1:2018/06/19(火) 18:49:37.83 ID:pJdmxL1v.net

キャラ崩壊注意


2:2018/06/19(火) 18:50:06.67 ID:pJdmxL1v.net

~放課後・部室~

ルビィ「ウユニ塩湖」

善子「ふふっ」

ルビィ「レマン湖」

善子「えっ」

ルビィ「漫湖……」

善子「」

ルビィ「チンポー湖……」

善子「やめてっ」

ルビィ「チャーゴグガゴグマンチャウグガゴグチャウバナガンガマウグ湖」

善子「!?」


3:2018/06/19(火) 18:50:36.22 ID:pJdmxL1v.net

ルビィ「ピギーニッグ」

善子「何か違わない?」

ルビィ「オールナイトロング」

善子「もはや何がなんだか」

花丸「ふざけていないで、ちゃんと宿題するずら」

ルビィ「びーーー!!」

善子「あっ、ルビィが泣いちゃったじゃない!」


4:2018/06/19(火) 18:51:13.13 ID:pJdmxL1v.net

ルビィ「マルちゃんが厳しいビィ~!」

花丸「ちゃんと宿題しないと、また先生に怒られるよ?」

善子「そ、そうね!」アセアセ

ルビィ「ちぇっ、はーい……」カキカキ

善子「……」カキカキ

ルビィ「……」カキカキ

善子(珍しくルビィが集中しているわね……)カキカキ

ルビィ「……」カキカキ

ルビィ「出来た!」

善子「えっ、もう!?」


5:2018/06/19(火) 18:52:12.09 ID:pJdmxL1v.net

ルビィ「見て見て! 全身サイコフレームのお姉ちゃん! よく描けてるでしょ?」

善子「いや宿題しなさいよ!」

花丸「ルビィちゃん、真面目にやらなきゃあ、ダメだよ?」

ルビィ「うゆ……だって、わからないんだもん……」

花丸「どこがわからないの? マルにわかる所なら、教えてあげるから」

ルビィ「宿題をする意義……」

花丸「ルビィちゃん……」

善子「ひねくれ者みたいなこと言うのやめなさい」

ルビィ「はぁ、ルビィもうこの子供っぽいキャラ、やめようかなぁ」シャーペンクルクル

善子「宿題する気ゼロね」


6:2018/06/19(火) 18:52:40.77 ID:pJdmxL1v.net

花丸「ルビィちゃん、キャラ作っていたんだ?」

善子「もうかなりキャラ崩壊している気がするけどね」

ルビィ「うん。本当のルビィはもっと強い子だよ」

善子「犬に吼えられただけで泣くのに?」

ルビィ「ルビィそんな事で泣かないもん!」

花丸「この前、アイスを落として、泣いていたずら」

ルビィ「あれも演技だもん!」

善子「次はどんなキャラで行くつもり?」

ルビィ「うゆ……そうだねぇ」

花丸「マルは堕天使キャラが、いいと思うなぁ」


7:2018/06/19(火) 18:53:29.96 ID:pJdmxL1v.net

善子「フフフ……! そういう事であればこのヨハネが立派なリトルデーモンになれるよう、師事してあげましょう!」

ルビィ「それはいいよぉ」

善子「ガーン!」ガーン

ルビィ「んー、どんなキャラがいいかなぁ?」

ガチャ

曜「全速前進ヨーソロー! 渡辺曜、未来を切り開く!!」バーン

千歌「奇跡を見せてやろうじゃあないか! 高海千歌、発進します!」バーン

梨子「こんにちはー」

花丸「この先輩達は参考にしない方がいいずら」


8:2018/06/19(火) 18:53:58.43 ID:pJdmxL1v.net

千歌「ちょっと梨子ちゃーん、部室に入るときは決め台詞を言うって約束したじゃん」

曜「そうだよ、折角私たちもやったのに」

梨子「そ、そんな恥ずかしい事できないよぉ……」

梨子「それに、そんなアホみたいな事ばっかりしているから馬鹿になっちゃうんだよ」

千歌「ちょっと!」

曜「千歌ちゃんはともかく私が馬鹿ってどういうこと!?」

千歌「オアアアァァァァァァーーーーーーッ!?」ガタッ

ルビィ「ピギィッ!?」ビクッ

善子「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ」

花丸「これじゃあ、もう宿題は出来そうにないずら」


9:2018/06/19(火) 18:54:31.19 ID:pJdmxL1v.net

曜「宿題って何?」

千歌「さぁ」

善子「大丈夫なのかしら、この先輩達」

梨子「あはは、よっちゃん、宿題していたんだ?」ストッ

善子「梨子ちゃん、ナチュラルにヨハネの膝の上に座るのやめてくれない?」

ルビィ「そろそろルビィ、このキャラ、変えようかなーって思ってるんだぁ」

曜「ふーん」

千歌「ねぇ見てこのスタンプ、可愛くない?」

曜「あっ、ホントだ! こっちも良くない?」キャッキャ

ルビィ「わぁ、心底興味なさそう」


10:2018/06/19(火) 18:55:50.85 ID:pJdmxL1v.net

梨子「ルビィちゃん、そのキャラ作っていたの?」スタッ クルッストッ

善子「ねぇ、対面座位になるのやめて」

ルビィ「うゆっ! ルビィくらいになると、どんなキャラでも自由自在だよぉ~」

花丸「ルビィちゃん、背中に大きな虫が……」

ルビィ「ピギャアァァァァァァァァァァァァァッ!?」ガタタッ

千歌「ホントにキャラ作ってるのかな?」

善子「どう見ても素でしょ……」

梨子「よくわからないけど、今の自分を変えたいってことかなぁ?」ギュウウ

善子「胸を押し付けられると何も見えないわ」

花丸「そもそも、どうして、キャラを変えようと思ったの?」


11:2018/06/19(火) 18:56:27.67 ID:pJdmxL1v.net

ルビィ「最近みんながルビィの事、馬鹿にするからだよぉ!」

善子「別に誰も馬鹿になんてしてないと思うわよ」モガモガ

梨子「よっちゃん、この状態で喋られるとくすぐったいよ」

善子「じゃあ離れなさいよ!」

花丸「見ているだけで暑苦しいずら。さっさと離れるずら」

千歌「まぁまぁ、いいじゃんいいじゃん。女の子がイチャコラしている所を見るのは、いいものだよ」

曜「目の保養になるよね」

梨子「みんなの許可がでたね」

善子「ヨハネの許可は?」


12:2018/06/19(火) 18:57:13.52 ID:pJdmxL1v.net

ルビィ「善子ちゃんのことなんてどうでもいいから、今はルビィの事だよ!」

善子「どうでもいいって何よ!」

曜「というか、善子ちゃんの言うとおり、馬鹿になんてしてないよ! ねぇ?」

千歌「そうだよ! 馬鹿だとは思ってるけど」

ルビィ「ピギャアァァァァッ!?」ビキビキ

花丸「煽っちゃダメだよ」

梨子「それに馬鹿っぽさなら、二人も同じくらいでしょ?」

曜「梨子ちゃん、屋上へ行こうか。ここじゃあ物が壊れちゃう」バキボキ

千歌「ここから先はキャラ崩壊注意だよ」パキポキ

善子「一応、まだしていないつもりだったのね」

ルビィ「ルビィも混ぜろよ」


13:2018/06/19(火) 18:57:40.17 ID:pJdmxL1v.net

梨子「あの人たちは放っておいて、よっちゃん、宿題しようか?」

善子「まず私の上からどいてくれないと何もできないわよ」

花丸「善子ちゃんの宿題はオラが見るから、梨子ちゃんは必要ないずら」

梨子「マルちゃんはルビィちゃんを見てあげたら?」

花丸「あれはおらの手には負えんずら。梨子ちゃんが見てあげればいいずら」

千歌「なんか私たちの事無視して、別のバトル始めてるんだけど」

曜「盛り上がってまいりました」

ルビィ「梨子ちゃんの勝利にお姉ちゃんのアイスを賭ける」

曜「なら私はチカちゃんのパンツを賭ける」

ルビィ「グッド」

千歌「勝手に賭けんな」


14:2018/06/19(火) 19:02:03.21 ID:pJdmxL1v.net

花丸「梨子ちゃんは2年生だから、同じ1年生のマルが見たほうが、良いに決まっているずら」

梨子「1年生の範囲くらい私にもわかるよ? むしろ、マルちゃんよりも、わかりやすく教えられる自信、あるなぁ」

花丸「それは梨子ちゃんの勘違いだよ。同じ宿題をやっている、マルのほうがわかりやすいに決まっているずら。ねぇ、善子ちゃん」

善子「私の上に梨子ちゃんがいる限り、宿題なんて出来ない」

曜「いやぁ、激しくなってまいりましたね。どうですか解説の千歌ちゃん」

千歌「同学年という大きなアドバンテージを持つマルちゃんを、積極性で勝る梨子ちゃんが、どう崩していくのか。見ものですねぇ」

梨子「ごめんごめん、じゃあ交代して私の膝の上に座る?」

花丸「マルの話を聞くずら」

善子「というかそろそろ練習も始まるし、もう宿題する時間なんて無いわよ」


15:2018/06/19(火) 19:02:33.33 ID:pJdmxL1v.net

梨子「それならよっちゃん、今日うちに泊まりに来る? その時、宿題見てあげるから」

曜「おーっと! ここで梨子ちゃんのお誘いが出ました! これは梨子ちゃんの大きなリードとなるかぁ!?」

千歌「ほう、お泊りですか。たいしたものですね」

千歌「お泊りは自然に二人っきりの状況を作り、イチャイチャさせやすく、ネタに困ったらとりあえずお泊りから入ればいいという作者もいるくらいです」

花丸「善子ちゃんは、マルのお家に泊まるんだよ?」

善子「そんな約束していたっけ……」

梨子「マルちゃん、妄想はよくないよ」

花丸「妄想じゃあないずら。宿題の続きは、マルのお家でするずら」

梨子「はぁ、仕方ないなぁ」スッ


16:2018/06/19(火) 19:03:00.36 ID:pJdmxL1v.net

梨子「よっちゃん」クイッ

善子「ん?」

梨子「チュッ」ズキュゥゥゥゥゥゥン

千歌&曜&ルビィ「や、やったッ!」

曜「流石リコ!」

千歌「チカたちにできない事を平然とやってのける!」

ルビィ「しょこにシビれる! あこがれるゥ!」

梨子「マルちゃん、よっちゃんとのキスはもうした? まだだよね? 初めての相手はマルちゃんじゃあないッ! このリコだよッー!」

花丸「こ、こんなものを見せられて頭に来ない人はいないずらッ!」

梨子「LILYYYYYYYYYYYY!!」


17:2018/06/19(火) 19:03:29.56 ID:pJdmxL1v.net

善子「あ、あの……」裾クイ

梨子「タンクロー……、あっ、よっちゃん、どうしたの?」

善子「り、梨子ちゃんって、私の事、好きなの……?」

梨子「え?」

善子「だ、だって、いきなり、きっ、キス……するなんて」カァァ

梨子「えっ、うん……好きだよ……?(気付いていなかったの……?)」

善子「そっ、そうなんだ! えへっ、えへへっ……」カァァ

花丸「何を話しているずら! 赤面はともかく理由を言うずらァーーー!!」

善子「だ、だってなんだか嬉しくって……」

梨子「最高に『ハイ』ってやつだよ!」


18:2018/06/19(火) 19:03:58.94 ID:pJdmxL1v.net

花丸「善子ちゃんは、梨子ちゃんが好きなの?」

善子「えっと……今までそういうフウに意識した事は無かったけど……、こうして、面と向かって好きって言われると、その気になっちゃうというか……」

花丸「なんてチョロい女ずら」

梨子「ンッン~、歌でもひとつ歌いたいくらいのイイ気分だよ♪」

梨子「こうしちゃあいられない。よっちゃん、向こうに空き教室があるから行こう?」ガシッ

善子「あっ、ちょっと梨子ちゃん!?」

梨子「祝福して! 結婚にはそれが必要だよ!」タタッ

 タッタッタッ……

花丸「あっ、待つずら!」タッタッタッ


19:2018/06/19(火) 19:04:34.24 ID:pJdmxL1v.net

千歌「ああ、行っちゃった」

曜「練習どうするの?」

千歌「もう今日は中止でいいんじゃない? 何故か3年生も来てないし」

ルビィ「もうめんどうみきれよう」

曜「じゃあ私たちも遊ぼうか」

千歌「どこで遊ぶ?」

曜「やっぱ海しかないでしょ」

千歌「よっしゃー! 海で青春ごっこしよう!」

曜「ヨーソロー!」

ルビィ「……うーん、マルちゃんたちは勝手に盛り上がってるし、ルビィも曜ちゃん達に遊んでもらおっと」


20:2018/06/19(火) 19:05:19.42 ID:pJdmxL1v.net

……

~海岸~

ざざーっ

千歌「海はいいねぇ」

曜「波は全てを攫ってくれる……。寂しさも、悲しさも……」

ざざーっ

千歌「この広い海に比べて……人間のなんとちっぽけな事よ」

曜「この海の青さに、心を委ねよう……」

ルビィ(何言ってるんだろう、この人たち)

曜「無へと還ろう……」

千歌「みんな崩れていく、崩れていく、崩れていく……」


21:2018/06/19(火) 19:06:44.15 ID:pJdmxL1v.net

千歌「でも、海に来てやる事って黄昏る以外にある?」

ルビィ「いっぱいあるよぉ!」

曜「じゃあ、あの夕日に向かってダッシュする?」

千歌「いいねー!」

ルビィ「えー」

曜「青春だよ! ルビィちゃん!」

千歌「今しか出来ないんだよ!」

曜「よーし! 大好きだって言う代わりに美しいリズム贈っちゃうよ!」タッタッタッ

千歌「私だって! ついて来いって言う代わりに最高のライン探しちゃうのだ!」タッタッタッ

ルビィ「あーん! 待ってよぉ!」タッタッタッ


22:2018/06/19(火) 19:07:06.60 ID:pJdmxL1v.net

……

曜「ふーっ! キモティイイ!」

千歌「つ、疲れたぁ……」ゼーハー

ルビィ「も、もう動けないビィ……」ゼーハー

千歌「私、飲み物買って来るね! ルビィちゃんはポカリ派? アクエリ派?」

ルビィ「え、悪いよ。一緒に行くよぉ」

曜「みんなで行こうよレッツゴー」

千歌「そう? じゃあ仲良く手繋いで行くのだ」

曜「それはちょっと……」

ルビィ「恥ずかしいよ……」

千歌「ガーン!」ガーン


23:2018/06/19(火) 19:07:59.17 ID:pJdmxL1v.net

……

~海沿いの道~

千歌「ところで、ルビィちゃんはポカリ派なの? アクエリ派なの?」テクテク

ルビィ「それ引っ張るの? ルビィはメロウ・イエロー派だよ」テクテク

千歌「いきなりレギュレーション違反!」

曜「そもそもポカリとアクエリって実は用途が違うんだよね。
ポカリは栄養補給、アクエリは疲労回復っていう明確な役割があって、ポカリは風邪とか引いたときに、アクエリは運動したときに、って感じで飲み分ければ良いんだよ。
それを態々、派閥を分けて対立を煽るような真似をするなんて、愚の骨頂だと思うね」

千歌「アッハイ」

曜「ちなみに私はゲータレード派!」

ルビィ「アクエリとの違いがわからないビィ……」

曜「私にもわからない」

千歌「39度の! とろけそうな日!」

曜「それはポカリ」

千歌「ラジオネーム恋するウサギちゃん」

曜「それもポカリ」


24:2018/06/19(火) 19:08:27.18 ID:pJdmxL1v.net

ルビィ「わちゃにゃべぇ!」

曜「突然どうしたのでありますかー……?」

ルビィ「ちかちゃぁとばっかり遊んでないで、日頃からもっとルビィを構うビィ!」

曜「えぇー」

千歌「別にチカとばっかり遊んでいるわけでもないし……」

ルビィ「プール特訓の続きをするビィ!」

曜「ルビィちゃんすぐ沈没するじゃん!」

ルビィ「うゆゆ! こうなれば実力行使だよ!」ガバッ

曜「わーっ! 落ち着いてルビィちゃん!」

ルビィ「わちゃぁ~!」


25:2018/06/19(火) 19:08:53.85 ID:pJdmxL1v.net

曜「くっ……、こうなったら曜ちゃん特製ラリアットで迎撃するであります!」

曜「キャオラッ!」ドゴッ

千歌「わっ……」

ルビィ「ピギャァァァァッ!」

ルビィ「」バタッ

千歌「や、やりすぎだよ、曜ちゃん」

曜「あ、アハハハハ。確かにやりすぎたかも」アセアセ

曜「ごめんねルビィちゃん、大丈夫?」

曜「ルビィちゃん……? ルビィちゃん!」ユサユサ

曜「ルビィちゃーん!!」ユサユサ

曜「死ぬなバカヤローーーーーッ!!」


26:2018/06/19(火) 19:09:39.20 ID:pJdmxL1v.net

千歌「気絶してるだけだよ」

ダイヤ「曜さん……」スッ

曜「ゲェー! ダイヤちゃん!」

千歌「ダイヤちゃん、部室にも来ないでこんな所で何を……?」

ダイヤ「ずっと、可愛いルビィの様子をこっそり見ていました」

曜「えっ!?」

千歌「うわぁ……」

ダイヤ「曜……あなたにならルビィを任せられると思っていたのですが……」

ダイヤ「よ、よくも私の大切な妹を……」ワナワナ

曜「誤解だよ、ダイヤちゃん!」

ダイヤ「どこが誤解ですのっ!?」

曜「せーとーぼーえーだよ!」

ダイヤ「問答無用! ルビィに仇なす者は全て排除しますわ!」ダッ

曜「やるしかないっていうの!?」

千歌「な、何かバトルが始まってしまったのだ……!」


27:2018/06/19(火) 19:11:22.46 ID:pJdmxL1v.net

……

~空き教室~

善子「こんなところに連れてきて、どうしたの? 梨子ちゃん」

梨子「興奮してきた。服を脱いで」

善子「はぁ!?」

梨子「それとも脱がして欲しい?」

善子「いや、何で脱がなくちゃあいけないのよ!」

コツコツ

花丸「こちらを向くずら。ゆっくりと」

梨子(ええい! こんな時にまで邪魔をするというの、マルちゃん!)

花丸「聞こえなかった? 梨子ちゃん。こちらを向いて。ゆっくりと」


28:2018/06/19(火) 19:11:56.30 ID:pJdmxL1v.net

梨子「善子ちゃんは私を好きになったんだよ? マルちゃんはそんな恋人の時間を――」

花丸「便利な力ずら、キスとは」

梨子「!」

花丸「初心でチョロくて鈍感な善子ちゃんを、キスで落とすなんて、ズルイずら」

梨子「……よっちゃんはマルちゃんではなく、私を選んだ。それだけだよ」

花丸「これ以上、言葉を交わしていても埒が明かないずら」

梨子「そうだね。そろそろ決めましょうか」

花丸「どちらが善子ちゃんに相応しいかを」

善子「何これ……というかマルちゃんもヨハネのことが好きなの!?」

花丸「初めて見たときから、ずっと好きだったずら」

善子「ま、マルちゃんも!? 嬉しい!」(ふ、ふーん? まぁ、この堕天使ヨハネの魅力にかかれば、当然だけどね?)ニヘラ

花丸「あっ! よくある、本音と建前が逆になっているやつずら!」


29:2018/06/19(火) 19:12:57.84 ID:pJdmxL1v.net

梨子「こ、このチョロビッチ堕天使め……!」

善子(ふ、ふふふ! 美少女二人が、私を求めて争うって……、良いわね! なんだかアニメの主人公になった気分よ!)

花丸「これで対等になったね、梨子ちゃん」

梨子「くっ……、でもまだだよ! 私はよっちゃんのファーストキスをもらったんだよ!?」

花丸「梨子ちゃん」スッ

梨子「ん……?」

花丸「……」クイッ チュッ

梨子「!!」

善子「は?」

梨子「ま、マルちゃん!?」

善子「ちょ、ちょっとマルちゃん、何をしているのよ! 何で梨子ちゃんにキスしたのよー!」


30:2018/06/19(火) 19:13:57.03 ID:pJdmxL1v.net

花丸「これで善子ちゃんのキスは、返してもらったずら」キリッ

善子「意味わかんないわよ!」

花丸「マルも、漫画の真似しただけだから、わからないずら」

善子「何よそれ!」ムキー

梨子「あえて善子ちゃんにキスするのではなく、私にキスをする事によって、善子ちゃんとの間接キッスを楽しむと同時に、私とよっちゃんのキスを上書きしたというの……?」

梨子「やるねェ」

善子「えっ、そうなの?」

花丸「わからんずら」

梨子「でも、それならもう一度、よっちゃんにキスするだけだよ」チュウ

善子「んっ……」

花丸「ならオラも、もう一度梨子ちゃんにキスするずら」チュッ

梨子「んっ……」


31:2018/06/19(火) 19:14:21.69 ID:pJdmxL1v.net

善子「ななっ、何なのよこれぇ!」

花丸「このままでは決着が付かないよ……」

梨子「私にいい考えがある」

花丸「?」

梨子「花丸ちゃん、ちょっと……」コソッ

花丸「ふむふむ」コソコソ

梨子「でね、……するの」コソコソ

花丸「ずらずら」コソコソ

梨子「――っていうのはどう?」

花丸「いいと思うずら」

善子「な、何を話していたの?」


32:2018/06/19(火) 19:15:02.36 ID:pJdmxL1v.net

梨子「んー、どちらかが倒れるまで、このまま続けようかなって」

善子「そ、それはダメよ! 梨子ちゃんとマルちゃんがキスしているのを見ると……なんだかモヤモヤするわ!」

花丸「善子ちゃんがはっきりしないのが悪いずら」

梨子「そうだよ。よっちゃんはどっちが好きなの?」

善子「えっ」

梨子「このままだと私、マルちゃんに堕とされちゃう……」

花丸「オラも、はっきりしないヘタレ堕天使よりも、梨子ちゃんを好きになりそうずら」

善子「それはダメ!」

梨子「もう遅いよ……」スタスタ

善子「ま、待って! 待ってよ!」

花丸「バイバイ、善子ちゃん」スタスタ

善子「あ……ああ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


33:2018/06/19(火) 19:17:04.60 ID:pJdmxL1v.net

……

善子(私はここで、終わりなの? ラブコメ主人公のポジションについたと思ったら、一気に失って……もう、このまま一生、一人で寂しく堕天するしかないの?)

善子(イヤよ! そんなのイヤ!)

???(Forceが欲しい?)

善子(何ッ! 脳内に直接っ……!)

善子「ってマリーじゃない。何故ここに?」

鞠莉「Ciao, Sweetie☆ お困りだと思って来ちゃった♪」

善子「ま、マリー、助けて!」

鞠莉「皆まで言わなくてもわかるわよ! ヘタレすぎて二人に振られたって事でしょう?」

善子「そ、そうだけど……、そこまではっきり言われると……」ズーン

鞠莉「そんなMother fuckerなヨハネにマリーが力をあげるわ☆」

鞠莉「その代わり、Do me a favor☆ 私のお願いを聞いて欲しいの」


34:2018/06/19(火) 19:17:42.54 ID:pJdmxL1v.net

善子「お願い?」

鞠莉「Walk in the park! マリーもHaremを作りたいから協力して欲しいの♥」

善子「えっ!?」

鞠莉「マリーもダイヤと果南をオトしたいの♥ まぁ、そのために色々と動いて欲しいのよ。わかりやすいDealね」

鞠莉「ただし、Haremの力はヨハネを孤独とは無縁にするわよ? その覚悟がヨハネにあるのなら……」

善子「いいでしょう! 乗ったわ! その取引!」

鞠莉「Good!」

善子「で、力って?」

鞠莉「ちょっと待ってね……。ハイ、この5円玉を見つめて」


35:2018/06/19(火) 19:19:15.88 ID:pJdmxL1v.net

善子「?」ジー

鞠莉「ヨハネはどんどん勇気が湧いてくる、ヨハネはどんどん勇気が湧いてくる……」

善子「よは……」

鞠莉「Chickenな自分を脱却できる、Chickenな自分を脱却できる……」

善子「ギラン」

鞠莉「はい、OKよ☆」

善子「ハッ……!」

善子「なんだか、勇気が湧いてきた気がするわ」

善子「今なら……何でも出来そうな気がする! これがマリーの言っていた”ハーレムの力”なの?」

鞠莉「えっ? ああ、うん。その通りよ!」

善子「ありがとうマリー! あの二人の所に行って来るね!」タッタッタッ

鞠莉「ハーイ、Fightよ、ヨハネちゃん☆」フリフリ


鞠莉「……適当に催眠術の真似しただけなのに、あっさりかかったわね」


36:2018/06/19(火) 19:20:38.95 ID:pJdmxL1v.net

……

ダイヤ「」バタリ

曜「ハァ……ハァ……」

千歌「す、凄い死闘だったのだ……!」

曜「ダイヤちゃん、強敵だったよ……」

千歌「見ごたえのあるバトルだったよ」

曜「ダイヤさんのシスコンっぷりにも困ったものだよ」

千歌「あれは曜ちゃんもやりすぎなのだ」

ガサッ

曜「誰ッ!?」バッ

果南「私だよ、曜」

千歌「果南ちゃん、こんな所で何してたの……?」

曜「果南ちゃん! まさか、ダイヤちゃんの敵討ちを……?」


37:2018/06/19(火) 19:21:24.87 ID:pJdmxL1v.net

果南「そんなものに興味は無いよ」

曜「そっか、良かった」ホッ

果南「私は純粋に曜と戦いたいんだよ!」ダッ

曜「何ですとォー!?」

果南「ダイヤを圧倒したその強さ! 私は心底しびれたよ!」ボボボッパンパンパン

曜「うぐっ!」

千歌「まっ、まるでネオ・プロレスラーのような音のパンチを放っているッ! やっぱり果南ちゃんは並の格闘家じゃあない!!」

果南「本気を出してよ、曜!」バッ

曜「やめて果南ちゃん! 果南ちゃんが欲しかったのは本当にそんな力!?」ガシッ

果南「知らないよ! 曜が正しいって言うなら私に勝ってみせて!」ググッ

千歌「だ、ダメだ! なんとか果南ちゃんの連撃を受け止めたけど……膂力では完全に果南ちゃんが上回っている!」


38:2018/06/19(火) 19:22:15.87 ID:pJdmxL1v.net

果南「渡辺曜ッ!」ググググッ

曜「果南ちゃん!」バシッ

千歌「おおっ! 曜ちゃんが気合で果南ちゃんを押し返した! そしてそのまま後ろに回りこんで……」

曜「ウルトラバックドロップ!」バキィ

千歌「曜ちゃんのウルトラバックドロップが決まったァーーーー!!」

果南「ッ――! いいね! それでこそ曜だよ!」ペッ

曜「私が最強の格闘王、YOUだ! もう一度やるか」メメ´-ントb

果南「私だって負けないよ!」バッ

曜「ヨーソロォォォォォォォォォォォォ!!!!」バシッ

千歌「……ゴクリ」ハラハラ

果南「……」

曜「……」


39:2018/06/19(火) 19:23:51.52 ID:pJdmxL1v.net

果南「」バタリ

千歌「や、やった! 曜ちゃんの拳が果南ちゃんに届いた!」

果南「強くなったね……曜……」

曜「果南ちゃん!」

果南「行って、曜」

曜「どこに!?」

果南「そして時代をひらいて! ……私はいつも……見守っているから……」

果南「さ……さらばだよ!!」バタリ

曜「果南ちゃぁぁぁぁぁん!!!」ダキッ

千歌「未来を拓く幼き命のために死んだ女、果南!!」


40:2018/06/19(火) 19:25:49.04 ID:pJdmxL1v.net

……

善子「! 見つけた!」

善子「マル! 梨子!」

梨子「よっちゃん?」

花丸「善子ちゃん、今更何の用ずら」

善子「……教えて。ヘタレが悪だというのなら、一途は正義なのかしら?」

梨子「な、何を言っているの?」

善子「二股は悪なの? 友情ヨーソローは正義たり得るのだろうか?」

花丸「ハーレム主義者ずらか?」

善子「堕天使ヨハネの名において命じる……。マル! 梨子! キスさせなさい!」

梨子「えっ?」

花丸「よ、善子ちゃん」


41:2018/06/19(火) 19:26:31.87 ID:pJdmxL1v.net

善子「えいっ」チュウ

梨子「ん――」

善子「こっちも!」チュウ

花丸「んっ……」

善子「はぁ、はぁ……。こ、これで二人とも、私の、恋人よ!」

梨子「ええっ!?」

花丸「二股するつもり?」

善子「だ、だって仕方ないじゃない! 選べないんだもん!」

梨子「あ、相変わらずヘタレだ……」

善子「違うわよ! なんていうか、……好きな人に順番を付けたくないだけよ」

善子「ヨハネにとって、梨子ちゃんもマルちゃんも、どっちも特別で、大切な人なの!」

善子「どっちかを選んで、選ばれなかったほうは二番目なんて考え方、出来ないから……」


42:2018/06/19(火) 19:27:39.12 ID:pJdmxL1v.net

梨子「よっちゃん……」

花丸「それって、マル達を平等に愛してくれるって事?」

善子「当たり前でしょう!」

梨子「ふ~ん。そっかぁ……」

花丸(梨子ちゃん、押してだめなら引いてみる作戦、成功だね)コソコソ

梨子(あれだけ言えば、流石に追ってきてくれるって思ったもんね♪)コソコソ

花丸(うん♪ でも、まさか二股宣言されるとは思わなかったずら)コソコソ

梨子(よっちゃん、意外と度胸あったんだね)クスッ

善子「ふ、二人とも! 何ひそひそ話しているのよ! あなたたちはもう、ヨハネの恋人になったのだから、内緒話なんて許さないわよ!」

梨子「はいはい。イエス・マイ・ハニー♪」


43:2018/06/19(火) 19:28:33.83 ID:pJdmxL1v.net

花丸「でも、善子ちゃん。オラと梨子ちゃんの両方と付き合うって言う事は、覚悟はあるんだよね?」

善子「えっ? 何の?」

梨子「私たち二人の相手、善子ちゃんにできるのかな?」

善子「何ッ!」

梨子「ハーレムを作っていいのは、枯れる覚悟のある人だけだよ」

花丸「二人を選んだ以上、二人とも満足させなくちゃあダメだよ? ”独り占めしたい”なんて、思わせないくらいに満たしてくれる必要があるずら」

善子「う……」

梨子「よっちゃんにそんな甲斐性、あるのかなぁ?」

花丸「あまり期待はできないずらぁ」

善子「私を誰だと思っているのよ! この堕天使ヨハネにかかれば、二人とも、永遠に燃え盛る恋の地獄に落ちちゃうんだからね!」

梨子「ふふ♪ だって。楽しみだね、マルちゃん」

花丸「マルたちに寂しい思いをさせたら許さないずら♪」


44:2018/06/19(火) 19:29:30.46 ID:pJdmxL1v.net

……

曜「もう……流石に誰も仕掛けてこないよね……?」

千歌「みんな元気が有り余っているんだね……」

ルビィ「ようちゃぁ」

千歌「あ、ルビィちゃん」

曜「る、ルビィちゃん! 起きたの?」

ルビィ「うゆ」

曜「あー、ルビィちゃん、さっきはゴメンね。ちょっとやりすぎちゃったかも」

ルビィ「いいよぉ。ルビィもちょっと悪ノリしちゃったし」

曜「でも……」

ルビィ「曜ちゃん、眼鏡かけて」

曜「眼鏡……? 別にいいけど」スチャ

ルビィ「このおにぎり持って」スッ

曜「ん……?」


45:2018/06/19(火) 19:30:21.33 ID:pJdmxL1v.net

ルビィ「はなよちゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」

曜「んん!?」

ルビィ「わーい! はなよちゃんだぁ!」

曜「何言ってるのルビィちゃん!?」

ルビィ「はなよちゃん、ルビィと遊んで~」キャッキャ

曜「曜ちゃんは花陽ちゃんじゃあないでありますよ~!」ダダダッ

千歌「あー! 二人とも待ってよー!」タッタッタッ

キャッキャ


46:2018/06/19(火) 19:31:19.64 ID:pJdmxL1v.net

……

鞠莉「Oh~☆ Fuckin’ Amazing! こんな所にダイヤと果南が倒れているわ!」

鞠莉「ヨハネってば、早速約束を果たしてくれたのね!」

鞠莉「さっそく持ち帰って、色々と楽しみましょう!」


オワリ


47:2018/06/19(火) 19:31:54.70 ID:pJdmxL1v.net

いろいろとすみませんでした。