皆さんは「99.9―刑事専門弁護士―」というドラマをご存知でしょうか?

「無罪を証明できる確率、0.1%」というキャッチコピーからも分かるように、有罪率が圧倒的な日本の刑事司法制度の中で、無罪判決を得るために闘う刑事弁護士達を描いたドラマです。


下記に引用しているのは、通常第一審の刑事裁判に関する統計資料ですが、
http://www.hou-bun.com/01main/ISBN978-4-589-03522-6/statistics.pdf
その19頁を見ると、平成6年ころ以降の無罪率は0.1パーセント前後で推移しているとのことであり、「99.9%の有罪率」という表現が、決して誇張ではないことが分かります。


どうしてこのように有罪率が高いのかということですが、それは、日本の刑事司法制度が採用する「起訴便宜主義」によるものと考えられています。

「起訴便宜主義」とは、検察官に対し、刑事事件を起訴するか否かについての広い裁量を認める考え方です。検察官はこのような考え方に基づき、「無罪になるかもしれない事件」は不起訴とし、「絶対に有罪にできそうな事件」だけを起訴します。

刑事事件のプロ中のプロである検察官が、上司である幹部検察官らとも十分協議して、「絶対に有罪にできそうだ」と考える件だけを起訴するわけですから、無罪判決などはまず出ないのです。


事件を否認して有罪の判決を受けた場合、「反省がない」として、自白した場合よりも重い刑罰に処せられることになります。
依頼者である被告人が起訴事実を否認した場合、弁護人は、検察官が「絶対に有罪にできる」と確信するほどの強力な証拠を崩すために必死の努力をすることになりますが、ほぼ全ての事件においてその努力は全面的に否定され、「依頼者がより重い有罪判決を受けた」という悲惨な結果だけが残ることになります。

ですので、多くの弁護士にとって「否認の刑事弁護」はやりたくない事件の一つです。
私(本田)も、「心の底からやりたくない」というのが本音です。


ところで、先日、当事務所は、ある恐喝未遂被告事件について無罪判決を頂き、検察側の控訴断念により確定しました。
私は、以前にも無罪判決を頂いているので、「主任弁護人として2件目の無罪判決」となります。
今までに担当した刑事事件が約60件ですので、無罪率は約3%です。

当該被告人の方は、もし有罪判決を受けることになれば長期間刑務所に行かれることが確定していましたので、私も結果を聞いて安堵しました。
不当な捜査及び起訴を行った警察や検察に対する怒りはもちろんあるのですが、それよりも「無罪で良かった」という気持ちが強いのが正直なところです。


事件の内容については、被告人ご本人からブログ掲載のご許可をいただいておりますので、近日中にご紹介しようと思います。