3:2017/01/30(月) 22:18:46.93 ID:xafaemwE.net

千歌「私だってそういう年頃なんだし恋人の一人や二人いてもいいと思うんだよね」

梨子「もう、スクールアイドルはどうするの?」

千歌「恋人がいたらもっと輝ける。そう、恋は人を綺麗にする・・・なんてね?」

梨子「はぁ…それで、具体的にどうするの?ここ女子校だし、男子なんていないよ?」

千歌「駅でナンパするんだよ!"逆ナン"だよ、ぎゃーくーなーん。今度の日曜日、駅でね!」


5:2017/01/30(月) 22:21:55.47 ID:xafaemwE.net

梨子「はぁ…」

結局私まで千歌ちゃんの遊びに付き合うことになった。まあ、いくら田舎とはいえ、こんなことを一人でさせるのは少々心配なのでこれで良かったのかもしれない。今日は珍しく街には男性が多くいるし

千歌「おまたせ。ど、どう?似合ってるかな?」

以前東京へ皆で行った時のような奇抜さはないが、"普通"でありながらも刺激的な格好をした彼女がそこにいた

梨子「うん。良いんじゃないかな」

私がちょっと素っ気なく返したのは青いミニ丈のスカートに同性ながらドキッとしてしまったからだ。
白くて柔らかそうな太ももとのコントラストが素晴らしい

・・・自分がソノ気になってどうする


6:2017/01/30(月) 22:23:00.63 ID:xafaemwE.net

千歌「よし、じゃあ早速ナンパしてみよう!私、今日という日のために色々勉強してきたんだよ」

そう言うと彼女は早速、スマホとにらめっこしながら歩いてる男の方へ走って行った。ちなみに、顔はあまりよくない
私はベンチの方からその様子を見届けることにした


千歌「ヘーイ!そこの君ィ!!私とお茶しなーい?」


ふざけているのだろうか


8:2017/01/30(月) 22:25:51.87 ID:xafaemwE.net

千歌ちゃんは腰をくねくねしながら口説くも、男の方はまるで不気味な珍獣を見るかのように引きつった表情で固まっている
ファーストライブのチラシ配りの時とはまた違う引かれようである

例の動作をずっと続けていて急に恥ずかしくなったのか、彼女は猛ダッシュでこちらの方へ戻って来た
人生初のナンパの感想を聞くと

千歌「なんかよく覚えてないけど…エアームドがかっこよかった!」

とのこと。私は大きく頷いた


9:2017/01/30(月) 22:27:16.82 ID:xafaemwE.net

梨子「もう、私が見本を見せてあげるね。」

千歌「お、流石梨子ちゃん、"シティガール"だね!」

意味が分かって言ってるのだろうか
私は暇そうにしている、如何にもオタク風の男性二人組に挑戦してみた
音ノ木に通ってる頃はよく彼らの生態を観察していたので、彼らの"弱点"は理解しているつもりだ

梨子「あの、今お暇ですか?友達と遊ぶ約束してたんですけど、急に都合が悪くなって来れなくなっちゃったみたいで・・・もしお邪魔じゃなければ私と遊んでもらえませんか?」

若干の上目使いで彼らを見上げると所詮はオタク、あっさりソノ気になってくれたようだ
友達とはどこに行こうとしてたの?と男の一人が聞いたので

梨子「ここの近くで有名な画家の個展があって。私、絵を描くことが好きなのでずっと行ってみたいなぁと思ってたんです!」


12:2017/01/30(月) 22:30:44.42 ID:xafaemwE.net

私がこう言うと彼らの顔が急に青ざめ、何も言わず足早に去っていった
後で調べたら私の台詞は"デート商法"という悪徳商法の一種によく見られる文言なのだそうだ。
千歌ちゃんがニヤニヤしながらこちらを見ている

千歌「なんだ、梨子ちゃんもナンパできてないじゃん」

梨子「きっと、わ…私の顔が綺麗すぎて畏れをなしたのよ」

千歌「ふふーん。じゃあ、梨子ちゃんのために私が秘密の必勝技を伝授してあげるね!」

その後、彼女が放った一言に私は思わず目を見開いた


14:2017/01/30(月) 22:31:47.17 ID:xafaemwE.net

千歌「ねえ梨子ちゃん、"壁ドン"と"顎クイ"って知ってる?」

知ってるも何も、それは私の大好物だし、更に言うなら顎クイから壁クイにランクアップすらしている

梨子「へ、へぇー!知らないなー…何だろうなぁー!」

千歌「壁ドンは、前にチラシ配りの時にしたやつで、顎クイはー、」

梨子「ちょ、ちょっと私、お手洗いに行ってくるね。あ、喉乾いたでしょ?帰りにジュース買ってくるね」

私はボロを出す前に一先ず態勢を立て直すことにした
私は知らない、壁ドンも顎クイもμ'sもスクールアイドルも何もかも…そう、知らないのだ


15:2017/01/30(月) 22:34:20.13 ID:xafaemwE.net

千歌「もうーあと一つの必勝技、挨拶の"カーテシー"を教えてあげようと思ったのに…」

千歌「こんにちはー」スッ

おばさん「こんにちは、あら可愛いし元気がいいねー」

千歌「えへへ、こんにちはー」スッ

おじさん「・・・グヘヘ、そんなに短いのに裾をつまんだらー…フヒヒ」

千歌「(うぅ、昼間なのにお酒臭い…)こ、こんにちはー」スッ

おじさん「グフフ、みかんの美味しい季節だよぉ~?」

千歌「す、すみません・・・(意味が分からないよ…お願い梨子ちゃん早く戻ってきて)」


17:2017/01/30(月) 22:36:26.60 ID:xafaemwE.net

梨子「うん?あれは、千歌ちゃんと…」

その"物体"を認識した瞬間に私は駆け出していた
野良猫は毛を逆立て、老人は新聞を落とし、カップルは唇を離せない
そして私の手と壁によって駅に轟音が鳴り響いた

グビョォ

千歌「梨子ちゃん!!」

そのまま空いた方の手で顎を掴む

ねえ、おじさん?…

ヒィィィ
ハイ
ハイ
オシリダケハカンベンシテクダサイ


18:2017/01/30(月) 22:38:02.92 ID:xafaemwE.net

千歌「なんだ梨子ちゃん"壁ドン"も"顎クイ"も知ってるじゃん」

梨子「アレはー、そう!お手洗いしてる時にスマホで調べたの」

千歌「え、梨子ちゃんってトイレしてる時スマホいじるの? フケツ…」

梨子「ち、違うってば!」

千歌「でもスゴいなぁ、あんな状況でもナンパしちゃうんだもん。結局ダメだったけど」

梨子「う、うん」

どうやら会話は聞かれてなかったようだ


19:2017/01/30(月) 22:38:50.63 ID:xafaemwE.net

千歌「結局、夕方まで一人も成功しなかったね」

梨子「しょうがないよ。ナンパなんてそういうものだからね…」

千歌「でも、今日は梨子ちゃんと一日遊べて楽しかったよ!」

梨子「もう!他人の気も知らないで」

逆光でも夕日に劣らない彼女の眩しい笑顔・・・どうやら今日の成果は0ではなかったようだ


20:2017/01/30(月) 22:39:17.29 ID:xafaemwE.net

おしまい