1:2018/06/17(日) 02:31:34.21 ID:JNAV0b760

東京駅切符売り場

ダイヤ(10)「ごちゃごちゃ・・ごちゃごちゃ・・ごちゃごちゃ・・」

東京都の電車の路線図を見ていた幼き日の私は、沼津の交通網と比べた、東京都のあまりに複雑な電車路線図の前に、
なすすべもなく・・・

ダイヤ(10)「ピギィ~~~~~~!!!!!」

人の目もあるというのに、頭がショートした私は叫んでしまいました

まわりの人もどうしたものかと私のことを困ったような目で見ています・・

そこで・・私に救いの手を差し伸べてくれたお姉さんがいたこと・・今でも忘れられませんわ・・


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2:2018/06/17(日) 02:33:34.05 ID:JNAV0b760

絵里(15)「あら?あなたどうしたの?」

人ごみの中から金髪をなびかせた、とても美しいお姉さんが私に声を掛けてくれたのです

ダイヤ(10)「電車に乗りたいのに・・ごちゃごちゃで・・どうすればいいのかわからないの・・」

絵里(15)「あらあら・・ほら、ハンカチを貸してあげるから涙をふきなさい」

ダイヤ(10)「うん、ありがとう・・」

私は名も知らぬ金髪のお姉さんからハンカチを借りて、目元をぬぐいます




4:2018/06/17(日) 02:35:57.47 ID:JNAV0b760

絵里(15)「あなた一人?お母さんは一緒じゃないのかしら?」

ダイヤ(10)「うん・・」

絵里(15)「誰か大人の人は一緒にいないの?」

ダイヤ(10)「いない・・」

知らない人についていっていけないと教えられてきた私は、金髪のお姉さんにあまり心を開かずに
聞かれたことにだけ、ポツリポツリと答えます



5:2018/06/17(日) 02:36:26.23 ID:JNAV0b760

絵里(15)「見たところ、東京都に住んでいるって感じじゃないわね・・リュックにパンパンに荷物を詰め込んできているってことは、地方からやってきたんじゃない?」

ダイヤ(10)「!!」

お姉さんは、私が背中に背負っているリュックサックを見て、地方からやってきたと言い当てました・・
なんて聡明なお方なんでしょう・・

絵里(15)「あなた見たところ小学生よね?迷子?」

ダイヤ(10)「ま、迷子!?迷子になんてなるほど私子供じゃありません!!」

絵里(15)「電車の路線図の見方わかるかしら?近くの駅だったら一緒にいってあげるけど?」

ダイヤ(10)「ほ、ほっといてくださいまし!!見ず知らずの方について行ってはいけないとお母様に固く言われてますの!!」



6:2018/06/17(日) 02:36:52.32 ID:JNAV0b760

絵里(15)「あらあら」クスクス

ダイヤ(10)「む!何を笑っていますの!?」

私は金髪のお姉さんがクスクス笑うのに腹を立てながら、自分が一人で電車に乗って目的地にたどり着けるということを証明するために
再び、電車の路線図を見ます

ダイヤ(10)「わたくしは黒澤家の長女なんですのよ・・・?こんな電車の路線図くらい簡単に攻略して・・・攻略して・・」

ダイヤ(10)「ごちゃごちゃ・・ごちゃごちゃ・・ごちゃごちゃ・・ピギィーーーーーー!!!!!」

絵里(15)「ふふふ・・やっぱりこのくらいの年の子ってかわいいわね♪」



7:2018/06/17(日) 02:37:23.48 ID:JNAV0b760

秋葉原

絵里(15) 「まさか秋葉原に行きたかったなんてね・・東京駅からたった一駅じゃない・・」

ダイヤ(10) 「うう・・私ひとりでもたどりつけたもん・・乗換がちょっとわからなかっただけだもん!」グス

絵里(15) 「はいはい・・」なでなで

ダイヤ(10) 「あ・・・」

絵里(15) 「?どうかしたかしら?頭を撫でられるの嫌だった?」

ダイヤ(10) 「ううん・・いっつも妹のルビィに私が頭を撫でてあげていたから・・・私が撫でられるのはちょっと新鮮で・・照れ臭かっただけです//


10:2018/06/17(日) 02:38:06.91 ID:JNAV0b760

絵里(15) 「お姉ちゃんなんだ!!私にも妹がいるの、亜里沙っていうの」

ダイヤ(10) 「ふえ?お姉さんにも妹がいるんだ・・わたしと同じだね」

絵里(15) 「そうね♪私は絵里っていうの、あなたのお名前を聞かせてもらえるかしら?名字は黒澤っていうのだけはわかったけど」

ダイヤ(10) 「ピギ!?どうして私の苗字を知っているの!?お姉さんエスパー!?」

絵里(15) 「あなたがさっきそういっていたじゃない?黒澤家の長女なんですのよって・・」

ダイヤ(10) 「あ・・・そうでしたわね・・無意識に口走ってたんだ・・恥ずかしい//」



14:2018/06/17(日) 02:38:39.79 ID:JNAV0b760

絵里(15) 「とりあえずここだとなんだし、喫茶店にでも行きましょうよ おごるわ」

ダイヤ(10)「そ、そんな!! 悪いからいいです!!それに知らない人についていっちゃダメって・・」

絵里(15)「もう名前も名乗ったし、知らない人じゃないでしょ?」

ダイヤ(10)「あう・・お姉さんずるい・・」

絵里(15)「ふふ♪ 妹がいるから年下の扱いには慣れてるのよ♪」




19:2018/06/17(日) 02:39:11.02 ID:JNAV0b760

喫茶店

絵里(15) 「それで?お名前を聞かせてもらえるかしら?」

ダイヤ(10)「ダイヤ・・黒澤ダイヤっていいます・・」

絵里(15)「ハラショー・・珍しい名前ね・・」

ダイヤ(10)「うう・・この名前みんなにからかわれるから嫌いなの」

絵里(15)「そうかしら?私はかっこいいと思うけど?」

ダイヤ(10)「え?本当?」

絵里(15)「ええ!もっと自分の名前に自信を持っていいわ!!」

ダイヤ(10) 「あ、ありがとう・・人から名前をほめてもらうのは初めて・・・///」



24:2018/06/17(日) 02:39:47.47 ID:JNAV0b760

絵里(15)「ダイヤちゃんは東京に一人で何しにきたの?」

ダイヤ(10)「わたし・・実は・・家出中なの!!!」

絵里(15)「えええ!!??い、家出!?またどうして・・? ダイヤちゃんはみたところかなりしっかり者にみえるのに・・」

ダイヤ(10) 「だって・・おとうさまや、おかあさまはいっつもダイヤにだけ、厳しいことをいうんだもん・・」

絵里(15)「私はダイヤちゃんのお父様とお母様のことを知らないから、あまり言えないけれど・・きっとダイヤちゃんのお父様もお母様もダイヤちゃんのこととってもかわいいって思っていると思うわよ?」

ダイヤ(10)「違うもん!! ルビィはお稽古を休んでも厳しいことを言われないのに、私だけはダメっていうんだもん!!」

普段の生活ではたいてい敬語を使ってしゃべっている私ですが、このお姉さんに心を開き始めたのか
年相応の女の子の言葉づかいになっていました



28:2018/06/17(日) 02:40:14.81 ID:JNAV0b760

絵里(15)「でも家出なんて・・お母さんたち心配するわよ・・?」

ダイヤ(10)「いいもん!!どうせおかあさまたちはルビィのことだけがかわいいんだもん!!」

絵里(15)「ははぁ・・」

ダイヤ(10)「むっな~に!?」

金髪のお姉さん・・もとい、絵里さんはわかったぞと言いたげな顔で私の顔を見下ろし、したり顔で笑い出します

絵里(15)「そっか・・ダイヤちゃんはお母さんたちにもっと甘えたいんだね」

ダイヤ(10)「な!!甘えたいわけではありませんわ!!ただ・・わたくしは・・その・・えっと・・・」

絵里さんに反論しようと、言葉を口にしようとしますがなにも頭に浮かびません



32:2018/06/17(日) 02:40:43.91 ID:JNAV0b760

ダイヤ(10)「わ、わたしはただ・・」

絵里(15)「ただ?」

ダイヤ(10) 「ルビィにばっかり優しくしないで・・もっと私にもやさしくしてほしいというか・・その・・」

絵里(15) 「わかるわ・・その気持ち・・」

ダイヤ(10)「え?」

絵里(15) 「私も小さいころ、おばあさまに厳しく育てられたの・・妹がやっても許されることが私は許されないことが多かったから・・小さいころの私もどうして私だけって思った頃があったのよ」

ダイヤ(10)「絵里お姉さんもそうだったの?」



38:2018/06/17(日) 02:41:26.88 ID:JNAV0b760

絵里(15) 「ええ、小さいころは自分より甘やかされている妹を嫌いになりそうになった時もあったわ・・」

絵里(15)「でも・・私にとって妹はとってもかわいい存在だから・・妹を守れるくらい自分がしっかりものになりたいって時間が経つにつれて思うようになったのよ」

ダイヤ(10)「絵里お姉さんもそうだったんだ・・」

絵里(15)「さっき妹の・・ルビィちゃんだったわよね? ルビィちゃんの頭をよく撫でてあげているってダイヤちゃん言ってたじゃない?」

ダイヤ(10)「あ、うん」

絵里(15)「ダイヤちゃんにとってルビィちゃんはどういう存在?」

ダイヤ(10) 「手がかかるけど・・やっぱりかわいい妹・・」

絵里(15)「ハラショー! やっぱりあなたと私はどこか似ているわね!!」



43:2018/06/17(日) 02:42:01.07 ID:JNAV0b760

ダイヤ(10)「そうなの?」 

絵里(15)「私も妹が大好きなの!!」

ダイヤ(10)「うん・・なんだかんだ言っても私も妹が大好き!」

絵里(15)「ダイヤちゃんのお父さんとお母さんがダイヤちゃんに厳しいのはきっとダイヤちゃんに、妹のルビィちゃんを守れるぐらいの強い女の子になってもらいたいと思ってるからだと思うわ!!」

ダイヤ(10)「お父様とお母様が私に?」

絵里(15)「ダイヤちゃんはとってもしっかりしているから、大きくなれば妹さんを導けるくらいの女性になれると思うわ!!」

ダイヤ(10)「う~ん・・そうかなあ・・」

絵里(15)「そうよ!!だから家出なんてダメよ!!家族がきっと心配してるからお家に帰りなさい・・ね?」



48:2018/06/17(日) 02:42:35.54 ID:JNAV0b760

ダイヤ(10)「・・・・・・・うん・・わかった・・」

絵里(15)「よかった・・」

絵里さんはほっとしたように胸をなでおろして、深いため息を吐きました

絵里(15)「ところでダイヤちゃんを家に送って行ってあげようと思うんだけど・・あなたのおうちはどこなの?」

ダイヤ(10)「内浦ですわ」

絵里(15) 「内浦・・はて・・?どこかしら?」

ダイヤ(10)「静岡県沼津市です」

絵里(15) 「静岡!?また、ずいぶん遠くから来たのね・・どうしてダイヤちゃんは家出先を秋葉原にしたの?」

ダイヤ(10)「よくテレビとかでやってるアイドルがかわいいから・・秋葉原に来てみたかったのですわ・・連れ戻された後でルビィへの土産話にしようと思って」




51:2018/06/17(日) 02:43:10.65 ID:JNAV0b760

絵里(15) 「ハラショー・・若いのに行動力があるわね・・いいわ!私が秋葉原を案内してあげる!!」

ダイヤ(10)「本当!? わーい!!絵里おねえちゃん大好き!!」

絵里(15)「あ、こらちょっと!!抱きつくんじゃ・・ああもう!!しょうがないわね♪」なでなで

ダイヤ(10)「~~~♪♪」

ミナリンスキー「2525円になります♪」



56:2018/06/17(日) 02:43:50.43 ID:JNAV0b760

ほむら

絵里(15)「ここのお饅頭は絶品なのよ?食べてごらんなさい?」

ダイヤ(10)「甘くておいしいですわ!!」

ほのママ「あらあら、ずいぶんかわいいお客さんね♪サービスで抹茶のプリンをつけちゃう」

ダイヤ(10)「プリンなのに・・黄緑色・・なんか不気味・・」

絵里(15)「これは抹茶の味がするプリンよ?おいしいから食べてごらんなさい?」

ダイヤ(10)「う、うん・・・  !!!!  おいしい・・・おいしいですわ~~~~~!!!!!」



61:2018/06/17(日) 02:44:19.11 ID:JNAV0b760

ほのママ「あらあら!!ちょっとちょっと!!おいしがってくれるのは嬉しいけれど、店内をピョンピョン飛び跳ねないでね!!」

???>>>>>>「あんこ飽きた~~~~~!!!!」

ほのママ「・・・まったく・・ウチのバカ娘も小さいころはこの子みたいに、おはぎを食べておいしがってくれたというのに・・」

絵里(15)「あ、あはは・・次行きましょうか」




64:2018/06/17(日) 02:44:42.54 ID:JNAV0b760

神田明神

希(15)「エリチ・・悪いことは言わん・・誘拐はやめとき」

絵里(15)「違うわよ!!・・ちょっと訳があって知り合いの子を預かっているのよ・・」

希(15)「本当?お嬢ちゃん・・東京には何しに来たの?」

ダイヤ(10)「東京に家出しに来たのですわ!!」

希(15)「エリチ・・自首しよ?」

絵里(15)「だから違うってば!!」



68:2018/06/17(日) 02:45:12.97 ID:JNAV0b760

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希(15)「なるほどね・・本当は警察を通したほうがええんやろうけど・・もう、親御さんには連絡したんやろうな?」

絵里(15)「もちろんよ・・今新幹線に飛び乗ってこっちに向かっているところらしいわ」

希(15)「警察沙汰にはなってないの?」

絵里(15)「ええ、まさか秋葉原まで来ているとは思っていないらしくて、地域中の人間で沼津を探して見つからなかったら警察に届けるつもりだったそうよ・・だから、まだ警察沙汰にはなっていないわ」

希(15)「そか・・まあ、向こうの親御さんがこっちに来るまで、秋葉を案内してあげてるってわけやな・・ヨシャ!そういうことならウチも協力してあげるで!!お嬢ちゃん!ウチが神田明神を案内してあげるよ!!」




72:2018/06/17(日) 02:45:42.35 ID:JNAV0b760

ダイヤ(10)「絵里お姉ちゃん、この人は?」

絵里(15) 「この人は東條希って言ってね・・お姉ちゃんの大事な親友よ」

希(15)「照れるやんエリチ♪」

ダイヤ(10)「しん・・ゆう・・・?お友達とは違うの?」

絵里(15)「お友達よりもっと仲良くなった人を親友って呼ぶのよ・・ダイヤちゃんもそのうち親友ができると思うわよ!!」

ダイヤ(10) 「う~~ん・・それなら絵里おねえちゃんと親友になりたい!!」

絵里(15) 「希・・この子ウチの子にしちゃだめかしら?」

希(15)「ダメに決まってるやろアホか」



77:2018/06/17(日) 02:46:14.60 ID:JNAV0b760

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はーい獅子舞がおみくじを選んでくれるよ!ちょっと待っててね

ダイヤ(10)「す、すごい!!獅子舞さんが動いていますわ!!」

希(15)「この神社のちょっとした名物なんやで♪ダイヤちゃんにもいいおみくじが出るとええな!」

絵里(15)「んん~~ここのおみくじはけっこう辛口なのよね・・私今までいい運勢が出たことないのよね・・」

希(15)「エリチの日頃の行いが悪いからやないの?」



81:2018/06/17(日) 02:46:44.01 ID:JNAV0b760

絵里(15)「ちょっと・・地味にへこむこと言わないでよ・・それに私は別に日頃の行いで悪い事なんて・・」

希(15)「本当?この前だって、スクールアイドル部の部員が一人になってしまったから、経費削減のために廃部にするべきだって生徒会長に進言してたやん」

絵里(15)「いや、だってもう一人になってしまった部活なんて、部の形態をなしてないじゃ・・」

ダイヤ(10)「わ~~~大吉ですわ~~!!やった~~~!!!」

絵里(15)「え、本当!?すごいすごいみせてみせて!!」

希(15)「ほほ~~待ち人来るってあるで・・」

ダイヤ(10)「待ち人?」

希(15)「きっとダイヤちゃんは近いうちに、大切な人と出会えると思うよ」

ダイヤ(10)「う~ん・・そうですわね!!待ち人に出会えるのを楽しみにしていますわ!!」



85:2018/06/17(日) 02:47:13.14 ID:JNAV0b760

はーい獅子舞がおみくじを選んでくれるよ!ちょっと待っててね

ダイヤ(10)「あれ?また獅子舞さんが動いているよ?」

絵里(15)「あら?次の人がおみくじを買ったみたいね・・」

希(15) (!!あれは・・にこっちやん・・)

にこ(15) 「・・・・・・・・大凶ってなによ!?」

絵里(15) (大凶なんてほんとにあるのね・・都市伝説だと思ってたわ・・)

希(15) (ああにこっち・・)



89:2018/06/17(日) 02:47:44.12 ID:JNAV0b760

ダイヤ(10) 「お姉ちゃん大凶だったの?」

にこ(15) 「なによあんた・・子供はママのところに帰りなさって・・・希!?あ、あんたは生徒会の感じが悪い金髪!!」

希(15) 「はーいにこっち」

絵里(15) 「感じが悪い金髪で悪かったわね」
        (ひどいチカ・・エリチカ傷ついたチカ・・)

にこ(15) 「み、見てたの?」

希(15) 「ばっちり見てたで・・ウチも大凶引き当てる人はさすがに初めてみたわ・・にこっちどんまい」

にこ(15) 「ふ、ふん・・!こんなおみくじごときで私がへこむと思ったら大間違いよ!!宇宙ナンバーワンアイドルにこにーの前には大凶の一つや二つ・・」



94:2018/06/17(日) 02:48:18.76 ID:JNAV0b760

ダイヤ(10)「宇宙ナンバーワンアイドル!? お姉ちゃん宇宙ナンバーワンアイドルなの!?」

にこ(15)「え?ええ・・覚えておきなさい!?いつかテレビの中で私を見る日が必ず来るわよ!!」

希(15) 「おお~この間、部員全員に逃げられたのに強気やなにこっち」

にこ(15)「ふん!アイツらは所詮その程度のヤツ等だったのよ!!みてなさいよ!!私一人でもかならず有名になってやるんだから!!」

絵里(15) 「・・・・・バカバカしいわ」

にこ(15) 「・・なんですって?」

絵里(15)「バカバカしいって言ったのよ・・もう実質スクールアイドル部は廃部になったようなモノじゃない・・あなたもそんなことより勉強にでも時間を使った方が有意義だと思うわよ?」

にこ(15)「言ってくれるじゃないの!!知ってるのよ?あんたがスクールアイドル部の予算を廃止するべきだって生徒会長に進言したってこと・・」

にこ(15) 「見てなさいよ?あんたの思うようにはさせないんだから!!絶対私は有名になってやるわよ!!」



98:2018/06/17(日) 02:48:57.50 ID:JNAV0b760

絵里(15) 「ふん、所詮は学生のお遊びじゃない・・」

にこ(15) 「なんですって?スクールアイドルは遊びなんかじゃないわよ・・それ以上言ったら許さないわよ?」

絵里(15)「・・・・何度だって言ってあげるわ・・スクールアイドルは」

にこ・ダイヤ「遊びじゃない!!!」

にこ・ダイヤ「・・・・・・え?」

絵里(15)「ダイヤちゃん!?い、今はお姉ちゃんたちのお話だから、ダイヤちゃんに入ってこられるとちょっと・・」

ダイヤ(10) 「スクールアイドルをバカにするのはいくら絵里おねえちゃんでも許しませんわよ!!」

絵里(15)「え、えっと・・」あたふた

希(15) (エリチが珍しくあたふたしてる・・)




102:2018/06/17(日) 02:49:25.17 ID:JNAV0b760

にこ(15) 「あんた・・ウチの部に入らない?欠員だらけで困っていたのよ・・歓迎するわよ?」

希(15) 「子供相手に勧誘すんなや!!」

ダイヤ(10) 「い、いいんですの~~」キラキラ

にこ(15) 「キラキラした目で見てくれちゃって・・良い目を持ってるじゃないの!!」

にこ(15) 「気に入ったわ・・あんたにはアタシのとっておきをみせてあげるわ!!行くわよ!!」

にこ(15) 「にっこにっこにー!!あなたのハートににこにこにー!!笑顔届ける矢澤にこにこ~~!!にこにーって覚えてラブにこ♡」

にこ(15) (決まった・・会心の出来栄え・・)



107:2018/06/17(日) 02:49:57.39 ID:JNAV0b760

ダイヤ(10) 「ブッブー!!ですわ!!」

にこ(15) 「ブホォ!?な、ぬぁんでよ!?あんたアイドルが好きなんじゃないの!?」

ダイヤ(10) 「なってない・・全然なってませんわ・・そんなので宇宙ナンバーワンアイドルを名乗るなど・・片腹痛い・・片腹痛いですわ!!」

希(15) 「おお~まだ小学生なのに、片腹痛いなんて難しい言葉よく知ってるね」

絵里(15) 「だから言ったでしょ?この子は私に似て賢いって♪」

希(15) (私に似て・・賢い?アカンな・・)

ダイヤ(10)「宇宙ナンバーワンアイドルにふさわしいのは・・絵里おねえちゃんに決まっていますわ!!」

絵里(15) 「うんうんそうね・・私が宇宙ナンバーワンアイドルに・・・・えええええ!!!???」




112:2018/06/17(日) 02:50:32.05 ID:JNAV0b760

にこ(15) 「ぐぬぬ・・がきんちょの分際でにこにーに意見するなど百年早いわ!! そ、それに!この金髪が宇宙ナンバーワンアイドルになんて・・!!」

にこ(15)「なんて・・」

にこ(15) 「・・・・・・」

絵里(15) 「え?なんで黙るの?」

にこ(15) 「ふ、ふん!負けたなんて思ってないんだからね!!覚えておきなさいよ!!」タタタ

希(15) 「あ、にこっち・・!! ・・行っちゃった・・後で謝っとかないとな・・」

ダイヤ(10) 「ふふん♪ おとといきやがれですわ!!」



116:2018/06/17(日) 02:51:00.63 ID:JNAV0b760

絵里(15) 「ね、ねえダイヤちゃん・・ダイヤちゃんはどうしてさっきのお姉ちゃんより、私の方が宇宙ナンバーワンアイドルにふさわしいなんて思ったの?」

ダイヤ(10)「え?それは私が絵里お姉ちゃんのことが大好きだからに決まってますわよ!!!」

絵里(15) 「大好き・・あう・・・ねえ希・・やっぱりこの子私の妹にしちゃだめ? 亜里沙もきっと喜ぶと思うのよ」

希(15)「世迷言も大概にせんといてや、しばくでホンマ」




120:2018/06/17(日) 02:51:32.36 ID:JNAV0b760

prrr prrr prrr

絵里(15)「!!」

希(15) 「エリチ?携帯なってるよ?」

絵里(15)「はい・・・はい・・わかりました!!今から駅に向かいます・・はい、秋葉原駅の電気街口で待ち合わせしましょう・・はい・・では」

希(15)「いよいよ・・やな」

絵里(15) 「ええ、ダイヤちゃん!お母さんが迎えに来てくれたわよ!!」

ダイヤ(10) 「お母様が・・・」

絵里(15) 「?どうしたの?」

ダイヤ(10) 「家出なんてしたから・・きっと怒られますわ・・」



124:2018/06/17(日) 02:52:00.76 ID:JNAV0b760

希(15)「ああ、それは仕方がないな・・ダイヤちゃんがみんなに心配をかけてしまったんや・・そこはきちんと罰を受けなきゃいけないよ」

ダイヤ(10)「・・・・・・」

絵里(15)「どうしたの?おかあさんに会うのが怖い? あんまり怒らないように私からも説得してあげるから・・」

ダイヤ(10)「違いますわ!!ただ・・お姉ちゃんたちと別れるのがさびしいっていうか・・別れたくないっていうか・・」

絵里(15)「ああ・・ダイヤ・・・あなたはもう私の子よ!!!」ギュー!!

希(15)「アホかーーーーー!!!漫才やっとらんではよ秋葉原駅に向かうで!!!」スパーン

絵里(15)「イタイ!?」

ダイヤ(10)「希おねえちゃん!?どこからハリセンなんて取り出したの!?」

希(15)「乙女にはな・・いっぱい隠すところがあるんやで?覚えときダイヤちゃん」



129:2018/06/17(日) 02:52:34.97 ID:JNAV0b760

秋葉原駅

黒澤母「ああダイヤ!!この子は!!心配ばっかりかけて!!」

ダイヤ(10)「お母様・・私・・私・・」

黒澤母「まったく・・でもよかった無事で・・」ギュー

ダイヤ(10)「おかあ・・・さま?」

黒澤母「あなたの書置きを見て、お父様も私も反省しました・・少し、あなたに厳しくしすぎてしまいましたわ・・ごめんなさい・・ダイヤ・・」

ダイヤ(10)「ふええ・・おかあさん・・あ、お母様・・」

黒澤母「いいんですのよ・・今はおかあさんと呼んでも・・」

ダイヤ(10)「え・・・うええええーーんごめんなさーーい!!おかあさーーん!!!」ギュー

黒澤母「ごめんね・・ごめんねダイヤ・・」ギュー



133:2018/06/17(日) 02:53:04.38 ID:JNAV0b760

希(15)「あかん、ウチも感動して涙出てきたわ」ほろり

絵里(15) (よかった・・ダイヤちゃんよかったね!!)ほろり

黒澤母「本当にこのたびはウチのダイヤがお世話になりました・・あなたたちみたいないい人に巡り合わなかったら本当にどうなっていたことか・・」

希(15) 「ええんよ、ダイヤちゃん、もう家出なんかしたらあかんで?」

ダイヤ(10) 「・・・・・・・・」

希(15) 「ダイヤちゃん?お~い返事・・ダイヤちゃん?」

ダイヤ(10) 「イヤですわ!!私は絶対にまた家出します!!」

絵里・希・黒澤母「ええええ!!??」



139:2018/06/17(日) 02:53:51.08 ID:JNAV0b760

黒澤母「ダ、ダイヤ?あなたの話はきちんと聞きますし、これからは父も母も心を入れ替えますから心配をかけるようなことはしないでくださいまし!!」

希(15)「せ、せやで!ダイヤちゃん!めったなこと言ったらアカン!!」

絵里(15)「ダイヤちゃん?なにが不満なの?」

ダイヤ(10) 「だって・・家出しないともう東京なんて遠いところになかなかこれないし・・絵里おねえちゃんや、希おねえちゃんにまた会いたいもん・・」

希(15)「アカン、ウチもこの子と別れとうなくなってきたわ・・」

絵里(15)「ハラショーよダイヤちゃん・・おほん! ダイヤちゃん?お姉ちゃんたちは秋葉原にいるから・・また必ず会えるから」




143:2018/06/17(日) 02:54:19.39 ID:JNAV0b760

ダイヤ(10)「絶対だよ?絶対また会いに来るからね!?」

絵里(15)「ええ!!絶対また会いましょう!!」

希(15) 「約束や!!」

黒澤母「本当にありがとうございました・・お礼をしたいのでぜひとも」

絵里(15)「お、お礼なんてとんでもありません!!」

希(15) 「別れがつらくなるからそろそろこの辺で!!」

黒澤母「そうですか・・?では・・ありがとうございました」

ダイヤ(10) 「絵里おねえちゃん!!希おねえちゃん!!きっと・・きっとだよ!!きっとまた会いに来るからね!!」

絵里(15)「ダイヤちゃん!!絶対また会いましょう!!」

希(15)「元気でな~!!家族やお友達と仲良く暮らすんやで~!!」



149:2018/06/17(日) 02:54:54.96 ID:JNAV0b760

ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー

希(15) 「行っちゃったね・・ダイヤちゃん」

絵里(15)「グス・・ヒッグ・・これでよかったのよね・・希」

希(15)「当たり前やん・・ほら、いい加減エリチも泣き止んで」

絵里(15)「イケない・・ちょっと情をかけすぎちゃったわね・・」

希(15)「エリチは年下が大好きやもんね」クスクス

絵里(15)「変な事言わないでよ・・もう希ったら・・」

亜里沙「お姉ちゃーん!!」

絵里(15)「亜里沙!?どうしたの?」

亜里沙「もうすぐ雨が降ってくるらしいから、傘をお姉ちゃんに届けてあげようと思って・・」

希(15)「あ、本当だね空がゴロゴロ言ってる・・」



153:2018/06/17(日) 02:55:20.01 ID:JNAV0b760

ポツ・・ポツ・・ポツ・・

ザアアアアアアアアア

絵里(15)「うわ、本当に降ってきたわ!!帰りましょう!!」

亜里沙「うん!!」

希(15) (ダイヤちゃんもかわいかったけど・・亜里沙ちゃんもかわええなあ・・ええなあ妹って・・)

絵里(15) (アイドルか・・私に色々なしがらみがなかったら・・私も・・ いえ、やめましょう・・考えても仕方がないことね・・)

希(15)「エリチ?どうしたん?考え事?」

絵里(15)「なんでもないわ・・さあ帰るわよ!希!亜里沙!」

亜里沙「うん!!」



158:2018/06/17(日) 02:55:53.17 ID:JNAV0b760

内浦 黒澤家

ダイヤ(10)「ただいま戻りました」

ルビィ(8)「びえええええええええええん!!!おねえじゃあああああああああああああん!!!!」

ダイヤ(10)「わ!ルビィ!?」

ルビィ(8)「心配したよおおおおお!!!お姉ちゃんがもう帰ってこないんじゃないかって・・・!!うわああああああん!!!」

ダイヤ(10)「ルビィ・・ああ、ルビィ・・!!!ごめんなさい!!心配かけてしまいましたわ・・・ダメな姉を許して下さいまし・・」

ルビィ(8)「うん!うん!!何度だって許すからもうどこにも行かないで!!」

ダイヤ(10)「ああ、ルビィ・・!!」ギュー



165:2018/06/17(日) 02:56:49.07 ID:JNAV0b760

黒澤父「ダイヤか・・・」

ダイヤ(10)「!!お父様・・」

黒澤父「まったく心配をかけて・・この親不孝者め・・」

ダイヤ(10)「ご心配をかけて申し訳ありません・・」

黒澤父「無事でよかった・・すまなかった・・」

ダイヤ(10)「え?」

黒澤父「お前に厳しくしすぎたとお前がここを出て行ってから反省したんだ・・これからはもっと優しくできるようにがんばるから・・だから・・もう、勝手にどこかに行かないでくれ・・」

お父様の心からの反省と、私を心配していたという気持ちがひしひしと伝わってきて、ああ、この人も私の大切な家族なんだと実感できた瞬間でした

ダイヤ(10)「はい・・もう勝手にどこにも行きません・・心配をかけてごめんなさい・・おとうさん」

黒澤父「ダイヤ・・」ギュッ

ダイヤ(10)「お父さん・・・」ギュッ

こうして黒澤ダイヤ(10)の大冒険は無事終わりを迎えたのです

それからしばらくして、あのおみくじの占い通り、果南さんや鞠莉さんと出会い、私はかけがえのない人たちと沼津で平穏な日々を送ったのでした




169:2018/06/17(日) 02:57:16.93 ID:JNAV0b760

2年後

TV「発表です!!ラブライブ優勝チームは・・・音乃木坂学院・・μ.sです!!」

TV「それではインタビューを行います!!」

ルビィ「見てみておねえちゃん!!μ,sが優勝し・・あ、そうだった・・お姉ちゃんは決勝戦を秋葉ドームに見に行っているんだった」

TV「だから私はこの金髪の絵里に向かっていってやったのよ!!スクールアイドルは遊びじゃないって!!」

TVの中では黒髪のツインテールの人が他のメンバーを押しのけながらなにかをしゃべっている
メンバー同士のなれ初めとか、エピソードとかそんなことを話しているみたい

ルビィ「お姉ちゃんは金髪の人が好きって言っていたもんな~きっとμ.sの中で誰が好きって聞いたらこう答えるんだろうな~~」



173:2018/06/17(日) 02:57:41.09 ID:JNAV0b760

ダイヤ「私は断然エリーチカですわ!!」


おしまいですわ!!




208:2018/06/17(日) 10:00:21.18 ID:q/M9Zv2Q0

ダイヤと絵里の馴れ初めか~
こういう出会いもあったかもな
良かったよ乙


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