久しぶりにブログを更新しましたので、昨年中の解決事例を一件(ご本人のご了承を得て)ご紹介します。

今回ご紹介するのは、「加害者側から治療費支払いを拒否された症状について自腹で治療継続し、後遺障害第9級10号を獲得し、合計1800万円を超える賠償金を獲得した」という事例です。


本件のAさん(60代男性、作業職)は、事故当初の通院先で「頸椎捻挫」等の診断を受けていたものの、左腕の痛み、痺れが改善しないため、事故より3か月後ころに某大学病院への通院を開始し、ミエログラフィ検査等の異常所見により、新たに「頸椎症性脊髄症」の診断を受けました。

某大学病院ではAさんに手術を勧め、Aさんも症状の根本的解決のために手術を希望していました。


ところが、加害者側の損保会社は、「頸椎症性脊髄症は、Aさんの事故前からの持病であり、事故との因果関係は無いから手術費用の支払いを拒否する」と通告してきたのです(確かに、事故以前から脊柱管が狭くなっており脊髄が圧迫されやすくなっていた事実はあるようです)。


このようなAさんからご相談を受けた当事務所は、Aさんに対し
「加害者が支払い拒否しているとしても、いったん自腹で手術を受け、後日その手術費用等の支払いを求めて訴訟で争うことは可能である」
旨アドバイスをしました。

その後、Aさんは、自腹で手術した上で争うという決断をされ、大学病院で頸椎椎弓形成術を受け、一定の症状は残ったものの、ある程度の症状改善を得ました。


当事務所は、Aさんの後遺障害について、「頸椎症性脊髄症及び手術に関連するものも含め、全て本件交通事故に起因するものである」との前提で自賠責保険に後遺障害の申請を行いました。

その結果、Aさんは「むちうち」の後遺障害としては異例に高い「第9級10号」「神経系統又は精神に障害を残し、服することのできる労務が相当な程度に制限されるもの」という等級を獲得することが出来たのです。


その後、Aさんと当事務所は、加害者側に「第9級10号」を前提とした賠償請求を行い、訴訟を提起しましたが、加害者側は当然のように「頸椎症性脊髄症及び手術については、交通事故との因果関係がない」と主張し、争ってきました。

訴訟の中では、当事務所が各種の医証により、事故と頸椎症性脊髄症との因果関係を主張立証した結果、裁判所は「事故と頚椎症性脊髄症の因果関係はある」、「持病の影響はあるがせいぜい1割程度」との心証を示され、それを前提とした賠償金800万円の示談案に双方が合意し、解決となりました。

Aさんと当事務所は、この和解以前に、加害者側が認めていた頸椎捻挫等の治療費及び休業補償340万円、訴訟前の仮処分で加害者側から取り立てた賠償金70万円、自賠責第9級10号が認められた時の自賠責保険金616万円、等を獲得しておりましたので、最終的な獲得額は1800万円以上ということになります。


もし、Aさんが当事務所に相談されずに、加害者側損保会社の言いなりになって治療を中止していれば、「第9級10号」という高い等級が認定されることはあり得ず、せいぜい第12~14級にとどまっていたでしょうし、賠償金についても「単なる頸椎捻挫」を前提とした少額にとどまっていたことでしょう。

その意味で、当事務所としても本事案においては非常に意義のある活動が出来たのではないかと自負している次第です。


なお、本事案においてAさんは「頸椎症性脊髄症」の治療を自腹で継続されましたが、その治療費について加害者側は支払いを拒絶しており、訴訟でこの治療費を獲得できるかどうかは未確定な部分もありました。

その意味では一定のリスクもある決断だったのであり、Aさんと同じことをやっても必ず思い通りの解決になるとは限らない、ということはご了承いただきたいと思います。


全ての依頼者様が必ず満足する魔法のような解決方法は存在しませんが、当事務所としては、あらゆるリスクを踏まえ、依頼者様にベストの選択肢を提示していきたいと考えております。


福岡県北九州市で弁護士をお探しなら 小倉駅前法律事務所
北九州市小倉北区1-1-1北九州東洋ビル5階
TEL 093-383-8278