1:2018/06/12(火) 22:59:34.25 ID:Qtc3PCSu.net

御機嫌よう、音ノ木坂学院2年生の園田海未と申します
前回までのあらすじは

ある日の夕方、遅くなっても雪穂が家に帰ってこないと穂乃果から連絡を受けた私
雪穂を探しに出た私でしたが、そんな時に中学校に侵入をしようとしている生徒会長を発見、呼び止めることに
どうやら生徒会長も妹を探して中学校まで来たようで、しかも生徒会長は亜里沙のお姉さんで、亜里沙が学校の中に閉じ込められていると訳の分からないことを言っていると私の携帯に雪穂から連絡が、どうやら雪穂も学校にいるようです
そしてその場にいた二人からにわかには信じがたいのですが、中学校で超常現象が起きていて雪穂や亜里沙達が閉じ込められてしまっているようです
半信半疑ながらも二人を救うべく、生徒会長とその場に居合わせていた凛が所属している部の3年生の東條先輩とシックスセンス持ちだという西木野さんと共に校舎の中へ
そして色んな障害を乗り越えながらなんとか学校に囚われていた人達を救うことに成功しました
オカルト的なことが本当に起こるなんて...この世界には私がまだまだ知らないことがたくさんあるものなのですね


2:2018/06/12(火) 23:03:21.34 ID:Qtc3PCSu.net

#9


真姫「ことり....」

ことり「久しぶり♪真姫ちゃん」

希「真姫ちゃんの知り合いの人?」

真姫「まぁ、知り合いって言うか...」

ことり「幼馴染だよねー?」

真姫「.......」

希「幼馴染?」

ことり「うん、真姫ちゃんとは小さい頃から知り合いなの!」

希「そうなの?真姫ちゃん?」

真姫「まぁ、そんな感じね」

ことり「もーう、真姫ちゃん冷たいよー?」

真姫「........」

希「幼馴染.....」


3:2018/06/12(火) 23:07:00.60 ID:Qtc3PCSu.net

ことり「ねぇ、立ち話もなんだし、どっかでお茶でもしない?」

希「........」

真姫「って言ってるけど、希どうする?」

希「え?うちも行っていいの?」

真姫「今日は貴方が先約なんだし、当たり前でしょ?」

希「そ、そうだけど...久しぶりにあったんでしょ?なら、二人っきりのがほうが....」

ことり「ことりは構わないよ?」

真姫「ことりもそう言ってるし、お茶が終わった後に遊ぶこともできるし」

希「真姫ちゃんがいいなら、うちはそれでいいけど....」

ことり「じゃあ、決まりだね!じゃあ!行こう!真姫ちゃん」グイッ!

希「あ...」

真姫「ちょ!ちょっと!引っ張らないでよ!!」

希「........」


4:2018/06/12(火) 23:11:10.22 ID:Qtc3PCSu.net

「お待たせしました、チーズケーキです」ゴトッ

ことり「~♪」

希「うわっ....」

真姫「...ちょっと大きすぎない?」

ことり「皆で食べよ?」

真姫「見てるだけどお腹いっぱいになりそう...」

ことり「ここのチーズケーキは美味しいんだよ?」

希「....!たしかにすっごく美味しい!」

真姫「でもこの量は...」

ことり「幸せ~♪」

真姫「相変わらずね....」


5:2018/06/12(火) 23:15:19.01 ID:Qtc3PCSu.net

希「えっと...ことりさんでいいのかな?」

ことり「あ!そういえばちゃんと自己紹介してなかったね!」

ことり「南ことりです!音ノ木坂学院の2年生です!」

希「うちは東條希!3年生...って、あれ?音ノ坂なの?南さんも?」

真姫「元でしょ?今は留学してるじゃない」

希「留学?」

ことり「留学って言ってもずっとじゃないし、こっちの学校に在籍してる形だよ?」

真姫「...さすが理事長の娘ね、やりたい放題ね」

希「え!南って...南理事長の娘さんなの!?」

真姫「そうよ」

ことり「~♪」

希「たしかに言われてみれば似てるかも....」


6:2018/06/12(火) 23:19:39.59 ID:Qtc3PCSu.net

真姫「...で?なんでまた急に帰ってきたのよ」

ことり「向こうでの留学が一旦区切りがついたからね、残りの高校生活はこっちで過ごそうかなって思ってね」

真姫「そう....」

ことり「もう!真姫ちゃん反応が冷たいよ!」

真姫「そうかしら?」

ことり「そうだよ!ことりが帰ってきて『嬉しい!』とか『やったぁ!』とかないの?」

真姫「ないわね」

ことり「ガーン....」

希「真姫ちゃん容赦ないなぁ...」

ことり「むー.....」


7:2018/06/12(火) 23:27:12.11 ID:Qtc3PCSu.net

ことり「昔はあんなにことりにべったりだったのに...」

真姫「!」

希「昔?」

ことり「小さい頃ね、真姫ちゃん全然お友達がいなくてね...真姫ちゃんのお母さんとことりのお母さんが昔からの知り合いでね、たまに真姫ちゃんのお家にお邪魔したりしてたの」

真姫「こ、ことり!!」

ことり「真姫ちゃんは一人っ子だったから...ことりがたまに遊びに行くとね、ことりにべったりだったんだよ?」

真姫「っ......」

希「へー...あの真姫ちゃんが....」

真姫「ち、小さい頃の話よ!小さい頃の!」

希「ふーん....」


8:2018/06/12(火) 23:33:36.15 ID:Qtc3PCSu.net

ことり「それなのに大きくなるにつれてどんどん冷たくなっちゃって」

真姫「大人になったって言ってくれる?」

ことり「ことりお姉ちゃんは寂しいです」

真姫「そもそも本当に寂しかったら留学なんてしないでしょ」

ことり「だから帰ってきたんだよ」

真姫「え?」

ことり「冗談だよ~」

真姫「もう....」

希「.......」


9:2018/06/12(火) 23:36:46.91 ID:Qtc3PCSu.net

ことり「あ~あ『ことりお姉ちゃん待ってよー』って言ってた真姫ちゃんはもういないのかぁ...」

真姫「人は成長するものよ」

ことり「成長しすぎだよーお姉ちゃんは悲しいです」

真姫「いつまでもそんなじゃだめでしょ?自立しないと」

ことり「もう...真姫ちゃん、真姫ちゃんのお父さんに似てきたかも」

真姫「それは光栄ね、パパは尊敬できる人だもの」

ことり「このままじゃ真姫ちゃん、堅物になっちゃうよぉ!」

真姫「ちょっと!うちのパパは堅物じゃないわよ!」

ことり「え~?そうかな?」

真姫「そうよ!」

希(なんか疎外感が...真姫ちゃん楽しそうだなぁ...)


10:2018/06/12(火) 23:41:04.09 ID:Qtc3PCSu.net

ことり「じゃあ、ことりはお家に帰るね?」

真姫「あら?もう帰るの?」

ことり「帰ってきたばっかりだからねー時差ボケがね?」

真姫「そう...気を付けてね」

ことり「うん、東條先輩もまた!」

希「!う、うん!またね!」

ことり「~♪」


希「可愛らしい子やね、南さんって」

真姫「まぁ、そうね....」

希「うん.....」

真姫「?」


13:2018/06/12(火) 23:44:22.90 ID:Qtc3PCSu.net

希「........」

真姫「ねぇ」

希「...なに?」

真姫「なんで不機嫌になってるのよ」

希「別に不機嫌になってないし...」

真姫「なってるじゃない...もう、どうしたのよ」

希「......」

真姫「...?あ、もしかして...さっきことりと喋ってる時にあんまり構わなかったから拗ねちゃったとか?」

希「!...違うもん...」

真姫「やっぱり...もう、拗ねないの」

希「拗ねてないもん、別に」

真姫「はぁ...もう...」


15:2018/06/12(火) 23:48:35.09 ID:Qtc3PCSu.net

真姫「せっかく、この真姫ちゃんがわざわざ休みの日に希とデートをしてるっていうのに」

希「......」

真姫「ほら」スッ

希「え?」

真姫「今日は映画を見に行くんでしょ?ほら、行くわよ」

希「え、えっと....」

真姫「もう!いつまでもうじうじしない!!」グッ

希「わわっ!真姫ちゃん引っ張らないでよ!」

真姫「もう!これじゃ、どっちが年上かわかりゃしないわ!」


16:2018/06/12(火) 23:53:26.01 ID:Qtc3PCSu.net

真姫「ふぅ...着いたわね」

希「もう、真姫ちゃん歩くのが早いよ」

真姫「あ、ごめんなさい」パッ

希「あ....」

真姫「さてと...何を見ようしら?まだ決めてなかったわね」

希「.........」ジッ

真姫「希はなにか見たいのある?」

希「!え、うち?」

真姫「そうよ、見たいのある?」

希「えっと....!...じゃあ!あれで」

真姫「...ゾンビ映画?」

希「だ、だめかな?」


17:2018/06/12(火) 23:57:47.63 ID:Qtc3PCSu.net

真姫「うーん...まぁ、希らしいと言えば希らしい選択かもね」

希「......」

真姫「いいわよ、今日は貴方に任せるわ」

希「!じゃ、じゃあ、うち!ポップコーン買ってくる!」ダッ

真姫「あ!ちょっと!希!」

希「真姫ちゃんの分も買ってくるから!ちゃんと!そこで待ってて!」

真姫「あ、うん....」

希「.........」タッタッタッ

真姫「...別に二人で買いに行けばよくない?よく考えたら」


18:2018/06/13(水) 00:01:47.64 ID:vkwEf83K.net

希「よし...落ち着くんや...うち...」

希「....ふぅ......」

希(せっかく真姫ちゃんとのデートなんだから...うん!いいムードのならないと!)

希(恋愛映画が一番いいんだろうけど...うち、恋愛映画だとなんか寝ちゃいそうだし...アニメは子供っぽいって馬鹿にされそうやし...なら!ホラー映画しかないよね)

希(ホラーって言ってもゾンビ映画しかないけど...また、さっきみたいに手を握ってもおかしくないもんね!ホラー映画なら!)

希(だ、抱き着いてもいいよね?真姫ちゃんからでもいいんだけど...って真姫ちゃんはないか)

希「...........」ブツブツ


真姫「希はなにあそこでぼーっと突っ立てるのかしら?」


19:2018/06/13(水) 00:05:30.98 ID:vkwEf83K.net

希「お待たせ」

真姫「ポップコーンにジュース、まぁ、定番ね」

希「チーズ味とバター醤油どっちがいい?」

真姫「しかも両方とも甘くないし、キャラメルとか定番だけど買わなかったの?」

希「あ、もしかして真姫ちゃんキャラメルのが好きだった?」

真姫「別に特別に好きって訳ではないけど...」

希「ごめんね、うち、キャラメルが苦手なんよ」

真姫「あら、意外なものが嫌いなのね」

希「うん、キャラメルが食べたかったら買ってくるよ?」

真姫「別にいいわよ、気にしなくて」


20:2018/06/13(水) 00:14:10.27 ID:vkwEf83K.net

真姫「それにしても映画館なんていつぶりかしら?」

希「そうやね、うちもそんなに来ないから久しぶりだよ」

真姫「あ、そろそろ時間ね」

希「じゃあ、行こうか?」


「いいですか?首を取るか頭を撃ち抜くんです、もう一度言います」

真姫「.......」

希「........」チラッ

「首を取るか頭を撃ち抜いてください」

希(タイミングを見て....)

「うわっ!!なんだぁ!こいつ!」

「腕がもげてるよ!!」

希「.........」


21:2018/06/13(水) 00:18:03.98 ID:vkwEf83K.net

「ゾンビのふりをしていけばいいのよ!」

希(ちょっと待って)

「うぅ....あぁ.....」フラフラ

希(この映画....)

「なんで曲が勝手にかかるんだよ!!」

希(もしかしてだけど....)

「閉店の時間ですよ!」

~♪

バシン!!バシン!!バシン!!

(ホラーじゃない?なんか曲に合わせてゾンビを殴ってるし)

希「........」


22:2018/06/13(水) 00:21:06.56 ID:vkwEf83K.net

真姫「意外と面白かったわね、ホラーというよりはコメディのが強かったけど」

希「そうやね」

希(あれは完全にコメディやん!最後なんかゾンビを使ってなんかレースをさせてたし!)

真姫「んー.....」ググッ

希「真姫ちゃんが楽しめたみたいでよかった」

真姫「希は面白くなかったの?」

希「面白かったけど、うちはホラー展開を期待してたから」

真姫「成程ね、それは残念だったわね」

希「でも、真姫ちゃんと映画見れたからよかったかな?」

真姫「なによそれ」

希「ふふふ」

希(まぁ、色々と目論見通りにいかなかったけど、仕方ないよね)


23:2018/06/13(水) 00:25:41.91 ID:vkwEf83K.net

真姫「時間が経つのは早いわね、もう夕方なのね」

希「本当だ、日が...」

真姫「.........」

希「そろそろ帰る?」

真姫「え?」

希「真姫ちゃん疲れてるだろうし」

真姫「いや、別に疲れてはいないけど」

希「無理はしたらあかんよ?昨日だって遅くまで勉強してたんでしょ?」

真姫「まぁ...してたけど」

希「じゃあ、帰ろっか?」

真姫「...そうね...」


24:2018/06/13(水) 00:29:36.86 ID:vkwEf83K.net

真姫「.........」テクテク

希「.........」チラッ

希(せめて...また手を繋ぎたいかなって)

希「........」

真姫「ねぇ、希」

希「!な、なに?」

真姫「言いたいことがあるはっきり言いなさいよ」

希「言いたいこと?」

真姫「とぼけても無駄よ、さっきから貴方がこっちを見てるのはわかってるのよ」

希「そ、そんなことは...」

真姫「そうかしら?」


25:2018/06/13(水) 00:32:44.18 ID:vkwEf83K.net

真姫「私、シックスセンスがあるのよ」

希「う、うん?それは知ってるけど」

真姫「だから直感も多分、鋭いはずなのよね」

希「多分って」

真姫「それはともかく希、少し変よ?」

希「変じゃないよ」

真姫「...!....もしかしてことりとのことを気にしてるの?」

希「別にそんなことは...」

真姫「ことりはただの幼馴染ってやつよ、それ以上はなにもないわよ」

希「ねぇ...真姫ちゃん」

真姫「ん?なによ」

希「真姫ちゃんってうちのこと...好きなの?」

真姫「は?」


26:2018/06/13(水) 00:39:23.22 ID:vkwEf83K.net

希「真姫ちゃん、うちのこと好き?」

真姫「何を今更...」

希「今までふわっとしてたけど、ちゃんと言うね、うちは真姫ちゃんのこと好きだよ」

真姫「私も好きよ」

希「それはライクの好き?それともラブの好き?」

真姫「そんなの...」

希「うちはラブだよ、真姫ちゃんはどうなの?」

真姫「なんでそんなに今日はむきなのよ」

希「答えて」

真姫「希、落ち着いて」

希「答えて!!!」

真姫「!」


27:2018/06/13(水) 00:43:11.32 ID:vkwEf83K.net

希「あの日、うちは真姫ちゃんと出会って色んなとこに行ったり色んな体験をした」

希「うちは真姫ちゃんと会って花陽ちゃんや凛ちゃん、エリチ...皆とも仲良くもなれた」

真姫「.......」

希「そして真姫ちゃんのことが好きになった」

希「いつもクールだけどいざって時は危険を顧みずに助けてくれたりして...あの時うちを助けてくれた」

真姫「それを言うんだったら希だって私を助けてくれたことがあったじゃない」

希「だって好きな人なんだから助けるのは当たり前だよ」

真姫「私と一緒にいても大変なだけよ?」

希「大変かどうか決めるのはうちだよ、それに真姫ちゃんとなら平気だと思う」

真姫「これは...何を言っても無駄みたいね」


28:2018/06/13(水) 00:48:00.72 ID:vkwEf83K.net

希「真姫ちゃんはどうなの?」

真姫「どうってなにがよ」

希「真姫ちゃんは...その、うちのこと好きなの?」

真姫「...答えなきゃだめ?」

希「だめ」

真姫「本当にいいの?本当になにかが起きるかもしれないし、私自身の身になにかがおきるかもしれないのよ」

希「なにが起きてもうちは一緒にいる、死むまで離れないから」

真姫「なんか重いわね...というか私まだ15歳なんだけど」

希「茶化さないで、うちは本気なんだから」

真姫「....わかったわよ、でも条件があるわ」

希「条件?」

真姫「私が20....いえ、なんでもないわ」

希「え?なに?」

真姫「なんでもないわ」


29:2018/06/13(水) 00:51:51.20 ID:vkwEf83K.net

希「条件ってなに?真姫ちゃん?」

真姫「なんでもないわ、試しただけよ」

希「試した?」

真姫「えぇ...でも試す必要もないわね、希の思い、たしかに受け取ったわ」

希「ってことは....」

真姫「よろしくね、嫉妬深いお姉さん?」

希「真姫ちゃん...」

真姫「まぁ、お姉さんって言っても私のが背はあるんだけね」

希「そんなに変わらないやん!」

真姫「ふふふ....」


30:2018/06/13(水) 00:55:25.65 ID:vkwEf83K.net

希「真姫ちゃん!」

真姫「なに?」

希「て、手が繋ぎたいです」

真姫「手?...あぁ、だからさっきからこっちの様子をうかがっていたのね」

希「そういうのはいいから、繋いで」

真姫「はいはい」スッ

希「...真姫ちゃんって手がちょっと冷たいよね」

真姫「希が体温が高いだけじゃないの?」

希「うーん...まぁ、でも繋げばちょうどいいかな?なんてね」

真姫「ベタね」

希「よし!!デートは続くよ!どこまでも!」

真姫「え」

希「今夜は帰さないぞ?」

真姫「は?」


38:2018/06/14(木) 00:02:27.55 ID:xHVeiHMm.net

真姫「.........」

希「ふふふ~♪」ニコニコ

凛「希ちゃん今日はなんかずっと笑顔だね!なにかいい事でもあったの?」

希「ふふー実はねー」

真姫「希」

希「ええやん、どうせいつかはわかることなんやし」

花陽「なにかあったの?真姫ちゃん?」

真姫「まぁ、色々と...」

希「もー!真姫ちゃんはクールなんだから」

凛「?」


39:2018/06/14(木) 00:07:35.77 ID:xHVeiHMm.net

希「なんとうちと真姫ちゃんがお付き合いすることになりました」

凛「へー」

希「反応薄っ!」

凛「てっきりもう付き合ってたかと思ったよ、凛は」

花陽「私も」

希「まぁ、前からラブラブだったからね、うちと真姫ちゃんはそう思われていても仕方ないね」

真姫「はいはい」

希「こう見えても真姫ちゃんはうちにベタぼれだからね~♪」

凛「へ~」ニヤニヤ

真姫「........」イラッ

真姫「...希が思っていたより嫉妬深くてね...すぐに焼きもちを...痛っ!」

希「ん~?なんか言った?」グニッ

真姫「...いっへまへん」

花陽「なんか希ちゃん強くなった?」

凛「真姫ちゃんがほっぺを引っ張られてるにゃ」


40:2018/06/14(木) 00:14:07.28 ID:xHVeiHMm.net

凛「へー真姫ちゃんも幼馴染がいたんだ」

真姫「まぁね」

花陽「しかも理事長の娘さんなんでしょ?さすが真姫ちゃん」

凛「病院の院長の娘に理事長の娘...上級階級にゃ」

真姫「なにを言ってるのよ」

花陽「真姫ちゃんのお家なんて別荘を持ってるくらいだもんね」

希「ふふふー」

真姫「なんで貴方が得意げなのよ」

希「彼女がほめられたら嬉しいやん?」

凛「惚気るのは二人っきりの時にしてほしいにゃ」


41:2018/06/14(木) 00:24:18.16 ID:xHVeiHMm.net

コンコン

花陽「!」

希「どうぞ」

ガチャ

ことり「失礼しまーす」

真姫「噂をすれば....」

希「むっ」

ことり「あ!真姫ちゃん発見!」

凛「?もしかしてこの人が?」

花陽「真姫ちゃんの幼馴染の理事長の娘さん?」


42:2018/06/14(木) 00:25:40.82 ID:xHVeiHMm.net

ことり「南ことりです、真姫ちゃんとは小さい頃からの幼馴染です」

真姫「.......」クルクル

ことり「真姫ちゃん!無視しないでよー」

真姫「なんの用?」

ことり「冷たいなぁ...真姫ちゃんが部活に入ってるっていうから見に来たのに」

真姫「そう」

希「真姫ちゃんはこの部活の副部長なんよ、それでうちが部長」

ことり「!貴方は昨日真姫ちゃんと一緒にいた...」

希「東條希、この部の部長や」

真姫「え、いつ私が副部長になったのよ」

希「今いるメンバーでキャリアが一番長いのが真姫ちゃんだから」

真姫「聞いてないんだけど」

希「ずっと前からそうだよ?」

真姫「いつからよ」

希「うーん、春くらいから?」

真姫「それって入部して速攻でなってるじゃない!」


43:2018/06/14(木) 00:31:20.17 ID:xHVeiHMm.net

ことり「ここって何部なの?」

真姫「知らないで来たの?」

ことり「うん」

真姫「はぁ...ここはね」

希「真姫ちゃん待って!説明はこの部長であるうちがしよう!」

凛「希ちゃんノリノリにゃ」

希「説明しよう!!ここはオカルト研究部!オカルトをこよなく愛する人達が集まる場所!」

ことり「え?オカルト?」

希「そうやね」

ことり「え、真姫ちゃんオカルトが好きなの?」

真姫「........」


44:2018/06/14(木) 00:35:39.82 ID:xHVeiHMm.net

真姫「好きっていうか...まぁ、色々あってね」

ことり「そっちの二人は?えっと....」

凛「星空凛にゃ、凛は真姫ちゃんの付き添いみたいなかんじで」

花陽「えっと...小泉花陽です、私も凛ちゃんとおんなじかんじで...」

ことり「ふーん...なんかオカルトって変わった部活だね?」

真姫「まぁ、一般的にはそう思われても仕方ないわね」


希「真姫ちゃん」コソコソ

真姫「?なに?希?」

希「えっと、南さんは真姫ちゃんのシックスセンスことって知ってるの?」

真姫「知らないわよ、一応、私が事故にあったことは知ってるけど」

希「そっか...黙っとくの?」

真姫「まぁ、こっちからわざわざ教える必要はないでしょ」


45:2018/06/14(木) 00:41:06.96 ID:xHVeiHMm.net

ことり「ん?なに二人でこそこそしてるの?」

真姫「!な、なんでもないわ」

希「うん、他愛のない話だよ」

ことり「ふ~ん...まぁ、いっか」

真姫「.........」

ことり「.......」ジッ

真姫「な、なに?」

ことり「お友達たくさんできてよかったね、うん、よかった」

真姫「ことり...まさか貴方...」

ことり「ちょっと安心したよ」


46:2018/06/14(木) 00:53:08.72 ID:xHVeiHMm.net

真姫「もしかして、私の様子が気になって見にきたの?」

ことり「ん~?どうでしょうか?」

真姫「とぼけなくてもいいわよ」

ことり「ふふふ...」

真姫「もう...子供じゃないんだから、私だって」

ことり「そうみたいだね、よかった」

真姫「だから....」

ことり「こんなにお友達がいればことりにべったりじゃなくなる理由もわかるよ」

花陽「ん?べったり?」

凛「!その話、詳しく教えてください」

真姫「ことり!!」

ことり「えへへ」


47:2018/06/14(木) 01:00:27.62 ID:xHVeiHMm.net

真姫「........」

ことり「でね、その時ね」

花陽「へー」

凛「真姫ちゃんも可愛い時代があったんだね」

真姫「ちょっと!今は可愛くないみたいな言い方はやめてよ」

希「真姫ちゃん」

真姫「なに?希」

希「真姫ちゃんは可愛いよ」

真姫「っ...あ、当たり前でしょ!」

凛「反撃とばかりに部室でいちゃつきはじめるのはやめてほしいにゃ」

真姫「別にしてないわよ!!」


48:2018/06/14(木) 01:07:50.01 ID:xHVeiHMm.net

ことり「じゃあ、またね~真姫ちゃん」

真姫「もうここには来なくていいわよ」

ことり「むー、冷たいなぁ...」

凛「また小さい頃の真姫ちゃんのお話を聞かせてくださいね」

ことり「いいよー」

真姫「だめに決まってるでしょ!!」

凛「えー!」

ことり「じゃあ、今度こっそりね♡」

真姫「ことり!!」

ことり「!.....さらば!!」サッ

バタン!!

真姫「もう.....」

花陽「仲がいいんだね、真姫ちゃん」

真姫「まぁ...そうね」


49:2018/06/14(木) 01:11:07.22 ID:xHVeiHMm.net

凛「さてと...凛は今日は特訓の日だから」

真姫「また園田先輩のところに行くの?」

凛「うん、今日は凛の考えた必殺技を試してみるんだー」

花陽「...凛ちゃん」

凛「なぁに?かよちん?」

花陽「花陽も一緒に行くね?」

凛「かよちんも?」

花陽「うん、ちょっと見学してもいいかな?」

凛「うーん...」

花陽「だ、だめ?」

凛「............」

凛(かよちんにはあんまり凛のカッコ悪いところは見せたくないんだけどなぁ...)


50:2018/06/14(木) 01:14:54.82 ID:xHVeiHMm.net

真姫「どうしたの?凛?」

凛「え!いや、なんでも」

希「んー?」

花陽「........」

凛「かよちん...」

真姫「なに?花陽がついていっちゃだめなの?」

凛「!そ、そんなことはないけど...」

真姫「ならいいじゃない」

希「いってらっしゃい二人共」

花陽「じゃあ、行こう?凛ちゃん」

凛「う、うん....」

真姫「.........」


51:2018/06/14(木) 01:19:13.56 ID:xHVeiHMm.net

希「花陽ちゃん、やっぱり凛ちゃんのことが心配なんやね」

真姫「まぁ、花陽も気にしすぎかもしれないけど」

希「一応、園田さんにも今度お願いしてみる?凛ちゃんのこと」

真姫「そうね」

希「真姫ちゃんも無茶とかはしないでね?」

真姫「善処するわ」


希「ねー今日は帰りに寄り道していこうよー」

真姫「寄り道ってどこに行くのよ」

希「お饅頭が食べたいんよ」

真姫「...太るわよ」

希「ん~?なんか言った?.....真姫ちゃん?」

真姫「!!えっと...な、なんでもないです」


58:2018/06/15(金) 00:13:45.72 ID:SeHCKM0u.net

穂乃果「いらっしゃいませー!!あ!また来てくれたんだね!」

真姫「希がここのお饅頭を気に入ったみたいで」

穂乃果「えへへ...そっか!」ニコニコ

希「ん?高坂さんどうしたの?」

穂乃果「え?あぁ!嬉しいんです!」

真姫「嬉しい?」

穂乃果「だってお父さんが作ったお饅頭が美味しいって言ってもらえて、しかもまた買いに来てくれてるだもん!嬉しくって!」

希「高坂さん....」

真姫「...私も買っていこうかしら?」

希「そこまで嬉しそうにしてるとたくさん買っていきたくなるよねー」

真姫「それはただの貴方の欲望でしょ」


59:2018/06/15(金) 00:19:23.31 ID:SeHCKM0u.net

ガラララ

雪穂「ただいまー」

穂乃果「あ、お帰りー雪穂ー」

希「あれ?」

雪穂「あ」

真姫「たしか貴方は...絵里先輩の妹さんの友達の...」

穂乃果「雪穂、知り合いなの?西木野さんと希先輩と」

雪穂「え、えっと...」

希「この間、知り合いの妹さんと一緒に帰ってる時に少しお話したんよ、ね?」

雪穂「!え、あ、はい!」

穂乃果「へー...って雪穂、絵里先輩の妹って...うちの生徒会長さんの妹さんと友達なの?もしかして」

雪穂「そうだよ...ってお姉ちゃん知らなかったの?」

穂乃果「うん」


60:2018/06/15(金) 00:26:04.41 ID:SeHCKM0u.net

穂乃果「え!亜里沙ちゃんって生徒会長さんの妹さんだったの!?」

雪穂「うん...っていうか前に話したはずだけど」

穂乃果「そうだったっけ?」

雪穂「もう、相変わらず人の話を聞いてないんだから」

穂乃果「あはは....」


真姫「希」ボソッ

希「なに?」

真姫「見直したわ、やるじゃない」

希「ん?なんのこと?」

真姫「全くこういう時は頭が回るんだから」

希「ふふ♪」


61:2018/06/15(金) 00:32:14.84 ID:SeHCKM0u.net

希「今回もサービスしてくれてありがとね」

穂乃果「これからも御贔屓にお願いしますね」

希「もちろん!」

真姫「じゃあ、また来ますね」

穂乃果「はーい、毎度ありがとうございました!」


雪穂「........」

穂乃果「さてと、雪穂ー店番を変わってくれる?ちょっと用事があって」

雪穂「ごめん!ちょっとだけ出てくる!」

穂乃果「え?」

雪穂「すぐ戻るから!」

穂乃果「ちょ、ちょっとぉ!!」


62:2018/06/15(金) 00:37:21.36 ID:SeHCKM0u.net

希「~♪」

真姫「ちょっと買いすぎじゃない?」

希「エリチがこのお饅頭気に入ったみたいだからね、生徒会の仕事を頑張ってるし」

真姫「全く、義理堅いというか優しいというか」

希「亜里沙ちゃんの分もちゃんとあるよー」

真姫「まぁ、たしかに...このお饅頭美味しいものね」


雪穂「すいません!」

真姫「!」

希「ん?あれ?あなたは高坂さんの妹さんやん、どうしたの?」

雪穂「えっと...その....」

真姫「.........」


63:2018/06/15(金) 00:43:20.88 ID:SeHCKM0u.net

雪穂「この間はありがとうございました!...その!お名前もよく聞くこともできなかったのでろくにお礼もできなくて!」

希「あー」

真姫「別にいいわよ、そんなの気にしなくても」

雪穂「いや、そんな訳には」

希「気にしなくてええよ、それにお礼ならもらってるし」

雪穂「え?でも私、お礼なんて」

希「お姉ちゃんから和菓子をよくサービスしてもらってるから」

真姫「そうね、お茶もいただいたりしてるし」

雪穂「で、でも!」

真姫「いいと言ったらいいの」

希「そうそう」


64:2018/06/15(金) 00:47:20.16 ID:SeHCKM0u.net

真姫「それはそうと...高坂先輩...って貴方も高坂さんだから...穂乃果先輩でいいか」

希「お姉さんはこの間の件を知らないような感じだったけど、話してないの?」

雪穂「!あ、はい...海未さんが喋るなって」

真姫「園田先輩が?」

雪穂「えっと、お姉ちゃんが心配するからって」

希「園田さんとえっと...雪穂ちゃんでいいかな?」

雪穂「は、はい!大丈夫です!」

希「園田さんは穂乃果ちゃんでいっか...穂乃果ちゃんと知り合いなの?心配させたくないってことは」

雪穂「そうです、お姉ちゃんと海未さんは幼馴染なんです」

真姫「またここでも幼馴染...」

雪穂「私達4人は昔から仲良しというか、まぁ、私だけ歳が違うんですけどね」

希「4人?」


65:2018/06/15(金) 00:54:46.16 ID:SeHCKM0u.net

雪穂「はい、あともう一人いたんですけど...ちょっと、今はいなくて」

希「まぁ、ずっと一緒にいるっていうのは簡単そうに見えて意外と難しいからね」

真姫「希...」

雪穂「あ!でも定期的に連絡は取り合ってるので!完全に疎遠になったって訳ではないので!今度こっちに帰ってくるって話もしてたので!」

真姫「そう、それはよかったわね」

雪穂「はい、ことりさんが帰ってくるって聞いてお姉ちゃんなんかはしゃいじゃって」

希「....ん?ことりさん?」

真姫「まさか...そのことりって子...」

雪穂「?どうかしましたか?」

真姫「もしかしてそのことりって子、南っていう苗字だったりしないかしら?」

雪穂「そうですけど?ことりさんを知ってるんですか?」

真姫「やっぱり...」

希「世間って狭いもんやね」


66:2018/06/15(金) 01:03:06.30 ID:SeHCKM0u.net

真姫「成程、ことりと穂乃果先輩、園田先輩と貴方は幼馴染なのね」

雪穂「はい、貴方がことりさんが話していた真姫さんだったなんて」

真姫「顔が広いのね、ことりって」

希「なんかいーな幼馴染って、うちいないし...」

真姫「もう、いじけないの」

希「はーい...」

真姫「とりあえず、前回の件は黙っておくわね」

雪穂「ありがとうございます」

希「その代わり、今度買いに行く時はサービスよろしくね」

雪穂「は、はい!もちろん」

真姫「こら」ポコッ

希「痛っ!じょ、冗談だよー!」


67:2018/06/15(金) 01:03:42.74 ID:SeHCKM0u.net

ことり「~♪」

ことり「それにしても真姫ちゃん、ちゃんと友達ができててよかったー」

ことり「真姫ちゃんって中々、素直じゃないし...本当によかった」


ピンポーン!

ことり「誰だろ?はーい!」

ガチャン

「お届け物でーす、サインをお願いします」

ことり「はーい」

「ご利用ありがとうございました」

ことり「ご苦労様です」

バタン

ことり「なんだろ?この小包...」


68:2018/06/15(金) 01:08:48.60 ID:SeHCKM0u.net

ことり「えっと、送り主は...あ、向こうの人からだ」

ことり「........」ゴソゴソ

ことり「あ!可愛いお人形さんだぁ♡」

ことり「ちょっと古そうなお人形だけど...アンティークなやつなのかな?」

「.........」

ことり「可愛いからお部屋に飾ろっと」



海未「今日はここまでしましょう」

凛「はぁ...はぁ...まだ、もう少しお願いします...」

海未「もういい時間です、そろそろ帰る準備を」

凛「お願いします、もう一度、もう一度!」

海未「........」

花陽「凛ちゃん....」


69:2018/06/15(金) 01:15:09.85 ID:SeHCKM0u.net

海未「もう一度と言いますが、もうフラフラじゃないですか」

凛「これくらい!なんともないです!」

海未「...根を詰めすぎても上達はしませんよ、日々の鍛錬の継続が大事なのです」

凛「わかってます、けど!もう一度だけ」

海未「はぁ...わかりました、もう一度だけですよ?」

凛「はい!!」


海未「では...行きますよ」

凛「っ...ごくっ.....」

海未「っ.......」スッ!

凛「やぁああああ!!!」スッ

バチン!!

花陽「!!」

凛「っ!!....」カラン

海未「勝負ありですね....」


70:2018/06/15(金) 01:19:49.24 ID:SeHCKM0u.net

凛「っ...なんで....」ガクッ

海未「.......」

花陽「凛ちゃん!!」ダッ

凛「.........」

花陽「大丈夫!?凛ちゃん?」

海未「これで気が済みましたか?もう遅い時間です、そろそろ帰る準備を」

花陽「凛ちゃん、怪我とかしてない?」

凛「う、うん...大丈夫...」

凛(凛...カッコ悪いにゃ....)


71:2018/06/15(金) 01:23:29.53 ID:SeHCKM0u.net

花陽「あんまり無茶をしないでね?凛ちゃんになにかあったら私...」

凛「大丈夫だよ、防具は着けてるんだし」

花陽「でも....」

凛「かよちんは心配し過ぎなんだよ、大丈夫!大丈夫!」

花陽「凛ちゃん....」

海未「..........」

凛(もっと、もっと頑張らないと...こんなんじゃだめだよ...)

凛「じゃあ、着替えてくるからちょっと待ってくれる?かよちん」

花陽「う、うん!」

凛「じゃあ、ちょっと待っててねー」

花陽「わかった、待ってるね」

海未「.......」


72:2018/06/15(金) 01:26:48.13 ID:SeHCKM0u.net

凛「銭湯なんていつぶりだろ?」

花陽「そうだね....って私は運動してないのに来てよかったのかな?」

海未「変なとこで遠慮しなくてもいいんですよ」

花陽「はい....」


凛「はぁ...生き返るにゃ...」

花陽「そうだね、いい気持ちだね~....」

海未「昔、幼馴染達とよくここに来たものです」

凛「へー...じゃあ、ここは思い出の場所なんですね」

海未「...そうですね」


73:2018/06/15(金) 01:31:03.20 ID:SeHCKM0u.net

凛「ぷはぁー!!お風呂上がりのフルーツ牛乳は美味しいにゃ!」

花陽「コーヒー牛乳も美味しいよ、凛ちゃん」

海未「この味も変わりませんね、格別です」


海未「それでは私はこちらなので」

凛「今日もありがとうございました!!」

海未「.......」

凛「?先輩?」

海未「!...いえ、なんでもないです」

凛「?」

海未「気を付けて帰ってくださいね」

花陽「はい」

凛「了解にゃ!」


79:2018/06/15(金) 23:59:03.86 ID:SeHCKM0u.net

希「おはよー真姫ちゃん」

真姫「おはよう、希」

絵里「おはよう、西木野さん」

真姫「!おはようございます、絵里先輩」

絵里「あ!そうだ!これ!」スッ

真姫「?なんですか?これ」

絵里「この間のお礼よ、ありがとね」

真姫「いえ...そんな、私は....」

希「あ!これって」

にこ「今、話題のショップの限定チョコレートじゃない!」

真姫「!!」

希「に、にこっち...いつの間に」

にこ「久しぶりね、真姫ちゃん」

真姫「矢澤先輩....」


80:2018/06/16(土) 00:06:59.27 ID:Wwj0r9EP.net

にこ「相変わらず難しい顔をしてるわね」

真姫「...そうですか?」

にこ「えぇ、せっかく可愛い顔をしてるんだから、このチョコのように甘い笑顔で....」スッ

絵里「に~こ~?」

にこ「!な、なに?絵里?」

絵里「貴方の部だけ書類がまだ出てないんだけど...どうなってるの?」

にこ「あ」

絵里「.........」ニコニコ

にこ「え、えっと...にこぉ?なんのわからないにこ」

絵里「ふ~ん....」

にこ「....はぁっ!!」ダッ!

真姫「あ!」

希「逃げた」

絵里「こら!待ちなさい!!にこ!!」


81:2018/06/16(土) 00:16:02.64 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「大変ね生徒会長も」

希「そうやね」

真姫「って!貴方も書類を忘れてて提出ギリギリだったでしょうが!」

希「間に合ったからセーフだよ」

真姫「なんでこう...色々とルーズな上級生が多いのかしらこの学校」

希「まぁまぁ、そんな慌てても仕方ないよ?」

真姫「貴方は少しは慌てなさい」


ことり「ふわぁ.....」

真姫「あれは....ことり....」

ことり「ん......」

真姫「ことりおはよう、なんか随分と眠そうね」

ことり「あー真姫ちゃん、おはよー」


82:2018/06/16(土) 00:19:35.73 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「寝不足?」

ことり「うん、昨日なんか中々、寝付けなくて...」

真姫「時差ボケ?」

ことり「かもしれない...」

真姫「帰ってきたばっかりなんだから無理はしないのよ」

ことり「はーい」ニコニコ

真姫「なんでにやにやしてるのよ」

ことり「にやにやはひどいよぉ...真姫ちゃんが心配してくれて嬉しかっただけ」

真姫「そう....」

ことり「えへへー♡」

「..........」

真姫「!!」ゾクッ


83:2018/06/16(土) 00:23:55.04 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「っ!!」クルッ

海未「.........」

真姫「園田先輩?」

海未「おはようございます、西木野さん」

真姫「お、おはようございます」

ことり「海未ちゃんおはよー」

海未「おはようございます、ことり」

真姫(なんか殺気みたいなものを感じたんだけど、気のせいよね?)


84:2018/06/16(土) 00:28:46.65 ID:Wwj0r9EP.net

凛「zzzzzzzzz」

真姫「こっちも寝不足かしら?」

花陽「あ、おはよう真姫ちゃん」

真姫「おはよう、花陽」

花陽「凛ちゃん疲れてるみたいだから、少し寝かせといてあげて」

真姫「テストが怖いわね、この感じだと」

花陽「あはは....」

真姫「特訓は構わないけど程々にしてほしいわね」

花陽「うん....」

凛「zzzzzzzz」


85:2018/06/16(土) 00:32:44.43 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「花陽はどう思ってるの?」

花陽「え?なにが?」

真姫「凛のことよ、特訓はわかるんけどなんか異様というか、なんかムキになりすぎじゃないかしら?」

花陽「そうだね...」

真姫「凛からなにか聞いてない?」

花陽「特には...聞いても特訓だってしか言ってくれないし」

真姫「そうなのね....」

真姫(花陽にもなにも話してないのね、無茶をしすぎなきゃいいんだけど)

花陽「.........」

真姫(花陽、やっぱり凛のことが心配そうね)


86:2018/06/16(土) 00:40:06.88 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「でも特訓って言っても園田先輩もついてるんでしょ?」

花陽「うん、園田先輩ってすごく強いんだよ」

真姫「知ってるわ」

花陽「え!真姫ちゃんも剣道してるところを見たことがあるの?」

真姫「あ....まぁ、噂でね」

花陽「そっか」

真姫「文武両道、才色兼備、そしてモテるとも聞いたわ」

花陽「あ!そういえば、出待ちの子もいたりしたよ」

真姫「...まるでアイドルね」


87:2018/06/16(土) 00:44:02.28 ID:Wwj0r9EP.net

穂乃果「ことりちゃーん!帰ろう?」

ことり「う、うん!」

穂乃果「海未ちゃんは部活があるから先に帰っててだって」

ことり「そっか、3人で帰ろうかって思ってたんだけど...仕方ないね」

穂乃果「明日は一緒に帰れるみたいだから、明日は久々に寄り道でもしない?」

ことり「いいね♪」

穂乃果「穂乃果、行ってみたいケーキ屋さんがあるの!」

ことり「明日が楽しみだね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん!」


88:2018/06/16(土) 00:46:36.43 ID:Wwj0r9EP.net

ことり「ふぅ.....」

ガチャ

ことり「今日は早く寝よう...明日は皆で遊ぶし」

ことり「.........」


ことり「....あれ?」スッ

ことり「人形が落ちてる...地震でもあったのかな?でも他のものは落ちてないし」

ことり「置き方とかバランスが悪かったのかな?...ごめんね?」

ことり「よいしょっと....」

「...........」

ことり「さてとお風呂でも入ってこよっと」


89:2018/06/16(土) 00:51:32.55 ID:Wwj0r9EP.net

ことり「..........」

海未「!こ、ことり?」

穂乃果「だ、大丈夫?」

ことり「なぁに?...穂乃果ちゃん?海未ちゃん?」

海未「顔がやつれてますよ」

ことり「あー...ちょっとね」

海未「無理はしないでください」

穂乃果「保健室に行く?先生に言っておくよ?」

ことり「うーん...でもぉ...さぼったみたいになるから....」

海未「何を言ってるんですか!そんな状態でまともに授業が受けられるとでも思っているのですか!?」

ことり「でもぉ....」

穂乃果「ことりちゃん...」


90:2018/06/16(土) 00:56:16.84 ID:Wwj0r9EP.net

ことり「zzzzzzzzz」

穂乃果「寝ちゃったね」

海未「そうですね、全く無理をするんですから」

穂乃果「最近、ことりちゃんなんかやつれてない?」

海未「そうですね、帰国して疲れが出た可能性もありますね」

穂乃果「起きたら早退させない?」

海未「それがよさそうですね」

穂乃果「なら、穂乃果達が家まで送っていかない?なんか一人だと危なそうだし」

海未「それはいいですね、そうしますか」

穂乃果「じゃあ、皆の荷物を持ってくるね」

海未「お願いします」


91:2018/06/16(土) 01:00:09.39 ID:Wwj0r9EP.net

「であるので、ここの人物の心情は」

真姫「...........」カキカキ

凛「zzzzzzzzz」

花陽「凛ちゃんおきてー」コソコソ


真姫「...........」チラッ

真姫(いい天気ね....)

ことり「だ、大丈夫だよぉ!」

海未「だめです!家まで絶対に送っていきます」

穂乃果「荷物は穂乃果が持つから!」

ことり「大袈裟だよー二人共ー」

真姫(あれはことりと先輩達...この時間に出るなんて早退とかかしら?)

「星空....いい加減に起きなさい」

凛「zzzzzzzz」


92:2018/06/16(土) 01:05:20.81 ID:Wwj0r9EP.net

ことり「二人共ありがとう」

海未「いえいえ、これくらい当たり前です」

穂乃果「そうだよ!ことりちゃん無理をしちゃだめだよ?」

ことり「.........」

海未「?どうかしましたか?ことり?」

ことり「送ってくれたお礼にお茶くらい飲んでいかない?」

穂乃果「いいの?」

ことり「うん♪」

海未「穂乃果...ことりは体調が...」

ことり「それくらいなら大丈夫だよ、寄って行ってよ」

海未「しかし....」

ことり「........」


93:2018/06/16(土) 01:10:58.02 ID:Wwj0r9EP.net

穂乃果「じゃあ!お邪魔しまーす!」

海未「!穂乃果!」

ことり「はーい、どうぞ!海未ちゃんも」

海未「...わかりました」


ことり「お茶を組んでくるね、ちょっと先に部屋に行って待ってて」

穂乃果「うん、わかった」

海未「........」

ことり「~♪」

穂乃果「.........」チラッ

海未「穂乃果?」

穂乃果「久々だね!ことりちゃんのお家に来るの」

海未「そ、そうですね...」


94:2018/06/16(土) 01:15:53.88 ID:Wwj0r9EP.net

ガチャ、バタン

穂乃果「ふぅ.....」

海未「全く無理に上がり込んで、ことりは体調が優れないというのに」

穂乃果「だからだよ...ことりちゃん寂しいと思ったから」

海未「え?」

穂乃果「風邪を引いた時とか一人だと心細かったりするでしょ?だからことりちゃんのお誘いを受けたの」

海未「穂乃果...貴方、そこまで考えて」

穂乃果「だから穂乃果と海未ちゃんでそばにいてあげよう?」

海未「...そうですね!」


ボトッ

穂乃果「!!」

海未「な、なんですか....」


95:2018/06/16(土) 01:19:58.02 ID:Wwj0r9EP.net

穂乃果「....これは.....」スッ

海未「人形?飾ってあったのが落ちてしまったのでしょうか...」

穂乃果「なんか古そうな感じだね」

海未「アンティークと言われる代物なのでしょうか?」

ガチャ

ことり「お待たせー」

穂乃果「あ、ことりちゃん人形が落ちちゃって!」

ことり「あ、その子また落ちちゃったのか」

海未「また?」

ことり「うん、よく落ちるの、置き方がやっぱり悪いのかなー?」

穂乃果「........」

ことり「せっかく貰い物で気に入ってるのにな~...」


96:2018/06/16(土) 01:24:28.44 ID:Wwj0r9EP.net

海未「それでは理事長...いえ、ことりのお母さまの帰ってこられましたので私達は失礼しますね」

穂乃果「そうだね」

ことり「ありがとう、二人共」

海未「無理はしないくださいね、辛いときはちゃんと休んでくださいね」

ことり「はーい」

穂乃果「じゃあ、またね」

ことり「うん、バイバーイ」


海未「ことり、早くよくなるといいですね」

穂乃果「........」

海未「穂乃果?」

穂乃果「え、あ!うん!そうだね!」


97:2018/06/16(土) 01:26:22.90 ID:Wwj0r9EP.net

海未「どうかしましか?穂乃果?」

穂乃果「穂乃果の気のせいかもしれないけど、部屋にあった人形があったじゃない?」

海未「あの古そうな人形ですか?」

穂乃果「うん...なんか持った時に嫌な感じがして」

海未「嫌な感じですか?」

穂乃果「冷たいっていうか...上手くは言えないけどなんかそれだけが変って言えばいいのかな?」

海未「穂乃果がそんなことを言うなんて珍しいですね」

穂乃果「気のせいかもしれないけどね」

海未「ふむ...」


98:2018/06/16(土) 01:30:07.90 ID:Wwj0r9EP.net

穂乃果「でも、あの人形は貰い物で気に入ってるって言ってたし、そんなことはことりちゃんには言えなくて」

海未「そうですね」

穂乃果「もしかして呪われた人形とかじゃないよね、よくTVとかでもやってる」

海未「そんな非科学的なことが起こるはずがな.....」

穂乃果「?どうしたの?海未ちゃん」

海未「いえ、なんでもないです....」

穂乃果「そう?」

海未「もう外も暗いです、早く帰りましょう、穂乃果」

穂乃果「うん、わかった」

海未「..........」

海未(!そうです...西木野さんならもしかしたら....)


106:2018/06/16(土) 20:25:53.10 ID:Wwj0r9EP.net

「西木野さーん、園田先輩が呼んでるよー」

真姫「え?私?」

凛「真姫ちゃんを呼ぶなんてなんだろう?」

真姫「ちょっと行ってくるわね」

花陽「いってらっしゃい」


海未「すいません、いきなり呼び出してしまって」

真姫「いえ、なにかご用ですか?」

海未「...場所を変えましょう、ついてきてください」

真姫「はぁ...わかりました」


107:2018/06/16(土) 20:30:31.51 ID:Wwj0r9EP.net

海未「ここなら誰もいなさそうですね」

真姫「わざわざ屋上まで連れてきてどうしたんですか?」

海未「実は今日、ことりが体調不良で学校を休んでいます」

真姫「え!ことりは大丈夫なんですか?」

海未「熱は出てるようですが、そこまでは重くないそうです」

真姫「そうですか...」

海未「実は貴方を呼び出したのは一つ頼み事がありまして」

真姫「頼み事ですか?」

海未「はい」


108:2018/06/16(土) 20:31:43.05 ID:Wwj0r9EP.net

海未「実は先日、ことりの家にいったのですが、その時に妙なものというか...気になる物がありまして」

真姫「気になる物?」

海未「はい、見た目は古いアンティークの人形なんですが、それが嫌な感じがするという話でして」

真姫「!!」

海未「私やおそらくことりも感じてはいないようなので気のせいという可能性もありますが」

真姫「人形...」

海未「最近、体調がずっと優れていないのも気になります、なので」

真姫「私が呼ばれたという訳ね」

海未「はい、こういった超常現象的なことは専門外ですので」

真姫「成程....」

海未「お願いできませんでしょうか?」


109:2018/06/16(土) 20:35:08.01 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「わかりました」

海未「ありがとうございます、まだ先日のお礼もちゃんとできていないのというのに」

真姫「気にしないでください」

海未「そうはいきません、いつかちゃんとお礼はさせてください」

真姫「わかりました」

海未「さてと、それはそれとして.....」

真姫「?」

海未「西木野さんとことりは随分と親しげでしたが...どういうご関係なんですか?」ギロッ

真姫「!!」

海未「答えていただけますか?」

真姫(この殺気は...この間の殺気は園田先輩だったのね....)


110:2018/06/16(土) 20:38:29.02 ID:Wwj0r9EP.net

海未「成程、ことりと西木野さんは幼馴染だったのですね」

真姫「はい...って言ってもたまに会うくらいでしたけどね、私の家で」

海未「だから私とは面識がなかった訳ですね」

真姫「他にもたしか、高坂先輩も幼馴染でしたよね?」

海未「穂乃果のことも知っているのですか?」

真姫「まぁ、たまたま入った和菓子屋さんでこの間の雪穂ちゃんに会って色々と」

海未「そういえば、穂乃果がうちの生徒で新しい常連さんができた言ってたのは西木野さんのことだったんですね」

真姫「多分、私と希のことですね、特に希があのお店のお饅頭を気に入ったみたいでね」

海未「当然です、穂乃果のお父様が丹精込めて作っているんですから!」

真姫「なんでそんなに誇らしげなんですか?」

海未「あそこのお饅頭は私の大好物ですから、それに親友のお店が褒められれば誇らしくもなります」

真姫「そうですか」


111:2018/06/16(土) 20:43:01.86 ID:Wwj0r9EP.net

海未「すいません、話が脱線してしまいましたがことりの件、お願いします」

真姫「わかりました」

海未「では放課後にまた、声をかけますのでお願いします」

真姫「はい」

海未「それではまた.....」

バタン!


真姫「...ようは、呪いの人形ってところかしら?」

「............」ブラブラ

真姫「...........」チラッ

真姫「相変わらず、貴方は屋上にいるのね」

「..............」

真姫「なんで貴方はいつも手すりに座ってるのよ、しかも子供の貴方がなんでこの学校にいるのよ」

「.............」ブラブラ

真姫「まぁ...いいわ、悪さはしないみたいだし、また来るわ」

バタン!


112:2018/06/16(土) 20:46:13.44 ID:Wwj0r9EP.net

希「どうしたの?真姫ちゃん?昼休みに部室に来るなんて」

真姫「厄介なことが起きたみたいなの」

希「厄介なこと?」

真姫「ことりが呪いの人形を持っているみたいなの」

希「呪いの人形?また、危なそうなものがなんでまた」

真姫「誰かから貰ったみたいなの、その人形は」

希「貰い物...」

真姫「ことりが誰かに怨まれてて送られている可能性も考えた方がいいかもね」

希「それでどうするの?」

真姫「ことりを説得して撤去するだけよ」


113:2018/06/16(土) 20:50:21.35 ID:Wwj0r9EP.net

希「撤去してどうするの?」

真姫「お寺とかにお願いをしてお祓いをしてもらうしかないわ」

希「成程」

真姫「だから放課後は園田先輩とことりの家に行くから、部活には行けないから」

希「うちも行くよ」

真姫「危険よ、私と園田先輩でなんとかするから」

希「ダメ!一人じゃ行かせないから!」

真姫「希、私は貴方を心配して」

希「うちだって!真姫ちゃんのことが心配だよ!」

真姫「はぁ...わかったわ、でも凛と花陽には内緒にしてね、二人まで巻き込みたくないから」

希「わかった」

真姫「じゃあ、放課後屋上で待ち合わせましょう」

希「了解」


114:2018/06/16(土) 20:54:35.58 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「............」

海未「............」

バタン!

希「ごめん!お待たせ!!」

真姫「遅い!!」

希「ごめんごめん、ちょっと色々あって」

真姫「もう、時間にルーズなんだから...すいません、園田先輩」

海未「大丈夫です、東條先輩もお付き合いいただきてすいません」

希「いいんよ♪まぁ、うちは真姫ちゃんのサポートってかんじだけどね」

真姫「じゃあ、行きましょうか」

海未「はい」


115:2018/06/16(土) 20:56:55.02 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「これは....」

希「やっぱり嫌な感じがする?真姫ちゃん」

真姫「えぇ、なんかこう...体が締め付けられるような感じがするわ」

海未「ということはやはり」

真姫「なにかがこの家にある、そういうことね」

海未「.........」スッ

真姫「また竹刀ですか?」

海未「ないよりはましです、弓もありますよ?」

真姫「使わないで済むことを祈ります」


ピンポン!

真姫「...........」

希「あれ?応答がない?」

海未「おかしいですね、ことりはでかけてないはずなのですが」


116:2018/06/16(土) 20:59:41.95 ID:Wwj0r9EP.net

海未「...電話にも出ないですね」

ピンポン!

真姫「ことり?いるの?」コンコン!

ガチャ

希「あれ?鍵は開いてるよ?」

真姫「不用心ね....どうします?」

海未「ことりが心配です、上がりましょう」


海未「お邪魔します」

希「お邪魔しまーす」

真姫「お.....」

バタン!!

真姫「!!」

希「扉が勝手に閉まった?」

真姫「歓迎されているということかしら?」


117:2018/06/16(土) 21:03:05.67 ID:Wwj0r9EP.net

海未「それにしても、なんでこんなに家の中が暗いんですか?」

希「夕方とはいっても、この暗さは....電気をつける?」

海未「そうですね」カチッ

海未「ん?点かない?....」カチッカチッ

希「停電?でも、外の街灯とかは点いてたよね?」

真姫「家の中も少し肌寒いし、ここは敵のテリトリーってことね」

海未「ことり....」

真姫「ことりは自分の部屋かしら?」

海未「おそらくは...行きましょう」


118:2018/06/16(土) 21:05:09.04 ID:Wwj0r9EP.net

海未「この部屋です」

真姫「じゃあ、行きましょう....」


コンコン

海未「ことり?私です、お見舞いにきました」

真姫「..........」

希「反応がないね、寝てるのかな?」

海未「入りますね、ことり」

ガチャ

海未「ことり?」

希「ここも暗いなぁ....カーテンも閉まってるし」

真姫「あれ?いないのかしら?」


119:2018/06/16(土) 21:09:56.12 ID:Wwj0r9EP.net

希「えっと....ライト...」カチッ

海未「ベッドにふくらみが...寝ているのでしょうか?」

真姫「........」

海未「ことり?...寝ているのですか?」

「...........」

希「これってホラー映画なら布団をめくったら...ことりちゃんじゃない、なにかがいるパターンのやつだよね」

真姫「余計なことを言わなくていいの希」

海未「っ...ごくりっ....失礼しますよ」

真姫「..........」

バッ!


120:2018/06/16(土) 21:10:42.78 ID:Wwj0r9EP.net

ことり「..........」

真姫「!?」

希「なにこれ...なんで南さんがグルグル巻きに....」

海未「こ、ことり!!」

ことり「....ん...ん~!!!」ジタバタ

海未「今、解きます!暴れないください!!」

真姫「希、私達も手伝うわよ」

希「うん!」


海未「これで...よし!」スッ

ことり「う、海未ちゃん....」

海未「ことり!怪我とかはしてないですか?」

ことり「怖かったよぉ!!!海未ちゃぁん!!」


121:2018/06/16(土) 21:13:39.26 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「なにがあったの?一体」

希「ん?あれ?」

ことり「わからない、寝てたら急に息苦しくなって、それで起きたらグルグル巻きにされて....」

海未「.........」

ことり「それでなにか声みたいなのが聞こえてきて、そしたら体が動かなくなって....」

希「んー?」

ことり「声が段々声が近づいてきて....そしたら怖くなって気を失っちゃったみたい....」

真姫「とにかく家から一回出た方がいいわね、立てる?」

ことり「う、うん....」

希「...........」

真姫「希?さっきからなにをしてるのよ」

希「真姫ちゃん、ドアが開かない」

真姫「は?」


122:2018/06/16(土) 21:18:53.47 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「そんな馬鹿な....」ガチャガチャ

海未「ことり、無理はしないでくださいね、私が支えますから」

ことり「うん.....」

真姫「嘘、開かない....」

海未「どうしたんですか?」

真姫「ドアが開かなくなってます」

海未「そんな...ちょっとことりをお願いします」

真姫「はい」

海未「........」ガチャ

海未「たしかに開かなくなっていますね」

希「どうやら閉じ込めるつもりみたいやね、うちらのことを」


123:2018/06/16(土) 21:22:03.70 ID:Wwj0r9EP.net

海未「なら出てやるまでです....はぁ!!」ドン!!

海未「ことり、修理代は後で弁償します、許してください」

ことり「う、うん!」

希「うちも手伝うよ!」

海未「すいません、行きますよ....せーの」

ドン!!

海未「もう一度です、せーの!」

ドン!!

真姫「........」

ことり「....あれ?」

真姫「どうしたの?」

ことり「あの人形がない?....また、どっかに落ちちゃったのかな?」

真姫「.......」


124:2018/06/16(土) 21:26:49.36 ID:Wwj0r9EP.net

ドン!!バキッ!

海未「ふぅ...なんとか開きましたね」

希「なんか映画のワンシーンみたいやね」

真姫「呑気なことを言ってないでさっさと出るわよ」

海未「ことり行きますよ」

ことり「うん....」


真姫「おかしいわね」

希「どうしたの?真姫ちゃん」

真姫「なんで部屋から出たのにいつまでも玄関にたどり着けないのかしら?」

海未「そうですね、たしかに妙です」

希「というかずっとなんか廊下を歩いてない?うちら、しかもすっごい暗いし」

真姫「...簡単には帰してはくれないのね、相変わらず」


125:2018/06/16(土) 21:30:09.85 ID:Wwj0r9EP.net

海未「!!」

ことり「どうしたの?海未ちゃん」

海未「前からなにやら気配がします...ことり、私の後ろに」

ことり「う、うん....」

希「真姫ちゃん」

真姫「来るわ....さてとどう対処しましょうか?」


「.........」フワフワ

希「あれは...人形?人形が浮いてる?」

ことり「!あ、あの人形は....」

海未「穂乃果の予感は当たっていたようですね」

真姫「成程、あれが先輩の言っていた人形ね」


126:2018/06/16(土) 21:31:08.82 ID:Wwj0r9EP.net

海未「そこを通していただけませんか?ことりが体調不良なんです」

「...........」

真姫「さすがに私も呪いの人形の呪いの解き方まではわからないわよ」

希「ピンチってやつやね」

ことり「............」

「.........」シャキン!

真姫「な!包丁を持ってるわよ、あいつ」

希「下手に丸腰では近づけないよ」

海未「そうですか、素直には通してはくれないみたいですね...なら!」スッ

海未「全力で貴方を倒して、ここを出てみせます」


127:2018/06/16(土) 21:33:29.96 ID:Wwj0r9EP.net

海未「やぁ!!」ブン!

「..........」ブン!!

海未「おっと....人形の癖にいい動きをするじゃないですか」

真姫「いくら海未先輩でも包丁を持った相手に竹刀で戦うなんて危ないわ」

希「!そうだ....これを!」ゴソゴソ

真姫「なにかあるの?希」

希「この間、明神さんで魔除けのお札をもらったんよ....あった!」

真姫「効果はわからないけど、使ってみる価値はありそうね」


海未「はぁ!!」バキン!!

ドン!!

海未「手ごたえありです」


128:2018/06/16(土) 21:36:32.76 ID:Wwj0r9EP.net

希「よし、この札で.....」ダッ

真姫「待って!希!」

「..........」ムクッ

希「!!」

「............」ブン!!

希「しまっ!!」

真姫「っ.......」バッ


ドン!!

真姫「っ!!」

希「真姫ちゃん!!」

真姫「ふぅ....馬鹿!!不用意に近づかないの!!」

希「ご、ごめん....」


129:2018/06/16(土) 21:39:24.34 ID:Wwj0r9EP.net

海未「だ、大丈夫ですか!?西木野さん!」

真姫「大丈夫です、かすっただけです」

ことり「海未ちゃんの一撃を受けたのに立ち上がるなんて」

海未「成程、人形ですからダメージの概念がないのかもしれないですね」

真姫「不用意に近づけば、攻撃を受けてしまうし...どうしたら」

海未「私も竹刀で戦いながらお札を貼るのは難しいです、しかもこの暗さで」

ことり「どうしたら.....」

希「..........」

真姫「....!園田先輩!あれを借りてもいいですか?」

海未「あれ?......!成程、それはいい考えかもしれません!」


130:2018/06/16(土) 21:43:48.90 ID:Wwj0r9EP.net

海未「効果があってくれればいいんですが....」

真姫「あることを信じましょう」

海未「矢は手製の練習用のやつですが、大丈夫でしょうか?」

真姫「このお札を相手に打ち込めれば問題ないので大丈夫かと」

海未「よし...できました」

真姫「これであいつを撃ち抜きましょう」

海未「では、私が....」

真姫「あとは囮は...私が....」

希「うちがやる」

真姫「希、でも貴方」

希「うちにやらせてお願い」

真姫「.........」


131:2018/06/16(土) 21:45:05.92 ID:Wwj0r9EP.net

希「さっき真姫ちゃんに...その、迷惑をかけちゃったし」

真姫「今更、何を言ってるのよ」

希「園田さん、この防具を借りてもいい?」

海未「えぇ、構いませんが」

真姫「希!」

希「大丈夫、防具を付けるから安全だよ」

真姫「なら私が....」

希「たまには真姫ちゃんを...貴方を守らせて」

真姫「希....」

希「大丈夫、うちはラッキガールだから」

真姫「わかったわ....」


132:2018/06/16(土) 21:46:35.41 ID:Wwj0r9EP.net

海未「準備はいいですか?先輩」

希「いつでもOKだよ」

海未「ではお願いします」

希「OK!いっくよー!!やー!!」ブン!!

「..........」ブン!!

希「このっ!!」ブン!!

「..........」スッ

希「おっと!!」ガキン!!

真姫「希!」

希「ガードしてるから大丈夫!!たああああ!!」バキン!!

ドン!!

ことり「!!」

真姫「やった!!」


133:2018/06/16(土) 21:50:14.71 ID:Wwj0r9EP.net

希「園田さん!」

海未「はい!照らしてください」

真姫「はい!」

「............」ムクッ

海未「....はぁ!!」パシュ!!

ザシュン!!

ことり「やった!当たった!!」

パー!!

真姫「っ!!」

希「眩しい!!」

海未「..........」

パン!!!


134:2018/06/16(土) 21:54:16.82 ID:Wwj0r9EP.net

ドサッ

海未「.....やったのでしょうか?」

真姫「廊下が明るく....どうやらそうみたいですね」

希「はぁ...緊張した....」

ことり「一体さっきのなんだったんだろう?」

海未「終わったんです、もう気にしなくていいです」

真姫「それにしても...あの人形は一体なんだったのかしら?」

希「お寺に持っていこうよ、とりあえず」

真姫「構わないわよね?ことり」

ことり「あ、うん......」


135:2018/06/16(土) 21:55:00.33 ID:Wwj0r9EP.net

海未「今日はうちか穂乃果の家に泊まっていってください」

ことり「いいの?」

海未「今、一人でいるのは辛いでしょう、むしろ3人でお泊り会でもしますか?」

ことり「ありがとう、海未ちゃん....」

海未「穂乃果やことりは大切な人ですから」

ことり「海未ちゃん....」

海未「.........」


真姫「とりあえずはひと段落ね」

希「そうやね、真姫ちゃんは怪我とかしてない?」

真姫「大丈夫よ、希は」

希「うちも大丈夫」

真姫「...じゃあ、私達は後処理をしますか」

希「そうやね」


136:2018/06/16(土) 22:00:13.57 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「ふぅ...人形もお寺に預けたし、一件落着ってところかしら?」

希「そうやね」

真姫「全く、この街はどうしてこう変なことばかり起こるのかしら?」

希「そうやね」

真姫「今度は呪いでゾンビが出てきてもおかしくないわよ」

希「たしか、ゾンビは呪いで復活した死者って設定もあるもんね」

真姫「でたらどうする?」

希「レコードディスクでも投げる?」

真姫「嫌よ、もったないわ」


137:2018/06/16(土) 22:03:26.88 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「それにしても...なんで呪いの人形がことりのところに」

希「住職さんに聞いたけど、あの人形には人の怨みが込められていたんだって」

真姫「怨み...か」

希「あくまでここからはうちの推測だけど、ことりちゃんに怨みがある人が送ったって可能性もあるんと思うんよね」

真姫「ことりの話だと留学先の人から送られてきたって言ってたけど...」

希「なんでかはわからないけど、その人がわざと送った可能性もあるよね」

真姫「可能性はあるわね、ことりは服とかのデザイナーとして才能があってね、それで海外から声がかかるレベルの才能なのよ」

真姫「だからことりの才能に対して、妬みとかも抱いてる人もいるとは思うわ」

希「一番怖いのは...人間なのかもね...」

真姫「そうかもね」


138:2018/06/16(土) 22:04:16.06 ID:Wwj0r9EP.net

希「真姫ちゃんおはよー」

真姫「おはよう、希」

希「ん?その荷物は?」

真姫「あぁ、園田先輩からのお礼っていったところかしら?」

希「へー...なにをもらったの?」

真姫「お饅頭よ、高坂先輩のところの」

希「なんか最近、お饅頭ばっか食べてるような...」

真姫「美味しいからいいじゃない、花陽と凛にも分けてあげようと思って」

希「成程ね」


139:2018/06/16(土) 22:06:50.57 ID:Wwj0r9EP.net

希「ねぇ、真姫ちゃん」

真姫「なに?」

希「うちが卒業しても一緒にいてくれる?」

真姫「突然どうしたのよ」

希「だってうちは3年生やし、ずっとこうやって学校に通えるって訳じゃないし」

真姫「...拒否したっているつもりなんでしょ?どうせ」

希「まぁね」

真姫「なら聞くまでないじゃない」

希「ふふふ....」


140:2018/06/16(土) 22:08:56.45 ID:Wwj0r9EP.net

真姫「むしろ逆にこんな霊感があって危険に巻き込まれやすい私と一緒にいてもいいのかしら?」

希「もちろん」

真姫「すごい自信ね」

希「将来二人でゴーストバスターズでもやらない?」

真姫「できれば引退したいんだけど」

希「ごめんごめん、平和が一番だよね」

真姫「そうよ、平和が一番」

希「じゃあ、今日はデートでもしちゃう?」

真姫「あー...パス」

希「え....」ガーン

真姫「ふふ、冗談よ」ダッ

希「!あ!ちょ!真姫ちゃん!!!」


希「もー!!真姫ちゃん!待てー!!」

真姫「これぞ...青春ってやつなのかしら?」


真姫「.....おしまいよ」


141:2018/06/16(土) 22:10:26.87 ID:Wwj0r9EP.net

これでおしまいです
このシリーズ?も書き始めて1年経ちました
今回もお付き合いいただきありがとうございました