1:2018/01/30(火) 20:01:06.09 ID:vzgZcBMn0

野崎「もう長いこと高校二年生をやってないか?」

佐倉「ええっ!? の、野崎くん何を言ってるの!!?」

野崎「佐倉、誤魔化さなくていいんだぞ」

野崎「だって俺達……」


















野崎「漫画のキャラじゃないか」

佐倉「……うん」

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2:2018/01/30(火) 20:01:54.64 ID:vzgZcBMn0

佐倉「……『月刊少女野崎くん』のね」

野崎「そうだな」

佐倉(私達は漫画のキャラだって事は自覚してるけど……お互いの心情や事情は知らない)

佐倉(だから私が野崎くんが好きだっていうのは野崎くんは知らないし……若松くんもローレライの正体は知らないんだよね)

野崎「それで佐倉、作中だと季節は?」

佐倉「え? うーんと……二学期が始まったぐらい?」

野崎「そうだな、大体9~10月だ」

野崎「この漫画の連載期間は?」

佐倉「えーと……2011年の8月からだから……大体6年半?」

野崎「そうだ、6年半で4~5ヶ月しか経ってない」

野崎「つまりこのペースだと俺達が進級するには……」

野崎「あと6年半以上はかかる!!」

佐倉「ええっ!? そんなに!!?」


3:2018/01/30(火) 20:02:20.57 ID:vzgZcBMn0

野崎「ずっと高校2年だと読者にも飽きられるんじゃないか?」

野崎「そろそろ変化も必要だと思うが……」

佐倉「……」

野崎「……いや、ここで言ってもしょうがない」

野崎「結論は裁判所で決めよう」

佐倉「さ、裁判所!?」

野崎「ほら、あそこにあるだろう」

佐倉「あれ!? いつのまに!!?」

野崎「さあ、佐倉も行こう。 みんな待ってるはずだ」

佐倉「え? み、みんないるの?」


4:2018/01/30(火) 20:02:56.25 ID:vzgZcBMn0

野崎「待たせたなみんな」

御子柴「やっと来たかお前ら」

佐倉「みこりん!!」

堀「これで全員いるな」

瀬尾「めんどくさいから早く終わらせよーぜー」

若松「めんどくさいで済ませようとしないでくださいよ!! これから俺達の運命を左右するんですから!!」

佐倉「みんな……」


5:2018/01/30(火) 20:03:28.45 ID:vzgZcBMn0

佐倉「ね、ねぇ……これから何をするの?」

鹿島「あれ? もしかして千代ちゃん何も聞かされてない?」

佐倉「う、うん……」

御子柴「おい、肝心のあの人がいねえじゃねえか」

佐倉「あ、あの人?」

ヒョコ

前野「呼んだー?」

佐倉「ま、前野さん!? どうして裁判官の格好!!?」

野崎「始めましょう前野さん」

前野「そうですね!! それでは……」

前野「『月刊少女野崎くんの時間を進めるか進めないか裁判』を始めまーす!!」

佐倉「え……」

佐倉「えええええええええ!!?」


6:2018/01/30(火) 20:04:15.49 ID:vzgZcBMn0

堀「その驚きよう……本当に何も聞かされてないんだな」

佐倉「は、はい……」

前野「おかしいなー、僕は昨日全員に連絡したんだけどなー」

佐倉「……あっ!! そういえば昨日前野さんが私の所に来たような……」

佐倉(そういえばあの時、野崎くんの事ばっかり考えてて前野さんの言ってる事が頭に入らなかったような……)

前野「……では!! これから7人に時間を進めるか進めないか話あってもらいます!!」

前野「結論が決まり次第椿先生に即報告!! そして先生に即実行してもらいます!!」

佐倉「じゃあここで時間を進めるべきって結論を出したら……あっという間に時間が過ぎちゃうって事!!?」

前野「そういうこと!!」

若松「前野さんが椿先生のリアル担当になってますね……」

前野「それじゃあ裁判開始ーー!!」


7:2018/01/30(火) 20:04:41.65 ID:vzgZcBMn0

野崎「よし、まずはみんなの意見を聞こう」

野崎「俺は時が進んでほしい派だ。 理由はマンネリ化を防ぐ為だ」

御子柴「俺も賛成だ」

佐倉「みこりんも?」

御子柴「時が進まねえとギャルゲーの新作が出ねぇんだよぉ!!」

佐倉「そういう理由!!?」


8:2018/01/30(火) 20:05:07.89 ID:vzgZcBMn0

鹿島「私は時が進むのはやだよ!!」

佐倉「鹿島くん!」

鹿島「堀先輩、卒業してほしくないもん!!」

堀「悪いが鹿島、俺は野崎に賛成だ」

野崎「堀先輩」

堀「俺の引退エピソードとか……そういうどでかいイベントがそろそろ必要じゃないのか?」

佐倉「ええと……今のところ時間が進んで欲しい派が多いね」

野崎「若松は?」


9:2018/01/30(火) 20:05:37.42 ID:vzgZcBMn0

若松「俺は早く時が進んで欲しいです!! 瀬尾先輩には早く学校を卒業してもらわないと俺の身体が……」

若松「ああでも!! 先輩馬鹿だから卒業できないかも……それに野崎先輩やローレライさんにも会えなくなる……やっぱり今のままがいいです!!」

瀬尾「え、私やだけど」

瀬尾「だって早く冬休みになって欲しいし」

御子柴「……4対2で俺らの意見が多いな」

瀬尾「あれ、これ決まりじゃね?」

若松「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!! ここからちゃんと話し合わないと……」

野崎「そうだ、それにまだ佐倉の意見を聞いてない」

佐倉「!!」

野崎「佐倉、お前はどうなんだ?」

佐倉「……」


10:2018/01/30(火) 20:06:06.55 ID:vzgZcBMn0

佐倉「……読者の意見は?」

鹿島「え?」

佐倉「私達があれこれ言っても……最終的には読者が満足するかどうかじゃないのかな」

佐倉「現状を読者の人達が満足してるんだったら……時間は早く進めなくてもいいんじゃないかな」

若松「あ!! そういえば……」

若松「連載5周年記念のアンケート!! あれだと今のままでいいって言ってる人が多かった気が……」

野崎「だが一年半も経ってるから意見も変わっている可能性が……」

御子柴「なぁ佐倉、読者とかそういうのは一旦置いといてよ」

御子柴「お前個人の意見を聞かせてくれよ」

佐倉「私の……意見?」


11:2018/01/30(火) 20:06:36.52 ID:vzgZcBMn0

佐倉「……」

野崎「……?」

佐倉「あのね、野崎くんには申し訳ないけど……」

佐倉「私はずっと……高校二年生でいいなって思ってるんだ」

野崎「!」

佐倉「だって、時が流れたら……卒業しちゃうってことでしょ?」

佐倉「私……まだ卒業したくないよ!!」

佐倉「みんなと……野崎くんともっと一緒にいたい!!」

野崎「佐倉……」

佐倉「……あ!!! でも野崎くんが言った通り……マンネリ化しない為にも……時間は進むべきなのかな」

野崎「……」


12:2018/01/30(火) 20:07:11.89 ID:vzgZcBMn0

瀬尾「千代がそう言ってもさ、4対3じゃん。 やっぱり……」

堀「いや……佐倉の言うことには一理ある」

鹿島「堀先輩……?」

堀「確かにどでかいエピソードがあっても……その後卒業しちまったら……」

堀「鹿島の顔が見られねえじゃねえか!!」

鹿島「先輩……!!」

堀「俺は意見を変える」

若松「瀬尾先輩、これで4対3ですよ」

御子柴「いや、5対2だ」

佐倉「みこりん……?」

御子柴「そりゃまぁ……ギャルゲーが出ねえのは悔しいけどよ……」

御子柴「まぁ……発売前のワクワク感を長い間味わうのも悪くねえなって」

佐倉「みこりん」

御子柴「……」

御子柴(まぁ本当はお前の恋路の為なんだけどな)


13:2018/01/30(火) 20:07:45.32 ID:vzgZcBMn0

瀬尾「そっか、卒業したら会えなくなるのか」

瀬尾「じゃあ私、もっと若と遊びたいから私も時間進まなくていい派ー」

若松「嫌な理由ですね……」

佐倉「野崎くん……ダメ、かな」

野崎「……」

野崎「いや、みんなの言う通りだ」

野崎「俺は……『月刊少女野崎くん』の事ばかり考えていた」

野崎「俺は……みんなの事を考えるべきなんだ」

佐倉「!! じゃあ……」

野崎「ああ……前野さん、結論が出ました」

前野「じゃあ満場一致で現状維持を採用!!」

前野「これにて閉廷!! じゃあ椿先生に報告してきまーす!!」ダッ

御子柴「裁判も終わったし帰るか」

野崎「そうだな」



14:2018/01/30(火) 20:08:19.70 ID:vzgZcBMn0

佐倉(よかった……野崎くんともっといられる!!)

野崎「佐倉……俺はお前に言われて気づいたんだ」

佐倉「え……?」

野崎「俺も……ずっと一緒に仕事をしたい」

佐倉「!!!!!///」ドキッ

佐倉(ちょ、ちょっと待って!! もしかして……)

野崎「ずっと剣さんが担当でいてほしいからな!!」

佐倉(剣さんに負けたああああああああ!!!)

終わり


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