1:2016/12/26(月) 22:56:43.05 ID:ZNYrWpK+.net

梨子「ショックで未だに部屋から出られないよ…何もしたくない…」

コンコン

梨子ママ「梨子、渡辺さんがノート届けに来てくれたわよ」

梨子「…」

梨子ママ「梨子…」

梨子「…」

梨子「曜ちゃんの方がずっと辛いはずなのに…ダメだ私…」ポロポロ

誰か続きよろしく


7:2016/12/26(月) 23:10:07.75 ID:PZXEsGSr.net

ガチャッ

曜「梨子ちゃん」

梨子「曜……ちゃん……」

曜「ノート、ここに置いとくね」

梨子「うん……」

曜「梨子ちゃん、千歌ちゃんは――」

梨子「分かってるよっ!分かってる……けど!だけど!!」

曜「……」

梨子「ぁ……ごめんなさい」

曜「うぅん」

梨子「曜ちゃんの方がよっぽど辛いのに、私なんかが……」

曜「……辛いのは、皆一緒だから」

梨子「……」

曜「じゃあ、今日は帰るね。いつでもいいから、学校に来て?皆心配してるよ」

梨子「……ごめん、まだ」

曜「そう……じゃあ」

ガチャッバタン



ごめんここからの展開思いつかない


10:2016/12/26(月) 23:14:56.14 ID:dUnsdl5y.net

梨子(90)「千歌ちゃんが死んじゃってから今日で1ヶ月かぁ」


12:2016/12/26(月) 23:17:10.18 ID:bCyyhpO4.net

>>10
大往生やんけ!


32:2016/12/27(火) 01:11:15.20 ID:U3TYypNv.net

少し思いついたから>>7の続きで書いてみる

――

千歌ちゃんが死んでから1ヶ月……短いようで長い時間が経ってしまった。
私以外の皆は引き篭もりにはなってないけど、曜ちゃんから聞いた話だとやっぱり元気がないみたい……。

梨子「千歌ちゃん……」

ピンポーン

「失礼します!」

梨子「あれ?今の声……」

「梨子ー!」

梨子「……」

鞠莉「梨子!話があるわ!」ガチャッ

梨子「放っておいてよ……」

鞠莉「いいから聞いて」

梨子「帰って」

鞠莉「タイムマシンを作ったのよ!」

梨子「――え?」


33:2016/12/27(火) 01:18:42.81 ID:U3TYypNv.net

梨子「今、何て……?」

鞠莉「やっと話してくれる気になったのね」

梨子「今何て言ったの!?」ガシッ

鞠莉「落ち着きなさい梨子、とりあえず私の話を聞いて」

梨子「……」コクリ

そこから鞠莉さんの話は始まった。

鞠莉「千歌っちが死んだ時のことは覚えてる?」

梨子「っ!」

鞠莉「あ……ごめん、まだ辛かったわね」

梨子「うぅん、大丈夫……大丈夫よ」

鞠莉「無理しないでいいから、ちゃんと言うのよ?」

梨子「うん」

鞠莉「それで、その時の事なんだけど……不自然じゃなかった?」

梨子「え?」

鞠莉「状況が、よ。風が吹いてない、誰も立ち入った形跡が無い、監視カメラに誰も映ってない、にも関わらず資材が落ちてきて千歌っちに当たった?不自然過ぎるじゃない」

梨子「……確かに」


34:2016/12/27(火) 01:25:06.13 ID:U3TYypNv.net

鞠莉「それでその謎を解いて、千歌っちを救う為にタイムマシンを作ったの」

梨子「作れたんだ……」

鞠莉「色々な手を使って何とか……ね。けどこれは不完全なもの。過去にしか飛べず、10回しか使えない」

梨子「それはっ――!」

鞠莉「それ以降はどうなるかも分からないわ。まだ1ヶ月しか経ってないから使えるタイムマシンよ」

梨子「……それで、鞠莉さんは私に何をして欲しいの?」

鞠莉「……ここまで来れば言わなくても分かるでしょ?」

それは――そうだ、多分私に行ってほしいのだろう。
だけど、私がそんなことをして良いのだろうか。
それは死者を冒涜することにはならないのだろうか。

梨子「……」

鞠莉「この際色んな建前や倫理観なんてどうどてもいいわ!梨子、貴女はどうしたいの?」

梨子「……」

梨子「助けたいよ!助けたいに決まってるじゃない!」

鞠莉「その言葉が聞きたかったのよ。これはここに置いておくわ。決心がついたら使って。じゃあ」

ガチャッバタン

梨子「……タイムマシン……か」


39:2016/12/27(火) 19:27:43.88 ID:U3TYypNv.net

――

暫くの間は決められなかった。
そんな私を鞠莉さんは責めることなく、その後1回だけ、過去に戻った時用の資金として500万円入ったカードを渡しに来た。
そんなに要らないよって言ったけど――

鞠莉「梨子に何かあったら困るから受け取りなさい!」

だって。

そして鞠莉さんからタイムマシンを受け取ってから1ヶ月後、私は――鞠莉さんに電話をした。


56:2016/12/27(火) 23:49:47.31 ID:U3TYypNv.net

>>39
鞠莉が梨子の為に作った口座だったら、過去に戻った時に使えないので現金だったという事でお願い


40:2016/12/27(火) 19:29:17.10 ID:U3TYypNv.net

梨子「鞠莉さん……」

鞠莉『……決心はついたのね?』

梨子「うん」

鞠莉『私には健闘を祈るしか言えないから』

梨子「うん」

鞠莉『何が起こるか分からないから、行った先の自分や知り合いには会わないようにね』

梨子「うん」

鞠莉『それじゃあ――』






鞠莉『千歌っちを、お願い』

梨子「うん!」ポチッ

そうして私は過去へと飛んだ。


41:2016/12/27(火) 19:34:27.50 ID:U3TYypNv.net

――

私が飛んだ先は事故が起きる2日前。

なるべく目立たない様な格好をして来た。
帽子にサングラス……マスクまで着けると不審者になるので止めた。

事故が起きたのは東京。
今いる場所は沼津駅。
鞠莉さんの作ったタイムマシンは時間の移動しか出来ないから、沼津駅まで移動して使った。
今日は平日だったけど、外に出ると言ったらお母さんは泣きそうな顔で『行ってらっしゃい』と行ってくれた。

お母さん、学校に行くって言ったけどごめんなさい。

私、今から千歌ちゃんを救いに行くんだ

今日は東京の宿屋に泊まる予定だ。
電車を待つ間に予約をした。

今日は疲れたから休もう。

明日からは――

現場に行かなきゃ……


42:2016/12/27(火) 19:38:58.02 ID:U3TYypNv.net

――

翌日、私は現場への道を進む。
段々と近づいて来るにつれ、胃が捻じ切れるのかと錯覚するほどの痛みが私を苦しめる。

梨子「千歌ちゃん……うぷっ」

胃液が込み上げてくる。
あの日のことを思い出そうとするとこうなってしまうのだ。

もうやだ、帰りたい。

そう何度思ったことか。

梨子「だけど――私が!私がなんとかしないと千歌ちゃんは――!」

そう……

梨子「千歌ちゃんを助けられるのは私だけなんだから!」


43:2016/12/27(火) 19:43:16.80 ID:U3TYypNv.net

そうなのだ。
私が行かなければ千歌ちゃんは救われない。
永遠に、千歌ちゃんとは会えないのだ。

だから――進まなければならない。

胃の痛みと、吐き気に耐えながら、1歩ずつ、ゆっくりと……しかし、確実に進んでいった。


45:2016/12/27(火) 19:46:10.47 ID:U3TYypNv.net

現場が近づいて来るにつれて、吐き気に加え頭痛までしてきた。
あの日のことが思い出される――

東京に遊びに来ていた私達Aqours。
各々自由行動になった後、私は目的もなくフラフラと歩いていた。
暫くすると、私と同じくやりたいことも無かった千歌ちゃんと出会った。
お互い目的が無い者同士、フラフラと2人で歩き回った。

そして、今私が歩いている道に辿り着く。





そして――この先にある――小ビルの――屋上に――置いてあった――資材が――落ちてきて――千歌ちゃんの――頭――

梨子「あぁっ、あぁ……あぁぁぁぁ!!!」

小ビルが見えた瞬間、私は絶叫していた。
蹲って頭を抱え、赤子のように叫んだ。


46:2016/12/27(火) 19:53:41.86 ID:U3TYypNv.net

道行く人々は私の方など見向きもせずに過ぎ去って行く。

梨子「はぁっ――はぁ――っ!」

頭が割れそうなほど痛い。
とてもじゃないが、マトモな状態じゃない。

だけど私には――

梨子「やらなきゃならないことが――あるんだから!」

産まれたての小鹿みたいに震える足で立ち上がる。

そしてまた、1歩ずつ歩を進めた……。


47:2016/12/27(火) 19:59:31.54 ID:U3TYypNv.net

どうにかして普通に歩けるようになるまで少し時間がかかった。
まだ体調は万全からは程遠いけど……。

梨子「ここの屋上に……」

鞠莉さんが言っていた言葉――

『 風が吹いてない、誰も立ち入った形跡が無い、監視カメラに誰も映ってない、にも関わらず資材が落ちてきて千歌っちに当たった?不自然過ぎるじゃない』

この謎を解けば千歌ちゃんは助かる。
そう信じてビルの中に入る。


48:2016/12/27(火) 20:01:06.07 ID:U3TYypNv.net

警備員さんがいたけど、私は社員証を見せて問題なく入った。
これも鞠莉さんが用意してくれた物だ。

入るのは簡単だけど、中で誰かに見咎められたら終わりだ。
だからここから慎重に行動しないと……。

梨子「……」スタスタ

梨子「(誰も気にしてない?)」

うまく溶け込めてるのかな?
良い感じだと思って屋上へ、進む。


57:2016/12/27(火) 23:58:24.63 ID:U3TYypNv.net

―屋上―

梨子「遂にやって来た」ゴクリ

あれから私は誰にも咎められずに屋上に辿り着いた。

梨子「……これかな?」

屋上の隅に置いてある資材を発見。

梨子「屋上には縁もあるのにどうして……?」

分からない、謎が多過ぎる。
もしかして明日移動させられるのかな?

梨子「むむ……」

今日の確認はここまでにしておこう。
千歌ちゃんの命を奪ったものを、あまり長くは見たくない


58:2016/12/28(水) 00:08:00.28 ID:q2StUYkV.net

―事故発生当日―

梨子「千歌ちゃんを救えるかどうかは今日にかかってるんだ……!」

決意を新たに小ビルへと向かう。
――と、その前に千歌ちゃんの無事を確認しよう……。

梨子「千歌ちゃん……会いたいよ……」

けど、会ったら駄目だ。
まず辻褄が合わなくなる。
そして鞠莉さんが言っていた。

『何が起こるか分からないから、行った先の自分や知り合いには会わないようにね』

会ってはいけない。
会ったら駄目だ。
自分に言い聞かせるように東京の街を進む。

数十分歩いた後、目線の先に――

梨子「――!」

梨子「千歌ちゃ――っ!」

声を上げたら駄目だ!
我慢しなさい!私!

梨子「うぅ……」

梨子「すぐそこに千歌ちゃんがいるのに――!」


63:2016/12/28(水) 20:44:42.99 ID:q2StUYkV.net

梨子「うぅ……」

今はそれどころじゃない。

梨子「待っててね、千歌ちゃん」

千歌ちゃんを見ていたい、話しかけたい気持ちを抑え、先回りして小ビルへと向かった。

――

梨子「……移動してる?」

資材の置いてある場所が、通りに面した縁の近くになっていた。

梨子「けど誰かが落とそうとしない限り落ちない……よね……?」


64:2016/12/28(水) 20:48:59.11 ID:q2StUYkV.net

油断は禁物、自分に言い聞かせる。

千歌ちゃんと私がビルの前の道を通るまでの時間が、とても長く感じられた。

梨子「誰にも……千歌ちゃんを殺させない!」

――1分

梨子「誰も来ない?けど何で!?」

――30秒

梨子「もしかして資材自体に細工が?」

――20秒

梨子「纏めて縛ってあるし大丈――っ!」

私が縄に触れたその時、縛ってあった縄が解けた。


65:2016/12/28(水) 20:53:02.77 ID:q2StUYkV.net

――10秒

梨子「何で!?とにかく縛ら――きゃっ!」

立っていられないほどの突風が吹き荒れた。

――5秒

梨子「ぁ」

一人じゃ持ち上げられないほど重たかった資材が――ゆっくりと――落ちていく。

梨子「待っ――」

――0秒

「千歌ちゃん?千歌ちゃぁぁぁぁん!!!」

「何だ!?」

「上からこれが落ちてきたんだよ!」

「それがこの子に当たって――」

「動かしたら駄目よ!」

「千歌ちゃん!千歌ちゃん!」

「私は医学をかじってるわ!友達を死なせたくなかったら言うことを聞きなさい!」

「千歌ちゃん……!千歌ちゃぁん!!」

「そこのあなた!救急車呼びなさい!」

「俺ぇ!?分かった!!」


66:2016/12/28(水) 20:56:07.93 ID:q2StUYkV.net

下が騒がしい。

何が起きたの?

何が――

何が――

梨子「ぇ」

あぁそうか――

梨子「私は……救えなかったんだね」ポロポロ


67:2016/12/28(水) 20:56:38.57 ID:q2StUYkV.net

梨子「やっぱり、無理だったんだよ」

梨子「私が千歌ちゃんを救うだなんて大口叩いておいてこのザマ」

梨子「しかも私の手で千歌ちゃんを――!!」

梨子「私が!救うって言ったのに!」

分かった――

"救えなかった"んじゃない。










梨子「私は――"殺した"んだ」

―失敗―


72:2016/12/29(木) 00:15:15.44 ID:rICp6WwM.net

―2ヶ月後―

梨子「……」

今日も私はホテルの一室にいる。
何をするでもなく、ただただボーっと過ごした。

梨子「千歌ちゃん……」

鞠莉さんから、電波がめんどくさいことになるから電話は持っていくなって言われたからスマホは持って来ていない。

何もしない日々――

ふとカレンダーを見た。

梨子「あ……今日私は過去に……」

今日は私が過去に飛んだ日だった。

梨子「……鞠莉さんに電話しよう」

トボトボと歩いてホテル備え付けの公衆電話まで向かう。
電話番号はメモしているから大丈夫。


73:2016/12/29(木) 00:20:44.79 ID:rICp6WwM.net

プルルルル

鞠莉『はぁい、マリーよ』

梨子「鞠莉さん」

鞠莉『梨子!?過去に行ったはずじゃ――そういうことね』

梨子「……」

鞠莉『世界が変わってない―ってことは失敗、したのね?』

梨子「……うん」

鞠莉『……もう一度、行ける?』

梨子「……ごめん、鞠莉さん」

鞠莉『何があったの』

梨子「千歌ちゃんが、死んだのは、私の、せいだったんだ……」

鞠莉『Why?』


75:2016/12/29(木) 19:56:46.33 ID:rICp6WwM.net

梨子「私の、私のせいで……あぁぁぁぁぁ!!!ごめん……ごめんね……千歌ちゃぁぁぁぁん!!!あぁぁぁぁぁ!!!!!」

鞠莉『梨子!?しっかりしない!梨子!!』

梨子「あぁぁぁ……」

鞠莉『無理しなくていいから、話せるようになったら、ね?』

梨子「――ぁ」

梨子「うぅん……鞠莉さん、話すわ。全部」

鞠莉『そう……無理しちゃ駄目よ?』

そこから私は言葉に詰まりながらも全て話した。


76:2016/12/29(木) 20:05:54.63 ID:rICp6WwM.net

――

梨子「だから、私が殺したの」

鞠莉『ちょっと待って、おかしくない?』

梨子「え?」

鞠莉『まず風は吹いてなかったはずよ』

梨子「けど実際に」

鞠莉『風は観測されてなかった――これは事実よ。観測する高さは10m、つまり小ビルと同じ高さ』

梨子「……」

鞠莉『観測計は開けた土地にあるんだけど……あの日、東京一帯には風が吹いていなかったのは確実よ』

梨子「……」

鞠莉『そしてビル風とかの突風なら観測はされない――そうだ、ビル風の種類って何があるか知ってる?』

梨子「いいえ……」


77:2016/12/29(木) 20:15:12.10 ID:rICp6WwM.net

鞠莉『剥離流、吹き降ろし、逆流、谷間風、開口部風、街路風、渦領域、吹き上げ――よ』

一つも知らないんだけど……

鞠莉『まぁ知らないのが普通よね。私もあの件があってから調べたから知ってるだけだし』

鞠莉『名前なんて実はどうでもよくて、"ビル風には屋上に吹く種類の風なんて無い"のよ』

梨子「!」

鞠莉『小ビルの周りに高い建物は無いし』

梨子「じゃあ何で、あの突風は?」

鞠莉『分からないわ。さっぱり』

梨子「……」

鞠莉『梨子が過去に行ったことで何かが変わったのかもしれないわね』


78:2016/12/29(木) 20:32:22.87 ID:rICp6WwM.net

梨子「それはっ!」

鞠莉『梨子が行っても行かなくても、無理矢理千歌っちを殺そうとする何者かの悪意が働いてるのよ。じゃなきゃおかしいわ』

梨子「そう……かも」

鞠莉『梨子』

梨子「うん?」

鞠莉『もう一度……行ける?』

どうなんだろう。
正直、まだ心の整理は出来ていない。
また行っても千歌ちゃんを"殺して"しまうかもしれない。
そう思うと怖くて――

鞠莉『梨子、貴女が選びなさい』

私はどうすれば――

梨子「……やってみる、やってみるよ、鞠莉さん」

鞠莉『そう……fightだよっ!』

梨子「それって」

鞠莉『μ’sの穂乃果さんの有名な口癖よ。今の貴女におくるにはピッタリでしょ?』

鞠莉さんがウィンクしている姿が思い浮かぶ。

梨子「そうね。鞠莉さん、じゃあ」ポチッ

鞠莉『good lackよ。梨子』








鞠莉『何で梨子の姿が映ってないのかしら……?』


88:2016/12/30(金) 20:04:37.10 ID:/RoY9Ntf.net

―事故発生当日―

梨子「この時間なら前の私は居ない……」

時間を調整して過去に飛んだ。
2回目の私がやることは一つ。

梨子「1回目の私に、縄を触らせない」

それが、目標。

梨子「私が触れなければ縄は解けなかった……」

そして千歌ちゃんに当たることも……

梨子「…行こう」

決心をして立ち上がる。
行く先は――小ビル。


89:2016/12/30(金) 20:15:35.34 ID:/RoY9Ntf.net

梨子「私が来る前に屋上で待機、触りそうになったら止める」

その方法しかない…だろう。

梨子「この際過去の私と出会うことなんてどうでもいいのよ。過去に戻れることは知ってる私だから」

そう言い訳をする。
まぁ、多分、きっと、大丈夫だろう……だったらいいなぁ。

梨子「けど暇……」

待ってる間に疲れが溜まっていた私は寝てしまっていた――


90:2016/12/30(金) 20:27:47.62 ID:/RoY9Ntf.net

――

梨子「はっ、寝ちゃってた!今時間は!?」

慌てて時間を確認したけど、今は事故の5分前。

梨子「ふぅー、危なかったぁ」

胸をなで下ろし一安心、するのと同時に疑問が出てくる。

梨子「あれ…?1回目の私は……?」

前私が居た辺りを見てみる。

居ない。

じゃあ別の場所?と思い周りを見回す。

居ない?

梨子「え?でも……えっ?」

居ない!


91:2016/12/30(金) 20:45:31.00 ID:/RoY9Ntf.net

梨子「どういうこと?また別の過去に来たってこと?」

考えられるのはもう一度、一からやり直しと言うこと。

梨子「じゃあ私が触らなければ――それじゃいけない!」

元々私が居なくてもこの資材は上から振ってきた。
そして私が過去に戻ったことで、私が縄に触れたことで資材が落ちていくことになった。
つまり、1回目の過去では私が触れなければ落ちなかった――ってこと?

梨子「分かんないよ……」

梨子「今の世界の、千歌ちゃんが死なない条件は何!?」

――1分

梨子「あぁーもう!ゴチャゴチャする!何かしなきゃ!」

梨子「そうだ!資材を動かせばっ」

資材に駆け寄り、ずらそうと試みる。

梨子「お、重い……。けど動かすくらいなら!」

一人で持ち上げきれなかった1回目のことを思い、横から押す。


92:2016/12/30(金) 20:50:21.48 ID:/RoY9Ntf.net

――20秒

梨子「嘘……!」

縄が、解けた。

梨子「触ってないのに!今から縛る時間は――無い!」

――10秒

梨子「ふぬぬ…!」

駄目だ、全く動かない。

梨子「もしかして、また――」

――5秒

風が――吹き荒れる。

梨子「また…またなの!?」

――0秒

「千歌ちゃん?千歌ちゃぁぁぁぁん!!!」

「何だ!?」

「上からこれが落ちてきたんだよ!」

「それがこの子に当たって――」

「動かしたら駄目よ!」

「千歌ちゃん!千歌ちゃん!」

「私は医学をかじってるわ!友達を死なせたくなかったら言うことを聞きなさい!」

「千歌ちゃん……!千歌ちゃぁん!!」

「そこのあなた!救急車呼びなさい!」

「俺ぇ!?分かった!!」


93:2016/12/30(金) 21:02:29.14 ID:/RoY9Ntf.net

梨子「また、失敗?」

けどなんで……

梨子「私が何もしなくても縄が解けた」

そして突風が吹いて資材が飛んでいった。

梨子「1回目の時、私が触った瞬間に縄が解けたのは偶然?」

そうだったらいいけど……

あぁ…下が騒がしい。
もうこれ以上この場にいたくない。

梨子「早く、次に行かなきゃ……」ポチッ

―失敗―


94:2016/12/30(金) 21:20:33.87 ID:/RoY9Ntf.net

―事故発生当日早朝―

梨子「今度は失敗しない!」

1回目の私が来るよりも、2回目の私が来るよりもかなり早い時間に戻ってきた。

梨子「分からないけど一応ね……」

今度は縄を強めに縛る。
そうすれば飛ばないはず……

梨子「まずは縄を買いに行かないと…」

――

梨子「24時間営業のホームセンターがあって良かった…」

あの資材を縛ってあった縄に、見た目が似ている縄を買った。

梨子「と言うか、むしろ本物と同じ?」

不自然さを出さないように探し回ったのだ。


95:2016/12/30(金) 21:29:10.44 ID:/RoY9Ntf.net

―小ビル屋上―

梨子「ギリギリ…かな」ハァハァ

走ってきたから息が乱れる。
2ヶ月引きこもって、過去に戻ってからまた2ヶ月引きこもった私にとっては辛い。

梨子「足…足が!」

我慢、我慢だ私。

梨子「……やっぱりちょっと休憩しよ」

この後の活動を円滑にする為にね!必要だから!


96:2016/12/30(金) 21:34:54.48 ID:/RoY9Ntf.net

――

梨子「休憩終了!」

縄を手に資材へ近付く。





――気付く。

梨子「縛られて無い……?」

梨子「分かんないけどとりあえず縛っておこう」ギュッ

後から誰かが来て縛るの?
けど、それだったら何で最初から縛ってないの?

ぐるぐると疑問が頭の中で渦巻く。

梨子「強めに縛ったから大丈夫だよね…」


97:2016/12/30(金) 21:38:56.30 ID:/RoY9Ntf.net

待つ――誰も来ない。

梨子「今回はこのままで大丈夫、なのかな?」

いいや、やっぱり油断は禁物。
そう言い聞かせ、自分の頬をパシンと叩いて気合を入れる。

梨子「どんとこい、よ!」

――1分

梨子「誰も来ない…」

――30秒

梨子「今度こそは――!」

――20秒

梨子「え!?」
















縄が――解けた。


98:2016/12/30(金) 21:44:35.99 ID:/RoY9Ntf.net

梨子「くっ!また!」

急いで資材の元へ向かう。
だけど、一応1回目、2回目の私の隠れ場所とは違う場所に隠れていた私と資材の間には距離がある。

――10秒

梨子「お願い!間に合って!」

――5秒

梨子「あぁっ――」

辿り着く前に――突風が吹く。

梨子「何で……何でなの!」

――0秒

「千歌ちゃん?千歌ちゃぁぁぁぁん!!!」

「何だ!?」

「上からこれが落ちてきたんだよ!」

「それがこの子に当たって――」

「動かしたら駄目よ!」

「千歌ちゃん!千歌ちゃん!」

「私は医学をかじってるわ!友達を死なせたくなかったら言うことを聞きなさい!」

「千歌ちゃん……!千歌ちゃぁん!!」

「そこのあなた!救急車呼びなさい!」

「俺ぇ!?分かった!!」


99:2016/12/30(金) 21:47:40.76 ID:/RoY9Ntf.net

この下の会話を聞くのは何回目だろう。


――4回目だ

梨子「こんな……こんなの理不尽過ぎるよ!」

もうどうすればいいのか……

梨子「だけど、だけど絶対に諦めないから!」

決意を新たに、またタイムマシンへと手を伸ばす。

梨子「今度こそ、今度こそ千歌ちゃんをっ!!」ポチッ

―失敗―


106:2016/12/31(土) 20:46:45.95 ID:xFGYEk2H.net

―事故発生前日―

梨子「4回目っ!」

次こそ……次こそは!

梨子「けど、今のところ何をすればいいのか分からない……」

もう何をしても無駄になるのでは?
そう思ってしまう。

梨子「だけどそれは屋上でのこと、下でどうにかすれば……」

今度は下での行動だ。


107:2016/12/31(土) 20:52:14.69 ID:xFGYEk2H.net

下に降りて千歌ちゃんの捜索を開始。
私でも大丈夫――って、私探した方が早かったわ……。

梨子「この時間だと……」

今の時間は2回目の私と3回目の私の間だ。
3回目の時は、2回目の時よりもかなり早めの時間に飛んだのでその隙間をぬっている。

梨子「う~ん、どこだったかなぁ」

ふらふらと目的もなく歩いていたから、どの時間にどこにいたのかさっぱり分からない。

梨子「私達が、ここの通りに入る時に通った道の脇で待つ……?」

それが確実……かな。


108:2016/12/31(土) 20:58:54.68 ID:xFGYEk2H.net

――

梨子「……来た」

私と千歌ちゃんの姿が目に入った。
千歌ちゃんの後ろを私が追いかけながら走っている。

「ま、待ってよ千歌ちゃぁん!」

「はっはっは、急がないと遅れちゃうぞー?」

「ふぅっ、千歌ちゃん元気すぎるよ…」

「元気でいなきゃ幸せはやって来ないからね!――っと、もう走らなくて大丈夫かな?」

「そうだね、この時間だったら多分大丈夫だよ」


109:2016/12/31(土) 21:03:39.73 ID:xFGYEk2H.net

梨子「そうだ、私達はあの時――」

集合場所に遅れそうになっていたから、急いでたんだ。

梨子「確かあの時千歌ちゃんのスマホが見つからなくて……」

結局見つかったら良かったんだけど。
その時のタイムロスが結果的にあの事故へと繋がったのかもしれない。

梨子「……」

目の前の私と千歌ちゃんに気付かれないよう後を付ける。


110:2016/12/31(土) 21:07:15.90 ID:xFGYEk2H.net

――30秒

そろそろビル前へと差し掛かる。
私がするのは、千歌ちゃんを突き飛ばすこと。

――20秒
今の私になら当たってもいい。
当たって、死んだとしても、その私は千歌ちゃんが死んでしまった世界での私。
千歌ちゃんが生きている世界の私は、過去に飛ばないから何ら問題は無い。

――10秒

いよいよ正念場。

――5秒

上を見る。





梨子「来たっ!」


111:2016/12/31(土) 21:15:52.29 ID:xFGYEk2H.net

――3秒

梨子「えいっ!!」ドンッ

千歌ちゃんを怪我しない程度に、なおかつ上からの資材に当たらない範囲まで押し出せるほどの力で突き飛ばす。
資材が、私と千歌ちゃんに当たるように横になっていたので一応私も。

「「わっ!?」」

千歌ちゃんが前のめりになって倒れ込みそうになる。
私はなんかあわあわしながら倒れなかったけど……

梨子「(これで!)」

――1秒






クルッ










梨子「……は?」


112:2016/12/31(土) 21:18:11.13 ID:xFGYEk2H.net

資材が急に回って――

これじゃいけない!!

と思う暇もなく……

――0秒

「千歌ちゃん?千歌ちゃぁぁぁぁん!!!」

「何だ!?」

「上からこれが落ちてきたんだよ!」

「それがこの子に当たって――」

「動かしたら駄目よ!」

「千歌ちゃん!千歌ちゃん!」

「私は医学をかじってるわ!友達を死なせたくなかったら言うことを聞きなさい!」

「千歌ちゃん……!千歌ちゃぁん!!」

「そこのあなた!救急車呼びなさい!」

「俺ぇ!?分かった!!」


113:2016/12/31(土) 21:21:16.23 ID:xFGYEk2H.net

梨子「嘘……こんなの有り得ないよ……」

呆然とその場に立ち尽くす。
倒れた千歌ちゃんに縋りつこうとする私を、女性が羽交い締めにして止めている。
その連れであろうか、赤毛の女性が千歌ちゃんの様態を確認して指示を出している。

確かあの人達はμ’sの――

梨子「もう1回……もう1回やらなきゃ……」

そして思う。

――あぁ、私はいつになったら千歌ちゃんを救えるんだろう



ポチッ



―失敗―


119:2017/01/01(日) 21:24:11.78 ID:/0vvL+Q4.net

―事故発生当日―

梨子「5回目…もう半分かぁ……」

これを含めるとあと6回しかチャンスがない。
いや、あと6回もチャンスがあるのだと考えよう。

梨子「そうしないと……ね」

次のプランは考えてある。
今の私は、周りの人に気付かれにくい状態にあることが分かった。
それを利用して、千歌ちゃんのスマホをスっておくのだ。

梨子「そうすればスマホを探して元の道に引き返すはず」

今回ばかりは確実だろう。


120:2017/01/01(日) 21:29:26.31 ID:/0vvL+Q4.net

――

また待つ。
ひたすら待つ。
今度は、スるのに時間がかかると思われるので、小ビルからは結構離れた所だ。

梨子「スれるかな……?」

それだけが心配。




ん……?何か忘れてるような……。





梨子「あっ――」

そうだ、千歌ちゃんはあの時トイレに……
その時荷物を地面に置いて――

梨子「そこが唯一のチャンス!」


121:2017/01/01(日) 21:33:30.92 ID:/0vvL+Q4.net

体感では4ヶ月も前のことだから忘れていた。

梨子「そうと決まれば…」

移動を開始――到着。

梨子「もうそろそろ来る時間かな?」

「梨子ちゃーん、ちょっとお手洗い行ってくるねー」

「うん分かった。時間も無いから少し急ぎ気味でね?」

「そうだったー!」

梨子「いたいた……」


122:2017/01/01(日) 21:39:13.69 ID:/0vvL+Q4.net

梨子「女桜内、行きます!」

気合いを入れて私に近づく。

「皆はもう集まってるの?――と」ピッ

ピロン♪

「善子ちゃんがまだ?……呪術的なお店だよね、絶対」

梨子「(今!)」バッ

「私と千歌ちゃんももう少しで着きます――送信」ピッ

荷物の場所は私の後ろ。
この距離まで来ても気付かれないなんて……やっぱり何かあるのかな……?

梨子「(あった!退散!)」ダッ


123:2017/01/01(日) 21:46:43.00 ID:/0vvL+Q4.net

梨子「はぁ、はぁ」

千歌ちゃんのスマホゲット!
これで千歌ちゃんが――

「お待たせー」

「ちょっと急いだ方がいいかも」

「そうなの!?――って本当だ!」

「急ぐって言っても寄り道しなきゃ間に合うから走ったりはしなくて大丈夫だよ」

「そうなの?じゃあゆっくり行こーか」

スマホを取り出そうとして――

「連絡しとこ――って無い!?」


124:2017/01/01(日) 21:51:50.36 ID:/0vvL+Q4.net

当たり前だ。
だって私の手元にあるんだから。

梨子「このまま……」

目をつぶって祈る。

「千歌ちゃん本当に無いの?」

「うーん、確かにここに入れてたんだけど……」

「スマホ探すから遅れるって連絡しとく?」

「それはちょっと待って。あるかもしれないから」

それは無い。
だってここに――





ここに――









あれ?

梨子「嘘でしょ!?」


125:2017/01/01(日) 21:58:30.95 ID:/0vvL+Q4.net

「あったー!こんな所にはいってたよー」

「もぉ、入れてた所間違えてただけじゃない」

「こんな所入れたっけなぁ……」

「あ、千歌ちゃん!時間が!」

「え?うわぁっ!走るよ!梨子ちゃん!」

「え?待って千歌ちゃーん!」


梨子「……は?」

今確かに私の手元に……

梨子「何で……瞬間移動でもしたって言うの!?」


126:2017/01/01(日) 22:01:43.07 ID:/0vvL+Q4.net

もう、今からじゃ追いつかない……。
呆然としている間に走っていってしまったからだ。

梨子「そうか、あの時千歌ちゃんがスマホ探してたのは――」

















梨子「私が隠したからなの?」


127:2017/01/01(日) 22:06:18.47 ID:/0vvL+Q4.net

そうだとしたらこの世界は繋がってる?
私が過去に戻ってからしたことが原因で千歌ちゃんが死んだ?
それだと過去に戻らなかったら千歌ちゃんは死ななかった?
いや、もしそうだとしたら千歌ちゃんが死んだ世界の私が存在しなはずだ。
だって、私が戻らなければ千歌ちゃんが死ぬはずはないのだから。

梨子「分からない……分からないけど何とかしなきゃ」ポチッ

―失敗―


128:2017/01/01(日) 22:08:10.40 ID:/0vvL+Q4.net

――――――

――――

――0秒

「千歌ちゃん?千歌ちゃぁぁぁぁん!!!」

「何だ!?」

「上からこれが落ちてきたんだよ!」

「それがこの子に当たって――」

「動かしたら駄目よ!」

「千歌ちゃん!千歌ちゃん!」

「私は医学をかじってるわ!友達を死なせたくなかったら言うことを聞きなさい!」

「千歌ちゃん……!千歌ちゃぁん!!」

「そこのあなた!救急車呼びなさい!」

「俺ぇ!?分かった!!」


129:2017/01/01(日) 22:11:27.27 ID:/0vvL+Q4.net

この光景を見るのは何度目だろう。

10回目だ。
つまり、タイムマシンの10回という制限を使い切ってしまったと言うこと。

梨子「もう、終わりだ……」

救えなかった

梨子「千歌ちゃん……」

救えなかった

梨子「千歌ちゃん……」




救えなかった










梨子「ごめん……鞠莉さん」

「ちょーっと待った」ガシッ

梨子「誰!?」

いきなり背後から腕を掴まれ、振り向きながら言う。


130:2017/01/01(日) 22:17:22.38 ID:/0vvL+Q4.net

「私?私は女神だよ」

梨子「はぁ?――って貴方は!」

今の私の目の前に居るのは、私が千歌ちゃんに近づこうとした時に止めてくれた女性。
つまりはあの赤毛の女性の連れだ。


あの女性はμ’sの西木野真姫さんだった。


今目の前に居るのは――


梨子「東條希さん……」


希?「ん?あぁ、この子の体は借りてるだけだから」

梨子「そうなんですか……」

希?「信じてないな?ならこれはどうだい?」パチッ

そう言って指を鳴らすと――

世界が凍りついた。


137:2017/01/02(月) 21:00:09.29 ID:ucYGSUB7.net

梨子「え…?」

希?「君と私以外の時間を止めたんだよ。これで信じてくれる?」

梨子「……はい」

信じるしかないだろう。
私の腕時計の針も止まっている。
空を飛んでいた鳩も固まっているのだから。

女神「さてさて、どこから話したものか」

そういって顎に手を添える女神…様?

女神「あ、私のことは何て呼んでもいいよ」

じゃあ女神様で。

女神「ほいほい」

なんか軽い……

女神「ちゃんとした喋り方も出来るんだよ?だけど君が緊張しないようにだね」

はいはい……って――

梨子「ナチュラルに心読まないで下さい!」

女神「ごめんごめん」


138:2017/01/02(月) 21:14:42.45 ID:ucYGSUB7.net

女神「まぁ何て言うか……君の友達の千歌ちゃんは死ぬ運命にあるんだ」

梨子「運命……ですか」

女神「そ、だから何をやったって無駄ってこと。5回目のタイムスリップの事覚えてる?」

5回目はスマホの……

女神「それそれ、スマホが瞬間移動したでしょ?あれ私が介入したんだよ。千歌ちゃんが死ぬように」

梨子「そんなっ!」

女神「だからこれ以上何しても無駄なんだよ」

梨子「……」

女神「それにそのタイムマシン、回数制限に達してるじゃない」

梨子「それは……そうですけど」


139:2017/01/02(月) 21:19:38.03 ID:ucYGSUB7.net

女神「いくら私でもこれから先のことは保証出来ないんだ。もしかしたら次元の狭間にポイされて存在自体が消えるかもしれない」

梨子「……」

女神「それでも押すの?私としては止めたいけど」

その覚悟は既に出来ていた。
だから鞠莉さんの忠告を無視して、11回目を押そうと思ったわけだ。
だけど女神様から話を聞いたところ、私が何をやっても千歌ちゃんは絶対に救えないらしい。

女神「あの突風自体が運命神によるものだしねー」

だそうだ。

私は――


142:2017/01/02(月) 22:18:19.43 ID:ucYGSUB7.net

女神「どうする?」

















梨子「押します」


143:2017/01/02(月) 22:18:46.61 ID:ucYGSUB7.net

女神「ほぉ」

梨子「その運命だか何だか知りませんけど、要するに千歌ちゃんが死んでしまったのは貴方達の勝手ですよね?」

女神「いや、だから運め――」

梨子「知りません!」

女神「えぇ……」

梨子「例え、私がどうなっても、千歌ちゃんを救う為なら何だってします!そのつもりで過去に戻ったんですから!」

女神「……」

梨子「だって私を、こんなに楽しいスクールアイドルの世界に連れてきてくれたのは千歌ちゃんだもの」

女神「……」

梨子「ですから、運命?そんなのクソくらえよ!」

女神「……」


144:2017/01/02(月) 22:19:15.45 ID:ucYGSUB7.net

梨子「それに千歌ちゃんが死んで悲しんでるのは私だけじゃない。曜ちゃんだって果南さんだって、花丸ちゃんルビィちゃん善子ちゃんダイヤさん鞠莉さんだって。千歌ちゃんのご家族だって。学校の皆だって。千歌ちゃんを知ってる人なら誰だって悲しい!」

女神「……君が消えたら?皆が悲しむんじゃない?」

梨子「さっき貴方は"存在自体が消える"と言いました。それなら私は最初から居なかったことになります」

女神「……そうだね」

梨子「それなら何の問題もありません。だって"桜内梨子"を誰も知らないんですから」

女神「君は本当に――」

梨子「なので、押します。邪魔はしないで下さい」

女神「しないよ、もうそこまで覚悟が出来てるんだったら」


145:2017/01/02(月) 22:19:42.48 ID:ucYGSUB7.net

梨子「……では」

ボタンに手を置いて――押す。










ポチッ











女神「合格だよ!」

梨子「えっ?」


146:2017/01/02(月) 22:20:22.27 ID:ucYGSUB7.net

意味が、分からない。

女神「うんうん。混乱するのも無理はないよ」

梨子「えっ……え?」

女神「まず一から説明していこうか」

梨子「……はい」

女神「まず私は未来の君からお願いされて来たの」

梨子「は?」

女神「この世界とは違うんだけどさ、所謂パラレルワールドの君だ。その世界は、千歌ちゃんが運命云々関係なく死んでしまった世界。あ、運命とか元々無いから。今回は私が介入してたからこうなっただけだよ」

梨子「……」

女神「まぁその後リーダーを失った君達Aqoursはバラバラになって、上手くいかなくなり、疎遠になって行った」

梨子「……」


147:2017/01/02(月) 22:20:55.22 ID:ucYGSUB7.net

女神「その時、君以外は立ち直れたんだよ。つまりこの世界と同じだね。そして君のせいでAqoursはバラバラになる」

梨子「っ……」

女神「この世界では幸いそんなことは無かったみたいだから安心していいよ」

女神「それから何年か経った後、君が私の神社に来て言ってたんだ。『あの時の自分の心が強ければ』って」

女神「そこで君の過去を見て、興味を持った私がこっちの世界に来たってわけ。質問ある?」

正直ありまくりなんだけど……

女神「どうぞどうぞ」

梨子「じゃあ……何でこっちの世界の私にしたんですか?わざわざ千歌ちゃんを殺してまで」

女神「んー、そう言われるときついね。まぁ、何て言えばいいのか、あれだよ」

女神「元の世界じゃ止められたから。その止めた神の管轄外の世界なんだよ。ここ」


148:2017/01/02(月) 22:21:22.04 ID:ucYGSUB7.net

梨子「……どちらにしろ私は引き篭もってたじゃないですか、私の心は強くなかったってことですよね?」

女神「そうだよ。だからきっかけとして、そのタイムマシンを作った」

梨子「鞠莉さんが作ったって……」

女神「そんな、タイムマシンとか作れるわけないじゃない!それこそ神が作らないと無理だよ。だから、鞠莉ちゃんにタイムマシンを作るようチョチョイと頭をいじって――」

梨子「大丈夫何ですか!?それ」

女神「問題ナッシング!」

梨子「はぁ…」

女神「そして君もすんなり受け入れたでしょ?タイムマシンのこと」

梨子「あっ……」

そう言えば、私はそこまで疑問を持たずに……

女神「それも私がしたの」


149:2017/01/02(月) 22:22:20.80 ID:ucYGSUB7.net

なるほど……ん?

梨子「さっき私の前に出てきた時はそれしなかったのは何で?」

女神「え?かっこいいじゃん」

梨子「」


150:2017/01/02(月) 22:22:58.31 ID:ucYGSUB7.net

女神「他には?」

梨子「私って周りの人には気付かれにくいんですよね?」

女神「やっぱ気付くか」

梨子「当たり前です。不自然すぎますよ」

女神「うん、君の姿は誰にも見えないしカメラにも映らない。唯一君が話しかけた場合だけ見えるようにしたんだ」

梨子「何で?」

女神「見えちゃったら色々不味いからね。見える時があるのは食事とかの買い物に困るといけないから」


151:2017/01/02(月) 22:23:24.96 ID:ucYGSUB7.net

梨子「……さっき合格って言いましたがそれは?」

女神「君は立ち直れはしなかったけど、もう一つの合格条件――自分の命を捨ててまで千歌ちゃんを助けるかを満たしたからだよ」

梨子「何故それが……?」

女神「……これは私の勝手な意見だけどね」

梨子「はい」

女神「立ち直れなかったとしても、どうにかして千歌ちゃんを助けようとする行為は素晴らしいと思うんだよ」

女神「確かに現実を受け入れてないと言えるかもしれない。だけど、その友達の為に命まで投げ出せるって素敵じゃないか!」

梨子「それは違うんじゃ……」

女神「良いんだよ。私が良いと言ったら良いの。だって神だもん」

梨子「えぇー……」

こうして私と女神様の会話は終わった。


152:2017/01/02(月) 22:23:54.02 ID:ucYGSUB7.net

正直まだ納得出来ていない。

女神「終わりよければ全てよしって言うじゃない!」

梨子「……はぁ」

女神「じゃ、ちょっと前の時間まで戻すね。勿論千歌ちゃんは死なない」

梨子「……」コクリ

女神「あ、君の記憶は消しておくよ」

梨子「何で!?」

女神「だって君、このままだと千歌ちゃん依存症になりそうだもん」

梨子「」

悔しいけど言い返せない。

女神「よし、心の準備はいいかな?って、記憶消えるんだけど」

梨子「はい、お願いします」

女神「じゃあいくよ」パチッ


153:2017/01/02(月) 22:24:20.60 ID:ucYGSUB7.net

――

千歌「梨子ちゃーん、ちょっとお手洗い行ってくるねー」

梨子「うん分かった。時間も無いから少し急ぎ気味でね?」

千歌「そうだったー!」

梨子「皆はもう集まってるの?――と」ピッ

ピロン♪

梨子「善子ちゃんがまだ?……呪術的なお店だよね、絶対」

梨子「私と千歌ちゃんももう少しで着きます――送信」ピッ

梨子「……」クルッ

後ろを見る。
勿論誰もいない。


154:2017/01/02(月) 22:24:47.50 ID:ucYGSUB7.net

梨子「う~ん……誰か居る気がしたんだけどなぁ。居ないはずなのに」

モヤモヤする。
だけどなんだか心が晴れわたる気分だ。

梨子「なぁんて、おかしいよね」クスクス

梨子「これからAqoursでどこまで行けるのかな……ずっと仲良く、皆でいたいなぁ」

千歌「おやおや、何を言っているのですか梨子さん」

梨子「千歌ちゃん!?」

千歌「ずっと一緒だよ!皆と!」

梨子「千歌ちゃん……そうだよね!」

千歌「うん!――って時間だぁ!急がなきゃ!」

梨子「えっ?――ホントだ!」

千歌「走るよ!梨子ちゃん!」ダッ

梨子「え?待って千歌ちゃーん!」ダッ

――

女神「これからも頑張ってね」パチッ


155:2017/01/02(月) 22:25:14.10 ID:ucYGSUB7.net

終わり


162:2017/01/03(火) 01:18:10.25 ID:ib3IztiQ.net

よかったよ。
乙でした。