通常、第三者間で資金の貸付を行う場合、貸し手は借り手が返済不能となっ
て貸し倒れるリスクを負うため、そのリスクの程度に応じて金利を回収します。
銀行が会社に貸付けを行う場合は、リスクの程度を測るために債務者の返済能
力や通貨、返済期間等の貸付条件を勘案して金利が設定されます。

 海外子会社への貸付金に対する金利についても考え方は同様で、リスクの程
度に応じて金利を設定することになります。ただし、移転価格税制に基づいて、
独立企業間で成立する金利に整合する形で金利を設定することが求められます。

 ところで、貸付を主たる事業とする銀行が貸付業務によって利益を得ること
を目的としているのに対し、事業会社が本業に付随して貸付けを行うのとでは
金利の設定方法も変わります。そのため、海外子会社への貸付金の金利設定に
ついては、事務運営指針3-7(独立価格比準法に準する方法と同等の方法によ
る金銭の賃借取引の検討)において、検討方法が公表されています。実務上は、
この指針に準じて金利設定の検討を行う必要があります。

 なお、日本を含む先進国の金利水準は、現状非常に低い状況にあります。そ
のため先進国通貨建での貸付金の金利はそれほど高くありませんが、新興国通
貨建で貸付を行う場合には、その通貨に見合った金利を設定する必要があるた
め、対価の回収漏れに注意が必要です。