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自律神経の乱れやストレスなどが原因で、微熱、頭痛、食欲不振、不眠など、子どもにもこのような微症状が起こることがよくあります。どのように対処したらいいのか、小児科がご専門の榊原洋一先生に詳しいお話をうかがいました。
  
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163cm、48kg。1学期に2回ほど、「頭が痛く、だるい」と言って学校を休むことがある。1日中起きられないこともあるが、大丈夫なのか? 


   
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年齢とか症状からみますと、お嬢さんは「起立性調節障害」の可能性がかなり強いと思います。この状態になると、立ち上がったりしたときに脳貧血になりやすくなるんですね。頭のほうにうまく血液が行かないと、頭が重かったり、頭痛が起こったりする場合があります。
図1は、起立性調節障害の特徴をまとめたものです。年齢としては10歳以上のお子さんに多いのですが、お嬢さんも14歳ということですから、これに当てはまっていますね。この病気は体がどんどん大きくなっているときに多いんです。体が大きくなっても、自律神経系の働きが体の成長についていかない時期がこの時期だと言われているんですね。
それから時期的に言いますと、症状が起こるのは4月から7月頃。特に梅雨時期のうっとおしい季節に症状が悪化することが多いと言われています。それからもう一つ多いのは、夏休みが終わった後の9月始めあたりの時期。なかなか学校に行けないなんていうことがよくあるんですね。
それから図1にその他の特徴として、「イライラしやすい」「寝つきが悪い」と書いてあります。イライラしやすいというのはむしろ心理的なことでしょうけれど、たとえば学校に行けなくなるのも頭が痛いこと、プラス何か自分自身の気持ちが晴れないなどということが重なることがあります。
もう一つ、起立性調節障害の症状としてはお嬢さんの場合には頭痛があるわけですね。それから朝起きられない、立ちくらみ、めまいなどの症状もあるということです。また、夜の寝つきが悪かったり、手足が冷えるということもときどきあるそうです。
これはやはり血液循環がうまくコントロールされていないということで、かなり典型的な起立性調節障害と考えていいと思います。この病気は一種の自律神経失調症なんですが、急に発達しているお子さんに多いんですね。特に14、15歳の時期には多いものなんですが、症状が強くなければ、だんだん軽くなることが多いと思います。 


 
規則正しい生活リズムを整えることが大切 

では、対策法についてご説明したいと思います。お母様もいろいろなさっていると思うんですけれど、やはり大事なのは睡眠時間なんですね。この時期になりますと勉強が大変になってきて、夜ふかしをすることが多いと思うのですが、やはり睡眠時間はきちんと確保してあげること。それから、生活リズムをきちんと整えることが大切です。
また、お嬢さんの場合はちょっとわからないのですが、学校などで何かストレスになることがないかということをよくお話をして聞いてあげてください。やはり、このようなことが引き金になることがあると思うんですね。
それから、規則正しい生活リズムを整えること以外に、もしその症状が非常に強い場合には、いくつかのお薬を使って症状をとることもできます。このような方法で対処してあげれば、症状がだんだん軽くなってくるのではないでしょうか。
何科の先生にかかったらいいかということですが、お嬢さんは14歳ということで、15歳以下は一応内科の守備範囲ですし、起立性調節障害というのは非常に多い状態ですので、小児科の先生であればどなたでもよろしいかと思います。1学期に2回ほど症状が出るということで、お嬢さんの場合はそれほど多くないんですが、学校に行けない日が多くなったりした場合には、やはり小児科のお医者さんにご相談して、対処していただきたいと思います。
「症状はいつまで続くのか」とご心配されているようですが、男の子と女の子では少し違いますけれど、やはり体が完成する高校卒業くらいの時期までではないでしょうか。17、18歳くらいになると、だんだんとそういう症状がとれてくると思います。どちらかというと、ふっくらとした体格になってくるあたりからで、特に背が高くてひょろっとした人だと起こりやすいということですね。私も今はこんな体格ですけれど、昔はよく立ちくらみがありました。
お母様もご心配だと思いますが、特に学校に行けなかったりすることが、二次的にお子さんの心理的なあせりとかイライラにつながることがありますので、やはりどこかでご相談なさったほうがいいかもしれません。