1:2015/08/15(土) 00:52:08.201 ID:SsLA8PMj0.net

律子「…はい、そうなんです。」

P「それをなんで俺に?」

律子「なんでも何も、竜宮小町ができるまでの半年間、亜美を真美と一緒にプロデュースしてたのはプロデューサー殿じゃないですか。」

P「なるほどな、そんな俺なら亜美がなんで調子が悪いかわかるんじゃないかと?」

律子「そういうことです…」

P「って言っても、俺は今の亜美をしっかり見れてるとは言い難いからなぁ…」

律子「そう言うだろうと思ったので、カメラを回していました。必要なら見てください。」

P「…おいおい、いいのか?律子?」

律子「はい、亜美のご両親には許可をいただいて…」

P「そうじゃない。」


4:2015/08/15(土) 00:53:40.270 ID:SsLA8PMj0.net

律子「え?」

P「お前はそれでいいのかって言ってるんだよ。」

律子「…」

P「仮にも亜美はお前の担当アイドルだ。それを同じ事務所とは言え、他の人間に任せていいのか?」

律子「…」

P「確かに、第三者に意見を求めるってのはいい方法だ。…でも、お前の性格上、こういうのは1番嫌なんじゃないのか?」

律子「…そうですね。」

P「なら…」

律子「アイドル時代の私ならそう言うでしょうね。」

P「⁉︎」

律子「確かに自分の仕事を丸投げなんて、私の性格上1番嫌なことです。それは今でも変わりません。」

律子「…でも、今の私は1人じゃない。あの子たちの未来を背負っています‼︎」

律子「竜宮小町は絶対にトップアイドルになれるんです‼︎それを私のプライドで台無しになんて…したくない‼︎」

P「…」

律子「プロデューサー殿が私にしてくれたように…私だってあの子たちを輝かせてあげたいんです…」


5:2015/08/15(土) 00:54:51.608 ID:SsLA8PMj0.net

P「律子…」

律子「私の力不足なのはわかっています…でも…でも…」

P「わかった」

律子「え?」

P「ビデオ見せてくれ。」

律子「いいんですか?」

P「お前から頼んできたんだろ?力になれるかどうかはわからんができる限りはやるさ。事務所の仲間だからな。」

律子「ありがとうございます‼︎」

P「…あと、謝らないといけないな。」

律子「え?何をですか?」

P「あの律子が頼んできた時点で、相当に考えた結果なんだろうなって考えなきゃダメだったよ。俺もなんだかんだでしっかりしてる律子に甘えてた。」

律子「いえ…そんなこと…」


6:2015/08/15(土) 00:55:19.895 ID:SsLA8PMj0.net

P「とりあえず、今日はもう帰ろう。続きは明日だ。」

律子「はい。」







亜美「…」


7:2015/08/15(土) 00:56:09.415 ID:SsLA8PMj0.net

翌日

P「ビデオを見させてもらった。その上で聞くが、律子は亜美のどこがおかしいと思ってるんだ?」

律子「はい、元々テンションの上がり下がりは激しい子でしたが、今はそれが明らかに異常です。幸い仕事の時には元気を装えていますが、見てるこっちが痛々しい程凹んでいる時があります。」

P「他には?」

律子「悪戯の度が過ぎています…」

P「そうだろうな、律子からもらったビデオの編集の仕方から、それが言いたいんだろうなってのは伝わったよ。」


8:2015/08/15(土) 00:56:48.454 ID:SsLA8PMj0.net

~VTR~
伊織「亜美‼︎ちょっと来なさい‼︎」

亜美「うあうあ~」

律子「ちょっと伊織どうし…って何よその顔⁉︎」

伊織「何よも何も、私が寝てる間にペンで落書きするなんて亜美しかいないでしょ‼︎」

律子「亜美‼︎何考えてるの‼︎」

亜美「そ…そんなに怒んないでYO‼︎いつもならそんなに怒んないじゃん‼︎いおりんのおでこにおはよサンシャインって書いたから?悪魔超人の方が良かった?」

伊織「サンシャインから離れなさ…ってそうじゃなくて、本番前の時間がない時に油性ペンで書いたら落ちないでしょうが‼︎」

亜美「うあうあ~」

~VTR終了~

律子「さっき言ったように、テンションの管理が大変になるので私も出来るだけ怒りたくはないんですが…」

P「まぁ、無理だろうな。」

律子「えぇ、ストレスがかかっているせいなのか悪戯のレベルが上がっています。それを注意するとまたストレスが溜まって…」

P「堂々巡りか…」

律子「はい…」


9:2015/08/15(土) 00:57:32.230 ID:SsLA8PMj0.net

P「ちょっと待ってろ…」

P「おーい、真美~‼︎」

真美「どったの~?兄ちゃ~ん」

P「亜美って家ではテンション低いのか?」

真美「ん?亜美が?そんなことないYO?」

P「そうか、ありがとう真美。」

P「ということだ、律子」

律子「どういうことですか?」

P「律子が言うには、亜美のテンションは異様に上下している。しかし、家族である真美から見たらそうではない。これが何を意味するかわかるか?」

律子「…私の前でだけってことですか?」

P「逆だ。」

律子「逆?」


10:2015/08/15(土) 00:58:39.323 ID:SsLA8PMj0.net

P「真美がいると、亜美は落ち着けるんだよ。」

律子「あ…」

P「あの2人の違いがわかるか?」

律子「そりゃあ色々あるでしょうけど…」

P「大雑把に言えば、作るのが亜美で動かすのが真美なんだ。」

律子「?」

P「さっきのいたずらにしてもそうだ。」

P「大体いたずらをする時に何をするか提案するのは亜美の方だ。」

P「亜美には0から楽しいことを作り出す能力がある。」

P「そこから細かい準備や、ディティールに拘って1を100にするのが真美だ。」


11:2015/08/15(土) 00:59:17.069 ID:SsLA8PMj0.net

P「例えばさっきのいたずらでも、真美がいればやんわりと『今やると怒られてつまんない』と言うことに気づいて止める。やったとしても用意するのは真美だから水性ペンくらいにはするだろう。」

律子「でも、それがどう関係…」

P「亜美が楽しいことを思いついても、それは長年一緒にいる2人のこと。その発想には常に真美がいるのが前提になっている。」

P「そうなると、せっかく思いついた楽しいことができなくなって…」

律子「落ち込んでしまう…」

P「逆に1人でできることを考えついた時でも、いつもはストッパーになるはずの真美が居ないと…」

律子「暴走してしまう…」

P「良くも悪くも、あの2人らしいよな。」


12:2015/08/15(土) 01:00:36.175 ID:SsLA8PMj0.net

律子「…私、全く見れていなかったのかもしれませんね。」

P「…おい、律子」

律子「何で…ふにゅ⁉︎にゃにしゅるんでしゅか⁉︎ぷろでゅーひゃーどの⁉︎」

P「大丈夫だよ、お前はちゃんと見てる。お前が気付かなきゃ俺だって亜美がそうなってることなんて知りもしなかったんだからよ。」

律子「…」

P「それに恥ずかしい話、真美も一時そうだったんだよ。」

律子「え?」

P「なんか、猫被ったみたいにおとなしくなっちゃってな。元気ないのかと思って俺からめちゃくちゃふざけてみたら、それには乗ってくるんだよ。」


13:2015/08/15(土) 01:01:23.774 ID:SsLA8PMj0.net

律子「…それは、亜美がいなかったから?」

P「だろうな。真美は意外と周りを気にするってのもあるし亜美がいないと楽しむ踏ん切りがつかないんだろうな…」

律子「…そうだったんですね。私は…これからどうすればいいんでしょうか?」

P「は?」

律子「は?」

P「いや、今まで通りでいいんだよ。」

律子「今まで通り?」

P「多少の意識は必要だと思うけどな、亜美の手綱を握ってやれ。落ち込んでたら励まして、調子に乗ってたら失敗する前に注意する。いつもの律子じゃないか?」

律子「でも、それができなかったから…」

P「今までは、半年前の亜美と落ち込んだり調子に乗るタイミングが違ったから勝手がわからなかっただけだ。理由を知った今の律子ならできるさ。」


16:2015/08/15(土) 01:02:49.487 ID:SsLA8PMj0.net

律子「…そうですかね?」

P「あぁ、そうさ、それは俺が保証する‼︎もしそれでダメなら、俺を煮るなり焼くなり好きにしろよ。」

律子「…そうですね、私らしくなかったですね…わかりました‼︎私やります‼︎」

P「あぁ、それでこそ俺の知ってる律子だ‼︎」

律子「これでダメなら、プロデューサー殿のせいにすればいいだけですもんね‼︎」

P「おい⁉︎」

律子「ははは、冗談ですよ、冗談。」

P「全く…」

律子「相談に乗っていただいてありがとうございました。プロデューサー殿。」

P「これくらい、おやすいごようだよ。」


17:2015/08/15(土) 01:03:33.058 ID:SsLA8PMj0.net

律子「…今はまだ私はあなたに敵わないかもしれませんが…竜宮小町はわかりませんよ?それとこれとは別ですしね。」

P「当たり前だ。楽しみにしてるぞ‼︎」




P「…行ったか。」

P「昨日亜美が来た時はどうなることかと思ったがな…」


19:2015/08/15(土) 01:04:15.935 ID:SsLA8PMj0.net

~昨日~
亜美「兄ちゃん‼︎兄ちゃん‼︎」

P「お?どうした亜美?」

亜美「…りっちゃんと何話してたの?」

P「(正直に言ったらマズイよな)ただの業務連絡だよ。」

亜美「嘘だ‼︎」

P「⁉︎」

亜美「りっちゃん、暗い顔してたもん‼︎ただのギョームレンラクじゃないっしょ‼︎」


20:2015/08/15(土) 01:04:51.915 ID:SsLA8PMj0.net

P「い、いや、本当なんだ…」


亜美「…りっちゃん、最近なんか悩んでるっぽいYO…」

P「…そうなのか?」

亜美「いおりんもあずさお姉ちゃんも心配してるんだ…亜美達なんかしちゃったのかな?」

P「そんなことはないと思うぞ…」

亜美「あのね、兄ちゃん…」

P「ん?」

亜美「亜美達ね、りっちゃんが早く楽できるように一生懸命お仕事するよ。でもね、難しいことはよくわかんないんだ…」

P「…」


21:2015/08/15(土) 01:05:25.584 ID:SsLA8PMj0.net

亜美「だからね…もしりっちゃんが…その『難しいこと』で悩んでたらね…兄ちゃんが助けてあげてYO‼︎」

P「…あぁ、律子は俺に任せとけ。」

亜美「兄ちゃん…ありがとう‼︎」

P「ほら、いつまでも泣いてないで、早くレッスン行ってこい。」

亜美「うあうあ~、泣いてないよー兄ちゃんのバカー‼︎」

~~~~~~~~~
P「…みんな優しすぎるんだよなぁ。」


22:2015/08/15(土) 01:06:17.308 ID:SsLA8PMj0.net

終わり。
にわかだから>>14みたいなことも…

お目汚し失礼しました。