11:2016/02/15(月) 19:00:00.90 ID:OIeXJANv0


盛岡駅


京太郎「八幡平から着いたぜ、17時ちょい過ぎか」

京太郎「盛岡から久慈に行くには……」

京太郎「JRだと青森県に出ちゃうから駄目だな」

京太郎「となるとバスか?この時間にあるかな?」

京太郎「おお、『久慈こはく号』で最終便がある!」

京太郎「んじゃ、岩手の沿岸部に行きますか〜」



12:2016/02/15(月) 19:01:38.32 ID:OIeXJANv0


久慈 駅前ホテル


京太郎「さーて、チェックインは済ませたぞ」

京太郎「明日は朝一で『浄土ヶ浜』行きたいから……」

京太郎「遅くても朝7時までには駅にいないとな」

京太郎「……んー?」グゥゥゥ

京太郎「腹減ったから飯食いに行くか」

京太郎「駅前に何か食えるとこあったかな?」



13:2016/02/15(月) 19:03:50.15 ID:OIeXJANv0


喫茶モカ


京太郎「……ん?喫茶店か」

京太郎「地方で、それも夜に営業してる」

京太郎「珍しいなー、ここに入るか」ガチャ

店員「いらっしゃいのん」

京太郎(あれ?この店内どっかで見たこと……)



14:2016/02/15(月) 19:06:47.74 ID:OIeXJANv0


※台風とか天候が悪い日の夜は早く閉まるのかな?

店員「一人ですかのん?お好きなとこどうぞのん」

京太郎「あ、はい」キョロキョロ

京太郎(壁にサインがたくさん飾ってる……)

京太郎(そうか、某朝ドラに登場したとこか!)

京太郎(……うーむ、懐かしい雰囲気な店だ)



15:2016/02/15(月) 19:08:30.45 ID:OIeXJANv0


京太郎「すみません、注文いいですか?」

店員「はいのん、どうぞのん」

京太郎「ナポリタン、コーヒーセットを1つ」

京太郎「それとたまごサンドを単品で御願いします」

店員「分かりましたのん」

京太郎(昼飯、温泉卵だけだったからイケるだろ)



17:2016/02/15(月) 19:11:06.72 ID:OIeXJANv0


店員「どうぞのん」コト

京太郎「おお、ドラマで見たナポリタン」

京太郎「うむ、美味い」モグモグ

京太郎「これがあばずれの食い物か」

京太郎「どこか懐かしい味だな……」



18:2016/02/15(月) 19:13:06.95 ID:OIeXJANv0


店員「どうぞのん」コト

京太郎「おお、ドラマで見たたまごサンド」

京太郎「うむ、美味い」モグモグ

京太郎「オムレツみたいな玉子だな」

京太郎「見た目に反して腹がふくれそう」

京太郎「ちょいと一服」ズズゥ



19:2016/02/15(月) 19:15:43.04 ID:OIeXJANv0


翌朝 久慈駅前


京太郎「昨日の夜は食ったぜ……」

京太郎「そのおかげであんま腹減ってねぇ」

京太郎「お、朝に見て気づいたけど駅2つあるのな」

京太郎「JRと三陸鉄道か、宮古へは三陸鉄道だな」

京太郎「うーん、それにしても……」キョロキョロ

京太郎「久慈って震災の被害は無かったのか?」

京太郎「なんか被害らしき被害が見えないな」



20:2016/02/15(月) 19:18:08.43 ID:OIeXJANv0


宮古駅


京太郎「気づいたら宮古に着いてた」

京太郎「直ぐ眠っちまったから景色見てねぇ……」

京太郎「朝起きて直ぐに1時間半だったからなー」

京太郎「あ、宮古にも久慈と同じく駅2つあるのか」

京太郎「見た感じ宮古の方が栄えてそうな雰囲気」

京太郎「……っと、浄土ヶ浜行きのバス来たな」



21:2016/02/15(月) 19:20:29.69 ID:OIeXJANv0


ブロロロロロロ

京太郎「いやー!楽しみだわー!」

京太郎「いよいよ浄土ヶ浜を見れるのかー♪」

京太郎「今回の旅じゃ山や森がメインだったし」

京太郎「内陸県民にしてみりゃ憧れがあるからなー」

京太郎「長野って海無いし、行くまで遠いんだよ」

京太郎「まだかな〜…………!!?」チラッ



22:2016/02/15(月) 19:22:04.55 ID:OIeXJANv0


京太郎「なっ、なんだよ……これ……」

京太郎(建物が……『ない』!?)

京太郎(こ、これ、見たら分かるけど……)

京太郎(建物が『あった』場所だろ、絶対……)

京太郎(あっ!向こうにあるのは鉄柱か!?)

京太郎「捻じ切れちまってるよ……」ゾクッ



23:2016/02/15(月) 19:23:47.17 ID:OIeXJANv0


京太郎「…………」

京太郎(確かに、復興は進んでるよ……)

京太郎(工事しているのだって見えるし)

京太郎(住居だって新しいのがチラホラ見える)

京太郎(でもよ……今でもこんな状態かよ……)

京太郎「浮かれちまって……馬鹿だな、俺……」



24:2016/02/15(月) 19:25:51.50 ID:OIeXJANv0


京太郎「こんなにたくさんのモノが奪われて……」

京太郎「自然の力って……本当に怖いんだな……」

京太郎(海が楽しみとか……無神経な発言だった!)

京太郎(実際には何人もの人が亡くなったり……)

京太郎(助かっても自殺した人もいるんだよな……)

京太郎「現場見て……思い知ったわ……」



25:2016/02/15(月) 19:28:02.60 ID:OIeXJANv0


奥浄土ヶ浜


運転手「お客さん着いたのん、大丈夫のん?」

京太郎「…………え?」ボー

運転手「終点だのん、降りないのん?」

京太郎「……あ、はい!降ります!」ガタッ

運転手「……大丈夫かのん?」

京太郎「はっ、はい、すみません……」スタスタ



26:2016/02/15(月) 19:29:38.89 ID:OIeXJANv0


京太郎「…………」

京太郎「……綺麗なところだよな」

京太郎「うん、美しい景観だよ……」

京太郎「…………」パシャ

京太郎「息をのむ程の絶景だけどよ……」

京太郎「さっきの光景が、頭から消えないな……」



27:2016/02/15(月) 19:31:47.51 ID:OIeXJANv0


京太郎「……ん?」

「…………」

京太郎「……あそこの岩の上」

京太郎「女の人が立ってないか……?」

京太郎「おいおい、結構高いじゃんかよ」

京太郎「危ないんじゃ…………まさか!!」



28:2016/02/15(月) 19:34:04.81 ID:OIeXJANv0


塞「……ふぅ……」

「だぁぁあああああああ!!」バシャバシャ

塞「え?何?」クルッ

京太郎「死んじゃ駄目だぁあああ!!」グオオッ

塞「ひいいぃぃっ!?」サッ


京太郎「……んえ?」

ドボーーーーン!!



29:2016/02/15(月) 19:35:36.20 ID:OIeXJANv0


塞「あああ!あまちゃんか!?アンタは!!」

京太郎「駄目なんだよぉおおおお!!」バシャバシャ

京太郎「ずっと泣いてたら幸せになれない」バシャバシャ

京太郎「だから笑うべきなんだぁぁああ!」バシャバシャ

京太郎「死んじゃ駄目なんだよぉおおおお!!」


塞「…………はい?」キョトン



30:2016/02/15(月) 19:37:10.68 ID:OIeXJANv0


塞「――よし、怪我はしてないみたいね」

塞「ここは浅いから、頭に怪我してなくて良かった」

京太郎「なんか……その、すみません……」ズーン

塞「流石に驚いたよ、君が海に落ちたのは」

塞「迫ってきたときは殺されるかと思った(笑)」

京太郎「本当に……すみません……」ズーン



31:2016/02/15(月) 19:39:08.07 ID:OIeXJANv0


塞「え?じょ、ジョークだよ?」

塞「そんな真に受けなくてもさ、ね?」

京太郎「そうですよね……すみません……」ズーン

塞(うわー、めっさ落ち込んでるよ……)

塞(これ私のせいなんだろうか……?)

京太郎「…………」



32:2016/02/15(月) 19:41:07.60 ID:OIeXJANv0


塞「……あのさ、何かあったの?」

京太郎「……え?」

塞「さっきさ、『死んじゃ駄目』とか言ってたじゃない」

塞「身投げする様に見えちゃった、かな?」

京太郎「いいえ、ただの俺の勘違――」

塞「何があったか、それを聞きたいんだけどな」

京太郎「……実は――」



33:2016/02/15(月) 19:42:45.57 ID:OIeXJANv0


塞「……なるほどね、あの光景を見ちゃって、か」

京太郎「色々とショックを受けてしまいまして……」

塞「それで勘違いしちゃった訳ね」

京太郎「……馬鹿ですよね、俺って……」ズーン

塞(見た目は完全にチャラ男なんだけど)

塞(この子……意外と純粋なんだなー)



34:2016/02/15(月) 19:44:09.24 ID:OIeXJANv0


塞「君、名前は?」

京太郎「……須賀京太郎です、あ、高一です」

塞「私は臼沢塞よ、よろしく」

京太郎「どうも……」ペコッ

塞「今日は、朝早くからなんでここに?」

京太郎「海を見たくて観光に来まして……」



35:2016/02/15(月) 19:46:12.82 ID:OIeXJANv0


塞「海?海が珍しいっての?」

京太郎「俺、長野県に住んでまして……」

塞「長野県!?ちょ、ここ岩手だよ!」

京太郎「クジで岩手旅行引いてしまいまして……」

塞「はー、高一でよく県外旅行なんてできるわねー」

京太郎「……無駄に行動力はあるみたいなんですよ」

京太郎「さっきみたいな馬鹿な方向にでしょうけど……」



36:2016/02/15(月) 19:48:03.64 ID:OIeXJANv0


京太郎「ふふふふふ……」ズーン

塞(うわー、どうしたもんかねこりゃー)

塞(特に義理は無いけど、このままってのはな……)

塞(一応、私を助けようとしての行動だったしねー)

塞「…………」

塞「……おい!京太郎!!」



37:2016/02/15(月) 19:49:42.78 ID:OIeXJANv0


京太郎「ファッ!ふぁい!?」ビクッ

塞「いつまでもウジウジするな!男だろ!」

塞「両親からもらった名前が泣くぞ!」

京太郎「はっ、はい……」

塞「せっかくの海に来たんでしょ!」

塞「さっさと水着に着替えなさい!!」

京太郎「ひえっ……!」ビクッ



39:2016/02/15(月) 19:51:34.32 ID:OIeXJANv0


塞「え……何よ?」

京太郎「いえ、海パンは持ってきたんですけど」

塞「なんだ、アンタも泳ぐつもりだったんじゃない」

京太郎「こ、ここで着替えればいいんですか?」

塞「……んんん、んな訳あるかー!」

塞「さっさとレストハウスで着替えてこーい!」

京太郎「わっ、分かりましたー!」ダダダ



40:2016/02/15(月) 19:53:33.58 ID:OIeXJANv0


塞「んー!そりゃ!」ヒュッ

京太郎「ちょっ、塞さん!投げ過ぎですよ!」

塞「あっはは、ごめんねー」バシャ

京太郎「取ってきますよ、もー」バシャバシャ

塞(……うーむ、凄く犬っぽい)ジー

京太郎「ボール投げますよー」



41:2016/02/15(月) 19:55:10.49 ID:OIeXJANv0


京太郎「それにしても、浄土ヶ浜って泳げるんですね」

塞「そりゃそうよ、ここ海だし」

京太郎「いやー、先にこの景観見ちゃったら」

京太郎「絶対に海水浴場だなんて思わないですって」

塞「ちなみに、ここは『海水』じゃなくて『快水』浴場よ」

京太郎「快水、ですか?初めて聞きましたけど」

塞「環境省が決めた水質の良い水浴場のこと」



42:2016/02/15(月) 19:57:17.80 ID:OIeXJANv0


京太郎「ほえー、物知りですねー」

塞「それと、ほら、あっち見てみなさい」

京太郎「ん?レストハウスが賑やかになってきた」

塞「そこのスタッフの人たちよ」

塞「ということは、そろそろ混み始めるか……」

京太郎「?」



43:2016/02/15(月) 19:59:21.87 ID:OIeXJANv0


塞「ここ景勝地としても浴場としても人気だからね」

塞「水も綺麗でとても静かな場所だし」

塞「夏なんて人で溢れかえっちゃうのよ」

塞「静かに観光したいならシーズン外か朝一番ね」

京太郎「泳ぐ前に写真撮っておいて良かったー」

塞「……あ、バスが来た」



44:2016/02/15(月) 20:02:21.43 ID:OIeXJANv0


おばちゃんS「おもろー!」ゾロゾロ

おばちゃんT「おもろー!」ゾロゾロ

おばちゃんU「おもろー!」ゾロゾロ

おばちゃんV「おもろー!」ゾロゾロ

おばちゃんW「おもろー!」ゾロゾロ


京太郎(未だかつてない手抜きを感じる……)



45:2016/02/15(月) 20:04:17.03 ID:OIeXJANv0


京太郎「って、あれ何人降りてくるんですか……?」

塞「シーズンだからねぇ……」

京太郎「いやいや多過ぎでしょ、車で来ればいいのに」

塞「ここは許可車両以外の一般車両は来れないのよ」

京太郎「え?そうなんですか?」

塞「4月から10月は×、夜間は年間通じて駄目だけど」



46:2016/02/15(月) 20:06:28.31 ID:OIeXJANv0


京太郎「……ん?なら塞さんはどうやってここまで?」

京太郎「まさか、この山道を歩いて来たんですか?」

塞「そんなわけないでしょ、まぁ歩いてきたけどさ」

塞「バスで来る途中にホテル見えなかった?」

京太郎「そういや、それらしき建物ありましたね……」

塞「昨日泊まってそこから歩いてきたの」

塞「10分くらいかしら、そうでもなきゃバテるわよ」



47:2016/02/15(月) 20:08:53.92 ID:OIeXJANv0


ざわっ・・・! ざわっ・・・! ざわっ・・・!

京太郎「あ、岸周辺があっという間に人で一杯に……」

塞「さて、静かな海も満喫したし上がるかな」バシャ

京太郎「そうですね」バシャバシャ

塞「……どう?ちょっとは気分晴れた?」

京太郎「え……?」



48:2016/02/15(月) 20:10:38.72 ID:OIeXJANv0


塞「私もね、震災後の光景は見てきたんだ」

塞「釜石から宮古まで、電車で来たよ」

塞「本当に元通りになるのかなって……」

京太郎「…………」

塞「君は、今日はどこから来たの?」

京太郎「久慈から、ですが……」



49:2016/02/15(月) 20:12:10.50 ID:OIeXJANv0


塞「久慈は……どう見えた?」

京太郎「駅前くらいしか分かりませんけど」

京太郎「建物は特に損傷は無かったかと」

塞「駅前は……ね」

京太郎「え……」

塞「駅近くの市役所から海岸までは被害があった」

京太郎「そんな……」ゾクッ



50:2016/02/15(月) 20:14:21.36 ID:OIeXJANv0


塞「宮古駅周辺もなかなか広くて綺麗だったでしょ?」

京太郎「ええ……」

塞「津波の被害もなく建物の倒壊もなかった……」

塞「でも、そこから徒歩で5分くらい歩いたところわね」

塞「完全な津波の被災地だったそうよ」

京太郎「…………」

塞「でもね、だからといって暗くなる必要はないんだ」ニコッ



51:2016/02/15(月) 20:16:08.76 ID:OIeXJANv0


塞「確かに、震災の爪痕は今も深く残ってる」

塞「あまりにも……大きな犠牲が出てしまった……」

塞「まだ、立ち上がれない人だって当然いる……」

京太郎「…………」

塞「それでもね、少しずつでも復興は進んでいる」

塞「みんな、前を向こうと頑張っているんだ」



52:2016/02/15(月) 20:17:59.44 ID:OIeXJANv0


ワー!キャー!ウホッ!アッー!

塞「……この浜だってそうだよ」

塞「今、私たちが見てるこの風景が見れるのだって」

塞「現地のみんなが頑張って取り戻したからなんだ」

京太郎「…………」

塞「だから、君も純粋に旅行を楽しみなさいよ」ニコリ

京太郎「塞さん……」



53:2016/02/15(月) 20:20:19.82 ID:OIeXJANv0


塞「元気だしなって!イイ男が台無しだぞ!」パァン

京太郎「いだっ!せ、背中ハタかないてください////」

塞「あはっ、元気出てきたじゃない!」

塞「そうそう、自分で言ったんだからそうしないとね」

塞「『笑うべきなんだー!』って、ぷっくくく……」

京太郎「わ!忘れてくださいよそれー////」

京太郎(もろ受け売りだったー!恥ずかしー!!)



54:2016/02/15(月) 20:22:16.55 ID:OIeXJANv0


京太郎「……ありゃ、バスの時間キツいな」

塞「宮古駅行き、直ぐ来ちゃうね」

京太郎「塞さんも駅まで戻るんですね」

塞「まーね、私は急ぐわけじゃないけど」

京太郎「まだシャワー浴びてないのに……」

塞「……そうだ」ポン



55:2016/02/15(月) 20:24:56.30 ID:OIeXJANv0


塞「君は急いでるの?」

京太郎「いえ、今日中に盛岡に着けばいいんで」

塞「なら、シャワー浴びたら付き合ってくれない?」

京太郎「ええ、構いませんけど」

塞「よっし、ならさっさと着替えるわよ!」

京太郎「了解です!」



56:2016/02/15(月) 20:27:15.77 ID:OIeXJANv0


浄土ヶ浜マリンハウス


京太郎「トンネルの向こうは、不思議の街でした」

塞「…………」

京太郎「…………」

塞「うん、ツッコンで欲しかった?」ニコッ

京太郎「すんませんしたーだ」



57:2016/02/15(月) 20:29:55.96 ID:OIeXJANv0


京太郎「でも、こんなとこがあったとは驚きました」

京太郎「海沿いの道歩いてどこ行くかと思ってたら」

京太郎「小さなトンネルがあってくぐった」

京太郎「そしたら小さな売店が1つありましたとさ」

京太郎「え?なんでこっちにも売店あるんですか?」

京太郎「さっきの快水浴場から結構離れてますよ」



58:2016/02/15(月) 20:32:12.91 ID:OIeXJANv0


塞「こっちは『浄土ヶ浜マリンハウス』って名前」

塞「マリンハウスでは、ボート観光が売りなのよ」

塞「『青の洞窟』って聞いたことある?」

京太郎「ええ、テレビで見ました、海外のどこだっけ?」

塞「国内でも見れるところが数箇所あるの」

塞「その1つがここ、浄土ヶ浜ってわけよ」



59:2016/02/15(月) 20:34:06.33 ID:OIeXJANv0


おばちゃんS「おもろー!」ズカズカ

おばちゃんT「おもろー!」ズカズカ

おばちゃんU「おもろー!」ズカズカ

おばちゃんV「おもろー!」ズカズカ

おばちゃんW「おもろー!」ズカズカ


京太郎(こっちも賑わってるんだなー)



60:2016/02/15(月) 20:35:42.55 ID:OIeXJANv0


受付「お客さん、乗るのん?直ぐ出せるのん」

塞「あ、乗りまーす」

京太郎「乗るんですか?」

塞「来たことはあるけど乗ったことないのよ」

京太郎「初めてなんでワクワクします」

塞「あら、奢らないわよ?」

京太郎「いーですよ、俺も乗ってみたいんで」



61:2016/02/15(月) 20:37:25.61 ID:OIeXJANv0


受付「ヘルメットとライフジャケット必着のん」

塞「わはっ、楽しみー♪」

受付「あとこれ、あげるのん」サッ

京太郎「かっぱえびせん?」

受付「ウミネコのエサなのん」

塞「へー!餌付けもできるんだ!」

受付「それじゃあ発進するのーん!」ゴゴゴ



62:2016/02/15(月) 20:39:53.35 ID:OIeXJANv0


ニャア ニャア ニャア

京太郎「うわっ!多い!てか近い!」

塞「人懐っこいというか度胸があるというか」

京太郎「ふふふ、カモメとの見分け方知って――」

塞「ニャアニャア鳴くのはウミネコ、でしょ?」ヒョイ

ウミネコ「うめーうめー」パクッ

京太郎「敵いませんねー」



63:2016/02/15(月) 20:41:36.02 ID:OIeXJANv0


京太郎「塞さんて、いいなぁ……」ボソッ

塞「……ん…………うんっ!!?」ギョッ

塞(いっ、いきなり何を言うのこの子は……!?)アセッ

塞(ちょっと……どう反応したらいいのよ……)トッ

京太郎(なんか姉さん女房って感じだよなぁ……)

京太郎(あー、母ちゃん元気にしてるかなー)

京太郎「……はっ!」



64:2016/02/15(月) 20:44:24.21 ID:OIeXJANv0


京太郎「……塞さん」ジッ

塞「な、何かな……?」

京太郎「……動かないで」スッ

塞「!!?」

京太郎「そのままで……」

塞(ちちちちょっとー!?)



65:2016/02/15(月) 20:46:50.46 ID:OIeXJANv0


塞(いきなりとか!ええっ!?)

塞(ま、まだ会って少ししか経ってないって!)

京太郎「…………」ジッ

塞(そんな真剣な目で見られると!こっ、困る!)

京太郎「はいっ、チーズ!」パシャ


塞「…………ふぇっ」トッ



66:2016/02/15(月) 20:49:29.69 ID:OIeXJANv0


京太郎「あー、飛んでいっちゃったー」

京太郎「ほらほら、見てくださいよ!」スッ

京太郎「塞さんの頭にウミネコが乗ってたんですよ」

塞「…………」ポカーン

京太郎「良く撮れてるでしょー!あははー!」

塞「……」



67:2016/02/15(月) 20:51:33.44 ID:OIeXJANv0


塞「ふんっ!」バララッ

京太郎「え、ちょ!なんで俺に餌かけ――」

ニャア ニャア ニャア

京太郎「ぎゃあああ!来るなーーーー!!」バタバタ

船頭「お客さん、船の中に撒かないでほしいのん」

塞「すみませーん」パシャパシャ



68:2016/02/15(月) 20:54:03.72 ID:OIeXJANv0


京太郎「酷い目に遭った……」

塞「大袈裟ね、良い写真撮れたわよ」プイッ

船頭「えー、目の前に見えるのが『青の洞窟』のん」

船頭「別名『八戸穴』とも言われてるのん」

船頭「ここには不思議な犬の伝承があるのん」

船頭「洞窟を通り抜け、宮古〜八戸までワープしたのん」

京太郎(どう考えても無理だろ……)



69:2016/02/15(月) 20:55:59.92 ID:OIeXJANv0


塞「ふーん、中は薄暗いのね」

京太郎「岩が鍾乳洞みたいだなー」キョロキョロ

塞「鍾乳洞見たことあるの?」

京太郎「ええ、一関の幽玄洞を数日前に見まして」

塞「へー、結構行ってるのねー」

ブッシャアァァアアアアッ!!



70:2016/02/15(月) 20:57:55.79 ID:OIeXJANv0


京太郎「うおっ!奥から潮吹きが!」

塞「びっ、びっくりしたー!」

船頭「お客さんたち運が良いのん」

船頭「この現象見た人は、幸せになれるのん」

京太郎「やりぃ!俺たち幸せになれるそうですよ!」

塞「そっ、そうね……」ドキッ

塞(意識して言ってるんじゃないのよね……?)



71:2016/02/15(月) 21:00:00.17 ID:OIeXJANv0


船頭「それじゃあ後ろを見るのん!」

京太郎「おおっ!すげっ!」

塞「うっわー!」キラキラ

船頭「これが『青の洞窟』のん」

船頭「今はエメラルドグリーンなのん」

船頭「季節、まぁ温度によって水の色変わるのん」

船頭「寒くなるにつれてコバルトブルーになるのん」



72:2016/02/15(月) 21:02:15.85 ID:OIeXJANv0


京太郎「天井の岩に綺麗に反射してますね」

塞「ええ、鮮やかで綺麗ねー」

船頭「次は下を見るのん、水深は8mくらいあるのん」

京太郎「塞さん!凄い!小魚がたくさんいます!!」

塞「わっ!動いてる!速い!」

船頭「楽しんでくれてなによりのーん」



73:2016/02/15(月) 21:03:58.87 ID:OIeXJANv0


浄土ヶ浜マリンハウス


京太郎「浄土ヶ浜ラーメン、美味かったですねー」

塞「具沢山だったわね、海鮮系って本当に豪勢」

塞「ま、その分値段は張ったけどねー」

京太郎「あはは、そんなもんですって」

塞「……っと、もうちょっとしたらバスの時間ね」

京太郎「ならアイスでも買って待ってますか」



74:2016/02/15(月) 21:05:37.95 ID:OIeXJANv0


京太郎「青の洞窟ソフト、青いですね」ペロペロ

塞「見た目は完全にハワイアンブルーよね」ペロペロ

塞「味はソーダ?ラムネ?っぽかった」バリバリモグモグ

京太郎「海水浴客、また増えてますよ」バリバリモグモグ

塞「だから言ったでしょ、シーズンだって……あ、来た」

運転手「宮古駅行きだの〜ん」ガチャ



75:2016/02/15(月) 21:07:29.34 ID:OIeXJANv0


宮古駅前


京太郎「あー!楽しかった!」ノビノビ

塞「ふふっ、それは良かったわ」

京太郎「全部塞さんのおかげです!」

京太郎「本当にありがとうございました!」ペコリ

塞「ちょっ、お、大袈裟だって////」



76:2016/02/15(月) 21:10:26.25 ID:OIeXJANv0


塞「それで、今から盛岡に帰るの?」

京太郎「うーん、そう考えていたんですけど」

京太郎「まだ13時じゃないですか……」

京太郎「直ぐ帰るのはもったいないかなと思いまして」

塞「確かにね、沿岸部まで来る機会も中々ないでしょ」

京太郎「ええ、でも周辺に観光名所って……」キョロキョロ

塞「……そうだ」ポン



77:2016/02/15(月) 21:12:46.23 ID:OIeXJANv0


塞「鍾乳洞を見たって言ってたけど、興味あるの?」

京太郎「ええ、というより自然系が好きなんです」

京太郎「景観や名所とか見たいなーと」

塞「なら岩泉町にある『龍泉洞』に行ってみなさいよ」

塞「『日本三大鍾乳洞』の1つで、かなり有名って聞くわ」

京太郎「おお、それは見たい!」



78:2016/02/15(月) 21:14:37.25 ID:OIeXJANv0


塞「そう、それなら途中まで案内してあげる」

塞「小本駅までだけど、大丈夫?」

京太郎「え、そこまでしてもらっていいんですか?」

塞「ああ、それは気にしないで」

塞「私、親と小本で合流する予定だから」

京太郎「そうなんですか」

塞「あっ、出発5分前だ!ほら、行くよ!」



79:2016/02/15(月) 21:16:20.78 ID:OIeXJANv0


ゴトンゴトン ゴトンゴトン

京太郎「小本駅まではどのくらいなんですか?」

塞「宮古駅からだと約30分、ってとこかしらね」

京太郎「そこでご両親が駅で待ってるんです?」

塞「ええ、昨日は岩泉町に泊まったのよ」

塞「駅との距離は20分くらいかしらね」

京太郎「……あれ?でもなんで一緒じゃないんですか?」



80:2016/02/15(月) 21:18:09.24 ID:OIeXJANv0


塞「最初は岩泉町に泊まる予定だったんだけど」

塞「まぁ……私が駄々こねちゃってねー」

塞「1人で宮古に宿泊ってことになった、とさ」

京太郎「えー、嘘だー」

塞「なんでよ?」

京太郎「塞さんが駄々こねる姿がイメージできません」



81:2016/02/15(月) 21:21:21.10 ID:OIeXJANv0


塞「あら?見えないところでは甘えるタイプかもよ?」

京太郎「いや、それは可愛くて凄く萌えますけど」

塞「!!?」

塞(ちょっ、ちょっと!そんなことポロっと言う!?)

京太郎「夫婦水入らずの時間をつくってあげたとか?」

塞「……もう、それは買い被り過ぎってもんよ」



82:2016/02/15(月) 21:23:06.50 ID:OIeXJANv0


塞「まぁ、結果的にはそうなったみたいだけど」

塞「私自身、1人で浄土ヶ浜を見たかったの……」

京太郎「1人で、ですか…………あ!」

京太郎「じゃあ、やっぱ何か思い詰めてたんですか!?」

京太郎「岩の上に虚ろな感じで立ってて――」

塞「あああ!そっ、それは忘れてちょうだい////」

塞「あれは反省ね、本当は浜での禁止事項なんだから」



83:2016/02/15(月) 21:24:51.58 ID:OIeXJANv0


塞「少し落ち着きたかったの、静かな場所でのんびりとね」

京太郎「……聞いちゃいけない悩みとかですか?」

塞「ふふっ、悩みなんて大袈裟なものじゃないわ」

塞「ま、初めて感じるプレッシャーってところね……」

塞「だって……IH出場、それにキャプテンだもの……」

京太郎「IH!?凄いじゃないですか!!」

塞「良いチームメイトたちがいてくれたおかげよ♪」



84:2016/02/15(月) 21:26:54.04 ID:OIeXJANv0


京太郎「ところで何の競技――」

『だんご三兄弟 だんご!だんごだんごだんごだんご』

塞「あ、ごめん電話だ」ガタッ

塞「少し話してくるから」スタスタスタ

京太郎「了解でーす」

京太郎「…………」

京太郎(IHか……俺も、雑用頑張らないとな……)グスッ



85:2016/02/15(月) 21:28:49.05 ID:OIeXJANv0


小本駅前


京太郎「今回の旅で、周りに何も無いランキング1位だ」

京太郎「……でも、その割に人は結構いるな」

京太郎「『龍泉洞』目当ての観光客なんだろうか?」

京太郎「うーん、これは期待大だぜ!」

塞「はー、どうしろっていうのよ……」トコトコ

京太郎「……塞さん?どうかしたんですか?」



86:2016/02/15(月) 21:30:50.57 ID:OIeXJANv0


塞「親がね、岩泉でもう1泊するって急に言い出してね」

塞「今は『大川七滝』ってとこで川釣りしてるみたい」

塞「夕方まで色々回るから先にホテル行っててだって……」

京太郎「そうなんですか、でもまだ14時前ですよ」

塞「微妙な時間帯なのよねー」

京太郎「……あ、なら一緒に『龍泉洞』行きません?」



87:2016/02/15(月) 21:32:31.57 ID:OIeXJANv0


塞「え……一緒に?」

京太郎「塞さんも見たこと無いんですよね?」

塞「ええ、聞いたことがあるだけ……」

塞「県外からも人気みたいで私も気になってたわ」

塞(でも……確かあそこって……)

京太郎「じゃあ行ってみましょうよ!」

京太郎「鍾乳洞って凄く綺麗なんですよー!」



88:2016/02/15(月) 21:34:35.74 ID:OIeXJANv0


塞(いや……そういうのじゃなくて……)

塞(確か、『恋人の聖地』とも呼ばれてる場所……)

塞(そんなとこに、男女が2人だけで行ったら……)

塞「…………」

塞「////」ボンッ

京太郎「塞さん?聞いてます?」

塞「わっー!?」ビクッ



89:2016/02/15(月) 21:37:48.94 ID:OIeXJANv0


塞「きっ、君!こここ、こういうところはだよ!」

塞「きちんと段階を踏んでからだと思うんだ!!」

京太郎「は、はぁ……?」キョトン

塞「今朝知り合ったばかりの人がだよ、急展開にも――」

京太郎(んー?俺の観光の遠慮でもしてるのかな……?)

京太郎(俺は一人じゃなくても全然構わないんだけどな)

京太郎(鍾乳洞はエイスリンさんとも一緒に楽しんだし)



90:2016/02/15(月) 21:39:49.91 ID:OIeXJANv0


塞「私だって君のことは嫌いじゃないし、むしろ――」

京太郎(あ、初めての鍾乳洞だから不安なのかも?)

塞「運命的な出会いだって悪いとは決して思――」

京太郎「塞さん!」ガシッ

塞「はっ!はいっ!?」ビクッ

京太郎「俺がちゃんとエスコート(洞窟案内)しますから」

塞「エスコート(大切な女性を守る)……」ポー



92:2016/02/15(月) 21:42:04.53 ID:OIeXJANv0


龍泉洞


京太郎「ここが『龍泉洞』かー!へー!」キョロキョロ

塞「…………」ソワソワ

京太郎「龍のモニュメントがむっちゃある!」

京太郎「流石、龍の名前が入ってるだけあるなー」

塞「……」チラッ

龍の像「見世物じゃないのん、むちゅー」イチャイチャ

塞「////」

京太郎「お、盛岡駅行きのバスがある、ラッキー」



93:2016/02/15(月) 21:44:24.88 ID:OIeXJANv0


京太郎「……あれ?この飲料水ってもしかして……」

塞「ええ、『龍泉洞の水』ね、『日本百名水』の1つよ」

京太郎「こういうのって飲んで本当に大丈夫か?」ゴクゴク

京太郎「美味い!エキノコックスとか考えると怖いけど」

塞「そう言いながらも躊躇わずに飲んだわね」

京太郎「あはは、だって北海道だけですもん」

塞「え?本州でも確認されてるじゃない、2014年とか」

京太郎「え……うそっ……」サァァ



94:2016/02/15(月) 21:46:27.57 ID:OIeXJANv0


塞「…………」

京太郎「じょ、冗談キツいなー!塞さんたら……」

塞「…………」

京太郎「……」

塞「君のことは忘れないよ、京太郎」ホロリ

京太郎「ぎゃああああ!嘘だぁぁああああぁ!!」

塞「嘘よ、まぁ本当でもあるかなー」ニヤニヤ

京太郎「どっちなんですか!?」ガクガグブルブル



95:2016/02/15(月) 21:48:10.77 ID:OIeXJANv0


塞「本州で感染者が見つかってるのは本当だけど」

塞「感染経路は不明だし、そこまで怯えなくていいでしょ」

京太郎「だだだ、だってぇ……」ブルブル

塞「それに飲料可なら衛生面は守られてるはずよ」

京太郎「そんなの分からないじゃないですかー……」

塞「しっかりしなさい、エスコートしてくれるんでしょ?」ニコッ

塞(年下も可愛くて悪くないかも……って!何考えてるの私!)



96:2016/02/15(月) 21:50:30.36 ID:OIeXJANv0


京太郎「さてと、入場券も買ったし……ん?」

塞「どうかした?」

京太郎「チケットの下、『龍泉新洞科学館』って付いてます」

塞「龍泉洞とは違うのかしら?パンフはと……」ペラッ

塞「へぇ、龍泉洞入口の向かい側にも鍾乳洞があるみたい」

塞「そっちは10分くらいで見学できちゃうみたいね」

京太郎「なら、先にそっちから行きましょう!」



97:2016/02/15(月) 21:52:03.84 ID:OIeXJANv0


龍泉新洞科学館 入口


ゴウンウンウンウン

塞「じ、自動ドア!?」

京太郎「おー、幽玄洞と同じか!期待できますよこれ!」

塞「面白そうじゃない!ワクワクしてきた!」

京太郎「ええ!行きましょう!」テクテク

塞「ひんやりして気持ちいいなー!」テクテク



98:2016/02/15(月) 21:53:53.80 ID:OIeXJANv0


龍泉新洞科学館 出口


ゴウンウンウンウン

塞「…………」

京太郎「…………」

塞「ごめん、私のドキドキを返してくれる?」

京太郎「…………」

塞「初めてなのよ?初めての鍾乳洞なのよ?」



99:2016/02/15(月) 21:56:22.79 ID:OIeXJANv0


京太郎「いやまぁ……うん、綺麗でしたよ?」

塞「疑問系にするなー!言っちゃ悪いけどショボ過ぎよ!」

京太郎「で、でも『龍泉新洞人』は面白かったですって!」

京太郎「温厚なので危害は加えません、って表記」

京太郎「あれにはちょいとニヤリとさせられま――」

塞「鍾乳洞に笑いなんか求めてないわーーーー!!」クワッ

京太郎「めっ、メイン行きましょう!メイン!」



101:2016/02/15(月) 21:58:23.67 ID:OIeXJANv0


龍泉洞 入口


塞「…………」ジー

京太郎「こっ、こっちはきっと大丈夫ですって!」

京太郎「『日本三大鍾乳洞』と呼ばれるくらいなんですから!」

京太郎「だからさっきみたいなテンションで――」

塞「……あ、ああ!違う違う、ちょっと気になっただけ」

京太郎「?」



102:2016/02/15(月) 22:00:52.05 ID:OIeXJANv0


塞「上着持ってきてなくてさ、大丈夫かなって」

塞「さっきのところも結構涼しかったじゃない」

塞「こっちは温度10℃だって、それに距離も長いだろうし」

京太郎「あ、良かったらこの上着どうぞ」スッ

塞「え?いいの?でも君は自分の分を持ってるの?」

京太郎「大丈夫です、なんか体が慣れちゃったみたいで」



103:2016/02/15(月) 22:03:05.97 ID:OIeXJANv0


京太郎「あ、1時間くらいしか着てない中古になりますが」

京太郎「塞さんが気にしないなら遠慮なくどうぞ」

塞「かっ、借りるわ////」スッ

塞(……あれ?香水の匂い?)クン

塞(へぇ、この子も香水つけたりするんだー)

塞(好みの匂い…………ん?この匂いどっかで……)クンクン

京太郎「……塞さんってクンカーなんですか?」

塞「ちっ!違うわよ!さぁ、行くわよ////」バッ



104:2016/02/15(月) 22:04:58.50 ID:OIeXJANv0


京太郎「…………」テクテク

塞「…………」テクテク

京太郎「…………」キョロキョロ

塞「…………」ジー

京太郎「……」

塞「……」

京太郎・塞「凄い……」



105:2016/02/15(月) 22:06:55.19 ID:OIeXJANv0


京太郎「幽玄洞と違って全体的に暗いけど……」

京太郎「それが鍾乳洞にマッチしてとても幻想的だ……」

塞「ええ、本当に凄いとしか言えないわ……」テクテク

塞「それに広くて歩き易いし、良い所……」

塞(流石、デ、デートスポットね……)キョロキョロ

京太郎「……おっ、塞さん!あれ!」テクテク



106:2016/02/15(月) 22:08:39.24 ID:OIeXJANv0


塞「わはっ!ライトアップじゃない!」

京太郎「短時間で色が変化してますよ!面白い!」

塞「芸が細かいわねー♪」テクテク

京太郎「でも、鍾乳洞としてはどうなんでしょうね?」

塞「あら?私はこういうのも好きよ、子供っぽい?」ニコッ

京太郎「いやいや、ホント敵いませんねー」

京太郎「美人で尚且つ可愛いとか反則でしょーに」テクテク

塞「…………」ドキッ



107:2016/02/15(月) 22:10:42.32 ID:OIeXJANv0


京太郎「いやー!地底湖も凄かったですねー!」

京太郎「3つありましたけど、どれも特徴があって良い!」

京太郎「あの透明度!吸い込まれそうになりますよ!」

京太郎「それとライトアップされた長階段も地味に好き!」

京太郎「蝙蝠が見れなかったのは残念でしたけど」

塞「…………」

京太郎「本当に素晴しい観光名所…………塞さん?」

塞「……ここ……覚えてる?」



108:2016/02/15(月) 22:13:10.31 ID:OIeXJANv0


京太郎「え?ああ、さっきのライトアップしたとこですよね?」

塞「うん、ここで君は笑えない冗談を言った……」

京太郎(……ん?俺何か言ったか?もしかして、アレ?)

京太郎「いや冗談じゃないですって!塞さん本当に美人――」

塞「本当に……笑えないよ……」ギュッ

京太郎「…………え?」



109:2016/02/15(月) 22:15:55.01 ID:OIeXJANv0


京太郎「えっ!さ、塞さん……////」オロオロ

京太郎(胸におもちが当たってますって……!)

京太郎「やっ、やだなー!もー!」

京太郎「まっ、また冗談で慌てふためく俺を見たいんすか!」

京太郎「からかうのは止めてくださいよー!」

塞「……本気に……なっちゃうんだよ」

京太郎「」



110:2016/02/15(月) 22:17:49.63 ID:OIeXJANv0


塞「私だって……女なんだよ……」

塞「きょっ、京太郎にそう言われたら……」

京太郎「ああ、それは――」

塞「たとえ冗談でも、嬉しくなっちゃうんだよ……」

塞「他の誰でもない……京太郎だから嬉しいんだよ……」

京太郎「塞さん……本当に……?」ドキッ



111:2016/02/15(月) 22:20:14.95 ID:OIeXJANv0


塞「今日、一緒にいて知った……」

塞「優しくて馬鹿正直で少しぬけてるところもあって……」

塞「とても楽しかった……この人とならって思えた……」

塞「だからね、冗談はこれで終わりにしてほしい」パッ

塞「勇気を出したの、京太郎の本気の答えを聞きたい」

京太郎「…………」

塞「私以外でも、そう思う人はきっといるはずだよ」ニコッ

京太郎「そう思う人――」



112:2016/02/15(月) 22:22:21.91 ID:OIeXJANv0


エイスリン『 ツキガ キレイ デスネ 』

胡桃『ただのファーストキスのやり直しなんだから!!』

白望『今日のお礼、どうぞほっぺに』

豊音『1つだけ……お願いがあるの……////』

京太郎「も、もしかしてあの時も本当は……」

塞「……」クスッ

京太郎「あっ……」



113:2016/02/15(月) 22:24:32.10 ID:OIeXJANv0


塞「君は、思ったことをそのまま言っちゃうときがあるね」

塞「良い場面でも、悪い場面でも……」

京太郎「すっ、すみません……」

塞「んーん、でもやっぱりそうだったかー」テクテク

塞「君にアプローチしてる人、絶対にいる気がした……」

塞「そのときは相手の好意には気づいてなかったけど」

塞「今では、心当たりがあるんでしょう?」

京太郎「……はい、あります」



115:2016/02/15(月) 22:26:25.41 ID:OIeXJANv0


塞「聞いても……いいよね?」

塞「今、君が思い浮かべた人は、もしかして複数?」

京太郎「……そうです」

塞「その中に……私も入れさせてもらえるのかな?」

京太郎「も、勿論です!今だって……緊張してます……」

塞「そう、嬉しいな♪」ニコッ



116:2016/02/15(月) 22:28:32.02 ID:OIeXJANv0


塞「……できれば、もっと一緒にいたいけど、時間ね」

京太郎「時間……?」

塞「ほら!そろそろ出ないと!」パァン

京太郎「いつっ!さ、塞さん……」

塞「盛岡行きの最終のバス、もう少しで来ちゃう」

塞「乗り過ごしたら笑えないよ!」

京太郎「……はい」



118:2016/02/15(月) 22:30:44.30 ID:OIeXJANv0


運転手「盛岡駅行きだのーん」ガチャ

塞「健康に気をつけて、怪我にも注意しなさいよ」

京太郎「…………」

塞「……宮古でお礼を言われたけど、私からも言うわ」

塞「今日の事は絶対に忘れない、本当にありがとう、」ペコリ

京太郎「……さっ、塞さん!!」



119:2016/02/15(月) 22:33:43.95 ID:OIeXJANv0


京太郎「おっ、俺!まだ頭の中整理できてませんし!」

京太郎「誰が本当に好きか自分でも分かってないんです!」

京太郎「でっ、でも、真剣に悩みます!考えます!」

京太郎「実は……俺もIHに行くことになってるんですが……」

京太郎「それが終わったら……ちゃんと答えを出します!」

塞「……うん!」



120:2016/02/15(月) 22:36:52.68 ID:OIeXJANv0


京太郎「だから――」

運転手「出発のーん!」ガチャン

京太郎「あああ!空気読んでくれー!」

運転手「うるさいのーん!他のお客に迷惑だのーん!」

ブロロロロロロ


塞「ふふっ、今度会うときまでには……」クスッ

塞「上手くカッコつけれるようになりなさいよねー!」



121:2016/02/15(月) 22:38:16.64 ID:OIeXJANv0


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               ∨::\           \::::::/    ./    /
              ∨:::∧       __彡へ}/    ,     /


             京太郎は砕けない  三陸編  完



122:2016/02/15(月) 22:40:04.29 ID:OIeXJANv0

 

              次回予告


    旅はいつか終わる、つーか次で終わる


     と、思いきやここに来て新ヒロイン?


       とりあえず遊ぶんだ!牧場で!



125:2016/02/15(月) 22:41:15.78 ID:OIeXJANv0


京太郎「ん?俺ですか?」

おばちゃんX「XYZって知っとるか?」

おばちゃんY「もう後がないってことやで」

おばちゃんZ「この状況やと助けてくれっちゅう意味や」

おばちゃんX「まぁ、ウチらも老い先短いし」

おばちゃんY「助けても意味ないかもしれんけどな」

おばちゃんZ「ギャーハッハッハッハッハッ!!」



126:2016/02/15(月) 22:42:12.05 ID:OIeXJANv0


京太郎「探そうと思えば、たくさん探せるんですねぇ」

ハギヨシ「ええ、その通りなのです」

ハギヨシ「どんな地域でも見所は少なからずあるもの」

ハギヨシ「季節によって、違った味も出てくるのも面白い」

ハギヨシ「田舎でも良い所は確かに存在します」

ハギヨシ「そして……その逆もまた然り、なのです……」

京太郎「……え?」



127:2016/02/15(月) 22:43:11.46 ID:OIeXJANv0


白望「エイスリン、その絵見せてもらっていい?」

エイスリン「…………」パッ

『 須賀!? 京ちゃん 京太郎君! 京太郎!! 』

全員「…………え?」

豊音「ええっ!みんな京太郎君と知り合いなのー!?」

塞「どっ、どうやら……そうみたいね……」

胡桃(あ、頭痛くなってきた……)クラッ



128:2016/02/15(月) 22:44:48.97 ID:OIeXJANv0


末原「すすす!すんまへん!」ペコペコ

咲(チッ、下っぱのカス能力が……!)

咲(おまえらごときの浅知恵でこの宮永咲の能力)

咲(『嶺上開花』の上を行くことは絶対にない……)

咲(くぐり抜けることもないッ!いくらカスみたいでもな……)

咲「フフフ……ククク……」

咲「“帝王”はこの宮永咲だッ!!依然変わりなくッ!」



129:2016/02/15(月) 22:45:39.82 ID:OIeXJANv0


おばあちゃんΔ「ふん!見直したで!ボケェ」

おばあちゃんΣ「トシちゃん!後は任せるで!ボケェ」

おばあちゃんΩ「帰ってテレビ見るで!ボケェ」

京太郎「え、あの……」

おばあちゃんΔΣΩ「じゃあの!幸せにおなり、や……」

トシ「ありがとうございます」ペコリ



130:2016/02/15(月) 22:46:27.98 ID:OIeXJANv0


 

   京ちゃんの風  最期編  次回完結



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元スレ:
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455489000/