税理士法人名南経営 国際部ブログ

国際税務やグローバルビジネスに関する情報をタイムリーに提供します!

 租税条約を締結している国からの留学生や事業修習者などで、一定の要件を
満たしている方は所得税や個人住民税の課税が免除になる場合があります。租
税条約の適用を受ける場合には、届出書を税務署長へ提出する必要があります
が、この届出書だけでは原則として住民税は免除されません。住民税の免除を
受けるためには、市区町村に対しても届出書を提出しなければならず、提出期
限は毎年3月15日です。実際に、所得税は免除になっているにも関わらず住民
税が課され、住民税の届出書を失念していたケースがあります。租税条約に限
らず、住民税は何かと忘れやすい税目ですので、留意が必要です。

 2018年1月より施行されております、外資系企業の商品販売に関連する政令
09/2018/ND-CPに関してご説明いたします。

 2007年からベトナムのWTO加盟に伴い、外資系企業に対して段階的に市
場開放・規制緩和が続いております。2018年1月には卸売り、商品の輸出入に
関して規制緩和となる政令09/2018/ND-CPが施行されました。

 従来、外資系企業が商品販売に伴う輸出入や卸売りを行う際、通常の投資
ライセンスとは別に、商工省から流通ライセンスの取得が要求されておりま
した。そのため、通常の会社設立よりも1か月程度ライセンス取得に時間を
要しておりました。

 また、流通販売ライセンスにはHSコードの記載が要求され、登録されて
いないHSコードの品目に関しては取り扱いができず、新規取扱品目に関し
てはその都度、流通ライセンスを修正する必要がありました。

 今回の政令により、卸売りと輸出入に関しては、石油・潤滑油等の一部品
目を除き流通ライセンスの取得が不要となりました。また、HSコードの記
載も必要がなくなり、HSコードに縛られることなく輸出入が可能になりま
した。なお、小売業に関して本政令の対象ではなく引き続き流通販売ライセ
ンスの取得が必要となりますのでご注意ください。

 このため、商社や製造業にとってはライセンス取得コストの削減、取り扱
い品目の増加など、これまでよりもスムーズにビジネスができる環境となり
ました。ただし、引き続き既存の輸入規制等は存在しますので、具体的な検
討に関しては専門家にご相談することをお勧めいたします。

 日本では、居住者に対しては「全世界所得課税」として、その居住者に対
する全ての所得に対して課税します。一方で、非居住者に対しては「源泉地
国課税」として、日本の国内源泉所得に対してのみ課税をします。

 上記の通り、「居住者」に該当するか「非居住者」に該当するかにより課
税される所得の範囲が異なるため、その判定は重要なものとなります。

 所得税法上、居住者とは「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年
以上居所を有する個人をいう。」と定めています。(所得税法2条3項)

 一方で、非居住者とは「居住者以外の個人をいう。」と定めています。
(所得税法2条5項)

 さらにこの判定については、所得税法施行令にて推定規定が存在し、その
中で次のように定められています。

 国内に居住することとなった個人が次のいずれかに該当する場合には、そ
の者は、国内に住所を有する者と推定する。
1.その者が国内において継続して一年以上居住することが通常必要とする
職業を有すること。(所得税法施行令第14条)

 国外に居住することとなった個人が次のいずれかに該当する場合には、そ
の者は、国内に住所を有しない者と推定する。
1.その者が国外において継続して一年以上居住することを通常必要とする
職業を有すること。(所得税法施行令第14条)

 つまり、海外出張等の場合で出張期間が1年に満たないことが明らかな場
合は、その海外出張中も含めて日本の居住者に該当するという判定となりま
す。

 また、この規定は、出張後に出張期間が変更となっても遡及しないことと
なっています。例えば、当初2年の予定で海外出張をした場合において、出
張期間の変更により半年で帰国したときは、その出国から帰国までの間は非
居住者に該当し、帰国後から居住者に該当することとなります。

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