1: :2016/03/19(土) 20:46:04.31 ID:XDSWJO49.net
にこ「にっこにっこにーっ!」
穂乃果「にっこにっこにーっ!」
にこ「ほら、もう一回……っ!」
穂乃果「うん……っ!」
にこ、穂乃果「「にっこにっこにーっ!」」
にこ(あぁもうっ! なんで私たち、ドアに向かってこんなことやってんのよ……っ!)
にこ(それもこれも全部、海未が――)
にこ(――あの、変態がっ!)
にこ「にっこにっこにーっ!」
穂乃果「にっこにっこにーっ!」
にこ「ほら、もう一回……っ!」
穂乃果「うん……っ!」
にこ、穂乃果「「にっこにっこにーっ!」」
にこ(あぁもうっ! なんで私たち、ドアに向かってこんなことやってんのよ……っ!)
にこ(それもこれも全部、海未が――)
にこ(――あの、変態がっ!)
2: :2016/03/19(土) 20:50:37.96 ID:XDSWJO49.net
――――――――――
――――――――
――――――
――――
海未「はぁ~。穂乃果ぁ……」スンスン
海未「良い匂いですぅ、穂乃果……」スンスンスン
ガチャ
にこ「……」
海未「……あっ」
にこ「へ……」
にこ「変態だあぁぁーっ!!」
海未「っ!? ちょ、ちょっと待ってください、にこっ! 落ち着いてくださいっ!」
にこ「あ、あんた、何してんのよっ! なんで穂乃果の練習着を、嗅いだりしてんのっ!?」
海未「違うんですっ! これはその、違うんですっ!」
にこ「違わないわよっ! 思いっきり嗅いでたじゃないっ!」
海未「確かにそうかもしれませんが、私は変態じゃありませんっ!」
にこ「嗅いでたんなら変態よっ!」
――――――――――
――――――――
――――――
――――
海未「はぁ~。穂乃果ぁ……」スンスン
海未「良い匂いですぅ、穂乃果……」スンスンスン
ガチャ
にこ「……」
海未「……あっ」
にこ「へ……」
にこ「変態だあぁぁーっ!!」
海未「っ!? ちょ、ちょっと待ってください、にこっ! 落ち着いてくださいっ!」
にこ「あ、あんた、何してんのよっ! なんで穂乃果の練習着を、嗅いだりしてんのっ!?」
海未「違うんですっ! これはその、違うんですっ!」
にこ「違わないわよっ! 思いっきり嗅いでたじゃないっ!」
海未「確かにそうかもしれませんが、私は変態じゃありませんっ!」
にこ「嗅いでたんなら変態よっ!」
3: :2016/03/19(土) 20:52:48.20 ID:XDSWJO49.net
海未「くっ……! まさか、見られてしまうとは……」
にこ「ビックリした……あんたがまさか、変態だったなんて……」
海未「だから私は、変態ではありませんっ! ただ穂乃果の練習着の匂いを、嗅いでただけですっ!」
にこ「なんで匂いを嗅いでたことは認めるのに、変態だってことは認めないのよっ!」
海未「かくなる上は……っ!」スタスタ
にこ「え、なに、こっちこないでよっ!」
海未「あなたも嗅いでください、この匂いをっ!」ググッ
にこ「なんでっ!? 怖い怖いっ!」
海未「この匂いの良さが分かれば、私が変態でないことが分かるはずですっ!」
にこ「いや、なに言ってんのっ!?」
海未「すぐに気持ちよくなれますからっ! さぁっ!」
にこ「いーやーっ!!」ググッ
海未「にこぉ……っ!」ググッ
海未「くっ……! まさか、見られてしまうとは……」
にこ「ビックリした……あんたがまさか、変態だったなんて……」
海未「だから私は、変態ではありませんっ! ただ穂乃果の練習着の匂いを、嗅いでただけですっ!」
にこ「なんで匂いを嗅いでたことは認めるのに、変態だってことは認めないのよっ!」
海未「かくなる上は……っ!」スタスタ
にこ「え、なに、こっちこないでよっ!」
海未「あなたも嗅いでください、この匂いをっ!」ググッ
にこ「なんでっ!? 怖い怖いっ!」
海未「この匂いの良さが分かれば、私が変態でないことが分かるはずですっ!」
にこ「いや、なに言ってんのっ!?」
海未「すぐに気持ちよくなれますからっ! さぁっ!」
にこ「いーやーっ!!」ググッ
海未「にこぉ……っ!」ググッ
5: :2016/03/19(土) 20:57:33.65 ID:XDSWJO49.net
……
海未「はぁ、はぁ……」
にこ「ぜぇ、ぜぇ……」
海未「……まあ色々ありましたけど、これからも良いお友達でいてくださいね、にこ」
にこ「切り替えはやっっ!?」
海未「正直勢いでなんとかなるかと思いましたが、無理そうなので諦めました」
にこ「そりゃ無理よ。他人の練習着嗅いでたんだもん」
海未「にこ。このことは穂乃果や他のみんなには、内密にお願いします」
にこ「……」
海未「そして、どうかこれからも私の親しい友人でいてください。お願いします」
にこ「……いや、そんな急に真剣な顔されても」
海未「お願いします」
にこ「……」
海未「お願いします。なんでもしますから」
にこ「分かったわよっ! 誰にも言わないから……」
海未「もう一つの方は?」
にこ「これからも友達でいてあげるからっ! これでいいっ!?」
海未「にこ……っ」パァ
海未「ありがとうございます。あなたはとっても、優しい人ですねっ」ニコッ
……
海未「はぁ、はぁ……」
にこ「ぜぇ、ぜぇ……」
海未「……まあ色々ありましたけど、これからも良いお友達でいてくださいね、にこ」
にこ「切り替えはやっっ!?」
海未「正直勢いでなんとかなるかと思いましたが、無理そうなので諦めました」
にこ「そりゃ無理よ。他人の練習着嗅いでたんだもん」
海未「にこ。このことは穂乃果や他のみんなには、内密にお願いします」
にこ「……」
海未「そして、どうかこれからも私の親しい友人でいてください。お願いします」
にこ「……いや、そんな急に真剣な顔されても」
海未「お願いします」
にこ「……」
海未「お願いします。なんでもしますから」
にこ「分かったわよっ! 誰にも言わないから……」
海未「もう一つの方は?」
にこ「これからも友達でいてあげるからっ! これでいいっ!?」
海未「にこ……っ」パァ
海未「ありがとうございます。あなたはとっても、優しい人ですねっ」ニコッ
7: :2016/03/19(土) 21:04:50.67 ID:XDSWJO49.net
――――――――――
――――――――
――――――
――――
にこ(あれからもう、半年か……)
海未「――それでですね、その時の穂乃果がもう、すっごく可愛かったんですよぉ」
海未「本当にいつもいつも可愛いですよね。特に『えへへ』って笑った時の顔なんてね、もう、たまりませんよ」
海未「やっぱり彼女の魅力って、純真無垢なあの笑顔にあると思うんですよね。いつか世界を救いますよ、あの笑顔は」
にこ「はぁ……」
海未「ちょっと聞いてます、にこ? 今私は、穂乃果のおかげで世界中から戦争がなくなるのではないかという話を、してるんですよ」
にこ「バカじゃないの?」
海未「穂乃果はそれぐらい可愛いということです。あぁ、穂乃果……」
海未「穂乃果ぁ……可愛いです、いい匂いですぅ……」スンスン
にこ「ちょっと待って。それ、穂乃果のパンツ?」
海未「えっ。あぁ、これですか」スンスン
にこ「やめなさいってっ!」
海未「ふっ、何を今更。いい加減、私が穂乃果の私物を嗅いでいる光景も、見慣れたでしょう?」
にこ「見慣れたわよっ! でも突っ込まざるをえないでしょうがっ!」
海未「分かってます。ここまでが、私とにこのお約束みたいなものですからね」
にこ「そんなつもり全くないんだけど……」
にこ(二人きりになるといつも、こうなのよね……もう、勘弁してほしわ)
にこ(流石に半年も経てば、こいつの変態トークに付き合わされるのも、慣れてきたけどさ……)
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にこ(あれからもう、半年か……)
海未「――それでですね、その時の穂乃果がもう、すっごく可愛かったんですよぉ」
海未「本当にいつもいつも可愛いですよね。特に『えへへ』って笑った時の顔なんてね、もう、たまりませんよ」
海未「やっぱり彼女の魅力って、純真無垢なあの笑顔にあると思うんですよね。いつか世界を救いますよ、あの笑顔は」
にこ「はぁ……」
海未「ちょっと聞いてます、にこ? 今私は、穂乃果のおかげで世界中から戦争がなくなるのではないかという話を、してるんですよ」
にこ「バカじゃないの?」
海未「穂乃果はそれぐらい可愛いということです。あぁ、穂乃果……」
海未「穂乃果ぁ……可愛いです、いい匂いですぅ……」スンスン
にこ「ちょっと待って。それ、穂乃果のパンツ?」
海未「えっ。あぁ、これですか」スンスン
にこ「やめなさいってっ!」
海未「ふっ、何を今更。いい加減、私が穂乃果の私物を嗅いでいる光景も、見慣れたでしょう?」
にこ「見慣れたわよっ! でも突っ込まざるをえないでしょうがっ!」
海未「分かってます。ここまでが、私とにこのお約束みたいなものですからね」
にこ「そんなつもり全くないんだけど……」
にこ(二人きりになるといつも、こうなのよね……もう、勘弁してほしわ)
にこ(流石に半年も経てば、こいつの変態トークに付き合わされるのも、慣れてきたけどさ……)
8: :2016/03/19(土) 21:07:46.58 ID:XDSWJO49.net
海未「仕方ないじゃないですか。私の『本性』を知っているのは、あなたしかいないのですから」
にこ「知らなきゃよかったわ」
海未「……そういえば三月ももう、中頃ですが」
にこ「なによ?」
海未「にこはもうすぐ、卒業してしまうんですよね」
にこ「……」
にこ「……それがどうかした?」
海未「友人として、卒業記念に、何かお祝いをできないかと思いまして」
にこ「なによ急に……。そんなの、μ'sでなんかしらやってくれるでしょ」
海未「いえ、あなたには個人的に、私からお祝いがしたいのですよ」
海未「しかし、何がいいでしょうね……んー」チラッ
海未「……むぅ」ジー
海未「……」スゥゥ
海未「さようなら、穂乃果……」スンスンスン……
にこ「名残惜しそうに嗅いでるとこ悪いけど、そのパンツはいらないからね」
海未「っ!?」
にこ「『っ!?』じゃなくて……」
海未「そうですか……。あっ、では、こんなのはいかがですか?」スッ
にこ「……? イヤホン?」
海未「仕方ないじゃないですか。私の『本性』を知っているのは、あなたしかいないのですから」
にこ「知らなきゃよかったわ」
海未「……そういえば三月ももう、中頃ですが」
にこ「なによ?」
海未「にこはもうすぐ、卒業してしまうんですよね」
にこ「……」
にこ「……それがどうかした?」
海未「友人として、卒業記念に、何かお祝いをできないかと思いまして」
にこ「なによ急に……。そんなの、μ'sでなんかしらやってくれるでしょ」
海未「いえ、あなたには個人的に、私からお祝いがしたいのですよ」
海未「しかし、何がいいでしょうね……んー」チラッ
海未「……むぅ」ジー
海未「……」スゥゥ
海未「さようなら、穂乃果……」スンスンスン……
にこ「名残惜しそうに嗅いでるとこ悪いけど、そのパンツはいらないからね」
海未「っ!?」
にこ「『っ!?』じゃなくて……」
海未「そうですか……。あっ、では、こんなのはいかがですか?」スッ
にこ「……? イヤホン?」
10: :2016/03/19(土) 21:13:32.18 ID:XDSWJO49.net
『海未ちゃんっ』『うーみちゃんっ』『海未ちゃぁんっ!』『うみちゃ――』
にこ「……なによこれ」
海未「これは、穂乃果が『海未ちゃん』と言った時の声を100パターンほど録音し、繋げたものです」
にこ「なんでそんなもん録音してんのよっ!」
海未「一度、繋げて聞いてみたかったのです。すごいですよ、これ。ずっと聞いてると、頭が変になりそうです」
にこ「結構前からなってるわよ」
海未「ちなみに私のMP3プレーヤーの再生回数ランキングでは、『START:DASH!!』の一つ上です」
にこ「真姫に謝れっ!」
海未「卒業記念として、これの『にこちゃん』バージョンを差し上げます」
にこ「いらんわっ!」
海未「えぇっ、せっかくあなたのために録っておいたのに……。では、こちらはどうでしょう?」
にこ「なによ……」
海未「穂乃果の部屋に隠しカメラを仕掛け、彼女の怠惰な生活を録画したDVDです」
にこ「ただの犯罪じゃないっ!」
海未「いいですよ、これは。初めて『これからのSomeday』のPVを見た時くらい、興奮しました」
にこ「あの時の興奮と一緒にするなっ!」
『海未ちゃんっ』『うーみちゃんっ』『海未ちゃぁんっ!』『うみちゃ――』
にこ「……なによこれ」
海未「これは、穂乃果が『海未ちゃん』と言った時の声を100パターンほど録音し、繋げたものです」
にこ「なんでそんなもん録音してんのよっ!」
海未「一度、繋げて聞いてみたかったのです。すごいですよ、これ。ずっと聞いてると、頭が変になりそうです」
にこ「結構前からなってるわよ」
海未「ちなみに私のMP3プレーヤーの再生回数ランキングでは、『START:DASH!!』の一つ上です」
にこ「真姫に謝れっ!」
海未「卒業記念として、これの『にこちゃん』バージョンを差し上げます」
にこ「いらんわっ!」
海未「えぇっ、せっかくあなたのために録っておいたのに……。では、こちらはどうでしょう?」
にこ「なによ……」
海未「穂乃果の部屋に隠しカメラを仕掛け、彼女の怠惰な生活を録画したDVDです」
にこ「ただの犯罪じゃないっ!」
海未「いいですよ、これは。初めて『これからのSomeday』のPVを見た時くらい、興奮しました」
にこ「あの時の興奮と一緒にするなっ!」
12: :2016/03/19(土) 21:15:34.28 ID:XDSWJO49.net
にこ「はぁ……あんたって本当、変態よね」
海未「私は変態ではありませんっ!」グッ
にこ「パンツを握りしめながら言うなっ!」
海未「ですからこれは、仕方がないんです。だって、穂乃果が可愛すぎるんですから」
海未「あんな女の子とずっと一緒にいたら、こうなるのは必然じゃないですか。つまり私は、正常なんです」
にこ「その話も何度も聞いたけど、全然意味わかんないから」
海未「くっ……。この半年間、あらゆる方法で穂乃果の可愛さを伝えてきたはずなのに、どうして分からないのですか」
にこ「私が変態じゃないからよ」
海未「いいえ、あなたは変態です」
にこ「もう無茶苦茶じゃないっ!」
海未「あれだけ可愛い女の子に欲情しないというのは、人として当たり前の感覚を持っていないということでもあり、もうそれだけで異常性癖なんですよ」
にこ「帰るわね」スタスタ
海未「えっ!? ま、待ってくださ――」
海未「……」
海未「……あっ。良いことを思いつきました」ポン
にこ「……?」
海未「あなたと穂乃果を、部室に閉じ込めましょう」
にこ「はぁ……あんたって本当、変態よね」
海未「私は変態ではありませんっ!」グッ
にこ「パンツを握りしめながら言うなっ!」
海未「ですからこれは、仕方がないんです。だって、穂乃果が可愛すぎるんですから」
海未「あんな女の子とずっと一緒にいたら、こうなるのは必然じゃないですか。つまり私は、正常なんです」
にこ「その話も何度も聞いたけど、全然意味わかんないから」
海未「くっ……。この半年間、あらゆる方法で穂乃果の可愛さを伝えてきたはずなのに、どうして分からないのですか」
にこ「私が変態じゃないからよ」
海未「いいえ、あなたは変態です」
にこ「もう無茶苦茶じゃないっ!」
海未「あれだけ可愛い女の子に欲情しないというのは、人として当たり前の感覚を持っていないということでもあり、もうそれだけで異常性癖なんですよ」
にこ「帰るわね」スタスタ
海未「えっ!? ま、待ってくださ――」
海未「……」
海未「……あっ。良いことを思いつきました」ポン
にこ「……?」
海未「あなたと穂乃果を、部室に閉じ込めましょう」
14: :2016/03/19(土) 21:18:19.16 ID:XDSWJO49.net
にこ「……はぁ?」
海未「我ながら名案です。是非、そうしましょう。明日でいいですかね」
にこ「なんかもうずっと、あんたが何言ってるかわからないんだけど」
海未「分からなくても結構です。どちらにしろ、もう決めましたから」
にこ「……私と穂乃果を、部室に閉じ込めるって?」
海未「はい」
にこ「そんなことして、あんたに何の得があんのよ?」
海未「ふっ、私が自分の利益のために、友人二人を部屋に閉じ込めるような女に見えますか?」
にこ「そもそも他人の練習着嗅ぐような女に見えなかったってのっ!」
海未「気にしないでください。卒業記念の、レクリエーションみたいなものだと思っていただければ」
にこ「卒業記念って言っとけば、何でも許されると思ってるわよね、あんた……」
海未「ふふっ」
にこ「なによその笑顔……大体閉じ込めるったって、どうやんのよ」
海未「よくぞ聞いてくれました。実は希から教えてもらった、おまじないがあるんです」
にこ「おまじない?」
海未「はい。簡単に言えば、『特定の部屋に特定の人物二人を閉じ込める』おまじないです」
にこ「……はぁ」
海未「このおまじないを使って、あなたと穂乃果を、部室に閉じ込めます」
にこ「……はぁ?」
海未「我ながら名案です。是非、そうしましょう。明日でいいですかね」
にこ「なんかもうずっと、あんたが何言ってるかわからないんだけど」
海未「分からなくても結構です。どちらにしろ、もう決めましたから」
にこ「……私と穂乃果を、部室に閉じ込めるって?」
海未「はい」
にこ「そんなことして、あんたに何の得があんのよ?」
海未「ふっ、私が自分の利益のために、友人二人を部屋に閉じ込めるような女に見えますか?」
にこ「そもそも他人の練習着嗅ぐような女に見えなかったってのっ!」
海未「気にしないでください。卒業記念の、レクリエーションみたいなものだと思っていただければ」
にこ「卒業記念って言っとけば、何でも許されると思ってるわよね、あんた……」
海未「ふふっ」
にこ「なによその笑顔……大体閉じ込めるったって、どうやんのよ」
海未「よくぞ聞いてくれました。実は希から教えてもらった、おまじないがあるんです」
にこ「おまじない?」
海未「はい。簡単に言えば、『特定の部屋に特定の人物二人を閉じ込める』おまじないです」
にこ「……はぁ」
海未「このおまじないを使って、あなたと穂乃果を、部室に閉じ込めます」
16: :2016/03/19(土) 21:22:46.36 ID:XDSWJO49.net
にこ「そう……」
海未「本当は私と穂乃果で使いたかったんですけどね。閉ざされた部屋で、二人きりで……うふふ」
にこ「……ふわぁ」
海未「ちょっと、真面目に聞いてくださいよっ!」
にこ「じゃあ真面目に話しなさいよ」
海未「……さてはあなた、信じてませんね?」
にこ「いや、信じる方がどうかしてると思う」
海未「いいですか、にこ。このおまじないは、とても強力なんです」
海未「二人のどちらかが『外に出ようとした瞬間』に、おまじないは始まり……それから『条件』を満たさない限り、全くドアが開かなくなるんです」
海未「また、一切の通信手段も、使用できなくなります。故に、外部との連絡を取ることも不可能です」
海未「私の設定した『ある条件』を満たさない限り、あなたたちは絶対に、部室から出ることはできません。これはそういう、おまじないなんです」
にこ「そう……」
海未「本当は私と穂乃果で使いたかったんですけどね。閉ざされた部屋で、二人きりで……うふふ」
にこ「……ふわぁ」
海未「ちょっと、真面目に聞いてくださいよっ!」
にこ「じゃあ真面目に話しなさいよ」
海未「……さてはあなた、信じてませんね?」
にこ「いや、信じる方がどうかしてると思う」
海未「いいですか、にこ。このおまじないは、とても強力なんです」
海未「二人のどちらかが『外に出ようとした瞬間』に、おまじないは始まり……それから『条件』を満たさない限り、全くドアが開かなくなるんです」
海未「また、一切の通信手段も、使用できなくなります。故に、外部との連絡を取ることも不可能です」
海未「私の設定した『ある条件』を満たさない限り、あなたたちは絶対に、部室から出ることはできません。これはそういう、おまじないなんです」
18: :2016/03/19(土) 21:24:02.56 ID:XDSWJO49.net
にこ「……ふーん」
海未「とはいっても、そんなに難しい条件にはしないので、安心してください。出ようと思えば、ちゃんと出られますから」
海未「『レクリエーション』、ですからね」
にこ「……別にどうでもいいけど」
にこ(どうせ嘘に決まってるし)
海未「ですか。それでは明日、よろしくお願いしますね」
にこ「はいはい……ったくどうせなら、もっとマシなおまじないがよかったわ」
海未「マシなおまじない、とは?」
にこ「例えばぁ、にこにーの可愛さを全世界に広めるおまじないとかっ♪」
海未「にこ。『インターネット』って知ってます?」
にこ「現実的な方法を持ち出してくんじゃないわよ」
にこ「……ふーん」
海未「とはいっても、そんなに難しい条件にはしないので、安心してください。出ようと思えば、ちゃんと出られますから」
海未「『レクリエーション』、ですからね」
にこ「……別にどうでもいいけど」
にこ(どうせ嘘に決まってるし)
海未「ですか。それでは明日、よろしくお願いしますね」
にこ「はいはい……ったくどうせなら、もっとマシなおまじないがよかったわ」
海未「マシなおまじない、とは?」
にこ「例えばぁ、にこにーの可愛さを全世界に広めるおまじないとかっ♪」
海未「にこ。『インターネット』って知ってます?」
にこ「現実的な方法を持ち出してくんじゃないわよ」
26: :2016/03/19(土) 21:54:25.94 ID:XDSWJO49.net
――――――
次の日……
部室
にこ「……」カチ、カチ
にこ「……はー」
にこ「うわ、CD出すんだ……絶対買お」
にこ「へぇ……」カチ
ガチャッ
穂乃果「あっ、にこちゃんだぁ」
にこ「……ん、穂乃果?」
穂乃果「あれれ、一人?」
にこ「そうだけど。あんたこそ、海未とことりは?」
穂乃果「なんか海未ちゃんが、ことりちゃんに話があるって。で、先行っててって言われたの」
にこ「ふぅん……」カチ
穂乃果「なにしてるの?」
にこ「パソコン」
穂乃果「パソコンで、なにしてるの?」
にこ「ネットサーフィン」
穂乃果「そっかぁ……」
にこ「……」カチカチ
穂乃果「……」
――――――
次の日……
部室
にこ「……」カチ、カチ
にこ「……はー」
にこ「うわ、CD出すんだ……絶対買お」
にこ「へぇ……」カチ
ガチャッ
穂乃果「あっ、にこちゃんだぁ」
にこ「……ん、穂乃果?」
穂乃果「あれれ、一人?」
にこ「そうだけど。あんたこそ、海未とことりは?」
穂乃果「なんか海未ちゃんが、ことりちゃんに話があるって。で、先行っててって言われたの」
にこ「ふぅん……」カチ
穂乃果「なにしてるの?」
にこ「パソコン」
穂乃果「パソコンで、なにしてるの?」
にこ「ネットサーフィン」
穂乃果「そっかぁ……」
にこ「……」カチカチ
穂乃果「……」
27: :2016/03/19(土) 21:55:41.92 ID:XDSWJO49.net
穂乃果「あっ。練習着忘れちゃった」
にこ「ドジねー。とってきなさい」
穂乃果「はぁい」スタスタ
穂乃果「……あれ?」グッ
にこ「……ん?」カチッ
穂乃果「あれ、にこちゃーん」
にこ「……おかしいわね。ネットに繋がらない……」カチカチ
穂乃果「にこちゃん、にこちゃん」
にこ「ったく、なんで急に……」カチッ
穂乃果「にーこーちゃーん」
にこ「うっさいわねっ! なによっ!? 今こっちは忙しいのっ!」
穂乃果「ドアが開かないよぉ」
にこ「はぁっ!? そんなわけ――」
にこ「……」
にこ「……『ドアが開かない』、ですって?」
――――
海未「……ふふっ。始まりましたね」
海未「お二人とも、どうぞごゆっくり……」
穂乃果「あっ。練習着忘れちゃった」
にこ「ドジねー。とってきなさい」
穂乃果「はぁい」スタスタ
穂乃果「……あれ?」グッ
にこ「……ん?」カチッ
穂乃果「あれ、にこちゃーん」
にこ「……おかしいわね。ネットに繋がらない……」カチカチ
穂乃果「にこちゃん、にこちゃん」
にこ「ったく、なんで急に……」カチッ
穂乃果「にーこーちゃーん」
にこ「うっさいわねっ! なによっ!? 今こっちは忙しいのっ!」
穂乃果「ドアが開かないよぉ」
にこ「はぁっ!? そんなわけ――」
にこ「……」
にこ「……『ドアが開かない』、ですって?」
――――
海未「……ふふっ。始まりましたね」
海未「お二人とも、どうぞごゆっくり……」
28: :2016/03/19(土) 21:59:48.70 ID:XDSWJO49.net
――――――
……
モゾモゾ
にこ「……んん」
にこ「えーっと、こっちがこうで……」モゾモゾ
穂乃果「にこちゃん、パンツ見えちゃいそう」
にこ「見んな。……うーん、線はちゃんと繋がってるわね」モゾ
にこ「となるとパソコンの方が、壊れたのかしら? まいったわね……」
穂乃果「ねーねー、それよりさ、ドア……」
にこ「あーもう。そんなの誰かに電話でもして、外から開けてもらえばいいじゃない」
穂乃果「あっ、そっか。にこちゃん、あったまいいー」
にこ「あんたがバカなだけでしょ」
穂乃果「それじゃ、どうしよっかな……海未ちゃんでいっか」
にこ「……いや、ことりの方がいいんじゃない?」
穂乃果「えっ、なんで?」
にこ「なんとなく……」
穂乃果「そう? じゃあことりちゃんに……」ピッピッ
穂乃果「……あれ。繋がらない」
にこ「……」
穂乃果「あれー? 電波が立ってないよ。おっかしいなぁ」
にこ「うっそでしょ……」
にこ(ドアも開かない……おまけにネットも電話も、繋がらない……)
にこ(これって……)
――――――
……
モゾモゾ
にこ「……んん」
にこ「えーっと、こっちがこうで……」モゾモゾ
穂乃果「にこちゃん、パンツ見えちゃいそう」
にこ「見んな。……うーん、線はちゃんと繋がってるわね」モゾ
にこ「となるとパソコンの方が、壊れたのかしら? まいったわね……」
穂乃果「ねーねー、それよりさ、ドア……」
にこ「あーもう。そんなの誰かに電話でもして、外から開けてもらえばいいじゃない」
穂乃果「あっ、そっか。にこちゃん、あったまいいー」
にこ「あんたがバカなだけでしょ」
穂乃果「それじゃ、どうしよっかな……海未ちゃんでいっか」
にこ「……いや、ことりの方がいいんじゃない?」
穂乃果「えっ、なんで?」
にこ「なんとなく……」
穂乃果「そう? じゃあことりちゃんに……」ピッピッ
穂乃果「……あれ。繋がらない」
にこ「……」
穂乃果「あれー? 電波が立ってないよ。おっかしいなぁ」
にこ「うっそでしょ……」
にこ(ドアも開かない……おまけにネットも電話も、繋がらない……)
にこ(これって……)
29: :2016/03/19(土) 22:05:14.63 ID:XDSWJO49.net
穂乃果「私たち、閉じ込められちゃったみたいだね……」
にこ「……そうね」
にこ(海未が昨日言ってた、『おまじない』……あれ、本当だったんだ……)
穂乃果「んー」グッ
穂乃果「窓も開かないよ。不思議だなぁ」
にこ「……」
にこ(海未のことだから、きっとどこかに隠しカメラでも仕掛けて、私たちの様子を見て楽しんでるんでしょうね……)
穂乃果「どうしよっか、にこちゃん……」
にこ「……あー」
にこ「ま、時間が経てば誰か来るでしょ。それまでの辛抱よ」
穂乃果「そ、そうだよねっ」
にこ(にしても、穂乃果と二人きりか……。んー)
にこ(……暇だし、適当にDVDでも見るか。ネットも繋がらないしね)
にこ「えーっと、そういやあれ、まだ見てなかったのよねー」ゴソゴソ
穂乃果「……」
にこ(ふふっ、残念ね、海未。私と穂乃果を閉じ込めたとこで、あんたの期待してるようなことはなにも起きないわよー)
穂乃果「私たち、閉じ込められちゃったみたいだね……」
にこ「……そうね」
にこ(海未が昨日言ってた、『おまじない』……あれ、本当だったんだ……)
穂乃果「んー」グッ
穂乃果「窓も開かないよ。不思議だなぁ」
にこ「……」
にこ(海未のことだから、きっとどこかに隠しカメラでも仕掛けて、私たちの様子を見て楽しんでるんでしょうね……)
穂乃果「どうしよっか、にこちゃん……」
にこ「……あー」
にこ「ま、時間が経てば誰か来るでしょ。それまでの辛抱よ」
穂乃果「そ、そうだよねっ」
にこ(にしても、穂乃果と二人きりか……。んー)
にこ(……暇だし、適当にDVDでも見るか。ネットも繋がらないしね)
にこ「えーっと、そういやあれ、まだ見てなかったのよねー」ゴソゴソ
穂乃果「……」
にこ(ふふっ、残念ね、海未。私と穂乃果を閉じ込めたとこで、あんたの期待してるようなことはなにも起きないわよー)
30: :2016/03/19(土) 22:15:22.19 ID:XDSWJO49.net
~♪
にこ「……ふふ」
穂乃果「……」
にこ「おおー……」
穂乃果「……」ポケー
にこ「やっぱりプロのアイドルは、違うわねえ……」
穂乃果「……にこちゃん、それ、面白い?」
にこ「うわっ! 今の動き、やばっ!」
穂乃果「……」
にこ「そうよね、アイドルは可愛さだけじゃなくて、ダンスも……」ブツブツ
にこ「……あれ、穂乃果、今なんか言った?」
穂乃果「えっ? う、ううん、なんでも……」
にこ「そう。うわぁ、でもこの人たちは可愛さも、一流なのよねー……」
穂乃果「ふわぁ……」
~♪
にこ「……ふふ」
穂乃果「……」
にこ「おおー……」
穂乃果「……」ポケー
にこ「やっぱりプロのアイドルは、違うわねえ……」
穂乃果「……にこちゃん、それ、面白い?」
にこ「うわっ! 今の動き、やばっ!」
穂乃果「……」
にこ「そうよね、アイドルは可愛さだけじゃなくて、ダンスも……」ブツブツ
にこ「……あれ、穂乃果、今なんか言った?」
穂乃果「えっ? う、ううん、なんでも……」
にこ「そう。うわぁ、でもこの人たちは可愛さも、一流なのよねー……」
穂乃果「ふわぁ……」
31: :2016/03/19(土) 22:19:15.07 ID:XDSWJO49.net
……
穂乃果「……」ウトウト
にこ「……ふぅー。いやぁ、よかったよかった」
穂乃果「っ! 終わったの?」
にこ「えっ? あぁ、一組目がね」
穂乃果「えっ……まだあるの?」
にこ「当然。このDVDは全部で、五組のアイドルが登場するの」
穂乃果「そ、そうなんだ……」
にこ「いやぁ、次のアイドルも私、結構好きなのよねー。楽しみだわ」
穂乃果「はは……」
にこ「……」
にこ「……あんたも一緒に、見る?」
穂乃果「えっ! い、いいのっ!?」
にこ「逆になんでダメなのよ……」
穂乃果「だ、だってにこちゃん、すごく真剣に見てたから……邪魔しちゃいけないかな、って」
にこ「……別に、邪魔ってことないわよ」
穂乃果「そう? えへへっ、じゃあ一緒に見よっ」
にこ「ん……」
……
穂乃果「……」ウトウト
にこ「……ふぅー。いやぁ、よかったよかった」
穂乃果「っ! 終わったの?」
にこ「えっ? あぁ、一組目がね」
穂乃果「えっ……まだあるの?」
にこ「当然。このDVDは全部で、五組のアイドルが登場するの」
穂乃果「そ、そうなんだ……」
にこ「いやぁ、次のアイドルも私、結構好きなのよねー。楽しみだわ」
穂乃果「はは……」
にこ「……」
にこ「……あんたも一緒に、見る?」
穂乃果「えっ! い、いいのっ!?」
にこ「逆になんでダメなのよ……」
穂乃果「だ、だってにこちゃん、すごく真剣に見てたから……邪魔しちゃいけないかな、って」
にこ「……別に、邪魔ってことないわよ」
穂乃果「そう? えへへっ、じゃあ一緒に見よっ」
にこ「ん……」
34: :2016/03/19(土) 22:52:05.23 ID:XDSWJO49.net
にこ「そういえばあんた、アイドルとか詳しいの?」
穂乃果「んー、スクールアイドル以外はあんまり……」
にこ「はっ、ダメねー。これだから最近の後輩は……」
穂乃果「じゃあにこちゃんが教えてよー」
にこ「ん、だからこれが、いま人気急上昇中の」
穂乃果「おぉっ! かっこいいーっ!」
にこ「っ! でしょっ!?」
穂乃果「なんか、A-RISEみたいっ!」
にこ「そう、そうなのよっ! 振付とか、結構通ずるものがあってね」
穂乃果「わー、曲もいいなぁ……」
にこ「そうなのよねえ……」
穂乃果「……♪」ギュゥ
にこ(ていうか、くっつきすぎ……別にいいけど)
穂乃果「~♪」
にこ「……気に入ったなら今度、CD貸すけど?」
穂乃果「ほんとっ? 貸して貸してっ!」ギュゥ
にこ「……」
にこ「そういえばあんた、アイドルとか詳しいの?」
穂乃果「んー、スクールアイドル以外はあんまり……」
にこ「はっ、ダメねー。これだから最近の後輩は……」
穂乃果「じゃあにこちゃんが教えてよー」
にこ「ん、だからこれが、いま人気急上昇中の」
穂乃果「おぉっ! かっこいいーっ!」
にこ「っ! でしょっ!?」
穂乃果「なんか、A-RISEみたいっ!」
にこ「そう、そうなのよっ! 振付とか、結構通ずるものがあってね」
穂乃果「わー、曲もいいなぁ……」
にこ「そうなのよねえ……」
穂乃果「……♪」ギュゥ
にこ(ていうか、くっつきすぎ……別にいいけど)
穂乃果「~♪」
にこ「……気に入ったなら今度、CD貸すけど?」
穂乃果「ほんとっ? 貸して貸してっ!」ギュゥ
にこ「……」
35: :2016/03/19(土) 22:59:36.75 ID:XDSWJO49.net
……
穂乃果「うわーっ! 今のポーズ、すごく可愛かったねーっ!」ユサユサ
にこ「そうそうっ。これね、これっ!」キラン
穂乃果「えっ! すごい、なんでそんな上手なのっ!」
にこ「練習したからに決まってんでしょっ!」
穂乃果「おおっ、さすがにこちゃんっ! えっと、こう?」キラ
にこ「はははっ、違う違う、こうよっ!」キラン
穂乃果「こうっ」キラン
にこ「うわ、超可愛いっ!!」
穂乃果「えっ。ほ、ほんと?」
にこ「あ、いや……」
にこ(な、なに私、素で褒めてんのよ……)
……♪
にこ「……って、あれ? もう終わり?」
穂乃果「あはははっ、楽しかったぁ……」
にこ(……意外と盛り上がったわね)
にこ(げっ、もう一時間以上経ってるじゃない)
穂乃果「……誰も来ないね」
にこ「うん……」
……
穂乃果「うわーっ! 今のポーズ、すごく可愛かったねーっ!」ユサユサ
にこ「そうそうっ。これね、これっ!」キラン
穂乃果「えっ! すごい、なんでそんな上手なのっ!」
にこ「練習したからに決まってんでしょっ!」
穂乃果「おおっ、さすがにこちゃんっ! えっと、こう?」キラ
にこ「はははっ、違う違う、こうよっ!」キラン
穂乃果「こうっ」キラン
にこ「うわ、超可愛いっ!!」
穂乃果「えっ。ほ、ほんと?」
にこ「あ、いや……」
にこ(な、なに私、素で褒めてんのよ……)
……♪
にこ「……って、あれ? もう終わり?」
穂乃果「あはははっ、楽しかったぁ……」
にこ(……意外と盛り上がったわね)
にこ(げっ、もう一時間以上経ってるじゃない)
穂乃果「……誰も来ないね」
にこ「うん……」
36: :2016/03/19(土) 23:06:38.18 ID:XDSWJO49.net
グッ
にこ(開いてない、か……。そろそろ海未も、痺れを切らしてきた頃だと思ったんだけど)
にこ(……いや、待てよ。確かあいつ、『条件』がどうとか言ってたような――)
穂乃果「ねえ、にこちゃん」
にこ「えっ、なに?」
穂乃果「このままずっと閉じ込めらたままだったらさ……」
にこ「……うん」
穂乃果「その……おトイレとか、どうしよっか?」
にこ「っ! あ、あぁー……」
穂乃果「……」
にこ「えっ。い、行きたいの?」
穂乃果「う、ううん。今は、平気だけど……にこちゃんは?」
にこ「私も、まだ……」
にこ「……ていうか、そういうことは言うんじゃないわよっ! 意識したら、行きたくなっちゃうでしょっ!」
穂乃果「ご、ごめん……っ」
にこ(でも、そうよね。もしずっとこのままだったら、そういう問題も……)
にこ(……一応外に出る方法は、考えといたほうがよさそうね)
グッ
にこ(開いてない、か……。そろそろ海未も、痺れを切らしてきた頃だと思ったんだけど)
にこ(……いや、待てよ。確かあいつ、『条件』がどうとか言ってたような――)
穂乃果「ねえ、にこちゃん」
にこ「えっ、なに?」
穂乃果「このままずっと閉じ込めらたままだったらさ……」
にこ「……うん」
穂乃果「その……おトイレとか、どうしよっか?」
にこ「っ! あ、あぁー……」
穂乃果「……」
にこ「えっ。い、行きたいの?」
穂乃果「う、ううん。今は、平気だけど……にこちゃんは?」
にこ「私も、まだ……」
にこ「……ていうか、そういうことは言うんじゃないわよっ! 意識したら、行きたくなっちゃうでしょっ!」
穂乃果「ご、ごめん……っ」
にこ(でも、そうよね。もしずっとこのままだったら、そういう問題も……)
にこ(……一応外に出る方法は、考えといたほうがよさそうね)
38: :2016/03/19(土) 23:12:52.05 ID:XDSWJO49.net
『私の設定したある条件を満たさない限り、あなたたちは絶対に、部室から出ることはできません』
にこ(『条件』、ね……。こんな時、ゲームとかでよくあるのは……)
にこ(……『パスワード』みたいなのを入力して、ドアが開く、みたいな?)
にこ(ううん……でも、そんなものを入力するところなんて)
にこ「……あっ」
穂乃果「えっ?」
にこ「『パソコン』……っ!? そうだっ!」
カタッ
にこ(開きっぱなしにしてたブラウザ……そこの、『アドレスバー』になら――)
穂乃果「……? なにしてるの?」
にこ「穂乃果、出る方法分かったわ。ここに、パスワードを入力をすればいいのよ」
穂乃果「えっ、そうなんだっ! すごいね、にこちゃんっ」
穂乃果「……あれ、でも肝心のパスワードは……?」
にこ「……ふふっ。そんなの、分かり切ってることよ」
にこ「にこと言ったら……これでしょっ!」
カタカタカタッ!
にこ「『25252』ーっ!」
ッターン!
『私の設定したある条件を満たさない限り、あなたたちは絶対に、部室から出ることはできません』
にこ(『条件』、ね……。こんな時、ゲームとかでよくあるのは……)
にこ(……『パスワード』みたいなのを入力して、ドアが開く、みたいな?)
にこ(ううん……でも、そんなものを入力するところなんて)
にこ「……あっ」
穂乃果「えっ?」
にこ「『パソコン』……っ!? そうだっ!」
カタッ
にこ(開きっぱなしにしてたブラウザ……そこの、『アドレスバー』になら――)
穂乃果「……? なにしてるの?」
にこ「穂乃果、出る方法分かったわ。ここに、パスワードを入力をすればいいのよ」
穂乃果「えっ、そうなんだっ! すごいね、にこちゃんっ」
穂乃果「……あれ、でも肝心のパスワードは……?」
にこ「……ふふっ。そんなの、分かり切ってることよ」
にこ「にこと言ったら……これでしょっ!」
カタカタカタッ!
にこ「『25252』ーっ!」
ッターン!
39: :2016/03/19(土) 23:19:27.58 ID:XDSWJO49.net
サーバが見つかりませんでした
アドレスを間違って入力していないか確認してください
コンピュータのネットワーク接続を確認して……
にこ「……」
穂乃果「にこちゃーん。ドア、開いてないよー」グッグッ
にこ「……ふ、ふふ」
にこ(まあ、ね。そんな簡単に行くとは、思ってないわよ……)
にこ「よく聞きなさい、穂乃果」
穂乃果「えっ?」
にこ「こういうのはね、必ずどこかにヒントが、隠されているもんなのよ」
穂乃果「……それじゃあ」
にこ「ええ。この部屋を、くまなく探すのよ、穂乃果っ!」
穂乃果「よーしっ!」
にこ「あんたはそっちの引き出しの方を調べてっ! 私はこっちの棚を調べるわっ!」
穂乃果「おっけーっ!」
ゴソゴソ……
サーバが見つかりませんでした
アドレスを間違って入力していないか確認してください
コンピュータのネットワーク接続を確認して……
にこ「……」
穂乃果「にこちゃーん。ドア、開いてないよー」グッグッ
にこ「……ふ、ふふ」
にこ(まあ、ね。そんな簡単に行くとは、思ってないわよ……)
にこ「よく聞きなさい、穂乃果」
穂乃果「えっ?」
にこ「こういうのはね、必ずどこかにヒントが、隠されているもんなのよ」
穂乃果「……それじゃあ」
にこ「ええ。この部屋を、くまなく探すのよ、穂乃果っ!」
穂乃果「よーしっ!」
にこ「あんたはそっちの引き出しの方を調べてっ! 私はこっちの棚を調べるわっ!」
穂乃果「おっけーっ!」
ゴソゴソ……
40: :2016/03/19(土) 23:26:00.73 ID:XDSWJO49.net
数十分後……
にこ「はぁ、はぁ……」
穂乃果「あーっ!」
にこ「っ!? な、なにかあったっ!?」
穂乃果「このキーホルダー、こんなところに落ちてたんだーっ! 通りでいくら探しても、見つからないわけだぁっ」
にこ「……」バシッ
穂乃果「いたいっ」
にこ(ちょっと……もうこれ以上他に、探すところなんてないわよ……?)
にこ(てっきり部屋中探したら、ヒントの二つや三つくらい出てくると思ったのに……っ!)
にこ(なんで、『何も見つからない』のよっ!? 待ってよ……)
にこ「……これまさか、『ノーヒント』でやれってことなの?」
にこ「そ、そんなの、無理に決まってるじゃない。せめて、何桁なのかだけでも……」
にこ「いや、そもそも数字なのかどうかも、分かんないし……。これじゃ、キリがないわよ……」
穂乃果「……にこちゃん?」
にこ「……」
数十分後……
にこ「はぁ、はぁ……」
穂乃果「あーっ!」
にこ「っ!? な、なにかあったっ!?」
穂乃果「このキーホルダー、こんなところに落ちてたんだーっ! 通りでいくら探しても、見つからないわけだぁっ」
にこ「……」バシッ
穂乃果「いたいっ」
にこ(ちょっと……もうこれ以上他に、探すところなんてないわよ……?)
にこ(てっきり部屋中探したら、ヒントの二つや三つくらい出てくると思ったのに……っ!)
にこ(なんで、『何も見つからない』のよっ!? 待ってよ……)
にこ「……これまさか、『ノーヒント』でやれってことなの?」
にこ「そ、そんなの、無理に決まってるじゃない。せめて、何桁なのかだけでも……」
にこ「いや、そもそも数字なのかどうかも、分かんないし……。これじゃ、キリがないわよ……」
穂乃果「……にこちゃん?」
にこ「……」
42: :2016/03/19(土) 23:31:42.92 ID:XDSWJO49.net
にこ(……落ち着きなさい、にこ)ブンブン
『私の設定したある条件を満たさない限り――』
にこ(脱出に必要なのが『パスワード』なら、あんな言い方はしないはず……きっと他にはっきりとした、『条件』があるのよ)
にこ(……どっちにしろノーヒントなのに、変わりはないけど)
にこ(うぅ~、勘弁してよ……。こういう頭使うのは苦手なのよぉ……)
穂乃果「ねー、にこちゃん」
にこ「……なによ」
穂乃果「なんかゲームみたいで、楽しいねっ」
にこ「……」
にこ「一緒に閉じ込められたのが絵里とかだったら、頼もしかったのに」
穂乃果「ひどいっ!」ガーン
にこ(……落ち着きなさい、にこ)ブンブン
『私の設定したある条件を満たさない限り――』
にこ(脱出に必要なのが『パスワード』なら、あんな言い方はしないはず……きっと他にはっきりとした、『条件』があるのよ)
にこ(……どっちにしろノーヒントなのに、変わりはないけど)
にこ(うぅ~、勘弁してよ……。こういう頭使うのは苦手なのよぉ……)
穂乃果「ねー、にこちゃん」
にこ「……なによ」
穂乃果「なんかゲームみたいで、楽しいねっ」
にこ「……」
にこ「一緒に閉じ込められたのが絵里とかだったら、頼もしかったのに」
穂乃果「ひどいっ!」ガーン
72: :2016/03/20(日) 20:49:32.64 ID:NH5w0Q7e.net
――――――
……
にこ「……」
穂乃果「うーん……やっぱり何も見つからないよぉ」
にこ「穂乃果」
穂乃果「えっ?」
にこ「諦めるわよ」
穂乃果「えぇーっ!?」
にこ「だって無理よ。こんだけ部室を調べても、何の手がかりもないんだもん」
にこ「こういうのは、ヒントあってこそなの。これじゃゲームでもなんでもないわよ」
穂乃果「……じゃあ穂乃果たちは一生、ここで過ごすの?」
にこ「んなわけないでしょ。『こっちから出ようとする』のを、諦めるって言ってんの」
にこ「だから……やっぱりドアが自然に開くのを、待ちましょう」
穂乃果「んー……」
穂乃果「あっ、そうだ!」
にこ「……えっ?」
ザッ
穂乃果「にっこにっこにーっ!」
――――――
……
にこ「……」
穂乃果「うーん……やっぱり何も見つからないよぉ」
にこ「穂乃果」
穂乃果「えっ?」
にこ「諦めるわよ」
穂乃果「えぇーっ!?」
にこ「だって無理よ。こんだけ部室を調べても、何の手がかりもないんだもん」
にこ「こういうのは、ヒントあってこそなの。これじゃゲームでもなんでもないわよ」
穂乃果「……じゃあ穂乃果たちは一生、ここで過ごすの?」
にこ「んなわけないでしょ。『こっちから出ようとする』のを、諦めるって言ってんの」
にこ「だから……やっぱりドアが自然に開くのを、待ちましょう」
穂乃果「んー……」
穂乃果「あっ、そうだ!」
にこ「……えっ?」
ザッ
穂乃果「にっこにっこにーっ!」
75: :2016/03/20(日) 21:04:12.80 ID:NH5w0Q7e.net
シン……
穂乃果「……」
グッ
穂乃果「あ、あれ。開かないなぁ」
にこ「……なにしてんのよ」
穂乃果「ドアに向かって『にっこにっこにー』って叫んだら、開くかと思って」
にこ「どういう理屈よ……」
穂乃果「ほら、『ひらけごま』的な……呪文というかさ」
にこ「じゃあ『ひらけごま』でいいじゃない」
穂乃果「にこちゃんといったら、『にっこにっこにー』でしょっ!」
にこ「そうだけど……」
穂乃果「ねっ、にこちゃんも一緒にやろっ」グイグイ
にこ「嫌よ、恥ずかしい」
穂乃果「いつもやってるじゃんっ!」
にこ「ドアに向かってはやってないわよっ!」
穂乃果「えー。にこちゃんがやってくれたほうが、開くと思うんだけどなぁ」
にこ「開くわけないでしょ、そんな方法で」
穂乃果「にっこにっこにーっ! にっこにっこにーっ!」
にこ「アホくさ……漫画でも読も」
穂乃果「にっこにっこにーっ! ひ、ひらけごまっ!」
にこ(変わってるし……)
シン……
穂乃果「……」
グッ
穂乃果「あ、あれ。開かないなぁ」
にこ「……なにしてんのよ」
穂乃果「ドアに向かって『にっこにっこにー』って叫んだら、開くかと思って」
にこ「どういう理屈よ……」
穂乃果「ほら、『ひらけごま』的な……呪文というかさ」
にこ「じゃあ『ひらけごま』でいいじゃない」
穂乃果「にこちゃんといったら、『にっこにっこにー』でしょっ!」
にこ「そうだけど……」
穂乃果「ねっ、にこちゃんも一緒にやろっ」グイグイ
にこ「嫌よ、恥ずかしい」
穂乃果「いつもやってるじゃんっ!」
にこ「ドアに向かってはやってないわよっ!」
穂乃果「えー。にこちゃんがやってくれたほうが、開くと思うんだけどなぁ」
にこ「開くわけないでしょ、そんな方法で」
穂乃果「にっこにっこにーっ! にっこにっこにーっ!」
にこ「アホくさ……漫画でも読も」
穂乃果「にっこにっこにーっ! ひ、ひらけごまっ!」
にこ(変わってるし……)
76: :2016/03/20(日) 21:06:17.23 ID:NH5w0Q7e.net
ペラ
にこ(……ていうか、実はもう考えついてるんだけどね、出る方法)
にこ(穂乃果には言えないけど……ヒントだって、よく考えたらちゃんとあったのよ)
にこ(私たちを閉じ込めたのは、海未……。出るための条件を設定したのも、海未――)
にこ(それが、ヒント。つまりあいつの気持ちになって考えれば、自ずと答えが出るってことよ)
にこ(……うわっ、私って意外と、頭良いんじゃない?)
穂乃果「もしかして、ポーズが違うとか? にっこにっこにーっ!」
にこ(……少なくともアレよりは、マシよね)
にこ(で、海未はこの部屋の様子を、きっとどこかで見てるから……)
にこ(多分、あいつが『期待してるようなこと』を、やれってことなのよね)
にこ(私たちをこんなところに閉じ込めて……あの海未が、期待するようなこと――)
穂乃果「にっこにっこにー……っ! う~ん、ダメだぁ」
にこ(まあ、変態的な何かよね……)
ペラ
にこ(……ていうか、実はもう考えついてるんだけどね、出る方法)
にこ(穂乃果には言えないけど……ヒントだって、よく考えたらちゃんとあったのよ)
にこ(私たちを閉じ込めたのは、海未……。出るための条件を設定したのも、海未――)
にこ(それが、ヒント。つまりあいつの気持ちになって考えれば、自ずと答えが出るってことよ)
にこ(……うわっ、私って意外と、頭良いんじゃない?)
穂乃果「もしかして、ポーズが違うとか? にっこにっこにーっ!」
にこ(……少なくともアレよりは、マシよね)
にこ(で、海未はこの部屋の様子を、きっとどこかで見てるから……)
にこ(多分、あいつが『期待してるようなこと』を、やれってことなのよね)
にこ(私たちをこんなところに閉じ込めて……あの海未が、期待するようなこと――)
穂乃果「にっこにっこにー……っ! う~ん、ダメだぁ」
にこ(まあ、変態的な何かよね……)
77: :2016/03/20(日) 21:31:47.72 ID:NH5w0Q7e.net
にこ(ったく。なんであんたの性癖に、私が付き合わなきゃいけないのよ)
にこ(悪いけど、私はそんなことする気ないからね。精々、変化のない部室をいつまでも眺めてなさい……)
穂乃果「疲れたぁ……」ストン
にこ「ダメだったみたいね」
穂乃果「うん……」
にこ「ま、あんたも適当に、暇つぶししてなさいよ」
穂乃果「暇つぶし……」
にこ「……」ペラッ
穂乃果「にこちゃん、なんかお喋りしようよ」
にこ「私、漫画読んでるから」
穂乃果「漫画なんていつでも読めるじゃんっ」
にこ「お喋りだって、いつでもできるじゃない」
穂乃果「そんなことないよ。だってにこちゃん、もうすぐ……」
にこ「……」
にこ「別に、いいけど……」パタン
穂乃果「やったっ! にこちゃん、聞いて聞いてっ」
にこ「はいはい、なによ」
穂乃果「もうね、すっごく面白い話があるの。きっと笑いすぎて、お腹痛くなっちゃうよっ!」
にこ「そんな無謀な入り方ができるのは、あんたくらいなもんね……」
にこ(ったく。なんであんたの性癖に、私が付き合わなきゃいけないのよ)
にこ(悪いけど、私はそんなことする気ないからね。精々、変化のない部室をいつまでも眺めてなさい……)
穂乃果「疲れたぁ……」ストン
にこ「ダメだったみたいね」
穂乃果「うん……」
にこ「ま、あんたも適当に、暇つぶししてなさいよ」
穂乃果「暇つぶし……」
にこ「……」ペラッ
穂乃果「にこちゃん、なんかお喋りしようよ」
にこ「私、漫画読んでるから」
穂乃果「漫画なんていつでも読めるじゃんっ」
にこ「お喋りだって、いつでもできるじゃない」
穂乃果「そんなことないよ。だってにこちゃん、もうすぐ……」
にこ「……」
にこ「別に、いいけど……」パタン
穂乃果「やったっ! にこちゃん、聞いて聞いてっ」
にこ「はいはい、なによ」
穂乃果「もうね、すっごく面白い話があるの。きっと笑いすぎて、お腹痛くなっちゃうよっ!」
にこ「そんな無謀な入り方ができるのは、あんたくらいなもんね……」
78: :2016/03/20(日) 21:46:23.42 ID:NH5w0Q7e.net
……
にこ「――でね、そこで凛が……」
穂乃果「あははははっ! すごぉい、凛ちゃんらしいーっ!」
にこ「そうなのよー。バカよねー、ほんと」
穂乃果「あはは……っ! にこちゃんの話って、面白いねえ」
にこ「当り前よ。アイドルは、トークも大事なんだから」
にこ(まあ穂乃果が最初にした話は案の定、大した話じゃなかったけど……)
にこ(……あれ。何気にもう、30分くらい話してるじゃない)
ガタッ
穂乃果「にこちゃん?」
にこ「……」スタスタ
グッ
にこ(開かない……まだ諦めてないのかしら、あいつ)
にこ(うーん……でもよく考えたらあの海未だし、エロのためならいくらでも待ちそうな気がするわね……)
にこ「……」チラッ
穂乃果「……?」
にこ(そんな長い時間閉じ込められたままだと、流石に穂乃果が可哀想だし……)
にこ(……ぬぅ)
……
にこ「――でね、そこで凛が……」
穂乃果「あははははっ! すごぉい、凛ちゃんらしいーっ!」
にこ「そうなのよー。バカよねー、ほんと」
穂乃果「あはは……っ! にこちゃんの話って、面白いねえ」
にこ「当り前よ。アイドルは、トークも大事なんだから」
にこ(まあ穂乃果が最初にした話は案の定、大した話じゃなかったけど……)
にこ(……あれ。何気にもう、30分くらい話してるじゃない)
ガタッ
穂乃果「にこちゃん?」
にこ「……」スタスタ
グッ
にこ(開かない……まだ諦めてないのかしら、あいつ)
にこ(うーん……でもよく考えたらあの海未だし、エロのためならいくらでも待ちそうな気がするわね……)
にこ「……」チラッ
穂乃果「……?」
にこ(そんな長い時間閉じ込められたままだと、流石に穂乃果が可哀想だし……)
にこ(……ぬぅ)
80: :2016/03/20(日) 21:49:41.49 ID:NH5w0Q7e.net
にこ(仕方ないわね……)
にこ「……」スタスタ
穂乃果「……?」
にこ(乗ってやるわよ、海未。どうせ何かしなきゃ、話進まなそうだし)
にこ(大丈夫。穂乃果ならきっと、冗談で済むでしょ……)
にこ「……穂乃果」
穂乃果「どうしたの、にこちゃん」
にこ「……っ!」ダキッ
穂乃果「えっ!?」
にこ「穂乃果あああぁぁっ!」ギュゥ
穂乃果「えっ、なに、なにっ!?」
にこ「……」サワサワ
穂乃果「あははははははっ! や、やめて、くすぐったいっ!」
にこ「我慢しなさいっ!」サワサワ
穂乃果「あははは、ははははっ! に、にこひゃ、やめっ」
にこ「ほれほ~れ」
穂乃果「や、やめひぇ、きゃははははっ! くすぐっひゃいよぉっ!」
にこ(仕方ないわね……)
にこ「……」スタスタ
穂乃果「……?」
にこ(乗ってやるわよ、海未。どうせ何かしなきゃ、話進まなそうだし)
にこ(大丈夫。穂乃果ならきっと、冗談で済むでしょ……)
にこ「……穂乃果」
穂乃果「どうしたの、にこちゃん」
にこ「……っ!」ダキッ
穂乃果「えっ!?」
にこ「穂乃果あああぁぁっ!」ギュゥ
穂乃果「えっ、なに、なにっ!?」
にこ「……」サワサワ
穂乃果「あははははははっ! や、やめて、くすぐったいっ!」
にこ「我慢しなさいっ!」サワサワ
穂乃果「あははは、ははははっ! に、にこひゃ、やめっ」
にこ「ほれほ~れ」
穂乃果「や、やめひぇ、きゃははははっ! くすぐっひゃいよぉっ!」
81: :2016/03/20(日) 21:56:04.16 ID:NH5w0Q7e.net
にこ(海未……あんたの期待してることは、大体想像がつくわ)
にこ(こういう、『女の子同士でイチャイチャしてる感じ』のが、好みなんでしょ? わかってんのよ、こっちはっ!)
にこ「……っ!」モミッ
穂乃果「ひゃんっ!?」
にこ「ったく、むかつくわね……っ! 小さめかと思ったけど、私より全然あるじゃないっ!」モミッ
穂乃果「~~っ!? な、なんでそんなとこさわるのぉっ!」
にこ「いいでしょ別に、女の子同士なんだからっ!」
穂乃果「じゃなくて、なんでぇっ!?」
にこ「私だってもっと胸がほしいのよっ! ほら、胸は揉むほど大きくなるって言うでしょっ!」モミモミ
穂乃果「揉むって、自分の胸のことだよっ!? 他人の胸を揉んでも、なんにもなんないよぉっ!」
にこ「はぁっ!? じゃあなんで希の胸は、あんなにでかいのよっ!!」
穂乃果「あっ、確かにっ!」
にこ「ほら、わしわし~っ!」モミモ
穂乃果「ひゃぁっ!」
にこ「あはは、なんか楽しくなってきたっ! ほらほらぁ」モミモミモ
穂乃果「に、にこひゃ、も、やめ……///」
にこ「ほらほらほらぁ」ミモミモ
穂乃果「んっ……あぁっ///」ビク
にこ「あっはははは……」ミモミ……
穂乃果「……」
にこ「……」
にこ(海未……あんたの期待してることは、大体想像がつくわ)
にこ(こういう、『女の子同士でイチャイチャしてる感じ』のが、好みなんでしょ? わかってんのよ、こっちはっ!)
にこ「……っ!」モミッ
穂乃果「ひゃんっ!?」
にこ「ったく、むかつくわね……っ! 小さめかと思ったけど、私より全然あるじゃないっ!」モミッ
穂乃果「~~っ!? な、なんでそんなとこさわるのぉっ!」
にこ「いいでしょ別に、女の子同士なんだからっ!」
穂乃果「じゃなくて、なんでぇっ!?」
にこ「私だってもっと胸がほしいのよっ! ほら、胸は揉むほど大きくなるって言うでしょっ!」モミモミ
穂乃果「揉むって、自分の胸のことだよっ!? 他人の胸を揉んでも、なんにもなんないよぉっ!」
にこ「はぁっ!? じゃあなんで希の胸は、あんなにでかいのよっ!!」
穂乃果「あっ、確かにっ!」
にこ「ほら、わしわし~っ!」モミモ
穂乃果「ひゃぁっ!」
にこ「あはは、なんか楽しくなってきたっ! ほらほらぁ」モミモミモ
穂乃果「に、にこひゃ、も、やめ……///」
にこ「ほらほらほらぁ」ミモミモ
穂乃果「んっ……あぁっ///」ビク
にこ「あっはははは……」ミモミ……
穂乃果「……」
にこ「……」
83: :2016/03/20(日) 22:38:19.72 ID:NH5w0Q7e.net
バッ
にこ「へっ、変な声出してんじゃないわよ、バカ穂乃果っ!///」
穂乃果「だ、出してないもんっ!///」
にこ「いや、絶対変だったわよっ! あんたのあんな声、聞いたことないわよっ!?」
穂乃果「うぅ……だって、にこちゃんがすっごい触ってくるからぁ……」
にこ「っ! ぐっ……」
にこ(な、なによ、ただの遊びのつもりだったのに……これじゃ私が、変態みたいじゃないっ!)
にこ(うわぁ……なんか急に恥ずかしくなってきた……////)
にこ「と、とにかく、これで……っ」スタスタ
穂乃果「えっ……?」
にこ(あんたの性癖に応えてやったわよ、海未……っ! これでいいんでしょっ!?)
にこ(あんたが設定した『条件』ってのはきっと、『穂乃果とイチャイチャすること』……)
にこ(それか、『穂乃果に変態的なことをすること』。多分、そんなとこでしょっ!? ならこれで、ドアは開くはず――)
グッ
バッ
にこ「へっ、変な声出してんじゃないわよ、バカ穂乃果っ!///」
穂乃果「だ、出してないもんっ!///」
にこ「いや、絶対変だったわよっ! あんたのあんな声、聞いたことないわよっ!?」
穂乃果「うぅ……だって、にこちゃんがすっごい触ってくるからぁ……」
にこ「っ! ぐっ……」
にこ(な、なによ、ただの遊びのつもりだったのに……これじゃ私が、変態みたいじゃないっ!)
にこ(うわぁ……なんか急に恥ずかしくなってきた……////)
にこ「と、とにかく、これで……っ」スタスタ
穂乃果「えっ……?」
にこ(あんたの性癖に応えてやったわよ、海未……っ! これでいいんでしょっ!?)
にこ(あんたが設定した『条件』ってのはきっと、『穂乃果とイチャイチャすること』……)
にこ(それか、『穂乃果に変態的なことをすること』。多分、そんなとこでしょっ!? ならこれで、ドアは開くはず――)
グッ
85: :2016/03/20(日) 22:46:29.59 ID:NH5w0Q7e.net
グッ、グッ
にこ「……なっ」
穂乃果「……?」
にこ「あ、開かない……っ!?」
穂乃果「えっ、なんで改めてそんな驚くの?」
にこ「いやだって、開くと思ったから……」
穂乃果「なんで……?」
にこ「なんでって、そりゃ……」
にこ(なんで開かないのよ……海未が期待してたのは、こういうことじゃないの? 今のじゃ海未はまだ満足してないってこと?)
にこ(てっきり『条件』を満たしたら、海未の意志とは関係なくドアが開くものなんだと思ってたんだけど……)
にこ(……それともまさか条件は、もっと別のことなの?)
にこ(な、なによ、穂乃果にあんな声まで出させたのに……っ!)
にこ(これ以上私に、何しろっていうのよ……っ!? まさか、キスでもしろっていうんじゃないでしょうね……っ!)
チラッ
穂乃果「……?」
にこ(いや、無理よっ! 流石にそこまではできないわっ!)
にこ(そもそもそれで開くかどうかも、分かんないし……試すにしても、まだ早いわ……)
シン……
穂乃果「……」
にこ「……」
にこ(き、きまずい……)
グッ、グッ
にこ「……なっ」
穂乃果「……?」
にこ「あ、開かない……っ!?」
穂乃果「えっ、なんで改めてそんな驚くの?」
にこ「いやだって、開くと思ったから……」
穂乃果「なんで……?」
にこ「なんでって、そりゃ……」
にこ(なんで開かないのよ……海未が期待してたのは、こういうことじゃないの? 今のじゃ海未はまだ満足してないってこと?)
にこ(てっきり『条件』を満たしたら、海未の意志とは関係なくドアが開くものなんだと思ってたんだけど……)
にこ(……それともまさか条件は、もっと別のことなの?)
にこ(な、なによ、穂乃果にあんな声まで出させたのに……っ!)
にこ(これ以上私に、何しろっていうのよ……っ!? まさか、キスでもしろっていうんじゃないでしょうね……っ!)
チラッ
穂乃果「……?」
にこ(いや、無理よっ! 流石にそこまではできないわっ!)
にこ(そもそもそれで開くかどうかも、分かんないし……試すにしても、まだ早いわ……)
シン……
穂乃果「……」
にこ「……」
にこ(き、きまずい……)
86: :2016/03/20(日) 22:48:22.78 ID:NH5w0Q7e.net
穂乃果「にこちゃん……」
にこ「わ、悪かったわよ」
穂乃果「えっ?」
にこ「なんか、楽しくなっちゃったのよ……。でも胸を揉むのは、やりすぎたわ。ごめん……」
穂乃果「……うん、ビックリした」
にこ「うぐっ、そうよね……」
穂乃果「にこちゃんって、普段こういうことあまりしてこないから……」
にこ「くっ……! そうだけどっ!」
にこ(言い訳したい……っ! 違うのよ、さっきのは、仕方なく――)
穂乃果「……だから、嬉しかった」
ダキッ
にこ「っ! な、なによっ!?」
穂乃果「だからぁ、にこちゃんの方からこういうことしてくれたのが、嬉しかったのっ!」
にこ「なによそれっ!? ていうか離れなさいよっ!」
穂乃果「え~、さっきはあんなにくっついてきたのに?」
にこ「だ、だからあれは……っ!」
穂乃果「えへへー」サワッ
にこ「ひっ、あははっ! なにすんのよっ」
穂乃果「お返しだよっ! こちょこちょ~」
にこ「あはははははっ! やめっ、あははっ!」
穂乃果「にこちゃん……」
にこ「わ、悪かったわよ」
穂乃果「えっ?」
にこ「なんか、楽しくなっちゃったのよ……。でも胸を揉むのは、やりすぎたわ。ごめん……」
穂乃果「……うん、ビックリした」
にこ「うぐっ、そうよね……」
穂乃果「にこちゃんって、普段こういうことあまりしてこないから……」
にこ「くっ……! そうだけどっ!」
にこ(言い訳したい……っ! 違うのよ、さっきのは、仕方なく――)
穂乃果「……だから、嬉しかった」
ダキッ
にこ「っ! な、なによっ!?」
穂乃果「だからぁ、にこちゃんの方からこういうことしてくれたのが、嬉しかったのっ!」
にこ「なによそれっ!? ていうか離れなさいよっ!」
穂乃果「え~、さっきはあんなにくっついてきたのに?」
にこ「だ、だからあれは……っ!」
穂乃果「えへへー」サワッ
にこ「ひっ、あははっ! なにすんのよっ」
穂乃果「お返しだよっ! こちょこちょ~」
にこ「あはははははっ! やめっ、あははっ!」
87: :2016/03/20(日) 22:57:36.22 ID:NH5w0Q7e.net
……
にこ「はぁ、はぁ……」
穂乃果「はぁ……あははっ、楽しかったねー」
にこ(結局やったりやり返したりで、後半は揉みくちゃになってたけど……)
穂乃果「ふぅ……」
にこ「……」
穂乃果「あっ。にこちゃん、お腹空かない?」
にこ「……ん。そういえばまあ、少し」
穂乃果「パン食べるー?」ゴソゴソ
にこ「食べていいの?」
穂乃果「うんっ、半分こしよ。はいっ」
にこ「ありがと」
穂乃果「これねー、最近発売されたばっかりのやつで、すごくおいしいんだよ」モグモグ
にこ「……ほんと、おいしい」モグモグ
穂乃果「……」ゴクゴク
穂乃果「ぷはぁ。お水、にこちゃんも飲んでいいよ」
にこ「……」
穂乃果「あっ、ごめん。にこちゃんってこういうの、気にする?」
にこ「いや、別に……もらうわ」
ゴクゴク
にこ(ていうかこういう時って、水とか食料は残しておいたほうがいいんじゃないかしら……)
にこ(……いや、流石に海未も、そこまで長く閉じ込めておく気はないわよね)
……
にこ「はぁ、はぁ……」
穂乃果「はぁ……あははっ、楽しかったねー」
にこ(結局やったりやり返したりで、後半は揉みくちゃになってたけど……)
穂乃果「ふぅ……」
にこ「……」
穂乃果「あっ。にこちゃん、お腹空かない?」
にこ「……ん。そういえばまあ、少し」
穂乃果「パン食べるー?」ゴソゴソ
にこ「食べていいの?」
穂乃果「うんっ、半分こしよ。はいっ」
にこ「ありがと」
穂乃果「これねー、最近発売されたばっかりのやつで、すごくおいしいんだよ」モグモグ
にこ「……ほんと、おいしい」モグモグ
穂乃果「……」ゴクゴク
穂乃果「ぷはぁ。お水、にこちゃんも飲んでいいよ」
にこ「……」
穂乃果「あっ、ごめん。にこちゃんってこういうの、気にする?」
にこ「いや、別に……もらうわ」
ゴクゴク
にこ(ていうかこういう時って、水とか食料は残しておいたほうがいいんじゃないかしら……)
にこ(……いや、流石に海未も、そこまで長く閉じ込めておく気はないわよね)
88: :2016/03/20(日) 23:01:20.80 ID:NH5w0Q7e.net
にこ(しっかしあんだけ恥ずかしい思いしたのに、出られないとはね……)
にこ(……なんかむかついてきた。意地でもあいつの決めた『条件』ってのを、解明して見せるわ……っ!)
穂乃果「もぐもぐっ……んー、うまいっ」
にこ(……ていうか、本当楽しそうに食べるわね、こいつ……)
穂乃果「はぁー。やっぱりだれかと食べると、いつもよりおいしく感じるねえ」ニコニコ
にこ「……」
にこ(穂乃果の笑顔を見てると、考え事とかどうでもよくなるわ……)
『やっぱり彼女の魅力って、純真無垢なあの笑顔にあると思うんですよね』
『この半年間、あらゆる方法で穂乃果の可愛さを伝えてきたはずなのに、どうして分からないのですか』
にこ(……っ!!)
にこ(あっ……もしかして、あいつの目的って……)
『私は変態ではありませんっ!』
『ですからこれは、仕方がないんです。だって、穂乃果が可愛すぎるんですから』
にこ(私と穂乃果を二人きりにさせて、『穂乃果の魅力に気づかせる』こと……?)
にこ(ここから出る条件は、『私が穂乃果の魅力に気づくこと』……っ!?)
にこ(しっかしあんだけ恥ずかしい思いしたのに、出られないとはね……)
にこ(……なんかむかついてきた。意地でもあいつの決めた『条件』ってのを、解明して見せるわ……っ!)
穂乃果「もぐもぐっ……んー、うまいっ」
にこ(……ていうか、本当楽しそうに食べるわね、こいつ……)
穂乃果「はぁー。やっぱりだれかと食べると、いつもよりおいしく感じるねえ」ニコニコ
にこ「……」
にこ(穂乃果の笑顔を見てると、考え事とかどうでもよくなるわ……)
『やっぱり彼女の魅力って、純真無垢なあの笑顔にあると思うんですよね』
『この半年間、あらゆる方法で穂乃果の可愛さを伝えてきたはずなのに、どうして分からないのですか』
にこ(……っ!!)
にこ(あっ……もしかして、あいつの目的って……)
『私は変態ではありませんっ!』
『ですからこれは、仕方がないんです。だって、穂乃果が可愛すぎるんですから』
にこ(私と穂乃果を二人きりにさせて、『穂乃果の魅力に気づかせる』こと……?)
にこ(ここから出る条件は、『私が穂乃果の魅力に気づくこと』……っ!?)
89: :2016/03/20(日) 23:05:05.47 ID:NH5w0Q7e.net
にこ(私がいつも穂乃果の話に興味なさそうにしてるのが、悔しくて……そして――)
『あんな女の子とずっと一緒にいたら、こうなるのは必然じゃないですか。つまり私は、正常なんです』
にこ(――『自分は変態じゃない』って、私に認めさせたくて……だからあいつは、私を穂乃果と一緒に閉じ込めたのね……っ!)
にこ(なるほど、これなら、腑に落ちるわ……)
にこ(……ってことは今、私がするべきことは――)
穂乃果「ふぅー。にこちゃん、さっきからずっと静かだけど、どうしたの?」
にこ「……穂乃果」
穂乃果「うん」
にこ「……」ジー
穂乃果「……?」
にこ「……あんたって、可愛いわよね」
穂乃果「えっ?」
にこ「顔は小さいし、目は大きいし、口元はキュートだし、お肌は綺麗だし……はっきり言って、かなりの美少女よね」
にこ「特に、笑ってる時の顔なんか……女の子同士なのにドキッとしちゃうくらい、魅力的だわ」
穂乃果「ど、どうしたの急に……?」
にこ(ここから出るためよ……私はここから出るために、仕方なく言ってるのよ)
にこ(そう思い続けなさい、にこ……。じゃなきゃ精神が、崩壊するわよ……っ!)
にこ(私がいつも穂乃果の話に興味なさそうにしてるのが、悔しくて……そして――)
『あんな女の子とずっと一緒にいたら、こうなるのは必然じゃないですか。つまり私は、正常なんです』
にこ(――『自分は変態じゃない』って、私に認めさせたくて……だからあいつは、私を穂乃果と一緒に閉じ込めたのね……っ!)
にこ(なるほど、これなら、腑に落ちるわ……)
にこ(……ってことは今、私がするべきことは――)
穂乃果「ふぅー。にこちゃん、さっきからずっと静かだけど、どうしたの?」
にこ「……穂乃果」
穂乃果「うん」
にこ「……」ジー
穂乃果「……?」
にこ「……あんたって、可愛いわよね」
穂乃果「えっ?」
にこ「顔は小さいし、目は大きいし、口元はキュートだし、お肌は綺麗だし……はっきり言って、かなりの美少女よね」
にこ「特に、笑ってる時の顔なんか……女の子同士なのにドキッとしちゃうくらい、魅力的だわ」
穂乃果「ど、どうしたの急に……?」
にこ(ここから出るためよ……私はここから出るために、仕方なく言ってるのよ)
にこ(そう思い続けなさい、にこ……。じゃなきゃ精神が、崩壊するわよ……っ!)
91: :2016/03/20(日) 23:12:58.46 ID:NH5w0Q7e.net
にこ「全然気づかなかった……あんたって、こんなに可愛い女の子だったのね」
にこ「なんていうか、その……羨ましいわ。どうやったらそんなに、可愛くなれるの?」
穂乃果「えっ? え、えっと……」
穂乃果「……にっ、にこちゃんの方が、可愛いよっ!」
にこ「はんっ! あったりまえでしょーっ! にこより可愛い女の子なんて、この世に――」
にこ「――って、違うっ!!」
穂乃果「えっ……?」
にこ(つ、つい、いつものノリで……これじゃ海未に演技がバレちゃうじゃないっ!)
にこ「待って、今のはナシだからっ! いいっ!?」
穂乃果「だ、誰に言ってるの……?」
にこ「その……にこの次くらいには、あんたも……」
にこ「……ええいっ、にこと同じくらい可愛いわよ、あんたもっ!」
穂乃果「えっ! ほんと……?」
にこ「ほんとよ……私の目に、狂いはないわっ!」
穂乃果「やったぁっ! えへへ、にこちゃんと同じだぁ……っ!」
にこ「……」
にこ(あれ……。なんか口に出してたら、本当に穂乃果が可愛いく見えてきた……)
にこ「全然気づかなかった……あんたって、こんなに可愛い女の子だったのね」
にこ「なんていうか、その……羨ましいわ。どうやったらそんなに、可愛くなれるの?」
穂乃果「えっ? え、えっと……」
穂乃果「……にっ、にこちゃんの方が、可愛いよっ!」
にこ「はんっ! あったりまえでしょーっ! にこより可愛い女の子なんて、この世に――」
にこ「――って、違うっ!!」
穂乃果「えっ……?」
にこ(つ、つい、いつものノリで……これじゃ海未に演技がバレちゃうじゃないっ!)
にこ「待って、今のはナシだからっ! いいっ!?」
穂乃果「だ、誰に言ってるの……?」
にこ「その……にこの次くらいには、あんたも……」
にこ「……ええいっ、にこと同じくらい可愛いわよ、あんたもっ!」
穂乃果「えっ! ほんと……?」
にこ「ほんとよ……私の目に、狂いはないわっ!」
穂乃果「やったぁっ! えへへ、にこちゃんと同じだぁ……っ!」
にこ「……」
にこ(あれ……。なんか口に出してたら、本当に穂乃果が可愛いく見えてきた……)
93: :2016/03/20(日) 23:17:54.29 ID:NH5w0Q7e.net
にこ(っ! 意識しちゃダメっ! なんか分からないけど、ダメな気がするっ!)ブンブン
にこ(……よ、よし、とにかくこれで、とどめよ)
『はぁ~。穂乃果ぁ……良い匂いですぅ、穂乃果……』
『いい加減、私が穂乃果の私物を嗅いでいる光景も、見慣れたでしょう?』
にこ(半年間過ごしてきて、もう嫌というほど分かってるわ……、あいつの性癖はズバリ、『穂乃果の匂い』っ!)
にこ(穂乃果が良い匂いだってことを、海未は執拗に私に伝えようとしてた……無理やり練習着を嗅がされそうになったこともあるしね)
にこ(あいつは、私に『穂乃果の匂いを好きになってほしい』って思ってる……だったらっ!)
にこ「……ちょっといい、穂乃果?」ガタン
穂乃果「えっ?」
にこ「……」スタスタ
スンスン
穂乃果「なにしてるの?」
にこ「……いや、さっき揉みくちゃになってたとき、良い匂いがしたから」
穂乃果「に、におい?」
にこ「うわ、やっぱり。あんた、すっごく良い匂いするじゃない」
穂乃果「……」
にこ「私、あんたの匂い……好き、かも」
にこ(っ! 意識しちゃダメっ! なんか分からないけど、ダメな気がするっ!)ブンブン
にこ(……よ、よし、とにかくこれで、とどめよ)
『はぁ~。穂乃果ぁ……良い匂いですぅ、穂乃果……』
『いい加減、私が穂乃果の私物を嗅いでいる光景も、見慣れたでしょう?』
にこ(半年間過ごしてきて、もう嫌というほど分かってるわ……、あいつの性癖はズバリ、『穂乃果の匂い』っ!)
にこ(穂乃果が良い匂いだってことを、海未は執拗に私に伝えようとしてた……無理やり練習着を嗅がされそうになったこともあるしね)
にこ(あいつは、私に『穂乃果の匂いを好きになってほしい』って思ってる……だったらっ!)
にこ「……ちょっといい、穂乃果?」ガタン
穂乃果「えっ?」
にこ「……」スタスタ
スンスン
穂乃果「なにしてるの?」
にこ「……いや、さっき揉みくちゃになってたとき、良い匂いがしたから」
穂乃果「に、におい?」
にこ「うわ、やっぱり。あんた、すっごく良い匂いするじゃない」
穂乃果「……」
にこ「私、あんたの匂い……好き、かも」
94: :2016/03/20(日) 23:21:05.06 ID:NH5w0Q7e.net
にこ(うっわぁぁあぁあ~~~~っ! なに言ってんのっ!? なに言っちゃってんの、私っ!?////)
にこ(で、でも言ってやったわっ! どうよっ!? 海未のやつ、別室でガッツポーズしてるんじゃないっ!?)
穂乃果「……えへへ」
穂乃果「そんなこと、初めて言われたよぉ~。穂乃果、そんなに良い匂い?」
にこ「う、うん、もしかして、香水とかつけてたり?」
穂乃果「つけてないよっ。ふふっ」
にこ「へぇー、なのにそんな素敵な匂いがするなんて、あんた、芳香剤の生まれ変わりなのかもねっ!」
穂乃果「そ、そんなに褒めないでよぉ~///」
にこ(こいつはこいつでバカねー)
穂乃果「よーしじゃあ、にこちゃんの匂いも嗅いじゃおっ!」ダキッ
にこ「や、やめてよ~」
にこ(やめなさいよっ! さっき汗かいたばっかりなのに……っ!)
ギュゥ……
にこ(……にしても)
スンスン
にこ「……」
にこ(やばい、本当に穂乃果、めっちゃ良い匂いする……)
にこ(うっわぁぁあぁあ~~~~っ! なに言ってんのっ!? なに言っちゃってんの、私っ!?////)
にこ(で、でも言ってやったわっ! どうよっ!? 海未のやつ、別室でガッツポーズしてるんじゃないっ!?)
穂乃果「……えへへ」
穂乃果「そんなこと、初めて言われたよぉ~。穂乃果、そんなに良い匂い?」
にこ「う、うん、もしかして、香水とかつけてたり?」
穂乃果「つけてないよっ。ふふっ」
にこ「へぇー、なのにそんな素敵な匂いがするなんて、あんた、芳香剤の生まれ変わりなのかもねっ!」
穂乃果「そ、そんなに褒めないでよぉ~///」
にこ(こいつはこいつでバカねー)
穂乃果「よーしじゃあ、にこちゃんの匂いも嗅いじゃおっ!」ダキッ
にこ「や、やめてよ~」
にこ(やめなさいよっ! さっき汗かいたばっかりなのに……っ!)
ギュゥ……
にこ(……にしても)
スンスン
にこ「……」
にこ(やばい、本当に穂乃果、めっちゃ良い匂いする……)
95: :2016/03/20(日) 23:27:02.49 ID:NH5w0Q7e.net
にこ(えっ、なんでこいつ、こんな良い匂いすんの?)
にこ(癖になりそう……ちょっとやばい、この匂い、やばい……//)スンスンスン
穂乃果「うわぁ、にこちゃんも、良い匂い――」
にこ「う、うわぁっ!」ドンッ
穂乃果「きゃぁっ!」
にこ(だめっ! この匂いは、これ以上嗅いだらダメな気がするっ!)ブンブンブン
にこ「あ、ありがとう、穂乃果。とってもいい匂いだったわ」
穂乃果「う、うん、にこちゃんも……」
にこ「そう。お互い得したわね。ウィンウィンの関係ってやつ? いつか世界中の人たちが、そんな関係になれればいいわね」
穂乃果「うんっ!」
にこ(もうなに言ってんのか全然分かんないしっ! 恥ずかしさとさっきの匂いで、頭回んないわっ!)
にこ(くっ、でもこれで、あいつの目的は達成されたはず……条件は、満たしたはずっ!)
スタスタ……
にこ(まさか私にここまでさせるなんてね、海未……。あとで、覚えておきなさいよ……っ!)
にこ「あーあ。今までのにこにーは、なんてバカだったのかしら。こんな幸せな事実に、今まで気づかなかったなんて」
にこ「はっ、もう、本当に――」
にこ「――穂乃果の匂いは、最高ねっ!!」
グッ――
にこ(えっ、なんでこいつ、こんな良い匂いすんの?)
にこ(癖になりそう……ちょっとやばい、この匂い、やばい……//)スンスンスン
穂乃果「うわぁ、にこちゃんも、良い匂い――」
にこ「う、うわぁっ!」ドンッ
穂乃果「きゃぁっ!」
にこ(だめっ! この匂いは、これ以上嗅いだらダメな気がするっ!)ブンブンブン
にこ「あ、ありがとう、穂乃果。とってもいい匂いだったわ」
穂乃果「う、うん、にこちゃんも……」
にこ「そう。お互い得したわね。ウィンウィンの関係ってやつ? いつか世界中の人たちが、そんな関係になれればいいわね」
穂乃果「うんっ!」
にこ(もうなに言ってんのか全然分かんないしっ! 恥ずかしさとさっきの匂いで、頭回んないわっ!)
にこ(くっ、でもこれで、あいつの目的は達成されたはず……条件は、満たしたはずっ!)
スタスタ……
にこ(まさか私にここまでさせるなんてね、海未……。あとで、覚えておきなさいよ……っ!)
にこ「あーあ。今までのにこにーは、なんてバカだったのかしら。こんな幸せな事実に、今まで気づかなかったなんて」
にこ「はっ、もう、本当に――」
にこ「――穂乃果の匂いは、最高ねっ!!」
グッ――
96: :2016/03/20(日) 23:33:35.39 ID:NH5w0Q7e.net
グッ、グッ
にこ「……」
穂乃果「……」
にこ「なんっで開かないのよぉっ!!」バン!
穂乃果「っ!?」ビクッ
にこ「絶対これで開くと思ったのに……っ! あぁ、もうっ!」
穂乃果「にこちゃんがドアを開けようとするタイミングが、よく分かんないんだけど……」
にこ「あんたは気にしなくていいのっ!」
穂乃果「そ、そうなんだ」
にこ(はぁ~、うそでしょぉ……っ! 今ので開かなかったのは、きついわ……っ!)
にこ(……なんでよ。まさか私の演技が、見抜かれてたの……?)
にこ(いや、そんなはずはないわ。きっと、アピールが足りなかったのね……)
にこ(『私は穂乃果の魅力に気づきました』っていう、アピールが……)
にこ「……」
穂乃果「にこちゃん……大丈夫?」
にこ(……こうなったら、最後の手段よ)
にこ(穂乃果に告白するしかないわ)
グッ、グッ
にこ「……」
穂乃果「……」
にこ「なんっで開かないのよぉっ!!」バン!
穂乃果「っ!?」ビクッ
にこ「絶対これで開くと思ったのに……っ! あぁ、もうっ!」
穂乃果「にこちゃんがドアを開けようとするタイミングが、よく分かんないんだけど……」
にこ「あんたは気にしなくていいのっ!」
穂乃果「そ、そうなんだ」
にこ(はぁ~、うそでしょぉ……っ! 今ので開かなかったのは、きついわ……っ!)
にこ(……なんでよ。まさか私の演技が、見抜かれてたの……?)
にこ(いや、そんなはずはないわ。きっと、アピールが足りなかったのね……)
にこ(『私は穂乃果の魅力に気づきました』っていう、アピールが……)
にこ「……」
穂乃果「にこちゃん……大丈夫?」
にこ(……こうなったら、最後の手段よ)
にこ(穂乃果に告白するしかないわ)
107: :2016/03/21(月) 19:48:46.23 ID:RVSCpLpn.net
にこ(『にこが穂乃果の魅力に気づいて、しかも穂乃果を好きになっちゃうこと』)
にこ(それがあいつの狙いだったんなら、穂乃果に『愛の告白』をすれば――)
にこ「ふぅー……」
にこ(大丈夫……。穂乃果には外に出た後で、『冗談でした』って言えばいいだけなんだから)
にこ(いけるわね、にこ……? よし、いけっ!)
にこ「あ、あのねっ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「なに……って、穂乃果ちゃん?」
にこ「にこねっ。穂乃果ちゃんのこと、ずっと好きだったの」
穂乃果「……へぇっ??」
にこ「だからお願いします。にこにーと、お付き合いしてにこっ」
穂乃果「……」
穂乃果「えっと……」
にこ「……」ニコッ
穂乃果「……あはは」
にこ「……」
にこ(『にこが穂乃果の魅力に気づいて、しかも穂乃果を好きになっちゃうこと』)
にこ(それがあいつの狙いだったんなら、穂乃果に『愛の告白』をすれば――)
にこ「ふぅー……」
にこ(大丈夫……。穂乃果には外に出た後で、『冗談でした』って言えばいいだけなんだから)
にこ(いけるわね、にこ……? よし、いけっ!)
にこ「あ、あのねっ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「なに……って、穂乃果ちゃん?」
にこ「にこねっ。穂乃果ちゃんのこと、ずっと好きだったの」
穂乃果「……へぇっ??」
にこ「だからお願いします。にこにーと、お付き合いしてにこっ」
穂乃果「……」
穂乃果「えっと……」
にこ「……」ニコッ
穂乃果「……あはは」
にこ「……」
108: :2016/03/21(月) 19:52:54.10 ID:RVSCpLpn.net
にこ「……冗談よ」
穂乃果「うん、だよね」
にこ「分かってたんなら、突っ込みなさいよ。なによ空笑いって」
穂乃果「ごめん、なんて言ったらいいのかわからなくて……」
にこ「まあ、基本あんた、ボケだからね」
穂乃果「でも今の、すっごく可愛かったよっ! にこちゃんに告白されちゃったら、どんな男の子もイチコロだねっ!」
にこ「まあねー。にこにーは誰のものにもならないけどっ!」
グッ、グッ
にこ(……やっぱり、開かないわよね。今のは明らかに演技だもん)
にこ(でもこれ以上は無理よ。だって穂乃果のことなんて、別に好きでもなんでもないし……)
にこ「……座りましょうか」
穂乃果「うんっ」
にこ(色々試してみたけど、もうお手上げね。ほかにあいつが考えそうな条件なんて、思いつかないし……)
にこ「……冗談よ」
穂乃果「うん、だよね」
にこ「分かってたんなら、突っ込みなさいよ。なによ空笑いって」
穂乃果「ごめん、なんて言ったらいいのかわからなくて……」
にこ「まあ、基本あんた、ボケだからね」
穂乃果「でも今の、すっごく可愛かったよっ! にこちゃんに告白されちゃったら、どんな男の子もイチコロだねっ!」
にこ「まあねー。にこにーは誰のものにもならないけどっ!」
グッ、グッ
にこ(……やっぱり、開かないわよね。今のは明らかに演技だもん)
にこ(でもこれ以上は無理よ。だって穂乃果のことなんて、別に好きでもなんでもないし……)
にこ「……座りましょうか」
穂乃果「うんっ」
にこ(色々試してみたけど、もうお手上げね。ほかにあいつが考えそうな条件なんて、思いつかないし……)
109: :2016/03/21(月) 20:11:01.74 ID:RVSCpLpn.net
にこ「……」
穂乃果「ふぅ……」ストン
にこ(まあ別に、もうすこしくらいなら、このままでもいいか……)
穂乃果「ねえにこちゃん、なんか面白い話してよ」
にこ「唐突にキラーパスを出すな」
穂乃果「にこちゃんの話、聞きたいよぉ~」
にこ「そんなこと言ったってね……」
にこ「……そういえばあんたさ、最近海未と、どうなのよ」
穂乃果「えっ、海未ちゃん?」
にこ「ん……ほら、なんか変なこととか、されてない?」
穂乃果「えっ!? 変なことって……?」
にこ「だからほら……いやらしいこととか」
穂乃果「いやらしいこと……? さっきにこちゃんにされたみたいな?」
にこ「あれは違うのよっ!」バンッ
穂乃果「あはは……海未ちゃんはそういうこと、しないよ。すっごく恥ずかしがり屋さんだもん」
にこ(うわ、全く気付いてないじゃない。あいつ、よく隠し通せてるわね……)
にこ(……もしかして、ここであいつの本性をバラそうとすれば、それを止めに入ってきたり……?)
にこ「ねえ、穂乃果」
穂乃果「うん?」
にこ「あんたは知らないと思うけどさ。実は、海未って――」
にこ「……」
穂乃果「ふぅ……」ストン
にこ(まあ別に、もうすこしくらいなら、このままでもいいか……)
穂乃果「ねえにこちゃん、なんか面白い話してよ」
にこ「唐突にキラーパスを出すな」
穂乃果「にこちゃんの話、聞きたいよぉ~」
にこ「そんなこと言ったってね……」
にこ「……そういえばあんたさ、最近海未と、どうなのよ」
穂乃果「えっ、海未ちゃん?」
にこ「ん……ほら、なんか変なこととか、されてない?」
穂乃果「えっ!? 変なことって……?」
にこ「だからほら……いやらしいこととか」
穂乃果「いやらしいこと……? さっきにこちゃんにされたみたいな?」
にこ「あれは違うのよっ!」バンッ
穂乃果「あはは……海未ちゃんはそういうこと、しないよ。すっごく恥ずかしがり屋さんだもん」
にこ(うわ、全く気付いてないじゃない。あいつ、よく隠し通せてるわね……)
にこ(……もしかして、ここであいつの本性をバラそうとすれば、それを止めに入ってきたり……?)
にこ「ねえ、穂乃果」
穂乃果「うん?」
にこ「あんたは知らないと思うけどさ。実は、海未って――」
110: :2016/03/21(月) 20:16:31.36 ID:RVSCpLpn.net
穂乃果「……?」
にこ「……」チラッ
にこ(入ってこないわね……バラされても、いいっての?)
穂乃果「海未ちゃんが、どうしたの?」
にこ「えっ、あぁー」
にこ「……実は海未ってさ、結構優しいところも、あるのよね」
穂乃果「えっ?」
にこ「いつも説教くらってるあんたには、分かんないかもしれないけどさ。実はそうなのよ、うん」
にこ「だからさ……あいつのこと、嫌いにならないであげなさいよね」
にこ(って、なに無理やりごまかしてんのよ、私。とっととバラしちゃえばいいのに……)
穂乃果「……知ってるよ?」
にこ「えっ?」
穂乃果「確かに怒ってるのときの海未ちゃんは、すごい怖いし……『海未ちゃんのおにーっ!』って、思うこともあるけど」
穂乃果「……でもさ。それも全部、穂乃果を思ってのことだもん」
穂乃果「だから私、海未ちゃんのこと嫌いになんてならないよ。だって……」
穂乃果「だって私、海未ちゃんのこと、大好きだもんっ!」ニコッ
穂乃果「……?」
にこ「……」チラッ
にこ(入ってこないわね……バラされても、いいっての?)
穂乃果「海未ちゃんが、どうしたの?」
にこ「えっ、あぁー」
にこ「……実は海未ってさ、結構優しいところも、あるのよね」
穂乃果「えっ?」
にこ「いつも説教くらってるあんたには、分かんないかもしれないけどさ。実はそうなのよ、うん」
にこ「だからさ……あいつのこと、嫌いにならないであげなさいよね」
にこ(って、なに無理やりごまかしてんのよ、私。とっととバラしちゃえばいいのに……)
穂乃果「……知ってるよ?」
にこ「えっ?」
穂乃果「確かに怒ってるのときの海未ちゃんは、すごい怖いし……『海未ちゃんのおにーっ!』って、思うこともあるけど」
穂乃果「……でもさ。それも全部、穂乃果を思ってのことだもん」
穂乃果「だから私、海未ちゃんのこと嫌いになんてならないよ。だって……」
穂乃果「だって私、海未ちゃんのこと、大好きだもんっ!」ニコッ
111: :2016/03/21(月) 20:17:47.76 ID:RVSCpLpn.net
ガタンッ
にこ「……」
穂乃果「……にこちゃん?」
にこ(これだ……)
にこ(これだ……っ! 海未が、望んでたのは……っ!)
にこ(そうよっ! あいつの性癖に引っ張られて、ずっとエロとか変態的な方面で、考えてたけど……)
にこ(あいつは普段からそんなことしてるんだから、こんな時くらい、『普段できないこと』をしたがるはずじゃないっ!)
にこ(『普段は聞けない』ようなことを……つまり、『穂乃果に自分が、どう思われてるか』――)
スタスタ
にこ(――『穂乃果の本音』っ! それをあんたは、聞きたかったんじゃないのっ!?)
にこ(私を一緒に閉じ込めたのも、自分の代わりに穂乃果の本音を引き出させるため……)
にこ(どう、海未……? 穂乃果はあんたのことが、大好きらしいわよ……これで、満足でしょっ!?)
グッ……
ガタンッ
にこ「……」
穂乃果「……にこちゃん?」
にこ(これだ……)
にこ(これだ……っ! 海未が、望んでたのは……っ!)
にこ(そうよっ! あいつの性癖に引っ張られて、ずっとエロとか変態的な方面で、考えてたけど……)
にこ(あいつは普段からそんなことしてるんだから、こんな時くらい、『普段できないこと』をしたがるはずじゃないっ!)
にこ(『普段は聞けない』ようなことを……つまり、『穂乃果に自分が、どう思われてるか』――)
スタスタ
にこ(――『穂乃果の本音』っ! それをあんたは、聞きたかったんじゃないのっ!?)
にこ(私を一緒に閉じ込めたのも、自分の代わりに穂乃果の本音を引き出させるため……)
にこ(どう、海未……? 穂乃果はあんたのことが、大好きらしいわよ……これで、満足でしょっ!?)
グッ……
113: :2016/03/21(月) 20:26:38.60 ID:RVSCpLpn.net
グッ、グッ
にこ「……」
にこ「もう、なんなのよ……」
穂乃果「……?」
にこ「これでも、無理なの……? もう、分かんないわよ……」
にこ(『条件』……なによ、『条件』って……)
にこ(ここから、出るための……)
にこ「……」
にこ「に……」
にこ「にっこにっこにーっ!!」
グッ、グッ
にこ「……」
にこ「もう、なんなのよ……」
穂乃果「……?」
にこ「これでも、無理なの……? もう、分かんないわよ……」
にこ(『条件』……なによ、『条件』って……)
にこ(ここから、出るための……)
にこ「……」
にこ「に……」
にこ「にっこにっこにーっ!!」
114: :2016/03/21(月) 20:32:56.95 ID:RVSCpLpn.net
グッ、グッ
にこ「――ああもう、やっぱり開かないじゃないっ!」
穂乃果「に、にこちゃん?」
にこ「なにしてんの、あんたもやりなさいよっ!」
穂乃果「えっ?」
にこ「二人ではまだ、試してないでしょっ! ほらっ!」
穂乃果「あっ……う、うんっ」
穂乃果「にっこにっこにーっ!」
にこ「にっこにっこにーっ!」
にこ「違うっ! フォームが汚いっ! やり直しっ!」
穂乃果「えぇー? こうじゃないの?」
にこ「違う、こうよっ! にっこにっこにーっ!」
穂乃果「に、にっこにっこにーっ!」
にこ「そう、で、もっと大きな声でっ! にっこにっこにーっ!」
穂乃果「にっこにっこにーっ!」
にこ「せーのっ!!」
穂乃果、にこ「「にっこにっこにーっ!」」
グッ、グッ
にこ「――ああもう、やっぱり開かないじゃないっ!」
穂乃果「に、にこちゃん?」
にこ「なにしてんの、あんたもやりなさいよっ!」
穂乃果「えっ?」
にこ「二人ではまだ、試してないでしょっ! ほらっ!」
穂乃果「あっ……う、うんっ」
穂乃果「にっこにっこにーっ!」
にこ「にっこにっこにーっ!」
にこ「違うっ! フォームが汚いっ! やり直しっ!」
穂乃果「えぇー? こうじゃないの?」
にこ「違う、こうよっ! にっこにっこにーっ!」
穂乃果「に、にっこにっこにーっ!」
にこ「そう、で、もっと大きな声でっ! にっこにっこにーっ!」
穂乃果「にっこにっこにーっ!」
にこ「せーのっ!!」
穂乃果、にこ「「にっこにっこにーっ!」」
115: :2016/03/21(月) 20:36:12.70 ID:RVSCpLpn.net
……
にこ「……はぁ、はぁ」
穂乃果「はぁ、はぁ……」
にこ「……いくわよ」
穂乃果「う、うん……」
にこ「せーのっ!」
にこ「にっこにっこにー! あなたのハートににこにこにー! 笑顔届ける矢澤にこにこー! にこにーって覚えてラブにこー♪ ああっ! ダメダメダメぇーっ! にこにーは、みーんなのも・のっ♪」
穂乃果「にっこにっこにぃー! あなたのハートに、にこにこ、にーっ! えがおとどける、こ、高坂穂乃果にこーっ! あぁ、だめだめ……うわあぁ///」
にこ「って、なんで照れてんのよっ! フルバージョンでやってみようって言ったのは、あんたでしょっ!?」
穂乃果「ご、ごめん、やってみたら、意外と恥ずかしかった……//」
グッグッ
にこ「やっぱ開かないし……」
穂乃果「もう一回っ! 今度こそっ!」
にこ「もういいわ。やっぱりこんなことで開くとは、思えないし」
穂乃果「えぇ……。せっかく恥ずかしい思いしたのに……」
にこ「私の方が恥ずかしい思いしてるわよっ!」
穂乃果「えっ??」
にこ「な、なんでもないわ……ちょっと休みましょ」
穂乃果「うん……」
……
にこ「……はぁ、はぁ」
穂乃果「はぁ、はぁ……」
にこ「……いくわよ」
穂乃果「う、うん……」
にこ「せーのっ!」
にこ「にっこにっこにー! あなたのハートににこにこにー! 笑顔届ける矢澤にこにこー! にこにーって覚えてラブにこー♪ ああっ! ダメダメダメぇーっ! にこにーは、みーんなのも・のっ♪」
穂乃果「にっこにっこにぃー! あなたのハートに、にこにこ、にーっ! えがおとどける、こ、高坂穂乃果にこーっ! あぁ、だめだめ……うわあぁ///」
にこ「って、なんで照れてんのよっ! フルバージョンでやってみようって言ったのは、あんたでしょっ!?」
穂乃果「ご、ごめん、やってみたら、意外と恥ずかしかった……//」
グッグッ
にこ「やっぱ開かないし……」
穂乃果「もう一回っ! 今度こそっ!」
にこ「もういいわ。やっぱりこんなことで開くとは、思えないし」
穂乃果「えぇ……。せっかく恥ずかしい思いしたのに……」
にこ「私の方が恥ずかしい思いしてるわよっ!」
穂乃果「えっ??」
にこ「な、なんでもないわ……ちょっと休みましょ」
穂乃果「うん……」
116: :2016/03/21(月) 20:41:27.52 ID:RVSCpLpn.net
ペタン
にこ「……閉じ込められてからもう結構、経つわよね」
穂乃果「うん……4時間くらい経ってるね」
にこ「うわ、そんなに……? どう、穂乃果。まだ大丈夫?」
穂乃果「わ、私は、大丈夫だよ……」
にこ「……」
穂乃果「ふあぁ……」
穂乃果「……なんだか、眠くなってきちゃった」
にこ「……危機感ないわね、あんた」
穂乃果「はは……でもさ、こうやってにこちゃんと寄り添って、座ってると……」
穂乃果「なんだか、安心、して……」
にこ「……」
穂乃果「……にこ、ちゃん」
穂乃果「……」
ペタン
にこ「……閉じ込められてからもう結構、経つわよね」
穂乃果「うん……4時間くらい経ってるね」
にこ「うわ、そんなに……? どう、穂乃果。まだ大丈夫?」
穂乃果「わ、私は、大丈夫だよ……」
にこ「……」
穂乃果「ふあぁ……」
穂乃果「……なんだか、眠くなってきちゃった」
にこ「……危機感ないわね、あんた」
穂乃果「はは……でもさ、こうやってにこちゃんと寄り添って、座ってると……」
穂乃果「なんだか、安心、して……」
にこ「……」
穂乃果「……にこ、ちゃん」
穂乃果「……」
117: :2016/03/21(月) 20:41:56.40 ID:RVSCpLpn.net
穂乃果「……」スースー
にこ(……そんな寄りかかって寝られたら、私が動けないじゃない)
にこ(まあ、もう別にすることもないし、いいけどさ……)
にこ(……なんか、私も眠たくなってきちゃった)
にこ(『条件』……まさか『二人して寝ること』が、条件ってことはないと思うけど……)
にこ(……まあ、いいわ。そんなのは、起きてから考えましょ……)
穂乃果「……」スースー
にこ(……そんな寄りかかって寝られたら、私が動けないじゃない)
にこ(まあ、もう別にすることもないし、いいけどさ……)
にこ(……なんか、私も眠たくなってきちゃった)
にこ(『条件』……まさか『二人して寝ること』が、条件ってことはないと思うけど……)
にこ(……まあ、いいわ。そんなのは、起きてから考えましょ……)
120: :2016/03/21(月) 20:50:46.67 ID:RVSCpLpn.net
――――――――――
――――――――
――――――
――――
『ねえ、アイドル研究部辞めるって、どういうことっ!?』
『ごめん……でももう、ついていける自信なくて』
『私も……。アイドルは好きだけど、自分がなるのはちょっとね』
『待ってよ……っ! あなたたちまで辞めたら、私、一人になっちゃう……』
『……矢澤さんなら、きっとやれるよ』
『これからも頑張ってね……応援してるから』
『……』
『お願いしまーすっ! アイドル研究部です、よろしくお願いしまーすっ!』
『ねえ、そこのあなた、アイドルやってみないっ!? 楽しいわよっ!』
『可愛い衣装とか、着てみたくないっ!? ねえっ!』
『ううん、そんなことないっ! すっごく可愛いわよ、あなたっ! だから――』
『あっ……』
『なんでよ……なんで、誰も入ってくれないの……』
『お願いだから誰か一緒に、アイドルやってよ……』
『う、うぅ……』
――――――――――
――――――――
――――――
――――
『ねえ、アイドル研究部辞めるって、どういうことっ!?』
『ごめん……でももう、ついていける自信なくて』
『私も……。アイドルは好きだけど、自分がなるのはちょっとね』
『待ってよ……っ! あなたたちまで辞めたら、私、一人になっちゃう……』
『……矢澤さんなら、きっとやれるよ』
『これからも頑張ってね……応援してるから』
『……』
『お願いしまーすっ! アイドル研究部です、よろしくお願いしまーすっ!』
『ねえ、そこのあなた、アイドルやってみないっ!? 楽しいわよっ!』
『可愛い衣装とか、着てみたくないっ!? ねえっ!』
『ううん、そんなことないっ! すっごく可愛いわよ、あなたっ! だから――』
『あっ……』
『なんでよ……なんで、誰も入ってくれないの……』
『お願いだから誰か一緒に、アイドルやってよ……』
『う、うぅ……』
121: :2016/03/21(月) 20:56:49.57 ID:RVSCpLpn.net
――――――――――
――――――――
――――――
――――
……
にこ「……」
にこ「……?」パチッ
穂乃果「……あっ。起きた? にこちゃん」
にこ「ほのか……?」
にこ(あれ……なんで穂乃果が、こんな近くに……)
にこ(あぁ、そっか。私たち、部室に閉じ込められて……それで、寝ちゃって……)
穂乃果「大丈夫?」
にこ「……えっ?」
穂乃果「なんだか、うなされてたみたいだったから……怖い夢でも、見てた?」
にこ「……」
にこ「……べつに」
――――――――――
――――――――
――――――
――――
……
にこ「……」
にこ「……?」パチッ
穂乃果「……あっ。起きた? にこちゃん」
にこ「ほのか……?」
にこ(あれ……なんで穂乃果が、こんな近くに……)
にこ(あぁ、そっか。私たち、部室に閉じ込められて……それで、寝ちゃって……)
穂乃果「大丈夫?」
にこ「……えっ?」
穂乃果「なんだか、うなされてたみたいだったから……怖い夢でも、見てた?」
にこ「……」
にこ「……べつに」
122: :2016/03/21(月) 21:01:20.40 ID:RVSCpLpn.net
穂乃果「そっか……ならいいんだけど」
にこ「ドアは……?」
穂乃果「まだ、確認してないの……。見てみよっか」
にこ「うん……」
グッ、グッ
にこ「……はは」
にこ「開いてなかったわね……」
穂乃果「うん……残念」クスッ
穂乃果「もうちょっと、ここにいるしかないみたいだね」
にこ「そうね……」
にこ「……ねえ、穂乃果」
穂乃果「うん?」
にこ「私……私、ね?」
穂乃果「なぁに?」
にこ「……」
穂乃果「そっか……ならいいんだけど」
にこ「ドアは……?」
穂乃果「まだ、確認してないの……。見てみよっか」
にこ「うん……」
グッ、グッ
にこ「……はは」
にこ「開いてなかったわね……」
穂乃果「うん……残念」クスッ
穂乃果「もうちょっと、ここにいるしかないみたいだね」
にこ「そうね……」
にこ「……ねえ、穂乃果」
穂乃果「うん?」
にこ「私……私、ね?」
穂乃果「なぁに?」
にこ「……」
123: :2016/03/21(月) 21:03:27.34 ID:RVSCpLpn.net
にこ「やっぱなんでもない……」
穂乃果「えぇー? 気になるよぉー」
にこ「なんでもないってば……」
にこ(……3時間くらい、寝ちゃってたのかしら)
にこ(もう外も、暗くなってるわね……)
穂乃果「ねえ、にこちゃん」
にこ「なによ」
穂乃果「もっかいくっついて、座ろ?」
にこ「……なんでよ」
穂乃果「私、気づいたの。にこちゃんとくっついてると、なんだかすごく安心するって」
にこ「……」
にこ「……よくわかんないけど、別にいいわよ」
穂乃果「やった。えへへー」モギュッ
にこ「……」
にこ「やっぱなんでもない……」
穂乃果「えぇー? 気になるよぉー」
にこ「なんでもないってば……」
にこ(……3時間くらい、寝ちゃってたのかしら)
にこ(もう外も、暗くなってるわね……)
穂乃果「ねえ、にこちゃん」
にこ「なによ」
穂乃果「もっかいくっついて、座ろ?」
にこ「……なんでよ」
穂乃果「私、気づいたの。にこちゃんとくっついてると、なんだかすごく安心するって」
にこ「……」
にこ「……よくわかんないけど、別にいいわよ」
穂乃果「やった。えへへー」モギュッ
にこ「……」
124: :2016/03/21(月) 21:07:43.88 ID:RVSCpLpn.net
穂乃果「ねえ、にこちゃん」
にこ「なによ」
穂乃果「もうすぐにこちゃん、卒業だね」
にこ「……」
にこ「……そうね」
穂乃果「そしたらμ'sも、終わっちゃうんだよね……」
にこ「終わっちゃう……わね」
穂乃果「あはは。でもまさかその前に、にこちゃんとこんなことになるなんて思わなかったけど……」
にこ「……ごめんね、穂乃果」
穂乃果「えっ?」
にこ「いや……さっき私、『どうせ閉じ込められるなら絵里がよかった』みたいなこと、言ったけどさ……」
にこ「……あんただって、私なんかと閉じ込められたくなんか、なかったわよね」
穂乃果「えっ!?」
にこ「丸一日もさ……どうせ閉じ込められるなら仲が良い海未とか、ことりの方がよかったわよね?」
穂乃果「そ、そんなことないっ!」
にこ「……ないこと、ないでしょ」
穂乃果「そんなことないよっ! だって海未ちゃんやことりちゃんとは、いつでも二人きりになれるもんっ!」
にこ「……」
穂乃果「にこちゃんとこんな長い時間二人きりになることなんて、滅多にないし……だから今日は、すごく楽しかったよっ!」
にこ(なんじゃそりゃ……)
穂乃果「ねえ、にこちゃん」
にこ「なによ」
穂乃果「もうすぐにこちゃん、卒業だね」
にこ「……」
にこ「……そうね」
穂乃果「そしたらμ'sも、終わっちゃうんだよね……」
にこ「終わっちゃう……わね」
穂乃果「あはは。でもまさかその前に、にこちゃんとこんなことになるなんて思わなかったけど……」
にこ「……ごめんね、穂乃果」
穂乃果「えっ?」
にこ「いや……さっき私、『どうせ閉じ込められるなら絵里がよかった』みたいなこと、言ったけどさ……」
にこ「……あんただって、私なんかと閉じ込められたくなんか、なかったわよね」
穂乃果「えっ!?」
にこ「丸一日もさ……どうせ閉じ込められるなら仲が良い海未とか、ことりの方がよかったわよね?」
穂乃果「そ、そんなことないっ!」
にこ「……ないこと、ないでしょ」
穂乃果「そんなことないよっ! だって海未ちゃんやことりちゃんとは、いつでも二人きりになれるもんっ!」
にこ「……」
穂乃果「にこちゃんとこんな長い時間二人きりになることなんて、滅多にないし……だから今日は、すごく楽しかったよっ!」
にこ(なんじゃそりゃ……)
125: :2016/03/21(月) 21:13:23.93 ID:RVSCpLpn.net
にこ「本当にあんたって、ポジティブよね」
穂乃果「ふふっ……それに、にこちゃんもうすぐ、卒業しちゃうし」
穂乃果「その前に、にこちゃんとの思い出ができて、良かったっ!」
にこ「……まあ、確かに思い出には残るかもね」
穂乃果「……私ね、にこちゃんにずっと言いたいことが、あったんだ」
にこ「言いたいこと?」
穂乃果「うん。でも、照れくさくてずっと言えなかったの」
にこ「はは、あんたが照れるなんて、よっぽどのことね」
穂乃果「うん……でも今日せっかく、にこちゃんと二人きりの時間ができたから……」
穂乃果「……だから、言うね」
にこ「……なに?」
穂乃果「実は私、にこちゃんのこと、すごく尊敬してたんだ」
にこ「……」
穂乃果「にこちゃんは、すっごくアイドルに対して、一生懸命で……そういう姿勢が、すごく好きだったの」
穂乃果「途中で、挫けそうになったときも……にこちゃんに、いつも勇気をもらってた」
穂乃果「……私がスクールアイドルを辞めたいって言った時も、ラブライブに出なくてもいいんじゃないかなって、言った時も……」
穂乃果「一番熱くなって怒ってくれたのは、にこちゃんだった」
穂乃果「……だからね」
穂乃果「にこちゃんがμ'sに入ってくれて、本当に良かった……ありがとう、にこちゃんっ!」
にこ「……っ!」
にこ「本当にあんたって、ポジティブよね」
穂乃果「ふふっ……それに、にこちゃんもうすぐ、卒業しちゃうし」
穂乃果「その前に、にこちゃんとの思い出ができて、良かったっ!」
にこ「……まあ、確かに思い出には残るかもね」
穂乃果「……私ね、にこちゃんにずっと言いたいことが、あったんだ」
にこ「言いたいこと?」
穂乃果「うん。でも、照れくさくてずっと言えなかったの」
にこ「はは、あんたが照れるなんて、よっぽどのことね」
穂乃果「うん……でも今日せっかく、にこちゃんと二人きりの時間ができたから……」
穂乃果「……だから、言うね」
にこ「……なに?」
穂乃果「実は私、にこちゃんのこと、すごく尊敬してたんだ」
にこ「……」
穂乃果「にこちゃんは、すっごくアイドルに対して、一生懸命で……そういう姿勢が、すごく好きだったの」
穂乃果「途中で、挫けそうになったときも……にこちゃんに、いつも勇気をもらってた」
穂乃果「……私がスクールアイドルを辞めたいって言った時も、ラブライブに出なくてもいいんじゃないかなって、言った時も……」
穂乃果「一番熱くなって怒ってくれたのは、にこちゃんだった」
穂乃果「……だからね」
穂乃果「にこちゃんがμ'sに入ってくれて、本当に良かった……ありがとう、にこちゃんっ!」
にこ「……っ!」
126: :2016/03/21(月) 21:14:12.84 ID:RVSCpLpn.net
穂乃果「……えへへ」
にこ「や、やめなさいよ。なによ、いきなり……恥ずかしいわね」
穂乃果「私だって恥ずかしいよ……。でも……へへっ」
穂乃果「言えて、よかった……っ!」
にこ「……」
にこ(勘違いすんじゃないわよ、にこ……。こいつは誰にでも、こういうこと言うヤツなのよ)
にこ(……でも、卒業したら)
にこ(少なくとも、こうして二人きりでずっと一緒にいることなんて……きっともう、二度とないんだろうな)
にこ(これでもう、最後……)
『照れくさくてずっと言えなかったの』
『でも今日せっかく、にこちゃんと二人きりの時間ができたから……』
にこ(……私は?)
にこ(私はこの機会に、穂乃果に何か言っておかなきゃいけないことは……ない?)
穂乃果「……えへへ」
にこ「や、やめなさいよ。なによ、いきなり……恥ずかしいわね」
穂乃果「私だって恥ずかしいよ……。でも……へへっ」
穂乃果「言えて、よかった……っ!」
にこ「……」
にこ(勘違いすんじゃないわよ、にこ……。こいつは誰にでも、こういうこと言うヤツなのよ)
にこ(……でも、卒業したら)
にこ(少なくとも、こうして二人きりでずっと一緒にいることなんて……きっともう、二度とないんだろうな)
にこ(これでもう、最後……)
『照れくさくてずっと言えなかったの』
『でも今日せっかく、にこちゃんと二人きりの時間ができたから……』
にこ(……私は?)
にこ(私はこの機会に、穂乃果に何か言っておかなきゃいけないことは……ない?)
127: :2016/03/21(月) 21:16:35.74 ID:RVSCpLpn.net
にこ(いや、ないわよ……だって別に、私にとって穂乃果は……)
にこ(穂乃果は……)
『にこちゃんっ!』
『にこちゃんがμ'sに入ってくれて、本当に良かった……ありがとう、にこちゃんっ!』
穂乃果「この一年間、色々なことがあったよね」
穂乃果「みんなで練習したり、遊んだり、合宿をしたり、ライブをしたり……ラブライブにも、優勝できた」
にこ「……穂乃果」
穂乃果「……私たちは、最後までやり遂げたんだ」
穂乃果「ほんっとうに……」
穂乃果「μ's、楽しかったねっ! にこちゃんっ」
にこ「……っ!!」
にこ(いや、ないわよ……だって別に、私にとって穂乃果は……)
にこ(穂乃果は……)
『にこちゃんっ!』
『にこちゃんがμ'sに入ってくれて、本当に良かった……ありがとう、にこちゃんっ!』
穂乃果「この一年間、色々なことがあったよね」
穂乃果「みんなで練習したり、遊んだり、合宿をしたり、ライブをしたり……ラブライブにも、優勝できた」
にこ「……穂乃果」
穂乃果「……私たちは、最後までやり遂げたんだ」
穂乃果「ほんっとうに……」
穂乃果「μ's、楽しかったねっ! にこちゃんっ」
にこ「……っ!!」
129: :2016/03/21(月) 21:18:11.54 ID:RVSCpLpn.net
にこ「……わっ」
にこ「私さ……」
穂乃果「えっ?」
にこ「μ'sに入る前はずっと、一人でアイドル研究部やってたのよ。知ってるわよね?」
穂乃果「あっ……うん」
にこ「一年生の頃に、部員がみんなやめちゃって……それから、ずっと」
穂乃果「うん……」
にこ「……ずっと、寂しかった」
にこ「一人で部活を続けるのは、すごく寂しくて、心が折れちゃいそうだった」
にこ「辛かった……苦しかった。それでも私は諦めずに、孤独に耐え続けて……」
にこ「……でもね、二年生の終わりごろには、もう辛いとか寂しいとか、思わなくなっちゃってたのよ」
にこ「だってその時にはもう、諦めかけてたから」
にこ「『このままアイドルなんてやらないで、普通の高校生活を送るのも悪くないかな』、って――」
にこ(……)
にこ(なんで私、こんな話してんの……?)
にこ(ちょっと、ダメよ……。こんなこと言っちゃったら、私……)
にこ「……わっ」
にこ「私さ……」
穂乃果「えっ?」
にこ「μ'sに入る前はずっと、一人でアイドル研究部やってたのよ。知ってるわよね?」
穂乃果「あっ……うん」
にこ「一年生の頃に、部員がみんなやめちゃって……それから、ずっと」
穂乃果「うん……」
にこ「……ずっと、寂しかった」
にこ「一人で部活を続けるのは、すごく寂しくて、心が折れちゃいそうだった」
にこ「辛かった……苦しかった。それでも私は諦めずに、孤独に耐え続けて……」
にこ「……でもね、二年生の終わりごろには、もう辛いとか寂しいとか、思わなくなっちゃってたのよ」
にこ「だってその時にはもう、諦めかけてたから」
にこ「『このままアイドルなんてやらないで、普通の高校生活を送るのも悪くないかな』、って――」
にこ(……)
にこ(なんで私、こんな話してんの……?)
にこ(ちょっと、ダメよ……。こんなこと言っちゃったら、私……)
131: :2016/03/21(月) 21:20:35.21 ID:RVSCpLpn.net
にこ「だからね、三年になって……あんたと出会って、μ'sと出会って」
にこ「それから、アイドル活動をやることになって……。あっという間に、ここまできちゃったけど」
にこ「……今でも正直、信じられないのよ。まさか本当にアイドルをやれるなんて、思ってなかったから」
にこ「まさか高校最後の一年間が、こんな素敵なものになるなんて……考えてもなかったから」
にこ「普通に過ごして、普通に卒業して、普通に私の高校生活は、終わってくんだと思ってたのに……」
にこ「思ってたのに、こんな……。こんな……っ」
穂乃果「……にこちゃん?」
にこ「穂乃果……あんたがμ'sを、作ってくれたから……」
にこ「あんたのおかげで、私は……」
にこ(だめ……っ。これ以上は、もう――)
にこ「うっ……」
ポロッ……
穂乃果「あっ……」
にこ「……かった」
にこ「μ's……楽しかった……っ!」
にこ「すごく、すっっごく……っ! 楽しかったよぉ……っ!!」ポロッポロッ
にこ「だからね、三年になって……あんたと出会って、μ'sと出会って」
にこ「それから、アイドル活動をやることになって……。あっという間に、ここまできちゃったけど」
にこ「……今でも正直、信じられないのよ。まさか本当にアイドルをやれるなんて、思ってなかったから」
にこ「まさか高校最後の一年間が、こんな素敵なものになるなんて……考えてもなかったから」
にこ「普通に過ごして、普通に卒業して、普通に私の高校生活は、終わってくんだと思ってたのに……」
にこ「思ってたのに、こんな……。こんな……っ」
穂乃果「……にこちゃん?」
にこ「穂乃果……あんたがμ'sを、作ってくれたから……」
にこ「あんたのおかげで、私は……」
にこ(だめ……っ。これ以上は、もう――)
にこ「うっ……」
ポロッ……
穂乃果「あっ……」
にこ「……かった」
にこ「μ's……楽しかった……っ!」
にこ「すごく、すっっごく……っ! 楽しかったよぉ……っ!!」ポロッポロッ
132: :2016/03/21(月) 21:22:39.12 ID:RVSCpLpn.net
穂乃果「にこちゃん……っ!」
にこ「たのしかった……っ! いままで生きてきた中で、いちばん……っ!」
にこ「幸せだった……しあわせだったのぉ……っ! グスッ……」
にこ「穂乃果……あんたのおかげで、わたしぃ……っ」
穂乃果「わ、私のおかげなんて、そんな……」
にこ「ひぅっ、うぅ~……っ!」
穂乃果「な、泣かないで、にこちゃん、あの……っ」
にこ「ほのか……ありがとう……っ!」
穂乃果「えっ……?」
にこ「私をμ'sに入れてくれて、ありがとう……っ!」
にこ「μ'sを……作ってくれて、ありがとう……っ!」
にこ「グスッ、ふっ、ぅ……」
にこ「わたしに素敵な一年間をくれて……グスッ、ありが、とぉ……っ!」
にこ「うっ、ひぐっ、えうっ、うぅ~……っ!」
穂乃果「……」
にこ「ほのかぁ……っ!! うっ、ぅ……っ」
にこ「アイドルをすきになってくれて、ありがとう……っ!!」
穂乃果「……にこちゃん」
にこ「うっ、うぅ、うああぁあぁあぁん……っ!」
穂乃果「にこちゃん……っ!」
にこ「たのしかった……っ! いままで生きてきた中で、いちばん……っ!」
にこ「幸せだった……しあわせだったのぉ……っ! グスッ……」
にこ「穂乃果……あんたのおかげで、わたしぃ……っ」
穂乃果「わ、私のおかげなんて、そんな……」
にこ「ひぅっ、うぅ~……っ!」
穂乃果「な、泣かないで、にこちゃん、あの……っ」
にこ「ほのか……ありがとう……っ!」
穂乃果「えっ……?」
にこ「私をμ'sに入れてくれて、ありがとう……っ!」
にこ「μ'sを……作ってくれて、ありがとう……っ!」
にこ「グスッ、ふっ、ぅ……」
にこ「わたしに素敵な一年間をくれて……グスッ、ありが、とぉ……っ!」
にこ「うっ、ひぐっ、えうっ、うぅ~……っ!」
穂乃果「……」
にこ「ほのかぁ……っ!! うっ、ぅ……っ」
にこ「アイドルをすきになってくれて、ありがとう……っ!!」
穂乃果「……にこちゃん」
にこ「うっ、うぅ、うああぁあぁあぁん……っ!」
134: :2016/03/21(月) 21:25:08.49 ID:RVSCpLpn.net
……
数分後……
にこ「……」
穂乃果「……」
ズズッ
にこ「はぁ~……」
にこ「……ごめん、もう大丈夫だから」
穂乃果「そ、そっか……」
にこ「本当に、ごめん。ビックリしたわよね、いきなり泣いたりなんかして」
にこ(自分でも、ビックリだけど……。まさかあんなことまで、言っちゃうなんて)
にこ(はぁ……今まで一番、恥ずかしいわ……)
穂乃果「う、ううん。ていうか私も、ちょっと泣いちゃってたし」
にこ「……なんであんたが、泣いてんのよ」
穂乃果「嬉しかったから、だよ」
穂乃果「にこちゃんが、そんな風に穂乃果のことを想ってくれてたのが、嬉しくて……泣いちゃった」
穂乃果「あははっ、知らなかったよ、全然……。でもにこちゃんの気持ちが聞けて、よかった」
にこ「……」
穂乃果「本当に、よかったっ。今日ここに、にこちゃんと一緒に、閉じ込められてっ!」
にこ(……あぁ、そっか)
にこ(そういう、ことだったんだ……)
……
数分後……
にこ「……」
穂乃果「……」
ズズッ
にこ「はぁ~……」
にこ「……ごめん、もう大丈夫だから」
穂乃果「そ、そっか……」
にこ「本当に、ごめん。ビックリしたわよね、いきなり泣いたりなんかして」
にこ(自分でも、ビックリだけど……。まさかあんなことまで、言っちゃうなんて)
にこ(はぁ……今まで一番、恥ずかしいわ……)
穂乃果「う、ううん。ていうか私も、ちょっと泣いちゃってたし」
にこ「……なんであんたが、泣いてんのよ」
穂乃果「嬉しかったから、だよ」
穂乃果「にこちゃんが、そんな風に穂乃果のことを想ってくれてたのが、嬉しくて……泣いちゃった」
穂乃果「あははっ、知らなかったよ、全然……。でもにこちゃんの気持ちが聞けて、よかった」
にこ「……」
穂乃果「本当に、よかったっ。今日ここに、にこちゃんと一緒に、閉じ込められてっ!」
にこ(……あぁ、そっか)
にこ(そういう、ことだったんだ……)
136: :2016/03/21(月) 21:27:24.47 ID:RVSCpLpn.net
スクッ
穂乃果「……にこちゃん?」
にこ「待たせて、悪かったわね」
穂乃果「えっ……?」
スタスタ
にこ(そりゃ確かに『こんな時』じゃないと、言えなかっただろうけどさ……)
にこ(……海未が設定した、ここから出るための条件。それは――)
にこ(『私が穂乃果に本音を伝えること』……)
にこ(ずっと抱えてた、だけど言えなかった、『本当の気持ち』を……卒業する前に、伝えること)
にこ(海未は、『その機会』を作るために……)
にこ(……随分と遠回りしちゃったわ。海未もきっと、見ててイライラしてたんじゃないかしら)
にこ(でも仕方ないじゃない。そんなすぐに素直になれるわけないわよ。私の性格、知ってるでしょ?)
にこ(……まああんたには、バレバレだったみたいだけど)
にこ(本当に、手の込んだことしてくれるわ。なんなのよ、いつもはただの変態のくせに……)
フゥ……
にこ(……でも、お礼を言わなきゃね)
にこ(あんたのおかげで、やっと私は……穂乃果に本音を伝えることができたんだから)
にこ「ありがとう、海未」ボソッ
にこ(私たちを部室に、閉じ込めてくれて――)
グッ――
スクッ
穂乃果「……にこちゃん?」
にこ「待たせて、悪かったわね」
穂乃果「えっ……?」
スタスタ
にこ(そりゃ確かに『こんな時』じゃないと、言えなかっただろうけどさ……)
にこ(……海未が設定した、ここから出るための条件。それは――)
にこ(『私が穂乃果に本音を伝えること』……)
にこ(ずっと抱えてた、だけど言えなかった、『本当の気持ち』を……卒業する前に、伝えること)
にこ(海未は、『その機会』を作るために……)
にこ(……随分と遠回りしちゃったわ。海未もきっと、見ててイライラしてたんじゃないかしら)
にこ(でも仕方ないじゃない。そんなすぐに素直になれるわけないわよ。私の性格、知ってるでしょ?)
にこ(……まああんたには、バレバレだったみたいだけど)
にこ(本当に、手の込んだことしてくれるわ。なんなのよ、いつもはただの変態のくせに……)
フゥ……
にこ(……でも、お礼を言わなきゃね)
にこ(あんたのおかげで、やっと私は……穂乃果に本音を伝えることができたんだから)
にこ「ありがとう、海未」ボソッ
にこ(私たちを部室に、閉じ込めてくれて――)
グッ――
137: :2016/03/21(月) 21:28:58.96 ID:RVSCpLpn.net
グッ、グッ
にこ「……」
にこ「――開かないんかいっ!!!」バァンッ!
グッ、グッ
にこ「……」
にこ「――開かないんかいっ!!!」バァンッ!
192: :2016/03/22(火) 19:21:28.62 ID:BqJ7CYpE.net
にこ(――いやいやいやいやっ!! なんで開かないのっ!? これが条件なんじゃないのっ!!?)
にこ(いや違ったとしても、ここは開けときなさいよっ! もうこれでいいでしょっ!? この辺が落としどころでしょうがっ!)
にこ(……あー、だめ。一気にやる気なくなったわ。もう無理。無理無理無理無理)
にこ(だって仮にこの後別の方法で出られたとしても、納得できる自信がないもん。今以上に良いタイミングなんて、絶対ないんだから)
にこ「やめやめ。くだらない。全部台無し。あーあ、もう」
穂乃果「にこちゃん、どうしたの……?」
にこ「穂乃果、残念ながら私たちはもう二度と、ここからは出られないわ」
穂乃果「えぇーっ!?」
にこ「私たちは死ぬまで、ここで過ごさなきゃいけないの。そういう運命なのよ」
穂乃果「そ、そっか、大変だぁ……」
にこ「はぁ……」
ドサッ
にこ(どういうつもりよ、海未……あんた本気で、私たちを出さないつもりなの……?)
にこ(本当いつもいつも、あんたの考えてることは、さっぱり分からないわ……)
にこ(――いやいやいやいやっ!! なんで開かないのっ!? これが条件なんじゃないのっ!!?)
にこ(いや違ったとしても、ここは開けときなさいよっ! もうこれでいいでしょっ!? この辺が落としどころでしょうがっ!)
にこ(……あー、だめ。一気にやる気なくなったわ。もう無理。無理無理無理無理)
にこ(だって仮にこの後別の方法で出られたとしても、納得できる自信がないもん。今以上に良いタイミングなんて、絶対ないんだから)
にこ「やめやめ。くだらない。全部台無し。あーあ、もう」
穂乃果「にこちゃん、どうしたの……?」
にこ「穂乃果、残念ながら私たちはもう二度と、ここからは出られないわ」
穂乃果「えぇーっ!?」
にこ「私たちは死ぬまで、ここで過ごさなきゃいけないの。そういう運命なのよ」
穂乃果「そ、そっか、大変だぁ……」
にこ「はぁ……」
ドサッ
にこ(どういうつもりよ、海未……あんた本気で、私たちを出さないつもりなの……?)
にこ(本当いつもいつも、あんたの考えてることは、さっぱり分からないわ……)
195: :2016/03/22(火) 19:35:38.73 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「……」
穂乃果「……でもね、にこちゃん」
にこ「なによ……」
穂乃果「にこちゃんとまだこうして二人でいられるのは、うれしいなー、なんて……」
にこ「……ふっ、なによそれ」
穂乃果「えへへっ……」
穂乃果「……くっついていい?」
にこ「勝手にしなさい」
穂乃果「……っ♪」スリスリ
穂乃果「ねえ、にこちゃん。なにか面白い話してよ」
にこ「だからないってば、そんなの」
穂乃果「そっか。じゃあ、いいや」
にこ「いいのね……」
穂乃果「うん。だって、こうしてるだけで楽しいもん」
にこ「……」
穂乃果「……♪」
にこ(……このままずっと出られないかもしれないってのに、なんで楽しそうなのよ、こいつは)
にこ(本当に、緊張感のないやつ……)
にこ(……でも、まあ)
にこ(もう少しだけ、こうして穂乃果と二人でいるのも、悪くないかな……)
にこ「……」
穂乃果「……でもね、にこちゃん」
にこ「なによ……」
穂乃果「にこちゃんとまだこうして二人でいられるのは、うれしいなー、なんて……」
にこ「……ふっ、なによそれ」
穂乃果「えへへっ……」
穂乃果「……くっついていい?」
にこ「勝手にしなさい」
穂乃果「……っ♪」スリスリ
穂乃果「ねえ、にこちゃん。なにか面白い話してよ」
にこ「だからないってば、そんなの」
穂乃果「そっか。じゃあ、いいや」
にこ「いいのね……」
穂乃果「うん。だって、こうしてるだけで楽しいもん」
にこ「……」
穂乃果「……♪」
にこ(……このままずっと出られないかもしれないってのに、なんで楽しそうなのよ、こいつは)
にこ(本当に、緊張感のないやつ……)
にこ(……でも、まあ)
にこ(もう少しだけ、こうして穂乃果と二人でいるのも、悪くないかな……)
196: :2016/03/22(火) 19:37:34.54 ID:BqJ7CYpE.net
『おまじない』開始から、約8時間後……
穂乃果「……」
にこ「……」
にこ(……そういえば、まだ試してないことが、一つだけあったわね)
にこ(キス……)
にこ(『穂乃果とキスをすること』。もしかしたらそれが、条件なのかも……)
にこ(これだけ他の方法を試してもダメだったんだから、なんかもうそれが正解なんじゃないかって、思えてきたわ)
にこ(……いやでも、キスって)
にこ(普通に考えて、無理でしょ……。なんで穂乃果なんかと――)チラッ
穂乃果「……」
にこ「……」
にこ(……あれ?)
にこ(めっちゃしたい……)
『おまじない』開始から、約8時間後……
穂乃果「……」
にこ「……」
にこ(……そういえば、まだ試してないことが、一つだけあったわね)
にこ(キス……)
にこ(『穂乃果とキスをすること』。もしかしたらそれが、条件なのかも……)
にこ(これだけ他の方法を試してもダメだったんだから、なんかもうそれが正解なんじゃないかって、思えてきたわ)
にこ(……いやでも、キスって)
にこ(普通に考えて、無理でしょ……。なんで穂乃果なんかと――)チラッ
穂乃果「……」
にこ「……」
にこ(……あれ?)
にこ(めっちゃしたい……)
197: :2016/03/22(火) 19:42:37.99 ID:BqJ7CYpE.net
にこ(えっ、うそ、なんで……っ)
にこ(なんで私、穂乃果とキスしたいとか、思ってんの……っ!?)
『μ's、楽しかったねっ! にこちゃんっ』
『にこちゃんがμ'sにいてくれて、本当に良かった……ありがとう、にこちゃんっ!』
『にこちゃんの気持ちが聞けて、よかった――』
トクン
にこ「……っ!?」ギュッ
にこ(胸が、苦しい……なにこれ……?)
にこ(うっ……)
にこ(ちょっと待って、まさか、私……)
ドキ、ドキ
にこ(私、穂乃果のこと、好きになっちゃったの……?)
にこ「……」
にこ「っ!!?////」カァッ
にこ(えっ、うそ、なんで……っ)
にこ(なんで私、穂乃果とキスしたいとか、思ってんの……っ!?)
『μ's、楽しかったねっ! にこちゃんっ』
『にこちゃんがμ'sにいてくれて、本当に良かった……ありがとう、にこちゃんっ!』
『にこちゃんの気持ちが聞けて、よかった――』
トクン
にこ「……っ!?」ギュッ
にこ(胸が、苦しい……なにこれ……?)
にこ(うっ……)
にこ(ちょっと待って、まさか、私……)
ドキ、ドキ
にこ(私、穂乃果のこと、好きになっちゃったの……?)
にこ「……」
にこ「っ!!?////」カァッ
199: :2016/03/22(火) 19:46:20.82 ID:BqJ7CYpE.net
にこ(ええええぇえぇっ!? 待って待って待ってっ! そうなるとまた、話変わってくるわよっ!?)
にこ(違うってっ! 勘違いしちゃダメよ、にこっ! これ絶対、何日後かに思い返して死にたくなるヤツだからっ!)
にこ(うわ……ダメ、だめだってば……)
にこ(やばい、私いま絶対、顔赤い……っ///)
にこ「……///」
穂乃果「にこちゃん……」
にこ「ふわぁっ!?」
穂乃果「……」
にこ「な、なによ……?」ドキドキ
穂乃果「あのね……?」
にこ「ん……?」
穂乃果「……その」モジモジ
にこ(えっ……どうして?)
にこ(どうして『穂乃果も』こんなに、顔が真っ赤なの……?)
穂乃果「私ね……」
にこ「……う、うん」
穂乃果「私、今……すごく――」
穂乃果「すごく、おしっこしたい……」
にこ「……」
にこ「……へっ?」
にこ(ええええぇえぇっ!? 待って待って待ってっ! そうなるとまた、話変わってくるわよっ!?)
にこ(違うってっ! 勘違いしちゃダメよ、にこっ! これ絶対、何日後かに思い返して死にたくなるヤツだからっ!)
にこ(うわ……ダメ、だめだってば……)
にこ(やばい、私いま絶対、顔赤い……っ///)
にこ「……///」
穂乃果「にこちゃん……」
にこ「ふわぁっ!?」
穂乃果「……」
にこ「な、なによ……?」ドキドキ
穂乃果「あのね……?」
にこ「ん……?」
穂乃果「……その」モジモジ
にこ(えっ……どうして?)
にこ(どうして『穂乃果も』こんなに、顔が真っ赤なの……?)
穂乃果「私ね……」
にこ「……う、うん」
穂乃果「私、今……すごく――」
穂乃果「すごく、おしっこしたい……」
にこ「……」
にこ「……へっ?」
200: :2016/03/22(火) 19:53:09.00 ID:BqJ7CYpE.net
穂乃果「う、うわぁ……どうしよう、どうしよぉ……」
穂乃果「おトイレ、行きたいよぉ……っ!///」モジモジ
にこ「な、なによいきなりっ! 我慢できないのっ!?」
穂乃果「さ、三十秒くらいなら、なんとか……」
にこ「もうまもなくじゃないっ! ちょ、ちょっと待って、えっと、えっと……っ!」
穂乃果「にこちゃぁん……み、みないでぇ……///」
にこ「それはもう二秒後に漏らす奴の台詞よっ!? あぁ、もうっ!」
タッタッタッ……
にこ(なんでよ、海未……っ! 穂乃果を苦しませてまで、まだあんたは私たちを閉じ込め続けたいのっ!?)
にこ(それともこれも、あんたの性癖のうちってわけっ!? あんたが望んでたのは、こんなことだったのっ!?)
にこ「はぁ、はぁ……っ!」
にこ「ふざけんじゃ、ないわよ……っ!」バンッ!
にこ「いい加減に開けなさいよ……この、変態っ!!」
グッ――
穂乃果「う、うわぁ……どうしよう、どうしよぉ……」
穂乃果「おトイレ、行きたいよぉ……っ!///」モジモジ
にこ「な、なによいきなりっ! 我慢できないのっ!?」
穂乃果「さ、三十秒くらいなら、なんとか……」
にこ「もうまもなくじゃないっ! ちょ、ちょっと待って、えっと、えっと……っ!」
穂乃果「にこちゃぁん……み、みないでぇ……///」
にこ「それはもう二秒後に漏らす奴の台詞よっ!? あぁ、もうっ!」
タッタッタッ……
にこ(なんでよ、海未……っ! 穂乃果を苦しませてまで、まだあんたは私たちを閉じ込め続けたいのっ!?)
にこ(それともこれも、あんたの性癖のうちってわけっ!? あんたが望んでたのは、こんなことだったのっ!?)
にこ「はぁ、はぁ……っ!」
にこ「ふざけんじゃ、ないわよ……っ!」バンッ!
にこ「いい加減に開けなさいよ……この、変態っ!!」
グッ――
201: :2016/03/22(火) 19:59:41.82 ID:BqJ7CYpE.net
ガチャッ
ギィ……
にこ「うわっ!? っとと」フラッ
穂乃果「あっ……」
にこ「……っ!?」
穂乃果「うぅ~、も、漏れちゃう~っ!」
タッタッタッ……
にこ「……」
ペタン
にこ「開いた……」
こうして私と穂乃果の、およそ8時間にも渡る脱出劇は、終わりを迎えた。
ガチャッ
ギィ……
にこ「うわっ!? っとと」フラッ
穂乃果「あっ……」
にこ「……っ!?」
穂乃果「うぅ~、も、漏れちゃう~っ!」
タッタッタッ……
にこ「……」
ペタン
にこ「開いた……」
こうして私と穂乃果の、およそ8時間にも渡る脱出劇は、終わりを迎えた。
203: :2016/03/22(火) 20:21:52.74 ID:BqJ7CYpE.net
――――――――
次の日……
海未「――というわけで」
海未「どうでしたか、にこ」
にこ「……なにがよ」
海未「決まってるじゃないですか。昨日の感想を、伺っているのですよ」
海未「穂乃果と部室に閉じ込められて、二人きりで過ごして、どうでした?」
にこ「んなこと、聞かなくても分かってるでしょ」
海未「ええ、分かってますよ。分かりきってます。とても幸せだったことでしょう」
にこ「よ、よくそんなことが言えたわね、あんた……」
海未「はい?」
にこ「全部見てたんなら、分かってんでしょっ!? 私たちが、主に私が、どれだけ大変な思いをしたかっ!」
海未「大変……ですか?」
にこ「そうよ……。あんたが全然出してくれないせいで……っ!」
にこ「なんで早く出してくんなかったのよっ! こっちは身を削って、あんたの期待に応えてやったってのにっ!」
海未「……??」
にこ「流石に最後は穂乃果の尿意が限界だったから、開けてくれたみたいだけど……もっとその前に、タイミングあったでしょうが……」
にこ「くぅ、色々恥ずかしいことも言っちゃったし……あれも全部見られてたのかと思うと、やるせないわ……」
海未「あの……にこ、何か勘違いしてませんか?」
にこ「はぁっ!?」
海未「私、何も見てませんでしたよ?」
――――――――
次の日……
海未「――というわけで」
海未「どうでしたか、にこ」
にこ「……なにがよ」
海未「決まってるじゃないですか。昨日の感想を、伺っているのですよ」
海未「穂乃果と部室に閉じ込められて、二人きりで過ごして、どうでした?」
にこ「んなこと、聞かなくても分かってるでしょ」
海未「ええ、分かってますよ。分かりきってます。とても幸せだったことでしょう」
にこ「よ、よくそんなことが言えたわね、あんた……」
海未「はい?」
にこ「全部見てたんなら、分かってんでしょっ!? 私たちが、主に私が、どれだけ大変な思いをしたかっ!」
海未「大変……ですか?」
にこ「そうよ……。あんたが全然出してくれないせいで……っ!」
にこ「なんで早く出してくんなかったのよっ! こっちは身を削って、あんたの期待に応えてやったってのにっ!」
海未「……??」
にこ「流石に最後は穂乃果の尿意が限界だったから、開けてくれたみたいだけど……もっとその前に、タイミングあったでしょうが……」
にこ「くぅ、色々恥ずかしいことも言っちゃったし……あれも全部見られてたのかと思うと、やるせないわ……」
海未「あの……にこ、何か勘違いしてませんか?」
にこ「はぁっ!?」
海未「私、何も見てませんでしたよ?」
205: :2016/03/22(火) 20:30:17.19 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「……えっ?」
海未「あなたが言っているのはつまり、『私が部室の中にカメラでも仕掛けて、どこかであなたたちの様子を観察していたのではないか』……ということですよね?」
にこ「そ、そうよ。見てたんでしょ?」
海未「ですからそんなもの仕掛けてませんし、見てません。私がそんなこと、するわけないじゃないですか」
にこ(穂乃果の部屋には仕掛けてたくせに……)
にこ(……でも、確かに)
にこ(穂乃果と部屋をくまなく探した時も、『なにも見つからなかった』のよね……)
海未「大体、言ったじゃないですか。おまじないが一度始まれば、一切の通信手段は使えなくなると」
にこ「あっ……そ、そっか」
海未「私はおまじないが始まったことを確認した後、すぐに帰宅しました」
海未「あなたたち二人きりの空間を、盗み見るつもりなんて、ありませんでしたよ」
にこ「……あれ? でも……」
にこ「私、てっきり穂乃果が漏らしそうになってるのを見て、あんたがドアを開けたんだと思ってたんだけど」
海未「それはできません。そもそも条件を満たさない限りは、私の意志でドアを開けることも不可能ですから」
にこ「やっぱそうだったんだ……。よく考えたらあんたなら、ドアを開けずに穂乃果のお漏らしを見たがりそうだもんね」
海未「どんな鬼畜ですか私はっ!」
にこ「……じゃああの時、ドアが開いたのは」
海未「はい。私の設定した条件を、あなたたちが満たした、ということでしょう」
にこ「……えっ?」
海未「あなたが言っているのはつまり、『私が部室の中にカメラでも仕掛けて、どこかであなたたちの様子を観察していたのではないか』……ということですよね?」
にこ「そ、そうよ。見てたんでしょ?」
海未「ですからそんなもの仕掛けてませんし、見てません。私がそんなこと、するわけないじゃないですか」
にこ(穂乃果の部屋には仕掛けてたくせに……)
にこ(……でも、確かに)
にこ(穂乃果と部屋をくまなく探した時も、『なにも見つからなかった』のよね……)
海未「大体、言ったじゃないですか。おまじないが一度始まれば、一切の通信手段は使えなくなると」
にこ「あっ……そ、そっか」
海未「私はおまじないが始まったことを確認した後、すぐに帰宅しました」
海未「あなたたち二人きりの空間を、盗み見るつもりなんて、ありませんでしたよ」
にこ「……あれ? でも……」
にこ「私、てっきり穂乃果が漏らしそうになってるのを見て、あんたがドアを開けたんだと思ってたんだけど」
海未「それはできません。そもそも条件を満たさない限りは、私の意志でドアを開けることも不可能ですから」
にこ「やっぱそうだったんだ……。よく考えたらあんたなら、ドアを開けずに穂乃果のお漏らしを見たがりそうだもんね」
海未「どんな鬼畜ですか私はっ!」
にこ「……じゃああの時、ドアが開いたのは」
海未「はい。私の設定した条件を、あなたたちが満たした、ということでしょう」
206: :2016/03/22(火) 20:38:38.43 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「それしかないわよね」
海未「ええ。それ以外に出る方法は、ありませんから」
にこ「だったらもっと、簡単な条件にしなさいよっ! 全然出られなかったじゃないっ!」
海未「え、えぇ……? 簡単だったと思いますが」
にこ「あんたにとっては簡単かもしれないけど、閉じ込められたのは私と穂乃果なのよっ!? バカと大バカなのよっ!」
海未「自分で言いますか……」
にこ「ヒントもないしっ! 偶然開いたからよかったけど、あのままだったらマジで穂乃果、漏らしてたわよっ!?」
海未「でも、出られたじゃないですか」
にこ「最終的にはそうだけど、もっと早く出られるような条件にしてほしかったって言ってんのっ!」
海未「……とはいっても、そんなに長い時間じゃ」
にこ「バカ言いなさいっ! 8時間よ、8時間っ!!」
海未「っ!? なんですって……?」
にこ「何が卒業記念のレクリエーションよっ! ガチの幽閉じゃないっ!」
海未「待ってください、『8時間』、ですか……っ!?」
にこ「そうよ……」
海未「……そんな」
海未「ご、ごめんなさい。そこまで長く閉じ込めるつもりは、なかったんです……」
にこ「それは、分かってるわよ……。ねえ、海未」
にこ「教えなさいよ。あんた一体、どんな条件を設定してたの?」
にこ「それしかないわよね」
海未「ええ。それ以外に出る方法は、ありませんから」
にこ「だったらもっと、簡単な条件にしなさいよっ! 全然出られなかったじゃないっ!」
海未「え、えぇ……? 簡単だったと思いますが」
にこ「あんたにとっては簡単かもしれないけど、閉じ込められたのは私と穂乃果なのよっ!? バカと大バカなのよっ!」
海未「自分で言いますか……」
にこ「ヒントもないしっ! 偶然開いたからよかったけど、あのままだったらマジで穂乃果、漏らしてたわよっ!?」
海未「でも、出られたじゃないですか」
にこ「最終的にはそうだけど、もっと早く出られるような条件にしてほしかったって言ってんのっ!」
海未「……とはいっても、そんなに長い時間じゃ」
にこ「バカ言いなさいっ! 8時間よ、8時間っ!!」
海未「っ!? なんですって……?」
にこ「何が卒業記念のレクリエーションよっ! ガチの幽閉じゃないっ!」
海未「待ってください、『8時間』、ですか……っ!?」
にこ「そうよ……」
海未「……そんな」
海未「ご、ごめんなさい。そこまで長く閉じ込めるつもりは、なかったんです……」
にこ「それは、分かってるわよ……。ねえ、海未」
にこ「教えなさいよ。あんた一体、どんな条件を設定してたの?」
208: :2016/03/22(火) 20:46:12.38 ID:BqJ7CYpE.net
海未「……あの」
にこ「……」
海未「その……」
にこ「なんなのよ、はっきり言いなさいよっ!」
海未「で、ですから」
海未「『出たい』と言って頂ければ、それでよかったんです……」
にこ「……?」
海未「『出たい』……もしくは、『家に帰りたい』。あるいは『教室に戻りたい』、『屋上に出たい』、『トイレに行きたい』、『ご飯食べに行きたい』――」
海未「――『ここから出たい』。そういったニュアンスの言葉が、『どちらかお二人の口から出た』その瞬間に、ドアは開く仕組みでした」
にこ「は……?」
海未「ちなみに、はっきりと言う必要はありません」
海未「『早く出たいなぁ』、『もう帰りたいなぁ』、など……ぼそっと呟くだけでも、ドアは開くように設定してありました」
にこ「……」
海未「なので私の見立てでは、30分……長くても、1時間ほどでお二人は出てくるはずだろうと考えていたのですが」
海未「まさか、あなたたち……8時間もの間、『一言も』、そういった言葉を口に出さなかったのですか?」
海未「……あの」
にこ「……」
海未「その……」
にこ「なんなのよ、はっきり言いなさいよっ!」
海未「で、ですから」
海未「『出たい』と言って頂ければ、それでよかったんです……」
にこ「……?」
海未「『出たい』……もしくは、『家に帰りたい』。あるいは『教室に戻りたい』、『屋上に出たい』、『トイレに行きたい』、『ご飯食べに行きたい』――」
海未「――『ここから出たい』。そういったニュアンスの言葉が、『どちらかお二人の口から出た』その瞬間に、ドアは開く仕組みでした」
にこ「は……?」
海未「ちなみに、はっきりと言う必要はありません」
海未「『早く出たいなぁ』、『もう帰りたいなぁ』、など……ぼそっと呟くだけでも、ドアは開くように設定してありました」
にこ「……」
海未「なので私の見立てでは、30分……長くても、1時間ほどでお二人は出てくるはずだろうと考えていたのですが」
海未「まさか、あなたたち……8時間もの間、『一言も』、そういった言葉を口に出さなかったのですか?」
209: :2016/03/22(火) 20:53:36.21 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「……」
にこ(そう、だっけ……? 言ってないっけ? でも、一回くらい……)
にこ(……あれ)
にこ(あれ、ていうか私、そもそも……)
にこ(部室から出たいって、一度でも、『思った』っけ……?)
にこ「……」
海未「にこ……これは、偶然ですか?」
海未「それとも、あなたたちは……」
にこ「うん、そうね。多分、そう……」
海未「……でもにこは、必死に出ようとしてたんですよね?」
にこ「してたわよ……そりゃ閉じ込められたんだから、そうするのが『自然』でしょ」
にこ「『閉じ込められたのに出ようとしないなんて、おかしいから』。だから、そうしてただけで――」
にこ「本当に『出たい』なんて、たぶん私、思ってなかった」
にこ「『別にもう少しこのままでもいいか』なんて気持ちが、ずっと変わらなくて……いつの間にか最後まで、そう思ってた」
にこ「……だって――」
にこ「穂乃果と二人きりでいるあの部室が、なぜかすごく居心地が良かったから……」
にこ「……」
にこ(そう、だっけ……? 言ってないっけ? でも、一回くらい……)
にこ(……あれ)
にこ(あれ、ていうか私、そもそも……)
にこ(部室から出たいって、一度でも、『思った』っけ……?)
にこ「……」
海未「にこ……これは、偶然ですか?」
海未「それとも、あなたたちは……」
にこ「うん、そうね。多分、そう……」
海未「……でもにこは、必死に出ようとしてたんですよね?」
にこ「してたわよ……そりゃ閉じ込められたんだから、そうするのが『自然』でしょ」
にこ「『閉じ込められたのに出ようとしないなんて、おかしいから』。だから、そうしてただけで――」
にこ「本当に『出たい』なんて、たぶん私、思ってなかった」
にこ「『別にもう少しこのままでもいいか』なんて気持ちが、ずっと変わらなくて……いつの間にか最後まで、そう思ってた」
にこ「……だって――」
にこ「穂乃果と二人きりでいるあの部室が、なぜかすごく居心地が良かったから……」
210: :2016/03/22(火) 20:56:58.32 ID:BqJ7CYpE.net
海未「にこ……」
にこ「あくまでも『私は』、だけどね。穂乃果がどう思ってたかは、分からないわ」
海未「……私も見ていたわけではないので、はっきりとは言えませんが、幼馴染として言えることはあります」
にこ「なによ?」
海未「彼女は思っていることがあれば、素直に口に出すタイプだということです」
海未「条件を満たすのは、『お二人のどちらか』でよかったわけですから……つまり、そういうことでしょう」
にこ「……海未」
海未「なんでしょう?」
にこ「結局あんたは、なにがしたかったの? なんのためにあんたは私たちを、閉じ込めたの?」
海未「目的はですから、あなたの卒業を祝しての、レクリエーションですよ」
にこ「そんなのただの建前でしょ。大体それだったら、絵里や希でもいいじゃない」
海未「……そうですね。強いて言うなら、『恩返し』でしょうか」
にこ「……恩返し?」
海未「はい。お二人への……この一年間の、恩返しです」
にこ「なによ、恩って……」
海未「穂乃果への恩は、『μ'sを作ってくれたこと』です」
海未「彼女のおかげで、この一年間はとても幸せな時間を過ごすことができました……彼女には感謝しても、したりません」
にこ「そんなこと分かってるわよ。そっちじゃなくて」
にこ「私は? 私は別にあんたに、何もしてないと思うんだけど……」
海未「ふふっ、なにをおっしゃるのですか」
海未「私と、お友達でいてくれたでしょう?」
海未「にこ……」
にこ「あくまでも『私は』、だけどね。穂乃果がどう思ってたかは、分からないわ」
海未「……私も見ていたわけではないので、はっきりとは言えませんが、幼馴染として言えることはあります」
にこ「なによ?」
海未「彼女は思っていることがあれば、素直に口に出すタイプだということです」
海未「条件を満たすのは、『お二人のどちらか』でよかったわけですから……つまり、そういうことでしょう」
にこ「……海未」
海未「なんでしょう?」
にこ「結局あんたは、なにがしたかったの? なんのためにあんたは私たちを、閉じ込めたの?」
海未「目的はですから、あなたの卒業を祝しての、レクリエーションですよ」
にこ「そんなのただの建前でしょ。大体それだったら、絵里や希でもいいじゃない」
海未「……そうですね。強いて言うなら、『恩返し』でしょうか」
にこ「……恩返し?」
海未「はい。お二人への……この一年間の、恩返しです」
にこ「なによ、恩って……」
海未「穂乃果への恩は、『μ'sを作ってくれたこと』です」
海未「彼女のおかげで、この一年間はとても幸せな時間を過ごすことができました……彼女には感謝しても、したりません」
にこ「そんなこと分かってるわよ。そっちじゃなくて」
にこ「私は? 私は別にあんたに、何もしてないと思うんだけど……」
海未「ふふっ、なにをおっしゃるのですか」
海未「私と、お友達でいてくれたでしょう?」
211: :2016/03/22(火) 21:02:40.25 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「……どういうことよ」
海未「ですから……あなたはあの時の約束を、守ってくれたではないですか」
『このことは穂乃果や他のみんなには、内密にお願いします』
『そして、どうかこれからも私の親しい友人でいてください。お願いします――』
にこ「……」
海未「……あれから半年間、あなたはあの時のことを秘密にしてくれて、しかも私の本性を知った上で、私と友達でい続けてくれました」
海未「それに、私の変態的な話にも、いつも嫌な顔せずに、最後まで付き合ってくれました」
にこ「嫌な顔しかしてなかったと思うんだけど」
海未「いいえ、私には、そんな風には見えませんでしたよ」
にこ「……」
海未「にこ……あなたと二人きりで過ごした時間は、とても楽しかったです」
海未「こんな『どうしようもない変態』と、お友達でいてくれて……本当に、ありがとうございましたっ!」
にこ「……どういうことよ」
海未「ですから……あなたはあの時の約束を、守ってくれたではないですか」
『このことは穂乃果や他のみんなには、内密にお願いします』
『そして、どうかこれからも私の親しい友人でいてください。お願いします――』
にこ「……」
海未「……あれから半年間、あなたはあの時のことを秘密にしてくれて、しかも私の本性を知った上で、私と友達でい続けてくれました」
海未「それに、私の変態的な話にも、いつも嫌な顔せずに、最後まで付き合ってくれました」
にこ「嫌な顔しかしてなかったと思うんだけど」
海未「いいえ、私には、そんな風には見えませんでしたよ」
にこ「……」
海未「にこ……あなたと二人きりで過ごした時間は、とても楽しかったです」
海未「こんな『どうしようもない変態』と、お友達でいてくれて……本当に、ありがとうございましたっ!」
212: :2016/03/22(火) 21:10:49.51 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「……」
海未「とはいっても私の目的は、あくまでお二人を『二人きり』にさせることだったので……」
海未「ですから別に『出たい』と思ったら出ていただいて、あとはお二人でどこか出かけるなり、一日を過ごして頂ければと考えていました」
海未「みんなには今日の練習はお休みだと、伝えてありましたからね」
にこ「あぁ、だから誰も来なかったのね……」
海未「私も昨日は一日、お二人の時間を邪魔しないようにと気を遣い、こちらから連絡はしないようにしていたのですが……」
海未「……ふふっ。まさか一日中、部室で過ごしていたとは、思いませんでしたよ」
にこ「……ふん」
海未「これが、『μ'sの解散』と、『あなたの卒業』という節目で――最後に私があなたたちにしたかった、恩返しです」
海未「にこ……果たして私はあなたたちに、恩を返すことができたのでしょうか?」
にこ「……ん」
にこ「……」
海未「とはいっても私の目的は、あくまでお二人を『二人きり』にさせることだったので……」
海未「ですから別に『出たい』と思ったら出ていただいて、あとはお二人でどこか出かけるなり、一日を過ごして頂ければと考えていました」
海未「みんなには今日の練習はお休みだと、伝えてありましたからね」
にこ「あぁ、だから誰も来なかったのね……」
海未「私も昨日は一日、お二人の時間を邪魔しないようにと気を遣い、こちらから連絡はしないようにしていたのですが……」
海未「……ふふっ。まさか一日中、部室で過ごしていたとは、思いませんでしたよ」
にこ「……ふん」
海未「これが、『μ'sの解散』と、『あなたの卒業』という節目で――最後に私があなたたちにしたかった、恩返しです」
海未「にこ……果たして私はあなたたちに、恩を返すことができたのでしょうか?」
にこ「……ん」
213: :2016/03/22(火) 21:11:57.25 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「いや、それはないわね」
海未「……そうですか」
にこ「むしろ、仇で返されたって感じ?」
海未「えぇっ!? そ、そんな……」
海未「……そう、ですよね。流石に8時間も閉じ込められたら、恩返しも何もありませんよね……」
海未「本当にごめんなさいっ! お詫びとして、穂乃果の使用済みティッシュを――」
にこ「いらないってのっ! そうじゃなくて……」
にこ「……苦しいのよ」
海未「はい……?」
にこ「昨日から、ずっと……。穂乃果のこと考えると、胸が苦しくて……」
海未「……えっ」
にこ「どうしてくれんのよ、海未……っ! あんたのせいで、私――」
にこ「穂乃果のこと、好きになっちゃったじゃないっ!///」
海未「っ! に、にこ……?」
にこ「く、ぅ……///」
にこ「いや、それはないわね」
海未「……そうですか」
にこ「むしろ、仇で返されたって感じ?」
海未「えぇっ!? そ、そんな……」
海未「……そう、ですよね。流石に8時間も閉じ込められたら、恩返しも何もありませんよね……」
海未「本当にごめんなさいっ! お詫びとして、穂乃果の使用済みティッシュを――」
にこ「いらないってのっ! そうじゃなくて……」
にこ「……苦しいのよ」
海未「はい……?」
にこ「昨日から、ずっと……。穂乃果のこと考えると、胸が苦しくて……」
海未「……えっ」
にこ「どうしてくれんのよ、海未……っ! あんたのせいで、私――」
にこ「穂乃果のこと、好きになっちゃったじゃないっ!///」
海未「っ! に、にこ……?」
にこ「く、ぅ……///」
214: :2016/03/22(火) 21:15:42.86 ID:BqJ7CYpE.net
海未「それは本当ですかっ!?」
にこ「う、うん……」
海未「そうですかっ! それはそれは……っ!」
にこ「嬉しそうね……」
海未「当然ですっ! 私の大好きな穂乃果を、あなたも好きになってくれたというのなら、こんなに嬉しいことはないですっ!」
にこ「そ、そう……じゃあさ」
にこ「相談に、乗ってくれない……?」
海未「はい……?」
にこ「なによ、私だってあんたのくだらない話に、何度も付き合ってやったでしょっ!?」
にこ「……だからあんたも私の『恋愛相談』に、付き合ってよ。ほら、あんた穂乃果のこと、色々知ってるんでしょ?」
海未「にこ……」
海未「……もちろんです」
海未「ぜひ、応援させてください……っ! 不肖私が、全身全霊で、あなたの恋をサポートいたしますっ!」
にこ「……ふふっ。頼んだわ」
海未「大船に乗ったつもりでいてください……。なぜなら私は、穂乃果のことを世界で一番よく知る、変態ですから……」
海未「私のデータベースは、穂乃果の好きな漫画や音楽、更にはスリーサイズ、ほくろの位置まで、バッチリ網羅していますよっ!」
にこ「いや、後半の情報は別にいらない」
海未「それは本当ですかっ!?」
にこ「う、うん……」
海未「そうですかっ! それはそれは……っ!」
にこ「嬉しそうね……」
海未「当然ですっ! 私の大好きな穂乃果を、あなたも好きになってくれたというのなら、こんなに嬉しいことはないですっ!」
にこ「そ、そう……じゃあさ」
にこ「相談に、乗ってくれない……?」
海未「はい……?」
にこ「なによ、私だってあんたのくだらない話に、何度も付き合ってやったでしょっ!?」
にこ「……だからあんたも私の『恋愛相談』に、付き合ってよ。ほら、あんた穂乃果のこと、色々知ってるんでしょ?」
海未「にこ……」
海未「……もちろんです」
海未「ぜひ、応援させてください……っ! 不肖私が、全身全霊で、あなたの恋をサポートいたしますっ!」
にこ「……ふふっ。頼んだわ」
海未「大船に乗ったつもりでいてください……。なぜなら私は、穂乃果のことを世界で一番よく知る、変態ですから……」
海未「私のデータベースは、穂乃果の好きな漫画や音楽、更にはスリーサイズ、ほくろの位置まで、バッチリ網羅していますよっ!」
にこ「いや、後半の情報は別にいらない」
215: :2016/03/22(火) 21:23:22.85 ID:BqJ7CYpE.net
――――――――
――――――
――――
――
ガチャ
ギィ……
穂乃果「にこちゃん」
にこ「穂乃果……」
穂乃果「卒業式、どうだった?」
にこ「素敵だったわ。まさか、『愛してるばんざーい』とはね」
穂乃果「えへへ……よかった、喜んでもらえて」
穂乃果「……にこちゃん」
にこ「ん……」
穂乃果「卒業、おめでとうっ!」
――――――――
――――――
――――
――
ガチャ
ギィ……
穂乃果「にこちゃん」
にこ「穂乃果……」
穂乃果「卒業式、どうだった?」
にこ「素敵だったわ。まさか、『愛してるばんざーい』とはね」
穂乃果「えへへ……よかった、喜んでもらえて」
穂乃果「……にこちゃん」
にこ「ん……」
穂乃果「卒業、おめでとうっ!」
216: :2016/03/22(火) 21:24:40.97 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「……ありがとう」
穂乃果「それで、大事な話ってなに?」
にこ「っ!」ドキッ
穂乃果「……?」
にこ(穂乃果を部室に呼び出すとこまではいけたけど……や、やっぱりいざ二人きりになると緊張するわね)
にこ(って、なに怖気づいてんのよっ! 海未とあれだけ練習したじゃないっ!)
にこ(決めたんでしょっ!? ちゃんと穂乃果に、思いを伝えるって……っ!)
にこ(……そうだ。伝えなきゃ)
にこ「穂乃果……っ!」
『にこねっ。穂乃果ちゃんのこと、ずっと好きだったの』
『だからお願いします。にこにーと、お付き合いしてにこっ』
にこ(今度は嘘なんかじゃなくて、本気で……)
にこ(スーパーアイドル・にこにーじゃなくて、ただの女の子・矢澤にこの言葉で――)
にこ「い……」
にこ「いつの間にか、穂乃果のことが好きになってました」
にこ「私と、付き合ってくださいっ!」
にこ「……ありがとう」
穂乃果「それで、大事な話ってなに?」
にこ「っ!」ドキッ
穂乃果「……?」
にこ(穂乃果を部室に呼び出すとこまではいけたけど……や、やっぱりいざ二人きりになると緊張するわね)
にこ(って、なに怖気づいてんのよっ! 海未とあれだけ練習したじゃないっ!)
にこ(決めたんでしょっ!? ちゃんと穂乃果に、思いを伝えるって……っ!)
にこ(……そうだ。伝えなきゃ)
にこ「穂乃果……っ!」
『にこねっ。穂乃果ちゃんのこと、ずっと好きだったの』
『だからお願いします。にこにーと、お付き合いしてにこっ』
にこ(今度は嘘なんかじゃなくて、本気で……)
にこ(スーパーアイドル・にこにーじゃなくて、ただの女の子・矢澤にこの言葉で――)
にこ「い……」
にこ「いつの間にか、穂乃果のことが好きになってました」
にこ「私と、付き合ってくださいっ!」
217: :2016/03/22(火) 21:26:55.38 ID:BqJ7CYpE.net
穂乃果「……えっ」
にこ「はぁ、はぁ……」
にこ(言えた……っ!)
穂乃果「え、っと……」
にこ「……」
穂乃果「……こ、告白?」
にこ「……うん」
穂乃果「冗談じゃないヤツ……だよね?」
にこ「当たり前じゃない……」
穂乃果「そ、そっか、あはは、そっかぁ……」
穂乃果「う、えっと……」
穂乃果「えっとぉ……」
穂乃果「わぁ……。ど、どうしよう」アセッ
にこ(めっちゃ困ってるじゃない……)
にこ「ごめん、いきなりこんなこと言って」
穂乃果「う、ううん」
にこ「よかったら返事、聞かせてくれる? あんたは私のこと、どう思ってるのか」
穂乃果「……」
穂乃果「……えっ」
にこ「はぁ、はぁ……」
にこ(言えた……っ!)
穂乃果「え、っと……」
にこ「……」
穂乃果「……こ、告白?」
にこ「……うん」
穂乃果「冗談じゃないヤツ……だよね?」
にこ「当たり前じゃない……」
穂乃果「そ、そっか、あはは、そっかぁ……」
穂乃果「う、えっと……」
穂乃果「えっとぉ……」
穂乃果「わぁ……。ど、どうしよう」アセッ
にこ(めっちゃ困ってるじゃない……)
にこ「ごめん、いきなりこんなこと言って」
穂乃果「う、ううん」
にこ「よかったら返事、聞かせてくれる? あんたは私のこと、どう思ってるのか」
穂乃果「……」
218: :2016/03/22(火) 21:37:15.93 ID:BqJ7CYpE.net
穂乃果「う、うーん……」
にこ「……」
穂乃果「えっと、そのぉ……」
にこ「……そんなに迷う?」
穂乃果「だ、だって……」
にこ「……もしかして」
にこ「断り方が分からなくて、困ってるの?」
穂乃果「っ!! そ、そうじゃないっ!」
にこ「だ、だったらなんなのよ……」
穂乃果「その……にこちゃん、この前――」
穂乃果「『にこにーは誰のものにもならない』って、言ってたから……」
にこ「……」
にこ「う、うっさいわねっ! あんただけは特別なのっ!!」
穂乃果「っ!!」
にこ「いちいち蒸し返すんじゃないわよっ! もう……っ!」
にこ「こ、こんなこと言うつもりじゃなかったのに……っ! 練習になかったのにっ!///」
穂乃果「……あはは」
穂乃果「う、うーん……」
にこ「……」
穂乃果「えっと、そのぉ……」
にこ「……そんなに迷う?」
穂乃果「だ、だって……」
にこ「……もしかして」
にこ「断り方が分からなくて、困ってるの?」
穂乃果「っ!! そ、そうじゃないっ!」
にこ「だ、だったらなんなのよ……」
穂乃果「その……にこちゃん、この前――」
穂乃果「『にこにーは誰のものにもならない』って、言ってたから……」
にこ「……」
にこ「う、うっさいわねっ! あんただけは特別なのっ!!」
穂乃果「っ!!」
にこ「いちいち蒸し返すんじゃないわよっ! もう……っ!」
にこ「こ、こんなこと言うつもりじゃなかったのに……っ! 練習になかったのにっ!///」
穂乃果「……あはは」
219: :2016/03/22(火) 21:39:23.45 ID:BqJ7CYpE.net
ダキッ
にこ「――っ!?」
穂乃果「私もにこちゃんのこと、好き……」
にこ「えっ……」
穂乃果「私も同じだよ……っ! いつの間にかにこちゃんのこと、好きになってたの……っ!」
にこ「っ!? ほ、ほんと?」
穂乃果「うん。でもね、あの時にこちゃんが言ってたことがずっと気になってて、自分からは言えなかったんだ……」
にこ「……やっぱりバカね、あんた」
穂乃果「ふふっ……。だからね、にこちゃんが私のこと好きって言ってくれて、すごくビックリしたの……」
穂乃果「……それでね、すっごくすっごく、嬉しかったのっ!」
にこ「……はは」
穂乃果「だから……こんなバカな私だけど、お付き合いしてください、にこちゃんっ!」
にこ「……っ」
にこ(なによ、穂乃果も私のこと好きだったとか……なにそれ?)
にこ(幸せすぎるわよ、こんなの……っ!)
にこ「穂乃果……」
穂乃果「にこちゃん……っ!」
ギュゥ……
ダキッ
にこ「――っ!?」
穂乃果「私もにこちゃんのこと、好き……」
にこ「えっ……」
穂乃果「私も同じだよ……っ! いつの間にかにこちゃんのこと、好きになってたの……っ!」
にこ「っ!? ほ、ほんと?」
穂乃果「うん。でもね、あの時にこちゃんが言ってたことがずっと気になってて、自分からは言えなかったんだ……」
にこ「……やっぱりバカね、あんた」
穂乃果「ふふっ……。だからね、にこちゃんが私のこと好きって言ってくれて、すごくビックリしたの……」
穂乃果「……それでね、すっごくすっごく、嬉しかったのっ!」
にこ「……はは」
穂乃果「だから……こんなバカな私だけど、お付き合いしてください、にこちゃんっ!」
にこ「……っ」
にこ(なによ、穂乃果も私のこと好きだったとか……なにそれ?)
にこ(幸せすぎるわよ、こんなの……っ!)
にこ「穂乃果……」
穂乃果「にこちゃん……っ!」
ギュゥ……
220: :2016/03/22(火) 21:42:55.46 ID:BqJ7CYpE.net
……
にこ「……」
穂乃果「……にこちゃん」
にこ「ん……?」
穂乃果「こうして部室で二人きりになるのも、あの時以来だねえ」
にこ「そうね」
穂乃果「あの時はなんでドア、開かなくなっちゃったんだろうね? 不思議だなぁ」
にこ「……穂乃果」
穂乃果「うん?」
にこ「あの時あんたさ、『部室から出たい』って、思ってた?」
穂乃果「ううん、全然」
にこ「……正直ね、あんた」
穂乃果「だってにこちゃんと一緒にいるの、楽しかったし……むしろ出たくなかったかも」
にこ「ほんと、正直ね……」
穂乃果「だからにこちゃんがドアを開けようとするたびに、『開かなければいいのになぁ』とか、思ってたり」
にこ「正直すぎるわっ!」
穂乃果「……あっ、そっか、ごめんっ! にこちゃんは必死に、出ようとしてたんだよね……っ!」
にこ「……いや、気にしないで。私も同じだったから」
穂乃果「えっ?」
にこ「……」
穂乃果「同じって?」
にこ「うっさいっ!」
……
にこ「……」
穂乃果「……にこちゃん」
にこ「ん……?」
穂乃果「こうして部室で二人きりになるのも、あの時以来だねえ」
にこ「そうね」
穂乃果「あの時はなんでドア、開かなくなっちゃったんだろうね? 不思議だなぁ」
にこ「……穂乃果」
穂乃果「うん?」
にこ「あの時あんたさ、『部室から出たい』って、思ってた?」
穂乃果「ううん、全然」
にこ「……正直ね、あんた」
穂乃果「だってにこちゃんと一緒にいるの、楽しかったし……むしろ出たくなかったかも」
にこ「ほんと、正直ね……」
穂乃果「だからにこちゃんがドアを開けようとするたびに、『開かなければいいのになぁ』とか、思ってたり」
にこ「正直すぎるわっ!」
穂乃果「……あっ、そっか、ごめんっ! にこちゃんは必死に、出ようとしてたんだよね……っ!」
にこ「……いや、気にしないで。私も同じだったから」
穂乃果「えっ?」
にこ「……」
穂乃果「同じって?」
にこ「うっさいっ!」
221: :2016/03/22(火) 21:46:04.20 ID:BqJ7CYpE.net
穂乃果「……そういえばね、にこちゃん」
にこ「なによ」
穂乃果「私さっき、『いつの間にか』にこちゃんのことが好きになってたって、言ったけど……」
穂乃果「……多分それって、あの時からなんだ」
にこ「……」
穂乃果「にこちゃんは、その……」
にこ「……同じよ」
穂乃果「やっぱりそうなんだっ、あはは」
穂乃果「あの時は、にこちゃんと色んなお話がができて、二人だけの思い出ができて、良かったって思ってたけど……」
穂乃果「……今はあの時以上に、思うよ。本当にあの時にこちゃんと閉じ込められて、よかった」
穂乃果「だってそのおかげで、私はにこちゃんと、幸せになれたんだからっ!」
にこ「……幸せ」
『もしも穂乃果とにこを、部室に閉じ込めたら――きっと二人には、大きな幸せが訪れるはず……』
『……私はそう、考えたのですよ』
にこ「……そうね、私も今、すごく幸せよ」
穂乃果「ふふっ……だからね、お礼を言わなくちゃ」
にこ「お礼?」
穂乃果「うんっ。『私たちをここに閉じ込めてくれて、ありがとう』ってっ!」
にこ「……」
にこ「えっ……?」
穂乃果「……そういえばね、にこちゃん」
にこ「なによ」
穂乃果「私さっき、『いつの間にか』にこちゃんのことが好きになってたって、言ったけど……」
穂乃果「……多分それって、あの時からなんだ」
にこ「……」
穂乃果「にこちゃんは、その……」
にこ「……同じよ」
穂乃果「やっぱりそうなんだっ、あはは」
穂乃果「あの時は、にこちゃんと色んなお話がができて、二人だけの思い出ができて、良かったって思ってたけど……」
穂乃果「……今はあの時以上に、思うよ。本当にあの時にこちゃんと閉じ込められて、よかった」
穂乃果「だってそのおかげで、私はにこちゃんと、幸せになれたんだからっ!」
にこ「……幸せ」
『もしも穂乃果とにこを、部室に閉じ込めたら――きっと二人には、大きな幸せが訪れるはず……』
『……私はそう、考えたのですよ』
にこ「……そうね、私も今、すごく幸せよ」
穂乃果「ふふっ……だからね、お礼を言わなくちゃ」
にこ「お礼?」
穂乃果「うんっ。『私たちをここに閉じ込めてくれて、ありがとう』ってっ!」
にこ「……」
にこ「えっ……?」
222: :2016/03/22(火) 21:50:29.20 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「ちょ、ちょっと待って、穂乃果」
穂乃果「えっ?」
にこ「あんたは私たちが、『誰かに閉じ込められた』と思ってるの?」
穂乃果「うん。ていうか、そうとしか思えないよ」
にこ(まさか、穂乃果……)
にこ(全部、気づいて……?)
にこ「……どうして?」
穂乃果「なんとなく」
にこ「なんとなくって……」
にこ「……じゃあ、一体誰に私たちは、閉じ込められたっていうの?」
穂乃果「えっ? そんなの、決まってるじゃんっ」
穂乃果「神様だよっ」
にこ「……は?」
穂乃果「あんな不思議なことが起きたのは、きっと神様のおかげなんだ……」
穂乃果「だから、お礼を言わなきゃ。神様、ありがとうございます。私をにこちゃんと一緒に、閉じ込めてくれて……」
にこ「……ばーか」
穂乃果「えぇーっ!?」
にこ「ちょ、ちょっと待って、穂乃果」
穂乃果「えっ?」
にこ「あんたは私たちが、『誰かに閉じ込められた』と思ってるの?」
穂乃果「うん。ていうか、そうとしか思えないよ」
にこ(まさか、穂乃果……)
にこ(全部、気づいて……?)
にこ「……どうして?」
穂乃果「なんとなく」
にこ「なんとなくって……」
にこ「……じゃあ、一体誰に私たちは、閉じ込められたっていうの?」
穂乃果「えっ? そんなの、決まってるじゃんっ」
穂乃果「神様だよっ」
にこ「……は?」
穂乃果「あんな不思議なことが起きたのは、きっと神様のおかげなんだ……」
穂乃果「だから、お礼を言わなきゃ。神様、ありがとうございます。私をにこちゃんと一緒に、閉じ込めてくれて……」
にこ「……ばーか」
穂乃果「えぇーっ!?」
223: :2016/03/22(火) 21:53:37.38 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「ていうかもう出ましょ。いつまでもここにいたってしょうがないし」
穂乃果「う、うん……」
にこ「……」
『出たいと思ったら、出ていただいて……あとはお二人でどこか出かけるなり、一日を過ごして頂ければと考えていました』
にこ「……ねえ、ここから出たら、どっかいく?」
穂乃果「っ! うん、行きたい行きたいっ! デートしよう、デートっ!」
にこ「デート……ふふっ、そうね」
にこ(もしかしたら『ここまで』が、あいつの恩返しだったのかな……)
にこ(……だとしたら)
にこ「確かにありがとうって、言うべきなのかも。私たちを幸せにしてくれた、どっかの女神様に」
穂乃果「……なんで女神様?」
にこ「なんとなく、よ」
グッ……
――もちろん。
握ったそのドアノブをいくら捻っても、ドアが開かないなんてことは、もう――
にこ「ていうかもう出ましょ。いつまでもここにいたってしょうがないし」
穂乃果「う、うん……」
にこ「……」
『出たいと思ったら、出ていただいて……あとはお二人でどこか出かけるなり、一日を過ごして頂ければと考えていました』
にこ「……ねえ、ここから出たら、どっかいく?」
穂乃果「っ! うん、行きたい行きたいっ! デートしよう、デートっ!」
にこ「デート……ふふっ、そうね」
にこ(もしかしたら『ここまで』が、あいつの恩返しだったのかな……)
にこ(……だとしたら)
にこ「確かにありがとうって、言うべきなのかも。私たちを幸せにしてくれた、どっかの女神様に」
穂乃果「……なんで女神様?」
にこ「なんとなく、よ」
グッ……
――もちろん。
握ったそのドアノブをいくら捻っても、ドアが開かないなんてことは、もう――
224: :2016/03/22(火) 21:58:16.18 ID:BqJ7CYpE.net
――あった。
グッ、グッ
にこ「……」
にこ「なんっで……っ!」
にこ「開かないのよおぉぉぉっ!!」
穂乃果「……えっ。ま、また開かなくなっちゃったの?」
にこ「うぅ、うっそでしょ、もう……」
にこ「やられた……っ! 今度は一体、どうすりゃいいのよ……っ!」
穂乃果「……あの、にこちゃん」
にこ「穂乃果っ! あんたこの部室から、『出たい』わよねっ!?」
穂乃果「えっ? うーん……」
にこ「出なきゃデートいけないわよっ!」
穂乃果「出たい、今すぐ出たいですっ!」
にこ「そう、なら……っ!」
にこ「……実は出る方法、一つ思いついてるんだけど」
穂乃果「な、なにっ!? 穂乃果、ここから出るためならなんでもするよっ!」
にこ「その……」
にこ「キス……」
穂乃果「えっ……?」
にこ「……キスしたら、ドア開くかなー、なんて」
――あった。
グッ、グッ
にこ「……」
にこ「なんっで……っ!」
にこ「開かないのよおぉぉぉっ!!」
穂乃果「……えっ。ま、また開かなくなっちゃったの?」
にこ「うぅ、うっそでしょ、もう……」
にこ「やられた……っ! 今度は一体、どうすりゃいいのよ……っ!」
穂乃果「……あの、にこちゃん」
にこ「穂乃果っ! あんたこの部室から、『出たい』わよねっ!?」
穂乃果「えっ? うーん……」
にこ「出なきゃデートいけないわよっ!」
穂乃果「出たい、今すぐ出たいですっ!」
にこ「そう、なら……っ!」
にこ「……実は出る方法、一つ思いついてるんだけど」
穂乃果「な、なにっ!? 穂乃果、ここから出るためならなんでもするよっ!」
にこ「その……」
にこ「キス……」
穂乃果「えっ……?」
にこ「……キスしたら、ドア開くかなー、なんて」
225: :2016/03/22(火) 22:02:16.12 ID:BqJ7CYpE.net
穂乃果「……どういうこと??」
にこ「知らないわよっ! 思いついちゃったんだから、しょうがないでしょっ!」
穂乃果「う、うーん……」
穂乃果「……でも、そっか。なんかそれで開いたらロマンチックだし、本当にそうなのかもっ!」
にこ「でしょっ!?」
穂乃果「じゃあ、その……する?」
にこ「しましょう……」
穂乃果「は、恥ずかしい……」
にこ「『ここから出るためだから仕方ない』と思うことが、コツよ」
穂乃果「なるほど……」
穂乃果「……えっと」
にこ「……穂乃果」
穂乃果「お願いします、にこちゃん……」
にこ「う、うん……」
ガシッ……
にこ「……」フゥ……
穂乃果「……どういうこと??」
にこ「知らないわよっ! 思いついちゃったんだから、しょうがないでしょっ!」
穂乃果「う、うーん……」
穂乃果「……でも、そっか。なんかそれで開いたらロマンチックだし、本当にそうなのかもっ!」
にこ「でしょっ!?」
穂乃果「じゃあ、その……する?」
にこ「しましょう……」
穂乃果「は、恥ずかしい……」
にこ「『ここから出るためだから仕方ない』と思うことが、コツよ」
穂乃果「なるほど……」
穂乃果「……えっと」
にこ「……穂乃果」
穂乃果「お願いします、にこちゃん……」
にこ「う、うん……」
ガシッ……
にこ「……」フゥ……
226: :2016/03/22(火) 22:05:08.07 ID:BqJ7CYpE.net
にこ(……まあ)
ドアが開かないっていうのは、嘘なんだけどね。
我ながら本当、面倒くさい性格だわ……わざわざ嘘をついてまで、『仕方なく』穂乃果とキスしようとするなんて。
本当はめちゃくちゃ、したいくせに。
……だから、今誰かがここに来て、ドアを開けようとすれば、普通に開いちゃうんだけど。
別に今ここは、なんのおまじないもかかってない、いつもの部室なんだけど。
なんだけど、でも――
にこ「んっ……」
穂乃果「……っ」
チュッ……
閉ざされてなくても、今は私と穂乃果だけの空間であってほしいから。
なんでもない部室でも、今ここには確かに、幸せな時間が流れてるから。
だから――
にこ(……まあ)
ドアが開かないっていうのは、嘘なんだけどね。
我ながら本当、面倒くさい性格だわ……わざわざ嘘をついてまで、『仕方なく』穂乃果とキスしようとするなんて。
本当はめちゃくちゃ、したいくせに。
……だから、今誰かがここに来て、ドアを開けようとすれば、普通に開いちゃうんだけど。
別に今ここは、なんのおまじないもかかってない、いつもの部室なんだけど。
なんだけど、でも――
にこ「んっ……」
穂乃果「……っ」
チュッ……
閉ざされてなくても、今は私と穂乃果だけの空間であってほしいから。
なんでもない部室でも、今ここには確かに、幸せな時間が流れてるから。
だから――
227: :2016/03/22(火) 22:09:35.41 ID:BqJ7CYpE.net
にこ「ぷはっ……」
穂乃果「……ふふっ」
にこ「し、しちゃったわね……///」
穂乃果「う、うん……///」
穂乃果「……でも」
穂乃果「たぶんまだ、ドア開いてないよね?」
にこ「……あったりまえじゃない。まだまだよ」
穂乃果「ぷっ、あははっ……」
にこ「……穂乃果」
ギュッ……
にこ「だいすきっ!」
穂乃果「私もだよ、にこちゃんっ」
にこ「グスッ……あははっ」
――お願いだから今だけは、誰も入ってこないでね?
~fin~
にこ「ぷはっ……」
穂乃果「……ふふっ」
にこ「し、しちゃったわね……///」
穂乃果「う、うん……///」
穂乃果「……でも」
穂乃果「たぶんまだ、ドア開いてないよね?」
にこ「……あったりまえじゃない。まだまだよ」
穂乃果「ぷっ、あははっ……」
にこ「……穂乃果」
ギュッ……
にこ「だいすきっ!」
穂乃果「私もだよ、にこちゃんっ」
にこ「グスッ……あははっ」
――お願いだから今だけは、誰も入ってこないでね?
~fin~