2020年09月06日 22:37
無理に褒めない
「褒めるのは意外と難しい」「責任をもって褒める」の続きです。
褒めることの大切さが認められるにつれて、学校でも職場でも褒める「練習」をするところまで出てきているようです。
例えば、学校で二人一組になり、お互いに観察して、最後にその日のいいところを褒め合うといった取り組みがあるそうです。
褒める練習には意味があると思います。そもそも日本人は褒めるのが苦手と言われていますし、普段褒めない多くの人にきっかけを与えないと、いつまでたっても褒めるようになりませんから。
しかし、もし無理に褒めさせようとするのなら、それには反対です。褒めなければならないんだという雰囲気が蔓延するのにも反対です。あくまで自然に褒めたい気持ちが湧いて、褒めるのがいいと思います。
実は、学生時代に全国から人が集まった研修で、初対面の人を褒める練習をしたことがあります。
しかし、初対面ですからどんな人か分りません。自然と相手の容姿や持ち物を褒めることになり、全然実感のないお世辞になってしまい、お世辞の嫌いな私は気分が悪かったのを覚えています。相手もそんなものは嬉しくなかったでしょう。今思うと、企画自体が失敗だったと思いますが。
これは極端な例ですが、無理に褒めようとすれば、わざとらしいお世辞になります。褒める点が見つからないときは、褒める必要はないでしょう。人の美点を見つけようとしていれば、そのうち見つかるはずです。そのとき初めて褒めればいい。そう思います。