1:2018/01/07(日) 03:18:04.219 ID:eJ455jXX0.net

【ヴィネット宅】


ガヴリール「うぃーっす」

ヴィーネ「いらっしゃいガヴ、 待ってたわよ!」

ヴィーネ「早く入って入って! ガヴにも飾り付け手伝ってもらうから!」ニコニコ

ガヴリール「おおう……なんかやたらとはりきってるな……」

ラフィエル「ヴィーネさん、朝からずっとこうなんですよー」

ラフィエル「さっきは踊りながら生クリームを泡立ててました。これがその動画です」

ヴィーネ『ふんふんふふーん♪ シャカシャカあわあわ♪ ふわふわクリームになーあれっ♪』

ガヴリール「うっわ、まじだ……浮かれきってる」ヒキ

ラフィエル「とっても楽しそうですよねっ」

ヴィーネ「なんで撮ってるの!? 消してよ!」


2:2018/01/07(日) 03:20:02.659 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「だってクリスマスよ!? 年に一度のイベントなんだから張り切ったっていいじゃない!」

ガヴリール「盆も正月も年に一度だよ。クリスマスなんてそんな特別でもないだろ」

ラフィエル「イエス様の誕生日なのに天使がそれを言ってしまうのはどうかと……」

ヴィーネ「色んな飾り付けを考えたりお料理作るの楽しいんだもんっ」

ヴィーネ「今年は特にイルミネーションに力を入れたのよ?」

ガヴリール「ああ、おまえんち発光しまくっててすげー目立つぞ。私ここまでくるのちょっと恥ずかしかったわ」

ラフィエル「どことなくいかがわしいお店みたいでしたね」

ヴィーネ「え、えぇ……そんなことないでしょ」

ガヴリール「すぐそこでカップルが勘違いして帰ってったしな」

ヴィーネ「そんなに? 私ちょっと冷静になった方がいいかしら」

ガヴリール「ところでサターニャは?」

ヴィーネ「ん、衣装に着替えるって言って脱衣所に」


3:2018/01/07(日) 03:22:01.659 ID:eJ455jXX0.net

「んな~っはっはっは!!!」

ヴィーネ「ん?」

サターニャ「恐れおののきなさい天使ども」

サターニャ「去年の私は遅れを取ったけど、今年の私はひとあじ違うわ」

サターニャ「全人類蝋人形計画を企む恐怖の悪魔」

サターニャ「ブラックサンタサタニキア様のお出ましよ!!」バ-ン

ラフィエル「悪魔の方々はクリスマスにテンションがおかしくなるものなんでしょうか?」

ヴィーネ「私のテンションあれと一緒なの?」

ガヴリール「サターニャがおかしいのはいつものことだろ」


4:2018/01/07(日) 03:24:14.730 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「お前のその服なんなの。サンタなのに真っ黒じゃん」

サターニャ「ふふん、ヴィネットが用意してくれたのよ! 私専用の主役衣装をね!」

サターニャ「かっこいいでしょ!?」

ラフィエル「なるほど、煙突から潜り込んで真っ黒焦げになったサンタですね。サターニャさんにぴったりですっ」

サターニャ「え」ガ-ン

ヴィーネ「ち、違うから!魔界のサンタだから!カッコいいブラックサンタだから!」

サターニャ「そ、そうよね。ダークサタニキアサンタ様よ!」

ヴィーネ(こらラフィ! 今年は早めにサターニャをクリスマスのムードに引き込んでるんだから邪魔しないの!)ヒソヒソ

ラフィエル(すみません。ついつい、いじりたくなってしまって)ヒソヒソ


5:2018/01/07(日) 03:26:10.663 ID:eJ455jXX0.net

サターニャ「この衣装に着替えたからには私の悪魔力も格段に跳ね上がってる……!」

ガヴリール「なに言ってんだお前」

サターニャ「さあヴィネット!私も飾り付けを手伝うわ! このドクロどこに飾るっ?」

ヴィーネ「クリスマスにドクロなんて必要ないでしょ!?」

サターニャ「くくくく、壁じゅうを血しぶきで真っ赤に染め上げてやるわ!」

サターニャ「もちろん天使の血でね!!」

サターニャ「覚悟しなさいガヴリールぅ!」

ガヴリール「あ? お前の返り血で染めてやろうか」


6:2018/01/07(日) 03:28:03.799 ID:eJ455jXX0.net

サターニャ「呪いのブードゥ人形も沢山あるわよ!」

ヴィーネ「そんな物騒なもの持ってくるな!!」

サターニャ「ヴィネットのベッドに敷き詰めるといい感じに闇の雰囲気が……」

ヴィーネ「サターニャ」ガシ

ヴィーネ「お願い何もしないで」

サターニャ「え、なんで?」

ヴィーネ「今年も邪魔をしたら……」

サターニャ「い、いや邪魔じゃなくてお手伝───」

ヴィーネ「私……泣くわよ!?」グス

サターニャ「泣くの!?」

ガヴリール「いいからこっち来いサターニャ。構ってやるから」

ラフィエル「ヴィーネさん、今年こそイメージ通りのクリスマスをやりたいんですねー」


7:2018/01/07(日) 03:30:26.813 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「私はラフィと一緒にお料理作るから、絶対大人しくしててよ!」

ヴィーネ「ガヴもサターニャをちゃんと見てちょうだい」

ガヴリール「あー、こんなでっかい子供の子守なんて大変だわー」

サターニャ「喧嘩売ってんの!? あんたの方がチビでわがままで子供のくせに!」

ガヴリール「なんだこらやんのか!」

ヴィーネ「ガヴリール、サターニャ」

ヴィーネ「じっとしてろ」

ガヴリール「はい」
サターニャ「はい」


8:2018/01/07(日) 03:32:01.757 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「…………」

サターニャ「…………たいくつ」

ガヴリール「……そうだな」

サターニャ「あ、そういえば私この日のために用意したものがあるのよ」

ガヴリール「こら、大人しくしとけって言われたばっかりだろ」

サターニャ「いやいや、これ絶対必要だから。ちょっと待ってなさい。魔方陣描くから」ゴソゴソ

ガヴリール「一体なにを…………」


シュワワワワワ

ニョキニョキニョキッッ


ガヴリール「なんだなんだ! 床から木が!?」


クリスマスツリー「」ドド-ン


サターニャ「ほら、これがないと始まらないでしょ!」

ガヴリール「うわでか! 天井まで届いてんじゃん!」


9:2018/01/07(日) 03:34:01.693 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「お前、よくこんなの用意したな」

サターニャ「ちょうど魔界通販でレンタルをやってたからね」

ガヴリール「これ室内用じゃないだろ……めっちゃ場所とってるぞ」

サターニャ「さあガヴリール、あとはツリーのてっぺんにこの星を付けるわよ!」

ガヴリール「いやいやいや、届かないって! この高さじゃ!」

サターニャ「私に任せなさい!」バッ

ガヴリール「お、おい! こらいきなり肩車なんて……!」

サターニャ「これで届くでしょ?」

ガヴリール「ば、バカ降ろせサターニャ!」

サターニャ「付けたら降ろすわよ。ほら早く」

ガヴリール「も、もっと前出ろよ! と、届かな……」

ガヴリール「うぎぎぎぎぎ」プルプル


10:2018/01/07(日) 03:36:02.481 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「つ、つけた!つけたから早く降ろせサターニャ!」

サターニャ「そんな慌てなくても……」

サターニャ「おっとと」ヨロ

ガヴリール「ちょっ……」

ヨロヨロヨロ  ドタ ガンッッ


ヴィーネ「サターニャ? ガヴ?」

ラフィエル「なんかすごい音がしましたけど……」

サターニャ「いつつつつ……」

ガヴリール「……うっ……いたたた……」

ガヴリール「もー! サターニャさん! 危ない事をしてはいけません!」

ヴィーネ「昔のガヴに!?」

ラフィエル「まあなんて楽しそう!!」


11:2018/01/07(日) 03:38:02.083 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「う、うぅぅ……痛いです」

ラフィエル「あ、おっきいたんこぶが……頭を打っちゃったんですね」ナデナデ

ガヴリール「らふぃ~……」グスグス

ヴィーネ「サターニャ!大人しくしててって言ったでしょ!」

サターニャ「だ、だってツリーが必要だと思ったから……!」

ヴィーネ「ツリー…………うわでか! なにこれ!? 床から木が生えてる!!」

ラフィエル「遅いですヴィーネさん」


12:2018/01/07(日) 03:40:01.146 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「ガヴ、平気……なわけないわよね」

ラフィエル「ガヴちゃん、頭ははっきりしていますか? 自分の名前が思い出せなかったりは?」

ガヴリール「いえ、大丈夫ですよラフィ」

ラフィエル「本当ですか? 白羽=ガヴリール=エインズワースですよ?」

ガヴリール「天真とホワイトですよ! なんでラフィの家の子になってるんですか!?」

ラフィエル「どうやら変わってしまったのは性格だけのようですね……」

ヴィーネ「どんな確認方法だ」

ラフィエル「あわよくば妹にと思いまして」


13:2018/01/07(日) 03:42:02.216 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「ほらガヴ、氷枕持ってきたからこれで頭冷やして」

ガヴリール「ありがとうございます。ヴィーネ」

ヴィーネ(う……このガヴにヴィーネって呼ばれるの嬉しい)

ヴィーネ「全くもう、サターニャったら」

サターニャ「うぅ……」

ガヴリール「あの、あまりサターニャさんを責めないでください……これも皆さんを楽しませるために用意してくれたんですから」

ガヴリール「それにほら、クリスマスにぴったりの大きなツリーですよ! とっても綺麗ですよねっ」

サターニャ「そうでしょそうでしょ!?」

ヴィーネ「ガヴが天使になってる……」キュン

ガヴリール「私は最初から天使ですけど……」


14:2018/01/07(日) 03:44:02.986 ID:eJ455jXX0.net

ラフィエル「それにしても、どうやってガヴちゃんを元に戻しましょうか」

ヴィーネ「もうちょっとこのままでよくない?」ボソ

ラフィエル「…………」

サターニャ「ヴィネット……」

ヴィーネ「うそうそうそうそ! 早く戻してあげないとねっ!」

ラフィエル(普段よっぽどガヴちゃんに対して何か溜まっているんでしょうか)

ガヴリール「あの……」

ヴィーネ「ん?」

ガヴリール「私のことはいいので、クリスマスパーティを始めましょう?」

ヴィーネ「えっ? でも……」

ガヴリール「せっかくヴィーネも楽しみにしていたんですから」

ラフィエル「まあ、そう簡単に戻るものでも無さそうですしね。何かあれば天界で見てもらいましょう」

ヴィーネ「えぇー…… まあ、ガヴがいいなら」


15:2018/01/07(日) 03:46:08.062 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「メリークリスマス!」
サターニャ「メリークリスマース!」
ラフィエル「メリークリスマスです!」
ガヴリール「メリークリスマスっ」


ガヴリール「ねえラフィ、お祈りをしましょう?」

ラフィエル「そうですね。父なる神に感謝を……」

ヴィーネ「こうしてみるとやっぱり二人とも天使ね。神々しいなあ」

サターニャ「ふん、くだらないわ」フフ-ン

ガヴリール「今年も4人でクリスマスを過ごせました」

ガヴリール「これも神様のお導きがあったからです」

ガヴリール「こんな楽しい日々を送れることに、感謝の気持ちでいっぱいです」

サターニャ「う、うぅ……!?」

ガヴリール「主よ、あなたに祈りを捧げます。アーメン」

サターニャ「うぎゃあああああああああ」プスプスプス

ラフィエル「ガヴちゃんの天使力が強すぎてサターニャさんが灰になりかけてます!」

ヴィーネ「ガヴ、すとっぷ! すとっぷ!!」


16:2018/01/07(日) 03:48:03.986 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「さあみんな料理も並べたし、食べて食べて!」

ガヴリール「わぁ、こんなにいっぱい!」

サターニャ「美味しそうじゃないヴィネット!」

ヴィーネ「えへへへ、ちょっと張り切り過ぎちゃったかな」

ラフィエル「去年よりレパートリーも増やしたんですよ」

ガヴリール「すごいです二人とも!」

ガヴリール「私もこれぐらい作れたらなぁ……」

ヴィーネ「結構簡単よ? これなんか電子レンジだけでできちゃうもの」

ガヴリール「そうなんですか?」

ヴィーネ「今度作り方教えてあげよっか」

ガヴリール「ぜひ! 約束ですよヴィーネっ」ニコ

ラフィエル「かわいい」ギュ

ヴィーネ「かわいい」ギュ

サターニャ「うわぁ、良い子ガヴリールはなんかもにょもにょする」


17:2018/01/07(日) 03:50:01.573 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「サターニャさんは、今の私は嫌いですか?」

サターニャ「嫌いっていうか、不気味ね」

サターニャ「いつも生意気で無愛想なガヴリールがニコニコ素直に笑ってると背筋が……なんかこう、ザ・天使って感じで」

ラフィエル「そもそも天使学校主席ですからね」

ヴィーネ「次席のあんたはどうしてそうなったのよ」

ガヴリール「ですがサターニャさん……」

サターニャ「それよ! だいたいサターニャさんってなんなの! ヴィネットとラフィエルは呼び捨てなのに、なんで私だけさん付けなのよ!」

ガヴリール「ええっ?」

サターニャ「いつもみたいにサターニャって呼びなさいよ!」

ガヴリール「た、確かに……でもなんか呼び捨てはしっくりこないというか」

ラフィエル「きっとガヴちゃんにとって、サターニャさんは私やヴィーネさんより心の距離があるんですよ」

サターニャ「え」ガ-ン

ガヴリール「いやいやいや! そういうわけでは!」


18:2018/01/07(日) 03:52:08.550 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「よ、呼びます! 呼びますから!」

ガヴリール「えっと、その……」ドキドキ

ガヴリール「さ……」

ガヴリール「…………サターニャ」

サターニャ「……う、うん」

ガヴリール「あぅぅっ、恥ずかしい///」モジモジ

ガヴリール「わ、わたしの事もガヴって呼んでくださいっ」

サターニャ「…………ガヴ」

ガヴリール「……はい」ニコ

サターニャ「……///」カァァ

ヴィーネ「付き合いたての中学生か!!」

サターニャ「やっぱこのガヴリールやだ!! ムズムズする!!!」


19:2018/01/07(日) 03:54:49.139 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「あ、そうだ。実はサターニャさんにプレゼントがあるんです」

サターニャ「え?」

ガヴリール「コンビニに寄ったら期間限定のメロンパンがあったので。ほら、去年のクリスマスは結局メロンパン食べれなかったでしょ?」

ガヴリール「今年はと思って買ったんです」

サターニャ「あ、ありがと……」

ラフィエル「あら? でも買った時は駄目なガヴちゃんですよね」

ガヴリール「駄目な私もたまにはこういう事をするんですよラフィ」

ガヴリール「だけど、駄目な私のままだったら素直になれなくて、サターニャさんの目の前で食べてたかもしれませんね」

ヴィーネ「じゃあ、本当にガヴはサターニャにメロンパンを……」

サターニャ「う、うそ……」


20:2018/01/07(日) 03:56:11.581 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「はい。どうぞ召し上がれっ」

サターニャ「ありがとうガヴリール……」

サターニャ「ふ、ふん。駄目なあんたもなかなか可愛いことするじゃない!」

ガヴリール「あ、一応照れ隠しとしてメロンパンに仕込む用の下剤もあるんですけど、これどうしましょう?」

サターニャ「いらないわよ!!」

ヴィーネ「照れ隠しにやる事がえげつない」


21:2018/01/07(日) 03:58:06.025 ID:eJ455jXX0.net

ラフィエル「最後はケーキですね」

ヴィーネ「やっと正統派ケーキを食べれる……!」

サターニャ「あれ、ロウソク立てなくていいの?」

ヴィーネ「誰の誕生日を祝うのよ」

ガヴリール「しいて言えばイエス様の誕生日ですが」

サターニャ「誰が祝うかそんなもんっ!」

ラフィエル「ケーキ切り分けちゃいますねー」


22:2018/01/07(日) 04:00:05.038 ID:eJ455jXX0.net

ラフィエル「はいどうぞサターニャさん」

サターニャ「ふふん、よきにはからいなさい」

ラフィエル「ヴィーネさんも」

ヴィーネ「ありがとう。ラフィ」

ラフィエル「ガヴちゃんはイチゴ好きでしたよね。こっちのケーキがイチゴ多いですよ?」

ガヴリール「あっ、でもラフィもイチゴ好きでしょう?」

ラフィエル「私はガヴちゃんが美味しそうに食べている所を見たいので」

ラフィエル「はいどうぞっ」

ガヴリール「えへへへ」ニコニコ

ラフィエル「ではいただきましょうか」ニコニコ


23:2018/01/07(日) 04:02:03.626 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「美味しいですね~!」

ラフィエル「ガヴちゃん、ほっぺにクリーム付いてますよ」

ガヴリール「え、どこですか?」

ラフィエル「そっちじゃないです……ん」ペロ

ガヴリール「ひゃあ!?」

ラフィエル「ガヴちゃんのほっぺ頂いちゃいました」

ガヴリール「もー! ラフィー!」

ラフィエル「うふふふ」ニコニコ

サターニャ「ヴィネット、私胸焼けしてきた」

ヴィーネ「あれガヴよね。いやガヴだけど」


24:2018/01/07(日) 04:04:01.893 ID:eJ455jXX0.net

【台所】


カチャカチャカチャ

ヴィーネ「ふんふんふーん♪ クリスマスパーティー楽しかったなぁ。いっぱいお料理も食べたし」

ヴィーネ「お皿洗うのはちょっと大変だけど……」

ガヴリール「ヴィーネ、お片付け手伝いますね」

ヴィーネ「あ、別にいいのに。休んでてよ」

ガヴリール「もう、いつもはダメな私に手伝えって言うのに、手伝いたいって言ったら休んでなんてイジワルですよ」

ヴィーネ「いや、それはダメなガヴがぐーたらしてるから……」

ガヴリール「ふふふ、分かってます」

ヴィーネ「もう、ガヴこそいじわるじゃない」


25:2018/01/07(日) 04:06:09.560 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「ヴィーネは、この私とダメな私、どっちが良いですか?」

ヴィーネ「え?」

ガヴリール「今日久しぶりに会って、どっちが好きでした?」

ヴィーネ「…………どっちがって」

ヴィーネ「ふふ、どっちが良いかなんて決められないわ」

ヴィーネ「どっちもガヴリールだもの。どっちのガヴも好きよ」

ガヴリール「ヴィーネ……」

ヴィーネ「どうしてそんな事を聞くの?……って聞くのも野暮よね」


27:2018/01/07(日) 04:08:12.069 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「もしかして、ずっと気にしてた?」

ガヴリール「……はい。最初にヴィーネが友達になってくれたのは私ですから。駄天した私の事はどう思っているのかなって」

ガヴリール「嫌われていないかなって、たまに、ふと思ってしまうんです」

ガヴリール「でも素直じゃない私は意地っ張りだから。今じゃなければ聞けなかったんです」

ヴィーネ「バカね……」

ヴィーネ「好きじゃなかったら友達やってないわよ」

ガヴリール「えへへへ、ですよねっ」

ガヴリール「私がこんなに嬉しいんだから、駄目な私はもっと喜んでいますよ」ニコニコ

ヴィーネ「駄目なガヴが喜ぶ姿はちょっと見てみたいかも」ニコニコ


28:2018/01/07(日) 04:10:02.931 ID:eJ455jXX0.net

ガヴリール「ヴィーネ、少しかがんでください」

ヴィーネ「?」

ガヴリール「んっ」チュッ

ヴィーネ「ふぁ!?」

ガヴリール「……ほっぺなら良いですよね?」

ガヴリール「駄目な私もきっとこうしたいはずです。だって、私もしたかったから」

ヴィーネ「あ、あの、ガヴ……」

ガヴリール「ふふふ、元に戻った後の私の反応が楽しみですねっ。いつもグータラしてばかりなので、これぐらいのオシオキはしておかないと!」

ヴィーネ(あれ、綺麗なガヴって意外とS……?)

ガヴリール「天使のキスは祝福のキスです。ささやかなクリスマスプレゼントですが、ヴィーネに幸せが訪れますように。アーメン」

『ぎゃあああああああああああああああ』

『サターニャさんが灰に!?』


29:2018/01/07(日) 04:12:12.131 ID:eJ455jXX0.net

ラフィエル「片付けもあらかた終わりましたが」

ヴィーネ「クリスマスツリーが……」

サターニャ「よしガヴリール、てっぺんの星を回収するわよ」

ガヴリール「へ? そのまま魔方陣で転送すればいいのでは?」

サターニャ「あの星が付いてると長さ超過で料金が倍になっちゃうのよ」

ラフィエル「そんな決まりが……」

サターニャ「というわけで、取りなさいガヴリール!」バッ

ガヴリール「きゃあ!? ちょっとサターニャさん!? 肩車は危ないって……!」

フラフラフラ  バタ ガンッッ

ガヴリール「いっってぇ!!?」

ガヴリール「このバカーニャ!! だからいきなり持ちあげんなって言っただろが!!」

ラフィエル「あ、元に戻りましたね」

ヴィーネ「ちょうど良かったわね」


30:2018/01/07(日) 04:14:03.695 ID:eJ455jXX0.net

ラフィエル「今日はありがとうございました」

サターニャ「楽しかったわよヴィネット」

ヴィーネ「気をつけて帰ってね!」


ガヴリール「じゃ、じゃあわたしも……」ソソクサ

ヴィーネ「ガヴ」

ガヴリール「」ビク-ン

ガヴリール「な、なにヴィーネ」フイ

ヴィーネ「…………」

ヴィーネ「こっち見てよガヴ」

ガヴリール「や、やだ」

ヴィーネ「あんた、恥ずかしいんでしょ」

ガヴリール「恥ずかしくないっ」フイ

ヴィーネ「仕方ないわね」ガシ

ガヴリール「!?」


31:2018/01/07(日) 04:16:04.386 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「ん」チュ

ガヴリール「ひゃぁ!?」

ヴィーネ「さっきのお返し」

ヴィーネ「悪魔のキスだから、ガヴには災いが訪れちゃうかもしれないけどね?」

ガヴリール「あ、あ、あ……」カァァ

ヴィーネ「でもガヴが嬉しそうだからいっか」

ガヴリール「う、嬉しくない!」

ヴィーネ「もー、さっきはあんなに可愛かったのに!もうちょっと素直になりなさいよ」

ガヴリール「ゔぃ、ヴィーネのばか! あほ!」


32:2018/01/07(日) 04:18:01.929 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「あのね」

ヴィーネ「駄目なガヴの事も大好きだから」ギュ

ガヴリール「ん……」

ヴィーネ「不安にならないで、ガヴ」

ガヴリール「…………」

ガヴリール「ありがとう」ポツリ

ヴィーネ(……かわいい)


33:2018/01/07(日) 04:20:07.676 ID:eJ455jXX0.net

ヴィーネ「そういえば、天使のキスと悪魔のキスを同時にやったらどうなるのかしら?」

ガヴリール「はぁ? どうなるって、そもそもどうやるんだよ」

ヴィーネ「試して、みる?」クイ

ガヴリール「ちょ……ヴィーネ」


ちゅっ


ガヴリール「……」カァァ

ヴィーネ「……どうなった?」

ガヴリール「どうなるもこうなるも、悪魔らしくないお前がキスしても幸せにしかならないだろ!」

ヴィーネ「え、幸せ? いまガヴ幸せなの?」ニコニコ

ガヴリール「もうやだ! このうかれ悪魔!」