないかな…と思うが、無理にでも眼を閉じる



58:2012/12/14(金) 20:47:16.72 ID:aAuWRsBs0

…さて、今度はどこから入れば良いのか

この際、適当に決めてしまおう


私は、自分の左側にあった一番近いドア

時計でいえば、1時の方角にあたるドアを選択する


…中々メカニカルなドアだ

SFのような世界をチラと想像して、お邪魔する



59:2012/12/14(金) 20:50:17.86 ID:aAuWRsBs0

…その世界は、SFとは凡そかけ離れた空間だった

壁には顔のついたファスナーらしきもの

床下にも同じような空間が広がる

基地の連絡通路というのが相応しい場所だった


私は壁伝いに進んでいく

眼下には、赤い数字の羅列が現れている

…覚えても、使わないだろう



60:2012/12/14(金) 20:50:50.73 ID:aAuWRsBs0

しばらくして、赤から青へ点滅する扉があった


入ってみると、真っ暗だった

統一感の欠片も無く配置された電灯

光っているのと消えているのが混じっている


闇雲に歩くと、また同じような扉を見つけた

…行き止まりだった



61:2012/12/14(金) 20:51:27.47 ID:aAuWRsBs0

…電灯が、歩いている

駆け寄って触れると、やはりエフェクトだった


QB「その力で、暗い通路を十分に照らすことが可能だ」

ほむら「…いかにも、らしいわね」

私は始めて、要所攻略のエフェクトを手に入れた


…ただ、電灯を頭に被るというのは、どうも頂けない



62:2012/12/14(金) 20:52:13.96 ID:aAuWRsBs0

また歩みを進め、見尽くしたろうと思ったとき

…小さい電灯を発見した


今まで見てきた電灯は、点いた、点かないは別として

普通の電灯であったが

この電灯は、私より5?ほど高いだけで、他のと比べると小さかった


…と突然、私の目に映る暗闇が、またも異質な空間へと変わっていく



63:2012/12/14(金) 20:54:33.97 ID:aAuWRsBs0

…眼前には紫の背景

…床は白と紫のタイル

さっきとは打って変わって

でもやはり変な場所にいた





…タンスがある

ガチャンと開けて、言葉を失った



64:2012/12/14(金) 20:55:31.44 ID:aAuWRsBs0

…タンスには、私がいた

…本当である



その私は、髪にリボンをつけ、うずくまっていた

私のリボンでは無いと気づくのに、時間はかからなかった








このリボンは、鹿目まどかが身につけていたリボンだったのだから



65:2012/12/14(金) 20:57:45.82 ID:aAuWRsBs0

一体なぜ、もう一人の私がこんな所にいるのか

なぜ、まどかのリボンを持っているのか



私はそれよりも、うれしさがこみ上げた

鹿目まどかの痕跡が見つかったのだから

ホッとして、力が抜けた



…次の瞬間、タンスはバタンと力強く閉まった



66:2012/12/14(金) 20:58:33.16 ID:aAuWRsBs0

私は焦った、「まどか」が消えてしまうと思った



何とかこじ開け、タンスの中の私を確認し

つかんで思いっ切り引っ張り上げ…られなかった


ほむら「なっ…!?」


私は理解した

もう一人の私は、目に見えているだけで

手が届かない場所に存在することを



67:2012/12/14(金) 20:59:08.30 ID:aAuWRsBs0

QB「無駄だ、暁美ほむら」

思いを捨てきれない私にトドメを刺すようにキュゥべえは言う

ほむら「…」

QB「あの暁美ほむらは、前にも言った『まどかとほむらが救われた世界』のほむらだ」

…だったら、尚更

QB「だが、この世界はその副産物であり、決して交わることがないんだ」

QB「だから、すぐ近くにいるのに、触ることが出来ないのさ」


でも、それで向こうの世界が幸せなら

こちら側にいる私にとっては、どれほどの皮肉だろう


68:2012/12/14(金) 20:59:40.51 ID:aAuWRsBs0

タンスを閉め、背の低い電灯に触れる

また、世界が歪み…



気がつくと、またあの暗闇に戻っていた

私は元来た道が分からず、右往左往して

入り口の扉に戻ってきた



69:2012/12/14(金) 21:00:14.36 ID:aAuWRsBs0

…そこからは、やはり何も変わること無く

奇妙な紋様をした生物がいただけで

気づけば最初の扉

ゆっくり扉を開け、広間に帰ってきた




次に入ったドアは、いよいよエフェクトが役に立つようだ



70:2012/12/14(金) 21:01:14.36 ID:aAuWRsBs0

真っ暗で、何も見えない

すかさずエフェクトの「でんとう」を使う



…明るくなり、ぼんやりと床絵が確認できる

私は、適当に進み始める


71:2012/12/14(金) 21:01:42.98 ID:aAuWRsBs0

…包丁だ

私が拾い上げるや否や、奥で声がした

QB「それは『ほうちょう』のエフェクトだね」

QB「使い道は…」

ほむら「貴方のようなものを刺し殺すためでしょ」


…そうだ

私には分かった

人を傷つけて、自分を守るための武器

これで、戦う事が出来る



72:2012/12/14(金) 21:04:33.13 ID:aAuWRsBs0

…さらに進むと、何かに通じる入り口がある

大体、こういう変なところにある異質な入り口は

ロクな場所に行き着かない

今回も、私の推測は間違ってはいなかった









そこは、ゼンマイが無数に生える荒野のような場所だった



73:2012/12/14(金) 21:05:36.49 ID:aAuWRsBs0

本当に、変な夢である

私が好んで毎回この夢を見るのなら

病院は病院でも精神外科送りだろう



…ただっ広い荒野を

私は一歩一歩踏みしめて進んでいく



74:2012/12/14(金) 21:06:46.66 ID:aAuWRsBs0

…無造作におかれた、顔の描かれている箱

ありがちな緑のフェンス

荒野には似合わぬものが、目立って浮いている


…穴の開いた箱

私は、恐る恐る中を覗く


75:2012/12/14(金) 21:07:19.88 ID:aAuWRsBs0

何も無い














…訳では無かった


76:2012/12/14(金) 21:09:35.36 ID:aAuWRsBs0

ほむら「ひッ…!!」

突然、私の脳裏には異形の絵画が浮かんだ

妙に神秘的な音楽が聞こえ、眼を閉じても浮かび上がり

点滅して私をパニックに陥れる


ほむら「いやあああぁ!」

頭をブンブン振り回し、その幻覚、幻聴から必死に逃れようとする


頭があり、手があり、渦巻く尾があり

そのどれにも顔がついていた

古代エジプトの壁画に描かれてそうな異質な感じをしている


77:2012/12/14(金) 21:13:06.49 ID:aAuWRsBs0

脳を、侵蝕されかけたような気がした


ほむら「ふうぅ…うう…」


やっと正気に戻った…と言っていいのか分からないが

私は冷や汗を浮かべ、立て膝をつき

頭を抱えて震えていた



…荒い呼吸を整え

内心ドキドキしながら私は進み始める



78:2012/12/14(金) 21:14:27.42 ID:aAuWRsBs0

…大荒野


大と名のつくだけあり、とても広かった

足が疲れないのが唯一の救いか


…と思っていたら、怪しげな家を見つけた

どうやらバラックのようである



79:2012/12/14(金) 21:18:00.37 ID:aAuWRsBs0

真っ暗だ


でんとうに変身して、辺りを見回す


コイツは、何だ

足はタコのようで、人ではない赤を基調とした何かが

液体を穴の中に注いでいる

…ちょうど良い、さっきビックリした腹いせに、刺し殺してやろう


バン!!と鈍い音がして、もう一度でんとうを点けると…

体色が青になっていた




80:2012/12/14(金) 21:18:59.74 ID:aAuWRsBs0

お邪魔しましたと声を掛け、私はバラックとは思えない部屋を飛び出した


そして今来た道を引き返す

大分、ゼンマイが増えてきた

逃げるように、私は歩く



…またもフェンスがあった

奥には、さっきのバラックがたくさんあった

意を決して入ってみる



81:2012/12/14(金) 21:20:01.95 ID:aAuWRsBs0

…黒くて、よく分からない人

みんな同じバラック

魂を持って行かれそうな気がする場所だ

ただ、人に当たると心地よい音がするのは何故だろう


バラックはどこも閉まっている

奥には、何かうにょうにょした青い物体が見える



ここだけ、何かから隔離されたような場所だ



82:2012/12/14(金) 21:20:44.48 ID:aAuWRsBs0

一つだけ、戸が開いているバラックを見つけた

入ったら、暗い場所だった

正方形の形をしているにも関わらず

やたら縦に長いのは不自然である

やはり夢ならではだろうか


とここまで考えて、気づいた





…イヤだ、見ないでっ…



83:2012/12/14(金) 21:21:34.18 ID:aAuWRsBs0

暗闇の中で

無数のバラックの窓が


こっちを

こっちを

じっと見つめる


まるで、私の心を炙り出すかのように…

まるで、私の心を責めるかのように…



84:2012/12/14(金) 21:22:10.69 ID:aAuWRsBs0

足をガクガク震わして、足早に進む

バラックはその眼で私を追いかける

…気持ち悪い


逃げるように駆け出すと、光が見える

…出口だ

私は、集落を脱出した



85:2012/12/14(金) 21:22:47.53 ID:aAuWRsBs0

抜け出た世界は、またさっきと似たような場所だった

何か人のようなものが描かれた壁画が

あらゆるところに飾ってある



神秘的な音楽と共に

私は出来うる限りの探索を続ける



86:2012/12/14(金) 21:24:35.07 ID:aAuWRsBs0

…マンホールがあった

中は下水道である

お構いなしに梯子を下りる



右に進むと、道をふさいでいる物体がいた

…何か、青いスライムのようなものだが、触ると固い

刺したら怒ってしまった



87:2012/12/14(金) 21:26:43.63 ID:aAuWRsBs0

無視して、反対の道を進むと

何故か外に出た

工場だろうか、巨大な建物がそびえている

私は黙って進む

途中、中々気味悪いのがいたが、気にしない





やがて道も終盤、私は大きな施設の前に立つ

…下水処理施設か?



88:2012/12/14(金) 21:28:13.00 ID:aAuWRsBs0

……薄暗い、下水処理施設

……大きな沈殿池があり、その側で何か白いのがフワフワ浮いている

…あれは、紛れもなくオバケ


昔の私は大嫌いだったな…と懐かしみつつ

オバケに近づき、触れてみる


QB「おめでとう、君は『のっぺらぼう』のエフェクトを手に入れた」


コイツの声が、久しぶりに思えたのは気のせいだろうか



89:2012/12/14(金) 21:29:05.81 ID:aAuWRsBs0

…顔が無い

それは、のっぺらぼうだから当たり前だが

どうして周りが見えているのかは…

QB「それより、普通の姿に戻って…」






QB「そばにある四角い小穴を、覗いてごらんよ」



90:2012/12/14(金) 21:29:34.86 ID:aAuWRsBs0

…顔、だ

…目からは手が突き出し

…髪は変形して手になり

…顔から、直に足が生えている



私は、声も出なかった

ただ、鼓動が痛むほど早くなるのを感じた


91:2012/12/14(金) 21:31:01.72 ID:aAuWRsBs0

掠れた声で、私はキュゥべえに問い詰める

ほむら「これは…何?」


QB「おや?」

QB「下水道美術館の絵を見せつけられて、まだそこまで平常心が保てるとは…」

ほむら「…下水道、美術館?」

QB「この下水道には、感情を持つ生命体なら6割が恐怖するという…」

QB「そういうデータがある絵が展示されているんだ」



ほむら「…当然、あなた達は…」

QB「僕等もこの絵で驚けるなら、君と出会ってなんかいないのさ」キュップイ


92:2012/12/14(金) 21:31:29.76 ID:aAuWRsBs0

QB「それから…もう一つ君に有益な知らせだ」

QB「現在、鹿目まどかは君のことを探している」


その言葉を聞いて、体中の毛が逆立つ


QB「でも、それは所詮無理な話だ」

ほむら「…なぜなの」



93:2012/12/14(金) 21:32:18.35 ID:aAuWRsBs0

QB「もう何回も話したが…」

QB「この世界は、まどかの願い事の副産物として生まれ」

QB「決して交わることの無い空間の埃」

QB「だから、たとえ世界の全てが見えたとして」

QB「その『世界』の裏側にあるんだから、無理な話だと思わないかい?」



私は、何を間違ったのだ

彼女が平和を祈り、その代償の世界で私が苦しんでいるなら…

…疑ってはダメだ、彼女を信じなければ



94:2012/12/14(金) 21:33:25.46 ID:aAuWRsBs0

…私は、キュゥべえに連れられ、この美術館を見学する


全てが、身の毛のよだつ絵画であった

恐らく、何かの弾みで思い出したら眠れなくなるだろう

…だが何故、こんな絵があるのだろう

その考えに正解を告げたのは、私の肩にのる悪魔だった



QB「この絵画は、魔法少女の絶望が絵になったのだと推定されているよ」


95:2012/12/14(金) 21:34:00.21 ID:aAuWRsBs0

ほむら「あなた達は…」

私の拳にグッと力が入る

ほむら「何とも思わないの…?」

QB「さぁ、契約したのは相手側の自由だし、僕等はそれに従って…」

ほむら「…もう良いわ」


やはり、コイツらは違う意味で話の通じない相手である

美術館を、ずっと右に進む


96:2012/12/14(金) 21:35:12.47 ID:aAuWRsBs0

…私が見たのは

私が、見るべきでは無かったものは…



巨大な口

巨大で、真っ赤な顔が、大口を開けている



QB「暁美ほむら、君は、この恐怖と向き合う勇気はあるかい?」

…無理だった


目を瞑って、私は顔に

食われた



97:2012/12/14(金) 21:36:19.28 ID:aAuWRsBs0

…ここは、あの怪物の腹の中…だろうか

キュゥべえは何時の間にか消え…

それより何より、私の心を食いつぶすような何かが

私の、床下にいる

線はグチャグチャ、それは内面をえぐる様に私の心に突き刺さった

ここは、絶望…しかない


ほむら「もう、イヤよ…」グスン


この、なにでも無い世界で、私は初めて泣いた



98:2012/12/14(金) 21:38:45.97 ID:aAuWRsBs0

まどか「ほむらちゃん…どこ?」

…同じ頃、どこかの時間軸で

宇宙の全てを総動員して、一人の友達を探す少女がいた





彼女の名は、鹿目まどか



彼女は神で、概念



99:2012/12/14(金) 21:39:17.99 ID:aAuWRsBs0



…気がついたら、私は橋の上にいた

どうしてそうなったかは、自分でも覆えていない


橋の周りには、和風の電灯が立ち並び

お化けが、宙に浮いている


…薄暗い、一本道だ



100:2012/12/14(金) 21:39:47.58 ID:aAuWRsBs0

…ずっと、歩いたら自販機を発見した

…お金は、持っていなかった


すぐ隣にあった階段を下りると

またも下水道美術館だ


私は元来た道を、出来事を忘れるように引き返す



101:2012/12/14(金) 21:40:50.19 ID:aAuWRsBs0

戻ってきた、壁画の世界

…壁画は、不気味なほど統一されていた

同じ一枚の絵をパターン化して続かせている


そんな不可解な世界をしばらく歩いて…






血だまりを発見した



102:2012/12/14(金) 21:41:24.48 ID:aAuWRsBs0

…これまでのとは、また違って、リアルだった

振り返ると、私の背後には

金髪で口を開けた妙な生物が

歯を開けて動いていた



…きっと誰か食べたのだろう

いざとなれば包丁がある

私は、そのヘンテコな生物に触れる



103:2012/12/14(金) 21:45:01.38 ID:aAuWRsBs0

…奥にも、もう一体と

もう一つの…血だまり


QB「それは『ブロンド』と『ロングヘアー』だ」


…果たして、コレはエフェクトの意味に当てはまるのだろうか

私は、金髪でブロンドの姿に

私は、茶色いロングヘアに

それぞれ変わった


後者は、髪色が変わったと言った方が近いかもしれない


104:2012/12/14(金) 21:45:30.83 ID:aAuWRsBs0

ちょうど区切りが良かったので

私は目を覚まそうと思った



まどかが、私を探してくれている

私を、助け出してくれる未来を描きながら

スーッと、夢の世界が消えた



105:2012/12/14(金) 21:45:58.83 ID:aAuWRsBs0

…現実

私は、今更ながら、空間に囚われている事を理解する



…ベランダに出て、少し夜風を浴びる

涼しくて、気持ちいい

濁りかけたソウルジェム=私の気持ちを

リフレッシュして気分を持ち直す

もう一度、寝る



113:2012/12/15(土) 08:43:36.61 ID:uDISil7o0

次に開けた扉に広がる世界

…水溜が随所にポチポチ広がっていた

水面には不気味な黒い雲


やはり暗くておぞましい



でんとうでも明るくならないので

手探りで進んでいく


114:2012/12/15(土) 08:52:52.80 ID:uDISil7o0

…足が何かにコツンと当たる

目線を落とすと、かさが置いてあった

エフェクトだ


かさを差すと、途端に雨が降り出した

前に試したのだが、雪女になると雪が降る


…体が濡れても、何にも感触が無いので、気にせずまた歩き始める


115:2012/12/15(土) 08:56:22.67 ID:uDISil7o0

…傘を閉じれば、雨はスッとやむ

水溜とチャプチャプ歩いて、5分経った頃


…赤いブロックの入り口に到達した

…無言で、その入り口を突き進む


116:2012/12/15(土) 09:01:27.44 ID:uDISil7o0

出たところは、森だった

自販機と、消火栓がおいてある

心霊が出そうなくらい怖くて、寂しい森林


…そこを、一本の道路が通っている

…私から見て左の道を歩いた


117:2012/12/15(土) 09:03:59.49 ID:uDISil7o0

その道は、先の見えない樹海を

どこまでも突っ切っていた






…しばらく進んで

森が少し開けた場所を見つける


118:2012/12/15(土) 09:10:27.47 ID:uDISil7o0

その道は、歩道とも思えず

誰かが意図的に伐採したような

狭い一本道だった


その道に、吸い寄せられるように進む





曲がって、曲がって、しばらくしたその先…


大きく開けた森が広がった


119:2012/12/15(土) 09:13:12.85 ID:uDISil7o0

何故か電灯がポツンと置いてある他は

何も無かったので

繋がっている奥地に足を踏み入れる


何回かまた道幅が広がって、狭くなり

それを繰り返して、直角に右に進む



辿り着いたのは、さっきの道路だった


120:2012/12/15(土) 09:16:39.00 ID:uDISil7o0

…戻ってきたのか?

と思ったら、赤いクラゲのようなものがいた

触れると、風鈴とも似つかぬ響きを立てる



無視して進むと




急に、私の周りを覆う樹海が、消え去った


121:2012/12/15(土) 09:19:26.30 ID:uDISil7o0

暗闇に、道路がハッキリと浮かび上がっているのが不思議だ


震えながら進むと…






またも私を脅かすものが

こっちを見ていた


122:2012/12/15(土) 09:27:05.87 ID:uDISil7o0

それは、Yの形をしていて

2本に分かれた上部に目が有り

真ん中に歯を見せた口がついている


…ある、というより浮かび上がるの方が近いイメージだ

それが、樹海に変わって、道路の左右にいっぱい存在していた

みんな、体色は異なっている

桃色、赤色、紫色と、不快に感じるものばかり


123:2012/12/15(土) 09:39:22.30 ID:uDISil7o0















ほむら「……長い…」

かれこれ30分は歩いた

だが一向に出口が見えない


124:2012/12/15(土) 09:44:28.39 ID:uDISil7o0

ほむら「戻ろうかしら…」

と、後ろを振り向くと

今まで見たことの無いものがあった


それは外見こそ今までのY字のヤツと同じだが

体色は深緑、目は青くて、血走っていた

明らかに今までとは違う


そして、その先には

さっきとは違う森が見える


今まで、どれほど歩いていたのか不思議なくらい

答えは近くにあった


125:2012/12/15(土) 09:48:32.08 ID:uDISil7o0

その森は、また樹海のようだが

さっきは針葉樹だったのに対し

こちらの木は普通の木であった


そして、遠くにはパイロンと








巴マミが、血の中に倒れていた


126:2012/12/15(土) 09:59:46.65 ID:AiMGWgv1o

マミさああああああああああああん!


127:2012/12/15(土) 10:00:29.54 ID:uDISil7o0

ほむら「あっ…と、巴マミ!!」

私は、無我夢中で駆け寄り、マミの安否を確認する




ほむら「くっ…」

残念ながら、彼女のソウルジェムは傍らで粉々に砕け散っていた



亡くなったマミの遺体を見つめて

嗚咽交じりに私は泣き崩れた


128:2012/12/15(土) 10:05:17.77 ID:uDISil7o0

ほむら「ごめんなさい…!ごめんなさい…!」

ほむら「私が、もっと早く来ていたら…!!」グスッ


悔しかった

さやかは昏睡していて、まだ救出の余地はあったが

マミはもう助からない

泣きながら、目玉が半分飛び出たマミの顔に触れる


彼女は制服姿で、特に顔を強く殺られている

体の部位も、何処へ行ったか一部が損傷して消えていた




129:2012/12/15(土) 10:09:22.41 ID:uDISil7o0

QB「おめでとう、君は『しんごう』のエフェクトを手に入れた」


嬉しくない

こんな時に、おめでとうだなんて

でも、感情が無いのだから、その反応も仕方が無いだろう



私は、マミの亡骸を持ち上げる

首がダランと垂れ下がり、腕の一部は骨が見えた



…仮に交通事故ならば、この損傷の跡は不自然だ


130:2012/12/15(土) 10:14:25.45 ID:uDISil7o0

私は頭を切り換え、涙交じりに問う


ほむら「…信号は…ど、どういう効果、なの…?」


QB「かいつまんで言えば、自分以外のものの動きを止めてしまうんだ」

QB「一部は止められないけど、かなりのものは止まるはず」

QB「君の時間操作に似た能力だね」


…マミと、こんな出会い方をするなんて

私は、ここに留まりたい気持ちを堪え

遺体を戻し、もう一度出発する


136:2012/12/15(土) 14:03:31.38 ID:uDISil7o0

森の一本道を外れたところにある

…マンホールなのに




そこからは、赤い棒か何かが顔を見せている


一気に、穴の中に落ちる


137:2012/12/15(土) 14:06:40.50 ID:uDISil7o0

私が目にしたのは、巨大なタコ

マンホールから見えていたのは、数あるタコの足の1本であった

出口にも、1本の足がかかっている



私は足をよじ登ってマンホールから顔を出す

その瞬間、私は間違ったところに来てしまったと確信した


138:2012/12/15(土) 14:09:24.74 ID:uDISil7o0

…色が無く、白黒の世界で


周りは丸い突起物で隔離され


見たことの無い植物か何かが生え




中心には、人の顔のような形をしたトンネル

いや、顔に配慮するなら、半分埋まっていると表現するのが正しいだろう


139:2012/12/15(土) 14:14:27.21 ID:uDISil7o0

中は…その中では…


ほむら「うっ…!」

私は胃から何か逆流するものを感じた

涙を浮かべながら飲み込み、もう一度観察する



巨大な人型の生物がいて

…口から手が出て、それが手元の雲のような橋にかかり

目は片方が死んでいて、もう一つは天へと伸びている


ここは、狂気とも思える空間だった


140:2012/12/15(土) 14:16:45.29 ID:uDISil7o0

その先は、象らしきものが

歯ぎしりして、私に怒りを訴えている


…耳のような部分は、手になっていて

今にも私を叩きつぶしそうだ




急いで逃げ帰る


141:2012/12/15(土) 14:25:59.00 ID:uDISil7o0

…でも、ここは一番深い場所のようだ

他に行く道が無い


仕方が無いので、私は頬をつねる


夢の世界が、狂気の塊でありう世界が

…霧消した


142:2012/12/15(土) 14:35:30.39 ID:uDISil7o0

…目が覚める


今までのことが夢のようだった


森でのこと

巴マミの遺体

そして、あの壊れた白黒の世界


事実夢なのだが


143:2012/12/15(土) 14:37:06.10 ID:uDISil7o0

…そういえば、杏子とまどかを見ていない

彼女たちは何処だろう

…もしかしたら



私は眠る、絶対に探し出すと誓って



144:2012/12/15(土) 14:42:33.76 ID:uDISil7o0

次は、青い扉に入る


…やっぱり変な場所だった


眼科には、変な形をした人型の絵が

長い腕を直角に上へ伸ばしている


145:2012/12/15(土) 14:47:03.12 ID:uDISil7o0

側には、目を大きく見開いたものがパタパタとしていて

カラフルな塊がうにゃうにゃしている


そして、特筆すべきは様々な像

みんな、手に盾を持っていた

顔は横長で、やっぱり赤い人、黒い人

ピンクの人と、様々な像がおいてある


146:2012/12/15(土) 14:49:17.13 ID:uDISil7o0

盾を持った銅像は、そこらにいっぱいあった


…たくさんいると気持ちワルい



何て思っていたら、何か変な物がクルクル回転しながら不規則に動いている


…猫のコインだった


147:2012/12/15(土) 14:52:35.14 ID:uDISil7o0

ネコインは、中々すばしっこかった

さすがはネコ


ようやく動きを抑えると

同じくネコのような憎らしい外見を持つヤツがきた


QB「おめでとう、それは『ネコ』のエフェクトだ」


…何だかコイツが妙にハキハキしてそうに見えたのは

たぶん私の気のせいだろう


148:2012/12/15(土) 14:55:19.74 ID:uDISil7o0

QB「そのエフェクトで、相手を招き寄せることができる」

QB「招き猫だけにね」

QB「ほとんどの相手が分に引き寄せられるよ」


今までどれだけ驚かされてきたか分からない生物

いや、生物とも言えない何かを

引き寄せたくはない


でも物は試し、私は「ねこ」のエフェクトに変身する


149:2012/12/15(土) 14:59:36.02 ID:uDISil7o0

…縁が黒く、中は白い猫耳

…黒くて、先が白い尻尾


ねこに「なる」というより

そういうコスチュームになったと言った方が近い

猫耳は、意識すると反応してピクッと動き

尻尾も合わせて左右に揺れる



…ちょっと恥ずかしい気がする

こういうのが「萌え」なんだなと思った


156:2012/12/15(土) 19:46:11.02 ID:uDISil7o0

ただいま
ほむにゃんの参考画像貼っときますね



>>153タートルゾーンのステージ2ですね、でも場所で言うと何処なんだ…?


157:2012/12/15(土) 20:05:29.88 ID:uDISil7o0

…どうやら、また新たな入り口へ来てしまった

左右対称で、真ん中に青い扉がある


どうせここまで来たのだから、入ってしまえ

私は、昔懐かしい世界へと入っていった


158:2012/12/15(土) 20:07:44.40 ID:uDISil7o0

入れば、向こうに梯子が見える

私はそこへ行こうとするが

見えない壁に阻まれた



どうやら正しいルートがあるらしい

時折ノイズが入るが、がんばって進む


その時に、既に私は洗礼を受けていたのかもしれない

ようやく辿り着き、梯子を登ったその先は…


159:2012/12/15(土) 20:11:39.53 ID:uDISil7o0

…明るい森

近くに見える一軒家

どこからか流れる8bitの音楽


私の体も、既にドット調に変化していた


これが、私の初めてのFC世界の出会いである


160:2012/12/15(土) 20:19:06.59 ID:uDISil7o0

家は、無駄に広かった

地下への階段は、複雑に入り組んでいる

周りは黒一色


私のグラフィックとでも言おうか

それは、前の時間軸でさやかが持っていた

「MOTHER」に似ていた

何故持っていたのか分からないが、彼女は面白いからと

私にこのゲームを貸してくれた

ゲーム機本体を持っていなかったのだが…


161:2012/12/15(土) 20:25:31.58 ID:uDISil7o0

扉がいくつもあり、私は体当たりで調べていく

途中で一つ目の変なものに出会ったが

危害を加えないので無視


白くて悲しそうなオバケも無視


そして、どうやら最下層についた


163:2012/12/15(土) 20:28:48.62 ID:uDISil7o0

…キノコが、動いている

見るからに毒そうな青いキノコが

4つもいた


私は、その先の扉に入る

途端に、ダンジョンBGMが、切り替わる


165:2012/12/15(土) 20:34:38.15 ID:uDISil7o0

何だか、神秘的というか間抜けな音楽が

ぱーやーぱーやーと響く


私の背ほどのピラミッドが4つ

そして青いキノコと…



鬼らしきものが、いた


166:2012/12/15(土) 20:38:40.54 ID:uDISil7o0

QB「それは『おに』のエフェクトだ」

…またもコイツがハキハキして見える

QB「じゃあ、コンボを紹介してあげよう」

何とも上から目線だと思いつつ、私は尋ねる


QB「例えば『かさ』を使って雨を降らせ…」

QB「その後に『おに』を使うと雷を落とせる、という具合にね」


167:2012/12/15(土) 20:46:32.54 ID:uDISil7o0

言われたとおり、試してみる

「かさ」を差すと、勢いよく雨が降り始めた

…室内なのに


そして、私は「おに」に変身する


…肌色が真っ赤になり、鬼の角を生やし

虎柄のコスチュームを身に纏った



ちょっと恥ずかしい




168:2012/12/15(土) 20:49:06.17 ID:uDISil7o0

そして、私が念じれば

雷が落ちる


…というより、辺りが明るくなる

何処に落ちるかは指定できないが、かなり遠くに落ちているのだろう

役に立たないので、さっさと元に戻って


さっき気になっていた長い階段を登る


169:2012/12/15(土) 20:56:59.09 ID:uDISil7o0

その長い階段を上った先の扉

扉に入ると、BGMが変わり…


大きいモンスターとその子分が動いていた

BGMも、戦闘という感じになっている

…戦え、という事だろうか


私は、包丁を手に取り

無防備なモンスターに奮然、斬りかかった







170:2012/12/15(土) 21:05:01.40 ID:uDISil7o0

顔は青く、体色は緑で

ドラえもんの様な足は赤色

剣を上に掲げ、緑のニット帽のようなものをかぶっている

…子分との違いは、大きさと帽子の色、子分は赤い


こちらが包丁を持っても、まるで気にしていない

それでも構わず、私は一番近くにいた奴を袈裟懸けに切り捨てた


171:2012/12/15(土) 21:08:35.62 ID:uDISil7o0

全身が真っ赤に染まり、やがて消滅する

今のも入れて、子分は4体

抵抗の素振りも一つ見せないので

いとも容易くスパンスパンと刺し殺した




…全匹残らず始末して、いよいよ親分に包丁を突き刺す


172:2012/12/15(土) 21:14:30.17 ID:uDISil7o0

親分は5回包丁を深々と突き入れ、ようやく消え去った


若干返り血を浴びた私は

血に混じって落ちているお金に気づいた

いかにもRPGらしい

これで自販機で飲み物を買うことができる


…買ったところで、特に意味は無いが


173:2012/12/15(土) 21:18:47.35 ID:uDISil7o0

…どうやらこれ以上先には進めない


私は頬をつねる前に一瞬思った

…毎回、行き詰まったときに起きてやり直すというのは

次に布団に入っても眠れない

もっと効率の良い手はないだろうか


…と思いながら、目が覚めた

後々、私はこの言葉を嫌と言うほど後悔することになる


182:2012/12/16(日) 09:35:18.49 ID:KtEpzaCt0

…目が、チカチカする

扉自体がチカチカしていたが

ネオンの光のようだ



そして、いろんな生物が、ちょこまかと動いている


183:2012/12/16(日) 09:43:59.45 ID:KtEpzaCt0

…何だか、うにょうにょした生き物

顔が赤くて、体は黒いトトロのようなもの


一々特徴を一匹ずつあげるのは面倒くさい


でも、何だか楽しそうだ

みんな私の背丈ほどの大きさで

大体の奴がネオンのように光っている


184:2012/12/16(日) 09:46:25.83 ID:KtEpzaCt0

…どうやら、いくつもの部屋に区切られているようだ

小部屋には、またカラフルで奇妙なオブジェがおいてある


取り敢えず、エフェクトを探し回る

一匹ずつ話しかけていくことにした



…途方も無い事だが、これしか方法が無い

時間はたっぷりあるのだから


185:2012/12/16(日) 09:50:33.20 ID:KtEpzaCt0

私はねこに変身して

小部屋にいるものを引き寄せる

その方が効率が良い



でも、エフェクトで引き寄せるときは

「ねこ」というより「化け猫」に近くなる

…でも、まるで気にしていなさそう

踊っている…のか分からないが

皆そのまま引きずられるように集まった


186:2012/12/16(日) 09:53:22.04 ID:KtEpzaCt0






どれだけやっても

一向に成果が上がらない

というか、やっぱり近くで見ると気持ち悪い


…どんなことをしても

無頓着で踊り続けるさまが

こっちをバカらしくさせた


187:2012/12/16(日) 10:01:53.07 ID:KtEpzaCt0

この過激なネオンの光、まるで都会のようだ

…というより、風俗街に近い


…そう思った刹那、私の足がすくむ

コイツら、私の事をどう思っているんだろうか




…好奇の目

……イヤらしい目で見ているのかもしれない…!


188:2012/12/16(日) 10:03:59.01 ID:KtEpzaCt0

…違う

…コイツらに悪気は無い

ただ、浮いている人が珍しいだけだ

私の思い違いだ


そう思うことにして、私は辺りを見回すと…



…何か違うものがいる


189:2012/12/16(日) 10:07:42.11 ID:KtEpzaCt0

ネオンの光に紛れて

通路を歩いている鳥のようなものに気づいた


…やはりエフェクトのようだ


QB「それは『ネオン』だね」


…もうこんな妖しい場所に用は無い

下手したら襲われてしまうかもしれない

…さっさと出口を探して戻ろう


190:2012/12/16(日) 10:11:39.47 ID:KtEpzaCt0

だが、出口は見つからない


…私は焦る

何故か焦る


みんな、私を変な目で見ている…!

と思うと、とても居た堪れない



…走り続けると、見知らぬ扉があった

さっきと場所も形も色も違うが、まよわず飛び込む


191:2012/12/16(日) 10:14:42.92 ID:KtEpzaCt0

ほむら「…ふぅ」


ホッとして、ここが何処だが確認する


ネオンでできた道

遠くには、血だまりか何かが動いている


戻りたくは無いので、その道を進む


192:2012/12/16(日) 10:25:15.23 ID:KtEpzaCt0

歩く度、つぷつぷと音を立てる


…遠く、遠くに何かある


真っ赤で、クルクル動いている

駆け寄って、ソイツに触れてみる




そして、私は後悔する


193:2012/12/16(日) 10:27:34.20 ID:KtEpzaCt0

…地獄


…壁も、床も赤と黒の二色

広大で、閉鎖された世界が広がる

地獄の迷路と言うべきか



手がかりも何も無く、私は壁伝いに歩いて行く


194:2012/12/16(日) 10:37:33.28 ID:KtEpzaCt0

…本当にここは何処だ

…私は、本当に壊れてしまったのだろうか





そうやって自分を嘆いていた私は

背後から迫る鳥人間に気づかなかった


195:2012/12/16(日) 10:39:47.60 ID:KtEpzaCt0

ほむら「…!?」

振り向きざま、鳥人間が追いかけてきた事に気づき

私は全力で逃げる


…早い!

何て早さだ

私以外は眼中に無いらしく

まるで発狂したかの如く私を追い続ける!


196:2012/12/16(日) 10:45:11.08 ID:KtEpzaCt0

…行き止まり


仕方が無い

私は間合いを取り、包丁を手に構えて

破れかぶれで突進する


ほむら「でえええぇい!!」


襲い掛かる狂怖を振り払おうと

腹を目掛けて包丁を突き刺そうとした瞬間…






私は、どこかに飛ばされた


197:2012/12/16(日) 10:47:33.40 ID:KtEpzaCt0

ほむら「…ここは……?」

私は、数学の世界にいた

周りは壁で塞がれており

どうやら閉じ込められたようだ



何が人畜無害だ


198:2012/12/16(日) 10:50:15.28 ID:KtEpzaCt0

ほむら「…?」


私は、中心にいる目玉に気づく

それに、触れてみる













私の周りが…私の周りが…!!

真っ赤に変わった


199:2012/12/16(日) 10:51:08.37 ID:KtEpzaCt0

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


200:2012/12/16(日) 10:52:27.76 ID:KtEpzaCt0

それは、私を震え上がらせた

ほむら「ああ…ああああ…」


それは「あ」

私の周りの床が、一気に「あ」になった




QB「怖いのかい?」


201:2012/12/16(日) 10:56:46.32 ID:KtEpzaCt0

QB「この世界には、鳥人間がいる」

QB「普通は、人畜無害の生き物だ」

QB「だが、中には発狂して君を追いかけてくるタイプも少なからずいる」

QB「それに触れると、君は脱出不可能な世界へと転送されてしまうんだ」

QB「君が何らかの刺激を与えれば、発狂鳥人間と化して、君を襲う」

QB「その際、夢世界の鳥人間が全て発狂するから、気をつけた方がいいよ」


…もっと、早く教えてほしかった


202:2012/12/16(日) 11:00:18.25 ID:KtEpzaCt0

QB「この世界を脱出するには…」

QB「『めだまうで』か、一旦起きるしか無い」

QB「未然に防ぐなら『しんごう』で動きを止めるとかすると良い」



私は、何も言わずに頬をつねった


203:2012/12/16(日) 11:02:33.99 ID:KtEpzaCt0

…起きて、私は泣いた

…怖かった


…自信が無かった

…辛かった


ソウルジェムが、もう既に半分ほど濁ってしまっている


204:2012/12/16(日) 11:06:18.46 ID:KtEpzaCt0

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」


まどか「ほむらちゃんが、泣いてる…」

まどか「でも何処にいるんだろう…?」


神が司る全宇宙、この世

その全てに当てはまらない

過去でも、未来でもなく、幾多の平行世界のどれでもない

それは、探したくても、絶対に探すことが出来ない世界

鹿目まどかの知らない世界なのだから


211:2012/12/16(日) 20:59:02.37 ID:KtEpzaCt0

私は、何とか気分を直してベッドに入る


…眠れない


目を瞑ると、あの恐ろしい光景が瞼に浮かぶ

やむを得ず睡眠薬を服用すると、体がドッと疲れてきた

…もはや指先動かせず、そのまま深く眠りに落ちる


212:2012/12/16(日) 21:05:20.36 ID:KtEpzaCt0

…私は、こんな気持ち悪い光景を見たことが無かった


目、腕、足、血反吐


眼下には、口から蛇を出している人



下手なオバケ屋敷より数百倍も不気味な

洗練された世界があった


213:2012/12/16(日) 21:08:39.43 ID:KtEpzaCt0

怖くて、怖くてたまらない

一歩一歩ゆっくり進んでいく




ほむら「ひぃいい!!」


子供のような声を出し、恐れ戦いたのは

…目玉を刳り抜かれたお化け

血の涙を流していた


214:2012/12/16(日) 21:10:14.84 ID:KtEpzaCt0

ほむら「うっ…うぅ…」

涙を堪えて辺りを見ると…












…目が、たくさん落ちている


215:2012/12/16(日) 21:21:09.58 ID:KtEpzaCt0

ほむら「何なのよ…」


手が、目をつかまんとして動いている

片足が、意味も無く歩いている


…勇気を振り絞って歩き

なにやら紋様のような場所にきた

手と、目玉が地面についている


ほむら「……」

私は無言で包丁を構える

…目玉が逃げ出した


216:2012/12/16(日) 21:25:59.98 ID:KtEpzaCt0

私は構わず、包丁を眼球に刺す

何か妙な液体が噴き出した


ほむら「くぅっ…目玉のくせに、逃げるなんて生意気よ」


…私は、何処か狂った発想で、次々と目玉を潰していく



誰にも恨めない呪いを背負った

哀れな少女が、そこにいた


217:2012/12/16(日) 21:30:25.41 ID:KtEpzaCt0

悲鳴を上げる目玉を残らず殺し


再び私は、歩き始める


さっきより、歩いている足が素早く動いていた

その奥に、私は妙な腕を見つける



…それは、手の平に目がついていた

QB「おめでとう、それは『めだまうで』のエフェクトだ」

ネーミングはそのまま、こういうことだったのか


219:2012/12/16(日) 21:34:12.66 ID:KtEpzaCt0

…私は、めだまうでになる

私の顔が、腕になり

その手の平には一つ目がついている

…これが、私の目




忘れたい


220:2012/12/16(日) 21:38:08.99 ID:KtEpzaCt0

大至急、変身を解き

私が歩き出そうと思っていると…


何か青いものがある




近づくと、酷く血相を変えた顔だった


221:2012/12/16(日) 21:46:29.64 ID:KtEpzaCt0

髪は赤く

目は悲鳴を上げてよじれ

それは「叫び」といってもいい


…奥に何かある



私は、その顔の口へ、足を進める


222:2012/12/16(日) 21:50:11.80 ID:KtEpzaCt0

ほむら「ひえっ…!!」

私が見たのは、一つ目の化け物達

道は何かの足跡になっていて

遥か彼方へ一本道が続いている


生物の様であり

頭と口で構成された体に

細い手足がはえていた


223:2012/12/16(日) 21:52:46.18 ID:KtEpzaCt0

みんな地べたに座っている

各々が血液らしい液体で汚れており

いくつかの個体は目が無い



…グロテスク

そんな言葉が当てはまる異形の怪物だった

私は気を引き締めて進んでいく


224:2012/12/16(日) 21:56:27.05 ID:KtEpzaCt0

…その先は、いくつかの道に分かれていた

顔と空気ポンプがついた物体がいて

目は死んでおり

空気を送る部分が私の手の届く位置にある


…押せ、というのだろうか


押したら、血を吹いてゲエッとなった


225:2012/12/16(日) 21:59:06.61 ID:KtEpzaCt0

虚ろな瞳をした生物の奥に


…赤いブロックがいた

前の夢にいた、地獄行きの奴だ




もちろん前回で対策は学習している

えい!と、飛び込んだ


226:2012/12/16(日) 22:05:55.58 ID:KtEpzaCt0

…もう一度、地獄

空は赤く、壁は黒く、床も真っ赤で


正に絶望



それでも、ここにまだ見ない場所への道が通じているはずである

私はまどかを信じ、この巨大迷路に立ち向かった


227:2012/12/16(日) 22:09:00.70 ID:KtEpzaCt0







…どれほどの道を歩いたか

1時間ほど歩いたが

発狂鳥人間は奇跡的に出てこなかった



そして、私は今、青い扉の前に立っている

私はここに、立ち入る


228:2012/12/16(日) 22:10:55.87 ID:KtEpzaCt0

…そこに広がったのは

巴マミの遺体を見つけた

あの樹海と同じだった


おそらく別ルートなのだろう

私は期待に胸躍らせて進んだ


229:2012/12/16(日) 22:23:04.54 ID:KtEpzaCt0

「でんとう」で夜道を照らしながら

がんばって進んでいく

ソウルジェムも、幾らか輝きを取り戻して見えた





…道に迷い、10分ほどかけて

古びた電車に辿り着いた


230:2012/12/16(日) 22:26:51.83 ID:KtEpzaCt0

1両の客席で、自力では動けない

私は、電車にのってみる




…中は、至って普通の車両だった

何故か、電車がゴトンゴトンと走っている

…気がする?

そして、客席には、一人が座っていた

私も、何となく、その人の隣に腰掛ける


231:2012/12/16(日) 22:29:30.14 ID:KtEpzaCt0

ほむら「…ねぇ、あなた何処で降りるのかしら?」


私は、気づいたらそんなことを聞いていた

路線図も無く、そもそも走っているのかも分からないのに


…反応は無い


ほむら「あなた、ずっとここにいるの?」


…反応は無い

寝ているんだろうか


232:2012/12/16(日) 22:33:30.77 ID:KtEpzaCt0

腕が赤い他は、体色は真っ黒

人でさえ無さそうなのに、私は独りで話を続ける


ほむら「…私も、ずっとここで独り」

ほむら「昔から、人に秘密にしてきて」

ほむら「独りはもう慣れたわ」


…聞いているのか分からないが、私はそれでも会話を止めない


ほむら「…未来って、信じるかしら」

ほむら「…信じなさそうな顔してるけど」


233:2012/12/16(日) 22:38:31.79 ID:KtEpzaCt0

私は、頬を伝う涙に気づく

それでも、私は一人で話し続ける


ほむら「私、鹿目まどかっていう大事な友達がいるの」

ほむら「彼女は、いずれ恐ろしい最期を遂げてしまう」

ほむら「だから、その運命を変えるために、私は頑張ってきた」


口調が若干変でも、誰ともしゃべってなかったのだから仕方が無い

できうる限り、自分の気持ちを吐き出そうと努力する


ほむら「でも、この世界はずっと、誰とも会話できない」

ほむら「みんな、それぞれ話せないから…」グスッ




234:2012/12/16(日) 22:41:42.07 ID:KtEpzaCt0

…人と会話できるのが、こんなにも嬉しい

会話には成っていないが、言葉を口にするって気持ちいい


ほむら「だから…あなたと会話できて、良かった…」ウグッ

ほむら「…私、独りっきりだもの……」ヒッグ


すすり泣いてる私を、この人はどう思っているだろう

…どう思われても良い

私は、誤解されることに慣れているじゃないか


235:2012/12/16(日) 22:44:01.95 ID:KtEpzaCt0

…電車は、どこへ向かうのだろう


ほむら「…そろそろ、降りるわ」

涙を拭いて、さよならを言う


こんな暖かい気分になったのは、久し振りだ


…だが、降り立った先は冷たかった


236:2012/12/16(日) 22:48:01.36 ID:KtEpzaCt0

…樹海の、湖


女性が、いた

スカートとロングヘアーを風に靡かせ

でもその顔は真っ白


それは、心がホカホカしていた私を

凍り付けた


笑った顔が、引きつるのが分かる


237:2012/12/16(日) 22:51:22.85 ID:KtEpzaCt0

長い木の橋を渡っていった


途中、湖の周りにはオブジェが並ぶ


全てが、腐敗して、溶けて


人のようなオブジェは

みんな悲嘆に暮れているかのようだ


さっきとは違い

恐怖からの涙を浮かべ、先を急ぐ


238:2012/12/16(日) 22:54:34.09 ID:KtEpzaCt0

…橋の先は、島だった


枯れた木が一本生えている


QB「おめでとう、これは『まじょ』のエフェクトだ」

…まじょ

…魔女

魔女

魔女

魔女!

QB「その魔女じゃなくて、魔法使いのことさ」

QB「変身してごらんよ」

コイツ、今までより一際ハキハキして聞こえる…


239:2012/12/16(日) 22:57:28.39 ID:KtEpzaCt0

…魔法少女、というより

黒い衣装に身を包み

ある意味お約束といえる、とんがり帽子をかぶった

…それは、私が幼いころ描いた「魔法少女」そのものだった





結構、可愛い


240:2012/12/16(日) 22:59:38.83 ID:KtEpzaCt0

箒にのる、というのも

魔法少女としての王道だ


…現実はこんなであるが

QB「それより、あの女性に対して…」

QB「『ねこ』を試してみなかったかい?」


また引き寄せろというのか


241:2012/12/16(日) 23:06:25.79 ID:KtEpzaCt0

その女性達は、変貌した

真っ白の顔から、巨大な黒丸が浮かび

こっちに引き寄せられてくる!


…だからねこは嫌なのだ


ほむら「いやあああぁ!!」


私は、頬をつねる




恐怖が、消え去る


242:2012/12/16(日) 23:08:34.05 ID:KtEpzaCt0

ほむら「ひぃ…ひぎいいぃ…!」

起きて、私は恐怖に泣き崩れる



どこかで、まどかの声が

響いた気がした


250:2012/12/17(月) 21:25:09.56 ID:+dnq+bMJ0

…テレビには、ヘンテコな生物…?

人のような物が、長い舌を垂らしている姿が

いっぱい流れてくる


…何か陽気な音楽と共に


私は、しばらく観ていた

…何故だろう


251:2012/12/17(月) 21:31:36.09 ID:+dnq+bMJ0

扉を開けた先は、黒い森だった

雑草と、針葉樹が生えている

…心なしか、雑草は俯いている気がした




眼下には、私を荒野で驚かせた

あのフラッシュが浮かぶ


252:2012/12/17(月) 21:35:45.32 ID:+dnq+bMJ0

…お化け

紫の体色

そして緑の血を垂らしている


触れたら、乗り移った

私の頭の上で、ゆらゆら動いている



…ビックリしたのは言うまでも無い


253:2012/12/17(月) 21:38:41.11 ID:+dnq+bMJ0

ピンクで、赤い血を流したお化けもいた

その近くに、エフェクトはあった






…蛙


254:2012/12/17(月) 21:42:08.07 ID:+dnq+bMJ0

変身したら、顔が蛙になった

取り敢えず、普通の体よりも大きく跳べるみたいである

…ただ、それだけだった




遠目に、2本の柱を見つける

間に入ってみよう


255:2012/12/17(月) 21:45:15.14 ID:+dnq+bMJ0

…周りが、棘で囲まれた

床には、鬼のような絵がある








…そして、地獄行きのブロックと

発狂鳥人間を肉眼で確認した


256:2012/12/17(月) 21:50:13.70 ID:+dnq+bMJ0

上手に避けて、地獄へ飛び込む


…そして、新しい世界を探す



今度は、ようやく信号の有り難みが

分かった探索だった


257:2012/12/17(月) 21:54:25.74 ID:+dnq+bMJ0

こちらを追いかける発狂鳥人間を

余裕を持ってしんごうで止めてしまう

…というよりも

最初から赤信号で動きを止めてしまえば

通行の邪魔になることは無い




そして、新たな扉を見つけた

躊躇せず、中に入っていく


258:2012/12/17(月) 21:58:33.82 ID:+dnq+bMJ0

…ここは、前にも来たことがある


和風の橋

変なお化け


…私が、下水道美術館の奥にあった

巨大な怪物の腹

そこから辿り着いた世界と同じだった


259:2012/12/17(月) 22:03:33.56 ID:+dnq+bMJ0

いくつか道が分かれているらしく

一番奥を目指して…



痩せこけた、巨人に出会った

何か食べている…ような


QB「それは『ふとる』エフェクトだね」


何だかコイツの声が、げんなりして聞こえたのは気のせいだ


260:2012/12/17(月) 22:09:09.83 ID:+dnq+bMJ0

…太った

イヤに決まっている

女性はやっぱりスタイルが良くなくては


……………
……………
……………


やっぱり巴マミには及ばない


261:2012/12/17(月) 22:11:07.73 ID:+dnq+bMJ0

考えを戻し、私は出発する





…私が前にバラックで見た

集落の住人がいた

触れると、私の体がワープする


262:2012/12/17(月) 22:13:24.49 ID:+dnq+bMJ0

……また来てしまったバラック

寂しさの塊のような集落

私は歩き出す


…ここに来たからには



何か手がかりがあるはずだ

何か見落としている物があるはずだ


263:2012/12/17(月) 22:22:01.08 ID:+dnq+bMJ0

オレンジの怪物を無視して

住人とコンタクトを試みる


だが、反応の無いのは百も承知



…と思って、一人に触れた瞬間

私の周り、体が、一気にドット調の世界へと変わっていく


もう一度、FC世界


264:2012/12/17(月) 22:25:29.19 ID:+dnq+bMJ0

…そこは、いわゆるラストステージ

地面は赤茶で、空は黒く

何となく、神聖な音楽が流れる


私は、進み出す

そうだ、まだ残っていたのだ

Motherの世界が


265:2012/12/17(月) 22:29:15.68 ID:+dnq+bMJ0

BGMも、まさにラストに相応しい音楽へと切り替わり

意気揚々と、私は進んでいく

周りは、水と溶岩が囲い


某RPGを彷彿とさせる

…と考えていたら、またも私はワープした


266:2012/12/17(月) 22:32:25.14 ID:+dnq+bMJ0

今度は、さっきとは似て非なる場所だ

灰色の壁が、対称に配置されている


奥に階段らしきものが見受けられる



そして、樹海で出会った風鈴のような奴もいた


267:2012/12/17(月) 22:35:12.33 ID:+dnq+bMJ0

紫を基調とした像を横目に

階段を目指す


その時、私は初めて他人の意味ある言葉を理解した





4 3 3 0 8









268:2012/12/17(月) 22:36:34.95 ID:+dnq+bMJ0

風鈴は、私にとっては

まだ意味のある言葉をウィンドウで語ってきた


…嬉しかったが、そこからの進展は無いと判断して

階段へ急ぐ



階段の下は真っ暗だ


269:2012/12/17(月) 22:38:53.62 ID:+dnq+bMJ0

でんとうで、何とか歩き

行き止まりの地点で、私はエフェクトを手に入れた


QB「おめでとう、それは『ぶよぶよ』だ」


…やっぱり声に元気が無さそうだ

だが感情の無い奴に心配するほど心は広くない


270:2012/12/17(月) 22:41:35.62 ID:+dnq+bMJ0

一つ目の怪物からとったエフェクトは

見た目こそ変わらないが

念じれば、私の体が「ぶよぶよ」する

それだけだった



私は外に出て

遠くに見えるピラミッドを目指す


271:2012/12/17(月) 22:47:57.29 ID:+dnq+bMJ0

ピラミッド、というよりは

遺跡に近いものだった

迷わず、でんとうで辺りを照らし

進んでいく


途中の住民は、皆意味の無い数字を羅列するだけのようだ


272:2012/12/17(月) 22:49:31.56 ID:+dnq+bMJ0

壁は、顔がデザインされていて

赤や紫など色々あり

正直、気持ち悪かった




そして、私は奇妙で恐ろしい体験をすることになる



273:2012/12/17(月) 22:51:19.40 ID:+dnq+bMJ0

…おや、行き止まりのようだ


でも特に変哲の無い部屋

私は見回してみる


…スイッチのようなものに気づいた

押してみる




「 」





274:2012/12/17(月) 22:53:49.95 ID:+dnq+bMJ0

ほむら「…何かしら?」


ウィンドウは出てくるが、何も表示されない


不思議に思い、何度か押してみる


QB「ダメだ、暁美ほむら!それは…!!」


キュゥべえは、私が4回目にスイッチを押したときに来た

それと同時に…辺りが、私の体は…







バグった





275:2012/12/17(月) 22:57:49.32 ID:+dnq+bMJ0

ほむら「…な!?」


体が、複雑な方向にねじれている

血一つ吹き出さない私の体が不思議だ

周りも、一部は真っ黒になっている


もう一度、270度傾いた右腕で、スイッチを押す


QB「危険だ!データが限界を超えて、破壊されてしまう!」


それが、脱出の方法ならば…!





276:2012/12/17(月) 22:59:24.32 ID:+dnq+bMJ0

私は信じて、ボタンを押し続ける

周りも、色がとんで、黒い部分が目に見えて増えだした

私の左足も、感覚はあるが、消えてしまった


それでも、崩壊する世界を気にせず、私はスイッチを押し続ける


私が、8回目にスイッチを押したその時…!


277:2012/12/17(月) 22:59:57.45 ID:+dnq+bMJ0












































278:2012/12/17(月) 23:08:27.42 ID:+dnq+bMJ0

ほむら「ガ………ッ!?」

私ノ視界ガ、カらフルニナり

トテツもなく、幸セナキぶンニナッタ

アア、私は助かったノカ

ビビビビビビビビビビビ

視界がな波打ち、私は体を上昇させテ

遥カ彼方ヘ飛んで忌ム湯や

モうこのまままままままままままま

私か去り去り消えエエエエエエ去れ?


ERROR 4-0-4


279:2012/12/17(月) 23:11:08.97 ID:+dnq+bMJ0

…はっ!!

私は跳ね起きた

…ここは、私のベッド

正確には、私が使っている

見覚えがないベッド


私は、この世界に引き留められたのか


280:2012/12/17(月) 23:16:02.18 ID:+dnq+bMJ0

QB「…暁美ほむら、よりにもよって、意図的に世界を破壊させるなんて…」

QB「どうかしてるよ」

QB「あそこで、もし円環の断に導かれていたら…」


聞いたことの無い言葉だが

それよりも、脱出できなかったという思いが

私の心を更に悲しみで染め上げていった…


287:2012/12/18(火) 18:47:49.18 ID:nNMPalRz0

…私は、ブロックの世界にいる


扉の先は立体が配置され、色は紫系統だ

眼下には、また荒野のアイツがいる


私は、この不規則な世界を進んでいく


288:2012/12/18(火) 18:53:29.90 ID:nNMPalRz0

程なくして、私は帽子とマフラーを見つけた

…どうせエフェクトである

誰かの落とし物という夢のような考えは捨て

私はそれを身につけた


…さやか

彼女は、今どうしているだろう


289:2012/12/18(火) 18:56:33.62 ID:nNMPalRz0

QB「そのエフェクトにも、コンボがあるんだ」

QB「『ゆきおんな』で雪を降らせて…」

QB「『ぼうしとマフラー』を使えば、雪だるまになることができるよ」


言われた通り、やってみる




…私は、可愛らしい雪だるまになった


290:2012/12/18(火) 18:57:59.42 ID:nNMPalRz0

…ほむだるま

自分で思いついて、クスッと笑ってしまった

だが、ほむだるまは遅い

地面を擦って動くからだ



変身を解き、普通の足で、前に進む


291:2012/12/18(火) 19:01:10.24 ID:nNMPalRz0

男子トイレを無視して

ずっと進むと、人がいた


…だが、あれは人とは言えない

透明な姿であることが、私と同じ柄の

ぼうしとマフラーで分かる





声をかけようとする私を

キュゥべえが制した


292:2012/12/18(火) 19:07:37.87 ID:nNMPalRz0

QB「あの少女が、誰だか分かるのかい?」


…少女!?

その言葉に、心ならずも私は淡い期待を抱いてしまう

今まで散々な目に遭ったが、それでも捨てきれないあたり

やはり愚かだと言わざるを得なかった


QB「彼女が誰だかを確認するなら、『しんごう』を使えば良い」

…しんごう?


293:2012/12/18(火) 19:14:22.58 ID:nNMPalRz0

ほむら「他にも効果があるの?」

QB「僕等の調査で分かったことだが…」

QB「しんごうの効果は、動きを止める事だけでは無い」

QB「物体そのものが、変わる物体がいるんだ」


一体、何をどう調査したのか気になるが

ここで嘘は吐かないはずだ


私は、しんごうに変身して、赤信号にしてみた






…透明な体が、厚着をした緑の髪に姿を変える


294:2012/12/18(火) 19:18:05.57 ID:nNMPalRz0

ほむら「ひ…仁美…!?」

彼女は、志筑仁美

さやかとは、いずれ上条恭介と恋敵になる親友だ

お上品で、妄想癖のある彼女は、私も仲良くなった事がある

…最も、さやか魔女化のキッカケになるので、最近は敬遠していたが


それでも、私は会話を試みる



やはり、私に気づいてくれない


295:2012/12/18(火) 19:20:22.69 ID:nNMPalRz0

彼女は、俯いて寂しそうだった


しんごうはそのまま、私が顔を窺っても

全貌は見えない



…そういえば、さやかと同じ衣装をしている

何か関係があるのだろうか




そう思っていると、私の体は、またワープする


296:2012/12/18(火) 19:27:02.93 ID:nNMPalRz0

…ワープした先は、高い場所だった

私が上れなかった青い扉にも、連れて行ってくれるだろうか



…私は、形だけでも同じにしようと

雪がまだ降っている中「ぼうしとマフラー」を使い

ほむだるまになる

…何だかこの名前も飽きたなぁ


仁美?は、既に透明になった体で

望み通り、私を高所にあった青い扉へとワープさせた





297:2012/12/18(火) 19:30:18.92 ID:nNMPalRz0

…近くで見ると、青いというか黒い

表面に顔らしい線が入っている、特徴的な扉だ


…私は、明るい世界を信じて

扉へ入っていく









その直後、私のソウルジェムが

パキン!……とヒビが入った気がした


298:2012/12/18(火) 19:34:46.17 ID:nNMPalRz0

ほむら「ひ…」


ほむら「仁美ぃぃいいいいいいいいいいいいいい!!」



…風も無く、色も無く

無邪気で、残酷







私が、樹海の先で見た

あの、白黒世界がここにあった





299:2012/12/18(火) 19:38:38.51 ID:nNMPalRz0

…騙された

私は、仁美に騙された…!


悲しいかな、精神を大分殺られて、他者を恨んでしまう私

もう、最初に注意していた

自意識を保ち、世界観に飲み込まれない…という考えは



ものの見事に忘れ去っていた

それほどまでに、この世界はトラウマとなっていた


300:2012/12/18(火) 19:44:05.73 ID:nNMPalRz0

…真っ白い、川

奇怪な、壁


そして、妙に短い川と

目が大きな…人?


私は、そちらへ足を進めていく


…その目が大きい人は、刺し殺した


301:2012/12/18(火) 19:46:05.02 ID:nNMPalRz0

…川が、続いている

奥には、白黒の炎が燃え上がり

赤いチューブが通っている


…もう、何なんだココは


その先は、私を遂に狂わせた


302:2012/12/18(火) 19:47:03.40 ID:nNMPalRz0

…足


…足


…足


…足が、埋まっている

無理矢理に埋めたような感じがした


303:2012/12/18(火) 20:08:12.95 ID:nNMPalRz0

私は何も言わずに包丁を手に取り

…足を、刺しまくる

無表情で、死んだような瞳で、刺して刺して刺しまくる

足の指が、僅かに反応して痙攣する





…私が満足したころ、巨大な足の膝は真っ赤に染まり

私の腕ごと、包丁も赤黒くなっていた


304:2012/12/18(火) 20:11:44.63 ID:nNMPalRz0

四角い、ブロックの入り口を見つけ

中に入ると、行き止まり








…だが、私の見えないところで

生首が飛んでいたのは最期まで知らなかった


305:2012/12/18(火) 20:14:16.39 ID:nNMPalRz0

行き止まりと勘違いした私は

めだまうでを使って脱出する


…なりたくはないが、仕方が無い







首から上は腕に変わり

手を閉じた瞬間、何かがおこり

私は12の扉の部屋に戻っていた


314:2012/12/19(水) 17:11:21.23 ID:3cr/FN760

…さやか

私は、少し落ち着いてから

自然とあの雪原へ足を踏み入れていた


もう一度、助けだそう

彼女を、救いだそう


…程なくして、さやかの居るかまくらへ辿り着く


315:2012/12/19(水) 17:16:15.87 ID:3cr/FN760

…美樹さやかは、相変わらず寝ていた

でも、よく生きていたものだ

今のところ、私の知人の中で…


生きている人はさやかだけだ


ほむら「良かった…今、助けるから…!」



316:2012/12/19(水) 17:18:25.96 ID:3cr/FN760

私は、前に決意したように

大量のエフェクトを収集して、ここへ来た

…どれか一個はと思って、片っ端から試してみる


ダメ

ダメ

ダメ

ダメ


それでも、私は諦めない

そんな私を、冷ややかに見つめるキュゥべえがいた


317:2012/12/19(水) 17:29:36.86 ID:3cr/FN760

QB「君は、彼女の何に拘るんだい?」

ほむら「良いのよ、彼女が、私に目を開いて…」

ほむら「とびきりの笑顔を見せてくれたら…!」


ピクッ


それは、ねこを使った時におこった

彼女の体が、わずかに反応したのである


318:2012/12/19(水) 17:32:33.87 ID:3cr/FN760

…これだ!

私は、必死に猫耳と尻尾を揺らし

さやかを起こそうとする


けれども、さやかは反応しても、目を開けることは無かった


1時間頑張って、ついに諦めた

…無駄だった


319:2012/12/19(水) 17:44:06.32 ID:3cr/FN760

他のエフェクトも試すが無理

私は、さやかを助けることが出来なかった

ガクリと膝を折って、さやかの膝にすがる


ほむら「うぅっ…さやかぁ…」グスッ

QB「彼女は、生きているじゃないか」

ほむら「これじゃあ死んでるのと同じじゃない…!」


QB「どうして君は、私欲のために人の昏睡を妨害するんだい?」

ほむら「!?」

QB「…訳が分からないよ」


320:2012/12/19(水) 17:54:31.42 ID:3cr/FN760

そんな…私は…ただ、さやかを助けようとして…

…もしかしたら

ひょっとして、これが美樹さやかの望んでいる形だったら?

私は、そのために一体、何を?


ほむら「……!」ウグゥッ


私は、言葉にならない声を出して、泣いた

涕泣した

自分の心の醜さが、悔しくて、悔しくて…


321:2012/12/19(水) 18:02:57.36 ID:3cr/FN760

ほむら「…フフフッ」


ユラリと立ち上がり、最後のエフェクトを使う

考え得る全てのエフェクトを使い切り

なお最後に残って、使わないと決めていた…


ほうちょう



ほむら「…フフ、アハハハハ!!」バスッ



私は、彼女の喉笛を突き刺した

…いつかの、影の魔女と渡り合った、あのさやかの様に




322:2012/12/19(水) 18:06:24.06 ID:3cr/FN760

さやかは悲鳴を上げて、その場に倒れ込んだ

それが、最初で最後に聞いた、さやかの声


ほむら「…バスッ…バスッ…あっははははぁ!!」


何度も、何度も、彼女の腹に深々と包丁を出し入れ

鮮やかな赤い血が降り注ぐ



…彼女は

…美樹さやかは


死んだ




323:2012/12/19(水) 18:11:01.91 ID:3cr/FN760

ほむら「ハァ…ハァ…」

だんだん心が平常に戻っていく

それと反比例して、私は美樹さやかを殺してしまったという思いが膨れ上がる


…私が、殺した

美樹さやかを、殺してしまった

たった一つの命を消してしまった

赤く輝く、この包丁で


324:2012/12/19(水) 18:13:47.49 ID:3cr/FN760

非常に、あっさりとした死に方をしたものだ

白い雪が、赤い血と混じり合う様を見届け

私はかまくらを出る


途中で、鳥人間を刺した

…目が血走り、発狂鳥人間へと変わり、私を追いかける



私は、何故こんな自殺行為に走ったのだろう


325:2012/12/19(水) 18:20:32.37 ID:3cr/FN760

そこからの記憶は、プッツン途切れていた

だが、気がつくと私は妙な場所にいた


…浅瀬

ピンクの水、どこか落ち着いた紫の風景


ここは、どこだ?

確か、池があったかまくらに来てから…


考えている間に、歩き始めていた




326:2012/12/19(水) 18:22:54.32 ID:3cr/FN760

…風船だ

ピンクの風船が、地に結びつけられている

エフェクトだろう

私は、触れてみる



その瞬間、視界がガランと変わり

陸地の外に移動していた

どうやら風船に触ると瞬間移動するようである


327:2012/12/19(水) 18:32:03.88 ID:3cr/FN760

…浅瀬は、チャプンチャプンと音を立てる

何か普段より遅い


そんな些細なことはともかく

私は円錐のオブジェが目に入った


ここに行くには、黄色い風船につながる道を探さなくては

辺りを見回して、探していく


328:2012/12/19(水) 18:37:26.58 ID:3cr/FN760

駆け寄ると、緑色の風船は

私を黄色い風船の場所まで連れて行ってくれた


…線対称な地面で

紫を基調とした円錐のオブジェが四隅に立ち

真ん中には円錐の入り口があった


…さて、ここへ入る

それは、私が最も待ち望んだ世界だった

否、部屋と言った方が正しいかな…?


330:2012/12/19(水) 18:40:41.16 ID:3cr/FN760

…女の子らしい

可愛い部屋

家具はみんなピンクで

かといって単調になっていないのが良い感じだ


ほむら「杏子!!」


…佐倉杏子

魔法少女として典型的な、我欲のままに生きる

不幸な一人の少女

彼女とは考えも一致しやすいので、何かと頼っていた




331:2012/12/19(水) 18:42:40.66 ID:3cr/FN760

彼女がここに住まっているとすれば

…彼女らしくはないが

そんなことは後にして、杏子との再会を喜ぶ


ほむら「杏子…良かった」


…あれ?

杏子は、こちらに反応しない


332:2012/12/19(水) 18:45:52.33 ID:3cr/FN760

ほむら「きょ、杏子…?」

彼女を観察する

…ソウルジェムも無事で、体に損傷はない

だが、瞳には魂がこもっていなかった


ほむら「杏子…何かあったの…?」


私の言うことにまるで無関心で

あたかも私がいないかのように振る舞っている

何となく、私を渋っているように見えなくも無い


333:2012/12/19(水) 18:48:52.02 ID:3cr/FN760

杏子には悪いが

彼女の、らしくない部屋を物色しにかかる


…ピンクのタンスは開かず

ピンクの本棚に入った本も動かない

水色のベッドも固かった


まるで、彼女を残して時間が止まっているような…


334:2012/12/19(水) 18:51:56.59 ID:3cr/FN760

…照明のスイッチだ

彼女は、目が虚ろのまま

…ここは一つ、彼女の目を眩まして

正気に戻してやろう
^^^^^^^^^^^^^^^^^^


パチンと、照明を消した


335:2012/12/19(水) 18:53:20.94 ID:3cr/FN760

…真っ暗だ

家具は輪郭がうっすらと浮かんでいる

ここまで色味が無くなるのは変だなと思いつつ

また照明を点ける


彼女は、変わっていない


336:2012/12/19(水) 18:55:13.27 ID:3cr/FN760

ほむら「ねぇ…杏子、どうしたの?」ユサユサ

杏子に揺さぶりをかけるが、顔一つ変えない


ほむら「ハァ…」



と一息ついて、私はまた照明を消す


337:2012/12/19(水) 18:56:09.74 ID:3cr/FN760

………



………



私は、絶句した


338:2012/12/19(水) 18:56:45.62 ID:3cr/FN760








彼女は、異形の、おぞましい怪物に姿を変えたのだ…






339:2012/12/19(水) 19:31:04.60 ID:3cr/FN760

…顔でできた、怪物

手足は無く、色も無い


周りの家具も、目玉があったりと変化している

それは、恐怖を超越した


…狂気


340:2012/12/19(水) 19:33:30.45 ID:3cr/FN760

徐々に、私は理解する


ほむら「…あぁ、はあぁ…」

ほむら「いやぁあああああああああああ!!」


揺れ動く部屋の中で、私は叫んでいた

素手で、破れかぶれに突進する

コイツは、杏子じゃない…!



私が怪物を凹ませた瞬間、私はどこかに転送される


341:2012/12/19(水) 19:37:41.87 ID:3cr/FN760

…如何ともしがたい、世界

…あらゆる恐怖を結集させた、狂気

地獄も顔負けの、キチガイの世界があった


背景には、口から盛大に血を吐く化け物がいる

人の顔をしていて、足は4本で足場を溶かしながらくっついている


私は、初めて思った

細胞の一つ一つが、死にたいと思った


…狂気の白黒世界に、飛ばされてしまった


342:2012/12/19(水) 19:40:16.37 ID:3cr/FN760

…おかしい

一本道なのに、どれだけ進んでも

やっぱりあの怪物のところへ戻ってしまう


ここは、こういう仕組みなんだ

私は、前にあれほど毛嫌いしていためだまうでになり

扉の世界へ舞い戻る


343:2012/12/19(水) 19:43:37.62 ID:3cr/FN760

ほむら「うはぁ…ああぁ…」

声もだえだえ、ヘタリと座り込んで、一つ目のまま泣いた


ほむら「杏子…どうしてぇ…」ウッウッ

ほむら「私は、誰も助けられないんだ…」グスン


ソウルジェムも、もはや気にすることは無い

どうせ、真っ黒だ


344:2012/12/19(水) 19:46:33.03 ID:3cr/FN760

涙を拭いて、私は扉を開ける


そこは、蝋燭の世界

これで、私は全ての扉を開けたことになる


その時だった

背後から、鳥人間が超速で追いかけてきた

声を出す暇も無く、私は捕まった


345:2012/12/19(水) 19:51:18.85 ID:3cr/FN760

…立方体の、ブロックに閉じ込められた

遠くには、無数のブロックが浮かんで

何か光っている


だが、見えない壁に阻まれて、ここから出ることができない

でたとして、落ちてしまう


…頬をつねり、始めからやり直す


346:2012/12/19(水) 19:54:09.29 ID:3cr/FN760

…起きた

もう、涙も出なくなっていた

布団と枕は、涙でぐっしょり濡れている

きっと眠っている間に涙を流したのだろう



私は睡眠薬を服用し、静かに眠るのを待つ

もう、これでしか眠れなくなってしまった


353:2012/12/20(木) 20:42:58.51 ID:sArRhR530

…気がつくと、ベランダにいる

私は12の扉のある部屋へ向かい

怯えながら、蝋燭の世界に足を踏み入れた



どうやら追ってこない

安堵して、不気味な世界を歩いて行く


354:2012/12/20(木) 20:48:32.58 ID:sArRhR530

…小人だ

動きは速く、剣を上に掲げて走っている

緑の三角帽をかぶっていた


しんごうを使い、動きを止めて触れてみる


QB「それは『こびと』のエフェクトだね」

ほむら「…小さくなるってことよね」


355:2012/12/20(木) 20:51:15.01 ID:sArRhR530

……小さい

キュゥべえが、巨大な怪獣に見える

今にも私を踏みつぶしそうだ


QB「念じれば、自分の分身を作ることができるよ」


コイツの声は、グワンと響かない

テレパシーで脳内に語りかけているからだ

その変わり、こびとの足音が喧しい


356:2012/12/20(木) 20:54:04.18 ID:sArRhR530

念じると、心地よい効果音と共に

私の分身が出現する

ただ、意思は共有していて

何も喋らず、私の周りをついてくる




…ソウルジェムの濁りが激しく

分身は7体が限度だった


357:2012/12/20(木) 20:56:45.98 ID:sArRhR530

そして、その先にはピラミッドがあった

紫と白の横縞カラーで、入り口の穴は小さい


これこそ、こびとのエフェクトだ


…ただ、分身が多すぎる

減らさないと…と念じてしまい




私の分身が、破裂した


358:2012/12/20(木) 21:00:46.57 ID:sArRhR530

バチャッ…という嫌な音を立てて

赤い血と共に風船の様に破裂した


…私の皮膚だった端切れを拾い上げ

まじまじと見つめる

こういうところで、人と同じにしないで欲しいなと思った


辺りは、弾けた私の肉片が転がっている


359:2012/12/20(木) 21:03:15.67 ID:sArRhR530

それでも、頼りにならない分身なのだから

残り全体を破裂させていく


パチャッ

パチャッ

パチャッ…


私一人を除き、辺りは凄惨な光景が広がった


360:2012/12/20(木) 21:06:58.35 ID:sArRhR530

キュゥべえなら、死体を食べて処理するのだが

私にはカニバリズムなど言語道断、できるわけがない

無残に飛び散った「私であった」骨を見ながら


後ろ髪を引かれる思いで中に入る



そして、私は逃げる


361:2012/12/20(木) 21:09:43.55 ID:sArRhR530

…紫と白の市松模様

まどかのリボンをつけた私を見た


タイルの世界

そして、私を血走った目で見つめる

発狂鳥人間



ものの数秒で、私はピラミッドへ戻る


362:2012/12/20(木) 21:15:09.52 ID:sArRhR530

私は、闇雲に走った

肉の塊をグチャリと踏んだが、気にしない


とにかく、追ってくると思った


私は走って、何かにぶつかった

それは、白い体に黒の顔


移動している群れだった


363:2012/12/20(木) 21:17:13.81 ID:sArRhR530

奇怪な光景だが

気にもとめずに走り続ける


こんな光景は今まで散々見てきたからだろうか




…ベッドだ

そして、ベッドの奥に鳥人間がいる

良かった、発狂してはいなかった


364:2012/12/20(木) 21:19:56.51 ID:sArRhR530

さっきの鳥人間が追ってこないのを確認し

私はようやく一息ついた


…ここにあるベッドに、意味はあるのだろうか

私は、ベッドで寝てみようとするが…



こびとのままだった


365:2012/12/20(木) 21:22:19.03 ID:sArRhR530

自分で気づかなかったのは凄いなと思いつつ

元に戻って、ベッドに寝てみる


…何かこんなところで寝るのもなぁ

横にいる鳥人間に、食われてしまうんじゃ…




と思っていたら、何と私はグッスリ眠ってしまった

夢の中で、また夢を見たのである


366:2012/12/20(木) 21:28:07.66 ID:sArRhR530

……

……目が覚めたら

目が覚めたらという言い方も変だが…


見知らぬ、長い階段のどこかにいた

ぐにゃぐにゃした青い腕が、そこら中から生えている


ほむら「ひいっ…!」


…異質だった


367:2012/12/20(木) 21:30:42.94 ID:sArRhR530

ほむら「な、何なの…」


取り敢えず、下を目指して歩いて行く


だが、下へ行く度

来ては行けない世界に来てしまったという思いが強くなる


そもそも、この世界に来てはいけなかったんだと割り切り

地下へ、到達した


368:2012/12/20(木) 21:35:17.20 ID:sArRhR530

…薄暗い、地下の廊下

右手にエレベーターがある

そして、奥では火災がおこっていた


…安全を考え、エレベーターに乗る

そもそもこの世界で精神が安定していたことが有っただろうか


369:2012/12/20(木) 21:40:15.80 ID:sArRhR530

…そこは、私が心から嫌っていた

あの駅かデパートのようなところだった


上に行くエスカレーターのパイロンが

外されている

…こういうとき、上を選ぶと安心する

人間の心理だそうだ

そして私は、この救い様の無い世界で


最も幸せな体験をすることになる


370:2012/12/20(木) 21:42:45.56 ID:sArRhR530

…エイミーだ

まどかが救った、一匹の命

そのために、私の絶望のスパイラルが始まったのかもしれなかった


ここは、そのデパートか駅の屋上

エイミーは、奥の段ボール箱の山の上で

毛繕いをしていた


371:2012/12/20(木) 21:45:08.76 ID:sArRhR530

私がおいでおいでしてやると

その黒猫は私に近寄ってきた

…ただ、その目は赤い


エイミーの目は、普通の黒い瞳だが

赤いというのが、夢であると失望させた


それでも、私はまともな生き物と触れ合えた


372:2012/12/20(木) 21:49:24.97 ID:sArRhR530

空は明るく、活気溢れる色をしていた

そういえば、私はこの世界に来てから

青い空を見たことが無い



素晴らしい、素晴らしい充実感だ

エイミーは私のことを知っているのか

鳴き声を出して甘えてくる


…嬉し泣きも、久し振り


373:2012/12/20(木) 21:54:35.48 ID:sArRhR530

私は、眼下に広がる街を見下ろす

これで、外はどうなっているか

この街がどこかであるか、分かった


一気に、帰れるかもしれないという希望が湧いてくる


この世界を、今は使えない魔法の力で、味わえたら…


374:2012/12/20(木) 21:56:10.59 ID:sArRhR530

…そうだ

有るでは無いか


魔法少女になれる「まじょ」が!!


しかし、典型的な魔法使いと黒猫…

どこかで見たような?


375:2012/12/20(木) 21:57:59.67 ID:sArRhR530

魔法使い、可愛らしいコスチュームに身を包み

エイミーは落っことしてしまうかもしれないので


一人で空中散歩と洒落込もう

箒にまたがり、勢いよく飛び出した



私は、空を飛んでいた


376:2012/12/20(木) 22:00:15.23 ID:sArRhR530

…風が、気持ちいい


私は、幼い頃に憧れた魔法少女になり

今、その願い通りに空を飛んでいる


何と素晴らしいことだ

今までの反動からか、喜びも大きい


嬉しい


377:2012/12/20(木) 22:03:55.93 ID:sArRhR530

…山が延々と連なり

そこそこの街で、高いビルはあそこだけらしい


外は、こんな風景が広がっていたのか

ならば、私がいる家はどこにある?



そんなことより、この幸せな時間を

噛みしめていたかった


378:2012/12/20(木) 22:08:04.15 ID:sArRhR530

この、全てがどうでもいいと思える感覚

できるなら、まどかと一緒にいたかったが


辛い気持ちが全て吹き飛んでいく

私は、子供のような笑顔を浮かべ


ただ、感動していた

ずっと、ずっとこのままが良いなと思いながら…





379:2012/12/20(木) 22:09:48.57 ID:sArRhR530

……

……

……

……

……

……


ドン!


380:2012/12/20(木) 22:11:31.81 ID:sArRhR530

ほむら「…っ!」


体に、鈍い痛みが走る




…どうやら私はベッドから落ちたようだ

さっきの事は、あくまで夢だったのだ


381:2012/12/20(木) 22:14:06.09 ID:sArRhR530

ほむら「夢…」ウルウル


結局は夢であった事を知り、悲しくなる




ソウルジェムは再び紫に輝いていた

だが、この後にソウルジェムが輝きを取り戻すことは無かった




389:2012/12/21(金) 19:51:29.86 ID:K6cDUNFK0

私は、ある世界を駆け回っていた

…私に、夢の世界を教えてくれた

あの「じてんしゃ」を手に入れた世界である


私が見た光景は、あの場所からも入れるのだ


私は気になっていた

マンホールの存在に


390:2012/12/21(金) 19:55:54.78 ID:K6cDUNFK0

あのデパート…

実は薄々気づいてはいたが

エスカレーターの他、マンホールがある


あのデパートから行けるのは、3つだけだ

地下と屋上が行き止まりであったのだから



マンホールの先が、まだ見ぬ場所かもしれない


391:2012/12/21(金) 20:01:18.02 ID:K6cDUNFK0

ほむら「…ココね」

相変わらず身震いするような場所だ

屋上への道は封鎖されていた



丸いマンホール

私は、この先の世界に備えつつ

中に入った


392:2012/12/21(金) 20:06:57.20 ID:K6cDUNFK0

…出てきたところは、森だった

ここは巴マミのいた森とは別の場所らしい




取り敢えず、歩かなければ始まらない

探求心を支えに、進んでいく


393:2012/12/21(金) 20:10:08.01 ID:K6cDUNFK0

中途にいた蛙を無視して

行き止まりに来てしまった


枯れたのか焼けたのか、黒っぽい木の横には

樹海で会った風鈴のようなものが浮いている


どうやら森が好きなのだろう


394:2012/12/21(金) 20:15:57.42 ID:K6cDUNFK0

触ると、風鈴の様な音色を奏でる

途端、私はどこかに飛んでいった



そこには、若干の覚えがあった

神速鳥人間に、捕まった場所であった

そうか、ココだったのか


395:2012/12/21(金) 20:19:10.78 ID:K6cDUNFK0

大小様々なブロックが浮かび

さながら妙な空間である

私の両隣には、四角の形をした赤いパネルがあった

それぞれ、点滅している



踏むと、数あるブロックのどこかへ転送されていった


396:2012/12/21(金) 20:21:51.96 ID:K6cDUNFK0

…どうやら転送装置で脱出ルートを探すようだ

行き止まりだったので

戻って別のパネルを踏み、ワープする



こんな調子で、奇妙な人らしき物体を2つほど見つけながら

私はワープを繰り返していった


397:2012/12/21(金) 20:27:13.76 ID:K6cDUNFK0

…おそらく20回はワープをしたであろう

私は、色が青いパネルの場所に辿り着いた


これが正解のルートらしい

私は、そのパネルを踏む




また、嫌な世界に私はワープしていった


398:2012/12/21(金) 20:32:06.62 ID:K6cDUNFK0

…荒野

ゼンマイが無数に生える、荒野

また、この世界なのか



私は、進み出した


399:2012/12/21(金) 20:37:01.26 ID:K6cDUNFK0

…しかし本当に広い場所である

目印も何も無い


前に来た時には、既に見尽くしたと思ったのだが…

…何だアイツは


…トイレットペーパー?


400:2012/12/21(金) 20:42:56.14 ID:K6cDUNFK0

ペラペラな体に目があり、くねくね動いている

それは、タオルだった


QB「そのエフェクトを使えば、タオルにくるまる事ができる」

…やっぱりハキハキしている感が否めない


私は、大荒野でタオル一枚になった


401:2012/12/21(金) 20:45:47.82 ID:K6cDUNFK0

…なんだコレは

死ぬほど恥ずかしいではないか!


私は、裸一貫に、タオルを被った状態で

大荒野にポツーンと取り残された


これは…いくら何でも、ちょっと

私はさっさと元に戻る

まともな人がいないのが、こんな時に助かるとは…


402:2012/12/21(金) 20:48:29.38 ID:K6cDUNFK0

…思い出しただけで、顔から火が出るほど恥ずかしい

キュゥべえは刺し殺し、私は荒野を再び彷徨った



ほむら「…?」


何か、陽気な音楽が聞こえる


403:2012/12/21(金) 20:51:38.61 ID:K6cDUNFK0

私は、音のする方へ近づいていく

それにつれ、全容もハッキリしてきた



何と、鳥人間達が荒野でピクニックをしていたのだ

陽気な音楽と共に、3人楽しく踊っている

ランチョンマットには、お弁当がおいてあった


…おいしそうだ


404:2012/12/21(金) 20:54:27.71 ID:K6cDUNFK0

ほむら「……」

鳥人間にも人間らしい事ができるのか

…あれ?ここから進めない

どうやらゼンマイが邪魔をして、近づくことができない様だ


どかしたいが、何故かビクともしないのが癪に障る

力任せに、進もうとする





405:2012/12/21(金) 20:59:39.93 ID:K6cDUNFK0

ほむら「…ちょっと混ぜてほしい…なんて」


それは、最も明るく

そして、最も残虐で


私の気持ちを踏みにじる様な、ピクニックだった


私だけが、除け者にされ、取り残されていた

私など眼中に無いかの如く、踊り続けている


406:2012/12/21(金) 21:02:36.68 ID:K6cDUNFK0

混ぜてほしい

私も、一緒に踊りたい

ラジカセから流れる音楽すら

私の気持ちを理解しようとしなかった



ピキッ…ピキッ…と

私の心に音を立ててヒビが入っていく

それは同時に、ソウルジェムの物理的なヒビでもあった


407:2012/12/21(金) 21:06:54.69 ID:K6cDUNFK0

友達が作れなかった、昔の私を思い出す

その思いは、悲痛な心の叫びとなって現れた


ほむら「ねぇ…混ぜてよ…」

ほむら「私も混ぜて…」

ほむら「…私に気づいてよぉ!!」



なおも、明るい音楽は流れ続ける


408:2012/12/21(金) 21:09:03.67 ID:K6cDUNFK0

…惜しみつつも、その場を立ち去った


かさで、雨を降らせてやった

ざまぁみろ!



…もはや、他人の幸せが恨めしい

そこまで、私は「人間」として落ちぶれていた


409:2012/12/21(金) 21:10:37.95 ID:K6cDUNFK0

無我夢中で、逃げるように走った


闇雲に走って、気づくと巨大な階段が目の前に有った


この先は、何だ


さっきの思いは封印して、淡々と上っていく


410:2012/12/21(金) 21:15:23.63 ID:K6cDUNFK0

異常に巨大な、神殿のような階段だ

正方形のブロックがピラミッドのように配置され

空は途中で青から緑へ変わっていった







オゾン層まで上ってきたのだろうか

そして、10分経った末にようやく長すぎる階段は終わった


411:2012/12/21(金) 21:17:09.90 ID:K6cDUNFK0

ほむら「…公園かしら」

果てしない階段の先は、落ち着いた公園だった


水色の体に赤い一つ目

そんな摩訶不思議の生き物が、たたずんでいる


触れたら瞬間移動した


412:2012/12/21(金) 21:23:37.70 ID:K6cDUNFK0

…崖に、三人の姿を見る

みんな私より背が高く、大人のようだ

そして、みんな緑を基調とした色で、ピクリとも動かない


やはり人では無かったのだ

私がデパート屋上で見た街の、夜景が広がる



綺麗だった


413:2012/12/21(金) 21:27:10.27 ID:K6cDUNFK0

…赤煉瓦の公衆便所のような?

入ってみると、白い花が咲いている


暗闇に、チューリップか何かがたくさん咲く光景は

不気味な感じだった


花に触ると、不思議な音を立てる

一体何だろう


414:2012/12/21(金) 21:29:45.23 ID:K6cDUNFK0

先は見えない壁に阻まれていた

そして、扉から差し込む光が消えている


…どうやらこの花がスイッチになっているようだ


私は道を戻り

そして、震え上がった




415:2012/12/21(金) 21:31:46.52 ID:K6cDUNFK0

ほむら「……」


無機質

暖かみなどまるで無い

コンクリートの廃墟というか、そんな感じだった


ハッキリ言って、怖い


416:2012/12/21(金) 21:33:26.08 ID:K6cDUNFK0

それでも、勇気を振り絞って進んでいく

水色の変な物体を通り過ぎ


ついにエフェクトを発見する

それは、一つ目の幽霊だった


中々すばしっこい


417:2012/12/21(金) 21:36:35.74 ID:K6cDUNFK0

何とか捕まえると

刺し殺した筈のアイツがやってくる


QB「△ずきんを使えば、透明になることができる」

QB「つまり、発狂鳥人間の対策にもなるね」


確かにソレは便利だが、今更というか…


418:2012/12/21(金) 21:44:26.27 ID:K6cDUNFK0

変身した、というよりも

死装束の中の冠り物をしただけである

△ずきん、正しくは紙烏帽子というらしいが

日本の幽霊がよくつけているアレである


もうここにいる理由は無い

奇跡的に、さっきの入り口を見つけたので

私は戻って、もう一度荒野を探検することにした


419:2012/12/21(金) 21:48:19.49 ID:K6cDUNFK0

…夜の公園を抜け

…長い階段を下りて……


ようやく地上に辿り着いた


私は、FC遺跡をもう一度調べようと思った

バラックへ赴き、転送できるアイツを探す



しかし、それが最悪の選択であったという事に

私はまだ気づかなかったのである


426:2012/12/22(土) 10:45:44.03 ID:+SCe0O7f0

最近、記憶力が低下してきていると思う

私は、あの長い階段を下りてから

記憶が途切れている



気がついたら、あのFC遺跡にいた

前回はFCバグで隅々まで見られなかったが

今回は、また新たな道を探してみよう


427:2012/12/22(土) 10:52:26.81 ID:+SCe0O7f0

相変わらず、気持ち悪い壁画だ

顔のようで顔でない感じの壁画である




それに見つめられながら、私は進んでいく

暗いので、でんとうを頭にかぶりながら…


428:2012/12/22(土) 10:57:26.17 ID:+SCe0O7f0

壁画の色は、赤と紫と

…今見つけた「白」の3つだ


BGMが止んで、モノクロになり

くらくらした

そして、その先で

私は地獄を見ることになる




429:2012/12/22(土) 11:00:18.41 ID:+SCe0O7f0

…目から、黒い手が出ていて

壁にはイソギンチャクのような触手が突き出ている

近づくと、それぞれ動いた





また来たのだ、白黒世界

そういえば、ここは何だかんだで

一番遠ざけて来た場所でもある


430:2012/12/22(土) 11:03:34.70 ID:+SCe0O7f0

後ろには、黒い海…?

そして奥には、汗のように溶けかかった壁

それと長い階段





意を決し、歩き始める

恐らく、ここが最後の探索場所になるだろう



431:2012/12/22(土) 11:07:15.10 ID:+SCe0O7f0

…枯れ果てた、川

短いトンネルと、手のようなサボテンか何か


狂気、狂気、狂気


ここは…狂気

ソウルジェムも目に見えて汚れを増やしている




432:2012/12/22(土) 11:13:09.64 ID:+SCe0O7f0

ほむら「あっ…!?」

トンネルをくぐったら、戻れなくなった


…覚悟を決めるときが近い

辺り一面は、仁美に連れてこられた場所と同じだ


投げやりになりながら

ここにまどかが…という最期の希望を託し

調べていく…


433:2012/12/22(土) 11:20:11.27 ID:+SCe0O7f0

…真っ暗

私が、目のでかい奴をズブリと刺し殺し

トンネルに入った

確か、同じやり方で、前は埋められた足を見たような…

と思っていたら、人影を発見した




誰か、すぐに分かった

それは昔の自分だったからである




434:2012/12/22(土) 11:22:21.19 ID:+SCe0O7f0

ほむら「…これって、眼鏡をかけた…私よね」



内気で、ひ弱で、眼鏡をかけていた自分

話しかけると、嫌な笑みを浮かべて、消え去った



…???


私は、トンネルを抜け出した


435:2012/12/22(土) 11:28:29.49 ID:+SCe0O7f0

あのニンマリとした笑みに

何の意味があるのだろう


私は、背の低い壁に囲まれた

広場のような場所に着いた



奥には、またも三途の川のような長い川

そして、短いトンネルがある


そこに、入っていった






436:2012/12/22(土) 11:31:37.76 ID:+SCe0O7f0

…かくして、私の目的は達成された

三途の川に建つ短いトンネル

その中には、私が最も愛している人がいたのである










鹿目まどか

普通の、どこにでもいる中学2年生

私は、彼女の春の木漏れ日のような笑顔が


…大好きだ




437:2012/12/22(土) 11:33:54.18 ID:+SCe0O7f0

ほむら「まどか…!?」


トンネルの中は、一本道で

まどかはウロウロ歩いていた


私は、彼女にヒシと抱きつく

目から、大粒の涙をこぼしながら…





438:2012/12/22(土) 11:35:33.77 ID:+SCe0O7f0

ほむら「良かった…良かった…!」ポロポロ

ほむら「無事で、良かった…」グスン



だが、問題は山積みだ


まず、私に反応しない

そして、彼女には色が無い



439:2012/12/22(土) 11:37:49.29 ID:+SCe0O7f0

目は虚ろ、死んだ瞳で

彼女は力なく笑っていた



今持っている全てのエフェクトを使い

彼女を、助ける


ほむら「待ってて、まどか…あなたを取り戻すから…!」


440:2012/12/22(土) 11:40:44.20 ID:+SCe0O7f0

白黒世界に彼女は染まったのだろうか


まどかを揺すぶっても、頬を叩いてもダメ

それどころか、ますます酷くなっている様な…


エフェクトは、数えて22個

これだけあれば、どれか一つは…!


順々に、使ってみる




441:2012/12/22(土) 11:44:47.16 ID:+SCe0O7f0

…30分は努力しただろう

「しんごう」を使った時に、それはおこった


ほむら「ひっ…!!」

赤信号の状態のまどかは、私の心を粉々に打ち砕いた


ほむら「どうしたの…何が…!?」

ほむら「ま、まどk…!?」



言い終わる前に、突如として、私の首は絞められた


442:2012/12/22(土) 11:47:54.62 ID:+SCe0O7f0

力に耐えきれず、エフェクトが解けても

なおも私を締め上げる


ほむら「ぐうっ…や、めて…」ギリリ


彼女は、腕を4本生やし

目は流れ落ち、口からは涎を垂らし

頭から更に腕が伸び、腹には深々と傷ができた



異形、の怪物に変化したのだ


443:2012/12/22(土) 11:51:22.36 ID:+SCe0O7f0

必死で手を振り解こうとするが

残り2本の手でその手を広げられてしまう


まどか「ほむらちゃぁん…エヘヘぇ…」

ほむら「まど、か…」

私は、初めて会話が成立したのだ

…それも、こんな形で



最愛の人に、裏切られる形で…


444:2012/12/22(土) 11:55:45.94 ID:+SCe0O7f0

腕が広げられ、体が引き裂かれそうだ

息もダエダエになりながら、私は叫び続ける


ほむら「お願、いだから…あぐっ」ギチギチ


抵抗虚しく、頭に生えた5本目の腕で

ソウルジェムが取り上げられる


ほむら「それ…は…ダメ…!」グギギ


445:2012/12/22(土) 11:58:09.77 ID:+SCe0O7f0

まどか「今までの、罰だよ…」

なおも、私を締め上げる手は強くなっていく


…意識が遠のく



そうだ、コイツはまどかでは無い

まどかでは、無いのだ

私の心につけいる、悪魔なのだ


446:2012/12/22(土) 12:03:11.26 ID:+SCe0O7f0

ほむら「ぐっ…!」ドタッ


私は地面に叩きつけられた

首の骨が折れるかと思ったが、無事に解放される



彼女は、私のソウルジェムを踏みつけようとした


ほむら「この…!」


私は、まどかが今まさに足を振り上げた瞬間

ソウルジェムを掠め取った


447:2012/12/22(土) 12:06:04.60 ID:+SCe0O7f0

ほむら「ハァ…ハァ…これさえあれば、こっちのもの!」


怒りに身を任せ、包丁を構える

突進してくる彼女は、既に人間ではない



4本の内、左手1本をぶった切った


鮮やかな赤い血が噴き出す





448:2012/12/22(土) 12:08:16.25 ID:+SCe0O7f0

まどか「あがあぁ!」


まどかはもんどり打って倒れ、苦しそうに藻掻き始めた

…慈悲の心などいらない

私は世界で一番最悪な人間だ



起き上がれない彼女に

包丁を刺しまくる


449:2012/12/22(土) 12:10:53.35 ID:+SCe0O7f0

無言で、腕を吹き飛ばし

腹を抉り、臓器を握りつぶす


こんなものでも、人間と同じなのは勘弁してほしい



…彼女が声をあげなくなるまで

…彼女がただの肉塊になるまで

私は無心で斬り続けた


450:2012/12/22(土) 12:12:52.97 ID:+SCe0O7f0

ほむら「…」

今の今まで、鹿目まどかであったもの

彼女はもういない

否、最初から存在しなかったのだ

全て、ニセモノだったのだ










だったら、こんな世界にいる必要は無い

私は何をしてきたというのか?


451:2012/12/22(土) 12:14:32.97 ID:+SCe0O7f0

まどかを助ける

ただ、それだけのために

頑張ってきたのに





自ら散らしてしまった

自ら、諦めてしまった

私の存在する理由が、無くなってしまった


452:2012/12/22(土) 12:16:55.81 ID:+SCe0O7f0

ほむら「…」


上空を、タコのような風船が飛んでいる

チャカポコと、グロテスクに飛んでいる


それで、私は壊れた


ほむら「…ふふ、ふふふふふ」



453:2012/12/22(土) 12:18:55.94 ID:+SCe0O7f0

私は頬をつねって、起きた


もう、まどかが何だ

全て、最初からいなかったのだ



目覚めて、やることは破壊




454:2012/12/22(土) 12:21:01.88 ID:+SCe0O7f0

テレビを持ち上げ、ドアにぶん投げる

外へ、外へ出たい

私の

かわいいかわいいかわいいかわいい

まどか

貴方はもういない


私には、守れなかった

鹿目まどかを…




455:2012/12/22(土) 12:24:15.67 ID:+SCe0O7f0

ゲーム機を潰し

本棚の本をビリビリに破き

本棚を蹴倒し


ドアに奮然、殴りかかった



ほむら「このっ、このっ、このおっ…!」

ほむら「私を、私を助けてよ!」




ほむら「助けてよお!!!」




456:2012/12/22(土) 12:26:43.21 ID:+SCe0O7f0

ほむら「うっ…うっ…助けてよ…」ポロポロ


傷一つ無いドアを前に、私は泣き崩れた


意味が無いのだ

全てが、虚しい

まどかを救えなかった…

それは、私の存在を否定することにも等しい


457:2012/12/22(土) 12:29:23.67 ID:+SCe0O7f0

ほむら「…ダメ」

かぶりを振って

私は指定量以上の睡眠薬を飲み


ベッドに横になる


もちろん、ソウルジェムが砕かれない限り

死なないことは分かっている


そのソウルジェムも、漆黒の闇を映し出していた


462:2012/12/22(土) 20:49:50.71 ID:+SCe0O7f0

…鹿目まどか

私が、全てを捨てて追い求めた

私の かわいいかわいいかわいいかわいい まどか


彼女がいない

それは、私の存在する理由にはならない



ならば、全てを壊すのみ


463:2012/12/22(土) 20:52:07.86 ID:+SCe0O7f0

…私は、包丁片手に

片っ端から殺戮を繰り返した


その嫌な思い出は、皆懐かしく

そして、恨めしい



数字の世界で、ただそれだけを思った


464:2012/12/22(土) 20:54:09.34 ID:+SCe0O7f0

数字の世界にある一つのドア

私は血の涙を流し、真っ向から斬り掛かった


紫色の、赤い目

球体に足を生やした雑魚が


大量に控えていた


465:2012/12/22(土) 21:00:10.16 ID:+SCe0O7f0

もう、自分が何をやっているのかすら分からない

ただ無意味に、全てを憎悪した


全て切り捨て、巨大な顔を目にした

…富士山のような、変な奴だ



全てが、無意味


466:2012/12/22(土) 21:03:17.35 ID:+SCe0O7f0

もう、形振り構うものか

滅多矢鱈に暴れ回り


血走った目で駆け回る

自分でも、何でこんなことをしたのだろう

…と思うのは、大分後のことだ


理性を取り戻し、私は驚愕する


467:2012/12/22(土) 21:07:49.93 ID:+SCe0O7f0

…ベッドが、大量


その全てに、誰か入っている

調べる気にもなれない


私の入院生活でも表しているのだろうか

奥には、普通の鳥人間がいた


468:2012/12/22(土) 21:15:48.64 ID:+SCe0O7f0

…壁のファスナーが、血を噴き出していた


気持ち悪い

そして、タンスがたくさん





鮮血の中に、入っていく


469:2012/12/22(土) 21:21:04.91 ID:+SCe0O7f0

何か人を焦らせる音楽

人を、びびらす気持ちを助長する音楽


鳥人間達が、鬼の形相で迫ってくる

その数、何と8体


ほむら「ひぎゃああぁああ!!」


素っ頓狂な声を張り上げながら、私は逃げる


470:2012/12/22(土) 21:26:37.25 ID:+SCe0O7f0

紫の床をあちらこちらから追ってくる発狂鳥人間

たくさんあるタンスには、変な生き物がいた


そして、あのギロチンは何だろう


…タンスのどれか一つを開けると

奥に道が続いていた

無我夢中で飛び込む


471:2012/12/22(土) 21:29:55.22 ID:+SCe0O7f0

…大量のベッドと、一列に並んだタンス

さっきの場所の、どこかから出てきたようだ


鳥人間…!

衝動的に、近くにいた普通の鳥人間を刺してしまった

当然、発狂して私を追いかけ始める


472:2012/12/22(土) 21:32:51.26 ID:+SCe0O7f0

だが、鳥人間はベッドに阻まれて

追いかけることができない


鳥人間は、そんなに頭が良くないようだ

さっきのタンスはどれだ?




…順々に調べて、左から3番目

道が続いていた


473:2012/12/22(土) 21:35:02.04 ID:+SCe0O7f0

…ついたところは、地獄


だが、天から赤い液体がポタポタ落ちている

ここは、地獄のどこだ






と思ったら、誰かがこっちを見ている

半透明になった、私だった


474:2012/12/22(土) 21:37:29.10 ID:+SCe0O7f0

地獄の、十字路

どうやらここは普通の地獄とは繋がらない場所らしく

続く道が点対称だ


…そして、問題の私

既に眼鏡をとった、今の姿の私である





こちらを、じっと見つめている


475:2012/12/22(土) 21:39:02.69 ID:+SCe0O7f0

体は透けていて、通り抜けられるが

それでも体はこちらを向き

じっと私を見据えている



…何だか悪寒がした

タンスに戻り、別れを告げる


476:2012/12/22(土) 21:41:38.20 ID:+SCe0O7f0

発狂鳥人間をうまく撒いて

また意味の無い捜索を続ける


私には、未練があった

エフェクトを、24個全て集めれば

脱出できるかもしれない、という未練の情があった

そして、脱出した世界にはまどかが…!


我ながら、何とポジティブな考えだろう


477:2012/12/22(土) 21:46:03.31 ID:+SCe0O7f0

ほむら「…?」


それは、数字の世界の辺境


このファスナーは、口が開いている

刺したら、下顎が外れ

血を垂らし、入り口を露呈させた


そこに、入った


478:2012/12/22(土) 21:48:04.71 ID:+SCe0O7f0

…この背景は、扉の部屋の床模様と同じだ

何か期待させる

奥の方に、巨大な何かがいた




私は、黙って進んでいく


479:2012/12/22(土) 21:52:17.06 ID:+SCe0O7f0

さっきから「何か」ばかり多用していたが

これは「何か」の最たる例だろう


…絵の具を、グチャグチャに掻き混ぜたような

赤を基調とした何かが、小さい右手で階段の手すりを拭いている

私の、4倍はあろうか

手すりは長いこと拭いたのか、キュッキュと良い音を響かせる


…グロテスクだが、私は和んでしまった


480:2012/12/22(土) 21:54:56.92 ID:+SCe0O7f0

…扉

…現実世界の

…あの傷一つ付かない扉と同じだ


QB「ここは、現実世界に最も近い場所らしい」


嫌な声が、私をワクワクさせた


481:2012/12/22(土) 21:57:24.48 ID:+SCe0O7f0

QB「さっき君がギロチンから入手したのは『なまくび』だ」

ほむら「見ていたのね…」


生首とは…巴マミじゃ有るまいし

そして、聞きたかった事を尋ねる


ほむら「この扉から…この世界から脱出できるのかしら?」


482:2012/12/22(土) 22:00:51.82 ID:+SCe0O7f0

QB「それは僕にも分からない」

QB「この扉の先は未知数だ」

QB「僕は止めないけれど…本当にやるんだね?」

ほむら「…当たり前よ」



私は部屋のドアを開け、中に踏み込む

中は真っ暗だ

刹那、扉がバタン!としまる


483:2012/12/22(土) 22:03:05.01 ID:+SCe0O7f0

…何かが、浮かび上がる

おぞましい、顔が

チカチカして、私の脳裏に浮かび上がる…!


ほむら「きゃあああ!」


頭を抑え、必死にもがくが

それを嘲笑うかの如く、私の中に入っていく


484:2012/12/22(土) 22:06:25.76 ID:+SCe0O7f0

…抑圧

…恐怖心

…全ての、根源

…私に、あらゆる敵意と、唯一神のような眼差しを向ける

…王様、嗜虐の王様




私は、一匹の哀れな少女だった

非力な…少女だった


485:2012/12/22(土) 22:09:30.21 ID:+SCe0O7f0

…長いこと、私は悶えていた


全身、細胞の一個一個まで、入ってきたような気がした


この体は私の体で、王様のものだ


そうだ、王様を受け入れ

全てをあがめよ


全てから虐待され、それを甘受せよ


486:2012/12/22(土) 22:11:56.68 ID:+SCe0O7f0

…体中が、締め付けられる


手足は鎖をはめられたような感覚がして

全く持って動かない



…そうだ、暁美ほむらよ

全てに、従え

全てに、その醜い身体を捧げよ

我に、我に捧げよ


487:2012/12/22(土) 22:15:36.26 ID:+SCe0O7f0

お前は世界で一番醜い人間だ

私に永遠に服従し

その身体に刻みつけろ


ほむら「はい…」


お前は役に立たぬ人形だ

全てに、見下される奴隷だ

お前の身体を、その全てに捧げ、甘受するのだ


ほむら「はい…」


488:2012/12/22(土) 22:20:51.17 ID:+SCe0O7f0

さあ、我に従え、そして服従しろ!

跪け!嘆け!許しを請え!

全てから憎まれながら、無様に死んでゆくのだ!!ハッハッハ!!

…忘れるなよ、この奴隷が!!


ほむら「はい…」グスン


…お前など、生まれてこなければ良かったんだ


489:2012/12/22(土) 22:22:20.38 ID:+SCe0O7f0

ほむら「…あっ!?」


私は飛び起きた





ほむら「……私の…夢なの…あれが」


490:2012/12/22(土) 22:24:30.56 ID:+SCe0O7f0

あの、王様は何だったのだろう

暗闇の中で、必死に返事をしていたような…




…お前など、生まれてこなければ良かったんだ



そうだ、私が生まれてこなければ

こんな事には、ならなかったんだ



491:2012/12/22(土) 22:26:49.23 ID:+SCe0O7f0

あの時、身体を大の字で拘束されて

王様の、おもちゃにされて

人として、見なされなかった私


そういうのが、案外お似合いなのかもしれない


涙は、なぜ乾かないのだろう


500:2012/12/23(日) 18:56:13.96 ID:ThECvvW60

…もう、夢を見たくない

また、あんな怖い目に遭うかもしれない

私は一体何のために、こんな思いで頑張ってきたんだろう


誰のために?



…まどかのために

彼女はいない、彼女はいないのだ


501:2012/12/23(日) 19:01:30.86 ID:ThECvvW60

身体が、どっしり重い

……いよいよ最期も近いらしい

水色の涙も、錆びて涸れ果てた涙に変わってしまった


ほむら「こ、これって…」


…濡れていた

染みが出来ていた

私が、あの仕打ちを喜んだ…何よりの証拠だ



もう、何もかもが嫌だ、自分も他人も





502:2012/12/23(日) 19:02:54.01 ID:ThECvvW60

だが、部屋を滅茶苦茶にしてしまった以上

ますます暇になってしまった


よって、結論は一つ






…もう一度、最期の夢をみること


503:2012/12/23(日) 19:05:01.59 ID:ThECvvW60

…これが、最期になるかもしれない

最期なら、ありったけの睡眠薬を飲んで

永遠の眠りにつこう



…私は、残っていた睡眠薬を全て口に放り

視界が揺らぐのを感じた



504:2012/12/23(日) 19:07:41.73 ID:ThECvvW60

……生きている

全く魔法少女というのは丈夫なものだ

またベランダ



あれだけ壊れていた家具が、元に戻っていた




505:2012/12/23(日) 19:10:09.36 ID:ThECvvW60

…部屋の扉

どうしても、そこから進む勇気がでない

やっぱり、私は弱虫だ



ほむら「うっ…」

その時、私の身体がギュッと締め付けられる


506:2012/12/23(日) 19:13:14.44 ID:ThECvvW60

…一気に脱力し、床にバタと倒れこむ


ほむら「うぐぅ…」


身体が、指先まで強張ってしまう

四肢が、限界まで引き延ばされる…感覚


赤の王様が、やってきた


507:2012/12/23(日) 19:16:54.21 ID:ThECvvW60

どうやら、あの時に私の体を乗っ取ったようである

意識はハッキリするが

体が操られているために力が込められない


振り解こうとするが、その姿が王様を更に満足させる


私も、とうとう使い物にならなくなってしまった




508:2012/12/23(日) 19:20:52.46 ID:ThECvvW60

…我を満足させろ


そんな黒い声が響いてくる


さあ、我をもっと楽しませろ

お前はそのための奴隷なのだからなぁ…


ほむら「は、はい…」


言いたくなくても、口が勝手に喋ってしまう




509:2012/12/23(日) 19:24:52.91 ID:ThECvvW60

苦しい、張り裂けるような痛みが走る

だが、苦痛に歪む姿だけでは満足してくれない



…今日も客が来てるんだ、早くもてなせ


ほむら「客…?」


…さっさと脱げ!いいから早くしろ!


王様の声に交じり、野卑な声が飛び交う






510:2012/12/23(日) 19:27:17.75 ID:ThECvvW60

ほむら「はい…私はあなたに尽くす、奴隷です…」

機械のように、プログラムされた言葉通りに喋る私

王様の、独りよがりなのだろう



しかし、公衆の面前で脱ぐとなってはたまったもんじゃない!

それだけは…それだけはダメだ!


511:2012/12/23(日) 19:29:48.90 ID:ThECvvW60

震える手で、私は自分の服を脱ごうとする

必死で止めるが、意識しようとしてもできない


…やっぱり、こんな私がお似合いなんだ





と諦めかけた刹那…

私を締め付けたあの感覚が、一瞬で消え去った


512:2012/12/23(日) 19:31:45.74 ID:ThECvvW60

ほむら「…?」

さっきまでの、あの幻聴と幻覚が嘘のようだ





分からない

あれが私の妄想だとしたら、私は堕落したと考えて間違いないだろう

未だ、甘い感覚は燻っていた


513:2012/12/23(日) 19:33:14.62 ID:ThECvvW60

つくづく自分が嫌になる

私は啜り泣き、ベッドに入る



…もう、生きたくない

こんなの、あんまりだよ…


…私は、ベッドで寝てしまった


514:2012/12/23(日) 19:34:52.60 ID:ThECvvW60

ほむら「……!」


また、長い階段

そして、くねった腕


いつか、私が空を飛んだ時と同じ状況だ

黙って進む

どうせ、捨てた体だ


515:2012/12/23(日) 19:37:14.60 ID:ThECvvW60

…降りながら、さっきの思い出したくない事について考える


公衆の面前で脱ぐなら…風俗だろうか

そういえば、ネオンの世界もだったな…


と、苦い思い出が蘇る

そうして、地下通路にやってきた


516:2012/12/23(日) 19:41:37.55 ID:ThECvvW60

…デパートと、奥の燃え盛る炎


そうだ、かさを使えば消火できるのではないか

…案の定、炎は鎮火した


その先は、倉庫らしかった


517:2012/12/23(日) 19:43:48.72 ID:ThECvvW60

…血だまり

その近くにいる、いつぞやの怪物


QB「それは『ウンコヘアー』のエフェクトだね…」


…凄く元気が無い、今までの中で一番だ


だが、随分と直接的な名前ではある…




518:2012/12/23(日) 19:46:24.84 ID:ThECvvW60

…変身したら、蠅がたかった

頭が、ウンコヘアーになるからだ


皮肉にも、これが24個目のエフェクトだ

これで、集めていくと言ったエフェクトは全て揃ったことになる




だが、今となっては充実感もクソもない


519:2012/12/23(日) 19:49:36.61 ID:ThECvvW60

倉庫の奥は、異質だった

壁に目のようなものがつき、白い塵が小さい山になっている

また白黒世界なのか…と奥を見ると



イスとテーブルがあった

何だろうと思って行ってみる




520:2012/12/23(日) 19:52:30.47 ID:ThECvvW60

…人がいた

大きな窓の外は広大な宇宙

真っ白なピアノ



それを弾く男性…?

何となく、弱そうだ




521:2012/12/23(日) 19:58:01.42 ID:ThECvvW60

包丁を構えると、怯えた顔で、じりじり後退する

しまってくれと、頼んでいるように見える


結構、人間らしい

嬉しくて、包丁をしまう

大体この世界の物体は包丁を見ても動じない奴がさほどだが


何故かこの人は違った


522:2012/12/23(日) 20:00:15.82 ID:ThECvvW60

居心地がいい

私は、イスに腰掛ける

すると、一緒にイスに座ってくれた


しかし、何でイスが2つあるのだろう

この人は普段一人なんだと思うが…


523:2012/12/23(日) 20:02:58.71 ID:ThECvvW60

2人で、長いことイスに座った

彼に表情は無いが、何となく微笑んでいる気がする


私もテーブルに頬杖を突いて彼の顔を眺める




…マイケル・ジャクソンみたいだ


524:2012/12/23(日) 20:06:46.36 ID:ThECvvW60

…どうやら、彼の宇宙船にお邪魔しているらしい

窓は幾千の星を映し出して、ロマンチックだ


ほむら「…ピアノ、触っていいかしら」


彼も承諾してくれた

ピアノに触れてみる


525:2012/12/23(日) 20:10:14.50 ID:ThECvvW60

…およそピアノとは程遠い音を出した

まあいいや


彼自身に触れると、ファミコンのような音を出す

そして、更に奥の部屋があることに気づく



それは、ベッドだった


526:2012/12/23(日) 20:14:40.62 ID:ThECvvW60

…2人は寝られそうだ

ちょっと、寝かせてもらおう


それにしても、イスといいベッドといい

最初はもう1人誰か居たのだろうか


私は、ベッドに横になる


527:2012/12/23(日) 20:18:16.40 ID:ThECvvW60

…フカフカしていて、暖かい

愛に溢れたベッド…と言った方が伝わりそうだ



だが、一向に眠れない

私は、この愛さえ拒否してしまうのだろうか


528:2012/12/23(日) 20:20:50.29 ID:ThECvvW60

何回か寝付き直して

ようやく眠った

月が綺麗だった










529:2012/12/23(日) 20:23:12.48 ID:ThECvvW60













…私は、跳ね起きた


530:2012/12/23(日) 20:25:03.06 ID:ThECvvW60

ほむら「な、何!?」


アラームが鳴り、赤い光が点滅している

彼の所へいくと、彼も慌てていた


窓の外は流星がみえる



…いや、この宇宙船が落下しているのだ!


531:2012/12/23(日) 20:33:10.33 ID:ThECvvW60

やがて、どこかの星へ着陸する

ドン!と大きな揺れを立て、無事に不時着した

彼は落ち込んでしまった


ほむら「…ここは、火星?」


赤茶色の大地、放棄された探査機の残骸がみえる

私は火星にやってきたらしい


532:2012/12/23(日) 20:37:23.40 ID:ThECvvW60

宇宙船から開いた出入口から、火星に降りてみる

火星に宇宙服無しで立つと、1分も生きられないらしいが

夢なので問題ないだろう


そして夢の中とはいえ、私が世界で初めて火星に立った少女ということになる

そんなことはどうでもいいが


私は、この広大な土地を歩き始める

当ても無いが、最悪でも目を覚ませば大丈夫だ


533:2012/12/23(日) 20:43:22.13 ID:ThECvvW60

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」


神は、火星に降り立つ少女の姿をみた


まどか「ここにいたんだ…よ、良かった…」

まどか「あれ…干渉できない!?」


そう、彼女の世界に存在する火星と

ほむらの世界に存在する火星

この2つは次元が違うため、干渉することができないのである

例え、女神の力を使ってしてでも…


534:2012/12/23(日) 20:47:27.25 ID:ThECvvW60

まどか「ソウルジェムが真っ黒になってる…!」

まどか「今すぐ行きたいけれど…」

まどか「でも、火星の周りにバリアーが張ってあるような…」

まどか「ほむらちゃん…死んじゃダメだよ」


少女の祈りは、果たして届いただろうか


535:2012/12/23(日) 20:51:01.86 ID:ThECvvW60

ほむら「この穴は…?」

どれほど歩いたのだろう

小山の山頂に、煙が立ち上る小さい穴を見つけた


「こびと」になって入ってみる


…暗い、階段だ




536:2012/12/23(日) 20:58:13.19 ID:ThECvvW60

壊れて、燃えている機械

その奥にいた、とてもグロテスクな生物


…一本足で、指の数は4つ

大きい目から、赤い液体を落としている


どうやら、この先の道は無いらしい


537:2012/12/23(日) 21:00:18.62 ID:ThECvvW60

…私は、何も考えずに包丁を持ち

4本指の一本を斬った


目の色が変わり、抵抗してこない


ほむら「……泣いてるの?」



538:2012/12/23(日) 21:05:48.34 ID:ThECvvW60

口を持たないコイツは喋れない

…ただ、泣いているような気がする

私は、後悔した

自分がどれだけ嫌な人間なのか、ありありと見せつけられた気がした


ほむら「ごめんね…」


私は、人知れず謝っていた


539:2012/12/23(日) 21:09:23.06 ID:ThECvvW60

体色は青

私の、6倍近くはあろうか



親しみをこめて、火星さんと呼ぶことにする

その名前が気に入ったか、音で返事してくれた気がした



私は、何も言えなかった


540:2012/12/23(日) 21:17:18.94 ID:ThECvvW60

ほむら「…」


火星さんは、泣いている

なぜ泣いているのか、考える方が愚かだ

その涙は、誰にも分からない



誰にも、責める理由は無い


541:2012/12/23(日) 21:24:12.88 ID:ThECvvW60

私は、この世界で初めて声をあげて泣いた

力の限り泣いた

…自分を呪って、泣いた


ほむら「まどかぁ…ごめんなさい…」

ほむら「私…何もできなかった…」ポロポロ

ほむら「あなたを…助けられなかった…!」ウルウル



ほむら「……うわああぁん!」


もう、どうでもよかった


542:2012/12/23(日) 21:29:53.42 ID:ThECvvW60

QB「ここは、夢の最下層」

号泣する私に、キュゥべえは淡々と説明する


QB「どうやら、全てをを探索し終えたようだね」

QB「…この世界は、君にとってどんなものかは分からないけど」

QB「僕等は、人類に対する貴重なデータを得られて満足しているよ」

QB「暁美ほむら、君はもう役には立たない」

QB「人間界でも、君は精神障害者の扱いを受けるんだろう?」


QB「インキュベーターはあくまで『普通の子』を契約させるのだから」


543:2012/12/23(日) 21:31:55.88 ID:ThECvvW60

私は、めだまうでを使い、扉の部屋に戻っていく

あのインキュベーターからも役に立たない

そんな私はもう必要ない




私は、扉の前でエフェクトを捨てていく

私は、もう夢を見ないことにしたから


544:2012/12/23(日) 21:34:41.48 ID:ThECvvW60

卵の形をした、全24個のエフェクト

こんなもの、集めるだけ無駄だった

夢なのだから

まどかはいなかったのだから


円形に配置して、綺麗に並んだ

私は頬をつねり、起きる


545:2012/12/23(日) 21:45:37.81 ID:ThECvvW60

…ベランダには、踏み台が設置されていた

前まで無かったのに、気前のいいことだ



過ぎ去った出来事…といってもほぼ嫌なものだが

その全てが、今は苦い思い出だったと思う

私は、しょせんこんな人間だったのだ

鹿目まどかを、友達一人救えない人間なのだ


だから、私は…


546:2012/12/23(日) 21:52:13.93 ID:ThECvvW60

ほむら「…」

踏み台に座り込んで、立ち止まってしまった

やっぱり、多少の躊躇はある


…朝だ


私のやってきたことは、全て無駄だった

虚しいことだ、もう、こんな世界に用は無いじゃないか

まさかこの世界に未練があるとでもいうのか

まどかは「いない」んだぞ、暁美ほむら


547:2012/12/23(日) 21:55:36.76 ID:ThECvvW60



…ダメだよ、ほむらちゃん


それは…絶対にダメだよ…


ねえ、行かないで…


……ほむらちゃん!!







ほむら「…ごめんね、まどか」



548:2012/12/23(日) 21:56:05.64 ID:ThECvvW60


















549:2012/12/23(日) 21:57:54.26 ID:ThECvvW60

…痛い

私の体に、想像を絶する激痛が走る


…ここは、どこだろう

ソウルジェムは、衝撃で割れなかったらしい





本当に、運が悪い


550:2012/12/23(日) 22:01:11.93 ID:ThECvvW60

上も下も分からない、暗黒の場所で

インキュベーターの声が響く




QB「君は因果をたばね、ついにどれでもない世界に辿り着いた」

QB「この世界には脱出という言葉は無いに等しい」

QB「君は死ぬわけでも、生きるわけでもなく」



QB「待っているのは、永遠の苦しみさ」


551:2012/12/23(日) 22:06:35.34 ID:ThECvvW60

直後、私のソウルジェムがついに限界を突破する

吐き出された絶望のエネルギーは魔女にならず

行く当てもなく、私に文字通り永遠の苦痛だけを与える


ほむら「そんな…こんな事って…ぐぅっ!!」


体中に、針を刺されたような痛みが襲う

いっそこのまま殺してほしい

こんな、こんな結末を迎えるならば…


552:2012/12/23(日) 22:12:36.59 ID:ThECvvW60

QB「あーあ、君の絶望エネルギーは半端じゃないのに」

QB「それを回収できないとは、こちらとしても勿体ないね」



その間にも、今度は全身焼かれたような感じがする

飽くなき拷問が、続けられるようだ

こんな私に、ふさわしいと思った










その私に、一筋の光が差し込むまでは


553:2012/12/23(日) 22:14:05.83 ID:ThECvvW60

暖かく、優しい光

それは春の木漏れ日の光のような…



まどか



まどか



ほむら「まどか……………!?」


554:2012/12/23(日) 22:18:20.51 ID:ThECvvW60

瞬間、黒い世界が真っ白に輝き

その中心から、私の探し求めた人物が姿を見せた



…鹿目まどか


まどか「ゴメン…もっと早く気づいてあげたかった…」


555:2012/12/23(日) 22:22:32.64 ID:ThECvvW60

激痛が、一気に消えていく

彼女が、ソウルジェムの汚れをとっているようだ


…光の翼、ピンクの長い髪

黄金の瞳を持って、風のようなスカートをなびかせる



…母のような優しさをもった、鹿目まどかだった


556:2012/12/23(日) 22:30:27.01 ID:ThECvvW60

まどか「…この私にも、汚れた心ってあるの」

まどか「誰かを妬んだり、憎んだり、貶したり」

まどか「神様になってから私が作った汚れた心が、ほむらちゃんを苦しめていた」

まどか「原因は、私」


ほむら「でも、あなたは変わった…私の夢の中で、変わってしまった…」

…思い出した

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

QB「彼女はどこかの時間軸で契約し、世界の法則をねじ曲げた」

QB「その結果、宇宙が再構成されて」

QB「暁美ほむらも、鹿目まどかも救われるという結果に行き着いた」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





557:2012/12/23(日) 22:35:51.43 ID:ThECvvW60

…そうなのだ

鹿目まどかは「いた」のだ


私を苦しめていたのは、まどかの心の中だったのだ


まどか「それと浄化したソウルジェムの感情が、私の心に入っていくの」

まどか「悲しい、辛い、恥ずかしい、苦しい、痛い、死にたい…」

まどか「私が、自分で気づけなかっただけ…」


まどか「だから、ほむらちゃん」

まどか「あなたのせいじゃない、ほむらちゃんは私に怒っていいんだよ」

まどか「私が、ほむらちゃんを傷つけちゃったから…」グスン


558:2012/12/23(日) 22:40:15.47 ID:ThECvvW60

ほむら「でも…私は…」

ほむら「あなたを殺してしまった…」

ほむら「他の人も、たくさん傷つけて…」


ほむら「あなたに、顔向けできない…」


その気持ちを包み込むように、まどかは私に言う


まどか「ごめん…でも、もう無理しなくていいの」

まどか「ほむらちゃん、私のために頑張って…」

まどか「こんなになるまで、戦ってくれて…」


まどか「…ありがとう」


559:2012/12/23(日) 22:46:59.94 ID:ThECvvW60

私は、まどかに助けられてばっかりだ

…でも、今はまどかと一緒にいたい

…このまま、ずっと


まどか「ほむらちゃんは、因果をたばねすぎて、私の邪念とつなげちゃったの」

まどか「だから、1個前の時間軸のほむらちゃんは、正しい道に修正しておいたよ」


まどか「…だから、私と一緒だよ」


560:2012/12/23(日) 22:52:36.36 ID:ThECvvW60

私の魂が、導かれていく


まどか「ほむらちゃん、円環の理に…行こ?」

まどか「そこなら、ほむらちゃんもきっと楽しめるから…」


ほむら「…まどかと一緒なら、私はどんなところだって行けるわ」

まどか「…分かった」


その瞬間…私は、私の心は消滅した

新しい世界は、きっと素晴らしいところだろう




…それは、まどかが作った世界なのだから


561:2012/12/23(日) 22:58:16.08 ID:ThECvvW60

……………Collaboration……………


……PUELLA MAGI MADOKA MAGICA……

……………………X……………………

………………YUMENIKKI………………

HAPPY END


562:2012/12/23(日) 22:59:22.01 ID:ThECvvW60

見て下さった方々ありがとうございます

VIPでハッピーエンドがいいという要望多数だったので

この形にしました


564:2012/12/23(日) 23:01:57.87 ID:ThECvvW60



563:2012/12/23(日) 23:00:21.32 ID:CYp1afxA0

これは円環というよりクリームさんの天国に導かれた感じ


565:2012/12/23(日) 23:05:35.70 ID:ThECvvW60

>>563見方によってはBADENDかも
最初は、まどか山ENDを考えてました


568:2012/12/23(日) 23:13:09.26 ID:ThECvvW60

SSで泣く泣くカットした「ゆめにっき」 キャラなど

デパ子
バラックのオレンジタッツー
電車のキャラ(樹海から乗った場合の2体)
タイル世界→地獄
地獄の目と口の怪物
火星UFO
まじょ地点の首長竜
白黒世界の目玉人間
「ゲームのせつめい」
「ねこ」に対する死体さんの反応
…他多数


577:2012/12/24(月) 01:11:29.17 ID:tWkI0mqDO



ゆめにっきやりたくなった


579:2012/12/24(月) 02:05:57.31 ID:pTpVdNAzo

乙でした!
読んでて楽しめたよ


580:2012/12/24(月) 10:29:27.99 ID:oC3evbmD0

おつかれさまでした!
ゆめにっき知らなかったがすごい面白かった
今度やってみるかな


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元スレ:
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