2007年05月21日

組分け

6年生を皮切りに、5年、4年と組分けテストが終了しました。

1回の試験で決めるわけですから、いつも以上にうまくいったお子さんもいれば、大失敗してしまったお子さんもいます。

この組分けテストをひとつの刺激として、既習事項をきちんと復習することができればそれでいいと思うのですが、やはり「どのクラスに入るか」が大きな関心事となるようです。

なかには、「クラスが落ちたら塾をやめさせるからね」という親御さんの言葉を深刻に受けとめ、ナーバスになっているお子さんもいます。この言葉だけは言っていただきたくないのですが…。

親御さんの方でも、言ってはいけないとわかっているのに、ついつい口にしてしまう、といったところでしょう。でも、お子さん達は、クラス分けのことを、大人が思う以上に気にしています。だから、さらなる脅しをかける必要はありません。

「いいクラスに入るために勉強をがんばる」のではなく、あくまでも目標は、既習事項をきっちりおさらいすることにあります。2週間前は理解できていなかったところが、組分けテストに向けて勉強したら、わかるようになった。これで、いいのです。結果としてどのクラスになるかは副次的なものです。

…とはいえ、お子さんにもプライドがありますから、自分のランクを大変気にします。上がればいいのですが、逆だったとき、その事実とどう折り合いをつけるか、難しいものがあります。

あるお子さんは、授業前も休憩時間も、授業が終わってからもずーっと私に話しかけてきました。すごく元気で明るい調子なのですが、それは、悲しみと辛さの裏返しなのでしょう。

「あのね、先生! 私、理科の試験範囲をかんちがいしててね。3回分しかやってなかったの。そしたら、やってないところがたくさん出ちゃった。それで、そこは全滅。ああ、6回分勉強しとけばよかった。」

「先生。それでね。あと3点だったの。あと3点取れていればよかったの。漢字もね。わかってたんだけど、なんかそのときだけ思い出せなくて、違う字を書いちゃったの。」

「お父さんがね。次回がんばればいいよって言うの。でもね。ほんとにあとちょっとのところだったの。」

泣きたいのをこらえて、精一杯元気にふるまっているのです。ものすごい早口でまくし立てる彼女が痛々しくて、私の方が泣きそうになってしまいました。

そういえば、うちの長女も、5年生のときに、いちど、上位コース(Cコース)から中位コース(Bコース)に変わったことがありました。私は特に何も言わなかったし、彼女も特に悔しがるようすもなく、淡々と塾に通っていました。

あのとき、長女はどんな気持ちでいたのかなぁとふと思い、聞いてみました。

「ああ、あれはあれでね。必ず成績上位者のところに名前が載るし、優秀賞とかもらえるし、けっこう快感だった。」

「ふーん、なるほどね。じゃ、ずっとこのままでいいやって思ったりもしたの?」

「いや、それはないな。やっぱりね。プライドってもんがあるから、そりゃぁ元に戻りたかったですよ」

「そうなんだ。その後けっこうがんばってたもんねぇ。…そういえば、6年最後の組分けテストで自己ベストを出したよねぇ? C6組だったっけ?」

「は? C4までいきましたけど」

数字の若い方が上位です。

「またまた〜、そんなわけないでしょ。C6だったよ」

「じゃ、証拠見せましょうか? 証拠を!」

部屋にもどったかと思うと、なんと、3年前の会員証を持ってきて私の顔の前に突きつけてきました。

「ほら! ほら! 見て下さいよ。」

確かにC4と書いてありました。…にしても、あの、爆発した部屋の中に、こんなものがしっかり保管してあったとは!

順位とかクラスとか、全く気にしているようすのなかった長女。
でも、やっぱり最後の組分けの結果はすごく嬉しかったのだろうし、ひとつの大切な足跡として彼女を支えているのであろうことを知りました。

先週の木曜日が、今のクラスでの最後の授業でした。次の週から別のクラスに移動するお子さんもいます。

何の励ましにもならないかもしれないけれどと思いつつ、長女のことを話してみました。思った以上に、みんな興味を持って聞いてくれていました。

「実はね。9月に成績が上がったのは、理科と社会なの。夏休みに基本をやり直したら、それだけで、かなり偏差値が上がったんだよ。社理は勉強したことがわりとすぐに点数に表れるじゃない? 娘は、基本にかなり穴があいていたのね」

「やっぱりだいじなのは、基礎を固めること。別のクラスに行ったら、担当の先生たちは、基本をていねいに教えてくれるし、すごくよく面倒をみてくださるから、そこでとことん基本を固めていらっしゃいね。そうして、また、戻っておいで。9月に新クラスがスタートして、見回してみたら、結局もとのメンバーと同じじゃんってことになれば楽しいじゃない?」

心なしか、そのあとやったテストの答案用紙は、全体的に、いつもより気迫の感じられるものでした。