捨てなくてよかった

　余り具体的なことが書けないので、分りにくいと思いますが、ご容赦ください。最近こんなことが起こりました。

　以前色々もめたＡさんという親戚の女性から、ある料金を立て替えているので、払ってくれという封書が届きました。中には平成２８年度と印刷された某所からの請求書が同封されていました。この請求書分を私の代わりに払ったのだというわけです。ただ、領収書はなくしたと書いてありました。

　単細胞の私は最初、「ん？　まだオレが払ってない分があったのか」と素直に払おうと思いました。昨年同じ性質の立て替え分を払ったことがあったので、別の年度の請求書が新たに見つかったのかと反射的に思ったのです。請求書がＡさんのところに送られたのは、当時の事務処理の遅れが原因です。

　急な出費は痛いですが、Ａさんとはもう関わりたくなかったので、さっさと済まそうという意識が働きました。

　ですが、危ないところで踏み止まりました。こういう昔の話は、急いで反応すると、ろくなことはないと知っていましたので、考え直しました。しばらく放置して、記憶や知恵がわいてくるのを待つことにしたのです。急ぐ話ではありませんし。

　すると、Ａさんとの件では、書類を全部とっておいたので、私が支払ったときの書類が残っていないか、確認しようという考えが翌日の夜にわいてきました。いやなことは早く忘れたいので、書類も捨てようかと思ったこともあったのですが、万一を考えて思いとどまっていました。それがみごとに当たりました。

　翌朝、Ａさんから去年送られた書類を確認していきますと、ありました、ありました。Ａさんが立て替えた領収書のコピーです。しかもＡさんがなくしたと書いてきた平成２８年度のものです。

　この領収書の金額を私はすでにＡさんに支払っていました。

　だからＡさんが今回したことは、もう支払われたことを忘れ、請求書が手元にあったので、まだその分は支払われていないと思い込み、私に再度請求してきたのです。急いで送金していたら、二重に払うことになるところでした。

　Ａさんはいい人ではありませんが、「二重取りしてやろう」などと悪知恵の働く人ではないので、単なる勘違いだと思います。

　その後ネット銀行で過去の支払いを調べると、１年前に私がＡさんに送金した記録が出てきました。これで証拠は完璧です。

　そしてＡさんあての、すでに支払っていることを知らせる文章を書き、領収書のコピーと一緒に送りました。文面はあくまで礼儀を守りつつも事務的です。嫌味や皮肉は一切なし。それは相手を怒らせ、結局自分の心にも余計な波風を立てることになりかねませんので。

　今回の件での教訓です。もめごとやお金が関わったことについての証拠になる書類等は、長期間とっておいた方がいいです。解決したようでも、あとで何が起こるか分りませんから。

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塞翁が馬

　ある大病院の支払窓口。金額を告げられて、どうしようと思いました。お財布の中身が足りないのです。何しろ突然先生に、別の科にも行くように言われたので・・・。

　事務の女性は「次回も来るんだから・・・」と言って黙ってしまいました。恐る恐る「クレジットカードじゃだめですよね」と言うと、「あ、それなら大丈夫ですよ」と天使のお告げ。ピンチを脱しました。

　クレジットカードは大昔、人に勧められて１枚だけ持っています。当時、「クレジットカードはステイタス（社会的地位）になるから」と言われましたが、そういうものに興味がありませんでしたし、カードは浪費の象徴みたいに感じていて、乗り気ではなかったのですが、他の人と一緒に何となく作ってしまいました。よく審査に通ったものだと今でも不思議です。

　その後カードを使うことはなく、長期間ぶつぶつ言いながら年会費だけを払い続けました。

　ですが、この数年、ネットの発達でたまにカードを使うようになり、この日も、新幹線の切符を買った直後だったので、たまたまカードを持っていて、事なきを得たというわけです。

　こうなると勧めてくれた人に感謝しませんと・・・。「人生万事塞翁が馬」を実感する年になってきましたかね。