2:2011/12/05(月) 00:25:46.07 ID:D4ZrwtKAO

セイバー「マスターそろそろ学校に行ってはどうですか?」

士朗「・・・」カチカチ

聖杯戦争が始まりもう一週間。
私はマスター、衛宮士朗に呼び出されるものの士朗は今やこの状態だ。

セイバー「どうしてこうなった・・・」

士朗は私を呼び出した約二日は、普段通りに過ごしていたがその二日目の夕方に士朗は

「俺の心は硝子なんだよ」

と言ったきり部屋から出て来なくなった。


3:2011/12/05(月) 00:36:50.10 ID:D4ZrwtKAO

やあ画面の前のみんな、俺は衛宮士朗。
しがない一人暮らしの高校生だ。

俺はいつも朝5時に起床し道場で筋トレをするのが日課だ。

亡くなった親父は『身体を鍛えるということは身体も強くなるし心も強くなる』と言っていたがそれは違う。

人の心というものは案外あっさり壊れる物だ。特にトラウマを見せつけられた時のショック程キツイものらないとすら思ってる。

でも長年続けてたからか身体は鍛えられてるので筋トレはこれからも続けるつもりだ。

士朗「っし筋トレ終了!!あ、桜も来てるな」


4:2011/12/05(月) 00:47:14.75 ID:D4ZrwtKAO

桜「おはようございます先輩♪」

藤ねえ「おはよーしろー!!」

士朗「ははおはよう桜、藤ねえ」

桜と藤ねえについては説明が面倒なんで本家Wikiでも見てほしい。

桜「朝練なんで行きますね」

藤ねえ「あー私もそろそろ行かなきゃー・・・」

士朗「はいはい行ってらっしゃい」

二人を見送ると俺は自室に戻り準備をしパソコンで少し遊んだ後、家を出た。


9:2011/12/05(月) 12:15:18.82 ID:D4ZrwtKAO

学校に行きいつも通りに授業を受け気づけば学校は放課後を迎えた。

一成「いつも悪いな」

士郎「いいっていいって」

ちなみに俺は生徒会の備品直しを同級生の一成に頼まれることが多い。

ま、別に元々機械弄るの好きだしいいんだけどさ。

―――

士郎「っし終わり!!早く帰ろう!!」

鞄を持ち学校を出た。

キィンキィン

何か音が聞こえる・・・?金属と金属を激しくぶつけ合うような音だ。

俺は好奇心故グランドを影から覗く。

凛「―――!!」

赤い男「うおお!!」ガキン!!

青い男「はああああ!!」キンキン!!



士郎「・・・」



俺は何事も無かったかのように学校を去った。


10:2011/12/05(月) 12:44:52.39 ID:D4ZrwtKAO

士郎「あれは夢だあれは夢だあれは夢だあれは夢だあれは夢だあれは夢だあれは夢だ」ブツブツ――

帰り道を歩く俺は今見た光景を忘れようと必死だった。

士郎「あれは夢だあれは―――ん?」

女の子?こんな時間に?

士郎「君早く家に帰った方が―――?「早くサーヴァント呼んだ方がいいよ、『魔術師』のお兄ちゃん」

士郎「」

?「バイバ~イ♪」

女の子は嬉しそうにステップを踏みながら夜の闇の中に消え―――

バーサーカー「」ギロ

士郎「」

た?


11:2011/12/05(月) 12:56:30.67 ID:D4ZrwtKAO

士郎「」ドド・・・

士郎「」ドドド・・・!!

士郎「」┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛!!!!

―――




























士郎「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

俺は走った。とにかく全力で走った。全力で家へと走った。


俺はもう限界だった。


12:2011/12/05(月) 17:04:11.41 ID:D4ZrwtKAO

俺は家に着くなり速攻で家の窓等の穴という穴を閉じて塞ぎ自室に閉じこもった。

士郎「・・・もうダメだ俺はもう駄目なんだ嫌だよぅ死にたくないよおおお!!!!」ブルブル

俺は布団に包まりながらガクガクと震えていた。

何が魔術師だ何がサーヴァントだ!!魔術?そんなもんとっくの昔に止めたさ!!何で俺がそんなのに命かけなきゃなんねーんだよ!!!!

士郎「っひぃっ外に誰かいる・・・!?」

庭の倉の方に誰かがいる・・・。確信はなくあくまで直感だが絶対誰かがいる・・・!!

士郎「お、俺だって・・・」

俺だって男だ・・・!!

部屋に置いてある木刀を拾い庭へ向かった。


16:2011/12/05(月) 22:49:34.67 ID:D4ZrwtKAO

木刀を右手、ライトを左手に持ち部屋を出る。

廊下には・・・うん、大丈夫だ・・・。

その後もリビング、台所、風呂場、縁側を見て回るが誰もいない。
勇気を出して縁側から外に出て周囲を見渡すも誰もいない。

士郎「だ、誰もいない・・・気のせいか・・・」

?「で済めばよかったのにな」

後ろから男の声、俺は恐る恐る振り返ると―――

青い男「よう」

紅い槍を持った男がいた。


17:2011/12/05(月) 23:00:37.23 ID:D4ZrwtKAO

士郎「お、おおお・・・お前だっ誰だよ・・・!!」

?「それは言えねーなぁ、まあ悪いがさっさと死んでくれよ」

男は紅い槍をぶんぶん振り回す。

士郎「う、うわああああああああああああああああ!!!!」

俺は男から強烈なプレッシャーに耐え切れず、逃げ出した。

逃げた所は長年使ってない倉。俺は失敗したと思った。

士郎「はあはあ・・・!!」ガクガク

バタン!!←倉の扉を蹴った音。

士郎「ひいいいいっ!!」ガクガクガクガクブルブルブル

青い男「んな情けねー声出すなや、大丈夫。一瞬で逝かせっからさあ!!!!」

プレッシャーがさらに増す。

士郎「うわあああああああ!!!!くっ来るなあああああああああああああああ!!!!」

俺はその辺の物をひたすら男に投げ付けた。


18:2011/12/05(月) 23:31:55.07 ID:D4ZrwtKAO

青い男「あば――っ何!?」

青い男はいきなり吹っ飛んだ。

士郎「え、え!?」


―――問おう―――


士郎「え・・・」


?「貴方が私のマスターか?」

士郎「」

青い男「へぇ~こいつがセイバーのねぇ~」

?「貴方」

士郎「はい」

?「積もる話は後にしましょう。まずは―――貴方を倒してからです、ランサー!!」チャキ

ランサー「いいねえいいねえいいねえ一発やろうぜえっ!!」チャキ

?「はああああ!!」

ランサー「おらあああああああ!!」

キンキンガキン!!


士郎「・・・」

二人の人間離れした戦闘を見て、俺は呟いた。

士郎「さっさとシコって寝てえなあ・・・」


23:2011/12/06(火) 13:29:23.35 ID:srr4WcwAO

ランサー「チッ今日はここまでにしといてやらあ!!」

言い残すとランサーはどっかへ飛んで行った。
俺は早く寝たかった。

士郎「あ、ありがとう・・・助かったよ」

?「とんでもありません。私はマスターの剣となり盾となる存在です。
その腕の令呪が貴方が私のマスターである証です」

士郎「腕・・・あ」

セイバー「申し遅れました。私はセイバー、騎士のサーヴァントです。よろしくお願いします」


24:2011/12/06(火) 16:01:21.33 ID:srr4WcwAO

士郎「あ、じゃなとりあえず中で話そう」

セイバー「はい」


居間

士郎「粗茶ですが」

セイバー「お構いなく」

士郎「早速で悪いが、俺は状況を把握出来てないんだ。何が起こってるのか教えてくれないか?」

セイバー「・・・分かりました。では―――」

―――

士郎「・・・成る程、話は分かった。だが俺には魔翌力なんてもんは全然ないぞ?」

セイバー「みたいですね、正直このままだときついかもしれません」

士郎「だな」

これからあんな戦闘の中に身を投じるとなると、俺のメンタルが持たないだろうな。

この時既に俺は冷汗がガンガン出てかつ足がガクガク震えているし今すぐにでも部屋に引きこもりたいがセイバーの見た目が見た目なだけあって俺の中の変なプライドが邪魔をする。


28:2011/12/07(水) 00:38:43.26 ID:NK0Y9PZAO

セイバー「ところで気になったのですが先程は何故ランサーに追われていたのですか?」

士郎「ああ、それなら――」

俺は話した。ランサーと赤い男と同級生の遠坂が戦っていたこと、その後に会った少女のこと、それを見てしまった故にランサーに殺されかけたこと。

士郎「情けねえよな、俺・・・」

気づけば俺は泣いていた。

セイバーは俺の両手をぎゅっと握りしめる。とても温かかった。

思えば学校を出た時から俺には恐怖しか、感じられるものはなかった。
あんな光景を目の当たりにした恐怖、あの少女の冷たい視線とサーヴァントであろう巨漢のプレッシャーによる恐怖。ランサーの殺気による『死』の恐怖。

そして何よりも辛かったのは、自分には味方がいないという『孤独』という恐怖。

そうだ、よくよく考えれば今俺が生きていていることそのものが奇跡なんだ。セイバーだってあの時に出て来なければ間違いなく俺は・・・。

士郎「死にたくない・・・!!死にたくない!!死にたくない!!死にたくねえよおおお・・・!!!!」


29:2011/12/07(水) 00:49:36.82 ID:NK0Y9PZAO

セイバー「―――落ち着きましたか?」

士郎「ああ、ありがとう・・・」

セイバー「今日はもう寝たほうがいい。今日は色々ありすぎた。
これからのことは明日考えましょう。大丈夫です、寝ている間も私が騎士の名にかけてマスターをお守りします」

俺はセイバーに言われるがままに部屋で休むことにした。

士郎「あ、忘れてた。俺は衛宮士郎、改めてよろしくなセイバー」

セイバー「はい、よろしくお願いします、マスター」

目の前にはセイバーがいる。俺は安心して眠りに着いた。


30:2011/12/07(水) 00:59:12.22 ID:NK0Y9PZAO



士郎「朝か・・・」

セイバー「おはようございます、マスター」

士郎「おはようセイバー」

そうか、俺は昨日から聖杯戦争という名のデスゲームに巻き込まれたんだっけ・・・。

士郎「よし、とりあえずセイバーには家の中を案内しつつ家の関係者についても話しとこうか」

セイバー「分かりました」

―――

セイバー「分かりました、後輩さん達が出るまで私はどこかに身を潜めておきましょう」

士郎「それがいいな、変に説明するのも面倒だし。いるならこの道場がいいだろう、朝はここで筋トレしてからみんなに会うし」


31:2011/12/07(水) 01:11:27.61 ID:NK0Y9PZAO

桜「おはようございます、先輩」

藤ねえ「おはよー」

士郎「おはよう二人とも」

ここから普段通り三人で朝食を取り、二人を見送る。

士郎「っし行ったか」

―――

道場

士郎「セイバー」

セイバー「はい」

士郎「二人とも行ったから、居間に来てくれ」

セイバー「分かりました」

―――

居間

士郎「飯食べながら聞いてくれ」

セイバー「頂きます」

士郎「とりあえず確認だ。基本的に活動は夜で学校にいる間とかはない、だよな?」

セイバー「ふぁいゴクン、基本的には夜ですがたまにお構いなしに来る輩もいますので気を抜かないようにして下さい。もしそんな事態に遭遇したらその腕の令呪を使って私を呼んで下さい」

士郎「了解だ。じゃ、俺は学校に行って来るよ」


36:2011/12/07(水) 17:09:35.03 ID:NK0Y9PZAO

学校

慎二「よお衛宮」

士郎(いつも通りだ。そういえば遠坂もマスターなのかな・・・)スタスタ

慎二「あ、おい衛宮君!?」

士郎(じゃああのサーヴァントは?剣を持ってたけど―――)スタスタ

慎二「ちょっ・・・無視はやめて頼むから!!」

士郎「え、あ慎二か・・・おはよう」

こいつは間桐慎二、一年の頃野球部に

「お前背ちっちぇなwwwwww」

と言われ学校を二週間程休んでた時に、わざわざ家まで来て俺を励ましてくれた俺の数少ない親友の一人だ。


37:2011/12/07(水) 17:32:15.65 ID:NK0Y9PZAO

ちなみに俺が初めて引きこもったのは中二の時だ。

きっかけはコンプレックスである身長をからかわれたことだがその時は、食料も時間を潰すものもなかったので三日でギブアップしてしまった。

このままでは引きこもった時に大変なので俺はバイトを始め、パソコンを買った。当然カップ麺も大量に買ってある。

話はまだまだあるが今はここまでにしよう。

―――

慎二「ったく、らしくねえなあ」

士郎「昨日ちょっとな」

慎二「まあ何があったかは聞かないけどさ、ニートだけは止めてくれよ頼むから。桜も心配するだろうし」

士郎「分かってるさ・・・」


39:2011/12/07(水) 17:51:00.76 ID:9ymNG9DU0

慎二いい奴だな


42:2011/12/07(水) 21:26:00.07 ID:5CD2PbxXo

慎二がいい奴でワロタ


43:2011/12/07(水) 21:57:28.55 ID:NK0Y9PZAO

昼休み

慎二「屋上で飯食おうぜ~」

士郎「おーう」

慎二と一緒に屋上に上がる。

だが何故だろう。さっきから誰かの視線を感じる・・・。もしかしてサーヴァントとか?

士郎「い、いや~にしても今日は天気いいなあ~!!」

周囲を見渡す。俺の視力は両目1.0だから多少のものは見えるはずなんだ!!

士郎「・・・!!」

いた・・・電柱の上に変な服装の女性がいた・・・!!

俺はケータイのカメラ機能を使い、顔をよくズームする。

お、中々いいスタイルじゃん!!おっぱいも中々!!よし、顔も含めて写メ取っとこ♪

ライダー「?」チラ



ライダー「」ニタア

俺は軽率な行動を恥じた。


44:2011/12/07(水) 22:16:24.65 ID:5EeA03HXo

1.0とか微妙すぎだろwwwwww


45:2011/12/07(水) 22:17:20.43 ID:NK0Y9PZAO

士郎「」ダラダラ

やばいやばいヤバイヤバイヤバイ怖い怖い怖い怖い怖い帰りたいよお!!!!

慎二「どうした衛宮?」

士郎「な、ななななんでもないよ・・・!!さ、飯にしようぜ・・・!!」

俺は弁当を開けて、食べ始めた。猛スピードで。

慎二「はは、どうしたんだよそんな焦って」

士郎「じ、実は英語の課題やってなくてさあ!!」

慎二「ああ、なんだそういうことか」

士郎「そうなんだよ!!」

チラッとさっきの場所を見る。
電柱の上には代わりにカラスがいた。

安心した俺は弁当を食べるペースを落とし、慎二とだべっていた。英語の授業中は俺しか当てられなかった。


46:2011/12/07(水) 22:39:12.91 ID:NK0Y9PZAO

放課後

慎二「じゃあな」

士郎「また明日な」

慎二は部活、俺は帰宅だ。

士郎家

セイバー「お帰りなさい、マスター」

士郎「ただいま、セイバー。学校行ってる間何かあった?」

セイバー「いえ、何もありませんでした。マスターはどうでしたか?」

士郎「ああ、実は―――」

俺はあの女性について話した。ちなみにおっぱいの話はしていない。

セイバー「恐らく彼女はライダーでしょう」

士郎「そうなのか?」

セイバー「はい、マスターの情報をまとめると、マスターは昨日だけで私を含めセイバー、ランサー、バーサーカー、アーチャーに遭遇しています」


47:2011/12/07(水) 23:07:34.84 ID:NK0Y9PZAO

セイバー「アーチャーについてですが、実際剣を持って戦うアーチャーも見ていますのでそう判断してもいいでしょう」

士郎「でもそうなると俺の学校には・・・」

セイバー「マスターも含めて三人ぐらいいると考えていいでしょう」

士郎「そうか・・・」

学校行きたくないな・・・。

セイバー「それともう一つ」

士郎「ん?」

セイバー「戦闘についてですが、やはりこちらから仕掛けるのは難しいでしょう」

士郎「だろうな」

セイバー「ですから基本こちらから仕掛けるような行動をせず、戦局を時間に任せましょう。
そしてもし戦うような時がくれば私が速攻で倒します。それが無理ならマスターを連れて逃げることも頭にいれましょう」

士郎「いいな。俺は賛成だ、これで行こう」

セイバー「了解です」

その後、俺はセイバーに風呂に入ってもらいその間に俺はライダーのおっぱいで抜いた。


51:2011/12/08(木) 00:05:09.81 ID:dFWdb8ps0

この士郎はどうしようもないなwwwwwwww


52:2011/12/08(木) 00:29:11.87 ID:JKThfY3DO

ヘタレでも原作よりは良く見える、不思議!


53:2011/12/08(木) 00:54:29.54 ID:yw2JBeEE0

ヘタレに見えるけど、これが普通だから


55:2011/12/08(木) 16:08:48.72 ID:jxSYH4r8o

これは良い近代稀に見るワカメだなぁ


57:2011/12/08(木) 17:10:34.39 ID:7RukY3wAO

今日は桜や藤ねえは来ないので、夕飯をセイバーと済まし普段通りの時間帯に床に着いた。
ちなみにセイバーの入った後の風呂で一発ヤッたとかはないので安心してほしい。

士郎「早く終わんねーかなー聖杯戦争」

翌日

いつも通に起床し筋トレし、来ていた桜と一緒に朝食を作り藤ねえと三人で朝食を食べる。

桜と藤ねえは一緒に出て行き、俺はセイバーの朝食を準備した。

セイバー「マスターのご飯はおいしいです」

士郎「そりゃどーも。じゃ、学校行くわ」

セイバー「行ってらっしゃいマスター」

士郎「行って来ますセイバー」


58:2011/12/08(木) 17:31:03.97 ID:7RukY3wAO

学校

士郎「おはよう一成」

一成「おはよう衛宮。いきなりで悪いが放課後暇か?」

士郎「ああ、備品関係?」

一成「そうだ、空教室の暖房がな」

士郎「了解した」

俺は机に座り、教科書の準備をする。

ん?手紙?何々・・・


衛宮君へ、放課後屋上で待ってます。


士郎「・・・」

正直嫌な予感しかしなかった。


59:2011/12/08(木) 18:00:04.48 ID:7RukY3wAO

放課後

とうとう来てしまった放課後。俺は腹を決めて、空教室に向かい備品直しに精を出した。

手紙?どうせドッキリだろ?俺には分かる。そのせいで俺は引きこもったこともある。
そもそも差出人の名前すら書かない所でアウトだ。告白するなら名前くらい書け。
それに相手がマスターだったら・・・。

士郎「っふうこんなもんか」

もう7時か、早く帰ろう。桜も藤ねえも来てるみたいだし。

士郎「帰ろう」

?「あら、レディのお誘いを無視して帰るつもり?」

士郎「お前は――」

遠坂「遠坂凛、名前くらいは聞いたことあるでしょう?」

遠坂凛、この学校の成績優秀の美少女・・・知らない訳がない。
ただ俺が気になるのは、その隣にいる赤い服装のオッサンだった。


68:2011/12/09(金) 00:11:04.19 ID:uGAxR1iAO

士郎「いや・・・ドッキリかと思ったんだよ・・・あ、隣のお方は彼氏さん?」

遠坂「へえ・・・見えるんだ」

士郎「え!?」

まさか・・・

遠坂「アーチャー」

アーチャー「失礼」

士郎「え、え!?」

アーチャーと呼ばれる男は俺の右手を取り、令呪を隠してる包帯を外す。

士郎「や、止めろ!!離せえ!!」

アーチャー「やはりな」


69:2011/12/09(金) 00:36:55.37 ID:uGAxR1iAO

遠坂「私ね、アーチャーのマスターやってんだ」

士郎「な、何を言っている!?」

遠坂「つまり貴方がマスターなら私は貴方を[ピーーー]資格があるってこと♪」

士郎「ひっ・・・ひいぃ!!」

遠坂「情けない声出さないでよ、なんなら令呪を使ってサーヴァントを呼べばいい。
なんなら待っててあげるわよ?」

そ、そうだ・・・令呪!!俺には令呪がある!!

でも、いいのか?三回しか使えない令呪をこんな所で使っていいのか!?
いや、駄目だ!!今使うには早過ぎる!!

だからここは―――

士郎「逃げる!!」

俺は走り出した。

遠坂「アーチャー!!」


70:2011/12/09(金) 00:52:06.95 ID:uGAxR1iAO

教室の出口にアーチャーが現れ俺を阻む。

アーチャー「ふんっ!!」

士郎「ぎゃふぅあっ!!??」

アーチャーの一蹴りで再びスタート地点に戻される。

士郎「うう・・・たすけっ、あああああああああ!!!!」

倒れている俺の令呪の右手を足でぐりぐりと踏み付ける。

遠坂「へぇ~ここで令呪を使わずに温存するかぁ~」

士郎「があっ・・・!!」

腹を踏まれる。

遠坂「ねえ衛宮君さ、新都にある教会に行って保護してもらったら?」

士郎「助けてえええええ!!誰かああ!!助けてええええ!!!!!」

遠坂「・・・行きましょう、アーチャー」

アーチャー「いいのか?」

遠坂「こんなのに構ってるだけ時間の無駄よ。
後衛宮君、今日は見逃すけど明日以降は問答無用で仕留めるから」

そう言い残すと、遠坂は行っしまった。

もう俺の精神は限界だった。


71:2011/12/09(金) 01:05:34.98 ID:uGAxR1iAO



士郎「・・・」

セイバー「お帰りなさ―――っど、どうしたんですかその傷は!?」

士郎「・・・なんでもないよ、事故だよ」

セイバー「事故でそんな打撲傷が出来るんですか!?」

言えるわけなかった。

本当は全てをセイバーに話してしまいたかった。
だが俺の中の変な『プライド』がそれを邪魔する。

士郎「セイバー・・・!!」

セイバー「マス・・・ター?」

士郎「セイバー―――」

























俺の心は硝子なんだよ


74:2011/12/09(金) 01:10:44.69 ID:3EUyvWt4o

乙。これはいいヘタレ具合


75:2011/12/09(金) 03:58:36.24 ID:uc7Rz+3A0

槍に刺されても見捨てられそうな士郎だww


77:2011/12/09(金) 18:57:02.62 ID:uGAxR1iAO

セイバー「マスター!!開けて下さい!!」

セイバーを無視し俺はパソコンを起動した。

パソコンは便利だ。こいつさえあれば一生家の中でも生きて行ける。
おっと、休みの連絡入れないとな。二人とも今日は来てなくてよかった。

PRRR

藤ねえ『もしもし』

士郎「もしもし、士郎だけど」

藤ねえ「どうしたの~」

士郎「実は今、親父の知り合いの外国人が近くに来ててさ―――」

藤ねえ『分かった~。一応確認するけど、引きこもった訳じゃないんだね?』

ピシリと俺の心にひびが割れる。

士郎「んな訳ないに決まってんだろ!!」

俺は電話を切った。


78:2011/12/09(金) 19:14:37.31 ID:uGAxR1iAO

直後に藤ねえから謝罪のメールが来たが無視した。

次は桜だ。もう俺には電話をする勇気は無かったのでメールで伝えた。

士郎「さぁ~て慎二から借りたDVDでも見るか」

慎二イチ押しのDVDをパソコンにセットした。
ちなみにタイトルは聞かされていない。見てのお楽しみだそうだ。

お、アニメか。なになに・・・

士郎「『魔法少女リリカルなのは』、か。俺好みだな」

あ、セイバーの夕飯・・・

士郎「・・・セイバー」

セイバー「はい」

士郎「夕飯だけど作り置きしてある麻婆豆腐があるからチンして食べてくれ」

セイバー「・・・分かりました」


88:2011/12/10(土) 12:15:28.01 ID:LXOO/r5x0

セイバー「マスター・・・」

学校で何かあったのか?あったとすれば他のマスターと接触したとか?
いや、やめておこう。あのマスターなら時が来れば話してくれるはずだ。今日はそっとしておこう。

セイバー「食事にしましょう」

私は冷蔵庫を開けて、ラップされてる麻婆豆腐を取り出して温めて、

セイバー「いただきます」

食べ始めた。

セイバー「うっ・・・」

な、これは・・・!!

セイバー「か、辛い辛い水水!!!!」

とてつもなく辛かったがとてつもなく美味かった。


89:2011/12/10(土) 12:38:43.51 ID:LXOO/r5x0

桜「あ、お帰り兄さん」

慎二「ただいま」

桜「兄さんそういえば明日から衛宮先輩がしばらく休むって知ってますか?」

慎二「いや、知らない。何かあった?」

嫌な予感がした。

桜「なんでも亡くなったお父さんの親戚の所に行くだとか」

・・・その休みには聞き覚えがあった。そう、アイツが引きこもる時にはいつもそう行って学校を休む。
おいおい、もう5回目だぞ衛宮・・・。

最初はバイトを理不尽な理由で首になったショックで引きこもり

二回目は野球部に身長の事を言われ

三回目は女子達に嘘告された時だったか?

で、高2に上がって7月に四回目の葛木と自分の身長を比べて「俺はここまで大きくなれない」って悟った時だったたか?


90:2011/12/10(土) 13:22:48.71 ID:LXOO/r5x0

慎二「とうとう五回目か・・・」

桜「え?」

慎二「何でもないよ、しばらく部屋にいるから夕飯はそのまま置いといて。後で食べるから」

桜「あ、はい」

部屋

慎二「はあ・・・」

今までは僕と美綴と柳洞がなんとかしていたが・・・

慎二「ライダー、衛宮にはお前が見えたんだよな?」

ライダー「はい、私をケータイで取ろうとしてましたが、一睨みしたらガクガク震えていました」

慎二「だからあいつ焦ってたのか・・・」

と、なるとあいつは何かのマスターなのか?

ライダー「後、今日の夕方ですがその衛宮君とアーチャーのマスターが一悶着あったようです」

慎二「何かあったのか?」

ライダー「アーチャーとそのマスターが衛宮君を蹴ったりなんなりしてました。遠くから見てたんで話までは聞けませんでしたが」

慎二「衛宮・・・」

もう引きこもらないって約束したじゃないか・・・。


92:2011/12/10(土) 13:48:11.12 ID:a/E7DOoQo

慎二すげぇいい奴だな


93:2011/12/10(土) 14:01:07.10 ID:YuxdkS3yo

これはきれいな慎二
しかし士郎豆腐メンタルすぐるw


101:2011/12/11(日) 01:12:26.76 ID:u3V6Oh1R0

翌日

藤ねえ「っとゆーわけで衛宮君はしばらくお休みです!!ホームルーム終わりっ!!」

一成「間桐・・・」

慎二「ああ、分かってる」

ガララ

美綴「ちいーっす、間桐と柳洞いる?」

慎二「外で話そうか」

一成「ああ」

階段

美綴「衛宮だけど・・・さ」

慎二「・・・」

一成「今までなら何かしらの変化があったんだがな・・・」

そう、今までなら普段より元気がないとか一日中一言も喋んないとか何かしらあったのだ。

美綴「今回はそれすら無し、かあ・・・。昨日廊下ですれ違った時は普通に挨拶してたんだけどなー」

一成「今回はそれすら無し、か。昨日修理を頼んだがその時も普段と変わりはなかった・・・」

美綴「だとしたら放課後に何かあったとか・・・って、間桐アンタも何か言いなさいよ!!」


102:2011/12/11(日) 01:31:56.95 ID:u3V6Oh1R0

慎二「っつってもな・・・この前衛宮と飯食ったけどバリバリ元気だったぞ」

美綴「だよな~」

キーんコーン

一成「授業だ、教室に戻ろう。とりあえず明日明後日は休みだ。月曜まで待ってみよう」

美綴「ま、そうだな。案外今回は本当かもしんないし」

一成「だな」

慎二「・・・」

放課後 屋上

部活が終わり僕は屋上に来ていた。

慎二「遠坂・・・」

遠坂「こんばんわ、間桐君」


104:2011/12/11(日) 02:44:17.89 ID:u3V6Oh1R0

慎二「お前か、衛宮をやったのは・・・」

遠坂「私はただ忠告しただけよ。新都にある教会に行って保護してもらったらって。その過程に何があったかまでは言わないけど」

慎二「遠坂・・・!!」

遠坂「あれ、間桐君って衛宮君とそんなに仲よかったかしら?
そういえば衛宮君と付き合いだしてからよね、桜に暴力を振るわなくなったのは」

そうだ、僕が義妹の桜に暴力を振るわなくなったのは衛宮が初めて引きこもった時だ。
その時ようやく出てきたときの顔があの時の桜に近いものがあったんだ。だから僕は悟った。桜を殴っても何も変わらない、ということに。
それから僕は桜を殴ることはなくなり、衛宮や美綴・・・友達を大事にするようになった。

慎二「・・・」

遠坂「何よ、ここでヤル気?だったら私はパスよ、今はそんな気分じゃないし。じゃあね間桐君」

バタン

慎二「はあ・・・」

あいつらは聖杯戦争に巻き込めないし今回は僕一人で・・・いや

慎二「ライダー」

ライダー「はい」

慎二「引きこもりの友達を家から出したいんだけどどうすればいいと思う?」


115:2011/12/12(月) 00:56:59.63 ID:kTWCXXFAO

セイバー「結局一度も出て来なかった・・・」

マスターとは朝学校を休む話をしてから一度も口を聞いていない。

私から話かけても無視される一方だ。

食事?三食カップラーメンでしたが何か?

ガララ

セイバー「マスター、少し外に出ましょう?」

士郎「・・・」←イヤホン装備

セイバー「・・・」

そういえば聖杯戦争はどうなってるだろうか。いや、今はそんなことどうでもいい。今私がやるべきことはこのマスターを元に戻すこと。

思えば私はまだまともに外に出ていない。明日はそれをネタに話してみよう。


117:2011/12/12(月) 01:03:35.97 ID:kTWCXXFAO

翌日、マスターから風呂は勝手に使っていいと言われているので、私は朝から風呂に入っていた。

セイバー「ふう・・・いいお湯でした。さて、マスターを起こしましょう」

廊下

セイバー「マス―――ん?」

1999――2000!!

セイバー「マスター?」

士郎「ああ、おはようセイバー」

セイバー「あ、はい。おはようございます・・・」

士郎「朝食の準備するから少し待っててくれ」

セイバー「はい」

よかった、いつものマスターだ。


118:2011/12/12(月) 01:18:52.48 ID:kTWCXXFAO

セイバー「頂きます」

士郎「ああ!!」

セイバー「機嫌がいいですね、今日は何かあるんですか?」

士郎「土曜日と日曜日は学校休みなんだ!!今日は土曜日!!引きこもってても今日は休みだから堂々と引きこもれるんだ!!」

セイバー「」

マスターは元気だ。元気だが中身は昨日と何も変わっていなかった。

だが引く訳にはいかない。

セイバー「マスター、すいませんが戦闘時を考えて外を把握しときたいのでマスターに街を案内してもらいたいのですが・・・」

士郎「外、か。そういえばセイバーはまだ街とか行ってないんだよな・・・学校には遠くに行ってることになってるし、今外に出たら確実に誰かしらに会いそうだし~・・・うん、なら月曜の午前中なら行けるぞ」

セイバー「はい!!ありがとうございます!!」

だがこの行動が失敗であると気づくのはもう少し後の話である。


119:2011/12/12(月) 01:24:00.90 ID:kTWCXXFAO

ちなみに言っておくと>>118は士郎が引きこもって二日目。>>2の時で引きこもって五日目です、バイバイ


122:2011/12/12(月) 22:18:07.86 ID:kTWCXXFAO

引きこもり三日目

士郎「なのはたんかわいいなあ~」

セイバー「私はどちらかと言えばフェイトの方が好きですね」

昨日から私とマスターはそれぞれについて話していた。マスターの食事や家庭、親友等々の話が主だ。私も真名に触れないように友人達の話をした。

その後、マスターの提案でアニメを鑑賞することになった。
英霊は現界した時に現代の知識を与えられる。アニメも同様だ。だが直に見るのは初めてなので興味がないと言ったら嘘になる。

セイバー「そういえばフェイトはなのはと同じ『学校』に通ってるんで―――」

士郎「・・・」

しまった。

セイバー「あ、あああの二人!!クラスメートの二人はどんなポジションなんですか!?最初から見てないんで分からないんですよ~!?」

士郎「え、ああ!!あの二人は―――」

危なかった・・・今のマスターには『学校』というWordは禁句だということをすっかり忘れてた。


123:2011/12/12(月) 22:28:18.81 ID:kTWCXXFAO

セイバー「フェイトカッコイイですね・・・!!」

士郎「お前もすっかりアニメに嵌まっちまったな!!」

セイバー「そうです――――ピンポーン
セイバー「え」

士郎「・・・」

セイバー「あ、あの・・・」

士郎「・・・いいよ、ほっといて」

ピンポーン

美綴『えーみやー!!部のことで相談があるんだけどいたら返事してー?』

セイバー「えっでも・・・」

士郎「気にないでいいよ」

セイバー「マスター・・・」

士郎「いいって言ってんだろ!!俺は部屋に戻る!!外のやつらが帰ったら呼んでくれ!!」

そう言い残すと、マスターは部屋に戻り布団の中に潜り込んでしまった。


124:2011/12/12(月) 22:47:39.02 ID:kTWCXXFAO



一成「やっぱり駄目か」

美綴「うん、やっぱり駄目だった」

一成「悪いな、付き合わせてしまって。部活あったんだろう?」

美綴「いやあ、間桐に言ったら、『部は任せてお前は衛宮を説得してこい』だってさ」

一成「ふ、そうか。とりあえず今日は戻ろう」

美綴「そうだね~部活もあるし。ちょっと結果報告するわ」

一成「ああ」

美綴「あ、もしもし?」

慎二『どうだった?』

美綴「いやあ全く無反応」

慎二『だろうな、明日は僕が行くよ』

美綴「了解っと」





衛宮家の近くの電柱

ライダー「・・・」

家の中からとてつもない魔翌力を感じた。

成る程、これは確実にサーヴァントのものですね。そしてもう一人がマスターが言っていた現在引きこもり中の友人・・・ですか。


134:2011/12/13(火) 22:15:13.23 ID:74D1hEcAO

セイバー「もう誰もいませんよ、マスター」

士郎「あ、うん・・・じゃあその、続き見る?」

セイバー「はい!!」

それからしばらくマスターとなのはを見ていたが、マスターはどこか遠くを見ているような目をしていた。

―――

四日目

セイバー「おはようございます、マスター」

士郎「あ、うん・・・」カチカチ

士郎はパソコンから目を離すことなく返事をした。

士郎「これ・・・」

マスターから何かを投げる。

キャッチして確認すると―――

セイバー「カップラーメン・・・」

士郎「朝飯だから、それ・・・」

マスターは三日目に戻っていた。


135:2011/12/13(火) 22:24:01.23 ID:74D1hEcAO

セイバー「マスター、今日は・・・」

士郎「覚えてるよ、街案内だろ?」

セイバー「はい」

士郎「10時くらいまで部屋から出たくないから風呂に入るなり居間でテレビ見るなりして時間つぶしててよ」

セイバー「・・・分かりました」



士郎「・・・行ったか?」

セイバーがいないのを確認し俺はズボンを下ろし、己のカラドボルグを弄り出した。

士郎「セイバー!!セイバー!!うっ・・・ふぅ」

賢者になり俺を襲ったのはセイバーに対する罪悪感だった。

士郎「ごめんなセイバー・・・ごめんなごめんな・・・」

引きこもって人間として情けない自分・・・いや、セイバーに情けない姿を見せている自分に泣いた。


138:2011/12/13(火) 22:32:51.47 ID:74D1hEcAO

10時

士郎「よし!!街に行こう、セイバー!!」

セイバー「はい」

士郎「あ、でも鎧姿だとアレだからこのジーンズとシャツを着てくれ」

セイバー「分かりました」



そして3時間後―――

士郎「っと、こんなもんかな。他に行きたい所はあるか?」

セイバー「いえ、大丈夫です。ありがとうございました、とても分かりやすかったです」

士郎「よし、じゃあ俺コンビニ寄るから先に帰っててくれ。道分かるな?」

セイバー「はい、大丈夫です」


139:2011/12/13(火) 22:44:20.60 ID:74D1hEcAO

士郎「さーてカップ麺切らしてたからなぁ~」

俺は買うものを考えながらコンビニに入った。

―――

コンビニでは、カップ麺を含め飲み物やパソコン中のつまみも買ってコンビニを出た。

士郎「ちょっと買い過ぎた―――あ?」

葛木「衛宮・・・」

目の前には生徒会顧問の葛木がいた。

士郎「・・・」

俺は全力で逃げ出した。

が、

葛木「・・・」

ヤツはもう真後ろにいた。

葛木「待て」

ヤツが俺の腕を掴んだ。

葛木「お前、親戚の家に行ってるんじゃなかったのか?」

士郎「ちっ違うんですこれはぁ・・・」

葛木「では何故逃げた?」

士郎「っうわああああ!!うわああああ!!」

俺はどうすればいいのか分からなかった。


149:2011/12/14(水) 23:32:45.42 ID:dTE1Ou0AO

士郎「わああああああああああ!!!!」

俺は全力で振りほどき、逃げるかのように家へ帰った。先生は追いかけてこなかった。

士郎家

セイバー「あ、お帰りなさいマス―――士郎「」タッタッタピシャン

セイバー「」

部屋

士郎「もうダメだもうダメだもうダメだもう終わった何もかも終わった―――」ブツブツガクガク

マスターは体育座りで薄暗い部屋の隅でガクガクと震えていた。
私はそっと後ろから肩を抱いた。

士郎「―――・・・」

セイバー「知り合いに会ったんですね」

士郎「」コクコク


150:2011/12/14(水) 23:49:21.39 ID:dTE1Ou0AO

士郎「セイバー・・・」

セイバー「何も考えないで、今はゆっくり心を落ち着かせて下さい」

士郎「うん・・・」


しばらくして・・・


士郎「俺、明日学校に行くよ」

セイバー「そのいきです、マスターにはマスターを心配してくれる御学友がいます。きっとマスターの助けになってくれるでしょう」

士郎「ああ、分かってる。さ、飯にしようか」

セイバー「はい!!」

士郎「よぉ~しお兄ちゃん気合い入れちゃうぞ~☆」

これでマスターは明日には学校に通ってくれる。学生としての取り戻したのだ。


151:2011/12/15(木) 00:06:24.88 ID:NDW/346AO

夕方

ピンポーン

士郎「」

セイバー「マスター」

士郎「でも・・・」

セイバー「勇気を出して下さい。御学友かもしれませんよ?
大丈夫です、私が近くで見ていますから安心してください」

士郎「うん・・・」


玄関


士郎「はい」

慎二「よお、来てやったぜ」

来ていたのは同級生の慎二―――と、

ライダー「・・・」ペコリ

私服姿のいつぞやのライダーだった。


157:2011/12/15(木) 22:44:09.22 ID:NDW/346AO

士郎「あ、ああ・・・」

セイバー「何の用ですか?ライダーとそのマスターよ」

慎二「ちっ、違う違う僕は衛宮が引きこもってないか見に来ただけだ・・・!!」

セイバー「ほう、用件はそれだけか?」

慎二「うう・・・」

ライダー「そう気を立てないで下さい、セイバー。私達はあなたがたに重要な情報を伝えに来ました」

セイバー「情報?」

士郎「あ、あのぉ・・・中で話しません?」

居間

士郎「粗茶ですが」

ライダー「ありがとうございます」

士郎「慎二は水道水でいいよな?」

慎二「おい」


158:2011/12/15(木) 22:52:29.79 ID:NDW/346AO

セイバー「で、話とは何ですかライダー」

ライダー「はい、アーチャーとバーサーカーが同盟を結びました」

セイバー「!?それは本当ですか!?」

ライダー「はい、昨日私達はアーチャーとバーサーカーの二人を同時に相手をしました」

士郎「それでも生きてたんだな」

ライダー「ワカメが土壇場で令呪を使って強制的に戦線離脱しました」

慎二「お前今ワカメって言ったろ?あ?」

ライダー「黙っていて下さい、真面目な話をしてるんです」

慎二「(´・_・`)」


159:2011/12/15(木) 23:05:23.58 ID:NDW/346AO

ライダー「で、何が言いたいかと言うと、正直な話私達と組みませんか?」

セイバー「・・・マスター」

士郎「はっはいっ!!」

セイバー「ご決断を」

何時になくセイバーが真剣だった。

だがここで慎二と組めばそのアーチャーとバーサーカーにもそれなりに対応出来る。

だがその前に―――

士郎「なあ、慎二。お前は何でマスターになったんだ?」

慎二「・・・僕はライダーの本当のマスターじゃない。本来のマスターは桜だ」

士郎「えっ!?」

慎二「そもそも桜は養子なんだよ、遠坂の」

士郎「遠坂って、アーチャーのマスターの!?」

慎二「では何故養子に出されたのか、それは間桐には魔術師に必要な魔術回路を持つ血縁が途絶えてしまったからだ。だから間桐は色々あって遠坂から魔術回路を持つ桜を養子に貰ったんだ。
僕には魔術回路がない、だが桜には魔術回路があり魔術が使える」

士郎「お前、だから桜に・・・!!」


161:2011/12/15(木) 23:16:02.04 ID:NDW/346AO

慎二「そう、全ては僕の嫉妬が原因さ。聖杯戦争の時だって、その時には暴力を振ってなかったとはいえ僕が見栄を張ってライダーの令呪を貰ったんだ」

慎二にも色々あったんだな・・・プライドが高い慎二にはそれ故結果が裏目に出てしまうことが度々あった。
そしてそんな慎二に一つだけ確かめたいことがあった。

士郎「・・・慎二、実際聖杯戦争に参加してみてどうだった?
俺はセイバーを呼んで二日で引きこもるくらいトラウマになった。じゃあ慎二、お前は?」

慎二は水道水を一口飲み、答えた。

慎二「怖かった。今までライダーに任せてて、昨日初めてライダーが目の前で戦ってくれたけど、目に見える物全てが怖かった。
後悔してるよ、こんな怖い思いをするなら最初から一般人でいればよかったな、て」


166:2011/12/16(金) 02:07:27.51 ID:qX7QRS2Qo

>慎二は水道水を一口飲み、答えた。

結局水かよwwwwww



168:2011/12/16(金) 22:53:20.64 ID:aJlW5+UAO

士郎「そうか、なら組もう俺達と」

慎二「ありがとう衛宮」

マスター達は握手した。

微笑ましい光景だ。きっとこの光景こそ普段のマスター達なんだろう。

士郎「正直慎二が聖杯戦争に抵抗がなかったら俺は、拒否していただろうな」

慎二「ああ、分かってる。じゃあこの後どうする?」

士郎「外で飯でも食おうぜ、今日は俺の奢りだ!!」

慎二「さっすが衛宮!!」



ライダー「・・・」クス

セイバー「どうしました?」

ライダー「微笑ましいな、と思いまして」

セイバー「そうですね」


よかった―――











ここまでは


169:2011/12/16(金) 23:06:11.81 ID:aJlW5+UAO

慎二「なんて最悪のタイミングだ・・・!!」

ただいまの時刻は夜の8時。

俺達はあれから俺の奢りで飯を食いに行った。
問題はその後の帰りに・・・

イリヤ「初めまして、バーサーカーのマスターのイリヤスフィール・フォン・アインツベルンです。久しぶりだね♪セイバーのますたっ♪」

バーサーカー「―――・・・」

遠坂「そして私がアーチャーのマスター遠坂凛・・・って昨日もその前にも言ったか」

アーチャー「君達の首を取る者だ、覚えておいてくれ」

慎二「っ・・・ライダー!!」

ライダー「お任せを・・・」

士郎「頼んだぞ、セイバー・・・!!」

セイバー「この剣に賭けて、マスターをお守りします」


170:2011/12/16(金) 23:22:00.22 ID:aJlW5+UAO

イリヤ「じゃあ早速・・・バーサーカー!!」

バーサーカー「―――――!!!!」

バーサーカーは持っているでかい剣を振って来た。

セイバー「マスター下がって!!」

セイバーがバーサーカーの剣を受けた。

士郎「あ、ああ・・・!!」

俺は慌てて後ろに下がる。

バーサーカー「――――――――!!!!」

バーサーカーの攻撃は止まることもなく、ただ防戦一方だった。

ライダーはアーチャーと戦っている。
だがライダーはアーチャーの剣に押され気味だった。
慎二はそんなライダーをただ見ていた。


そうだ・・・俺は、俺達は何も出来ないんだ・・・!!


172:2011/12/16(金) 23:55:33.39 ID:aJlW5+UAO

遠坂「さぁ~て、私は私の仕事をしようかな」

慎二「くっ・・・遠坂!!」

士郎「な、何でこんなことするんだよ!!そもそも聖杯戦争なんてこと自体がおかし過ぎるんだよ!!」

遠坂「だったらセイバーを私にちょうだい」

士郎「は・・・?」

遠坂「だから聖杯戦争が嫌だったらセイバーの令呪にちょうだい。私に令呪を渡してくれれば責任持ってサーヴァントが無くなったマスターを保護してくれる教会に連れてってあげる、どう?ニートの衛宮君」

ぐさり、と何かが俺に刺さった。

遠坂「にしても意外よね、あの衛宮君が実はこんなチキンだったなんて」

士郎「うっ、うう・・・」

心が痛かった。


173:2011/12/17(土) 00:15:08.23 ID:WdP6mD9R0

ヘタレだからってあんまり士郎いぢめるとイリヤが切れるんじゃね


175:2011/12/17(土) 02:22:43.54 ID:F9XmIGGBo

イリヤも流石にこの士郎はかばいきれんだろw


176:2011/12/17(土) 07:28:31.51 ID:7uOTfFpHo

しかし逆に庇護欲が出てくるかも知れんぞ


177:2011/12/17(土) 08:38:18.40 ID:/kkhh8OAO

慎二「やめろ!!遠坂!!」

遠坂「貴方もおかしいわよ、間桐君。何でこんなやつを庇うの?いくら友達でも私ならそこまで庇えないわ」

もう止めてくれ・・・!!俺の話をしないでくれ・・・!!

遠坂「何震えてるの、衛宮君。もしかして女の子にここまで言われたの―――士郎「わあああああああああああああ!!!!」

遠坂に体当たり。

何故今動いたか?それは簡単、これ以上遠坂に喋らせたくなかったからだ。

そう・・・『変なプライド』ってやつが俺の中で疼いたのさ。

まあ実際は―――


慎二「やめろ!!そいつは―――」

遠坂「はあっ!!」

士郎「がはぁっ・・・!!」


178:2011/12/17(土) 08:53:35.83 ID:/kkhh8OAO

士郎「いっ痛いい・・・」

遠坂「私、格闘にも心得があるのよ・・・ねっ!!」

士郎「がああああ!!!!」

遠坂が俺の腕を踏み付けた。あの時と同じように。

セイバー「マスター!?」

イリヤ「何よそ見してるの?」

バーサーカー「―――――!!」

バーサーカーがラッシュを駆ける。

セイバー「しまった・・・!!」

セイバーはバーサーカーの一撃に耐え切れず吹き飛ばされた。

士郎「せっセイバー!!」

慎二「・・・」

状況は圧倒的不利。

セイバーはバーサーカーに力負けしライダーは息が荒れて来ている。

そうなれば選択は一つ。

慎二「ライダー!!セイバー!!僕と衛宮を連れて逃げろおおお!!」

もうこれしか出来なかった。

そもそも素人の僕らにはこの選択しか出来ないのだ。


181:2011/12/18(日) 01:07:11.79 ID:4CnQPkxr0

セイバー「やむをえないか・・・」

ライダー「っ・・・!!」

二人は僕らを背負い飛び去った。


イリヤ「・・・」

遠坂「ちょっ・・・イリヤスフィール!!いいの逃がして!?」

イリヤ「だってバーサーカー飛べないから空中戦できないし遠距離攻撃もまともにないから何も出来ないんだもん」

遠坂「ちっ!!アーチャー!!」

アーチャー「ダメだ、完全に逃げられた」

イリヤ「凛、別に焦ることはないわ。いい?向こうはマスターがアレだから仕掛けて来ることはないの。だから向こうと戦う時はこちらは常に万全な状態で戦えるの。特にセイバーのマスターなんかは魔翌力もまともに供給できてないみたいだから、戦う度に逃げてたらそのうちセイバー自身がもたなくなる。で、セイバーは一発勝負に出てくる」

遠坂「宝具・・・」

イリヤ「そ、だからその時こそ――――」

アーチャー「バーサーカーの宝具を最大限に引き出せる訳か」

イリヤ「ご名答♪」


182:2011/12/18(日) 01:27:46.96 ID:4CnQPkxr0

そのへん

ライダー「・・・危なかった」

慎二「なっなんとか逃げ切ったな・・・」

セイバー「みたいですね。マスター、大丈夫ですか?」

士朗「」

セイバー「あの―――」


士朗「なあ、みんな・・・」

ライダー「?」

セイバー「マス・・・ター」

慎二「お前まさか・・・!?」

士朗「うん―――」














俺――――――明日も学校休むよ


183:2011/12/18(日) 01:54:25.66 ID:4CnQPkxr0

こうして現在にいたる―――

セイバー「マスターそろそろ学校に行ってはどうですか?」

士朗「・・・」カチカチ


バタン

セイバー「どうしてこうなった・・・」

私では・・・私ではマスターを救えないのか・・・?

ピンポーン

来客だ。ライダー達かもしれない、確認しよう。



葛木「・・・」

慎二「」ソワソワ

ライダーのマスターだ。もう一人は・・・?

セイバー「マスター、ライダーのマスターともう一人、見知らぬ男性が」

士朗「ああ慎二と・・・多分葛木だな」


184:2011/12/18(日) 02:05:11.62 ID:4CnQPkxr0

士朗「無視でいいよ」

セイバー「・・・分かりました」

バタン

マスター、申し訳ありません・・・。



セイバー「はい」

慎二「ど、どうも」

葛木「」ペコリ

セイバー「こんにちわ、え・・・と、そちらは?」

葛木「衛宮君の学校で教師をやっております、葛木ともうします」

セイバー「ああ、先生でしたか。ここに来たということは―――」

葛木「はい、間桐が無断で抜け出してたので何をしようとしてたのかと、問い詰めた所で彼の話になりました」

セイバー「まさか昨日の午前中に会った知り合いとは・・・」

葛木「私のことでしょう。すいませんが彼に会わせて頂けませんか?」


185:2011/12/18(日) 02:32:58.44 ID:4CnQPkxr0

すいません、マスター。私にはもう―――

セイバー「お願いします先生・・・」

葛木「できる限りは尽くしましょう。間桐、お前も来い」

間桐「はい・・・」


部屋

慎二「おーい、学校来ようぜ」

士朗「俺の領域に入ってくるなよ・・・」

慎二「なあ、確かに昨日は完敗だったけど次なら―――士朗「―――せえよ・・・」

慎二「え」

士朗「うるせえよ!!もう帰れよ!!!!」

慎二「落ち着けよ!!他の話しようぜ!!ところでセイバーってかわいいよな」

士朗「・・・そうだな」

慎二「ってことは生前には男も―――士朗「テメエ!!ふざけんなよ!!!!」

俺は机にあるカッターナイフを振り回した。

慎二「落ち着け落ち着けって!!!!」

士朗「・・・悪い。でも頼むから帰ってくれ・・・」

俺は慎二を部屋から強引に追い出し、扉を閉めた。



186:2011/12/18(日) 02:36:58.73 ID:4CnQPkxr0

居間

慎二「ダメでした」

葛木「あれはお前が悪い」

慎二「はい・・・」

ちなみにセイバーは外で待機してもらってる。

葛木「間桐、お前は学校に戻れ。二人で話しがしたい」

慎二「分かりました」

僕は家を後にした。


廊下


葛木「」コンコン

士朗『誰だよ・・・』

葛木「葛木だ」

士朗『何の用だよ・・・』

葛木「学校・・・来ないか?」

士朗『今は行きたくない・・・』

葛木「そうか。では、私のケータイの番号とアドレスをお嬢さんに渡しておく。
君が何故部屋から出たがらないかは聞かない。ただ嘘はやめよう。藤村先生が心配していたぞ」

士朗『うん・・・』

葛木「では私はここでお暇しよう、ではな」


195:2011/12/19(月) 00:14:52.66 ID:bay9v4yW0



セイバー「どうでしたか先生」

葛木「私では無理でした」

セイバー「そうですか・・・」

葛木「ですが・・・」

セイバー「?」

葛木「あなたならなんとか出来ると思います」

セイバー「私、ですか?」

葛木「はい、彼はあなたをよほど信頼しているのでしょう。見ていてわかりました」

セイバー「でも、私が話しかけても聞く耳持たなくて・・・」

葛木「あなたは彼と正面を向いてハッキリ話をしましたか?」

セイバー「・・・いいえ」

葛木「誰でも言えるようなことを言っても人は立ち直れません。あなたが彼にとって特別な人でも、だ。
ですがあなただからこそ彼に言える言葉がある。その言葉を彼としっかり向き合って、話してあげてください。
いいですか?今の衛宮士郎を救えるのは私でもなければ間桐でもない、あなただけなんです」

セイバー「先生・・・!!」

葛木「私ができるのはここまでです。後、彼に伝えてください―――


先生はいつでもお前ら生徒の味方だぞ



197:2011/12/19(月) 00:27:52.30 ID:bay9v4yW0

セイバー「失礼します」

士郎「セイバー・・・」

セイバー「居間に来てください」

士郎「うん・・・」

あのマスターが部屋から出た!?

居間

士郎「で、話って・・・?」

セイバー「マスター、お願いです。明日には学校に行って下さい」

士郎「無理だよ・・・。俺は・・・サーヴァントが怖いんだ・・・遠坂もイリヤスフィールって奴も・・・」

セイバー「違います」

士郎「え?」

セイバー「マスター・・・いえ、士郎。あなたが怖いのはサーヴァントでもなんでもありません。
今のあなたがもっとも怖いのは、あの時何も出来なかった無力な自分なんじゃないですか?」

士郎「」ピク




198:2011/12/19(月) 00:50:32.07 ID:bay9v4yW0

セイバー「士郎、今まであなたは辛いことがあった時誰にも話さず、引きこもって自分の世界に閉じこもることで辛さを忘れようとしていた。でもそれじゃダメなんです!!それでは何の解決にもなりは―――士郎「分かってるよ!!」

セイバー「え・・・」

士郎「分かってるさ!!そんなのがいけないことくらい!!でも、俺の周りにはそれを打ち明けれる人がいないんだよ!!!!
俺だって人間だ!!誰かに甘えたい時だってあるさ!!セイバー・・・俺には両親がいないんだよ・・・!!
みんな10年前のアレで死んじまった!!親も!!仲が良かった友達も!!!!俺を養子に引き取ってくれた親父だってもう死んじまった!!!!まだ話したいこともあったのに!!みんなと遊びたかったのに!!みんなみんな俺を残して死んじまった!!!!」

セイバー「士郎・・・」

士郎「なんでだよ!!だんで俺だけ生きてたんだよ!!今でも夢に出てくるんだ!!そんでその度にみんなが『何でお前が生きてるんだ』って言って来るんだよ!!!!
どうすりゃいいんだよ!!あの時俺も――― セイバー「士郎!!!!」

士郎「せい・・・・ばー?」

セイバー「そうか、士郎はあの中で生きていたんですね・・・」

士郎「え、それって・・・」

セイバー「はい、すべてお話します。あの日・・・いえ、前回の聖杯戦争について―――」



201:2011/12/19(月) 01:10:18.57 ID:+T5ka55p0

この士郎見てると原作の士郎の異常さがよく分かるな




202:2011/12/19(月) 01:41:21.71 ID:CiF1IuRR0

よく考えたらこれが普通だよな、この士郎はヘタレでも誰も責められない


208:2011/12/20(火) 00:28:32.84 ID:Vg0tg6U+0

セイバー「―――以上が私が見た前回の聖杯戦争の全てです」

士郎「そ、そんな・・・あの災害は親父が?しかもあのイリヤって子も親父の娘なのかよ・・・ああうあああああ!!」

士郎は私の話の情報を処理しきれいでいるようだった。

セイバー「士郎・・・もし、この聖杯戦争に限界を感じたら私を自害させて教会に行くのもありです」

士郎「え・・・」

セイバー「やはり士郎のような一般人が聖杯戦争に参加するべきではありません。
謝罪させてください、あなたをこんな戦いに巻き込んでしまったことを・・・」

士郎「違う、そんなことない・・・!!むしろ俺はセイバーにいてほしい・・・!!」

士郎は涙目になりながら私に抱きつく。

セイバー「士郎・・・」

士郎「俺はもっとセイバーと一緒にいたい・・・!!俺が今一番怖いのはセイバーが俺の前から消えてしまうことなんだ・・・!!セイバーだけなんだよ!!こうして本当の自分を晒せるのはっ・・・!!
会ってまだ一週間しかたってないけどセイバーは俺が引きこもった時も俺を励ましてくれた!!その、なんていうか・・・とにかく俺はセイバーにここにいてほしい!!いや、いろ!!―――っつう!!」


210:2011/12/20(火) 00:42:40.13 ID:Vg0tg6U+0

士郎の令呪が光った。

わかりました、士郎―――

セイバー「分かりました。令呪の命令に従い私、アルトリア・ペンドラゴンはマスター、衛宮士郎と共にすることを誓います」

士郎「セイバー・・・!!セイバー!!セイバー!!!!」

士郎は子どものように泣きじゃくった。

セイバー「今はたくさん泣いてください。私はずっとあなたのそばにいますから―――」


















ライダー(出にくい・・・)








211:2011/12/20(火) 00:58:11.56 ID:Vg0tg6U+0

セイバー「もう・・・大丈夫ですか?」

士郎「ああ、ありがとう。俺はこれでやっとあの時から止まっていた時間を進めることが出来る」

セイバー「よかった。で、出てきたらどうですか?」

ライダー「・・・」

士郎「ら、ライダー・・・!!見てたのか・・・」

ライダー「気にしてませんのでご安心を。ところでセイバー、あなたに会いたがってる人がいます。さ、姿を現しなさい」

?「・・・」

出てきたのは怪しげないかにもなフードを被った女性だった。

セイバー「キャスター、か」






220:2011/12/21(水) 00:35:18.97 ID:ath78sE40

セイバー「何の用ですか?」

キャスター「ええ、少し話がしたいの。アーチャーとバーサーカーのね」

セイバー「協力か?ならマスターの姿くらい現してもらいたいな」

キャスター「ええ、だから今夜ここでマスターと一緒に話をしたいの」

セイバー「?あなたは何を言っている?」

士郎「要はアポ取りってやつだろ?」

キャスター「ええ、マスターが話をするなら相手方の許可を取りなさいっていわれたの」

士郎「今はダメなのか?」

キャスター「マスター今勤務中だから・・・」

士郎「・・・わかった。でも来るなら夜の8時以降にしてくれ」

キャスター「わかりました」


221:2011/12/21(水) 00:48:00.69 ID:ath78sE40

キャスターはすう、と消えた。

士郎「ところでライダー」

ライダー「はい」

士郎「何でお前が一緒なんだ?」

ライダー「一応あなたの言うアポを取った上でワカ―――失礼、私のマスターがキャスターのマスターと話をしました。
私がキャスターと一緒に来たのは私のマスターが、キャスターの話を信じてもらうためです。後キャスターのマスターは会うまで言うなと言われてるので私の口からは言えません」

士郎「そうか、わざわざすまないな。それと、慎二については無理せずワカメって言い切っていいからな」

ライダー「わかりました。ワカメはキャスターのマスターと一緒に来るそうです」

士郎「わかった」

ライダー「では」


223:2011/12/21(水) 00:57:48.45 ID:ath78sE40



ピンポーン

セイバー「士郎」

士郎「ああ、分かってる。はーい」

あれから俺はセイバーといろいろ話をした。特に今までと変わりはないがセイバーには俺のことを『士郎』と呼んでもらうことにした。

ガララ

慎二「よう!!来たぜ!!」

ライダー「こんばんは」

キャスター「こ、こんばんは・・・」

葛木「・・・」

士郎「え、あ、あの先生?」

葛木「・・・私がキャスターのマスターだ」

士郎「」

俺は何かを悟った。




224:2011/12/21(水) 01:10:32.11 ID:ath78sE40

居間

とりあえず全員を居間に入れた。が、

士郎「・・・」

慎二「・・・」

ライダー「・・・」

キャスター「・・・」

葛木「・・・」

なんだこのお葬式。

セイバー「お茶が入りましたよ~」

士郎「サンキュ」

セイバー「」ニコ

士郎「・・・///」

慎二「リア充○ね・・・」ボソ

葛木「間桐」

慎二「はい・・・」

葛木「衛宮」

士郎「はっはいっ!!」

葛木「明日、学校来れそうか?」

士郎「あ、大丈夫です!!明日から登校します!!」

葛木「そうか、よかった。何かあったら先生に相談しろ。私は生徒の味方だ」

正直この面子でこの会話は公開処刑に近い何かを感じた。


239:2011/12/22(木) 16:25:43.35 ID:eqiACpiW0

セイバー「で、キャスター。アーチャーとバーサーカーの話でしたね?」

キャスター「ええ、実は二日前―――」

二日日前 夜中 寺

アーチャー「いるのだろろう」

キャスター「ふふ、何かようかしら弓兵さん」

アーチャー「今夜は争いに来たのではない。単刀直入に言おう。キャスター、三日後バーサーカーと共に君の首をもらいに行く」

キャスター「・・・それは宣戦布告と取っていいのかしら?」

アーチャー「かまわない。では、私は戻るとしよう」

―――

キャスター「ふふ、弓兵さんがねえ・・・」

アサシン「何か策でもあるのか?相手はアーチャーとバーサーカーだぞ?」

キャスター「・・・大丈夫よ、弓兵ひと―――へ?アーチャーとバーサーカー?」

アサシン「アーチャーが言ってただろう・・・」

キャスター「ふ、ふん!!余裕よ!!よ・ゆ・う!!」




240:2011/12/22(木) 16:26:16.78 ID:eqiACpiW0

士郎「で、実際何か案でもあるのか?」

キャスター「ないからあなた達に協力を求めてるんじゃない。あ、ちなみにアサシンは私が寺の霊脈を利用してよんだわ」

セイバー「と、なると私たちの戦力は実質サーヴァント4人分、ですね」

ライダー「戦力としてはこちらが有利、ですが向こうにはバーサーカーとバーサーカーを何事もなく使役するマスターがいます。
ですから向こうのマスター二人は魔術に長けてるとも考えられます」

慎二「っつーかそいつら来るの明日じゃね?」

キャスター「わかってるわよ・・・ねえ、お願い私たちを助けて・・・!!私はもう聖杯なんていらないし宗一郎様といられればそれでいいの!!」

キャスターは泣いていた。葛木先生はキャスターに寄り添う。

・・・同じだ。俺にはキャスターの気持ちがよくわかる。

俺も聖杯なんかいらない。仮に手に入っても俺の願いはアルトリアと一緒にいることだけだ。

慎二「・・・衛宮、信用出来そうか?」

慎二の疑問は当然誰もが思う疑問だ。なにもかもいきなりすぎたからな。

だから俺は―――

士郎「今からそれを確かめる・・・!!」



241:2011/12/22(木) 16:32:06.21 ID:eqiACpiW0

士郎「・・・先生」

葛木「なんだ」

士郎「キャスターは信用できますか?」

葛木「当然だ」

即答だった。一見どうでもいいような質問だが意味はある。

士郎「セイバーはどうだ?そのまま直感で答えてくれ、信用できるか?」

セイバー「はい、大丈夫でしょう。先生の目は嘘をついている目ではありません」

士郎「なら大丈夫だな。キャスター、俺とセイバーは協力する」

慎二「ちょっおい僕を置いて話を進めるな!!僕も協力するぞ!!」

キャスター「・・・ありがとう」

士郎「よし。じゃ、作戦会議と行こう。まずは―――」



翌日

藤ねえ「おっはよー!!ホームルーム始めまーす!!えーっと休みは・・・」

士郎・・・やっぱ今日も―――ガララ

藤ねえ「えっ?」

一成「あ!!」

慎二「へっ・・・おせーよ」

クラス全体の視線が一ヵ所に集まった。

士郎「ちょりーっす」

そこには腕と足を組んだ衛宮士郎が机のいすに座っていたのだ。


252:2011/12/22(木) 21:11:44.62 ID:8zKABNaAO

体育

後藤「ほらよ」

士郎「これは・・・?」

後藤「体育の野球のチーム名だよ、久しぶりに来たからお前に決めさせようって話をいない間にしてたんだよ」

士郎「そっか・・・。じゃあ俺は―――」

教師「『金髪少女の初恋』対『妹の誘惑』の試合を始めます。お互いに礼!!」

「「オナシャス!!」」

―――

昼休み

美綴「よーう!!復活したんだって!?」

一成「まったく、人騒がせなやつだ」

士郎「へへっわりいな!!」

一成「ところであのチーム名考えたのお前だろ?何かあったのか?」

士郎「ああ、実は・・・」

美綴「ん、何かあった?」


士郎「好きな人がいるんだ」


253:2011/12/22(木) 21:36:36.14 ID:8zKABNaAO

屋上

士郎「なあ」

慎二「どうした?」

士郎「俺、もう引きこもるの止めるよ」

慎二「何度も聞いたぞ、それ」

士郎「今回はマジだ」

慎二「そうかよ」

それも何度も聞いたんだがな。

慎二「で、お前告ったのか?」

士郎「は?」

慎二「だからセイバーには告ったのかって。もしかしてもうヤッちまったか?」

士郎「ばっ馬鹿野郎!!んなこととしてねえって!!」

慎二「本当かね~」

士郎「本当だって!!つかお前もいい加減仲直りしろよ」

慎二「そりゃ・・・」

士郎「お前、毎年桜の誕生日に特大ケーキ作ってるし、桜からはお前のお古の弓を頂いたって聞いたけどアレめちゃくちゃ高いやつだって知ってんだぞ。そんな豪華な物を毎年プレゼントしてるシスコン野郎が今更何言ってんだよ」


254:2011/12/22(木) 21:38:24.05 ID:/a63s574o

これはいいワカメw


256:2011/12/22(木) 22:02:11.09 ID:8zKABNaAO

士郎「つかお前最近の誕生日で『絶対仲直りしてみせる』って意気込んで弓の他に美綴連れて桜に合いそうなアクセサリーを買いに行ってただろ、あれどうなったんだよ」

慎二「あれだったら―――」


回想 最近の桜の誕生日

桜「お帰りなさい、兄さん」

慎二「ああ、ただいま。あ、そうそうお前今日誕生日だったろ?」

桜「えっあ、はい・・・」

慎二「ほら、プレゼントだ」

僕は桜に弓を投げ渡す。

慎二「お前自分用の持ってなかったろ?だからそれ使いなよ」

桜「あ、ありがとうございます」

慎二「ハハハ、いいっていいって所詮安物だし!!後、これ藤村からのケーキな。あいつ馬鹿だよな~わざわざ僕に『間桐君が買ったことにしなさい』とか言ってやんの!!
一応藤村には分かりましたって言ったから口裏合わせといてよ」

桜「はい・・・」

プルル

慎二「あ、僕だ。・・・ふーん」

桜「に、兄さん・・・?」

慎二「いやぁ悪いね、女の子からお誘いが来ちゃったから僕は行くよ。寂しかったら衛宮でも呼べば?じゃあ行ってくるわ、ハハハハハハ!!!!」


257:2011/12/22(木) 22:08:44.45 ID:acm0ETSAO

ツンデレワカメが可愛すぎて顔がにやけるwwww


259:2011/12/22(木) 22:24:22.44 ID:8zKABNaAO

士郎「お前だからあの時俺に電話したのか。で、そのメールってのは何だったんだよ」

慎二「美綴から桜が憧れてたアクセサリーが見つかったってメールだよ」

士郎「あれ、お前桜に合いそうなアクセサリーを買いに行ったんじゃないのか?」

慎二「それはそのアクセサリーが見つからなかったからだよ。そもそも本当は全部いっぺんに渡すつもりだったんだけど、美綴に『時間が時間だからケーキだけでも渡してこい、アクセサリーは明日に回せ』って言われて諦めて渡しに行ったんだ」

士郎「それであの回想か」

慎二「そうだよ」

士郎「はーん。で、アクセサリーを買いに行ったと」

慎二「ああ、隣街まで走って美綴と合流して買ったさ。〇〇の近くな」

士郎「お前あそこまで走ったのかよ」

慎二「一時間もろ全力疾走さ。しかも帰りも全力疾走だから家に着いた頃には10時過ぎてたよ」

士郎「いったい何がそこまでお前を動かしてんだよ」


260:2011/12/22(木) 22:42:06.37 ID:8zKABNaAO

慎二「なーに、桜を思えばこんくらい」

士郎「お前すげーよ、本当に。つか10時ってことは俺達は帰った後か」

慎二「確か藤村と行ったんだっけ?ありがとな」

士郎「いいっていいって、ケーキ美味かったぜ」

慎二「かれこれクリスマスとかも含めて5、6年は作ってるからな!!」

回想 続き

慎二「はぁ・・・はぁ・・・」

桜「大丈夫ですか!?」

慎二「なーにちょっと女の子達とエキサイティングしちゃっただけさ・・・。後これさっき美綴から・・・」

僕は買ったアクセサリーを渡した。

桜「え、でも美綴先輩から・・・」

慎二「僕が知るかよ。僕はもう寝る・・・」

桜「はい、お休みなさい」

慎二「・・・誕生日おめでとう」ボソ

桜「ありがとう・・・」


261:2011/12/22(木) 23:03:57.23 ID:8zKABNaAO

士郎「お前レベルのシスコンがリアルにいるとは思わなかったわ」

慎二「だってかわいいだろ、桜」

士郎「そこまで言っておきながらどうして仲直り出来ないんだよ」

慎二「だって、なあ・・・?」

士郎「ツンデレ乙。もういい、聖杯戦争終わったら絶対に仲直りしろ、いいな?」

慎二「分かったよ。そのかわりお前ももう引きこもるなよ」

士郎「あったりめーだwwwwww」








夜、俺と慎二とアサシンは寺の周りの林の中でヤツらが来るのを監視していた。

慎二「大丈夫なのかこれで・・・」

士郎「大丈夫大丈夫、俺を信じろ」

アサシン「静かに、来るぞ・・・!!」


イリヤ「こんばんはー・・・っていない?」

凛「アーチャー!!敵がいないか探して!!」

アーチャー「林の中に誰かいる。どうする?狙撃するか?」

凛「やっちゃって」

アーチャー「了解だ」

アーチャーは弓を出し、矢を放った。

「わあああああ!!!!」

凛「この声―――アーチャー「下がれ凛!!」

その瞬間、ライダーが逆の林からダガーを持って突っ込んで来た。


272:2011/12/23(金) 13:57:33.11 ID:FY+5GBDW0

昨日 夜

士郎「よし。じゃ、作戦会議と行こう。まずは―――」

俺は居間を出てノートと筆箱を持ってきた。

士郎「キャスター、あいつらは明日の夜に一成の寺に来るんだな?」

キャスター「ええ」

筆箱からペンを取り出し、ノート1ページに定規で一センチ1マスのマスが出来るようにノートに書き込む。

士郎「今回は協力戦だ、協力においてもっとも必要なものってなんだ?はい、セイバー」

セイバー「信頼、じゃないですか?」

士郎「そう、信頼だ。だからサーヴァント一人一人の真名と1マス1メートルとして宝具または必殺技の名前と攻撃範囲とその効果を書いてくれ。
言い出したのは俺だから、セイバーから書いてってくれ」

俺はセイバーに赤ペンを渡す。ついでにライダーには青、キャスターには緑のペンを渡した。

セイバー「わかりました、では私から。真名はアルトリア・アーサー・ペンドラゴン、宝具は約束された勝利の剣と風王結界です。攻撃範囲と効果は―――こんなもんですね」

士郎「ありがとう、次は誰が書く?」

ライダー「では私が書きましょう。真名はメドゥーサ、宝具は他者封印・鮮血神殿、自己封印・暗黒神殿、騎英の手綱の三つです。攻撃範囲と効果は―――です」

士郎「よし、最後はキャスターだ」

キャスター「分かってるわよ。真名はメディア、宝具は破戒すべき全ての符で必殺技が高速神言によるAランク大魔術の連射って所かしら?宝具の効果は―――とAランク大魔術は―――こんなもんね。

アサシンのも書くわ。真名は佐々木小次郎、宝具はないけど一応長い刀持ってるからそれで。必殺技が燕返しって言う技ね。正式なサーヴァントじゃないから、魔力が無く純粋な剣技しかないから攻撃範囲もこんくらいしかないわ」


273:2011/12/23(金) 14:02:09.55 ID:FY+5GBDW0

そして現在―――

慎二「大丈夫なのかこれで・・・」

士郎「大丈夫大丈夫、俺を信じろ」

アサシン「静かに、来るぞ・・・!!」


イリヤ「こんばんはー・・・っていない?」


士郎「き、来たアアア・・・」

慎二「ここまで来て怖がんな―――アサシン「来るぞ!!」

アサシンは持っている刀で何かを弾いた。弾いたのは矢だった。

慎二「わあああああああああ!!!!」

予定通り慎二が叫んだ。よし、作戦開始だ!!


ライダー「行きます・・・」

ライダーが逆の林から出てきた。

アーチャーはライダーの短剣を剣で受けるが、ライダーはアーチャーを跳び越えてマスター二人に短剣を投げつけた。

イリヤ「バーサーカー!!」

イリヤはバーサーカーを呼んで攻撃を回避し、遠坂は魔術で短剣を撃ち落した。

ここで放置されるアーチャーだがそれが狙い。

セイバー「はあああああああああ!!!!」

セイバーがアーチャーに斬りかかった。




274:2011/12/23(金) 14:28:58.01 ID:FY+5GBDW0

アーチャー「ぐおおおお・・・」

セイバーの一撃を受けきるもアーチャーは大きく林の中に吹き飛ばされた。
ここで俺と慎二はアーチャーがいる逆の方に避難する。アサシンにはこのままアーチャーの所に行ってキャスターと一緒にアーチャー倒してもらう。
そして葛木は―――

凛「アーチャー!?」

遠坂凛は林の中に入りアーチャーが吹き飛ばされたところへ行こうとするが、

凛「え、葛木・・・?」

葛木「まさか、生徒を直々に相手にすることになるとはな・・・」

葛木はこの戦争を勝ち抜こうとしてる遠坂を説得したいと言っていた。

だから俺たちは先生を信じることにしたのだ。当然、サーヴァントたちも納得していた。





士郎「頼んだぜ、先生・・・!!」


282:2011/12/25(日) 02:13:28.78 ID:JT7oNQdB0

ライダー「行きます!!」

私は鎖付きの短剣をバーサーカーに投げ込み、両腕両足を拘束する。

イリヤ「そんな拘束がバーサーカーに通用すると思う!?」

バーサーカー「――――――!!!!」

バーサーカーは鎖を引き千切る。

まあ、そうでしょうね。

私は引き千切る動作の合間に短剣をさらに投げ込む。そして―――

セイバー「たああ!!」

バーサーカー「ー―――――――――!?」

セイバーの重い一撃を叩き込み、即離脱する。ヒット&アウェイ。

バーサーカー「―――・・・」

セイバー「きっ、効いていないのか・・・?」

セイバーによる傷は何事もなかったかのように回復された。






283:2011/12/25(日) 02:58:23.03 ID:JT7oNQdB0

イリヤ「キャハハハハ!!!!狂化されたバーサーカーにそんな戦法通用するわけないじゃない♪
今の攻撃で分かっちゃった。セイバー、今のあなたの宝具はランクC程度でしかないのね。やっぱりマスターがあまりにも未熟だからランクが低下しちゃったのかな?」

セイバー「黙れ!!」

セイバーはバーサーカーと剣を交えだす。

お互い一歩も引いていないが、いずれ前のようにバーサーカーに押し切られるだろう。だからここはマスターの少女を攻めます。

ライダー「・・・」

短剣を投げる。

バーサーカー「!!」

イリヤ「えっ!?」

先に反応したのはバーサーカーだった。バーサーカーは投げた短剣をその身で受けきると、マスターの少女を抱え林の中に走っていった。


バーサーカーが自分の判断でマスターを連れて逃げた?いや、これは―――




284:2011/12/25(日) 03:24:57.54 ID:JT7oNQdB0

林中

アーチャー「ぐ・・・流石セイバー、か・・・」

キャスター「ふふ、休んでる暇はなくてよ」

アーチャー「くっ・・・キャスターか・・・!!」

?「拙者も忘れてもらっては困る」

アーチャー「誰だ!?」

アサシン「―――アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎。さあ、始めよう。キャスター!!」

キャスター「任せなさい!!」

拙者はキャスターが魔術による遠距離攻撃に合わせて前に出てアーチャーに攻撃を仕掛ける。

アーチャーは二刀の剣を持って攻め込もうとするも武器のリーチの差で近づけない。そして降り注ぐキャスターの魔術にアーチャーには防戦一方を強いさせる。

アサシン「さあ、受けてもらおうか。我が秘剣―――」

アーチャー「くっ!!」

アーチャーは防御の構えを取るが、秘剣「燕返し」に防御など通用しない!!

アサシン「甘いわ!!」

アーチャー「がはっ・・・」

アーチャーは8メートル程先に吹っ飛ばされた。いや、わざとか。

アサシン「なるほど、燕返しを食らう直前に大きく後ろに跳ぶことで致命傷を回避したか。面白い、実に面白い」






293:2011/12/26(月) 11:12:13.62 ID:SyNNbThAO

遠坂「葛木・・・」

葛木「一応名乗っておこう、キャスターのマスター兼高校で教師をやっている葛木だ」

遠坂「へぇ~教師が生徒に手を挙げるって訳」

葛木「いや、私は遠坂に暴力を振るうつもりはない。私は話をしに来た」

遠坂「私は先生と話をするつもりなんてないのよ・・・っね!!」

遠坂は魔翌力で作った刃を飛ばす。

だが私は怯まず、左手の拳でそれを振り払った。

遠坂「なっ・・・どうして!?」





294:2011/12/26(月) 11:13:27.76 ID:SyNNbThAO

葛木「念のため・・・な。キャスターに拳を強化してもらっていた」

私は拳を摩りながら答えた。

遠坂「くっ・・・ならこれは―――ガンド!!」

今度は魔翌力の弾丸を飛ばしてきた。

だがそれも避けるのはたやすい。私は避けるだけで生徒には近づかなかった。

葛木「ふむ・・・殺しは初めてのようだな。見ていてよくわかる」

遠坂「うるさい!!」

遠坂が走って距離を縮めてきた。

葛木「接近戦か・・・」

それでもやることは変わらない。ただ避ける、それだけだった。




295:2011/12/26(月) 11:15:56.60 ID:SyNNbThAO

手出しは一切しなかった。

葛木「もう止めておけ。お前では私に勝てん」

遠坂「な・・・なんでよ・・・」

葛木「お前はまだ若い。こんな戦いで命を落とすなど言語道断だ」

遠坂「私はこの戦いで死ぬつもりなんてないし、勝つつもりで参加したわ。あんたなんかも倒そうと思えば速攻よ!!」

葛木「・・・そうか」

私には今の遠坂が、火遊びを楽しんでる子どもにしか見えなかった。

成る程、これなら衛宮が引きこもったのも頷ける。

葛木「・・・これも子どもを導く教師としての役目か」


305:2011/12/30(金) 06:21:36.61 ID:y9q7CjNAO

葛木「いいだろう、教師としてお前を生活指導してやる」

私はネクタイを外し、拳を構えた。





セイバー「ライダー、なぜ邪魔を・・・」

ライダー「セイバー、今夜の目的はいかなる手段を使ってでも勝つ、です。それに、あのままだったら貴方は確実に力負けしていました」

セイバー「くっ・・・」

ライダー「バーサーカーの狙いは私達のマスターです。急ぎましょう」

セイバー「・・・分かりました」

ライダー「私が先行してマスターの元に戻ります。セイバーはバーサーカーの追撃を」

セイバー「分かりました」


306:2011/12/30(金) 06:32:52.73 ID:6G+1Ue7Qo

>葛木「いいだろう、教師としてお前を生活指導してやる」
>私はネクタイを外し

ゴクリ…



313:2011/12/31(土) 05:00:20.17 ID:/bNvHdBa0

木陰


士郎「大丈夫だよな大丈夫だよな」ブツブツ――

慎二「ははは、んな怖がるなよ。アーチャーはキャスターとアサシン、バーサーカーはセイバーとライダーが相手を――「の、はずだったんですがね」

慎二「え、ライダー!?」

ライダー「間に合ってよかった・・・」

士郎「なあ、セイバーは?」

ライダー「セイバーはバーサーカーを追っています。
と、言うよりそろそろこの辺にバーサーカーが来るんで逃げ――イリヤ「みーつっけた!!」

士郎「うわあああああああああああああああ!!!!」

慎二「来たアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


314:2011/12/31(土) 05:00:51.41 ID:/bNvHdBa0

セイバー「士郎!!」

バーサーカーと少女の後ろから、セイバーが斬りかかった。

イリヤ「バーサーカー!!」

バーサーカー「――!!」

セイバー「くっ・・・」

セイバーは力負けし俺たちのもとに吹き飛ばされた。

士郎「セイバー!!」

セイバーはニコっと笑みを浮かべ立ち上がった。



セイバー「士郎、宝具を使用します」


318:2012/01/03(火) 14:05:44.13 ID:EvBOm2Wx0



アサシン「てやあああ!!」

アーチャー「ぐっ・・・防戦一方だな・・・」

私はアサシンとキャスターの二人に苦戦を虐げられていた。

近距離からは斬撃、遠距離中距離からは魔術、手の出しようがない。だが手はある。今はその時を待つ。


――――――


キャスター「これで決めるわ!!」

そしてその時が来た。

キャスター「――――――!!!!」

キャスターが「高速神言」を唱えだしたのだ。

アーチャー「――――I am the bone of my sword」


319:2012/01/03(火) 14:06:19.91 ID:EvBOm2Wx0

キャスター「――――ヘカティック・グライアー!!!!」

アーチャー「熾天覆う七つの円環!!」

七枚の花弁が降り注がれる魔術を受ける。

アーチャー「ぐおおおおおおおおお!!!!」

花弁が一枚砕けた。

キャスター「ふふふ、耐え切れるかしら」

だがこのキャスター、焦っていた。

これだけやってこれかよ、と。

キャスター「アサシン、これ終わったら一旦退くわよ」

アサシン「は?」

キャスター「これは倒しきれないわ、あの盾硬すぎ」

アサシン「・・・わかった」

キャスターは攻撃を止めると、煙の中から声が聞えた。



――――I am the bone of my sword


320:2012/01/03(火) 14:07:01.75 ID:EvBOm2Wx0

アサシン「来るぞ!!」

キャスター「分かってるわ!!」

―――偽・螺旋剣


キャスターは拙者の前に出て飛んできた矢を受けた。だがその矢は当たる直前に爆発したのだ。

キャスター「がああああああっぐうう、何よこの威力・・・!!」

爆発音は大きく、周囲にも響いていた。




遠坂は隙を与えないように拳を撃っていく葛木の攻撃に苦戦していた。

遠坂「あうっ・・・!!」

葛木「無駄だ。お前では今度は―――ドオン!!

葛木「なんだ・・・?」

遠坂「そういうこと・・・!!戦略的撤退!!今度こそ倒すわ、さようなら!!」

言い残すと林の中へ走っていった。

葛木「行くか・・・」

葛木も同様、音源を追って林の中へ入った。




321:2012/01/03(火) 14:20:34.70 ID:EvBOm2Wx0

士郎「ダメだセイバー!!それだけは!!」

セイバー「大丈夫です、一撃で仕留めます」

士郎「今はその時じゃない!!」

セイバー「でも・・・」

イリヤ「ねーねー早くしてよーニートくーん」

士郎「っ・・・て、てめええええええ!!!!」

慎二「落ち着け衛宮、挑発だ!!」

士郎「わ、分かってるけど・・・」

イリヤ「そーそー挑発だよ。でもあなたには何もできないよね?」

士郎「てってめええええ!!!!」

ここで爆発音。

イリヤ「怒っちゃった?じゃあ、私向こうにいるキャスターからやっちゃうからここまでね♪ばいばーい!!」

イリヤはバーサーカーに乗るとバーサーカーは走り去った。

士郎「追うぞセイバー!!」

慎二「そうだ、俺たちも行こうライダー!!」




ライダー「いやおめーらここにいろ。足手まといだから」

俺たちは何も言えなかった。


323:2012/01/03(火) 18:25:33.29 ID:TY7oLTg3o

ライダーさん口悪いです


324:2012/01/03(火) 18:52:57.10 ID:P5LxKHkAO

イリヤに煽られて切れる士郎はなんなんだよwwwwwwwwww


328:2012/01/06(金) 14:15:02.99 ID:/VryIJ0AO

士郎「くそ!!あの野郎、調子に乗りよがって!!」

俺は側にあった木を殴りつけた。

セイバー「やめて下さい、士郎・・・」
士郎「くそがあっ!!」

更に拳を叩き込む。

慎二「衛宮・・・」

ライダー「・・・」

士郎「遠坂も!!」

ガン!!

セイバー「やめて下さい・・・!!」

士郎「あのイリヤスフィールっていうガキも!!」

ガン!!

セイバー「士郎・・・」

士郎「みんな俺を馬鹿にしや―――セイバー「やめろつってんだろ!!!!」

士郎「ぐあっ!!」

セイバーが俺を殴った。
俺は木に叩きつけられた。木は凹んでいた。


331:2012/01/06(金) 14:43:06.20 ID:/VryIJ0AO

セイバー「いい加減にしなさい!!士郎!!貴方はどこまで愚かなんですか!?」

士郎「だって、遠坂があのガキが・・・」

セイバー「だからといって今の行いなんですか!?見ている方の気持ちも考えなさい!!」

士郎「じゃあ俺は何をすればいいんだよ!!ライダーが言った通り俺には何も出来ないじゃないか!!」

ライダー「それについては私が答えましょう。慎二、衛宮君」

士郎「・・・」

慎二「なんだよ・・・」

ライダー「確かにあなたたちには魔翌力がなく魔翌力の供給が出来ません。
ですが、サーヴァントはマスターの心の力をサーヴァントの力に変換出来ます。
願って下さい。私達の勝利を。そうすればその気持ちがサーヴァントの力になります」

慎二「・・・そんなのどのマスターでも出来るじゃないか」


332:2012/01/06(金) 14:47:56.40 ID:/VryIJ0AO

セイバー「いいえ、違います。あなたたちの心の強さは私達がよく知っています。
現にあなたたちはここまで戦い抜いています」

士郎「でも俺は引きこもってばっかだ・・・」

セイバー「それでも士郎はその度に自分の足で立ち上がって来たじゃないですか。あなたの作戦のおかげで敵も分断出来ました。
むしろ謝らなきゃいけないのは私達の方です。二対一に追い込みながらも私達は敵を倒せなかった。申し訳ありません」

士郎「そ、そんな謝んなよ・・・」


ライダー「慎二も咄嗟に私とセイバーに逃げるように指示してくれたおかげで損失は大してありませんでしたよ」

慎二「そ、そりゃマスターとしてのだな・・・」

ライダー「ふふ・・・」

慎二「ちっ、次はちゃんと仕留めろよ!!」

ライダー「任せて下さい」


士郎「セイバー、勝ってくれ・・・!!」

セイバー「はい、士郎。このエクスカリバーに賭けて・・・」



342:2012/01/12(木) 20:47:35.06 ID:harRi8RAO

?「お取り込み中悪いが俺も連れてってもらうぜ」

士郎「え!?」

慎二「な・・・?」

ライダー「・・・!?」

セイバー「ランサー・・・!!」


ランサー「久しぶりだなぁ、セイバーにライダー。そしてマスターの二人」

士郎「何のつもりだ・・・!!」

ランサー「へぇ~、弱音を吐いてた坊主が言うようになったじゃねえか!!」

ランサーは「ハハハハハハ!!」と、高笑いした。

セイバー「質問に答えろ、ランサー!!何のつもりだ!!」


343:2012/01/12(木) 21:12:26.06 ID:harRi8RAO

ランサー「だぁからお前らに協力するって言ってんだよ」

セイバー「にしても何故今に!?」

ランサー「いや、一応最初から見てたぜ。
だけどお前らの惨敗っぷりに見ていられなくてな」

セイバー「士郎、信じますか?」

士郎「・・・今まで傍観してたランサーがわざわざ現れてまで協力を頼んで来たんだ、嘘じゃないはずだ。

ランサー、交渉は成立だ。短い間だがよろしく頼む」

ランサー「ああ、よろしくな」








この時、ランサーにはアーチャーとバーサーカーの他にもう一つの目的があった。

ランサー「(あのキャスターは間違いなく『魔女 メディア』。あいつの宝具は―――)」


347:2012/01/13(金) 01:24:02.43 ID:eyxMmGn50

士郎「よし、俺たちも行こう!!ランサーは先に行ってくれ、俺たちは分かれて奇襲を仕掛ける!!」

ランサー「おうよ!!」

ランサーは霊体となり、消えていった。



イリヤ「きったよー☆」

バーサーカー「―――・・・」

キャスター「っ・・・バーサーカー!?」

アサシン「まずいな・・・」

そしてまた一人。

遠坂「私を忘れないでくれる?」

アーチャー「遅かったじゃないか」

遠坂「ええ、でも―――」

葛木「・・・」

アーチャー「(やはり無理だったか)」


348:2012/01/13(金) 01:32:27.68 ID:eyxMmGn50

イリヤ「じゃあちょっとしたらセイバー達も追いついちゃうし、さっさと終わらせよう!!バーサーカー!!」

バーサーカー「――――――――――――!!!!」

キャスター「(ど、どうすれば―――)」


キン!!

キャスターの目の前に紅い槍が地面に刺さった。

キャスター「これは・・・」

?「間に合ったな」


遠坂「え、そんな・・・」

アーチャー「馬鹿な・・・!!」

イリヤ「まさか貴方がねー、ランサー」





ランサー「よお、来てやったぜ」


356:2012/01/18(水) 13:41:26.73 ID:UBVDXL3AO

キャスター「あ、貴方いったい・・・」

ランサー「安心しな、今はあんたらの味方だ。
ところでキャスター、お前に頼みがある」

キャスター「な、何よ・・・」

ランサー「お前の宝具で俺を野郎の令呪から解放してくれないか?何ならお前が俺のマスターになってもいい」

キャスター「・・・ま、まあ分かったわ」

キャスターは懐からジグザグのナイフを取り出し、ランサーに軽く刺した。

ランサー「よし、これでお前は俺のマスターだ。よろしく頼むぜ?マスター」


イリヤ「ねー早くヤリたいんだけどー!!」

ランサー「わかってらあ!!」

ランサーはバーサーカーとそのマスターに紅い槍を向けた。


357:2012/01/18(水) 13:49:56.33 ID:UBVDXL3AO

イリヤ「行くよバーサーカー!!」

バーサーカー「ーーー!!」

バーサーカーは咆哮をあげ、走り出した。


―――マスターががら空きになった。よし、今だ!!


セイバー「てやああああああ!!!!」

イリヤ「え!?」

アーチャー「退け!!」

アーチャーは二刀の剣を出し、セイバーの一撃を受けた。

アーチャー「不意打ちとは落ちたものだな、セイバー」

セイバー「いいえ、これは戦略ってやつですよ」


358:2012/01/18(水) 14:00:49.75 ID:UBVDXL3AO

アーチャー「ふん、言い訳にしか聞こえないな」

セイバー「そうですか、ならそう取って頂いても構いません」



凛「アーチャー・・・」

イリヤ「凛!!後ろ!!」

凛「え―――」

ライダー「・・・」

ライダーが切り掛かって来た。
凛は後ろに下がって回避した。

だが――

凛「っ痛ぅ!!」

肩から血が吹き出た。

アーチャー「凛、大丈夫か!?」

凛「なんとかね・・・」

セイバー「よそ見してていいんですか?」

アーチャー「っく・・・があ!!」

セイバーの力に負け、アーチャーは樹木に叩きつけられた。


士郎「(よし、いいぞ。いくらバーサーカーでもサーヴァント五人は捌ききれないだろう。アーチャーはセイバーに力負けしてるし、マスター狙いで十分勝てる。この戦い、俺達の勝ちだ!!)」


375:2012/01/29(日) 03:12:59.63 ID:8Tbc3skT0

アーチャー「ぐう・・・」

遠坂「大丈夫、アーチャー!!」

アーチャー「ああ、なんとかな・・・ところで凛とイリヤスフィールよ」

イリヤ「んー?」

遠坂「アーチャー?」

アーチャー「時間を稼いでくれないか?奥の手を使いたい」

遠坂「わかった!!」

イリヤ「じゃあそれに賭けてみよっか。バーサーカー!!」

バーサーカー「――――――――――――!!!!」


376:2012/01/29(日) 03:14:18.46 ID:8Tbc3skT0

セイバー「一気に叩きましょう!!」

ランサー「おう!!」

セイバーとランサーが前に出た。二人の攻撃を受けたのは当然バーサーカーだ。

そしてその隙にキャスターとライダーが遠距離から仕掛けた。

遠坂「食らいなさい!!」

遠坂が攻撃をカットした。

この時、攻撃中にまぎれてアーチャーが発した言葉をセイバー達は聞き逃さなかった


I am the bone of my sword.

―――――― 体は剣で出来ている。

Steel is my body, and fire is my blood.

血潮は鉄で 心は硝子。


377:2012/01/29(日) 03:28:47.64 ID:8Tbc3skT0

ライダー「こ、これは・・・!!」

セイバー「っアーチャーだ!!速くアーチャーを!!」

何か分からないがとても嫌な予感がした。今のアーチャーを止めなくてはとんでもないことになる!!

セイバー「ライダー」

ライダー「はい」

セイバー「風に乗ることは出来ますか?」

ライダー「ふふ、そういうことですか・・・。私はライダーです、乗れないものはありません」

セイバー「キャスターは弾幕を張ってください!!ランサーはバーサーカーを!!」


キャスター「了解!!」

ランサー「わかった!!」



378:2012/01/29(日) 03:32:59.76 ID:8Tbc3skT0

セイバー「よし、行くぞ!!風王鉄槌!!」

セイバーの剣を不可視にしていた風を開放した。

イリヤ「っバーサーカー・・・」

遠坂「宝具!?」


セイバー「ライダー!!」

ライダー「分かってます!!」

セイバーの放った風に流れるようにライダーは走った。

――――いた!!


ライダー「終わりで――――バーサーカー「―――・・・」



――――――――――まさか


イリヤ「ふふ」


379:2012/01/29(日) 03:43:12.24 ID:8Tbc3skT0

バーサーカー「―――!!」

バーサーカーの一撃。短剣で防ぐも耐えれる訳がない。

―――なので

ライダー「避けましょう」

風王鉄槌の風を利用しバーサーカー達の後ろに着地した。


Unknown to Death.

ただの一度も敗走はなく

Nor known to Life.

ただの一度も理解されない。


ライダー「これで!!」


Have withstood pain to create many weapons.

彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。


遠坂「はあああああああ!!!!」

ライダー「何!?」

遠坂「とっておきよ!!受け取りなさい!!!!」

Yet, those hands will never hold anything.

故に、生涯に意味はなく。


380:2012/01/29(日) 03:56:40.75 ID:8Tbc3skT0

ライダー「がああああああああああ!!!???」

とっさにガードをするが耐え切れなかった。ライダーは地面に転げ伏した。

セイバー「ライダー!?」

アサシン「セイバー、時間切れみたいだ・・・」



―――――So as I pray, unlimited blade works.

―――――その体は、きっと剣で出来ていた。


その瞬間、世界が塗り替えられた。

ランサー「こいつぁ一体・・・」

キャスター「固有結界ね、術者の心象風景で現実世界を塗りつぶし内部の世界そのものを変えてしまう結界・・・」

ランサー「なるほどな・・・」

セイバー「くっ、発動させてしまった・・・」

アサシン「・・・奴らだ」


アーチャー「・・・」


381:2012/01/29(日) 04:14:46.10 ID:8Tbc3skT0

アーチャー「ここは私に任せて貰おう」

遠坂「これがアーチャーの奥の手・・・」

イリヤ「ふーん、じゃあ任せる」

バーサーカー「・・・」


アーチャー「セイバー達よ、ここは無限の剣製。貴様らに全ての剣を受けきれるかな?」


キャスター「宗一郎様、私の側に・・・」

葛木「ああ・・・」

セイバー「・・・」

今ここにいるのは私たちサーヴァント5人と先生の計6人。

士郎とワカメ氏がいないのは、恐らく発動時に発動者であるアーチャーの視界にいなかったからだろう。

だがライダーは―――――

ライダー「大丈夫です・・・」

むくリとライダーは立ち上がった。

キャスター「大丈夫ってあなたその左腕は・・・!!」

そう、ライダーの左腕がさっきのアーチャーのマスターの一撃で吹き飛んでしまったのだ。


388:2012/02/02(木) 01:01:32.47 ID:gobiMGQP0

>>387の頭に

ライダー「がああああああああああ!!!???」

遠坂に吹き飛ばされたライダーは転げ伏し、体をビクン、ビクンと震わせていた。


慎二「あ、ああ・・・」

その光景を見ていた慎二は目に涙を浮かべながら体を振るあせていた。

を、追加してください。お願いします。


387:2012/02/02(木) 00:59:26.79 ID:gobiMGQP0

士郎「だ、大丈夫か・・・慎二?」

慎二「ら、ライダー・・・ライダー・・・!!」

ライダーは見るに耐えない状態だった。左腕はなくなり、その肉が飛び散っており左半身は所々えぐれていた。

この戦争で慎二をが平常心を保っていられたのはライダーがいる、という所が大きい。
俺だってセイバーがいるから今ここにこうしてられる。


士郎「落ち着け慎二・・・。ライダーのマスターであるお前がそんなんでどうするんだよ・・・!!」

慎二「でもライダーがあ・・・ライ―――士郎「慎二・・・」

俺は手で慎二の口元を強引に押さえる。慎二が暴れだした。



389:2012/02/02(木) 01:09:08.08 ID:IxEXUpv7o

>今ここにいるのは私たちサーヴァント5人と先生の計6人。
>士郎とワカメ氏がいないのは、恐らく発動時に発動者であるアーチャーの視界にいなかったからだろう。

ん? 士郎とワカメ居るのか? それとも今回のがミス?


392:2012/02/02(木) 01:21:57.78 ID:gobiMGQP0

>>389

説明下手ですいません。「無限の剣製」発動時にアーチャーに士郎とワカメの存在が認識されてないので結界内にはいません。いるのはサーヴァント7人と先生、イリヤ、凛の合計10人です。




390:2012/02/02(木) 01:10:47.12 ID:gobiMGQP0

士郎「やめろ慎二・・・!!セイバーがきっとなんとかしてくれる・・・信じるんだ!!」

慎二「―――!!」


慎二は止まらない。

士郎「俺たちがセイバーやライダーを信じないで誰が信じるんだよ・・・!!
俺たちなんとしても生きなきゃいけないんだよ!!こんな馬鹿げた戦いを終わらせて今まで通りの日常を取り戻すんだよ!!!!
だから今は冷静になれ!!生きて桜と仲直りするんだろ!?だから今は生き抜くことだけを考えろ!!」

慎二「でも・・・―――おや、そんなに私が心配ですか?




慎二(ライ・・・ダー?)

―――衛宮君の言うとおりです。あなたは生きて桜としっかり話をして和解しなくてはいけない。

慎二(うん・・・)

―――私はライダーです。そう簡単には敗退するつもりはありません。ですから、信じてください・・・!!

慎二(・・・ああ、分かったよ。信じてやるよ!!だから絶対に帰ってきてくれ!!)

―――当然です。


391:2012/02/02(木) 01:16:50.29 ID:gobiMGQP0

慎二「・・・」

慎二が止まった。

士郎「もう大丈夫か?」

慎二「ああ、すまない。もう大丈夫。
そうだ、僕は生きて・・・生きて桜と仲直りしなきゃいけない・・・!!」

士郎「そうだ、今はそれでいい」

そしてライダーはゆっくりと立ち上がったが、その瞬間ライダーは光に飲まれて消えた。

士郎「これがアーチャーの切り札・・・」


慎二「頼んだぞ、ライダー・・・!!」



401:2012/02/11(土) 02:31:03.41 ID:pS+EWJAd0

アーチャー「これが私の剣だ!!」

アーチャーの背後から無数の剣が出てきた。

セイバー「よし、ここは私が―――――ライダー「ここは私が」



ライダーのとなりには一匹の馬がいた。

セイバー「何故です、ライダー!?」

ランサー「セイバー、その剣は俺たちを守るための剣じゃなくあの坊主を守る時に使うもんだろーが」

セイバー「ランサー・・・」

キャスター「そうよ、それに今の貴方が宝具を使用したら魔力切れ起こして消滅するのは見えてるわ。
貴方も分かってるんでしょう?ここで誰かを失うには得策じゃない。特に貴方はね。
あ、アサシンは宗一郎様を守らなきゃいけないから動いちゃダメよ」




402:2012/02/11(土) 02:31:40.21 ID:pS+EWJAd0

アサシン「はいはい」

キャスター「分かればいい」

キャスターはフードを蝶のように広げた

セイバー「キャスター・・・」


アーチャー「御託はいいか?では行かせてもらう!!」

背後の剣が一斉に射出される。

ライダー「セイバー、ランサー道を開きます!!」

ライダーは馬の手綱を片手で引き駆け出した。

ランサー「行くぞセイバー!!」

セイバー「・・・ええ!!」


403:2012/02/11(土) 02:52:04.92 ID:pS+EWJAd0

ライダー「騎英の手綱!!」

ライダーのペガサスが流星のように駆ける。

アーチャー「さすがだ、ライダー。ならばこれで!!」

アーチャーは剣を上空からも降らせた。



キャスター「私を忘れないでよね!!」

降ってきた剣を、魔術で薙ぎ払うも剣は無限に降ってくる。

ペガサス「―――!!!!」

ペガサスに剣が刺さり、速度が落ちだした。

ライダー「・・・今です!!」

その時、セイバーとランサーがペガサスを追い抜き、アーチャーへと切りかかった。

アーチャー「そうだ。こんなので倒れてもらってはな!!」

剣を二本手に取り二人の攻撃を受けた。

アーチャー「さあ、剣はどこからでも来るぞ」

セイバーとランサーの頭上に大量の剣が降ってきた。二人は回避するも、周囲から来る追撃の剣に苦戦を強いられた。


404:2012/02/11(土) 03:04:01.33 ID:pS+EWJAd0

周囲から来る県をキャスターは結界を張ることで、葛木とアサシンを守っていた。

キャスターは他のサーヴァントを見る。

セイバーとランサーはひたすら剣を薙ぎ払ってアーチャーに攻め込んでいるが、流されてしまっている。

ライダーは既にペガサスはいなくなり、短剣で剣を防いでいたようだが右足に一本、胴体に二本の剣が刺さっていた。

そしてこの結界も、そんな長くは持たないだろう。

私はこんなところでやっと手に入れた彼を手放したくない。

だけどこんなところで死なせるのももっと嫌だった。

だから私は―――


キャスター「宗一郎様、アサシン―――」



406:2012/02/11(土) 03:31:26.97 ID:pS+EWJAd0

アーチャー「そろそろ終わらせるか」

セイバーは最後まで温存か。ランサーは今宝具を使ったら蜂の巣になり、ライダーは、もう終わりだな。キャスターは―――!?いない?


キャスター「―――!!!!」

アーチャー「上か!?」

キャスターの魔術はマシンガンのように見方のサーヴァントの剣を打ち落とす。

アーチャー「そんなことしても無駄だ!!剣はまだある!!」

キャスターに剣を撃つ。



佐々木「拙者を忘れては困るぞアーチャー!!」

アーチャー「アサシン!?」

佐々木の燕返しが来る。それをステップで回避するが―――


葛木「はああ!!」

アーチャー「葛木か!?」

葛木はギザギザのナイフ、破戒すべき全ての符を持っていた。





407:2012/02/11(土) 03:42:55.66 ID:pS+EWJAd0

葛木「う・・・」

葛木の胸に三本の剣が刺さった。そして葛木は変装が解除されキャスターの姿に戻った。

アーチャー「私を舐めないで頂きたいな、キャスター」

キャスター「ええ、ホントね・・・」

キャスターはしのままアーチャーの腕に抱きついた。

キャスター「だからこの際一緒に散りましょう?」

アーチャー「何だと!?」


ふふ、焦ってる焦ってる。

でも、もう私にはそんなことをする魔力もないの。

もう、いくら私を剣で刺そうが関係ない。


だってもう―――


葛木「―――!!」


―――――――――私・・・・・・


412:2012/02/12(日) 20:30:31.83 ID:nnlplPJAO

周りの景色は徐々に薄れだし、世界は元に戻った。

アーチャー「くぅう・・・まさかこんなことが・・・!!!!」

手元の剣を見るとそこにキャスターはいなく血の跡があるだけだった。
後ろにいた葛木の手にはキャスターの宝具が握られていたが、光の粒子となり消滅した。

アーチャー「まずはお前からだ!!」

アーチャーは剣で葛木に切り掛かと、セイバーが剣を抑えた。

セイバー「先生!!早く向こうへ!!」

葛木は「すまない」と言い、その場から離れた。

それを見ていたイリヤは―――


遠坂「な、何で助けなかったのよイリヤスフィール!!」

イリヤ「べっつに~アーチャーだってここは私に任せろ~って言ってたじゃない」


413:2012/02/12(日) 20:44:20.22 ID:nnlplPJAO

遠坂「だっだけど―――イリヤ「それに私達はそもそも『互いに攻撃をしない』という約束をしているのであって、『ピンチの時に助け合う』なーんて約束はしてないんだよ?」

遠坂「で、でもアーチャーがあそこでやられたらバーサーカーだけで残りの全員を相手にするのよ!?」

イリヤ「それでいいよ。むしろ好都合。
そもそもアーチャー以外のサーヴァントはまともな魔翌力供給を受けてないから倒すのは簡単だもん」

遠坂「~・・・!!」

遠坂は声にならない声を押し殺していた。

イリヤ「あー怒っちゃった?でもここで私に手を出したら貴方もただでは済まないよ?」

イリヤの後ろにはバーサーカーがいた。


遠坂「このホムンクルスが・・・!!」


416:2012/02/13(月) 00:10:55.61 ID:3k6MG12U0

慎二「ライダー!!」

ライダー「出てくるなと言ったはずですよ、慎二。ほんとあなたはいつまでたっても慎二ですね」

慎二「んなこと言ってる場合か!!」

ああ、そうか。先ほどのアーチャーの結界で何本かもらったんでしたね。

ライダー「大丈夫ですよ。左腕を失ったのは痛いですがまだ行けます」



士郎「・・・なあ、キャスターは?」

アサシン「・・・」

ランサー「あー・・・なんつーか―――葛木「死んだよ、メディアは」

士郎「し、死んだって・・・」


ランサー「まー話は後だ。来るぞ」


417:2012/02/13(月) 00:31:41.86 ID:3k6MG12U0

イリヤ「私、もう帰りたいから適当に遊んだら帰るね」

遠坂「え、ちょっと!?」

イリヤ「行くよー!!バーサーカー!!」

バーサーカー「―――――――――!!!!」

イリヤ「凛も無理しないでね。ばいばい」



セイバー「士郎!!来ます!!」

士郎「ああ、頼んだぞセイバー!!ランサーも頼めるか?」

ランサー「あたぼーよ!!」





418:2012/02/13(月) 01:09:26.38 ID:3k6MG12U0

アーチャー「どうする、マスター?」

遠坂「どうするも何もやるしかないでしょ!!」

アーチャー「私としてはここは引くことをオススメするが」

遠坂「幸いバーサーカーはセイバーとランサーと引きニートのロックを集めてるわ。狙うならそう・・・」

慎二「・・・!!」

奴は僕を睨み付けた。

遠坂「あいつでしょう。その辺の石に死に底ないのライダーとたかがアサシン、行けるわよ」


っく、その辺の石かよ・・・。

アサシン「力を貸そう、慎二殿。腹が立った」

ライダー「勝ちますよ。死に底ないと石ころの力を見せてやりましょう。慎二、出し惜しみはしないでください」

慎二「分かってる!!」



419:2012/02/13(月) 01:31:52.43 ID:3k6MG12U0

ライダー「切り込む!!」

短剣を構えて走り出した。アーチャーも剣を構える。アサシンはどっか行った。

アーチャーに一撃を入れるとライダーは林の暗闇に身を潜めた。

アサシン「もらった!!」

気配を消していたアサシンが逆の方から切りかかる。

遠坂「ふん、私を忘れちゃ――――慎二「させるかああああ!!!!」

地面を走る三枚の刃が遠坂を襲う。

遠坂「ふん」

だが、手を向けて魔術を防ぐ。

アーチャー「凛。お前はそいつを相手しろ。他は俺が引き受ける」

遠坂「りょーかい!!」



420:2012/02/13(月) 01:52:37.10 ID:3k6MG12U0

慎二「・・・遠坂」

遠坂「はあ・・・さっさと死んでくれないかなあ・・・。間桐もあの引きニートも。
って言うか、そもそも桜があんな間桐なんかの養子になったからよね~。あいつのせいで遠坂の名に傷が付いたらどうするのよ」

慎二「なんだと・・・?」

遠坂「久々に会ったと思ったら髪も変色してるわ、暗くなってるわであんなのが私の妹ですって」

遠坂はくすくすと笑った。

慎二「お前、妹だぞ!!血の繋がった家族なんだぞ!!!!」

遠坂「私にはあんな気持ち悪い妹なんていないわよ。
はぁ~、久しぶりに本音吐けてちょっとスッキリした」


421:2012/02/13(月) 02:01:51.68 ID:3k6MG12U0

慎二「遠坂あああ!!!!」

黒い刃を放った。が、遠坂は軽々と防ぐ。

遠坂「あーあーそんなんじゃ私に傷一つ付けられないわよ?
いい、魔術ってのはねえ――――こういうのを指すのよ!!」

遠坂は二つの宝石を握り、投げるモーションに入った。

慎二「ううっ・・・!!」

僕は目を強く閉じた。



――――愚かですね


遠坂「え?」

瞬間

ぼと・・・

遠坂「あ、あああ・・・ひっ左腕・・・私の左腕がああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」




427:2012/02/13(月) 23:33:21.40 ID:3k6MG12U0

アーチャー「り、凛!?」

遠坂「いやああああああああああああああ!!!!!!」


ライダー「本当はアーチャーを闇討ちするつもりだったんですが、変更です。あなたを殺します」

慎二「ら、ライダー!?」




士郎「遠坂・・・?」

イリヤ「あーもうダメね、あれ。バーサーカー!!そこまでにして帰るわよ!!!!」

バーサーカー「・・・!!!!」

ランサー「んだよ、逃げんのか!?」

イリヤ「うん。そもそも今日は一人倒せればよかったから。それに」

イリヤは遠坂をチラっと見て、

イリヤ「もう一組くらいは勝手に消えてくれそうだしね」

そう言うとバーサーカーに飛び乗り、去って行った。



434:2012/02/14(火) 00:39:23.46 ID:hKypCY+U0

>>427から


ランサー「まあそう言うなよ!!」

セイバー「待ちなさいランサー!!」

ランサーは高く飛び上がり、

ランサー「『突き穿つ死翔の槍』!!」

紅い槍を投げた。


槍はバーサーカーの背中を貫くが・・・

イリヤ「ふん、バーサーカー」

指示を出すとバーサーカーは何食わぬ顔で槍を抜き、ランサーに投げ返した。

ランサー「ちっ」

士郎「お前、遠坂はお前の仲間じゃなかったのかよ!!」



イリヤ「べっつに~。私達は『互いに攻撃をしない』という約束をしていただけよ。それに、貴方もいいの?お友達」

士郎「!?何を言って・・・」

セイバー「し、士郎!!慎二氏が―――」




440:2012/02/18(土) 00:29:21.28 ID:1UuSQJbL0

慎二とライダーの周囲は血で溢れていた。

士郎「慎二!!ライダー!!」


ライダー「・・・せん」

士郎「ら、ライダー!?」

ライダー「申し訳ありません慎二・・・ごめんなさい桜・・・」

ライダーは涙を流していた。そして身体は薄れて行き、消滅してしまった。

士郎「慎二!!慎二!!!!起きろよ慎二!!!!」

身体を揺さぶるが、動かない。


441:2012/02/18(土) 00:33:24.75 ID:1UuSQJbL0


遠坂「無駄よ!!そいつはもう動かないのよ!!もう死んだのよ!!あはははははは!!!!」

士郎「遠坂てめえええええええ!!!!」

セイバー「士郎、今は耐えてください」

士郎「セイバー・・・」

セイバー「彼女にはもう何も出来ません」

遠坂「さぁ~て次は貴方よ引きニート・・・やっちゃいなさいアーチャー!!」


だが、呼びかけにアーチャーは答えない。

遠坂「アーチャー!!アーチャーどこにいるの!?速く私を助けてよ!!サーヴァントでしょ!?」

遠坂はひたすらいなくなった従者を呼ぶが何も起こらない。


442:2012/02/18(土) 00:41:48.37 ID:1UuSQJbL0

アサシン「忘れたか!!アーチャーはお主を庇って死んだのだぞ!!」

アサシンが一喝した。

遠坂は思い出したのか、顔を強張らせた。

遠坂「っ・・・あの役立たずが・・・!!!!」


セイバー「・・・哀れですね」

アサシン「セイバー・・・」

遠坂「セイバー・・・そうよセイバー!!貴方私のサーヴァントになりなさい!!」

セイバー「・・・」

士郎「な、何を言っているんだ!?」

遠坂「そうよ!!あなたが私のサーヴァントになればこの戦いも楽勝よ!!そんな奴さっさと切り捨てて私のサーヴァントになりなさい!!」


443:2012/02/18(土) 01:02:14.85 ID:1UuSQJbL0

セイバー「そうですね」

遠坂「そうよ、セイバー!!私と組めば常に満足な状態で戦えるし宝具も何度でも使えるわ!!」

セイバー「ですがお断りします」

遠坂「な・・・何でよ!?」

遠坂はとても驚いた顔をしていた。

セイバー「私はマスターの召還に応じた時にマスター、衛宮士郎の剣となり盾となるとこの剣に約束した。ですから貴方の誘いには乗れません。
それに私個人としても貴方のような人とは組みたくありません。確かに制約はありますが、今の私にはそれを補う程の仲間がいる」

遠坂「仲間?くだらないはね」

セイバー「でも貴方は私の仲間に敗れた。バーサーカーもいません。今の貴方には貴方を守ってくれる、助けてくれる仲間はいますか?」

セイバーはクスッと笑いながら答えた。不覚にもかわいかった。




――――そうだ。それでいい、セイバー。


450:2012/02/20(月) 00:15:40.22 ID:1+EpGP0v0

セイバー「何者!?」

?「我だよ、セイバー」

現れたのは、金色の鎧をまとった男。

セイバー「なっなんであなたが・・・」

士郎「知ってるのか!?」

セイバー「はい・・・」

セイバーは剣を構えた。

?「まあ待て。今夜はお前と戦いに来たのではない」



452:2012/02/20(月) 00:21:46.75 ID:1+EpGP0v0

セイバー「では、何の用だ・・・!!」

?「うん、まずはそこの雑種」

?は俺と先生を見た。

士郎「な、なんだよ・・・」

葛木「・・・」

?「なかなか面白かったぞ。そこで死んだ雑種も同様にな。力無き者が力有る者に立ち向かう貴様らの姿には心を躍らされた。だが―――――」

?はどこからか出ている鎖を引っ張った。

?「―――――貴様は別だ!!」


453:2012/02/20(月) 00:39:05.72 ID:1+EpGP0v0

遠坂「ひっ―――――」

その鎖は遠坂の身体を拘束した。

遠坂「なっ何よこれ!!」

抵抗するが、鎖は動かない。

?「下衆が、見ていて吐き気がするわ」

?の背後から無数の剣が出てきた。?そこから剣を1本抜き、遠坂に投げた。

投げられた剣は遠坂の右腕に刺さった。

遠坂「ぎゃああああああああああいだいいいいいいいいいい!!!!」


454:2012/02/20(月) 00:42:27.20 ID:1+EpGP0v0

?「下らぬ私情で令呪を使い英霊の誇りを汚し!!」

さらにもう一本剣を投げる。それは左足を貫いた。

遠坂「あああああああああああああ!!!!」


士郎「やっやめろ!!このままだと遠坂は!!」

?「ほう、コレを庇うか。忘れた訳ではあるまいな?コレは貴様の友を殺した張本人だぞ?」

士郎「っ・・・!!」

そうだ。遠坂は慎二を殺した張本人・・・。でも・・・俺は・・・!!



士郎「確かにそうだ確かに遠坂は慎二を殺した・・・だけど・・・!!」


455:2012/02/20(月) 01:03:20.90 ID:1+EpGP0v0

?「だけど・・・何だ?」

士郎「っ・・・」

言葉が出ない。

?「何も言えないようだな。そうだ、お前のような人間は確信を突かれると何も言えなくなる」

ああ、そうさ・・・。俺は引きこもってた時もいつも・・・。

?「本当は自覚してるのだろう?本当はこの女も我が殺すのではなく自分自身の手で殺したいのだろう?いい加減自分を受け入れろこの偽善者が」


士郎「・・・」

クソっなんだよ・・・なんでだよ・・・!!

士郎「あああ・・・」

何でだよ

士郎「うわあああああああああああああ!!!!」


何で泣いてんだよ・・・!!



ああそうさ分かっていた、本当は自分がどんな人間なのかも分かっていたよ!!


457:2012/02/20(月) 01:50:40.84 ID:1+EpGP0v0

俺はひざを付き、うなだれた。

?「ふん、そんなもんか。王の財宝」

背後からの剣の数がさらに増した。

?「やれ」

剣が一斉に放たれた。

セイバー「士郎!!」

セイバーは駆けつけるが―――――

?「ふははははははははは!!!!」

?がセイバーに切りかかる。


458:2012/02/20(月) 01:56:52.66 ID:1+EpGP0v0

セイバー「士郎逃げてください!!」

彼女の呼びかけも届かない。


アサシン「士郎殿!!」

士郎「・・・」

俺を守ったのはアサシンだった。俺の前に立ち、剣を払う。

士郎「あさ・・・しん」

アサシン「奴の言葉に動揺してしまうのは分かる。だが、お主はお主だ。何も奴の言葉が全てじゃない」

士郎「じゃあどうすればいいんだよ・・・」

アサシン「士郎殿、確かにその問いに答えは無い」


459:2012/02/20(月) 02:01:37.68 ID:1+EpGP0v0

アサシンは剣を一瞬で振り払い、?に切りかかった。

?「っく、おのれ雑種が!!」

アサシン「セイバー!!ランサー!!士郎殿と宗一郎殿を連れて逃げろ!!奴は私が討つ!!」


セイバー「・・・分かりました」

ランサー「すまない・・・」


アサシン「士郎殿」

士郎「・・・?」

アサシン「答えがないからと言ってお主はこんな所で立ち止まっていいのか?」

士郎「!!」

アサシン「自分なりの答えを導け。お主は若い、その若さは今のお主の最大の武器だ。
今を生きろ。それが若者がなによりも第一に優先することだ。さあ、行け」



士郎「アサシン、ありがとう・・・」


アサシン「こちらこそ、楽しい一夜だった。ではな」





472:2012/02/26(日) 02:15:48.93 ID:iW3RyF9L0

家 リビング

士郎「はあはあ・・・」

セイバー「大丈夫ですか、士郎?」

士郎「なんとかな・・・」

ランサー「にしても、最初より大分面子が減っ―――――セイバー「ランサー!!」

セイバーの一声にランサーは「はいはい」と言い外に出た。先生は縁側にいる。一人でいたい、だそうだ。


士郎「ランサーの言うとおりだな。ははっ・・・なんかもう、一瞬だったな。一瞬で色んな物が無くなったから実感ねーや」

セイバー「士郎・・・」

士郎「わり、頭冷やしてくるわ。俺も一人でいたい」

セイバー「はい・・・」


473:2012/02/26(日) 02:17:24.53 ID:iW3RyF9L0

柳洞寺

桜「兄さん・・・」

桜は動かない慎二にそっと触れた。

桜「ごめんなさい・・・私が戦いを拒否したばかりに・・・ごめんなさい・・・」

ポツリポツリと呟く。

――――兄に会いたいか?

桜「だ、誰ですか!?」

言峰「言峰綺礼、この聖杯戦争の監督者だ」

桜「何のようですか・・・?」

言峰「取引をしよう。私が間桐慎二を助けよう。その代わり――――」


474:2012/02/26(日) 03:23:42.30 ID:iW3RyF9L0



士郎「・・・」

ランサー「悩んでいるようだな」

士郎「ランサー・・・」

ランサー「どうだ、何か答えでたか?」

士郎「そんな早くでねーよ」

ランサー「だろうな。まあせいぜい悩むこった。それが若者の特権だ」

士郎「それアサシンも言ってたぞ」

自然と口元をニヤケさせた。

ランサー「なんだ、笑えるじゃねえか。お前」

士郎「あ・・・」

ランサー「まあそう抱え込むな。まだ現実を受け入れられなきゃその時まで待てばいいんだ。泣くのもその時でいいだろう?」

士郎「まあ・・・そうかな?」

ランサー「そうだよ――――ちっこんな時に・・・」

士郎「誰だ?」

ランサー「気配からしてバーサーカーだな」


480:2012/03/11(日) 03:31:26.54 ID:GxGydD7S0

士郎「バーサーカー・・・」

セイバー「士郎!!」

ランサー「来るぞ・・・」


門がゆっくりと開かれた。

イリヤ「・・・バーサーカー」

バーサーカー「――――・・・」


セイバー「何の用だ?」

イリヤ「ねえ、あの金色のヤツ何なの?」

士郎「?何を言っているんだ!?」

イリヤ「だからあの金ぴか何なのって聞いてるの!!」

ランサー「あいにく俺たちも知らん。他を訪ねな」

イリヤ「む~・・・!!」


481:2012/03/11(日) 03:32:47.43 ID:GxGydD7S0

――――役者は揃っているな


士郎「この声は!?」

セイバー「またか!!」

?「ふはははははははははは!!!!」

またあの金ぴか・・・!!

イリヤ「あなた何者よ!!」

?「我か?我の名は英雄王『ギルガメッシュ』!!」

イリヤ「『ギルガメッシュ』ですって・・・ふざけないで!!バーサーカー!!!!」

バーサーカー「――――――――――――!!!!」


ギルガメッシュ「狂人もどきが我に敵うと思うな!!」

背後から無数の剣をだし、バーサーカーを射る。


482:2012/03/11(日) 03:35:03.42 ID:GxGydD7S0

バーサーカー「――――――!!!!」

バーサーカーは剣を振ってくが、全てを落とせない。剣は少しずつバーサーカーに撃ち込まれていった。


バーサーカー「――――――――――――!?!?!?!?」

イリヤ「う、嘘でしょ・・・ひ、退いてバーサーカー!!」

イリヤの前に戻る。


ギルガメッシュ「分かったろう雑種。そんなサーヴァントで我に勝つのは不可能だ」


士郎「お、おい!!」

ギルガメッシュ「ほう、お前か。何のようだ?」

士郎「お前こそなんで家に来たんだよ!!何か目的があるんじゃないのか!?」



483:2012/03/11(日) 03:50:04.11 ID:GxGydD7S0

ギルガメッシュ「うむ、そういえばそうだったな。そうだお前らに聖杯が完成したことを伝えるべく来たのだ」

セイバー「何ぃ!?」

イリヤ「そ、そんな!!じゃ、じゃあ倒れたサーヴァント達の魂は!?聖杯は七体の英霊の魂を使って降臨させるのよ!!それに聖杯は私の中にあるんだから!!」


ギルガメッシュ「そう一度に叫ぶな。ま、一言で言えばお前以上の器が見つかった、とでも言っておこう。気になるなら聖杯のある先の寺に行けばわかるだろう。

後そこの雑種、ここからどうするかはお前次第だ。このまま逃げるもよし策を練って戦うもいい。面白い答えを期待してるぞ」


果たしてお前はあの少年――――いや、あのライダーのマスター以上の何かが出来るか?



489:2012/03/15(木) 23:59:20.30 ID:YOtMCfW/0

イリヤ「なんなのよ・・・なんなのよアイツは!!!!」

イリヤは家の柱を思いっきり蹴った。

士郎「やめろ、そんなことしても無駄だ!!」

イリヤ「うるさい!!バーサーカーでも敵わなかったヤツをどう相手するのよ・・・。
それに器があっても七人の英霊の魂はどう代用するのよ・・・」




――――――――――――


セイバー「何者!?」

?「我だよ、セイバー」

現れたのは、金色の鎧をまとった男。

セイバー「なっなんであなたが・・・」

士郎「知ってるのか!?」

セイバー「はい・・・」


――――――――――――

士郎「っつ・・・」

そうだ、そういえばセイバーは前の戦争に出てたんだ!!


490:2012/03/16(金) 00:00:16.69 ID:Hb/RsIrx0

士郎「セイバー、ギルガメッシュってもしかして前回の聖杯戦争のサーヴァントなんじゃないか?」

セイバー「・・・はい」

士郎「戦ったのか?」

セイバー「戦いました・・・」

士郎「決着は?」

セイバー「ついていません・・・最後の最後で切嗣に令呪で『聖杯を破壊しろ』と命令されました。聖杯を破壊した時私は魔力が尽きて消滅しました」

士郎「っとなるとギルガメッシュはそのまま生き残ったのか・・・。なあイリヤスフィール、聖杯を呼び出すには七人の英霊の魂が必要なんだよな?」

イリヤ「う、うん・・・」

士郎「ならその器に七人分の魂が満たなかったらどうなるんだ?」

イリヤ「前回は、私のお母様が器を宿したホムンクルスだった。サーヴァントが倒れるごとに器に力が宿ってホムンクルスの身体は持たなくなる・・・」

士郎「切嗣が聖杯を破壊しろって言ったことはその時には聖杯はホムンクルスの身体を破って現界してたってことだ」

イリヤ「・・・何が言いたいの?」

士郎「じゃあセイバーに破壊されるまでに聖杯に溜まった魂はどうなるんだろう?」

イリヤ「・・・!?」


491:2012/03/16(金) 00:13:45.34 ID:Hb/RsIrx0

士郎「後、よく考えるとこの聖杯戦争には穴がある。セイバー、お前は叶えたい願いがあってこの戦争に参加した、そうだろ?」

セイバー「はい」

士郎「サーヴァントの魂七人必要ってことはその最後の最後まで生き延びたサーヴァントはどうなるんだろう?」

セイバー「え・・・」

士郎「願いを叶えるにはサーヴァントの魂七人必要、つまりサーヴァント七人全員死んでなきゃいけないんだ」

セイバー「じゃ、じゃあ私は何のために・・・」

ランサー「ま、俺は強いヤツと戦えれば満足だからな。願いなんざもう果たしたも当然だ。坊主、ここまで言い切ったってこたあ何かでかいことをやるんだな?」



親父は気づいたんだ、聖杯のシステムに。だから破壊したんだ。



士郎「ああ・・・俺は聖杯を破壊する!!!!」




492:2012/03/16(金) 00:31:31.30 ID:Hb/RsIrx0

士郎「セイバー、俺に協力してくれないか?」

セイバー「・・・そうですね、今の私ならどんなことでも受け入れます」

士郎「セイバー・・・」

セイバー「何よりも今の私は士郎のサーヴァントです、協力しない訳ないでしょう?それに私はギルガメッシュとの決着もまだ残ってます」

士郎「ありがとう・・・ランサーは?」

ランサー「全力で戦えるみてーだから付いて行ってやるよ」

士郎「よし。君は?」


イリヤ「・・・このままあなたたちが聖杯を破壊したら私はどうすればいいのよ」

士郎「え・・・」

イリヤ「わかんないでしょう・・・たった一つの目的のために作られた『物』の気持ちなんか・・・。そのたった一つの目的が無くなったら私は何のために生きてるのよ!!!!」

そのまま家から走って出て行ってしまった。

士郎「おい!!!!」



――――待て

葛木「ここは私が行く」

士郎「先生・・・」

葛木「話は全部聞いていた。お前らは先に行け。あの少女は私に任せてもらおう」

セイバー「でも彼女にはバーサーカーが・・・」

葛木「承知の上だ」


496:2012/03/18(日) 00:52:49.47 ID:eyK+SQnz0

士郎「行けるか?」

セイバー「いつでも」

ランサー「行けるぜ」

士郎「作戦は説明した通りだ。頼んだぞ、セイバー」

セイバー「任せて下さい」

士郎「よし、じゃ行こうか!!」


柳洞寺

ギルガメッシュ「来たか」

セイバー「お前の相手は私だ。あの時の決着を」

剣を構え、目線で合図を送り士郎達を先へ行かせた。

ギルガメッシュ「少年とランサーは聖杯に行ったか。まあ大丈夫だろう」

ギルガメッシュも剣を抜く。

セイバー「行くぞ英雄王・・・!!」

ギルガメッシュ「来いセイバー!!力の差を思い知らせてやる!!」


497:2012/03/18(日) 00:53:27.20 ID:eyK+SQnz0

???

言峰「来たか」

ランサー「よー糞神父、借りはきっちり返させてもらうぜ!!」

士郎「お前が全ての元凶・・・」

言峰「これは初めまして、セイバーのマスター。私は言峰綺礼。今回の聖杯戦争の監督役をさせてもらっている」

士郎「じゃあその監督役が何故ランサーの令呪を持っていて前の聖杯戦争のサーヴァントを使役してるんだ?」

言峰「聖杯戦争にルールというものは存在しない。最終的に一組のサーヴァントとマスターが生き残ればいいのだ。たとえそのマスターが開始初期のマスターでない人間でもな。だから私はランサーの最初のマスターを殺害しその令呪を奪った。まあ正直聖杯に願うべき目的も特に持っていないのだがな」

士郎「じゃあお前は何がしたいんだよ!!」

言峰「参加者たちの感情にまみれた殺し合いを見たかった、ではダメか?」

士郎「お前・・・!!」

言峰「遠坂凛に最期は人間の欲がよく出ていて見ていて愉しかった」

士郎「お前は―――――ランサー「やめろ、もういい」

士郎「ランサー・・・」

ランサー「よく見ろ、野郎は今のお前を見て愉しんでるんだ」




498:2012/03/18(日) 01:05:09.27 ID:eyK+SQnz0

士郎「・・・!!」

言峰は口元をニヤケさせていた。

言峰「おっと失礼」

ニヤケテいた口を戻した。

言峰「そろそろ儀式を始めよう。聖杯を召還するにはあらかじめアインツベルンの器が必要だ。だが今回はアインツベルンの器でない者が器となる」

言いながら、あらかじめ書かれていた魔法陣の中央にある何かに被せてある布を引っ張った。

士郎「・・・な、何で」


言峰「そう、君なら彼女を知ってるだろう」

士郎「桜あああああ!!」

俺は走りだすが、ランサーに阻まれる。

ランサー「今お前があそこに行ったらお前も媒体になっちまうぞ!!」

そうしてる間にも、魔法陣から出てくる黒い何かによって桜は包まれていった。


言峰「さあ来るぞ、聖杯が・・・!!」


500:2012/03/18(日) 02:17:30.93 ID:eyK+SQnz0

言峰「な、なんだこれは!?」

士郎「よく見えない、ランサー」

ランサー「確かにコレは・・・。まさか器の娘が―――」



?「ふふ・・・」

ランサー「立ち上がるとわな・・・」


言峰「馬鹿な何故間桐桜が!?」

桜?「何故って私が聖杯そのものだからに決まってるじゃないですか」

言峰「何を言って―――ぐああああ!!」

桜?「そういえばあなたの心臓ってこの泥が変わりになってるんですね。もういいですよ、あなたの出番は終わりです」

言峰「あ、ああああ・・・」

言峰は倒れ動かなくなった。


501:2012/03/18(日) 02:22:32.43 ID:eyK+SQnz0

士郎「桜・・・なのか?」

桜?「先輩、来てくれたんですね」

士郎「なんでお前が聖杯の器なんかに!!」

桜?「そうですね、まずは経由から――――」


数時間前

言峰「――――どうだ?」

桜「・・・分かりました。そうすれば兄さんを助けてくれるのですね」

言峰「交渉成立だな。では、間桐慎二を助けよう――――」

言峰は呪文を唱えると、慎二の傷が塞がった。

言峰「さあ、兄の心臓の鼓動を聞いて確認してくれ」

桜「はい――――」

慎二の胸に耳を当てる。


ドクン、ドクン

桜「確かに動いてます」

言峰「少しすれば目を覚ます。これからの事を考えれば、場所を移すべきだろう。ギルガメッシュ 、話は聞いていたな?」

ギルガメッシュ「なんだ、我にやれと言うのか?」

言峰「そう言うな。アインツベルンの器に代わる器が手に入ったのだ。それくらい許せ」

ギルガメッシュ「・・・まあいいだろう」



502:2012/03/18(日) 02:36:15.12 ID:eyK+SQnz0

桜?「そして私の身体には第四次聖杯戦争の「聖杯のかけら」を翁様によって体内に埋め込まれていてですね――――ああ、翁様は殺しましたよ。ライダーを呼んだ直後に令呪を使ってね。翁様の施しなしでは生きられない体でしたが構いませんでした。自由になりたかったから。
私が聖杯と同化してなお意識があるのは今まで溜め込んできた憎悪と欲望が聖杯のもの飲み込むレベルみたいなんですよ」

士郎「桜、お前そこまで思い込んでたのかよ・・・」

桜?「悲しまないで下さい。大丈夫です。みんな一緒になりますから」

桜の陰からまっくろな触手が出てきた。それは俺の元に寄ってくる。



ランサー「こっからは俺の出番だな」

寄ってくる触手を切り伏せ、俺を掴み大きくジャンプで距離を取った。

桜?「ふふふふふあはははははははははははははははははははははははははは!!!!私を拒否するんですか先輩!!」



503:2012/03/18(日) 02:37:18.36 ID:eyK+SQnz0



――――――


葛木「見つけたぞ・・・」

イリヤ「何よ・・・」

葛木「目的が無くなったら私は何のために生きてる、と言ったな。では、君はそこからどうする?」

イリヤ「知らないわよ、そんなの」

葛木「生きる目的がないなら生きる目的を探そうと思わないのか?」

イリヤ「あなたって寡黙な人だと思ってたけど案外ポジティブなのね」

葛木「別にポジティブなのではない。ただ私自身がたかが一人殺すための道具として育てられたからな、君の気持ちが少し分かる気がしてな。まあ違いといえば心があるかないかの違いだがな」

イリヤ「こ、心?」

葛木「そうだ。君には心があるからこうして様々な感情の変化を起こしている。私の心は道具になる過程でなくなってしまった。本来仕事を果たした後に自害するはずだったが、自身の生に疑問を感じてな。そのまま惰性で今まで生き続けた」

イリヤ「・・・ねえ」

葛木「何だ」

イリヤ「生きる目的を探すって言っても何をすればいいのよ・・・。今まで城で暮らしてたから外のこととか全然わかんないよ」

葛木「とりあえず生きろ。生きていろんな所に行ってその目で世界を見ろ。それに聖杯戦争もまだ終わってない。ここまで上がって来たんだ、聖杯の真実に向き合うのもまた一つだ」



504:2012/03/18(日) 02:46:46.48 ID:eyK+SQnz0

イリヤ「真実、か。そうだね、聖杯のために生きてきた私が聖杯から逃げてどうすんのよ・・・」

葛木「決心は着いたな」

イリヤ「うん。とりあえず今目の前の問題をなんとかしようと思う。で、それが終わったらバーサーカーと二人で世界をいっぱい見て回るんだ!!教会から追ってが来てもバーサーカーがぶっ倒しちゃうんだ!!」

葛木「そうか、なら早く行くといい。あのギルガメッシュとやらはセイバーが相手をしてランサーが聖杯を破壊する算段だそうだ」

イリヤ「分かった、行ってくるね!!えっと・・・」

葛木「葛木宗一郎だ。先生と呼んでくれ」

イリヤ「うん、ありがとう先生!!」



――――――



桜?「ふふふふふあはははははははははははははははははははははははははは!!!!私を拒否するんですか先輩!!」

あちゃー、形は彼女だけど根元は完全に飲まれてるね。

でも私は――――――



ランサー「っち、きりがねえ・・・」

士郎「ひいいいいいいまた寄ってきて―――――バーサーカー「―――――・・・」

士郎「ば、バーサーカー?」

イリヤ「情けない声出さないでよ。さ、立って」

士郎「あ、ああ」

もう逃げない!!


イリヤ「聖杯よ、私はお前を倒す!!」





509:2012/03/25(日) 23:45:42.20 ID:8VFnefAa0

桜?「私を倒す?もはや聖杯の器ですらないただのホムンクルスが何を言ってるんですか!?」

黒い触手がイリヤに襲い掛かる。

イリヤ「バーサーカー!!」

バーサーカー「―――――!!」

バーサーカーの一振りで触手を振り払う。

桜?「まだまだ来ますよ!!」


イリヤ「バーサーカー!!」

バーサーカー「――――――――――――――――――!!!!!!!!」

士郎「ランサー!!」

ランサー「任せなあ!!」



510:2012/03/26(月) 00:02:51.81 ID:VBLhYP0V0

士郎「な、なあ・・・」

イリヤ「あの子を助けたい、でしょ?」

士郎「ああ・・・」

イリヤ「無理よ。確かに身体や挙動はあの子でも心の根元は完全に聖杯に犯されてる。諦めて」

士郎「そんな・・・。なあ、聖杯ってそもそも何なんだよ!!願いを叶える器って聞いたけどあれじゃむしろ破壊しようとしてるじゃねえか!!!!」

イリヤ「そうね、聖杯の実態がこんな憎悪に満ちた物なら衛宮切嗣が破壊したのも納得だね」

士郎「お前なんで親父の名前を・・・」

イリヤ「この戦いが終わったら教えてあげる!!」


――――

慎二「・・・ここは?僕の部屋?っつう・・・!!」

そうだ・・・!!僕はあそこでライダーと一緒に・・・。

慎二「っさ、桜!!桜は!?」



511:2012/03/26(月) 00:11:37.99 ID:VBLhYP0V0

空を見上げると夜景は赤黒く染まりつつあった。

葛木「これは・・・」

そうだな。私も何かしなくてはな。

pipipi

電話だ。

葛木「はい」

慎二『先生。僕です、間桐慎二です!!』

葛木「!?何故お前が・・・」

慎二『思い出したんだ、桜が僕なんかのために!!』

葛木「落ち着け。どこにいる――――」


512:2012/03/26(月) 00:36:44.54 ID:VBLhYP0V0

セイバー「はああああああ!!!!」

ギルガメッシュ「ふははははは!!どうしたセイバー!!押されてるぞ!!!!」

おかしい・・・

セイバー「何故宝具を使わない!?」

ギルガメッシュ「それを言うなら何故貴様も宝具を使わない?」

セイバー「質問を質問で返すなあ!!!!」ガキン!!

ギルガメッシュ「分かるぞセイバー。お前が宝具をまともに使用できない程魔力がないことくらいなあ」

セイバー「ハンデのつもりとでも言うのか!?」

ギルガメッシュ「我は無敵であり最強の王だ。ゆえに誰が相手であろうと正統な手段で対等な立場から相手をねじ伏せる!!我が最強の王であることを知らしめるためになあ!!」ガキン!!

セイバー「くっ・・・」

剣の速度が上がった・・・!!

ギルガメッシュ「この戦いもまた同じ。剣技でしか戦えない今のお前にお前の持つエクスかリバーの原点である剣を持って剣技で勝つことで我が最強だということを証明する!!」

連撃の締めに突きが飛んできた。回避しようとするが――――避けられない!?

セイバー「ああああああ!!!!」

剣が肩に刺さった。

ギルガメッシュ「どうした?もうおしまいか?」

剣を引き抜いた。私はその場で一跳びで距離をとり、剣を構え走り出した。

ギルガメッシュ「そうだそれでいい!!全力を出せ!!出し尽くせ!!!!その上でお前を我の全力でねじ伏せてやるわ!!!!!!」



514:2012/03/26(月) 01:08:38.92 ID:VBLhYP0V0

ランサー「バーサーカー!!時間を稼げ!!宝具で一気に決めるぞ!!」

バーサーカー「――――!!」

バーサーカーはランサーの言葉を理解し、動いた。バーサーカーは周囲の触手を速攻で切り裂き、持っている斧剣をブーメランのように投げた。

投げられた斧剣は桜の周囲の触手を裂き桜を襲う。が、

桜「ふふっ・・・」

斧剣を回避せずそのまま受けた。斧剣は桜の身体にぐっさりと食い込んだ。だが桜は動じない。

桜「そんな攻撃通じませんよ!!」

そのまま斧剣を掴み、投げ捨てた。

バーサーカーはそれに反応し斧剣を拾いに行った。そしてバーサーカーが離れた所には槍を構えたランサーがいた。


ランサー「最高だぜバーサーカー・・・」

桜「何!?」

ランサー「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)!!」



520:2012/03/30(金) 02:35:40.84 ID:hV70K04w0

ランサーが投げた槍が桜の胸を貫き爆発した。

士郎「っしゃあ!!」

やった勝った!!

イリヤ「っ!!まだよ!!」

士郎「何だと!?」



飛び散った黒い何かはずるずると集まる。

そしてその中から何事も無かったかのように桜が出てきた。

桜「『私』の中に『聖杯』がある限り私は死にませんよ!!」




521:2012/03/30(金) 02:44:43.56 ID:hV70K04w0

士郎「くそ!!どうすれば・・・」

イリヤ「・・・」

『私』の中に『聖杯』・・・。あの娘から聖杯を分離させなきゃあの聖杯は何度でも蘇る。

ってことは分離させる=あの娘



イリヤ「うわめんどくせえ・・・」

士郎「え?何だ?」

イリヤ「なんでもない。聖杯の倒し方が分かったわ」

士郎「なんだって!?」

桜「へえ・・・」




522:2012/03/30(金) 03:00:20.60 ID:hV70K04w0

桜「聞かせてくださいよ」

イリヤ「ええいいわ。貴女を倒す方法・・・それは貴女自身が貴女の聖杯を拒絶すること!!」

士郎「そ、それって桜を救うことが聖杯を倒すことになるのか!?」

イリヤ「正確にはちょっと違うけどね。桜が聖杯を拒絶すれば聖杯と桜は分離して聖杯本体が現れる」

桜「あっはははははは!!面白いですね、それ。もしこの身体の主人格が聖杯を強く拒絶すれば聖杯は外にあぶり出るでしょう」

士郎「じゃ、じゃあ・・・」

桜「先ぱぁい、いいんですか?もし聖杯が器の外に出たら十年前のようにまた惨めな思いをしますよ?」

士郎「な・・・ど、どういうことだよ!!」

桜「さあ、どういうことでしょう」

士郎「っく・・・」

イリヤ「大丈夫、そんなこと私がさせない」


523:2012/03/30(金) 03:08:27.32 ID:hV70K04w0

イリヤ「士郎、顔上げて」

士郎「そうだな・・・」

イリヤ「さぁーてどうしよっかー」

士郎「俺の声は桜に届かなかったからな」

イリヤ「だとしたら?」

士郎「ああ。あいつしかいない」



――――

葛木「大丈夫か?」

慎二「はい、もう大丈夫です。どうですか?」

葛木「死後役二週間だな」

慎二「桜がライダーを呼んだ辺りか・・・」


524:2012/03/30(金) 03:20:27.00 ID:hV70K04w0

葛木「ということは妹さんが?」

慎二「呼んですぐに令呪を使ったんでしょう・・・。爺さんが前に桜は元々の属性が合わないから無理やり属性を変えたって言ってた。その後遺症で桜は爺さんなしには生きていけなくなってたんだ・・・。
それなのに僕は桜を殴ったり・・・冷たくしたり・・・。僕は・・・桜に何もしてやれてないじゃないか・・・」

prrrr

葛木「私だ・・・」

慎二「こ、こんな時に何のんきに・・・」

葛木「相手はお前の友人だ」

慎二「え・・・」

葛木「泣くのも後悔するのもやるだけやって失敗した時にするのだな。衛宮からの伝言だ。
妹を助けたいなら先生と一緒に早く来いシスコン野郎、だそうだ」




528:2012/04/03(火) 23:08:35.28 ID:i+dVFpo/0

士郎「二人とも来るってさ!!」

イリヤ「よし、後は時間稼ぎさえ出来れば・・・!!」

ランサー「向こうも段々力が上がってきてる!!さっさと決めないとまずいぞ!!」


士郎「っく、こうなったら・・・!!桜!!俺だ!!分かるだろ!?戻って来い、今までのようにまた――――
桜「うるせえんだよ!!糞ニートが!!」

イリヤ「oh・・・」

バーサーカー「oh・・・」

ランサー「oh・・・」



桜「貴方には本当に失望しましたよ!!私の憧れで!!私の目標!!私の自慢の先輩だった!!!!でも現実はメンタルが弱いへたれ引きニートだった!!!!分かりますか!?分からないでしょうね!!理想の先輩がこんな糞野郎だった現実を知ったこの気持ちが!!」

士郎「お、お前いつから・・・!!」




530:2012/04/04(水) 00:35:23.01 ID:WBC84NYf0

桜「最初からに決まってるでしょう!!いつも一緒にいたんですから!!」

士郎「いや、そうだけどさ・・・」

桜「だけどさってなんですか!?強がないでくださいよ!!あーもうホントイライラする貴方のそういう所!!」

士郎「・・・・・・」

俺は言い返せなかった。

イリヤ「何よ一方的に!!あなただって十分ヘたれてるじゃない!!何でもかんでも一人で抱え込んで!!悲劇のヒロイン気取り!?」

桜「言わせておけば!!!!」




531:2012/04/04(水) 01:08:06.34 ID:WBC84NYf0

ランサー「来るぞ!!」

イリヤ「士郎、ランサー時間を稼いで!!」

ランサー「何かあんのか!?」

イリヤ「うん。バーサーカー!!」

バーサーカー「―――― ・・・」

士郎「何すんだ?」

イリヤ「バーサーカーの狂化を解除する。解除して本来の宝具を使用させる!!」

ランサー「お前それがどういうことか・・・」

イリヤ「分かってる!!でももうランサーも限界でしょ?バーサーカーも命のストックが三回も減った!!やるしかないの!!」

――――

葛木「大丈夫か?」

慎二「ええ・・・」

葛木「この先でセイバーが戦っている。回り込むぞ」

慎二「はい・・・」

待ってろよ、桜・・・!!!!



537:2012/04/24(火) 23:22:29.17 ID:bWUoAx8o0

イリヤ「みんなが時間を稼いでる。行くよ、バーサーカー・・・」

バーサーカー「・・・」

イリヤ「――――――――」


―――――――

士郎「桜!!もう少しで慎二が来るんだ!!」

桜「だったらなんですか!?」

士郎「桜は慎二を助けたくてそうなったんだろ!?だったら・・・」

桜「うるせえええええええええええええ!!!!」


ランサー「させるか!!」

桜が動く前に投擲した槍が首に刺さった。

桜「んふふ・・・だからそんなんじゃ死にませんって・・・」

ランサー「ちっ・・・」





538:2012/04/24(火) 23:48:37.24 ID:bWUoAx8o0

桜「もういいんですよ。滅んじゃえばいいんですこんな世界。誰も助けてくれない世界なんていらないんですっ・・・」

士郎「馬鹿野郎!!イリヤの言葉が届かなかったか!?なら俺が言ってやる!!ただ待ってるだけで自分では何もしないへたれ野郎が『誰も助けてくれない世界なんていらないんです』なんて言うんじゃねえ!!」

桜「じゃあ助けてくれたんですか!?あなたは!!
無理でしょう!?すぐ引きこもるあなたに私を助けるなんてできないでしょう!?」

士郎「俺じゃなくたって兄貴がいるだろ!!!!本当は知ってんだろ!?誕生日にケーキ作ったりプレゼントくれたりしてんのも・・・慎二がどうしようもないシスコン野郎だって知ってんだろ!?知らないとはいわせねえぞ!!!!」

桜「ううっ・・・さい」

士郎「え!?」


桜「うっせえんだよおおおお!!!!」

ランサー「なっこの威力は・・・!!」



――構えてバーサーカー

――ええ・・・

『射[ピーーー]百頭』





553:2012/06/11(月) 23:08:46.34 ID:4iHKjv6AO

イリヤ「ナインライフズ!!」


桜「そんなもんが・・・な、何!?」

桜の身体が九つに分割される。

だがその肉片はさっと集まりその影から桜は復活する。

桜「無駄ですっねえ!!」

士郎「え―――」


パァン・・・!!

桜「だ、誰だ!!」



?「待たせたな」

士郎「せ、先生!!ってことは―――」

慎二「よ、地獄の底から復活したぜ」


554:2012/06/11(月) 23:18:59.44 ID:4iHKjv6AO

桜「兄さん・・・ふふっ今更来てもら遅いです――――何ぃっ!?」

膝を付き、胸を抑える。


――――!!


バーサーカー「―――・・・」


―――て!!

ランサー「バーサーカーにも聞こえるか・・・?」

――けて!!

イリヤ「うん、聞こえてるよ」

―すけて!!

士郎「そうだよ。やれば出来るじゃねえか・・・」

たすけて!!

慎二「ああ、今助けるからな―――」


555:2012/06/11(月) 23:24:25.72 ID:4iHKjv6AO

桜「うがあああああアアアアアアアアアコイツ―――――!!!!」

慎二「帰ろう、桜。みんな君を待っている」

慎二が一歩一歩桜に歩み寄る。

桜「や、やめろおおおおおおおお!!!!」

慎二「桜」

手をさしのばす。

桜「うっうぅ・・・―――兄さん」

そっと手をおき―――

慎二「おかえり、桜」

桜「ただいま、兄さん」





556:2012/06/11(月) 23:30:52.54 ID:4iHKjv6AO

で、済めばよかったのにな

二人の後ろにいたのは真っ黒な肌に、身体全体に刺青がある少年。


桜「え―――」

?「死んでくれ」

慎二「桜!!」

慎二が桜に覆いかぶさる。






















慎二「えっ・・・」


557:2012/06/11(月) 23:45:20.87 ID:4iHKjv6AO

?「な、なんだ・・・これは!?」

少年の胸には見覚えのある短剣が―――

?「馬鹿ですね。消えたサーヴァントをちゃんと把握してないから・・・」

慎二「な、な、ら、ライダー!?」

ライダーは少年とダガーを払い慎二を立たせる。

ライダー「令呪による『桜を守ってくれ』という命令、確かに果たしました」

ライダーの身体が光だす。

?「ぐうう・・・」

ライダー「さ、二人共彼等の所へ」

桜「う、うん」

慎二「ライダー・・・」

ライダー「肉体を持った聖杯は確かに倒しましたがこれから本体が姿を現します。ま、せいぜい頑張って下さい」

桜「ありがとう、ライダー・・・」

ライダー「頑張って、桜」

桜「うん!!」


558:2012/06/11(月) 23:54:04.90 ID:4iHKjv6AO

ライダーは光となり消滅した。

イリヤ「さあ、ようやく本体のお出ましね!!」

士郎「そうだな!!」

二人は空に浮かぶ黒い球体を見る。

これが聖杯。


士郎「こんなのが聖杯なら破壊したくもなるわな」

イリヤ「ええ。じゃあ―――」

イリヤ・士郎「「野郎を叩きのめせ!!バーサーカー(ランサー!!)!!」」

バーサーカー「――――!!!!」

ランサー「行くぜええええええ!!」


ランサーとバーサーカーは全力の一撃を与える。

そして―――



我、令呪を持って命ずる―――


559:2012/06/12(火) 00:24:52.85 ID:ufPsVR5AO

セイバー「!?」


ギルガメデシュ「どうしたセイバー?」

セイバー「どうやらこの勝負、私の負けのようだ」

ギルガメッシュ「ほう?」

セイバー「ですが、この戦いは勝たせてもらいます!!」

ギルガメッシュ「何!?」

セイバーは光となり空へと上がった。

ギルガメッシュ「なるほど、そういうことか」





560:2012/06/12(火) 00:39:33.19 ID:ufPsVR5AO

セイバー「これが聖杯!!」

士郎「セイバー!!」

セイバー「士郎!!」

士郎「思いっきり打ち噛ませ!!」

セイバー「はい―――」


この戦いで初めての一撃―――


セイバー「エクス―――」

約束された―――

セイバー「カリバアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

勝利の剣


セイバー「これが私の全力だああああああああああああ!!!!」




561:2012/06/12(火) 00:45:52.36 ID:ufPsVR5AO

―――

――



セイバー「終わりましたね・・・」

士郎「セイバー!!」

セイバー「士郎・・・っ待って!!」

士郎「え、あ・・・」


ギルガメッシュ「・・・」

だが服装が白ワイシャツに黒いライダースーツだった。

セイバー「ギルガメッシュ・・・」

ギルガメッシュ「・・・」パチパチ

士郎「え」

ギルガメッシュ「見事だ。私の負けだ」

セイバー「ギルガメッシュ・・・」

ギルガメッシュ「心配するな。戦いはもう終わった。
我がここに来たのは、お前の見送りだ」


562:2012/06/12(火) 00:51:34.56 ID:ufPsVR5AO

セイバーの身体が光だす。

士郎「せ、セイバー!?」

セイバー「・・・魔翌力がなくなったんです」

士郎「そ、そんな・・・これからだってのに・・・」

慎二「・・・」グッ

ギルガメッシュ「・・・」グッ

ランサー「・・・」グッ

バーサーカー「・・・」グッ

みんなして親指を立てる。イケってか。


よし―――


士郎「セイバー・・・俺、お「士郎―――」

セイバー「・・・」ニコ

士郎「セイバー・・・」

セイバー「もう、大丈夫ですよね?」

士郎「あ、ああ!!大丈夫だ!!だから「もう引きこもることもないですよね?」

士郎「ああ、もう引きこ―――え?」


563:2012/06/12(火) 00:58:28.22 ID:ufPsVR5AO

セイバー「あなたにはたくさんの仲間がいる。だからもう引きこもらなくても大丈夫です。だから―――」

セイバーは士郎に手をだす。

士郎「あ、ああ!!」

そのまま二人で握手。

セイバーは光となり空へ消えた。

士郎「え、あ、おい!!セイバー!?セイバアアアアアアア!!!!」


士郎「おい!!俺なんも言ってねえぞ!!おい!!」ガシ

葛木「・・・」フルフル

士郎「・・・」

ギルガメッシュ「まあ、そのなんだ・・・いいことあるよ、うん」

慎二「そ、そーだよ!!そうだ!!今日学校で桜も一緒に弁当食べようぜ、な?」

桜「そうですね!!先輩も!!」


564:2012/06/12(火) 01:05:56.24 ID:ufPsVR5AO

士郎「いや・・・俺、今日学校休むわ」

ランサー「お前セイバーの話聞いてた?」

士郎「聞いてたけど、さすがに体力がやばいんだよ・・・」

葛木「・・・明日には来いよ」

士郎「来ますよ、もちろん」


























あれから三日たったが、衛宮はまだ学校に来てもいない。


566:2012/06/12(火) 01:26:20.64 ID:ufPsVR5AO

慎二「おい衛宮!!どういうことだ!!」

士郎「・・・」ブチ

慎二「あ!!あのヤロウ・・・」

PRRR

慎二「メール?」


恋愛関係で引きこもるの初めてだから今回は長めに休むわ。

慎二「いつも長いくせに何言ってやがる!!」



―――

ギルガメッシュ「おーい、まだかー?」

士郎「おう、終わった終わった」

ギルガメッシュ「早くアイマスの続きが見たいぞ」

居間にはアイマスのやよいのTシャツを着たギルガメッシュがいた。


567:2012/06/12(火) 01:31:25.21 ID:ufPsVR5AO

ランサー「お前なんでここにいんだよ!!」

ギルガメッシュ「我は暇なんだ。ここにいる方が面白い」

ランサー「ったく・・・」


ピンポーン

士郎「あ、フェイトのフィギュアかな?」




慎二「おーい、えーみやー学校行こーぜー」

桜「せんぱーい!!」

綾子「出て来いよー!!」

一成「外に出よう、衛宮」


士郎『お前らうるせーよ!!近所に迷惑だろうが!!』


568:2012/06/12(火) 01:36:31.80 ID:ufPsVR5AO

葛木「行くのか?」

イリヤ「うん」

葛木「宛てはあるのか?」

イリヤ「ないよー♪とりあえずなんとなーく歩くかなー?」

葛木「そうか」ニッ


イリヤ「あー!!先生今笑った!!」

葛木「そうか?」

イリヤ「うん!!やっぱ笑顔が似合わない人はいないよ!!だからもっと笑って!!」

葛木「まあ善処しよう」

イリヤ「じゃあね!!」

葛木「ああ・・・!!」


570:2012/06/12(火) 01:47:08.83 ID:ufPsVR5AO

慎二「出て来ねーな」

一成「今度は何があったんだ・・・」

綾子「心当たりはあるか?」

桜「え、えっと―――」





なんですか。また引きこもってるんですか?

桜「え!?」

慎二「な、なんで・・・」

色々ありまして、ね。ちょっと引っ張り出して来ますね。


一成「あ、あの・・・」

綾子「あなたは・・・?」

私ですか?


アルトリア「私は――――」




終わり


574:2012/06/12(火) 02:44:27.28 ID:ufPsVR5AO

士郎「やっぱいおりんだな」

ギルガメッシュ「ははは、やよいが1番だと言ってるだろう」

士郎「ランサーは・・・バイトか。ちょっと着替えるわ」

ギルガメッシュ「ういー」


部屋

士郎「・・・」

手元にあるのはセイバーが入った後の風呂の残り湯。

さあ―――



アルトリア「何してるんですか?」


575:2012/06/12(火) 02:50:50.86 ID:ufPsVR5AO

士郎「え、ちょっ、せ、セイバー!?お前死んだじゃ・・・」

アルトリア「勝手に人を殺さないで下さい。せっかくイリヤスフィールに復活させてもらったのに・・・」

士郎「ふ、復活したの?」

アルトリア「はい。ですが私には行く宛てがありません。よければまた契約してここに居させてもらえませんか?」

士郎「も、もちろん!!」

アルトリア「契約成立ですね。またよろしくお願いします、士郎」

士郎「ああ、セイバー」


577:2012/06/12(火) 07:42:10.76 ID:ufPsVR5AO

アルトリア「にしてもまた引きこもってたんですね」

士郎「いや、それは・・・」

アルトリア「約束破った」

士郎「う・・・」

アルトリア「ハア・・・やっぱりあなたには私がいないとダメですね。
決めました!!士郎は私が更正させます!!」

士郎「え、え!?」

アルトリア「そういうことなんでまずは外に出ましょう」

士郎「や、やだ!!出たく―――おわっ」ズルズル

俺はセイバーに引きずられる。

アルトリア「ついでに明日から私が士郎に剣の稽古をつけます」

士郎「え、や、やだよ!!」

アルトリア「ふふっ、覚悟して下さい。私が真人間に戻してあげますから♪」ニコッ


578:2012/06/12(火) 07:42:50.71 ID:ufPsVR5AO

これで本当に終わり。ばいばい。




579:2012/06/12(火) 14:58:18.21 ID:OWO7C+szo

羨ましそうに眺めるアーチャーがそこに・・・!乙


580:2012/06/13(水) 06:44:24.34 ID:JGxnG2tro

乙乙!
セイバー可愛いな


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元スレ:
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1323011766/