2007年09月21日

削る指導、絞る指導

久々にブログを再開したところ、温かい励ましのコメントをたくさんいただき、本当にありがたく励みに思っております。

おひとりおひとりにお返事をさしあげられず、申し訳なく思っておりますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

さて、夏期講習のとき、私の尊敬する女性の先輩講師と、いろいろと話す機会がありました。

この先生は、息子さんをうちの塾で指導して、御三家に合格させました。その後、息子さんは東大を出て、現在、学者としてあちこちの国立大学で教鞭をとるなど、活躍されています。

先生ご自身も、執筆した参考書が大ヒットしたりと、たいへんな実力者です。

ある日の昼休み、机を並べてお弁当を食べながら、指導の話題になりました。

「ほんとうに実力のある先生というのは、ここさえおさえておけば、あとは応用できる、というもとになるポイントを教えられますよね。先生自身にちゃんと体系ができあがっていなければできない指導だから、ここに先生の力の差が表れるような気がします。」

「ああ、ほんとにそのとおりなのよ。そこが、我々の仕事なの。私もね。今、大学入試の指導をしているけれど、いかに削るか、必要なことだけをやらせるか、ということがテーマになっているのよ。」

「たくさんの教材を渡せば、指導者のアリバイづくりになるから、やたら問題をやらせようとする先生もいますよね。受験生もご父兄も不安だから、あれもこれもとたくさんの問題をやろうとするように思います。」

「大量の教材をやれば、賢い子はそこで、自分で体系をつくっていけるわけ。でも、本来そういう賢い子であれば、そんなに量をやらなくてもちゃんとできるようになるわけよ。反対に、能力的に厳しい子は、やらせすぎると収拾がつかなくなって、つぶれちゃうわよ。そういう子ほど、まず、身につけなければならないことから、ちゃんとやっていかないと」

わが意を得たり、という感じがしました。

やみくもに量をやらせるのではなく、ここを押さえれば、次はここにつながる。最終的には6年のここに到達し、入試でこう生きるという流れ、体系を指導者がどれだけつかんでいるか。

ありがたいことに、うちの校舎は梁山泊のようなところで、各教科、こうした「体系」を自身のうちに構築している講師が揃っています。

次女など、まさに大量の教材をこなせるタイプではないので、今、最低限おさえなければいけないポイントは何か、ちょこちょこと質問しては、教えてもらっています。

たとえば、衝撃的だったのは、天体の学習でした。

私自身、苦手としてきた分野ですが、たったひとつの原則を教わっただけで、月の形と太陽の関係がおもしろいようにわかるようになり、長年のもやもやがクリアになりました。

「もっと早く教わっていれば、長女にも苦労させずに済んだのに…」と、ひとりごちる私に理科の先生は笑いながら言いました。

「ね? 簡単でしょ? 夜中にどこそこに出ている月は、どんな月で、なんて暗記させたらだめだよ。する必要なんかないんだから。月と太陽の動きをきっちり押さえておけば、あとは、6年になって金星に応用できるわけ。基本は全部ここ!」

暗記と思われるような知識事項も、最低限覚えておかなくてはならないものだけを教えてもらっています。

…そして、今、4年生の理科の単元は、私も長女も苦労した、恐怖の「電流」。

親子で地獄を見る前に、何を理解しておけばいいのか質問してみました。

「電流でつまずく子は、直流のイメージがつかめないんだよ。直流をどう理解させるかがポイント。4年のは、電池ふたつ、豆電球ふたつまでだから、組み合わせは九つ。これだけわかっておけば十分。あとは、学年が上がって、電池や豆電球の数が増えていくだけだから。」

基本の9パターンを紙に書いてもらい、持って帰りました。これから、まずは私がお勉強です。

…で、国語はどうなのか。

国語も解き方はみんな同じ。あとは文章の難度の問題です。

とはいえ、いろんな要因がからむので、一筋縄にはいかないのが国語の指導の難しいところです。

ひとついえるのは、物語であれ、説明文であれ、「接続語」と「指示語」をちゃんと説明できるようにしておくこと。

文に吸いつくようにして読んでいけるかどうかの、大事なステップとなります。

指示語づくし、接続語づくしの問題集を作れないものかしらと、かなり本気で思っています。



この記事へのコメント
お久しぶりです。
お元気でご活躍のご様子がブログで拝見できてうれしいです。
いろいろ書きたいのですが、コメント欄は字数制限があるようなので
はしょります(泣

漢字について質問をさせていただいていいでしょうか。
「令」の字についてですが
こどもから「下の部分が『テンに片仮名のマ』と同じ字だよね?」と聞かれました。
別に2種類あるわけではなさそうですが、説明に困っています。
単に活字のカタチの問題かと思われますが…

専門のお立場からわかりやすいご説明をいただけるととてもありがたいです。
もちろんお時間のある時に、ゆっくりでけっこうです。
どうぞよろしくお願いします。
Posted by ふくい at 2007年09月22日 12:41
初めて コメント させていただきます。
しかし 私もご更新を 心待ちにしていたひとりです。嬉しいです。
国語は本当に 先生のブログに書かれていることが 胸にすとんと入りやすくいつも参考に 事あるごとに読ませていただいています。
そして 今日は 国語だけでなく 天の助けのようなコメントが!!!
ぜひ 理科の「太陽と月」の動きを どうやって押さえればよいか ご伝授いただけませんでしょうか?
入塾が5年生だったため いつも 理社に追われての勉強でした。そして 最早6年の秋も終わろうとしていますが どうしても「天体」が押さえられません。 
お忙しい中 図々しいお願いで恐縮ですが どうか よろしくお願いいたします。
Posted by shun母 at 2007年09月24日 01:34