・ベトナム子会社設立前にお金が必要?
 ベトナム子会社設立申請には、本社の定款写し、決算書、登記簿及び本社代
表取締役のパスポート写しの他、事務所又はレンタル工場の賃貸借契約書等が
必要となります。会社設立前に不動産賃貸借契約書が必要であるため、ベトナ
ムの商習慣により、手付金及び賃貸料の支払が必要ということになります。 
 また、ベトナム子会社設立前において、現地駐在予定者がベトナムへ入国し、
会社の設立準備を行うこともあります。その際には、駐在予定者のためのア
パートの契約、日本語人材の雇用及び事務所又は工場の内装契約をすることが
考えられます。その際には、アパートの手付金及び家賃の支払、給与の支給及
び内装契約の手付金支払を行わなければなりません。

・ベトナム子会社設立前の費用の本社負担の是非
 これら費用を本社負担とする場合、なにか問題になることがあるでしょうか。
 これら費用を本社負担とする処理は、これら費用をベトナム法人費用とする
ことを考えた場合、処理が容易であると考えられるでしょう。しかし、本社で
の日本税務署又は国税局の調査において、損金不算入(税務上、費用とならな
い)との指摘を受ける可能性が高いと考えられます。

・ベトナム子会社の費用とするための要件
 これら費用をベトナム子会社の費用とするには、以下の要件を満たす必要が
あります。

1.本社名義のレッドインボイス
2.本社名義の非居住者口座からの費用支払
3.本社とベトナム子会社間の費用精算に関する契約書
4.本社名義の非居住者口座へのベトナム子会社からに費用精算

 2及び4における非居住者口座とは、ベトナム国内の銀行に開設する、本社
名義の銀行口座となります。
 実務上、本社の立替費用が多額である場合を除き、非居住者口座を開設せず
に費用精算を行うことが多々あります。本社に対する売上がある場合、相殺処
理を行うこともあります。しかしながら、上述の要件を満たさない場合、ベト
ナム税務局によるベトナム子会社の税務調査時において、損金不算入(税務上、
費用とならない)との指摘を受ける可能性があります。