2018年7月23日
会員各位
大阪教育大学国語教育学会事務局

第54回大阪教育大学国語教育学会

大会テーマ

現代における文学教材の活用のあり方
—新しい学力観を見据えて—
 今回の大阪教育大学国語教育学会の大会テーマを考えるにあたり、私たちは今日求められる学力観とは何か、それを育むためにどのようにして文学教材を教室の中で活用させていけばいいのか、ということに問題意識を抱きました。
 PISAショックをはじめとし、子どもたちの学力や思考力の低下が大きな問題として捉えられる中で、平成20年度版の学習指導要領は施行されました。この学習指導要領では、子どもたちが社会を生き抜いていくための能力として、「生きる力」を育むことを目標としています。この「生きる力」育成と関連して、「アクティブ・ラーニング」や「主体的・対話的で深い学び」といったキーワードが、教育の現場で重要視されるようになり、今では授業を考える際に決して外せないものとなっています。このような経緯の中で平成30年、新たな学習指導要領が公示されました。
 平成20年度版の学習指導要領の内容は、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の三領域で構成されていました 。それが「生きる力」の育成を目指す、平成30年度版の学習指導要領(以下、新学習指導要領)になると、次のように変化しています。
 国語科で育成を目指す資質・能力を「国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力」と規定するとともに、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の三つの柱で整理した。(中略)学年の目標についても、従前、「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」の領域ごとに示していた目標を、教科の目標と同様に、「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の三つの柱で整理した。
(文部科学省HP 学習指導要領「生きる力」小学校学習指導要領解説 国語(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/05/24/1387017_2_2.pdf)pp.6-7(最終アクセス日時:2018年7月8日))
 ここで書かれているように、国語においては「正確に理解し適切に表現する」ことが求められているのです。これは説明的文章はもちろん、文学的文章を「読むこと」においても求められています。新学習指導要領において、文学的文章を読むことは、「構造と内容の把握」、「精査・解釈」、「考えの共形成」、「共有」という、読みの過程に即した4つの柱に整理されています 。私たちは「生きる力」とは、教育の場に限らず日常生活や社会に出た後にも活用し続けられる、人生を豊かにすることにつながる力であると考えています。そこで、人生における様々な経験に対応できる豊かな力を育成するために、「文学」を用いることができるのではないかと考えました。
 私たちは日常生活の中で、様々なメディアを介して多くの「文学」に出会います。そして、私たちは多くの経験を得ることとなるのです。例えば、「文学」で描かれた幸せな恋愛や胸躍る冒険、もしくは大切な人の死や挫折などを、まるで自分の経験であるかのように感じることがあります。このような「文学」に描かれた物語を通して、私たちは苦楽を擬似的に体験することとなり、あたかも自身の経験のように蓄積されていきます。また、一方では、「文学」を読んで感情を動かされている自己を認識することで、読み手としての自己を分析的に捉えるというものの見方を獲得することにもつながります。このような「文学」体験の積み重ねは、自分自身を客観的に見る眼差しの獲得にもつながることでしょう。即ち、自身が実際に向き合うこととなる悲しみや苦しみに対しても、客観的な視点をもって冷静に向き合うことが可能になるのではないでしょうか。このように考えてみると、やはり私たちは日常生活において「文学」に支えられていることがわかります。そしてこのような経験が、「生きる力」の育成につながる「文学」体験の一つではないでしょうか。
 冒頭で述べたPISAショックなどの影響もあり、もっぱら説明的文章を読むことや書くことに、現場教師たちの意識が集中しているように感じます。ですが、私たちは「生きる力」育成のためには、説明的文章だけでなく文学的文章の両方が必要であると考えたのです。
  先述したように、私たちの周りには文学性を有する様々なメディアが存在しており、それは児童・生徒にとっても同様です。しかし、学年が上がるにしたがって本を全く読まない子どもの数が増加している ことからも伺えるように、子どもたちが活字メディアとしての文学作品に触れる機会は減少傾向にあるといえるでしょう。このような状況下における子どもたちにとって身近な文学作品として、教科書の文学教材が挙げられるのではないでしょうか。教科書には多くの文学作品が掲載されています。これらの文学教材を「生きる力」の育成のため、教室の中でどのように活かせばよいのでしょうか。そして、「文学」を今日の教室の中で読む意味、そしてその可能性をどのように考えていけばよいのでしょうか。
 そこで、私たちはこの大阪教育大学国語教育学会という場を借りて、教室で「文学」を取り扱う今日的な意義を改めて考えてみたいと思います。また、文学教材を用いた指導と、アクティブ・ラーニングといった時代と共に登場した学習指導の方法を結び付けた際、どのような指導が実現し、どのようにして「生きる力」を育成することとなるのでしょうか。以上のことについて、現場の先生方や国語科教育研究に取り組まれている先生方に発表をしていただきたいと思います。

 会員の皆様の、多数のご参加をお待ち申し上げます。

[日程]

日時
8月4日(土) 10:00〜16:30
会場
大阪教育大学柏原キャンパス A棟314号教室
  地図02:共通講義棟(A棟)のところです

[時程]

10:00 10:30 11:30 12:00 13:00 14:15 15:15 15:30 17:00
受付 自由研究発表 総会 昼食 課題研究発表 研究協議 休憩 学会賞発表講演 懇親会

 大阪教育大学国語教育学会の学会賞授賞式があり、授賞式のあと受賞者が講演いたします。
 懇親会を、17時00分より同キャンパス内生協レストランにて、行います。
会費は一人3000円です。多数の参加、お願い申し上げます。
※諸事情による若干の時間変更があります。

[研究発表]

○ 【午前の部】自由研究発表(10:30〜11:30)        司会  野浪正隆(大阪教育大学)

大阪府下における中学校校歌詞の表現特性の研究
東山侑樹(大阪府立堺東高等学校)
国語科教科書教材における説明的文章の冒頭文の機能
小山貴江(私立開明中学校)

○ 【午後の部】課題研究発表(13:30〜14:15)        司会  土山和久(大阪教育大学)

《大会テーマ》 現代における文学教材の活用のあり方 —新しい学力観を見据えて—
基調提案
大阪教育大学国語教育学会事務局
小学校1年生における読むことの指導—楽しみながらお話と出会おう—
��木麻里(守口市立守口小学校)
小学校入門期における読むこと(文学的な文章)の学習指導
武智康文(大阪教育大学附属天王寺小学校)

○ 研究協議 (14:15〜15:15)                 司会  土山和久(大阪教育大学)

[柏原キャンパスへのアクセス]

近鉄大阪線「大阪教育大前」駅下車 徒歩約15分
詳しくはこちら

○ 近鉄大阪線時刻表

発着駅 発車・到着予定時刻
「鶴橋」駅 8:34(急行) 8:55(急行) 8:58 (区間準急) 12:01(区間準急) 12:18(急行)
「河内国分」駅
(急行から区間準急へ乗り換え)
8:52(区間準急) 9:11(区間準急) 12:35(区間準急)
「大阪教育大前」駅 8:54 9:13 9:29 12:37 12:37

[その他]

  • 当日学会会場には冷房設備が整っております。
  • 大阪教育大学正門より、上りエスカレーターをご利用いただけます。
  • お車でお越しの際は、大学会館横の駐車場へお停めください。キャンパス地図
  • 当日、昼食は生協食堂がご利用になれます。
  • 当日、懇親会に参加される方は事務局へお知らせください。
  • 出張依頼書がご入用の方は、事務局へお知らせください。折り返し郵送させていただきます。
  • 本学会に関するお問い合わせは、事務局までお願い申し上げます。

大阪教育大学国語教育学会事務局

53回 大阪教育大学国語教育学会のご案内

冬季学会 本学三回生共同研究発表

 85日に行われた夏学会におきましては、多数のご参加ありがとうございました。さて、平成29年度第3回運営委員会で承認された冬学会の概要についてお知らせいたします。

 本学会は、「国語学・国文学・漢文学ならびに国語教育学の研究を目的とし、あわせて会員相互の親睦を図る」(大阪教育大学教育学会会則要項より)という目的の下、開催されるものです。昨年と同様に、冬季においては、本学の三回生による共同研究発表を中心とする大会を12月に開催することになりました。詳細については下記の通りです。なお、来年度春季には本年度の学会内容をまとめた研究誌を発行、送付する予定です。

 冬季学会におきましても、皆様の多数のご参加をお待ちしております。

 

【日程】  1223日(土) 9:0017:00

【会場】  大阪教育大学柏原キャンパス

       

       第一会場(共同研究発表):A215教室
       第二会場(共同研究発表):
A212教室

       第三会場(共同研究発表):A216教室

       全体会場(全体講評)  A215教室

【受付】  A215教室前


【時程】


9
00   930       1230    1330       1630   1700

受付

共同研究発表①

昼食

共同研究発表②

全体講評


【プログラム】

午前Ⅰ~Ⅲ:9:30~12:30(各発表40分、質疑応答20分)
昼食:12:30~13:30
午後Ⅰ~Ⅲ:13:30~16:30
全体講評:16:30~

 

午前Ⅰ

午前Ⅱ

午前Ⅲ

昼食

午後Ⅰ

午後Ⅱ

午後Ⅲ

第一会場

教育(松山)

教育(土山)

教育(住田)

教育(土山)

教育(松山)

教育(住田)

第二会場

 

中古文学

児童文学

 

児童文学

中古文学

第三会場

方言

表現

 

表現

方言

 

 

【第26回ゼミナール共同研究発表予定題目】

・周囲の素材を虚構化するクリエイティブライティングの研究

 ~ワークショップ「言葉で描き直す日常世界」を通して~

〈国語教育土山ゼミナール〉

 

・「ブレイブ・ストーリー」研究 ~二つの世界をわたる二人の傷ついた子ども~

〈国語教育住田ゼミナール〉

・国語科教育における長編アニメーションの語りの研究

~ピート・ドクター監督『カールじいさんの空飛ぶ家』の分析を手がかりにして~

〈国語教育松山ゼミナール〉

・『怪談レストラン』研究 ~子どもにとっての「ちょうどいい怖さ」とは~

〈児童文学ゼミナール〉

・『源氏物語』花散里の人物造型にみる特異性―末摘花・源典侍・近江の君との比較を通して―

〈中古文学ゼミナール〉

・説明表現の話体 ~岐阜県郡上市和良町 和良歴史資料館の館内案内の場合~

〈方言ゼミナール〉

・失恋ソングの表現特性 ~シンガーソングライターを目指すあなたに~

〈国語表現ゼミナール〉

 

【柏原キャンパスへのアクセス】

 

近鉄大阪線「大阪教育大前」駅下車 徒歩約15

 

  近鉄大阪線時刻表

発着駅

発車・到着予定時刻

「鶴橋」駅

7:55(急行)

7:57(準急)

8:18(急行)

8:34(急行)

12:34(急行)

「河内国分」駅

8:11(区準)

 

8:39(区準)

8:52(区準)

12:52(区準)

「大阪教育大前」駅

8:13

8:27

8:40

8:54

12:53

 

  大阪教育大学正門より、上りエスカレーターをご利用いただけます。

  当日、昼食は生協食堂がご利用になれます。

  出張依頼状等が必要な方は、事前に事務局までご依頼ください。

  本学会会員の継続を希望される方は、当日受付で更新手続きを行ないますので、お申しつけください。

  本学会に関するお問い合わせは、事務局までお願い申し上げます。

 

以上

 

阪教育大学国語教育学会事務局

582-8582

Tel:

E-mail:

大阪府柏原市旭が丘4-698-1

0729783529(住田研究室)

sumidam@cc.osaka-kyoiku.ac.jp

 

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