2HRの授業は何とか収拾することができた。というよりは生徒はそれほど混乱していなかったようだ。

 教師は教材を必死で読み込み、授業の組み立てを考え、発問をし、生徒の反応に合わせて授業を行っていく。だから、その日のその授業がうまくいったかどうかを毎日反省して、次回の授業を修正していく。それが経験ということである。経験のあるベテラン教師の授業がいい授業であるというのは、それを何年も繰り返し行ってきたからである。

 しかし、生徒はどうか。それほど教材を繰り返し読んでいるわけでもなく、教師の授業を何となく聞き、発問も何となく考え、(指名された時だけは必死で考え、)国語は覚えることがないからと、予習も復習もテスト勉強をもしない。こんな状態の生徒がほとんどである。したがって、その授業が混乱していたかどうかなど、よく分かっていないのだ。2HRで行った修正は前回行った発問を多少変えてもう一回行っただけである。それだけで修正を行うことができた。

 教師が失敗だと思っても、生徒は失敗だとは認識していない。それぐらい生徒と教師の授業に対する認識が違うのだ。当たり前のことではあるが、今日は改めて気付かされた。