1: :2019/01/14(月) 21:29:54.10 ID:WMPIqUoV.net
『ぽんこつ』
絵里「わたしってポンコツかしら……?」
海未「はい?」
絵里「ファンの人がね、私のことポンコツだって言ってるの、最近よく聞くの。悪意はないようなのだけれど……」
海未「それはかつての絵里があまりにも真面目だったからでしょう」
絵里「え? どういうこと?」
海未「絵里はスクールアイドルになってから穏やかになりました。言いかえれば、ありのままの絵里を見せるようになった」
海未「人によってはそのギャップが、以前と比べて少し抜けているように映るのではないでしょうか」
絵里「自分ではそこまで自覚がないのだけれど」
絵里「わたしってポンコツかしら……?」
海未「はい?」
絵里「ファンの人がね、私のことポンコツだって言ってるの、最近よく聞くの。悪意はないようなのだけれど……」
海未「それはかつての絵里があまりにも真面目だったからでしょう」
絵里「え? どういうこと?」
海未「絵里はスクールアイドルになってから穏やかになりました。言いかえれば、ありのままの絵里を見せるようになった」
海未「人によってはそのギャップが、以前と比べて少し抜けているように映るのではないでしょうか」
絵里「自分ではそこまで自覚がないのだけれど」
2: :2019/01/14(月) 21:32:54.10 ID:WMPIqUoV.net
海未「例えば、穂乃果だって抜けているところがありますがポンコツだと言われますか?」
絵里「いいえ」
海未「穂乃果はもとからあのような性格ですから、強いてそうは呼ばれないのです」
海未「絵里がポンコツだと言われるのは、立派に生徒会長を務めていた証ではないでしょうか」
絵里「なるほど……!」
海未「ですから、今度からそう言われても胸を張ればいいのです。自分はポンコツだと」
絵里「分かったわ! 海未、ありがとう! わたし、今度からは堂々とポンコツとよばれることにするわ!」
海未「はい。私も応援します」
絵里「ふんふんふん♪ ふんふふんふーん♪」
海未「……」
海未(面白そうなのでこのままにしておきましょう)
絵里「いいえ」
海未「穂乃果はもとからあのような性格ですから、強いてそうは呼ばれないのです」
海未「絵里がポンコツだと言われるのは、立派に生徒会長を務めていた証ではないでしょうか」
絵里「なるほど……!」
海未「ですから、今度からそう言われても胸を張ればいいのです。自分はポンコツだと」
絵里「分かったわ! 海未、ありがとう! わたし、今度からは堂々とポンコツとよばれることにするわ!」
海未「はい。私も応援します」
絵里「ふんふんふん♪ ふんふふんふーん♪」
海未「……」
海未(面白そうなのでこのままにしておきましょう)
3: :2019/01/14(月) 21:36:24.20 ID:WMPIqUoV.net
『お菓子』
絵里「新発売のお菓子を買ってきたわ!」
海未「またですか」
絵里「みてみて! 日本一の辛さだって!」
海未「絵里、辛いものは苦手ではありませんでしたか?」
絵里「そ、そうだけど、ほら、新発売って書いてあるし……」
絵里「とにかく開けてみるわね」バリッ!
海未「見るからに辛そうな色ですね」
絵里「……」
海未「絵里、食べないのですか?」
絵里「……ひとくちめは海未に譲るわ」
海未「そうですか。それでは」
絵里「新発売のお菓子を買ってきたわ!」
海未「またですか」
絵里「みてみて! 日本一の辛さだって!」
海未「絵里、辛いものは苦手ではありませんでしたか?」
絵里「そ、そうだけど、ほら、新発売って書いてあるし……」
絵里「とにかく開けてみるわね」バリッ!
海未「見るからに辛そうな色ですね」
絵里「……」
海未「絵里、食べないのですか?」
絵里「……ひとくちめは海未に譲るわ」
海未「そうですか。それでは」
5: :2019/01/14(月) 21:41:15.49 ID:WMPIqUoV.net
海未 パリパリ
絵里「ど、どうかしら?」
海未「それほど辛くありませんね。お菓子ならこんなものでしょう」
絵里「それなら食べても大丈夫そうね」パリパリ
絵里「……!?」
絵里「かっ……! う、うみ、みず! みずを……!」
海未「すみません。先ほどなくなってしまいました」
絵里「なっ……! だ、だれか…! み、みずぅ~!」タタタタッ!
海未「ふふふっ」
海未「……思ったよりも辛いですね」ケホッ
絵里「ど、どうかしら?」
海未「それほど辛くありませんね。お菓子ならこんなものでしょう」
絵里「それなら食べても大丈夫そうね」パリパリ
絵里「……!?」
絵里「かっ……! う、うみ、みず! みずを……!」
海未「すみません。先ほどなくなってしまいました」
絵里「なっ……! だ、だれか…! み、みずぅ~!」タタタタッ!
海未「ふふふっ」
海未「……思ったよりも辛いですね」ケホッ
6: :2019/01/14(月) 21:45:26.76 ID:WMPIqUoV.net
『素人にしか見えない』
絵里「A-RISEのダンスは何度見てもすごいわね。合同練習は有意義なものになりそうね」
海未「……」
絵里「その目は何かしら?」
海未「絵里は以前、A-RISEは素人にしか見えないと言っていませんでしたか?」
絵里「!? そ、それは違うのよ!」
海未「違うとは?」
絵里「ほら、スクールアイドルは個々の技量と同じくらいチームワークが大切でしょう? その視点があの時の私には欠けていたのよ」
海未「バレエもチームワークが大切だと思いますが」
絵里「わ、わたしのやっていたバレエは個人が中心だったの!」
海未「なるほど。つまり、あくまで個人の技量では絵里の方が上だということですね?」
絵里「そ、そうよ」
ピロリン!
絵里「えっ?」
絵里「A-RISEのダンスは何度見てもすごいわね。合同練習は有意義なものになりそうね」
海未「……」
絵里「その目は何かしら?」
海未「絵里は以前、A-RISEは素人にしか見えないと言っていませんでしたか?」
絵里「!? そ、それは違うのよ!」
海未「違うとは?」
絵里「ほら、スクールアイドルは個々の技量と同じくらいチームワークが大切でしょう? その視点があの時の私には欠けていたのよ」
海未「バレエもチームワークが大切だと思いますが」
絵里「わ、わたしのやっていたバレエは個人が中心だったの!」
海未「なるほど。つまり、あくまで個人の技量では絵里の方が上だということですね?」
絵里「そ、そうよ」
ピロリン!
絵里「えっ?」
7: :2019/01/14(月) 21:47:51.14 ID:WMPIqUoV.net
絵里「なに、今の音」
海未「録音完了です。A-RISEの皆さんに送っておきますね」
絵里「なっ……!?」
海未「今度の合同練習に向けて、μ'sの目から見たA-RISEの姿を教えて欲しいとのことでしたので」
絵里「ちょ、ちょっと待ちなさい! 訂正! 訂正するわ!」
海未「しかし、アライズの皆さんは率直な意見を聞きたいと……」
絵里「うみぃ~!」
海未「録音完了です。A-RISEの皆さんに送っておきますね」
絵里「なっ……!?」
海未「今度の合同練習に向けて、μ'sの目から見たA-RISEの姿を教えて欲しいとのことでしたので」
絵里「ちょ、ちょっと待ちなさい! 訂正! 訂正するわ!」
海未「しかし、アライズの皆さんは率直な意見を聞きたいと……」
絵里「うみぃ~!」
9: :2019/01/14(月) 21:50:24.85 ID:WMPIqUoV.net
『犬? 猫?』
絵里「海未はどちらかというと犬っぽいわよね」
海未「私ですか? 穂乃果ではなく?」
絵里「穂乃果が人懐っこいトイプードルだとしたら、海未は凛々しいシェパードかしら」
海未「ふむ。……絵里もどちらかといえば犬よりですね」
絵里「そう? さしずめ孤高のオオカミってところかしら」フフン
海未「そうですね。オオカミが一匹でいるのは伴侶を探すまでの少しの間だけだといいますから」
絵里「え?」
海未「基本的には群れでの生活を好む寂しがり屋、確かに絵里そっくりです」
絵里「も、もうっ! うみっ!」
絵里「海未はどちらかというと犬っぽいわよね」
海未「私ですか? 穂乃果ではなく?」
絵里「穂乃果が人懐っこいトイプードルだとしたら、海未は凛々しいシェパードかしら」
海未「ふむ。……絵里もどちらかといえば犬よりですね」
絵里「そう? さしずめ孤高のオオカミってところかしら」フフン
海未「そうですね。オオカミが一匹でいるのは伴侶を探すまでの少しの間だけだといいますから」
絵里「え?」
海未「基本的には群れでの生活を好む寂しがり屋、確かに絵里そっくりです」
絵里「も、もうっ! うみっ!」
11: :2019/01/14(月) 21:52:24.94 ID:WMPIqUoV.net
『催眠術』
絵里「さあ海未、この輪を見なさい!」
海未「それは?」
絵里「希に借りたのよ! ほら、はやく!」
海未「はぁ」
絵里「あなたはだんだん眠くなる……」ユーラユラ
海未「…………」
絵里「眠くなーる……」ユーラユラ
海未「……くぅ」
絵里「!?」
絵里「さあ海未、この輪を見なさい!」
海未「それは?」
絵里「希に借りたのよ! ほら、はやく!」
海未「はぁ」
絵里「あなたはだんだん眠くなる……」ユーラユラ
海未「…………」
絵里「眠くなーる……」ユーラユラ
海未「……くぅ」
絵里「!?」
12: :2019/01/14(月) 21:55:24.66 ID:WMPIqUoV.net
絵里「うそ……ほんとに……?」
絵里「海未……? 起きてるわよね……?」
海未「……すぅ……すぅ」
絵里「……ロッカーの中に隠してある作詞ノート見ちゃおっかなぁ~」
海未「……すぅ……すぅ」
絵里「ほんとに寝てる……写真とっとこ」カシャ!
海未「……すぅ……すぅ」
絵里「……」
絵里(……海未ってよく見るとかわいい顔してるわね)
絵里「海未……? 起きてるわよね……?」
海未「……すぅ……すぅ」
絵里「……ロッカーの中に隠してある作詞ノート見ちゃおっかなぁ~」
海未「……すぅ……すぅ」
絵里「ほんとに寝てる……写真とっとこ」カシャ!
海未「……すぅ……すぅ」
絵里「……」
絵里(……海未ってよく見るとかわいい顔してるわね)
14: :2019/01/14(月) 21:57:57.91 ID:WMPIqUoV.net
絵里「……」ジーッ
海未「……」
絵里「……くすっ」
海未「何がおかしいのですか?」
絵里「ひゃあっ!!!」ガタッ!
海未「私が眠っているのがそんなにおかしいのですか?」
絵里「うみっ……!? 起きてたの!?」
海未「当然です。それよりも作詞ノートの隠し場所、誰にも教えていないはずなのですが」
絵里「そ、それは……!」
海未「少しお話ししましょうか」
絵里「ひっ……! の、のぞみぃ、たすけてぇ……」
海未「……」
絵里「……くすっ」
海未「何がおかしいのですか?」
絵里「ひゃあっ!!!」ガタッ!
海未「私が眠っているのがそんなにおかしいのですか?」
絵里「うみっ……!? 起きてたの!?」
海未「当然です。それよりも作詞ノートの隠し場所、誰にも教えていないはずなのですが」
絵里「そ、それは……!」
海未「少しお話ししましょうか」
絵里「ひっ……! の、のぞみぃ、たすけてぇ……」
15: :2019/01/14(月) 22:00:14.27 ID:WMPIqUoV.net
『回転寿司』
絵里「へぇ、本当にお寿司が回っているのね。海未もお茶でいい?」
海未「はい」
絵里「粉を入れてっと」
海未「一応言っておきますが、熱いお湯が出るので火傷しないように気をつけてください」
絵里「そのくらい分かってるわよ。はい、どうぞ」
海未「ありがとうございます」
絵里「へぇ、本当にお寿司が回っているのね。海未もお茶でいい?」
海未「はい」
絵里「粉を入れてっと」
海未「一応言っておきますが、熱いお湯が出るので火傷しないように気をつけてください」
絵里「そのくらい分かってるわよ。はい、どうぞ」
海未「ありがとうございます」
16: :2019/01/14(月) 22:03:49.43 ID:WMPIqUoV.net
絵里「好きなものを取ればいいのよね?」
海未「そうですね。注文することもできますが」
絵里「せっかくだしとってみるわ。……あれ? このカバーみたいなの開かないんだけど」
海未「それは皿の方を持って少し上に……」
絵里「ちょ、ちょっと!? どうなってるの!? これ!?」
海未「絵里! 一度手を離してっ……!」
ガラガラガッシャーン!
オキャクサマ!?
絵里「……うみぃ」
海未「……はぁ」
海未「そうですね。注文することもできますが」
絵里「せっかくだしとってみるわ。……あれ? このカバーみたいなの開かないんだけど」
海未「それは皿の方を持って少し上に……」
絵里「ちょ、ちょっと!? どうなってるの!? これ!?」
海未「絵里! 一度手を離してっ……!」
ガラガラガッシャーン!
オキャクサマ!?
絵里「……うみぃ」
海未「……はぁ」
18: :2019/01/14(月) 22:07:46.58 ID:WMPIqUoV.net
『回転寿司 その後 ―side絵里―』
絵里「ってことがあったの。災難だったわ」
希「それ、本当に災難だったのは海未ちゃんの方じゃないん?」
絵里「……店員さんに一緒に謝ってくれたわ」
希「えりち……」
絵里「で、でも、いいこともあったのよ! ほら、これが当たったの」
希「これ、マグネット? ゲームで当たったん?」
絵里「そうよ。このお寿司のキャラクター、とってもかわいくて海未が譲ってくれたの!」
希「へぇ、よかったなぁ」
絵里「ってことがあったの。災難だったわ」
希「それ、本当に災難だったのは海未ちゃんの方じゃないん?」
絵里「……店員さんに一緒に謝ってくれたわ」
希「えりち……」
絵里「で、でも、いいこともあったのよ! ほら、これが当たったの」
希「これ、マグネット? ゲームで当たったん?」
絵里「そうよ。このお寿司のキャラクター、とってもかわいくて海未が譲ってくれたの!」
希「へぇ、よかったなぁ」
20: :2019/01/14(月) 22:09:49.84 ID:WMPIqUoV.net
絵里「まだ何種類もあったの。今度また海未に連れて行ってもらわなくちゃ」
希「……ふふっ」
絵里「な、なによ」
希「なーんも。楽しそうやなぁって」
絵里「だったら希も一緒にどうかしら? 人数が多い方が当たりやすいし」
希「……うちはお皿を落としちゃうような人と行くのはちょっとなぁ」
絵里「も、もう落とさないわよっ!」
希「さぁ、どうやろ?」
希「……ふふっ」
絵里「な、なによ」
希「なーんも。楽しそうやなぁって」
絵里「だったら希も一緒にどうかしら? 人数が多い方が当たりやすいし」
希「……うちはお皿を落としちゃうような人と行くのはちょっとなぁ」
絵里「も、もう落とさないわよっ!」
希「さぁ、どうやろ?」
21: :2019/01/14(月) 22:14:44.26 ID:WMPIqUoV.net
『回転寿司 その後 ―side海未―』
海未「……ということがありました」
ことり「そんなことがあったんだぁ」
穂乃果「絵里ちゃん、ときどき抜けてるよねぇ」
海未「ときどきどころではありませんよ。まったく」
ことり「でも、絵里ちゃんといるときの海未ちゃん、いつも楽しそうだよね」
穂乃果「うんうん! なんだか私たちといる時とは少し違う感じ」
海未「そうですか? こうしている時も十分に楽しんでいますが」
穂乃果・ことり「……」
海未「……? 二人ともどうかしま……」
穂乃果・ことり「うみちゃーん!!!」ギュッ!
海未「なっ!?/// は、離してください!///」
海未「……ということがありました」
ことり「そんなことがあったんだぁ」
穂乃果「絵里ちゃん、ときどき抜けてるよねぇ」
海未「ときどきどころではありませんよ。まったく」
ことり「でも、絵里ちゃんといるときの海未ちゃん、いつも楽しそうだよね」
穂乃果「うんうん! なんだか私たちといる時とは少し違う感じ」
海未「そうですか? こうしている時も十分に楽しんでいますが」
穂乃果・ことり「……」
海未「……? 二人ともどうかしま……」
穂乃果・ことり「うみちゃーん!!!」ギュッ!
海未「なっ!?/// は、離してください!///」
22: :2019/01/14(月) 22:19:04.85 ID:WMPIqUoV.net
『停電』
絵里「ふぅ、書類はこれで全部ね。こんな時間までありがとう、海未」
海未「いえ。今日は特に予定もありませんでしたから」
絵里「それじゃ、カギを職員室に……」
フッ
絵里「ひっ!?」
海未「……停電でしょうか?」
絵里「ううううみ、どこっ!?」
海未「ここにいますよ」ギュッ
絵里「手、離さないでよ!? ぜったいよ!?」
海未「分かっています」
絵里「うううぅ……!」
海未「絵里は本当に暗いところが苦手ですね」
絵里「ど、どうしてかしら? 自分でもよくわからないの」
海未「まあ、そのうち復旧するでしょう」
………………
…………
……
絵里「ふぅ、書類はこれで全部ね。こんな時間までありがとう、海未」
海未「いえ。今日は特に予定もありませんでしたから」
絵里「それじゃ、カギを職員室に……」
フッ
絵里「ひっ!?」
海未「……停電でしょうか?」
絵里「ううううみ、どこっ!?」
海未「ここにいますよ」ギュッ
絵里「手、離さないでよ!? ぜったいよ!?」
海未「分かっています」
絵里「うううぅ……!」
海未「絵里は本当に暗いところが苦手ですね」
絵里「ど、どうしてかしら? 自分でもよくわからないの」
海未「まあ、そのうち復旧するでしょう」
………………
…………
……
23: :2019/01/14(月) 22:21:43.99 ID:WMPIqUoV.net
絵里「遅いわね」
海未「……」
絵里「まだ時間がかかりそうなのかしら」
海未「……」
絵里「……海未?」
海未「はい」
絵里「そ、そこにいるわよね? 」
海未「手をつないでいるではありませんか」
絵里「そ、そうだけど……」
海未「……」
絵里「まだ時間がかかりそうなのかしら」
海未「……」
絵里「……海未?」
海未「はい」
絵里「そ、そこにいるわよね? 」
海未「手をつないでいるではありませんか」
絵里「そ、そうだけど……」
24: :2019/01/14(月) 22:25:01.51 ID:WMPIqUoV.net
海未「あっ」パッ
絵里「えっ!? 手は離さないでって……!」
海未「……」
絵里「うみぃ……どこぉ……」
海未「……」ピカッ
絵里「きゃっ!?」
海未「よくよく考えれば、携帯電話の明かりでも十分ですね」
絵里「……」
海未「絵里? 」
絵里「えっ!? 手は離さないでって……!」
海未「……」
絵里「うみぃ……どこぉ……」
海未「……」ピカッ
絵里「きゃっ!?」
海未「よくよく考えれば、携帯電話の明かりでも十分ですね」
絵里「……」
海未「絵里? 」
25: :2019/01/14(月) 22:26:16.46 ID:WMPIqUoV.net
海未「あの、いつまで手をつないでいればいいのですか?」
絵里「私がいいって言うまでっ!」
海未「もう学校の外なのですが……」
絵里「ほんとに怖かったのよ! 海未のばかっ!」
絵里「私がいいって言うまでっ!」
海未「もう学校の外なのですが……」
絵里「ほんとに怖かったのよ! 海未のばかっ!」
28: :2019/01/14(月) 22:31:40.56 ID:WMPIqUoV.net
『失言』
海未「はぁ……」
絵里「なあに? またラブレターもらったの?」
海未「お気持ちは嬉しいのですが、断ることを思うと心苦しくて」
絵里「いっそお付き合いしちゃったらどうかしら?」
海未「まさか」
絵里「そうよねぇ。海未ちゃんは堅物だものねぇ」
海未「……まあ、絵里が相手なら考えてもいいですが」
絵里「えっ!?」
海未「はぁ……」
絵里「なあに? またラブレターもらったの?」
海未「お気持ちは嬉しいのですが、断ることを思うと心苦しくて」
絵里「いっそお付き合いしちゃったらどうかしら?」
海未「まさか」
絵里「そうよねぇ。海未ちゃんは堅物だものねぇ」
海未「……まあ、絵里が相手なら考えてもいいですが」
絵里「えっ!?」
30: :2019/01/14(月) 22:36:35.74 ID:WMPIqUoV.net
海未「そういえば以前言ってませんでしたっけ? 私と海未がお付き合いしたら校内は悲鳴の渦になると」
絵里「そ、それは海未をからかって……!」
海未「いっそお付き合いすればこのような手紙も来なくなるでしょうし、どうでしょうか?」
絵里「だっ、だからそれはっ……!」
海未「絵里」グイッ
絵里「あっ……///」
海未「……」
絵里「っ……///」
デコピーン!
絵里「いたっ!?」
海未「さて、お喋りはこのくらいにして練習に行きましょうか」
絵里「……」
海未「どうかしましたか?」
絵里「海未のばかっ!!!」
絵里「そ、それは海未をからかって……!」
海未「いっそお付き合いすればこのような手紙も来なくなるでしょうし、どうでしょうか?」
絵里「だっ、だからそれはっ……!」
海未「絵里」グイッ
絵里「あっ……///」
海未「……」
絵里「っ……///」
デコピーン!
絵里「いたっ!?」
海未「さて、お喋りはこのくらいにして練習に行きましょうか」
絵里「……」
海未「どうかしましたか?」
絵里「海未のばかっ!!!」
31: :2019/01/14(月) 22:40:39.40 ID:WMPIqUoV.net
『反撃』
絵里「海未って私のことが好きなの?」
海未「……はい?」
絵里「何かとちょっかいかけてくるじゃない。もしかして気があるんじゃない?」
海未「……友達として、という意味なら嫌いではありませんが」
絵里「もう、分かってるくせに」ドンッ
海未「!?」
絵里「恋人として、に決まってるでしょ」
海未「え、えり!? なにを……」
絵里「海未って私のことが好きなの?」
海未「……はい?」
絵里「何かとちょっかいかけてくるじゃない。もしかして気があるんじゃない?」
海未「……友達として、という意味なら嫌いではありませんが」
絵里「もう、分かってるくせに」ドンッ
海未「!?」
絵里「恋人として、に決まってるでしょ」
海未「え、えり!? なにを……」
32: :2019/01/14(月) 22:46:11.81 ID:WMPIqUoV.net
絵里「何とも思ってないのなら、こんなことしても無反応なのかしら」
海未「っ!?///」
絵里「あら、顔が真っ赤だけれど?」
海未「こ、これは///」
絵里「ほら、目を閉じて」
海未「い、いけません/// えり……///」
………………
…………
……
海未「……」
海未「ゆめ……ですか……」
海未「……///」
海未「っ!?///」
絵里「あら、顔が真っ赤だけれど?」
海未「こ、これは///」
絵里「ほら、目を閉じて」
海未「い、いけません/// えり……///」
………………
…………
……
海未「……」
海未「ゆめ……ですか……」
海未「……///」
33: :2019/01/14(月) 22:50:00.03 ID:WMPIqUoV.net
『かくしごと』
海未「ほむらの新作、美味しかったですね」
絵里「……そうね」
海未「口に合いませんでしたか?」
絵里「そんなことはないのだけれど」
海未「気を使わなくてもいいですよ。穂乃果だって、正直な感想を聞きたいでしょうし」
絵里「いえ、ほんとに美味しかったわ」
海未「……」
海未「もしかして」
絵里 ギクッ
海未「ほむらの新作、美味しかったですね」
絵里「……そうね」
海未「口に合いませんでしたか?」
絵里「そんなことはないのだけれど」
海未「気を使わなくてもいいですよ。穂乃果だって、正直な感想を聞きたいでしょうし」
絵里「いえ、ほんとに美味しかったわ」
海未「……」
海未「もしかして」
絵里 ギクッ
34: :2019/01/14(月) 22:54:32.55 ID:WMPIqUoV.net
海未「ダイエットですか?」
絵里「そ、そうなのよ。最近ちょっとね」ホッ
海未「穂乃果ならともかく、絵里にはとても必要には見えませんが」
絵里「そ、そうかしら?」
海未「……まさか虫歯とか」
絵里「なっ!?」
絵里「そそそそんなわけないじゃない!!!」
海未「……」
絵里「そ、そうなのよ。最近ちょっとね」ホッ
海未「穂乃果ならともかく、絵里にはとても必要には見えませんが」
絵里「そ、そうかしら?」
海未「……まさか虫歯とか」
絵里「なっ!?」
絵里「そそそそんなわけないじゃない!!!」
海未「……」
35: :2019/01/14(月) 23:04:42.62 ID:WMPIqUoV.net
海未「そうですよね。虫歯は放っておくと大変なことになりますからね」
絵里「……放っておくとどうなるの?」
海未「え? どうして絵里が気にするのですか?」
絵里「あ、ありさが歯が痛いって言ってたの!」
海未「詳しくは知りませんが、歯だけでなく骨まで溶けてしまうらしいですよ」
絵里「へ、へぇ」
海未「菌が血液中に流れ出て、最悪死に至ることもあるそうです」
絵里「……」
海未「亜里沙には早めに歯医者に行くよう言っておいたほうがいいですよ」
絵里「……そうするわ」
絵里「……放っておくとどうなるの?」
海未「え? どうして絵里が気にするのですか?」
絵里「あ、ありさが歯が痛いって言ってたの!」
海未「詳しくは知りませんが、歯だけでなく骨まで溶けてしまうらしいですよ」
絵里「へ、へぇ」
海未「菌が血液中に流れ出て、最悪死に至ることもあるそうです」
絵里「……」
海未「亜里沙には早めに歯医者に行くよう言っておいたほうがいいですよ」
絵里「……そうするわ」
38: :2019/01/14(月) 23:21:24.16 ID:WMPIqUoV.net
『ネタばれ』
海未「その本、私も読みました」
絵里「そうなの? 希におすすめされたの」
海未「まさか最後に主人公が……」
絵里「ちょ、ちょっと!?」
海未「冗談です」
絵里「まったくもう」
海未「絵里も期待しててください。主人公の生き様、見事でしたから」
絵里「えぇ」
絵里「……」
絵里「え!? 主人公死ぬの!?」
絵里「ちょっと海未!? まちなさいっ!」
海未「その本、私も読みました」
絵里「そうなの? 希におすすめされたの」
海未「まさか最後に主人公が……」
絵里「ちょ、ちょっと!?」
海未「冗談です」
絵里「まったくもう」
海未「絵里も期待しててください。主人公の生き様、見事でしたから」
絵里「えぇ」
絵里「……」
絵里「え!? 主人公死ぬの!?」
絵里「ちょっと海未!? まちなさいっ!」
44: :2019/01/15(火) 20:40:17.31 ID:enzMsftB.net
『留学』
絵里「ことり、よかったわね。μ'sを続けられて」
海未「そうですね」
絵里「空港まで引き留めに行けって穂乃果に言ったの、海未なんですって? 驚いちゃった」
海未「私が同じ立場なら、きっとそうして欲しいと思ったでしょうから」
絵里「なんか妬けるわね、そういうの」
海未「きっと絵里がそうなっても、同じことをしたと思いますよ」
絵里「海未……」
海未「絵里が一人で海外だなんて、危なっかしくて見ていられませんから」
絵里「どういうイメージなのよ……わたし……」
絵里「ことり、よかったわね。μ'sを続けられて」
海未「そうですね」
絵里「空港まで引き留めに行けって穂乃果に言ったの、海未なんですって? 驚いちゃった」
海未「私が同じ立場なら、きっとそうして欲しいと思ったでしょうから」
絵里「なんか妬けるわね、そういうの」
海未「きっと絵里がそうなっても、同じことをしたと思いますよ」
絵里「海未……」
海未「絵里が一人で海外だなんて、危なっかしくて見ていられませんから」
絵里「どういうイメージなのよ……わたし……」
45: :2019/01/15(火) 20:41:58.52 ID:enzMsftB.net
『亜里沙』
亜里沙「海未さん!」
海未「亜里沙、絵里を待っているのですか?」
亜里沙「はい! 生徒会の引き継ぎみたいで。海未さんは穂乃果さんですか?」
海未「そうです」
亜里沙「穂乃果さんすごいです! 生徒会長だなんて! 入学するのがもっと楽しみになりました!」
海未「それを聞いたら穂乃果もきっと喜びます。……副会長としては少し気が重いですけど」
亜里沙「木が……重く……?」
海未「心配ということです」
亜里沙「ハラショー!」
亜里沙「海未さん!」
海未「亜里沙、絵里を待っているのですか?」
亜里沙「はい! 生徒会の引き継ぎみたいで。海未さんは穂乃果さんですか?」
海未「そうです」
亜里沙「穂乃果さんすごいです! 生徒会長だなんて! 入学するのがもっと楽しみになりました!」
海未「それを聞いたら穂乃果もきっと喜びます。……副会長としては少し気が重いですけど」
亜里沙「木が……重く……?」
海未「心配ということです」
亜里沙「ハラショー!」
46: :2019/01/15(火) 20:43:33.89 ID:enzMsftB.net
『お姉ちゃん』
亜里沙「お姉ちゃん、いつも海未さんのことばっかり話すんですよ!」
海未「そうなのですか?」
亜里沙「はい! 怒られた~とか、からかわれた~とか」
海未「……」
亜里沙「でも、それを話してる時のお姉ちゃん、とっても楽しそう! これからもお姉ちゃんのこと、よろしくお願いしますね!」
海未「……はい」
亜里沙「あっそうだ! 私にも怒ってくれませんか!? 私も海未さんに怒られてみたいです!」
海未「遠慮しておきます」
亜里沙「お姉ちゃん、いつも海未さんのことばっかり話すんですよ!」
海未「そうなのですか?」
亜里沙「はい! 怒られた~とか、からかわれた~とか」
海未「……」
亜里沙「でも、それを話してる時のお姉ちゃん、とっても楽しそう! これからもお姉ちゃんのこと、よろしくお願いしますね!」
海未「……はい」
亜里沙「あっそうだ! 私にも怒ってくれませんか!? 私も海未さんに怒られてみたいです!」
海未「遠慮しておきます」
47: :2019/01/15(火) 20:46:04.44 ID:enzMsftB.net
『おねえちゃん②』
海未「亜里沙から見た絵里はどんなお姉ちゃんなのですか?」
亜里沙「かっこよくて、きれいで、いつも助けてくれる、パーフェクトなお姉ちゃんです!」
海未「だと思いました」クスッ
亜里沙「海未さんからはそう見えませんか?」
海未「いいえ、私にもそう見えますよ」
亜里沙「ですよね!」
海未「あ、それとあと一つ、ポンコツだとも思います」
亜里沙「ぽんこつ? ラーメンですか?」
海未「ときどき可愛いところもある、ということです」
亜里沙「あっ、分かります! すっごくかわいいんです! お姉ちゃんはぽんこつです!」
海未「亜里沙から見た絵里はどんなお姉ちゃんなのですか?」
亜里沙「かっこよくて、きれいで、いつも助けてくれる、パーフェクトなお姉ちゃんです!」
海未「だと思いました」クスッ
亜里沙「海未さんからはそう見えませんか?」
海未「いいえ、私にもそう見えますよ」
亜里沙「ですよね!」
海未「あ、それとあと一つ、ポンコツだとも思います」
亜里沙「ぽんこつ? ラーメンですか?」
海未「ときどき可愛いところもある、ということです」
亜里沙「あっ、分かります! すっごくかわいいんです! お姉ちゃんはぽんこつです!」
48: :2019/01/15(火) 20:51:18.68 ID:enzMsftB.net
『肩書き』
絵里「さて、生徒会も引き継いだことだし、これからはμ'sの活動に専念できるわね」
海未「しかし、心配ですね」
絵里「え?」
海未「今までは生徒会長の絵里とポンコツの絵里でバランスが取れていたのに、生徒会長でなくなってしまうとなると」
絵里「失礼ね。音ノ木坂の生徒の中ではかしこい生徒会長で居続けるのよ」
海未「いつ化けの皮が剥がれてしまうのか」
絵里「はがれません」
ガラッ
「絵里さん、生徒会室に置いてあったこの筆箱って……」
絵里「あっ! ご、ごめんなさいっ! 私のよ!」
海未「……その時は近そうですね」
絵里「さて、生徒会も引き継いだことだし、これからはμ'sの活動に専念できるわね」
海未「しかし、心配ですね」
絵里「え?」
海未「今までは生徒会長の絵里とポンコツの絵里でバランスが取れていたのに、生徒会長でなくなってしまうとなると」
絵里「失礼ね。音ノ木坂の生徒の中ではかしこい生徒会長で居続けるのよ」
海未「いつ化けの皮が剥がれてしまうのか」
絵里「はがれません」
ガラッ
「絵里さん、生徒会室に置いてあったこの筆箱って……」
絵里「あっ! ご、ごめんなさいっ! 私のよ!」
海未「……その時は近そうですね」
49: :2019/01/15(火) 20:56:22.04 ID:enzMsftB.net
『ネタばらし』
絵里「あっ、その本」
海未「これですか? ことりにおすすめされたのです」
絵里「私も読んだことあるわ」
海未「そうですか」
絵里「ふふふ」
海未「?」
絵里「この前、盛大にネタばらししてくれたわよねぇ」
海未「そうでしたか?」
絵里「忘れたとは言わせないわ!」
海未「まぁ、この本読むの二回目なのでお好きにどうぞ」
絵里「えっ!? なによ、せっかく仕返しできると思ったのに!」
絵里「あっ、その本」
海未「これですか? ことりにおすすめされたのです」
絵里「私も読んだことあるわ」
海未「そうですか」
絵里「ふふふ」
海未「?」
絵里「この前、盛大にネタばらししてくれたわよねぇ」
海未「そうでしたか?」
絵里「忘れたとは言わせないわ!」
海未「まぁ、この本読むの二回目なのでお好きにどうぞ」
絵里「えっ!? なによ、せっかく仕返しできると思ったのに!」
50: :2019/01/15(火) 21:00:30.50 ID:enzMsftB.net
『ネタばらし―その後―』
海未「ふぅ、なんとかごまかせました」
海未「やはり悪いことはするものではありませんね」
海未「さて、続きを……」
穂乃果「あっ! 海未ちゃん、その本おもしろいよね! まさか最後の敵が幼馴染なんて思わなかったなぁ!」
海未「……」
穂乃果「……あれ? 海未ちゃん?」
海未「ほぉ・のぉ・かぁ!!!」
海未「ふぅ、なんとかごまかせました」
海未「やはり悪いことはするものではありませんね」
海未「さて、続きを……」
穂乃果「あっ! 海未ちゃん、その本おもしろいよね! まさか最後の敵が幼馴染なんて思わなかったなぁ!」
海未「……」
穂乃果「……あれ? 海未ちゃん?」
海未「ほぉ・のぉ・かぁ!!!」
51: :2019/01/15(火) 21:02:13.61 ID:enzMsftB.net
『作詞ノート』
絵里「うーみっ! なに見てるの?」
海未「作詞ノートです」
絵里「あっ、じゃあ私は見ない方がいいかしら」
海未「いえ、隠すものでもありませんから。ご自由に」
絵里「そ、そう?」
絵里「えーっと、『こぼれそうな涙こらえて見る星は いつもよりも眩しく輝いて堕ちそうだ』さすが海未ね。いい歌詞だわ」
絵里「『光纏う守護者よりも 闇の香り欲しいと囁いた』海未ってこういうの好きよね」クスッ
絵里「でも、不思議ね。なんかどれもはじめて見た気がしないわ」
絵里「『がんばらねば ねばねばぎぶあぷ』……え?」
絵里「うーみっ! なに見てるの?」
海未「作詞ノートです」
絵里「あっ、じゃあ私は見ない方がいいかしら」
海未「いえ、隠すものでもありませんから。ご自由に」
絵里「そ、そう?」
絵里「えーっと、『こぼれそうな涙こらえて見る星は いつもよりも眩しく輝いて堕ちそうだ』さすが海未ね。いい歌詞だわ」
絵里「『光纏う守護者よりも 闇の香り欲しいと囁いた』海未ってこういうの好きよね」クスッ
絵里「でも、不思議ね。なんかどれもはじめて見た気がしないわ」
絵里「『がんばらねば ねばねばぎぶあぷ』……え?」
52: :2019/01/15(火) 21:04:20.18 ID:enzMsftB.net
絵里「これ、私のノートじゃないの!?」
海未「さすが絵里です。今後の参考になりそうです」
絵里「ちょ、ちょっと待ちなさい! そもそもこのノート無くしたはずなのに……!」
海未「この前の部室掃除の時にでてきたそうです。希がくれました」
絵里「なんでわたしに渡さないのよ! もうっ!」
海未「さすが絵里です。今後の参考になりそうです」
絵里「ちょ、ちょっと待ちなさい! そもそもこのノート無くしたはずなのに……!」
海未「この前の部室掃除の時にでてきたそうです。希がくれました」
絵里「なんでわたしに渡さないのよ! もうっ!」
53: :2019/01/15(火) 21:07:32.12 ID:enzMsftB.net
『投げキッス』
絵里「海未ってPVのときにいつも投げキッスしてるわよね。どうして?」
海未「え?」
絵里「だって、なんか海未のキャラっぽくないでしょ。理由があるのかなって」
海未「……覚えてないのですか?」
絵里「なにを?」
海未「もういいです。失礼します」
絵里「どこ行くのよ。私も一緒に……」
海未「ついてこないでください」
絵里「え?」
絵里「……海未?」
絵里「海未ってPVのときにいつも投げキッスしてるわよね。どうして?」
海未「え?」
絵里「だって、なんか海未のキャラっぽくないでしょ。理由があるのかなって」
海未「……覚えてないのですか?」
絵里「なにを?」
海未「もういいです。失礼します」
絵里「どこ行くのよ。私も一緒に……」
海未「ついてこないでください」
絵里「え?」
絵里「……海未?」
54: :2019/01/15(火) 21:12:02.48 ID:enzMsftB.net
『相談』
にこ「海未を怒らせたかもしれないですって?」
絵里「そうなの。話しかけても答えてくれなくて」
希「心当たりはないん?」
絵里「PV撮る時に投げキッスするの、海未っぽくないって言ったことかしら」
希「あぁ、確かにいつもやっとるね」
にこ「そんなことで怒るようには見えないけど。ぽくないってのもその通りだし」
希「何か大切な理由があるのかもしれんね。穂乃果ちゃんとかことりちゃんに聞いてみたら?」
絵里「そうね。ありがとう、二人とも」
にこ「海未を怒らせたかもしれないですって?」
絵里「そうなの。話しかけても答えてくれなくて」
希「心当たりはないん?」
絵里「PV撮る時に投げキッスするの、海未っぽくないって言ったことかしら」
希「あぁ、確かにいつもやっとるね」
にこ「そんなことで怒るようには見えないけど。ぽくないってのもその通りだし」
希「何か大切な理由があるのかもしれんね。穂乃果ちゃんとかことりちゃんに聞いてみたら?」
絵里「そうね。ありがとう、二人とも」
56: :2019/01/15(火) 21:14:27.23 ID:enzMsftB.net
『相談②』
穂乃果「海未ちゃんが投げキッスする理由?」
ことり「あれ? 私は絵里ちゃんにすすめられたからだって聞いたけど」
穂乃果「ほのかもそう聞いたよ」
絵里「え? 私に?」
穂乃果「恥ずかしいけど、絵里ちゃんがほめてくれたからって」
ことり「絵里ちゃん、覚えてないの?」
絵里「……どうだったかしら」
穂乃果「もしかして、今朝から海未ちゃんの様子がおかしいのと関係あるの?」
絵里「……」
穂乃果「海未ちゃんが投げキッスする理由?」
ことり「あれ? 私は絵里ちゃんにすすめられたからだって聞いたけど」
穂乃果「ほのかもそう聞いたよ」
絵里「え? 私に?」
穂乃果「恥ずかしいけど、絵里ちゃんがほめてくれたからって」
ことり「絵里ちゃん、覚えてないの?」
絵里「……どうだったかしら」
穂乃果「もしかして、今朝から海未ちゃんの様子がおかしいのと関係あるの?」
絵里「……」
57: :2019/01/15(火) 21:16:52.82 ID:enzMsftB.net
『記憶』
絵里「わたしが……海未に……?」
絵里「言ったかしら……?」
絵里「……」
絵里『へぇ、海未が投げキッスなんて意外ね』
海未『その、あいどるっぽいかと思いまして、でも、やはり恥ずかしいのでこれで最後に……』
絵里『いいじゃない。続ければ』
海未『しかし……』
絵里『かわいくて好きよ、わたし』
海未『そ、そうでしょうか?』
絵里「……!」
絵里「もしかしてあの時の……?」
絵里「わたしが……海未に……?」
絵里「言ったかしら……?」
絵里「……」
絵里『へぇ、海未が投げキッスなんて意外ね』
海未『その、あいどるっぽいかと思いまして、でも、やはり恥ずかしいのでこれで最後に……』
絵里『いいじゃない。続ければ』
海未『しかし……』
絵里『かわいくて好きよ、わたし』
海未『そ、そうでしょうか?』
絵里「……!」
絵里「もしかしてあの時の……?」
58: :2019/01/15(火) 21:19:16.26 ID:enzMsftB.net
『ぽんこつ』
海未「それで、話とは?」
絵里「謝りたいと思って」
海未「……」
絵里「ごめんなさい、海未」
海未「いえ、こちらこそ大人げない対応を……」
絵里「思い出したの」
海未「……え?」
絵里「あの時は海未のことまだよく知らなくて、こんな顔もするんだって、そう思ったの」
海未「……」
絵里「でも、海未のことを知って、色んな表情を知って、そんな海未を知っているのは私たちだけなのかなって、他の人に見せたくないなって思っちゃって」
絵里「それで、昨日はあんな意地悪なこと言っちゃったの。本当にごめんなさい」
海未「……」
海未「それで、話とは?」
絵里「謝りたいと思って」
海未「……」
絵里「ごめんなさい、海未」
海未「いえ、こちらこそ大人げない対応を……」
絵里「思い出したの」
海未「……え?」
絵里「あの時は海未のことまだよく知らなくて、こんな顔もするんだって、そう思ったの」
海未「……」
絵里「でも、海未のことを知って、色んな表情を知って、そんな海未を知っているのは私たちだけなのかなって、他の人に見せたくないなって思っちゃって」
絵里「それで、昨日はあんな意地悪なこと言っちゃったの。本当にごめんなさい」
海未「……」
59: :2019/01/15(火) 21:20:57.85 ID:enzMsftB.net
海未「ほんとに絵里はぽんこつですね」
絵里「なっ!?」
海未「そんなこと言われたくらいで、私が怒ると思いますか?」
絵里「え? 違うの?」
海未「投げキッスが私らしくないことくらい、自分が一番よく分かってます」
絵里「じ、じゃあなんで怒ってたのよ」
海未「もういいです。練習、遅れますよ」
絵里「ちょっと、まだ話が……!」
海未「~♪」
絵里「うみっ! 待ってってば!」
絵里「なっ!?」
海未「そんなこと言われたくらいで、私が怒ると思いますか?」
絵里「え? 違うの?」
海未「投げキッスが私らしくないことくらい、自分が一番よく分かってます」
絵里「じ、じゃあなんで怒ってたのよ」
海未「もういいです。練習、遅れますよ」
絵里「ちょっと、まだ話が……!」
海未「~♪」
絵里「うみっ! 待ってってば!」
71: :2019/01/16(水) 22:24:19.50 ID:grqyqlHE.net
『初雪』
絵里「見て、雪よ!」
海未「初雪ですね」
絵里「外に出てみない?」
海未「寒いので遠慮しておきます」
絵里「ノリ悪いわね」
海未「そもそも、ロシアで雪なら嫌という程見ているのでは?」
絵里「そんなに覚えてないけど、だからこそ懐かしく思うのかもね」
にこ「あんたら何してるのよ! 外行くわよ!」
穂乃果「海未ちゃん! 絵里ちゃん! 雪だよ雪!」
凛「テンションあがるにゃー!
絵里「ほら、行くわよ!」
海未「……私がおかしいのでしょうか?」
絵里「見て、雪よ!」
海未「初雪ですね」
絵里「外に出てみない?」
海未「寒いので遠慮しておきます」
絵里「ノリ悪いわね」
海未「そもそも、ロシアで雪なら嫌という程見ているのでは?」
絵里「そんなに覚えてないけど、だからこそ懐かしく思うのかもね」
にこ「あんたら何してるのよ! 外行くわよ!」
穂乃果「海未ちゃん! 絵里ちゃん! 雪だよ雪!」
凛「テンションあがるにゃー!
絵里「ほら、行くわよ!」
海未「……私がおかしいのでしょうか?」
72: :2019/01/16(水) 22:25:47.21 ID:grqyqlHE.net
『口笛』
絵里「口笛吹ける?」
海未「~♪」
絵里「上手いものね」
海未「吹けないのですか?」
絵里「ふーっ! ふーっ!」
海未「まじめにやってください」
絵里「やってるわよ!」
絵里「口笛吹ける?」
海未「~♪」
絵里「上手いものね」
海未「吹けないのですか?」
絵里「ふーっ! ふーっ!」
海未「まじめにやってください」
絵里「やってるわよ!」
73: :2019/01/16(水) 22:26:48.41 ID:grqyqlHE.net
絵里「ふーっ! ふーっ!」
海未「そういえば、目を瞑ると集中力が増すので鳴りやすくなるそうですよ」
絵里「ほんと?」
絵里「ふーっ! ふーっ! ふーっ!」
カシャ!
絵里「え!?」
海未「いい写真が撮れました」
絵里「うみっ! 消しなさいっ!」
海未「そういえば、目を瞑ると集中力が増すので鳴りやすくなるそうですよ」
絵里「ほんと?」
絵里「ふーっ! ふーっ! ふーっ!」
カシャ!
絵里「え!?」
海未「いい写真が撮れました」
絵里「うみっ! 消しなさいっ!」
74: :2019/01/16(水) 22:28:13.38 ID:grqyqlHE.net
『ホラー』
海未「絵里は暗いところが苦手ですが、怖い話も苦手なのですか?」
絵里「逆に聞くけど大丈夫だと思うの?」
海未「……」
海未「風呂場で髪を……」
絵里「あーあー! 聞こえなーい!」
海未・絵里「……」
海未「ベッドの下に……」
絵里「あー! あー! あー!」
海未・絵里「……」
海未「絵里は暗いところが苦手ですが、怖い話も苦手なのですか?」
絵里「逆に聞くけど大丈夫だと思うの?」
海未「……」
海未「風呂場で髪を……」
絵里「あーあー! 聞こえなーい!」
海未・絵里「……」
海未「ベッドの下に……」
絵里「あー! あー! あー!」
海未・絵里「……」
76: :2019/01/16(水) 22:30:48.93 ID:grqyqlHE.net
海未「あっ」
絵里「えっ?」
海未「……」
絵里「な、なによ」
海未「……あぁ」
絵里「な、なにかあるなら言いなさいよ」
海未「別に」
絵里「な、なんで目をそらすのよ」
海未「ですから何も。それではお暇しますね」
絵里「ちょっと! ひとりにしないでっ!」
絵里「えっ?」
海未「……」
絵里「な、なによ」
海未「……あぁ」
絵里「な、なにかあるなら言いなさいよ」
海未「別に」
絵里「な、なんで目をそらすのよ」
海未「ですから何も。それではお暇しますね」
絵里「ちょっと! ひとりにしないでっ!」
80: :2019/01/17(木) 21:44:28.68 ID:FKCT7luy.net
『寝言』
海未「……」
絵里「海未?」
海未「……すぅ」
絵里「寝てるの?」
海未「……すぅ……すぅ」
絵里「いつかみたいに寝たふりじゃないでしょうね」
海未「……ゃん」
絵里「……?」
海未「……お姉ちゃん」
海未「……」
絵里「海未?」
海未「……すぅ」
絵里「寝てるの?」
海未「……すぅ……すぅ」
絵里「いつかみたいに寝たふりじゃないでしょうね」
海未「……ゃん」
絵里「……?」
海未「……お姉ちゃん」
81: :2019/01/17(木) 21:45:34.36 ID:FKCT7luy.net
『事前調査』
穂乃果「海未ちゃんに?」
絵里「そう。姉っているのかしら」
穂乃果「いるよ。でも、私も会ったことないの。ずっと前にお嫁さんに行っちゃったんだって」
絵里「そうなのね。じゃあ、どんな人かは知らないの?」
穂乃果「海未ちゃんから聞いたことしか知らないなぁ。なんでもできる人だって言ってたけど」
絵里「ふむ」
穂乃果「っていうか、直接聞いた方がはやいんじゃない? 別に隠してるわけじゃないし」
絵里「……そうね」
穂乃果「海未ちゃんに?」
絵里「そう。姉っているのかしら」
穂乃果「いるよ。でも、私も会ったことないの。ずっと前にお嫁さんに行っちゃったんだって」
絵里「そうなのね。じゃあ、どんな人かは知らないの?」
穂乃果「海未ちゃんから聞いたことしか知らないなぁ。なんでもできる人だって言ってたけど」
絵里「ふむ」
穂乃果「っていうか、直接聞いた方がはやいんじゃない? 別に隠してるわけじゃないし」
絵里「……そうね」
82: :2019/01/17(木) 21:47:19.55 ID:FKCT7luy.net
『姉』
海未「姉のことですか?」
絵里「ええ。海未に姉がいるなんて少し意外だったから、どんな人なのかなって」
海未「物心ついた時には既に家を離れていましたから、あまり記憶にないのですが」
海未「そうですね、……強いていうなら『完璧な人』でしょうか」
海未「武道はもちろん、日舞も、筝曲も、書道も、今の私なんか足元にも及ばないほどの腕前でした」
絵里「すごい人なのね」
海未「家を離れていなければ、きっと日舞も姉が継ぐことになっていたでしょうね」
海未「姉のことですか?」
絵里「ええ。海未に姉がいるなんて少し意外だったから、どんな人なのかなって」
海未「物心ついた時には既に家を離れていましたから、あまり記憶にないのですが」
海未「そうですね、……強いていうなら『完璧な人』でしょうか」
海未「武道はもちろん、日舞も、筝曲も、書道も、今の私なんか足元にも及ばないほどの腕前でした」
絵里「すごい人なのね」
海未「家を離れていなければ、きっと日舞も姉が継ぐことになっていたでしょうね」
83: :2019/01/17(木) 21:49:01.29 ID:FKCT7luy.net
海未「しかし、私に姉がいると話したことありましたか?」
絵里「いえ、実は海未が寝言で言ってるの、聞いちゃったのよ」
海未「私がですか? 最近、姉の夢を見た記憶がないのですが」
絵里「え? でも、お姉ちゃんって言ってたわよ」
海未「……」
絵里「深層心理では会いたいって思ってるんじゃない?」
海未「……そうなのでしょうか」
絵里「やっぱり姉妹っていいわね。なんだか亜里沙にあいたくなっちゃった」
絵里「あ! そういえばあの子まで私のことポンコツって言うようになったんだけど! 海未がへんなこと教えたんでしょ!?」
海未「そちらも記憶にありませんね」
絵里「いえ、実は海未が寝言で言ってるの、聞いちゃったのよ」
海未「私がですか? 最近、姉の夢を見た記憶がないのですが」
絵里「え? でも、お姉ちゃんって言ってたわよ」
海未「……」
絵里「深層心理では会いたいって思ってるんじゃない?」
海未「……そうなのでしょうか」
絵里「やっぱり姉妹っていいわね。なんだか亜里沙にあいたくなっちゃった」
絵里「あ! そういえばあの子まで私のことポンコツって言うようになったんだけど! 海未がへんなこと教えたんでしょ!?」
海未「そちらも記憶にありませんね」
84: :2019/01/17(木) 21:49:43.02 ID:FKCT7luy.net
『真相』
海未「しかし、本当に身に覚えがありませんね」
海未「絵里に横で眠ってしまったのは一昨日でしたか」
海未「一昨日……、どんな夢を見ていたのでしょう……」
海未「……」
海未「……ん?」
海未「おととい……?」
海未「しかし、本当に身に覚えがありませんね」
海未「絵里に横で眠ってしまったのは一昨日でしたか」
海未「一昨日……、どんな夢を見ていたのでしょう……」
海未「……」
海未「……ん?」
海未「おととい……?」
85: :2019/01/17(木) 21:52:43.08 ID:FKCT7luy.net
??『好きなもの何でも買ってあげるわ』
海未『ほんとですか!? それでは、ほのかが持っていたおもちゃがほしいです!』
??『いいわよ。これね』
海未『わぁい!』
??『他にも欲しいものがあったら持ってきなさい』
海未『うん! ありがとう!』
海未『“絵里”お姉ちゃん!』
………………
…………
……
海未「……」
海未「……思い出して、しまいました」
海未「絵里には口が裂けても言えませんね」
海未『ほんとですか!? それでは、ほのかが持っていたおもちゃがほしいです!』
??『いいわよ。これね』
海未『わぁい!』
??『他にも欲しいものがあったら持ってきなさい』
海未『うん! ありがとう!』
海未『“絵里”お姉ちゃん!』
………………
…………
……
海未「……」
海未「……思い出して、しまいました」
海未「絵里には口が裂けても言えませんね」
91: :2019/01/18(金) 23:10:49.56 ID:CsrpZwFp.net
『おかしいにゃ!』
絵里「真姫にもっと頼ってほしい?」
凛「そう! 今度、学年ごとに別れて曲を作るでしょ? 真姫ちゃん、作詞も作曲もぜーんぶ一人でやるっていうんだよ!」
海未「凛は振り付けを、花陽は衣装を担当するのでしょう」
凛「そうだけど、それはあくまで中心になるってだけでしょ? でも、作詞と作曲は真姫ちゃんがとりあえず作ってみて、それを凛たちに見せるって」
絵里「そのときに意見を言えばいいじゃない」
凛「そうじゃなくて、凛はみんなで曲を作りたいの!」
海未「作詞はともかく、作曲なんてできるのですか?」
凛「できないけどぉ……でもぉ……」
絵里「真姫にもっと頼ってほしい?」
凛「そう! 今度、学年ごとに別れて曲を作るでしょ? 真姫ちゃん、作詞も作曲もぜーんぶ一人でやるっていうんだよ!」
海未「凛は振り付けを、花陽は衣装を担当するのでしょう」
凛「そうだけど、それはあくまで中心になるってだけでしょ? でも、作詞と作曲は真姫ちゃんがとりあえず作ってみて、それを凛たちに見せるって」
絵里「そのときに意見を言えばいいじゃない」
凛「そうじゃなくて、凛はみんなで曲を作りたいの!」
海未「作詞はともかく、作曲なんてできるのですか?」
凛「できないけどぉ……でもぉ……」
92: :2019/01/18(金) 23:12:34.37 ID:CsrpZwFp.net
『おかしいと思わない!?』
海未「凛が文句ばかり言っていると?」
真姫「そうなの! 今度、学年曲を作るでしょ? 凛、作詞と作曲もみんなでやろうって言い出すのよ!」
絵里「作曲はともかく、作詞くらいはみんなでしてもいいんじゃない?」
真姫「だからそこはお願いしたの! 今回はいい詞を思いついたから私に書かせてって。振り付けは凛に、衣装デザインは花陽に任せるからって」
真姫「そしたらもっと怒り出すのよ! 意味わかんない!」
海未「凛の意見も聞いてみたのですか?」
真姫「もちろんよ! そしたらみんなでやらなきゃダメだって」
真姫「みんなでってそういうことじゃないでしょ!? もっと私を信用してよ!」
海未「凛が文句ばかり言っていると?」
真姫「そうなの! 今度、学年曲を作るでしょ? 凛、作詞と作曲もみんなでやろうって言い出すのよ!」
絵里「作曲はともかく、作詞くらいはみんなでしてもいいんじゃない?」
真姫「だからそこはお願いしたの! 今回はいい詞を思いついたから私に書かせてって。振り付けは凛に、衣装デザインは花陽に任せるからって」
真姫「そしたらもっと怒り出すのよ! 意味わかんない!」
海未「凛の意見も聞いてみたのですか?」
真姫「もちろんよ! そしたらみんなでやらなきゃダメだって」
真姫「みんなでってそういうことじゃないでしょ!? もっと私を信用してよ!」
93: :2019/01/18(金) 23:14:43.21 ID:CsrpZwFp.net
『どうしよう……』
花陽「どうしよう……」
海未「まぁ、だいたい想像はつきますが」
絵里「……どうしたの?」
花陽「凛ちゃんと真姫ちゃんがケンカしちゃったんです……」
海未「理由は分かっているのですか?」
花陽「これかなっていうのはあるけど……」
海未「分かりました。私たちが話を――」
絵里「つけてもいいけど、その前にやることがあるんじゃない?」
海未「……絵里?」
花陽「……」
花陽「どうしよう……」
海未「まぁ、だいたい想像はつきますが」
絵里「……どうしたの?」
花陽「凛ちゃんと真姫ちゃんがケンカしちゃったんです……」
海未「理由は分かっているのですか?」
花陽「これかなっていうのはあるけど……」
海未「分かりました。私たちが話を――」
絵里「つけてもいいけど、その前にやることがあるんじゃない?」
海未「……絵里?」
花陽「……」
94: :2019/01/18(金) 23:16:44.20 ID:CsrpZwFp.net
『判断』
海未「任せておいて大丈夫なのですか? 大規模ではないとはいえライブも行うのですよ。もし間に合わなかったら……」
絵里「まぁ、大丈夫でしょ」
海未「……」
絵里「なによ、その眼は」
海未「それは元生徒会長としての勘ですか? ポンコツ絵里の勘ですか?」
絵里「同一人物なので答えられません」
海未「……不安です」
絵里「それより、二年生の曲はできたのかしら?」
海未「もちろんです。あとは仕上げを――」
ガラッ!
にこ「絵里、ここにいたの!? 今日集まるって言ったじゃない!」
絵里「え!? もうこんな時間!? ごめん、いま行くから!」
海未「……不安です」
海未「任せておいて大丈夫なのですか? 大規模ではないとはいえライブも行うのですよ。もし間に合わなかったら……」
絵里「まぁ、大丈夫でしょ」
海未「……」
絵里「なによ、その眼は」
海未「それは元生徒会長としての勘ですか? ポンコツ絵里の勘ですか?」
絵里「同一人物なので答えられません」
海未「……不安です」
絵里「それより、二年生の曲はできたのかしら?」
海未「もちろんです。あとは仕上げを――」
ガラッ!
にこ「絵里、ここにいたの!? 今日集まるって言ったじゃない!」
絵里「え!? もうこんな時間!? ごめん、いま行くから!」
海未「……不安です」
95: :2019/01/18(金) 23:18:22.88 ID:CsrpZwFp.net
『当日』
穂乃果「……あっ、一年生の曲始まるよ」
『それでは聞いてください! 私たち、3人で作ったはじめての曲です!』
『after school NAVIGATORS!』
ことり「や~ん! 衣装かわいい~!」
穂乃果「すてきな曲だね!」
海未「……」
海未「……元生徒会長の絵里でしたか」
穂乃果「ん? 何か言った?」
海未「いえ。さぁ、穂乃果! ことり! 私たちも続きますよ!」
穂乃果「……あっ、一年生の曲始まるよ」
『それでは聞いてください! 私たち、3人で作ったはじめての曲です!』
『after school NAVIGATORS!』
ことり「や~ん! 衣装かわいい~!」
穂乃果「すてきな曲だね!」
海未「……」
海未「……元生徒会長の絵里でしたか」
穂乃果「ん? 何か言った?」
海未「いえ。さぁ、穂乃果! ことり! 私たちも続きますよ!」
96: :2019/01/18(金) 23:20:38.27 ID:CsrpZwFp.net
『大トリ』
『Shiny style がんばって汗かいて ジャンプして!』
『いつも笑顔はじけるステージ!』
にこ「なんだかんだ、一年組も二年組も上手くやってるじゃない」
希「えりち、なんか満足そうやね」
絵里「……そう見える?」
にこ「もしかして、学年曲を作ろうって言い出したの、これがねらいだったの?」
絵里「さぁ、どうかしら」
希「なんかうちが尊敬してた頃のえりちを見てるみたい」
絵里「ちょっと! なんで過去形なのよ!」
希「ふふっ、うーそっ! 今だって尊敬しとるよ」
『Shiny style がんばって汗かいて ジャンプして!』
『いつも笑顔はじけるステージ!』
にこ「なんだかんだ、一年組も二年組も上手くやってるじゃない」
希「えりち、なんか満足そうやね」
絵里「……そう見える?」
にこ「もしかして、学年曲を作ろうって言い出したの、これがねらいだったの?」
絵里「さぁ、どうかしら」
希「なんかうちが尊敬してた頃のえりちを見てるみたい」
絵里「ちょっと! なんで過去形なのよ!」
希「ふふっ、うーそっ! 今だって尊敬しとるよ」
97: :2019/01/18(金) 23:22:35.05 ID:CsrpZwFp.net
にこ「さて、そろそろね」
絵里「ここで決めないと後輩に示しがつかないわ」
希「おっ、やる気やん!」
にこ「当然。格の違いを見せつけてやるんだから!」
絵里「それじゃ、いくわよ! μ's!」
絵里・にこ・希「「「ミュージック、スタート!!!」」」
絵里「ここで決めないと後輩に示しがつかないわ」
希「おっ、やる気やん!」
にこ「当然。格の違いを見せつけてやるんだから!」
絵里「それじゃ、いくわよ! μ's!」
絵里・にこ・希「「「ミュージック、スタート!!!」」」
103: :2019/01/20(日) 23:01:53.33 ID:0nP6tHBY.net
『初詣』
穂乃果「うぅ~。寒いねぇ~」
海未「ほら、前を見てください。一年の計は元旦にありと言いますよ」
穂乃果「海未ちゃんの口うるささは相変わらずかぁ」
海未「穂乃果がだらしないからでしょう!」
ことり「まあまあ。ほら、そろそろ順番だよ」
穂乃果「拍手するんだっけ?」
海未「ニ礼二拍手一礼です」
穂乃果「よーし! 私がいちばんのりっ!」
海未「こらっ! 走ってはいけません!」
ことり「あはは……」
穂乃果「うぅ~。寒いねぇ~」
海未「ほら、前を見てください。一年の計は元旦にありと言いますよ」
穂乃果「海未ちゃんの口うるささは相変わらずかぁ」
海未「穂乃果がだらしないからでしょう!」
ことり「まあまあ。ほら、そろそろ順番だよ」
穂乃果「拍手するんだっけ?」
海未「ニ礼二拍手一礼です」
穂乃果「よーし! 私がいちばんのりっ!」
海未「こらっ! 走ってはいけません!」
ことり「あはは……」
104: :2019/01/20(日) 23:02:27.18 ID:0nP6tHBY.net
『おみくじ』
穂乃果「おみくじ! おみくじ引こうよ!」
ことり「ことりも引きたい!」
海未「あそこですね。行きましょうか」
穂乃果「おみくじ! おみくじ引こうよ!」
ことり「ことりも引きたい!」
海未「あそこですね。行きましょうか」
105: :2019/01/20(日) 23:03:11.18 ID:0nP6tHBY.net
穂乃果「わぁ! 大吉だ!」
ことり「私は中吉!」
穂乃果「海未ちゃんは?」
海未「……凶です」
ことり「あっ……」
穂乃果「だ、大丈夫だよ! むしろ凶なんて少ないだろうから、逆に運がいいかも!
海未「……そうですね」
ことり「私は中吉!」
穂乃果「海未ちゃんは?」
海未「……凶です」
ことり「あっ……」
穂乃果「だ、大丈夫だよ! むしろ凶なんて少ないだろうから、逆に運がいいかも!
海未「……そうですね」
106: :2019/01/20(日) 23:07:16.04 ID:0nP6tHBY.net
穂乃果「ほら、海未ちゃん! たこ焼きあるよ!」
ことり「チョコバナナも!」
海未「……はい」
穂乃果・ことり「…………」
穂乃果(どうするの、これ? おみくじ引こうなんて言い出したのだれ?)
ことり(穂乃果ちゃんだよぉ……)
ことり「チョコバナナも!」
海未「……はい」
穂乃果・ことり「…………」
穂乃果(どうするの、これ? おみくじ引こうなんて言い出したのだれ?)
ことり(穂乃果ちゃんだよぉ……)
107: :2019/01/20(日) 23:08:23.01 ID:0nP6tHBY.net
希「あっ、やっほー!」
にこ「あんたたちも来てたのね」
穂乃果「あっ、希ちゃん! にこちゃん! 絵里……ちゃん?」
にこ「気にしなくていいわよ。おみくじで凶引いて落ち込んでるだけだから」
海未「絵里、あなたもですか?」
絵里「……ということは、海未も?」
希「おふたりさん、あそこに結んできたら? 悪いおみくじは結んで神さまにお願いするといいんよ」
絵里「そうね。海未、行くわよ」
海未「はい」
にこ「あんたたちも来てたのね」
穂乃果「あっ、希ちゃん! にこちゃん! 絵里……ちゃん?」
にこ「気にしなくていいわよ。おみくじで凶引いて落ち込んでるだけだから」
海未「絵里、あなたもですか?」
絵里「……ということは、海未も?」
希「おふたりさん、あそこに結んできたら? 悪いおみくじは結んで神さまにお願いするといいんよ」
絵里「そうね。海未、行くわよ」
海未「はい」
108: :2019/01/20(日) 23:09:30.43 ID:0nP6tHBY.net
絵里「これでよし、と。それにしてもお互いに災難ね」
海未「まったくです」
絵里「さて、他のみんなはっと。……あれ?」
海未「見当たりませんね」
絵里「……はぐれた?」
海未「新年早々ポンコツですね」
絵里「そっくりそのままお返しするわ」
海未「私はついてきただけです」
絵里「……まぁ、そのうち会えるでしょう。適当に屋台でもまわってましょうか」
海未「まったくです」
絵里「さて、他のみんなはっと。……あれ?」
海未「見当たりませんね」
絵里「……はぐれた?」
海未「新年早々ポンコツですね」
絵里「そっくりそのままお返しするわ」
海未「私はついてきただけです」
絵里「……まぁ、そのうち会えるでしょう。適当に屋台でもまわってましょうか」
109: :2019/01/20(日) 23:10:27.38 ID:0nP6tHBY.net
『食べ歩き』
絵里「やっぱりチョコバナナよね! 海未も一口食べる?」
海未「では、頂きます」モグモグ
海未「おいひいです」
絵里「それたこ焼き? 美味しそうね」
海未「口を開けてください」
絵里「いいの? あーん」パクッ
絵里「っ!?」ゴホッゴホッ!
絵里「あっついんだけど!?」
海未「できたてですから」
絵里「先に言いなさいよ!」
絵里「やっぱりチョコバナナよね! 海未も一口食べる?」
海未「では、頂きます」モグモグ
海未「おいひいです」
絵里「それたこ焼き? 美味しそうね」
海未「口を開けてください」
絵里「いいの? あーん」パクッ
絵里「っ!?」ゴホッゴホッ!
絵里「あっついんだけど!?」
海未「できたてですから」
絵里「先に言いなさいよ!」
110: :2019/01/20(日) 23:11:42.03 ID:0nP6tHBY.net
『射的』
絵里「……ダメね、亜里沙に取ってあげようと思ったんだけど」
海未「あの青いぬいぐるみですか?」
絵里「そうよ。海未、得意なの?」
海未「まあ、多少は。あの大きさからすると……」
絵里「いけそう?」
海未「おそらくは。……すみません、一回お願いします」
………………
…………
……
絵里「……ダメね、亜里沙に取ってあげようと思ったんだけど」
海未「あの青いぬいぐるみですか?」
絵里「そうよ。海未、得意なの?」
海未「まあ、多少は。あの大きさからすると……」
絵里「いけそう?」
海未「おそらくは。……すみません、一回お願いします」
………………
…………
……
111: :2019/01/20(日) 23:12:53.52 ID:0nP6tHBY.net
絵里「すごいわ! 本当に取っちゃうなんて!」
海未「小さい頃から穂乃果に連れ回されていましたから」
絵里「ということは、他のゲームも得意なの?」
海未「大体はいけると思いますが」
絵里「ねっ、亜里沙にヨーヨーとか金魚も取ってあげたいの。お手伝いしてくれない?」
海未「構いませんよ」
絵里「ほんと!? じゃ、行きましょ!」
海未「小さい頃から穂乃果に連れ回されていましたから」
絵里「ということは、他のゲームも得意なの?」
海未「大体はいけると思いますが」
絵里「ねっ、亜里沙にヨーヨーとか金魚も取ってあげたいの。お手伝いしてくれない?」
海未「構いませんよ」
絵里「ほんと!? じゃ、行きましょ!」
112: :2019/01/20(日) 23:13:54.00 ID:0nP6tHBY.net
『戦利品』
絵里「大漁ね!」
海未「これ、ぜんぶ亜里沙へのお土産ですか?」
絵里「そうよ。あの子、お祭りとか好きなのよ。でも、流石に今年はね。受験も近いし」
海未「……絵里も同じでは?」
絵里「私はいいのよ。生徒会長だもの」
海未「それ、関係ありますか?」
絵里「大漁ね!」
海未「これ、ぜんぶ亜里沙へのお土産ですか?」
絵里「そうよ。あの子、お祭りとか好きなのよ。でも、流石に今年はね。受験も近いし」
海未「……絵里も同じでは?」
絵里「私はいいのよ。生徒会長だもの」
海未「それ、関係ありますか?」
113: :2019/01/20(日) 23:16:36.89 ID:0nP6tHBY.net
絵里「はい。これ、お礼よ」
海未「先ほどのぬいぐるみではありませんか」
絵里「亜里沙にはお土産いっぱいできたし。それにこれ、海未にとっても似合うと思うの」
海未「……そうですか?」
絵里「ええ。絶対に似合うわ」
海未「そこまで言うのなら。ありがとうございます」
絵里「お礼を言うのはこっちよ。きっと亜里沙も喜ぶわ」
ウミチャーン!
絵里「あっ、穂乃果たちね。行きましょう」
海未「先ほどのぬいぐるみではありませんか」
絵里「亜里沙にはお土産いっぱいできたし。それにこれ、海未にとっても似合うと思うの」
海未「……そうですか?」
絵里「ええ。絶対に似合うわ」
海未「そこまで言うのなら。ありがとうございます」
絵里「お礼を言うのはこっちよ。きっと亜里沙も喜ぶわ」
ウミチャーン!
絵里「あっ、穂乃果たちね。行きましょう」
114: :2019/01/20(日) 23:21:02.37 ID:0nP6tHBY.net
『凶』
穂乃果「いや~食べた食べた!」
海未「そのお菓子の山はなんですか?」
穂乃果「希ちゃんがね、くじ引きのたびに一等賞を当てるんだよ! おかげで食べても食べても食べきれないよ!」
海未「……練習がはじまったらダイエットです。心しておいてください」
穂乃果「だ、大丈夫だよ! それまでにはなんとかするから!」
ことり「ねっ、そのぬいぐるみはどうしたの?」
海未「絵里にもらいました。私に似合っていると」
ことり「ぴったりだよぉ! うみちゃんかわいいっ!」
穂乃果「ジンベイザメかな? かわいいね!」
海未「そうですか? ありがとうございます」
海未(……たまになら、凶も悪くありませんね)
穂乃果「いや~食べた食べた!」
海未「そのお菓子の山はなんですか?」
穂乃果「希ちゃんがね、くじ引きのたびに一等賞を当てるんだよ! おかげで食べても食べても食べきれないよ!」
海未「……練習がはじまったらダイエットです。心しておいてください」
穂乃果「だ、大丈夫だよ! それまでにはなんとかするから!」
ことり「ねっ、そのぬいぐるみはどうしたの?」
海未「絵里にもらいました。私に似合っていると」
ことり「ぴったりだよぉ! うみちゃんかわいいっ!」
穂乃果「ジンベイザメかな? かわいいね!」
海未「そうですか? ありがとうございます」
海未(……たまになら、凶も悪くありませんね)
116: :2019/01/20(日) 23:36:04.73 ID:KlGn266l.net
絵里ちゃんと一緒とわかったとたんいつもの調子に戻る海未ちゃん好き
118: :2019/01/21(月) 02:25:17.97 ID:k1w6wjn6.net
サメのぬいぐるみ抱いてる時の顔好き
122: :2019/01/23(水) 02:58:37.80 ID:xuLe9uyr.net
『ゲーム』
「好きです!」ワイワイ
「きゃー!」ワイワイ
海未「……最近よくあのような場面を目にします」
海未「同性が云々というつもりはありませんが、もう少し節度を守るべきではないでしょうか」
絵里「あら、海未知らないの? あれ、いま流行ってるゲームらしいわよ」
海未「ゲーム?」
絵里「お互いに告白し合って、先に照れた方が負けなんですって」
海未「そうなのですか」
「好きです!」ワイワイ
「きゃー!」ワイワイ
海未「……最近よくあのような場面を目にします」
海未「同性が云々というつもりはありませんが、もう少し節度を守るべきではないでしょうか」
絵里「あら、海未知らないの? あれ、いま流行ってるゲームらしいわよ」
海未「ゲーム?」
絵里「お互いに告白し合って、先に照れた方が負けなんですって」
海未「そうなのですか」
123: :2019/01/23(水) 03:00:46.59 ID:xuLe9uyr.net
絵里「まっ、堅物の海未ちゃんには関係のない話かもね」クスッ
海未「……!」ムカッ
海未「聞き捨てなりませんね」
絵里「あら、本当のことじゃない」
海未「あの類のゲームに弱いのは絵里ではありませんか。流行って困るのは絵里の方でしょう」
絵里「こう見えても私、人気あるのよ。ラブレターの数だって海未も知っているでしょう」
海未「そっくりそのままお返しします」
絵里「そこまで言うならやってやろうじゃない! 部室行くわよ!」
海未「望むところです!」
海未「……!」ムカッ
海未「聞き捨てなりませんね」
絵里「あら、本当のことじゃない」
海未「あの類のゲームに弱いのは絵里ではありませんか。流行って困るのは絵里の方でしょう」
絵里「こう見えても私、人気あるのよ。ラブレターの数だって海未も知っているでしょう」
海未「そっくりそのままお返しします」
絵里「そこまで言うならやってやろうじゃない! 部室行くわよ!」
海未「望むところです!」
124: :2019/01/23(水) 03:01:52.53 ID:xuLe9uyr.net
海未「お互いに告白し合って目を背けた方が負け、というルールですね」
絵里「そうよ。先行は海未に譲るわ」
ことり「それでは、海未ちゃんからです! どうぞ!」
海未「……なぜことりがいるのですか?」
ことり「ことりは審判です! 気にしないで!」
海未「……まあ、いいでしょう」
絵里「そうよ。先行は海未に譲るわ」
ことり「それでは、海未ちゃんからです! どうぞ!」
海未「……なぜことりがいるのですか?」
ことり「ことりは審判です! 気にしないで!」
海未「……まあ、いいでしょう」
125: :2019/01/23(水) 03:03:44.49 ID:xuLe9uyr.net
海未「……」
海未『貴方のこと、ずっと前からお慕い申し上げておりました』
キャーキャー!
絵里「次はわたしね」
絵里『……私じゃだめなのかな』
キャーキャー!
海未・絵里「「ことり、少しうるさい(です)(わよ)」」
ことり「はぁい……」シュン
海未『貴方のこと、ずっと前からお慕い申し上げておりました』
キャーキャー!
絵里「次はわたしね」
絵里『……私じゃだめなのかな』
キャーキャー!
海未・絵里「「ことり、少しうるさい(です)(わよ)」」
ことり「はぁい……」シュン
126: :2019/01/23(水) 03:04:42.25 ID:xuLe9uyr.net
海未「……」
海未『どうして気付いてくれないのですか……?』
絵里「……!」
海未「……今のは?」
ことり「セーフですっ!」
………………
絵里「……」
絵里『もっと甘えてもいいのよ』
海未「……っ!」
絵里「アウトでしょう?」
ことり「セーフですっ!」
海未『どうして気付いてくれないのですか……?』
絵里「……!」
海未「……今のは?」
ことり「セーフですっ!」
………………
絵里「……」
絵里『もっと甘えてもいいのよ』
海未「……っ!」
絵里「アウトでしょう?」
ことり「セーフですっ!」
127: :2019/01/23(水) 03:05:48.31 ID:xuLe9uyr.net
海未『こんなわたし、迷惑ですか……?』
絵里「……っ///」
海未「赤くなりましたね」
絵里「な、なってないわ!」
………………
絵里『さみしいの。……温めてくれる?』
海未「ぐっ……///」
絵里「……やっぱり、海未ってむっつりね」
海未「ち、ちがいますっ!」
ことり「どちらもセーフですっ!」
絵里「……っ///」
海未「赤くなりましたね」
絵里「な、なってないわ!」
………………
絵里『さみしいの。……温めてくれる?』
海未「ぐっ……///」
絵里「……やっぱり、海未ってむっつりね」
海未「ち、ちがいますっ!」
ことり「どちらもセーフですっ!」
128: :2019/01/23(水) 03:07:40.00 ID:xuLe9uyr.net
海未『……絵里』
海未『もう、この気持ち抑えられそうにありません。……好きです』
絵里「……」
絵里『……いいのよ。私が受け止めてあげる』ギュッ
海未「……っ」
海未『少しだけ甘えてもいいですか?』
絵里『あたりまえじゃない』
海未『絵里のにおい、もっと感じていたいです』
絵里『いいわ、目をつむって』
海未『えり……』
絵里『うみ……』
海未『もう、この気持ち抑えられそうにありません。……好きです』
絵里「……」
絵里『……いいのよ。私が受け止めてあげる』ギュッ
海未「……っ」
海未『少しだけ甘えてもいいですか?』
絵里『あたりまえじゃない』
海未『絵里のにおい、もっと感じていたいです』
絵里『いいわ、目をつむって』
海未『えり……』
絵里『うみ……』
129: :2019/01/23(水) 03:10:02.73 ID:xuLe9uyr.net
海未「あの、ことり? そろそろ止めて……」
ことり「♥ ♥ ♥」
絵里「気絶してるけど」
海未「……幸せそうですし大丈夫でしょう」
絵里「引き分けにしときましょうか」
海未「そうですね」
ことり「♥ ♥ ♥」
絵里「気絶してるけど」
海未「……幸せそうですし大丈夫でしょう」
絵里「引き分けにしときましょうか」
海未「そうですね」
136: :2019/01/24(木) 23:11:48.06 ID:RMdiahVw.net
『目薬』
絵里「……!」プルプル
海未「絵里、目薬下手ですね」
絵里「分かってるわよ!」
海未「手伝いましょうか?」
絵里「……ぜったいへんなことするくせに」
海未「随分ですね」
絵里「しないの?」
海未「しますけど」
絵里「だから任せられないのよ。……つめたっ!」
海未(すでに動画を撮っていることは黙っておきましょう)
絵里「……!」プルプル
海未「絵里、目薬下手ですね」
絵里「分かってるわよ!」
海未「手伝いましょうか?」
絵里「……ぜったいへんなことするくせに」
海未「随分ですね」
絵里「しないの?」
海未「しますけど」
絵里「だから任せられないのよ。……つめたっ!」
海未(すでに動画を撮っていることは黙っておきましょう)
137: :2019/01/24(木) 23:13:22.99 ID:RMdiahVw.net
『回転寿司2』
絵里「当たらないわ……」
海未「そうですね」
絵里「海未、あと何皿いける?」
海未「1,2皿でしょうか」
絵里「もう一回は回せそうね」
絵里「当たらないわ……」
海未「そうですね」
絵里「海未、あと何皿いける?」
海未「1,2皿でしょうか」
絵里「もう一回は回せそうね」
138: :2019/01/24(木) 23:14:06.87 ID:RMdiahVw.net
絵里「おねがいっ!」
ピピピピピー↓
海未「はずれですね」
絵里「……」
絵里「……」カチャッ
海未「絵里、もうやめておいた方が……」
絵里「止めないで。こんなところで負けられないの」
………………
…………
……
ピピピピピー↓
海未「はずれですね」
絵里「……」
絵里「……」カチャッ
海未「絵里、もうやめておいた方が……」
絵里「止めないで。こんなところで負けられないの」
………………
…………
……
139: :2019/01/24(木) 23:15:01.83 ID:RMdiahVw.net
海未「ほら、帰りますよ」
絵里「……きもちわるい」
海未「無茶するからです」
絵里「うっぷ……」
海未「戻さないでくださいよ」
絵里「むりかも……」
絵里「……きもちわるい」
海未「無茶するからです」
絵里「うっぷ……」
海未「戻さないでくださいよ」
絵里「むりかも……」
140: :2019/01/24(木) 23:16:06.56 ID:RMdiahVw.net
絵里「結局当たらないし、厄日だわ」
海未「これ、どうぞ」
絵里「え?」
海未「前に来たときにとっておいたのです」
絵里「これ、さっきの当たりじゃない。私のために?」
海未「欲しかったのでしょう」
絵里「……ありがと」
海未「これ、どうぞ」
絵里「え?」
海未「前に来たときにとっておいたのです」
絵里「これ、さっきの当たりじゃない。私のために?」
海未「欲しかったのでしょう」
絵里「……ありがと」
141: :2019/01/24(木) 23:18:08.09 ID:RMdiahVw.net
『回転寿司2 その後』
絵里「海未、みて!」
海未「あぁ、昨日のですか」
絵里「かわいいでしょ!」
海未「はい」
絵里「ふふん♪」
海未「そんなに喜んでもらえるのなら、またとってきますね」
絵里「簡単に言うわね。ご家族で行くの?」
海未「いえ、店の入り口にガチャガチャがありますから」
絵里「へぇ、そうなの」
絵里「……」
絵里「え!?」
海未「?」
絵里「先に言いなさいよ!」
海未「知っているものとばかり」
絵里「知ってたら吐くまで食べないわよ! もうっ!」
絵里「海未、みて!」
海未「あぁ、昨日のですか」
絵里「かわいいでしょ!」
海未「はい」
絵里「ふふん♪」
海未「そんなに喜んでもらえるのなら、またとってきますね」
絵里「簡単に言うわね。ご家族で行くの?」
海未「いえ、店の入り口にガチャガチャがありますから」
絵里「へぇ、そうなの」
絵里「……」
絵里「え!?」
海未「?」
絵里「先に言いなさいよ!」
海未「知っているものとばかり」
絵里「知ってたら吐くまで食べないわよ! もうっ!」
150: :2019/01/26(土) 23:09:56.44 ID:CtWp3dmt.net
『にんきもの』
「絵里先輩、おはようございます!」
「一緒に写真撮らせてくださいませんか!?」
「あっ、抜け駆けはダメよ!」
海未「なんですか、あれ」
ことり「絵里ちゃん、球技大会で大活躍だったみたい」
穂乃果「もともと人気はあったからね。それが爆発しちゃったんじゃない?」
海未「ラブライブも近いというのに大丈夫でしょうか」
穂乃果「なんで? 人気なのはいいことじゃないの?」
ことり「投票で少し有利になるかもね」
海未「……まぁ、そうですね」
「絵里先輩、おはようございます!」
「一緒に写真撮らせてくださいませんか!?」
「あっ、抜け駆けはダメよ!」
海未「なんですか、あれ」
ことり「絵里ちゃん、球技大会で大活躍だったみたい」
穂乃果「もともと人気はあったからね。それが爆発しちゃったんじゃない?」
海未「ラブライブも近いというのに大丈夫でしょうか」
穂乃果「なんで? 人気なのはいいことじゃないの?」
ことり「投票で少し有利になるかもね」
海未「……まぁ、そうですね」
151: :2019/01/26(土) 23:11:54.39 ID:CtWp3dmt.net
海未「絵里」
絵里「あら、どうしたの?」
海未「お昼、あいてますか? 生徒会のことで相談したいことがあるのですが」
絵里「ごめんなさい、お昼はダメなのよ。後輩に誘われちゃって」
海未「そうですか」
絵里「急ぎの用かしら? それなら断って……」
海未「いえ、大丈夫です」
絵里「そう? じゃあ放課後でいいかしら?」
海未「分かりました」
絵里「あら、どうしたの?」
海未「お昼、あいてますか? 生徒会のことで相談したいことがあるのですが」
絵里「ごめんなさい、お昼はダメなのよ。後輩に誘われちゃって」
海未「そうですか」
絵里「急ぎの用かしら? それなら断って……」
海未「いえ、大丈夫です」
絵里「そう? じゃあ放課後でいいかしら?」
海未「分かりました」
152: :2019/01/26(土) 23:13:41.71 ID:CtWp3dmt.net
海未「……」
にこ「海未じゃない。誰か待ってるの?」
海未「絵里に用がありまして」
にこ「なんか後輩に囲まれてたわよ。もう少し時間かかるんじゃない?」
海未「そうですか。気長に待つことにします」
にこ「あの後輩たちも見る目がないわね。ここにこーんなに魅力的なアイドルがいるってのに」
海未「そうですね。にこのよさはすぐには分からないのでしょうね」
にこ「それほめてるわけ?」
海未「もちろんです」
にこ「まっ、いいわ。寒くなってきたから風邪ひかないようにね」
にこ「海未じゃない。誰か待ってるの?」
海未「絵里に用がありまして」
にこ「なんか後輩に囲まれてたわよ。もう少し時間かかるんじゃない?」
海未「そうですか。気長に待つことにします」
にこ「あの後輩たちも見る目がないわね。ここにこーんなに魅力的なアイドルがいるってのに」
海未「そうですね。にこのよさはすぐには分からないのでしょうね」
にこ「それほめてるわけ?」
海未「もちろんです」
にこ「まっ、いいわ。寒くなってきたから風邪ひかないようにね」
153: :2019/01/26(土) 23:15:25.05 ID:CtWp3dmt.net
海未「……」
海未「さすがに冷えますね」
海未「部室で待っていた方がよいでしょうか」
絵里「……ごめん、遅くなって!」
海未「!」
海未「絵里、遅いで……」
「あっ、海未先輩、こんにちは」
「絵里先輩、どこかへ行くんですか?」
絵里「ええ、待ち合わせをしていたの。だから……」
「私たちもご一緒していいですか!?」
「お二人が行くところ、どんな感じなのか興味あります!」
「おねがいしますっ!」
絵里「……困ったわね」
海未「……」
海未「さすがに冷えますね」
海未「部室で待っていた方がよいでしょうか」
絵里「……ごめん、遅くなって!」
海未「!」
海未「絵里、遅いで……」
「あっ、海未先輩、こんにちは」
「絵里先輩、どこかへ行くんですか?」
絵里「ええ、待ち合わせをしていたの。だから……」
「私たちもご一緒していいですか!?」
「お二人が行くところ、どんな感じなのか興味あります!」
「おねがいしますっ!」
絵里「……困ったわね」
海未「……」
154: :2019/01/26(土) 23:16:32.72 ID:CtWp3dmt.net
海未「すみません。今日は用事ができたので先に帰ります」
絵里「え?」
海未「話は明日の朝練の時にしましょう」
絵里「ちょ、ちょっと」
海未「それでは」
絵里「あ、待って!」
絵里「……行っちゃった」
絵里「え?」
海未「話は明日の朝練の時にしましょう」
絵里「ちょ、ちょっと」
海未「それでは」
絵里「あ、待って!」
絵里「……行っちゃった」
155: :2019/01/26(土) 23:19:23.40 ID:CtWp3dmt.net
―翌日―
海未「……くしゅん!」
穂乃果「大丈夫? 朝練にも来なかったけど、風邪でも引いたの?」
海未「いえ、そんなことは」
ことり「でも、今朝から元気ないよ。ほんとに平気?」
海未「大丈夫です。練習も大事を取っただけです。心配させてすみません」
ことり「ならいいけどぉ……」
海未「……くしゅん!」
穂乃果「大丈夫? 朝練にも来なかったけど、風邪でも引いたの?」
海未「いえ、そんなことは」
ことり「でも、今朝から元気ないよ。ほんとに平気?」
海未「大丈夫です。練習も大事を取っただけです。心配させてすみません」
ことり「ならいいけどぉ……」
156: :2019/01/26(土) 23:22:00.92 ID:CtWp3dmt.net
海未「……」
海未「……くしゅん!」
海未「……」
海未「……もう六時ですね」
海未「待ち合わせをしたわけでもないのに、私は何をしているのでしょうか」
海未「……」
海未「……帰りましょう」
絵里「……うみっ!」
海未「……くしゅん!」
海未「……」
海未「……もう六時ですね」
海未「待ち合わせをしたわけでもないのに、私は何をしているのでしょうか」
海未「……」
海未「……帰りましょう」
絵里「……うみっ!」
158: :2019/01/26(土) 23:23:06.84 ID:CtWp3dmt.net
絵里「ここにいたのね!」
海未「……絵里?」
絵里「ほら、はやく行くわよ。せっかく誘いを断ってきたのにまた見つかっちゃう」
海未「断って……?」
絵里「後輩たちよ。さすがにしつこいから断っちゃった」
海未「いいのですか?」
絵里「ええ。それに何か話があったんでしょう? そっちの方が大切よ」
海未「……」
絵里「さっ、行くわよ」
海未「……絵里?」
絵里「ほら、はやく行くわよ。せっかく誘いを断ってきたのにまた見つかっちゃう」
海未「断って……?」
絵里「後輩たちよ。さすがにしつこいから断っちゃった」
海未「いいのですか?」
絵里「ええ。それに何か話があったんでしょう? そっちの方が大切よ」
海未「……」
絵里「さっ、行くわよ」
159: :2019/01/26(土) 23:27:28.09 ID:CtWp3dmt.net
絵里「それで、話って? 生徒会のことって言ってたかしら?」
海未「そのことですが、先ほど解決しました」
絵里「えぇ!?」
海未「解決した、ということを伝えたかったのです」
絵里「そうなの? じゃあ、私の勘違いだったってわけ?」
海未「そうなりますね」
絵里「そのためだけにわざわざ私を待ってたってこと?」
海未「……はい」
絵里「まじめねぇ。ライン連絡とかでいいのに」
海未「そそっかしい絵里に伝わるか不安でしたから」
絵里「ひとこと多いのよ、まったく」
絵里「まっ、たまには二人きりで帰るのも静かでいいかもね」
海未「そのことですが、先ほど解決しました」
絵里「えぇ!?」
海未「解決した、ということを伝えたかったのです」
絵里「そうなの? じゃあ、私の勘違いだったってわけ?」
海未「そうなりますね」
絵里「そのためだけにわざわざ私を待ってたってこと?」
海未「……はい」
絵里「まじめねぇ。ライン連絡とかでいいのに」
海未「そそっかしい絵里に伝わるか不安でしたから」
絵里「ひとこと多いのよ、まったく」
絵里「まっ、たまには二人きりで帰るのも静かでいいかもね」
160: :2019/01/26(土) 23:31:58.13 ID:CtWp3dmt.net
『かえりみち』
海未「……」
絵里「……」
海未「……えり」
絵里「なに?」
海未「手が寒いです」
絵里「てぶくろは?」
海未「学校に忘れてきました」
絵里「あら、そそっかしいのは私だけじゃなかったようね」
海未「絵里のぽんこつがうつったからです。責任とってください」
絵里「……むちゃくちゃ言うわね」
海未「……」
絵里「……」
海未「……えり」
絵里「なに?」
海未「手が寒いです」
絵里「てぶくろは?」
海未「学校に忘れてきました」
絵里「あら、そそっかしいのは私だけじゃなかったようね」
海未「絵里のぽんこつがうつったからです。責任とってください」
絵里「……むちゃくちゃ言うわね」
161: :2019/01/26(土) 23:35:31.56 ID:CtWp3dmt.net
絵里「ほら、手、出しなさい」
海未「……?」スッ
絵里「……」ニギッ
海未「!」
絵里「これで満足かしら?」
海未「……あたたかいです」
絵里「おばあさまに編んでもらったんだもの。当然よ」
海未「……?」スッ
絵里「……」ニギッ
海未「!」
絵里「これで満足かしら?」
海未「……あたたかいです」
絵里「おばあさまに編んでもらったんだもの。当然よ」
162: :2019/01/26(土) 23:45:32.05 ID:CtWp3dmt.net
海未「えり」
絵里「今度はなに?」
海未「もう片方の手も冷たいのですが」
絵里「……両手つないでダンスでもする?」
海未「いえ、こうします」ピトッ
絵里「つめたっ!?」
海未「これでおあいこです」
絵里「どういうこと!?」
海未「私だけ冷たいのは不公平ですから」ピトッ
絵里「ひゃっ!? 冷たいってば! 手、離すわよ!」
海未「だめです」
絵里「もうっ! うみっ!」
海未「~♪」
絵里「今度はなに?」
海未「もう片方の手も冷たいのですが」
絵里「……両手つないでダンスでもする?」
海未「いえ、こうします」ピトッ
絵里「つめたっ!?」
海未「これでおあいこです」
絵里「どういうこと!?」
海未「私だけ冷たいのは不公平ですから」ピトッ
絵里「ひゃっ!? 冷たいってば! 手、離すわよ!」
海未「だめです」
絵里「もうっ! うみっ!」
海未「~♪」
172: :2019/01/29(火) 23:12:06.01 ID:2Qah3SkZ.net
『おねがい』
絵里「チョコ食べる?」
海未「では頂きます」
絵里「どうぞ。好きなだけ食べて」
海未「こんなにたくさんどうしたのですか?」
絵里「もらったのよ。バレンタインだからって」
海未「え? バレンタインは来週ではありませんか」
絵里「当日はへんに緊張しちゃうから先に渡しておくんだって」
海未「……それでこの量ですか?」
絵里「ほんとよねぇ。困っちゃうわ」
海未「絵里のぽんこつな写真ばらまいてきましょうか? 少しは減るのでは」
絵里「え!? この前ぜんぶ消したって言ってたじゃない!」
海未「また撮りました」
絵里「消しなさいっ!」
絵里「チョコ食べる?」
海未「では頂きます」
絵里「どうぞ。好きなだけ食べて」
海未「こんなにたくさんどうしたのですか?」
絵里「もらったのよ。バレンタインだからって」
海未「え? バレンタインは来週ではありませんか」
絵里「当日はへんに緊張しちゃうから先に渡しておくんだって」
海未「……それでこの量ですか?」
絵里「ほんとよねぇ。困っちゃうわ」
海未「絵里のぽんこつな写真ばらまいてきましょうか? 少しは減るのでは」
絵里「え!? この前ぜんぶ消したって言ってたじゃない!」
海未「また撮りました」
絵里「消しなさいっ!」
173: :2019/01/29(火) 23:14:31.03 ID:2Qah3SkZ.net
絵里「ところで、海未ちゃんはどんなすばらしいチョコをくれるのかしら?」
海未「さっきと言っていることが違いませんか? もらいすぎて困っているのでしょう」
絵里「それとこれとは別よ。それに、わたし、海未からチョコもらったことないもの」
海未「当然でしょう。去年の二月は絵里と面識がありませんでしたから」
絵里「それはそうだけど、でも、このままだと海未からチョコをもらえないまま卒業しちゃうことになるわ」
海未「なにか問題が?」
絵里「そんなのいやよ! 私、海未からのチョコがほしいの!」
海未「……まぁ、μ’sのメンバーには配るつもりでしたが」
絵里「ほんと? 期待してるわね!」
海未「さっきと言っていることが違いませんか? もらいすぎて困っているのでしょう」
絵里「それとこれとは別よ。それに、わたし、海未からチョコもらったことないもの」
海未「当然でしょう。去年の二月は絵里と面識がありませんでしたから」
絵里「それはそうだけど、でも、このままだと海未からチョコをもらえないまま卒業しちゃうことになるわ」
海未「なにか問題が?」
絵里「そんなのいやよ! 私、海未からのチョコがほしいの!」
海未「……まぁ、μ’sのメンバーには配るつもりでしたが」
絵里「ほんと? 期待してるわね!」
174: :2019/01/29(火) 23:17:02.04 ID:2Qah3SkZ.net
『おいしいチョコを求めて』
ことり「チョコの作り方を教えてほしい?」
海未「ことりはそういうの得意でしょう」
ことり「……誰にあげるの?」
海未「μ'sのみんなに配ろうと思っていますが」
ことり「あっ、そうなんだぁ」ホッ
海未「引き受けていただけますか?」
ことり「もちろん! 穂乃果ちゃんと、三人で作ろうね!」
海未「はい。よろしくお願いします」
ことり「チョコの作り方を教えてほしい?」
海未「ことりはそういうの得意でしょう」
ことり「……誰にあげるの?」
海未「μ'sのみんなに配ろうと思っていますが」
ことり「あっ、そうなんだぁ」ホッ
海未「引き受けていただけますか?」
ことり「もちろん! 穂乃果ちゃんと、三人で作ろうね!」
海未「はい。よろしくお願いします」
175: :2019/01/29(火) 23:21:15.02 ID:2Qah3SkZ.net
――家庭室――
穂乃果「みてみて! チョコほのまんだよ!」
ことり「おいしそう! ことりも食べたい!」
穂乃果「だーめ! 当日のお楽しみ! 海未ちゃんはできた?」
海未「こんな感じになりました」
穂乃果「おおっ、シンプルだね」
ことり「海未ちゃんらしいね」
海未「二人とも、ありがとうございます。後片付けは私がしておきますので」
穂乃果「え? 私も手伝うよ」
ことり「ことりも」
海未「い、いえ、大丈夫です。帰りに用事もありますので」
穂乃果「そうなの? 一緒に付き合うのに」
海未「本当に大丈夫です。ありがとうございました」
ことり「……」
穂乃果「みてみて! チョコほのまんだよ!」
ことり「おいしそう! ことりも食べたい!」
穂乃果「だーめ! 当日のお楽しみ! 海未ちゃんはできた?」
海未「こんな感じになりました」
穂乃果「おおっ、シンプルだね」
ことり「海未ちゃんらしいね」
海未「二人とも、ありがとうございます。後片付けは私がしておきますので」
穂乃果「え? 私も手伝うよ」
ことり「ことりも」
海未「い、いえ、大丈夫です。帰りに用事もありますので」
穂乃果「そうなの? 一緒に付き合うのに」
海未「本当に大丈夫です。ありがとうございました」
ことり「……」
176: :2019/01/29(火) 23:23:32.51 ID:2Qah3SkZ.net
海未「……帰ったようですね」
海未「ふたりのおかげでコツはつかめました」
海未「さて、作りましょう」
海未「絵里は苦いチョコが好きだと言っていましたから、カカオの含有率が高いものを……」
ことり「それだけ苦いチョコを使うなら、隠し味にホワイトチョコを少し混ぜるといいかも」
海未「なるほど。ホワイトチョコを……」
海未「!?」
海未「ふたりのおかげでコツはつかめました」
海未「さて、作りましょう」
海未「絵里は苦いチョコが好きだと言っていましたから、カカオの含有率が高いものを……」
ことり「それだけ苦いチョコを使うなら、隠し味にホワイトチョコを少し混ぜるといいかも」
海未「なるほど。ホワイトチョコを……」
海未「!?」
177: :2019/01/29(火) 23:26:08.94 ID:2Qah3SkZ.net
海未「ことり!?」
ことり「えへへ、聞いちゃった。絵里ちゃんにあげるチョコ作るんでしょ?」
海未「そ、それは……!」
ことり「海未ちゃん、本当に絵里ちゃんのことが好きなんだね!」
海未「ち、ちがいますっ! これは絵里に頼まれたから仕方なく……!」
ことり「ほら、ことりも手伝うから。絵里ちゃんのために美味しいの作ろうね!」
海未「だから絵里のためでは……!」
ことり「手伝ってほしくないの?」
海未「……手伝ってください」
ことり「うん!」
ことり「えへへ、聞いちゃった。絵里ちゃんにあげるチョコ作るんでしょ?」
海未「そ、それは……!」
ことり「海未ちゃん、本当に絵里ちゃんのことが好きなんだね!」
海未「ち、ちがいますっ! これは絵里に頼まれたから仕方なく……!」
ことり「ほら、ことりも手伝うから。絵里ちゃんのために美味しいの作ろうね!」
海未「だから絵里のためでは……!」
ことり「手伝ってほしくないの?」
海未「……手伝ってください」
ことり「うん!」
178: :2019/01/29(火) 23:29:48.96 ID:2Qah3SkZ.net
『バレンタイン』
海未「えり」
絵里「あら、海未、チョコありがとう。美味しかったわよ」
海未「その、もうひとつ渡したいものがありまして」
絵里「何かしら」
海未「どうぞ」
絵里「これ、チョコ? さっきのとは別みたいだけど」
海未「その、えり、前に言っていたでしょう。期待していると。だから、その、期待にこたえられたかどうかは、分かりませんが」
絵里「……」
海未「と、とにかく、食べてください!」
絵里「いただくわ」
海未「えり」
絵里「あら、海未、チョコありがとう。美味しかったわよ」
海未「その、もうひとつ渡したいものがありまして」
絵里「何かしら」
海未「どうぞ」
絵里「これ、チョコ? さっきのとは別みたいだけど」
海未「その、えり、前に言っていたでしょう。期待していると。だから、その、期待にこたえられたかどうかは、分かりませんが」
絵里「……」
海未「と、とにかく、食べてください!」
絵里「いただくわ」
179: :2019/01/29(火) 23:31:10.10 ID:2Qah3SkZ.net
絵里「……パクッ」モグモグ
絵里「!」
海未「ど、どうでしょうか?」
絵里「美味しい! すごく美味しいわ!」
絵里「わたし、本当は苦いチョコの方が好きなの。これ、わたしの好みにぴったりよ!」
海未「それは、よかったです」
絵里「今日もらったチョコの中で一番おいしいわ! 海未、ありがとう!」
海未「……約束は果たしました。それでは、また」
絵里「待って!」
絵里「!」
海未「ど、どうでしょうか?」
絵里「美味しい! すごく美味しいわ!」
絵里「わたし、本当は苦いチョコの方が好きなの。これ、わたしの好みにぴったりよ!」
海未「それは、よかったです」
絵里「今日もらったチョコの中で一番おいしいわ! 海未、ありがとう!」
海未「……約束は果たしました。それでは、また」
絵里「待って!」
180: :2019/01/29(火) 23:32:07.02 ID:2Qah3SkZ.net
絵里「はい、これ」
海未「え?」
絵里「実はわたしも海未に作ってきたの。タイミングが合わなくてさっきは渡せなかったけれど」
海未「……わたしに?」
絵里「そうよ。食べてみて」
海未「……」
海未「……カプリ」モグモグ
海未「……!」
海未「え?」
絵里「実はわたしも海未に作ってきたの。タイミングが合わなくてさっきは渡せなかったけれど」
海未「……わたしに?」
絵里「そうよ。食べてみて」
海未「……」
海未「……カプリ」モグモグ
海未「……!」
181: :2019/01/29(火) 23:33:43.58 ID:2Qah3SkZ.net
海未「おいしいです」
絵里「ほんと? よかった」
海未「ですが、隠し味でしょうか? 不思議な味がします」
絵里「ふふっ、それが分からないところ、やっぱりまだ子どもね」
海未「どういう意味ですか」
絵里「そのままの意味よ」
海未「……なにか引っかかりますが、ごちそうさまでした」
絵里「ええ。これで思い残すことはないわ」
海未「そのセリフはラブライブで優勝した後に言ってください」
絵里「ほんと? よかった」
海未「ですが、隠し味でしょうか? 不思議な味がします」
絵里「ふふっ、それが分からないところ、やっぱりまだ子どもね」
海未「どういう意味ですか」
絵里「そのままの意味よ」
海未「……なにか引っかかりますが、ごちそうさまでした」
絵里「ええ。これで思い残すことはないわ」
海未「そのセリフはラブライブで優勝した後に言ってください」
182: :2019/01/30(水) 00:05:46.75 ID:h7rMVzrL.net
『バレンタイン その後』
絵里「さて、それじゃ帰りましょうか」
海未「……」
絵里「海未、帰るわよ」
海未「……」
絵里「海未?」
海未「いやです」
絵里「え?」
海未「えりといっしょがいいです」
絵里「……はい?」
海未「えり、あそびましょう」
絵里「さて、それじゃ帰りましょうか」
海未「……」
絵里「海未、帰るわよ」
海未「……」
絵里「海未?」
海未「いやです」
絵里「え?」
海未「えりといっしょがいいです」
絵里「……はい?」
海未「えり、あそびましょう」
183: :2019/01/30(水) 00:08:42.65 ID:h7rMVzrL.net
海未「えりー、えりー、えりー」グイグイ
絵里「ちょっと!? 服引っ張らないで!」
海未「あそびましょうよー」グイグイ
絵里「……もしかして、あのチョコで酔っぱらっちゃったの?」
海未「いきますよー」ガシッ
絵里「え?」
海未「しゅっぱつですー」
絵里「え!? どこ行くのよ!?」
海未「やまですー。やまはいいですよー」
絵里「う、うそでしょ!?」
海未「さんちょーあたっくですー」
絵里「ま、まって! だ、だれかたすけてぇ~!!!」
絵里「ちょっと!? 服引っ張らないで!」
海未「あそびましょうよー」グイグイ
絵里「……もしかして、あのチョコで酔っぱらっちゃったの?」
海未「いきますよー」ガシッ
絵里「え?」
海未「しゅっぱつですー」
絵里「え!? どこ行くのよ!?」
海未「やまですー。やまはいいですよー」
絵里「う、うそでしょ!?」
海未「さんちょーあたっくですー」
絵里「ま、まって! だ、だれかたすけてぇ~!!!」
193: :2019/02/01(金) 23:17:17.44 ID:6A3uqEoS.net
『お泊り』
穂乃果「ふう! このくらいにしておこっか!」
海未「そうですね。今日は無理をしても仕方ありませんから」
ことり「それじゃ、今からお泊りだね!」
真姫「係を決めた方がいいんじゃない」
絵里「食事を作る班と、寝床を確保する班に別れましょうか」
希「それじゃあ、うちは料理! にこっちが失敗しないように見張ってる!」
にこ「なんでにこが作ること前提なのよ!」
凛「りんも手伝うにゃ~!」
花陽「じ、じゃあわたしも」
穂乃果「ほのかも手伝うよ!」
にこ「待ちなさい! まともなのが花陽くらいしかいないんだけど!?」
絵里「……わたしも行くわ。海未、寝床の方、お願いね」
海未「了解です」
穂乃果「ふう! このくらいにしておこっか!」
海未「そうですね。今日は無理をしても仕方ありませんから」
ことり「それじゃ、今からお泊りだね!」
真姫「係を決めた方がいいんじゃない」
絵里「食事を作る班と、寝床を確保する班に別れましょうか」
希「それじゃあ、うちは料理! にこっちが失敗しないように見張ってる!」
にこ「なんでにこが作ること前提なのよ!」
凛「りんも手伝うにゃ~!」
花陽「じ、じゃあわたしも」
穂乃果「ほのかも手伝うよ!」
にこ「待ちなさい! まともなのが花陽くらいしかいないんだけど!?」
絵里「……わたしも行くわ。海未、寝床の方、お願いね」
海未「了解です」
194: :2019/02/01(金) 23:20:48.93 ID:6A3uqEoS.net
『布団チーム』
海未「――こんなものでしょうか」
真姫「……ねえ、布団こんなにくっつける必要ある?」
海未「ことりに言ってください」
ことり「えへへ、こんな機会もうないかなって」
真姫「そうかもしれないけど……」
ことり「真姫ちゃん、いや?」
真姫「い、いやってわけじゃ」
ことり「おねがぁい!」
真姫「うっ」
海未「……あきらめた方がいいですよ」
真姫「わ、わかったわよ!」
ことり「やったぁ!」
海未「――こんなものでしょうか」
真姫「……ねえ、布団こんなにくっつける必要ある?」
海未「ことりに言ってください」
ことり「えへへ、こんな機会もうないかなって」
真姫「そうかもしれないけど……」
ことり「真姫ちゃん、いや?」
真姫「い、いやってわけじゃ」
ことり「おねがぁい!」
真姫「うっ」
海未「……あきらめた方がいいですよ」
真姫「わ、わかったわよ!」
ことり「やったぁ!」
195: :2019/02/01(金) 23:22:17.23 ID:6A3uqEoS.net
真姫「向こうはどうなってるのかしら」
海未「そろそろ完成するころでしょう」
ことり「お手伝いしに行く?」
海未「そうですね。料理を部室まで運ぶ必要がありますから」
真姫「それじゃ、行くわよ」
海未「そろそろ完成するころでしょう」
ことり「お手伝いしに行く?」
海未「そうですね。料理を部室まで運ぶ必要がありますから」
真姫「それじゃ、行くわよ」
196: :2019/02/01(金) 23:24:52.56 ID:6A3uqEoS.net
『料理チーム』
にこ「花陽、ごはんは!?」
花陽「炊けたよぉ!」
にこ「絵里、サラダは!?」
絵里「準備できてるわ」
にこ「よし、あとは……」
穂乃果「ねぇ、適量ってどれくらい?」
凛「よく分かんない」
希「適当な量ってことやろ? 適当でいいんやない?」
穂乃果「なるほど!」
凛「さっすが希ちゃんにゃ!」
にこ「……あたま痛くなってくるわ」
にこ「花陽、ごはんは!?」
花陽「炊けたよぉ!」
にこ「絵里、サラダは!?」
絵里「準備できてるわ」
にこ「よし、あとは……」
穂乃果「ねぇ、適量ってどれくらい?」
凛「よく分かんない」
希「適当な量ってことやろ? 適当でいいんやない?」
穂乃果「なるほど!」
凛「さっすが希ちゃんにゃ!」
にこ「……あたま痛くなってくるわ」
197: :2019/02/01(金) 23:27:14.16 ID:6A3uqEoS.net
海未「こちらは終わりましたが、どんな感じでしょうか?」
にこ「いいタイミングよ! その3バカの代わりにスープの仕上げお願い!」
穂乃果「3バカ?」
希「って?」
凛「誰のこと?」
にこ「あんたらはさっさと食器運びなさいっ!」
穂乃果・凛・希「はーい!」
にこ「いいタイミングよ! その3バカの代わりにスープの仕上げお願い!」
穂乃果「3バカ?」
希「って?」
凛「誰のこと?」
にこ「あんたらはさっさと食器運びなさいっ!」
穂乃果・凛・希「はーい!」
198: :2019/02/01(金) 23:35:55.98 ID:6A3uqEoS.net
『食後』
絵里「これで片付けは終わりね。あとは寝るだけかしら」
海未「そうですね。今日は早めに休みましょう」
絵里「その前にちょっとだけ付き合ってよ」
海未「お手洗いですか? えりの怖がりにも困ったものですね」
絵里「違うわよっ! ちょっと話したいことがあるだけよ!」
海未「そうですか?」
絵里「ほら、行くわよ!」
絵里「これで片付けは終わりね。あとは寝るだけかしら」
海未「そうですね。今日は早めに休みましょう」
絵里「その前にちょっとだけ付き合ってよ」
海未「お手洗いですか? えりの怖がりにも困ったものですね」
絵里「違うわよっ! ちょっと話したいことがあるだけよ!」
海未「そうですか?」
絵里「ほら、行くわよ!」
199: :2019/02/01(金) 23:41:56.63 ID:6A3uqEoS.net
『屋上で』
絵里「屋上、結構寒いわね」
海未「まだ冬があけたばかりですから」
絵里「風邪でも引いたら大変ね。長居はできないわ」
海未「それで、話したいこととは?」
絵里「特にないわ。海未と二人きりになりたかっただけ」
海未「……は?」
絵里「なによ。海未だって生徒会の話があるとかなんとか嘘ついて私を連れ出したじゃない」
海未「あれは嘘ではなく、単純に解決しただけだと言ったではありませんか」
絵里「どうかしら? 後輩にわたしを取られて嫉妬してたんじゃないの?」
海未「……帰ります」
絵里「うそうそっ! ごめんってば!」
絵里「屋上、結構寒いわね」
海未「まだ冬があけたばかりですから」
絵里「風邪でも引いたら大変ね。長居はできないわ」
海未「それで、話したいこととは?」
絵里「特にないわ。海未と二人きりになりたかっただけ」
海未「……は?」
絵里「なによ。海未だって生徒会の話があるとかなんとか嘘ついて私を連れ出したじゃない」
海未「あれは嘘ではなく、単純に解決しただけだと言ったではありませんか」
絵里「どうかしら? 後輩にわたしを取られて嫉妬してたんじゃないの?」
海未「……帰ります」
絵里「うそうそっ! ごめんってば!」
200: :2019/02/01(金) 23:46:01.52 ID:6A3uqEoS.net
絵里「ついに明日ね。緊張してる?」
海未「えりが失敗しないか不安で夜も眠れません」
絵里「だからごめんってば。機嫌直してよ」
海未「……緊張してないといえば嘘になりますが」
絵里「そっか」
海未「えりはどうなのですか?」
絵里「もちろん緊張してるわ。でも、嫌じゃない。むしろ心地よく感じるほどよ」
海未「ずいぶんと強気ですね」
絵里「だって私、いま、すっごく幸せだもの」
絵里「このままずっとμ'sのみんなと学校に泊まり続けて、ラブライブの決勝を明日に控えた一日を永遠に繰り返す」
絵里「そうなってもいいなって思うくらいに」
海未「……」
海未「えりが失敗しないか不安で夜も眠れません」
絵里「だからごめんってば。機嫌直してよ」
海未「……緊張してないといえば嘘になりますが」
絵里「そっか」
海未「えりはどうなのですか?」
絵里「もちろん緊張してるわ。でも、嫌じゃない。むしろ心地よく感じるほどよ」
海未「ずいぶんと強気ですね」
絵里「だって私、いま、すっごく幸せだもの」
絵里「このままずっとμ'sのみんなと学校に泊まり続けて、ラブライブの決勝を明日に控えた一日を永遠に繰り返す」
絵里「そうなってもいいなって思うくらいに」
海未「……」
201: :2019/02/01(金) 23:52:24.64 ID:6A3uqEoS.net
海未「わたしは嫌ですよ。そんなの」
絵里「……海未?」
海未「私たちはもっと先へ進んでいく。それはラブライブが終わっても、μ'sがおしまいになっても、……えりたちが卒業しても変わらない」
海未「私たちは進まなければならないんです。それが残された私たちの役目ですから」
絵里「そうかしら」
海未「そうなのです」
絵里「……そうかもね」
絵里「……海未?」
海未「私たちはもっと先へ進んでいく。それはラブライブが終わっても、μ'sがおしまいになっても、……えりたちが卒業しても変わらない」
海未「私たちは進まなければならないんです。それが残された私たちの役目ですから」
絵里「そうかしら」
海未「そうなのです」
絵里「……そうかもね」
202: :2019/02/02(土) 00:13:12.53 ID:rT8giZ7O.net
絵里「あーあ、なんかしんみりしちゃった。海未が真面目なこと言うから」
海未「えりが変なことを言うからでしょう」
絵里「もっと明るい話題にしましょうか」
海未「まだ話すのですか? そろそろ冷えてきたのですが」
絵里「だったら、最後に一つだけいいかしら」
海未「どうぞ」
絵里「……絶対に優勝するわよ」
海未「!」
絵里「ここまで来れたんだもの。いちばんになって、最高の景色を見るわよ。それくらい望んでもいいでしょ?」
海未「……はい!」
海未「えりが変なことを言うからでしょう」
絵里「もっと明るい話題にしましょうか」
海未「まだ話すのですか? そろそろ冷えてきたのですが」
絵里「だったら、最後に一つだけいいかしら」
海未「どうぞ」
絵里「……絶対に優勝するわよ」
海未「!」
絵里「ここまで来れたんだもの。いちばんになって、最高の景色を見るわよ。それくらい望んでもいいでしょ?」
海未「……はい!」
213: :2019/02/04(月) 22:18:42.79 ID:CegrjQ9i.net
『余韻』
絵里「……」
海未「えり」
絵里「あら、海未」
海未「朝からずっと眺めていませんか」
絵里「いいでしょ。今日くらい」
海未「別に構いませんが」
絵里「……ねぇ、海未」
海未「はい」
絵里「私たち優勝したのよね。夢じゃないわよね」
海未「当然です。私だってはっきりと覚えていますから」
絵里「……そうよね」
絵里「……」
海未「えり」
絵里「あら、海未」
海未「朝からずっと眺めていませんか」
絵里「いいでしょ。今日くらい」
海未「別に構いませんが」
絵里「……ねぇ、海未」
海未「はい」
絵里「私たち優勝したのよね。夢じゃないわよね」
海未「当然です。私だってはっきりと覚えていますから」
絵里「……そうよね」
214: :2019/02/04(月) 22:21:15.29 ID:CegrjQ9i.net
海未「えりがそこまで優勝にこだわっていたなんて、少し意外です」
絵里「だって、はじめてだもの。友達と一緒に全力で何かをするのも、一番になるのも。バレエはずっと一人だったし、優勝したこともなかったから」
海未「……」
絵里「ほら、海未も隣に座りなさい。喜びを分かち合いましょう」
海未「……もう十分なのですが」
絵里「いいじゃない。ほらっ」
絵里「だって、はじめてだもの。友達と一緒に全力で何かをするのも、一番になるのも。バレエはずっと一人だったし、優勝したこともなかったから」
海未「……」
絵里「ほら、海未も隣に座りなさい。喜びを分かち合いましょう」
海未「……もう十分なのですが」
絵里「いいじゃない。ほらっ」
215: :2019/02/04(月) 22:24:45.07 ID:CegrjQ9i.net
絵里「そういえば、決勝の時もアンコールの時も投げキッスしなかったわね」
海未「そういえばそうですね」
絵里「……もしかして、私の言ったことまだ気にしてるの?」
海未「だから、それはもとから気にしていないと言ったではありませんか」
絵里「そうだけど……」
海未「あんなに多くの人の前でするのが憚られただけです。PV撮影とは違いますから」
絵里「それならいいんけど」
海未「……それに、他の人には見せたくないのでしょう」
絵里「え?」
海未「なんでもないです」
海未「そういえばそうですね」
絵里「……もしかして、私の言ったことまだ気にしてるの?」
海未「だから、それはもとから気にしていないと言ったではありませんか」
絵里「そうだけど……」
海未「あんなに多くの人の前でするのが憚られただけです。PV撮影とは違いますから」
絵里「それならいいんけど」
海未「……それに、他の人には見せたくないのでしょう」
絵里「え?」
海未「なんでもないです」
216: :2019/02/04(月) 22:31:53.17 ID:CegrjQ9i.net
絵里「あれ、もう行っちゃうの?」
海未「明日の式の準備がありますから」
絵里「なら仕方ないわね」
海未「答辞、しっかり決めてくださいよ。元生徒会長として」
絵里「大丈夫。すでに準備は万端よ。この式でポンコツなんて言葉ともお別れかもね」
海未「あまり調子に乗っていると足元をすくわれますよ」
絵里「ラブライブ決勝っていう最大のイベントを終えたのよ。もうすくわれようがないわ」
海未「……どうでしょうか」
海未「明日の式の準備がありますから」
絵里「なら仕方ないわね」
海未「答辞、しっかり決めてくださいよ。元生徒会長として」
絵里「大丈夫。すでに準備は万端よ。この式でポンコツなんて言葉ともお別れかもね」
海未「あまり調子に乗っていると足元をすくわれますよ」
絵里「ラブライブ決勝っていう最大のイベントを終えたのよ。もうすくわれようがないわ」
海未「……どうでしょうか」
217: :2019/02/04(月) 22:33:01.30 ID:CegrjQ9i.net
『事件』
―翌日―
絵里「う、うみっ!」
海未「どうしたのですか。そんなに慌てて」
絵里「ちょ、ちょっときて! おねがいっ!」
海未「え?」
絵里「はやくっ!」
海未「わ、わかりましたから」
―翌日―
絵里「う、うみっ!」
海未「どうしたのですか。そんなに慌てて」
絵里「ちょ、ちょっときて! おねがいっ!」
海未「え?」
絵里「はやくっ!」
海未「わ、わかりましたから」
218: :2019/02/04(月) 22:37:17.71 ID:CegrjQ9i.net
海未「え!? 答辞の原稿が見当たらない!?」
絵里「そ、そうなのよ! 心当たりのある場所は全部探したんだけど……」
海未「最後に原稿を見たのはいつですか」
絵里「昨日の夜、自分の部屋でチェックしたのが最後だと思うの。でも、電話して亜里沙に聞いてみたんだけど、どこにもないって」
海未「鞄の中は? 隅々まで探しましたか?」
絵里「もちろんよ。でもどこにもなくて……」
海未「……」
絵里「ねえ、どうしよう!? わたし、こんな大事な時に……!」
海未「落ち着いてください。式まであと二時間ほどあります。何か手はあるはずです」
絵里「そ、そうなのよ! 心当たりのある場所は全部探したんだけど……」
海未「最後に原稿を見たのはいつですか」
絵里「昨日の夜、自分の部屋でチェックしたのが最後だと思うの。でも、電話して亜里沙に聞いてみたんだけど、どこにもないって」
海未「鞄の中は? 隅々まで探しましたか?」
絵里「もちろんよ。でもどこにもなくて……」
海未「……」
絵里「ねえ、どうしよう!? わたし、こんな大事な時に……!」
海未「落ち着いてください。式まであと二時間ほどあります。何か手はあるはずです」
219: :2019/02/04(月) 22:39:02.31 ID:CegrjQ9i.net
海未「この話、他の人には?」
絵里「してないわ。海未がはじめてよ」
海未「それでは、学校に着いてからの行動を教えてください。他のメンバーにも連絡して探してみます」
絵里「わたしも一種に……!」
海未「えりは少しでも内容を思い出してください。新しい紙を用意しますから」
絵里「……分かったわ」
絵里「してないわ。海未がはじめてよ」
海未「それでは、学校に着いてからの行動を教えてください。他のメンバーにも連絡して探してみます」
絵里「わたしも一種に……!」
海未「えりは少しでも内容を思い出してください。新しい紙を用意しますから」
絵里「……分かったわ」
220: :2019/02/04(月) 22:42:13.20 ID:CegrjQ9i.net
『捜索』
穂乃果「海未ちゃん、生徒会室にはなかったよ!」
ことり「部室にもないよ!」
海未「学校にないとすれば、やはり絵里の家でしょうか」
穂乃果「どうする? お父さんに言って車出してもらう?」
海未「あと一時間、往復で間に合うかどうか……」
ことり「少し厳しいかも」
海未「とりあえず、えりに確認してみます」
穂乃果「海未ちゃん、生徒会室にはなかったよ!」
ことり「部室にもないよ!」
海未「学校にないとすれば、やはり絵里の家でしょうか」
穂乃果「どうする? お父さんに言って車出してもらう?」
海未「あと一時間、往復で間に合うかどうか……」
ことり「少し厳しいかも」
海未「とりあえず、えりに確認してみます」
221: :2019/02/04(月) 22:44:42.92 ID:CegrjQ9i.net
海未「えり、どうですか?」
絵里「半分くらいは思い出せたけど……」
海未「学校にはありませんでした。やはり、家にある可能性が高いと思います」
絵里「式まであと一時間……、行って帰ってくるだけでギリギリだわ」
海未「しかし、決断するなら早いほうがいいかと。どうしますか?」
絵里「……」
亜里沙「お姉ちゃん!」
絵里「亜里沙!?」
絵里「半分くらいは思い出せたけど……」
海未「学校にはありませんでした。やはり、家にある可能性が高いと思います」
絵里「式まであと一時間……、行って帰ってくるだけでギリギリだわ」
海未「しかし、決断するなら早いほうがいいかと。どうしますか?」
絵里「……」
亜里沙「お姉ちゃん!」
絵里「亜里沙!?」
222: :2019/02/04(月) 22:50:31.87 ID:CegrjQ9i.net
絵里「どうしてここに……!」
亜里沙「原稿、見つからないの?」
絵里「……大丈夫よ、ほとんど覚えてるから。何も問題ないわ」
亜里沙「お姉ちゃん……」
海未「……」
海未「亜里沙、もう一度家を探すの、手伝ってもらえませんか? 私も一緒に行きますから」
絵里「海未!? わたしは大丈夫だって……!」
海未「そうかもしれません。でも、そうでないかもしれない。私はそんな絵里を見たくありません」
絵里「……!」
亜里沙「原稿、見つからないの?」
絵里「……大丈夫よ、ほとんど覚えてるから。何も問題ないわ」
亜里沙「お姉ちゃん……」
海未「……」
海未「亜里沙、もう一度家を探すの、手伝ってもらえませんか? 私も一緒に行きますから」
絵里「海未!? わたしは大丈夫だって……!」
海未「そうかもしれません。でも、そうでないかもしれない。私はそんな絵里を見たくありません」
絵里「……!」
223: :2019/02/04(月) 22:55:49.64 ID:CegrjQ9i.net
海未「では、向かいます。亜里沙、準備はいいですか?」
亜里沙「はい!」
雪穂「……あの、一ついいですか?」
海未「雪穂、すみません、今は時間が……」
雪穂「そういう原稿って、予備にコピーしたものを先生に預けてるんじゃないですか? お姉ちゃん、そうしてたような」
海未「まさか。そうであればえりも気付く……」
絵里「あっ」
海未「……え?」
絵里「そういえば、あずけた、かも……」
亜里沙「はい!」
雪穂「……あの、一ついいですか?」
海未「雪穂、すみません、今は時間が……」
雪穂「そういう原稿って、予備にコピーしたものを先生に預けてるんじゃないですか? お姉ちゃん、そうしてたような」
海未「まさか。そうであればえりも気付く……」
絵里「あっ」
海未「……え?」
絵里「そういえば、あずけた、かも……」
224: :2019/02/04(月) 23:00:37.58 ID:CegrjQ9i.net
『答辞』
「卒業生を代表して、元生徒会長の絢瀬絵里さん」
絵里「はい!」
ことり「――良かったね。原稿のコピーがあって」
海未「寿命が縮みますよ。まったく」
ことり「穂乃果ちゃんの送辞も大成功だったし、これで安心だね」
海未「そうでしょうか。舞台上でぽんこつを発揮したら洒落になりませんよ」
ことり「大丈夫だよぉ。ほら、はじまるよ」
『肌寒い日々にも別れを告げ、春の暖かさを感じる今日、私たちは学び舎を巣立ちます。思えば三年前、期待と緊張に包まれて……』
「卒業生を代表して、元生徒会長の絢瀬絵里さん」
絵里「はい!」
ことり「――良かったね。原稿のコピーがあって」
海未「寿命が縮みますよ。まったく」
ことり「穂乃果ちゃんの送辞も大成功だったし、これで安心だね」
海未「そうでしょうか。舞台上でぽんこつを発揮したら洒落になりませんよ」
ことり「大丈夫だよぉ。ほら、はじまるよ」
『肌寒い日々にも別れを告げ、春の暖かさを感じる今日、私たちは学び舎を巣立ちます。思えば三年前、期待と緊張に包まれて……』
225: :2019/02/04(月) 23:05:29.93 ID:CegrjQ9i.net
『打ち上げ』
穂乃果「にこちゃん! 絵里ちゃん! 希ちゃん! せーのっ……」
「「「「「「卒業おめでとう!」」」」」」パーン! パーン! パーン!
絵里「ひゃっ!?」
希「驚きすぎやろ」
にこ「ついさっきまではカッコよくきめてたのにねぇ」
海未「まあ、今朝からああでしたからね」
希「言われてみればそうやね」
にこ「結局、どこまでいってもポンコツな訳ね。絵里は」
絵里「ちょ、ちょっと! 好き放題言うのやめてよ!」
穂乃果「にこちゃん! 絵里ちゃん! 希ちゃん! せーのっ……」
「「「「「「卒業おめでとう!」」」」」」パーン! パーン! パーン!
絵里「ひゃっ!?」
希「驚きすぎやろ」
にこ「ついさっきまではカッコよくきめてたのにねぇ」
海未「まあ、今朝からああでしたからね」
希「言われてみればそうやね」
にこ「結局、どこまでいってもポンコツな訳ね。絵里は」
絵里「ちょ、ちょっと! 好き放題言うのやめてよ!」
226: :2019/02/04(月) 23:10:37.61 ID:CegrjQ9i.net
穂乃果「せーのっ……」
みんな「かんぱーい!!!」
凛「あっ、カラオケにゃ~!」
ことり「バイト先から持ってきたの!」
凛「さっすがことりちゃん! かよちん、一緒に歌おう!」
にこ「待ちなさい。花陽は私と歌うのよ! あんたアイドルの曲知らないでしょ!」
凛「かよちんも凛と歌いたいよね!」
花陽「み、みんな一緒じゃだめ?」
みんな「かんぱーい!!!」
凛「あっ、カラオケにゃ~!」
ことり「バイト先から持ってきたの!」
凛「さっすがことりちゃん! かよちん、一緒に歌おう!」
にこ「待ちなさい。花陽は私と歌うのよ! あんたアイドルの曲知らないでしょ!」
凛「かよちんも凛と歌いたいよね!」
花陽「み、みんな一緒じゃだめ?」
227: :2019/02/04(月) 23:25:34.82 ID:CegrjQ9i.net
穂乃果「ん!? 真姫ちゃんのケーキすっごく美味しい!」
ことり「大丈夫? 高価なものじゃない?」
真姫「いいの。家に置いておいても食べきれないから。遠慮しないで」
穂乃果「ほんとっ!? じゃあほのか、もうひとつもーらいっ!」
希「あっ、うちもうちも!」
ことり「じゃあ、ことりも!」
ことり「大丈夫? 高価なものじゃない?」
真姫「いいの。家に置いておいても食べきれないから。遠慮しないで」
穂乃果「ほんとっ!? じゃあほのか、もうひとつもーらいっ!」
希「あっ、うちもうちも!」
ことり「じゃあ、ことりも!」
228: :2019/02/04(月) 23:49:19.08 ID:CegrjQ9i.net
タノシイネッテマイニチ♪
アーッノゾミチャンガイチゴトッター!
海未「……」
絵里「よいしょっと。おかし持ってきたわよ。海未もたべる?」
海未「頂きます」
絵里・海未「……」
絵里「あの、今朝はごめんなさい。迷惑かけて」
海未「本当ですよ、まったく」
絵里「やっぱりダメね、私って。肝心なところで失敗しちゃうんだもの」
海未「……本番は問題なかったでしょう」
絵里「でも、もう少しで卒業式を台無しにしちゃうところだったわ。海未たちの助けがなかったら」
海未「……」
アーッノゾミチャンガイチゴトッター!
海未「……」
絵里「よいしょっと。おかし持ってきたわよ。海未もたべる?」
海未「頂きます」
絵里・海未「……」
絵里「あの、今朝はごめんなさい。迷惑かけて」
海未「本当ですよ、まったく」
絵里「やっぱりダメね、私って。肝心なところで失敗しちゃうんだもの」
海未「……本番は問題なかったでしょう」
絵里「でも、もう少しで卒業式を台無しにしちゃうところだったわ。海未たちの助けがなかったら」
海未「……」
229: :2019/02/05(火) 00:02:34.79 ID:GGAxjcPE.net
海未「いいんじゃないですか」
絵里「え?」
海未「別にいいんじゃないですか。少しくらいぽんこつでも」
絵里「いやよ、そんなの」
海未「普段しっかりしているからこそ、たまに抜けたところがあるとぽんこつと言われる。だから胸を張るべきだ。そう前に言ったではありませんか」
絵里「……あれだって私をからかって言ったんでしょ」
海未「まあ、半分はそうです。でも、半分は本気ですよ」
絵里「ほんとかしら」
絵里「え?」
海未「別にいいんじゃないですか。少しくらいぽんこつでも」
絵里「いやよ、そんなの」
海未「普段しっかりしているからこそ、たまに抜けたところがあるとぽんこつと言われる。だから胸を張るべきだ。そう前に言ったではありませんか」
絵里「……あれだって私をからかって言ったんでしょ」
海未「まあ、半分はそうです。でも、半分は本気ですよ」
絵里「ほんとかしら」
230: :2019/02/05(火) 00:15:53.60 ID:GGAxjcPE.net
海未「それに、少しくらいぽんこつでないと困ります」
絵里「なんでよ」
海未「……頼ってもらえなくなりますから」
絵里「え?」
海未「……」
絵里「ごめんなさい。海未、今なんて……」
海未「からかいがいがなくなると言ったのです」
絵里「な、なによそれ! 無理してからかわなくてもいいわよっ!」
海未「それなら、ぽんこつを直すことですね」
絵里「ぐぅ……!」
絵里「なんでよ」
海未「……頼ってもらえなくなりますから」
絵里「え?」
海未「……」
絵里「ごめんなさい。海未、今なんて……」
海未「からかいがいがなくなると言ったのです」
絵里「な、なによそれ! 無理してからかわなくてもいいわよっ!」
海未「それなら、ぽんこつを直すことですね」
絵里「ぐぅ……!」
232: :2019/02/05(火) 00:26:58.95 ID:GGAxjcPE.net
海未「ほら、行きますよ。ぜんぶ穂乃果に食べ尽くされてしまいます」
絵里「そうね。……あっ、海未」
海未「……?」
絵里「これからも頼りにしてるわよ」
海未「……っ!? えりっ! さっきの聞こえてっ……!」
絵里「真姫! 私にもケーキちょうだいっ!」
海未「え、えりっ! 待ってください!」
絵里 「~♪」
海未 「えりっ!」
おわり
絵里「そうね。……あっ、海未」
海未「……?」
絵里「これからも頼りにしてるわよ」
海未「……っ!? えりっ! さっきの聞こえてっ……!」
絵里「真姫! 私にもケーキちょうだいっ!」
海未「え、えりっ! 待ってください!」
絵里 「~♪」
海未 「えりっ!」
おわり
235: :2019/02/05(火) 00:38:38.40 ID:aMk2BH+3.net
長編だった
乙
乙
236: :2019/02/05(火) 00:39:08.39 ID:ibWIKyy2.net
素晴らしかった乙です
238: :2019/02/05(火) 07:42:27.83 ID:ZuipvGLH.net
乙
実にハラショーでした!
実にハラショーでした!